JP2017106738A - タンクの気密検査方法 - Google Patents

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Tomoyoshi Kobayashi
朋能 小林
上田 将人
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Abstract

【課題】タンクの気密試験に要する時間を短縮すること。
【解決手段】検査チャンバ10内にタンク80を配置して検査チャンバ10を密閉し、検査チャンバ10内の温度を所定温度まで上昇させると共に、または上昇させた後に、検査チャンバ10内の圧力を負圧とする。タンク80の圧力が所定の圧力となるまでタンク80に検査用ガスを充填し、検査用ガスの充填が完了した後、検査チャンバ10における検査用ガスの漏れ量を測定する。
【選択図】図1

Description

本発明はタンクの気密性を検査するための方法に関する。
気体、液体といった流体を充填するタンク(容器)の気密性を検査する方法として、所定の真空度の検査チャンバ内において検査対象のタンクに検査用ガスを供給してガス漏れを検出する方法が知られている(例えば、引用文献1)。この方法は、一般的に、ベルジャー法として知られている。
特開平4−89542号公報
しかしながら、高圧の試験用ガスを充填して行われる気密試験においては、試験用ガスを充填する際の断熱圧縮によりタンク温度が上昇し、タンクとタンク温度よりも低い検査チャンバ内の気体との間で熱交換が生じる。熱交換に伴う検査チャンバ内の気体温度の上昇は、検査チャンバ内の気体体積の増大をもたらし、検査チャンバ内の圧力が上昇する。気密試験時における検査チャンバ内の圧力は負圧であることが求められているので、検査チャンバ内の圧力が負圧に維持されるよう検査チャンバ内の気体の外部への排出を繰り返して圧力を調整しなければならない。
タンク温度は、検査チャンバ内の気体との熱交換により低下し、これに伴いタンク内圧力も低下する。気密試験時におけるタンク内圧力は所定圧力値以上であることが求められるので、タンク温度およびタンク内圧力が安定するまで待機しなければならない。このように、タンク内圧力および検査チャンバ内の圧力が安定するまで試験用ガスの漏れ検出を行うことができず、気密試験を実行する前の準備に時間を要していた。
したがって、タンクの気密試験に要する時間を短縮することが望まれている。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の態様として実現することが可能である。
第1の態様は、タンクの気密検査方法を適用する。第1の態様に係る気密検査方法は、検査チャンバ内にタンクを配置して検査チャンバを密閉し、検査チャンバ内の温度を所定温度まで上昇させると共に、または上昇させた後に、検査チャンバ内の圧力を負圧とし、タンクの圧力が所定の圧力となるまでタンクに検査用ガスを充填し、タンクに対する検査用ガスの充填が完了した後、検査チャンバにおける検査用ガスの漏れ量を測定することを備える。
第1の態様係る気密検査方法によれば、検査チャンバ内の温度を所定温度まで上昇させるので、気密試験に要する時間を短縮することができる。
本発明は、タンクの気密検査システムとしても実現可能である。気密検査システムは、タンクを載置するための検査チャンバと、検査チャンバ内の温度を上昇させるための加熱装置と、検査チャンバ内の圧力を負圧にするための負圧装置と、検査チャンバ内のタンクに検査用ガスを充填するための充填装置と、検査チャンバにおける検査用ガスの漏れ量を測定する測定装置と、を備えることができる。
第1の実施形態において用いられる気密検査システムを概略的に示す説明図。 第1の実施形態に係る気密検査に際して実行される工程を示すフローチャート。 第1の実施形態に係る検査方法と従来の検査方法とにおけるタンク内圧力の時間変移を示す説明図。 第1の実施形態に係る検査方法と従来の検査方法とにおける検査チャンバ温度の時間変移を示す説明図。 第1の実施形態に係る検査方法による検査チャンバ圧力の時間変移を示す説明図。 第2の実施形態において用いられる気密検査システムを概略的に示す説明図。 第2の実施形態の変形例としての気密検査システムを概略的に示す説明図。
