JP2012111451A - プレキュアトレッド及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ウィング部に耐候性を付与し、かつプレキュアトレッドとタイヤケーシングとの十分な接着性が得られるプレキュアトレッド及び該プレキュアトレッドを用いて製造する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部2の両端にウィング部3を有するプレキュアトレッドであって、該ウィング部3を構成するゴム成分が、(A)エチレン−プロピレン−ジエンゴムを単独で15質量%以上配合するか、又は(B)エチレン−プロピレン−ジエンゴム及びハロゲン化ブチルゴムを合わせて20質量%以上配合することを特徴とするプレキュアトレッド、及び予め加硫されたトレッド部を有しないプレキュアタイヤケーシング4のクラウン部の外周に、未加硫のクッションゴム層を介し、前記プレキュアトレッドを共加硫接着させてなる空気入りタイヤである。
【選択図】図3

Description

本発明は、プレキュアトレッド及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来におけるトラック・バス用ラジアルタイヤの更生タイヤの製造においては、摩耗して一次寿命を終えたタイヤ(以下、「台タイヤ」と称する)のトレッド面をバフし、この上に、予め加硫された更生用のトレッドゴム部(プレキュアトレッド)を貼りつける方法が代表的なものの1つとして知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、コールド(COLD)方式又はプレキュア方式等の名称で呼ばれ、台タイヤに未加硫のトレッドゴムをのせてモールド加硫するホット(HOT)方式と区別されている。
上記COLD方式では、台タイヤとプレキュアトレッドとを接着するために、未加硫のクッションゴムが、まず台タイヤに貼られ、更にその上にプレキュアトレッドを貼り付けた上で、加硫缶で110〜140℃、2時間〜3時間加熱する方式が一般的である。
COLD方式を用いた更生タイヤの製造においては、一次寿命を終えた使用済みタイヤをタイヤケーシングとして使用するが、該タイヤケーシングのトレッド部には様々な形状でトレッドゴムが残っているため、ある一定の形状まで残ったトレッドゴムを削り取る必要がある。この場合のトレッドゴムを削り取る作業はバフと呼ばれ、バフされた面はバフ面と呼ばれる。なお、トレッド部を削り取るには鋸状の刃を回転させるラスプと呼ばれる刃が一般に用いられる。
このように、更生タイヤ用の台タイヤのバフ面は、表面粗さの大きい粗い面となり、この表面粗さの大きい粗い面とプレキュアトレッドとを接着させるために、バフ面等の表面粗さ以上の厚さを有するクッションゴムを用いることが通常行われる。
一方、上記更生タイヤに限らず、トレッドとタイヤケーシングとを接着させて新品のタイヤを製造する場合にも、加硫済みのトレッド及びタイヤケーシングを、未加硫ゴムを挟んで接着させるため、前記COLD方式の適用が可能と考えられる。
ところで、上記プレキュアトレッド1は、タイヤケーシング4との接着性を向上させて、トレッドの剥離を抑制すること、及び製品外観を向上させることを目的にトレッド部の両端にヒレ状の構造(以下「ウィング部」と称する。)を設ける場合があり(図1及び図2参照)、タイヤケーシングとの接合部外周を覆うものがある(図3参照)。
一般に、ゴム組成物では、耐候性を向上させる目的で表面を保護するワックス類を添加するが、上述のCOLD方式によりタイヤを製造する場合には、台タイヤなどのタイヤケーシングとプレキュアトレッドとの接着性が悪化するために、ワックス類等の添加は好ましくない。紫外線やオゾンなどの劣化を受けにくいトレッド部においては、ワックスを添加しないことの影響は大きな問題にはならないが、上記ウィング部においては、オゾンや紫外線により物性の低下が起こったり、クラックなどの外観劣化が生じるといる問題があった。
また、耐候性を向上させるためにカーボンブラックの配合量を増やす方法もあるが、発熱性などの他物性への影響が大きいことから、その添加量には限界がある。
上記課題に対して、タイヤのバットレス部に薄膜層を設け、該薄膜層中にフェニレンジアミン系の老化防止剤を添加した空気入りタイヤが提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、老化防止剤は消費されていくものであり、恒常的な対策とはならないとともに、大量に使用すると他の物性への悪影響が懸念される。さらには、老化防止剤は一般に高価であり経済的な問題もある。
特開平9−57871号公報 特開2004−161139号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、トレッド部とウィングを有するプレキュアトレッドを用いて製造するタイヤにおいて、ウィング部に耐候性を付与し、かつプレキュアトレッドとタイヤケーシングとの十分な接着性が得られるプレキュアトレッド及び該プレキュアトレッドを用いて製造する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題に対して鋭意検討した結果、トレッド部の両端にウィング部を有するプレキュアトレッドのウィング部にエチレン−プロピレン−ジエンゴムを特定量配合することで、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、
(1)トレッド部の両端にウィング部を有するプレキュアトレッドであって、該ウィング部を構成するゴム成分が、(A)エチレン−プロピレン−ジエンゴムを単独で15質量%以上配合するか、又は(B)エチレン−プロピレン−ジエンゴム及びハロゲン化ブチルゴムを合わせて20質量%以上配合することを特徴とするプレキュアトレッド、及び
(2)予め加硫されたトレッド部を有しないプレキュアタイヤケーシングのクラウン部の外周に、未加硫のクッションゴム層を介し、上記(1)に記載のプレキュアトレッドを共加硫接着させてなる空気入りタイヤ、
を提供するものである。
本発明のプレキュアトレッドによれば、トレッド部の両端に位置するウィング部によって、プレキュアトレッドとタイヤケーシングとの十分な接着性が得られ、しかも該ウィング部は十分な耐候性を有しているため、オゾンや紫外線により物性の低下が起こったり、クラックなどの外観劣化が生じることがない。
本発明のプレキュアトレッドを示す概念図である。 トレッド部とウィング部が一体となったプレキュアトレッドを示す概念図である。 本発明のプレキュアトレッドをタイヤに配したときの概念図である。
本発明のプレキュアトレッドは、図1に示すように、トレッド部2の両端にウィング部3を有し、該ウィング部を構成するゴム成分が、(A)エチレン−プロピレン−ジエンゴムを単独で15質量%以上配合するか、又は(B)エチレン−プロピレン−ジエンゴム及びハロゲン化ブチルゴムを合わせて20質量%以上配合することを特徴とする。
このような配合とすることによって、ウィング部は十分な耐候性を有し、オゾンや紫外線により物性の低下が起こったり、クラックなどの外観劣化が生じることがない。特に、耐候剤等の薬品の添加による耐候性の向上に頼るものではないため、薬品の消失による経時的な耐候性の劣化がない。
また、上記配合はウィング部にのみ適用されるものであって、耐摩耗性などトレッド部に要求される重要物性について、影響を及ぼすことはない。さらに、該ウィング部において、耐候性確保のためのカーボンブラックや老化防止剤など、着色性の高い添加剤を用いないでよいことから、ウィング部を任意に着色できるという利点もある。
<ゴム成分>
本発明のプレキュアトレッドのウィング部のゴム成分は、少なくともエチレン−プロピレン−ジエンゴム(以下「EPDM」と記載する。)を含有し、さらに、所望に応じて、EPDMに加えてハロゲン化ブチルゴム(以下「X−IIR」と記載する。)を含有することが特徴である。その含有量は、(A)EPDMを単独で用いる場合には、ゴム成分中に15質量%以上配合することが必要であり、(B)EPDMとX−IIRを併用する場合には、両