本発明に係るタンクの気密検査方法、並びにタンクの気密検査方法を実行するための気密検査システムについて以下説明する。図1は第1の実施形態において用いられる気密検査システムを概略的に示す説明図である。
第1の実施形態:
本実施形態に係る気密検査システム100は、検査チャンバ10、検査用ガス供給部20、負圧ポンプ30、加熱空気供給部40、検査用ガス検出器50、チャンバ内圧力調整器60を備えている。
検査チャンバ10は、内部に検査対象となるタンク80を収容可能な略直方体形状の金属製筐体である。検査チャンバ10は、タンク80を搬入・搬出するための開口部、開口部に配置され開口部を開放または閉塞するための扉11を有している。扉11および開口部の少なくともいずれか一方にはシール部が配置されており、扉11が開口部を閉じている際には、検査チャンバ10は密閉される。
検査チャンバ10は、負圧ポンプ30と連通されている負圧用配管31、加熱空気供給部40と連通されている加熱空気用配管41、検査用ガス検出器50と連通されている検査用ガス配管51、およびチャンバ内圧力調整器60と連通されている圧力調整配管61をそれぞれ接続するための複数の開口部を備えている。なお、これら複数の開口部は、大気とは直接連通されておらず、各配管に接続されているポンプ等のアクチュエータが動作しない状態において、検査チャンバ10内の圧力は維持される。
検査チャンバ10は、検査チャンバ内の圧力を検出するための微差圧計12、内部配管と外部配管とを連結するための連結部13、タンク80の口金に備えられているガス充填口とガス供給口と連結部13とを接続するための内部ガス充填管14aおよび内部ガス排出管14bを備えている。ガス充填口はタンク80に対して燃料ガスを充填するために用いられ、ガス供給口は燃料ガスを利用するガス消費装置、例えば、燃料電池に対して燃料ガスを供給するために用いられる。
検査用ガス供給部20は、充填管21a、排出管21b、並びに、図示しない検査用ガス貯蔵器、検査用ガス供給ポンプおよび予冷器を備える、タンク80に検査用ガスを充填するための充填装置である。充填管21aは検査チャンバ10の連結部13を介して内部ガス充填管14aと連通され、排出管21bは連結部13を介して内部ガス排出管14bと連通されている。充填管21aおよび排出管21bにはそれぞれ圧力計P1、P2が備えられており、タンク80の充填側圧力および排出側圧力を検出することができる。タンク80に対して検査用ガスを充填する際には、圧力計P1により検出される圧力が、予め定められたタンク圧力、例えば、80Mpaとなるまで充填が継続される。予冷器の冷媒としては、例えば、液体窒素が用いられる。
本実施形態においては、検査用ガスとして、希釈ヘリウムガスが用いられる。希釈用ガスとしては窒素ガスが用いられる。検査用ガスは、予冷器によって所定温度以下、例えば、−40℃以下、に予冷されて、充填管21a、連結部13および内部ガス充填管14aを介してタンク80内に充填される。検査用ガスを−40℃以下に予冷することによって、タンク80に対する80Mpaでの検査用ガス充填時におけるタンク内温度の上昇を85℃以下に抑えることができる。検査終了後、タンク80内に充填された検査用ガスは、内部ガス排出管14b、連結部13および排出管21bを介して大気中に放出、または、検査に再度用いるために回収される。
負圧ポンプ30は、負圧用配管31を介して検査チャンバ10内の気体を吸引して外部に排出することによって検査チャンバ10内の圧力を負圧にするためのポンプであり、検査チャンバ内の圧力を負圧にするための負圧装置である。なお、本実施形態における負圧とは、大気圧基準の負圧であり、0kPa未満であれば良い。
加熱空気供給部40は、加熱器と、加熱空気用配管41を介して加熱器によって加熱された空気を検査チャンバ10内に供給するためのポンプを備える、検査チャンバ10内の温度を上昇させるための加熱装置である。加熱器としては、ニクロムヒータ、シーズヒータ、セラミックヒータ等を用いることができる。加熱器による空気の加熱温度域(加熱空気の温度域)は、75℃〜100℃であり、本明細書において高温という場合の温度は、75℃〜100℃の温度である。また、加熱空気の温度は、タンク80に対する検査用ガス充填時におけるタンク80の温度よりも高い温度であることが望ましい。なお、本実施形態において、検査用ガス充填時におけるタンク80の温度は、80℃〜85℃である。
検査用ガス検出器50は、検査用ポンプによって検査用ガス配管51を介して検査チャンバ内の気体を吸引し、質量分析管によって吸引した気体中における検査用ガスのリーク量(ml/h)を検出する、測定装置である。既述のように、本実施形態においては希釈ヘリウムガスが用いられるため、検出されたリーク量に対して換算処理を行った上で、100%ヘリウムガスを用いた場合のリーク量が求められる。
チャンバ内圧力調整器60は、1または複数の水封器を直列に連結して構成されており、圧力調整配管61を介して検査チャンバ10の気体の体積変動を吸収することによって、検査チャンバ10の小さな圧力変動を吸収する。
タンク80の口金にはガス充填口およびガス供給口の他に、タンク80内の温度を検出するための温度センサ81が備えられている。温度センサ81は、例えば、熱電対式の温度センサである。
本実施形態に係る気密検査方法について説明する。図2は本実施形態に係る気密検査に際して実行される工程を示すフローチャートである。
検査チャンバ10内にタンク80を収容する(ステップS100)。具体的には、タンク80を検査チャンバ10内に搬入し、扉11を閉めて検査チャンバ10を密閉状態とする。
加熱空気供給部40を作動させて、検査チャンバ10内に加熱空気を導入する加熱処理を実行し、更に、加熱処理に続いて負圧ポンプ30を用いた負圧処理を実行する(ステップS110)。加熱処理に際しては、100℃の加熱空気が検査チャンバ10内に所定時間にわたって供給される。所定時間は、例えば、検査チャンバ10内の気体の温度(以下では、単に「検査チャンバ10の温度」という。)が100℃となるまでに要する時間であり、予め実験的に求められた時間である。加熱処理に際しては、加熱空気供給部40により加熱空気を検査チャンバ10内に供給すると共に、負圧ポンプ30によって検査チャンバ10の既存の気体を排出することによって、検査チャンバ10の温度を早期に目標温度まで上昇させることができると共に、加熱空気の供給に伴う検査チャンバ10の圧力上昇を防止または抑制することができる。
時間を指標とする管理、制御に代えて、検査チャンバ10の温度を検出する温度センサを用いて、検査チャンバ10の実際の温度が100℃となるまで加熱空気が供給されても良い。また、検査チャンバ10の温度は、熱平衡に要する時間を考慮すると75℃以上に加熱されることが望ましく、充填時におけるタンク80の温度である85℃以上であることが更に望ましい。検査チャンバ10の温度を充填時におけるタンク80の温度よりも高い温度にすることによって、タンク80に対する検査用ガスの充填時に、検査チャンバ10の温度が上昇することはなく、むしろ降下するため、検査チャンバ10内の圧力上昇を防止または抑制することができる。なお、検査チャンバ10の温度が充填完了時におけるタンク80の温度よりも低い75℃〜85℃程度に加熱される場合であっても、検査チャンバ10およびタンク80の温度差は小さく、短時間で熱平衡に到達するので、検査チャンバ10およびタンク80の圧力は短時間で安定する。
負圧処理に際しては、微差圧計12を介して検出される検査チャンバ10内の圧力が所定の負圧となるまで負圧ポンプ30によって検査チャンバ内の気体が外部に排出される。本実施形態における所定の負圧は、例えば、−1.0〜−1.5kPaである。なお、加熱処理時における負圧ポンプ30の吸気量を、加熱空気供給部40による加熱空気の供給量よりも多く設定することによって、実質的に加熱処理と負圧処理とを同時に実行して、負圧処理に要する時間を短縮しても良い。
負圧処理の後、タンク80に対して検査用ガスが充填される(ステップS120)。具体的には、先ず、ヘリウムガスと窒素ガスが予混合された希釈ヘリウムガスを用いて充填を実行し、その後、窒素ガスを用いて、検査用ガス供給部20によって、圧力計P1により検出されるタンク80内の圧力が80MPaとなるまで充填が実行される。希釈ヘリウムガスを用いた充填時に、検査用ガス検出器50によって検査用ガスの漏れ検出が実行されても良い。このような低圧充填状態において既に検査用ガスの漏れが検出される場合には、当該タンクに対して、以降の漏れ検査を実行する意義はないからである。なお、充填後のタンク80内の圧力は、圧力計P2によって検出され得る。
タンク80に対する検査用ガスの充填が完了すると、タンク80の温度および圧力、並びに検査チャンバ10の圧力が安定するまで待機する(ステップS130)。安定待機は、予め実験的に安定に要する時間(安定時間)を求めて(決めて)おき、安定時間が経過するまで待機しても良く、あるいは、温度センサ81によって検出されるタンク80の温度または温度の変化率が所定値以下になると共に、微差圧計12によって検出される検査チャンバ10内の圧力または圧力の変化率が所定値以下となるまで待機しても良い。なお、タンク80の温度に代えてタンク80の圧力の変化率を参照しても良いが、温度と圧力とは正比例の関係にあるので、温度を参照することは圧力を参照することにもなる。
本実施形態では、検査チャンバ10の温度が充填完了時におけるタンク80の温度よりも高いので、経時に伴う熱平衡により検査チャンバ10の温度は降下し、検査チャンバ10内の気体体積は小さくなり、検査チャンバ10の圧力は低下する。したがって、検査チャンバ10の負圧を維持するために追加の負圧処理を実行するために要する時間を短縮することができる。また、検査チャンバ10の温度は充填完了時のタンク80の温度よりも高く、タンク80温度の降下にともなうタンク80圧力の降下は発生せず、また、検査チャンバ10とタンク80との間における熱平衡に要する時間を短縮することができる。
安定待機が終了すると、検査チャンバ10内の気体に含まれる検査用ガスの測定、すなわち、漏れ判定が行われる(ステップS140)。具体的には、5分間にわたって、検査用ポンプによって検査用ガス配管51を介して検査チャンバ内の気体を吸引し、吸引した気体中における検査用ガスのリーク量(ml/h)が検査用ガス検出器50によって測定される。日本の法規では、リーク量<5ml/h/Lであれば対象タンクは気密検査の基準を満たしており、対象タンクは気密検査に合格となる。本実施形態においては検査用ガスとして希釈ヘリウムガスが用いられているので、ヘリウム濃度100%への換算、時間当たりへの換算、並びに、検査体積の検査チャンバ10の容積への換算を経て、判定に用いられるリーク量が得られる。また、日本の法規における希釈ヘリウムガスにおけるヘリウム濃度は0.5〜2.0%、測定時におけるタンク圧力は70MPa以上、測定時間は1分以上、とされている。なお、検査用ガスの測定に関わる条件は、各国の法規に準じて変更され得る。
測定が完了すると、タンク80内の検査用ガスの放出が行われる。タンク80内の検査用ガスは、内部ガス排出管14b、連結部13および排出管21bを介して大気中に自然放出される。圧力計P2によって検出されるタンク80内の圧力値が0kPaになると、扉11が開けられ、検査チャンバ10内からタンク80が取り出されて気密検査が完了する。
なお、図2に示す各工程の全部または一部は、気密検査システム100が備える各装置を図示しない制御信号線により制御する制御装置により実行されても良い。この場合、制御装置は、気密検査システム100に備えられているセンサからの検出信号を用い、予め用意されたプログラムに従って、各工程を実行する。
図3〜図5を参照して、本実施形態の利点について説明する。図3は本実施形態に係る検査方法と従来の検査方法とにおけるタンク内圧力の時間変移を示す説明図であり、図3(a)は従来の検査方法によるタンク内圧力の時間変移を示し、図3(b)は本実施形態に係る検査方法によるタンク内圧力の時間変移を示している。図3(a)および図3(b)において縦軸はタンク内圧力(MPa)を、横軸は時間(min)を示している。
本実施形態に係る検査方法によれば、タンク内圧力は、検査用ガスの充填完了時において87.5Mpaであり、その後、時間が経過してもほとんど変化しておらず微減するに止まり、検査用ガスの充填完了時から安定しているということができる(図3(b))。一方、従来の検査方法によれば、タンク内圧力は、検査用ガスの充填完了時において87.5Mpaであり、その後、時間経過と共に大きく低減し、約70Mpaまで低下した後、微減状態となり安定し始める(図3(a))。したがって、本実施形態の検査方法によれば、従来、タンク内圧力の変化が微減となるまでの安定待機時間が不要となり、測定開始までの時間を短縮することができる。
図4は本実施形態に係る検査方法と従来の検査方法とにおける検査チャンバ温度の時間変移を示す説明図であり、図4(a)は従来の検査方法による検査チャンバ温度の時間変移を示し、図4(b)は本実施形態に係る検査方法による検査チャンバ温度の時間変移を示している。図5は本実施形態に係る検査方法による検査チャンバ圧力の時間変移を示す説明図である。図4(a)および図4(b)において縦軸は検査チャンバ内温度(℃)を、横軸は時間(min)を示している。図5において縦軸はチャンバ内圧力(kPa)を、横軸は時間(min)を示している。
本実施形態に係る検査方法によれば、検査チャンバ10の温度は、検査用ガスの充填中から略一定となり、その後、検査用ガスの充填完了時を含む時間領域まで略同一の温度を示す(図4(b))。すなわち、本実施形態では、加熱処理によって、検査チャンバ10の初期温度は、充填完了時におけるタンクの温度よりも高いので、タンク温度と検査チャンバの温度が熱平衡状態にとなるまで検査チャンバ10の温度は低下し、熱平衡状態となった後は略一定の温度を示す。この条件下においては、検査チャンバ10の温度と圧力は正比例するので、図5に示すように、検査開始時に負圧とされた検査チャンバの圧力は、時間経過と共に更に低下し、検査用ガスの充填完了時から測定期間が経過するまでの期間は、ほぼ一定の圧力値を示している。また、検査チャンバ10の温度は低下するので、正圧となることはなく、負圧が維持される。一方、従来の検査方法によれば、検査チャンバの温度は、検査用ガスの充填開始からタンク温度と検査チャンバの温度が熱平衡状態となるまで上昇し続ける(図4(a))。したがって、検査チャンバの圧力も上昇し、検査チャンバの圧力を負圧に維持するために、検査チャンバの温度が略一定となるまでの期間、検査チャンバ内の気体を排気する負圧処理を繰り返して実行しなければならない。したがって、本実施形態の検査方法によれば、一旦、負圧とされた検査チャンバ10の圧力は、検査期間を通じて上昇することはなく、少なくとも、検査チャンバ10の圧力が正圧となることはなく、従来、検査チャンバの圧力の変化が微増、あるいは、測定期間にわたって負圧を維持できる状態となるまでの安定待機時間が不要となり、測定開始までの時間を短縮することができる。
以上説明した第1の実施形態に係るタンクの気密検査方法によれば、検査開始時に検査チャンバ10の温度を上昇させるので、検査用ガスの漏れ量測定までに要する時間を短縮することができる。すなわち、第1の実施形態に係るタンクの気密検査方法では、検査チャンバ10の温度を、望ましくは、検査用ガス充填完了時におけるタンク80の温度よりも高く設定するので、検査用ガスの充填に伴うタンク80の発熱により検査チャンバ10が加熱される(温度上昇する)ことはない。この結果、検査チャンバ10内の気体の体積膨張を招くことはなく、従来問題となっていた気体の体積膨張に伴う検査チャンバの圧力増加を防止または抑制し、追加の負圧処理を行うことなく検査チャンバ10の圧力を負圧に維持することができる。
第1の実施形態に係るタンクの気密検査方法によれば、検査チャンバ10の温度を検査用ガス充填完了時におけるタンク80の温度よりも高く設定するので、検査チャンバ10とタンク80との間の熱平衡に伴い、検査チャンバ10の温度は低下し、気体の体積減少をもたらす。したがって、検査チャンバ10の圧力は自然に低下することとなり、この点においても検査チャンバの圧力増加を防止または抑制して検査チャンバ10の圧力を負圧に維持することができる。
なお、検査チャンバ10の温度が75℃程度まで加熱される場合であっても、室温から開始する従来と比較して、検査チャンバ10とタンク80との熱量差は小さいので、検査チャンバ10とタンク80との間の熱平衡に要する時間は短くなり、測定開始までの時間を短縮することができる。この場合には、追加の負圧処理を要する可能性もあるが、従来と比較して、追加の負圧処理の回数を低減することができるので、測定開始までの時間を短縮することができる。
第2の実施形態:
図6を参照して、第2の実施形態に係る気密検査システム100aについて説明する。図6は第2の実施形態において用いられる気密検査システムを概略的に示す説明図である。第2の実施形態に係る気密検査システム100aは、加熱空気供給部40並びに加熱空気供給部40に関わる開口部、加熱空気用配管41に代えて、加熱器40aを検査チャンバ10内に備える点において第1の実施形態に係る気密検査システム100と異なっている。なお、第2の実施形態に係る気密検査システム100aが備えるその他の構成は、第1の実施形態に係る気密検査システム100が備える構成と同様であるから、第1の実施形態に係る気密検査システム100に対して用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
加熱器40aは、検査チャンバ10内の気体を直接加熱するために検査チャンバ10内に配置されている。加熱器40aとしては、ニクロムヒーター、シーズヒータ、セラミックヒータ等を用いることができる。
検査チャンバ10は、加熱器40aによる検査チャンバ10内の気体の加熱効率を高めるために、断熱性の高い材料によって構成されている、あるいは、断熱部材により覆われていることが望ましい。断熱性の高い材料および断熱部材については一般的によく知られたものを用いることができるので、その詳細については説明を省略する。
第2の実施形態に係る気密検査システム100aを用いた気密検査方法は、第1の実施形態において説明した気密検査方法と同様である。ただし、第2の実施形態に係る気密検査方法では、検査チャンバ10を密閉状態で加熱するので、より細かな検査チャンバ10の圧力管理を要するものの、加熱処理と負圧処理とを同時に実行することも可能である。
第2の実施形態に係る気密検査方法では、検査チャンバ10に対して、外部への排気により検査チャンバ10の圧力を一定圧力に調整する圧力調整弁を備えることによって、負圧処理を省略することも可能である。すなわち、加熱器40aによる検査チャンバ10内の気体加熱時には、気体の体積膨張により検査チャンバ10の圧力は上昇し、圧力調整弁を介して膨張分の気体は検査チャンバ10の外部に排出される。加熱器40aによって検査チャンバ10の温度が充填完了時におけるタンク80の温度よりも高い温度まで昇温された後は、検査チャンバ10の温度は低下し、検査チャンバ10内の気体は収縮し、検査チャンバ10の圧力は低下する。したがって、検査チャンバ10内は自然に負圧となる。
第2の実施形態の変形例について図7を用いて説明する。図7は第2の実施形態の変形例としての気密検査システムを概略的に示す説明図である。第2の実施形態に係る気密検査システム100aにおいては、加熱器40aは検査チャンバ10内に配置されていたが、変形例に係る気密検査システム100bにおいては、検査チャンバ10の外部に加熱器40bが備えられている。
検査チャンバ10は、加熱器40bにより検査チャンバ10内の気体の加熱効率を高めるために、少なくとも、加熱器40bが配置されている部位においては、熱伝導性の高い材料によって構成されていることが望ましい。
第2の実施形態に係るタンクの気密検査方法によれば、第1の実施形態に係るタンクの気密検査方法と同様に測定開始までの時間を短縮することができる。また、加熱空気供給部40を備えないので気密検査システムを簡略化することができる。さらに、検査チャンバ10を気密状態にて加熱することができるので、加熱処理と負圧処理とを同時に実行して測定時間までの更なる時間の短縮が可能となる。またさらに、気密検査システム100a、100bが圧力調整弁を備える場合には、負圧処理を不要とすることが可能となり、測定時間までの更なる時間の短縮が可能となる。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。たとえば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…検査チャンバ
11…扉
12…微差圧計
13…連結部
14a…内部ガス充填管
14b…内部ガス排出管
20…検査用ガス供給部
21a…充填管
21b…排出管
30…負圧ポンプ
31…負圧用配管
40…加熱空気供給部
40a…加熱器
40b…加熱器
41…加熱空気用配管
50…検査用ガス検出器
51…検査用ガス配管
60…チャンバ内圧力調整器
61…圧力調整配管
81…温度センサ
100、100a、100b…気密検査システム
P1…圧力計
P2…圧力計

Claims (1)

  1. タンクの気密検査方法であって、
    検査チャンバ内に前記タンクを配置して前記検査チャンバを密閉し、
    前記検査チャンバ内の温度を所定温度まで上昇させると共に、または上昇させた後に、前記検査チャンバ内の圧力を負圧とし、
    前記タンクの圧力が所定の圧力となるまで前記タンクに検査用ガスを充填し、
    前記タンクに対する前記検査用ガスの充填が完了した後、前記検査チャンバにおける前記検査用ガスの漏れ量を測定する、気密検査方法。
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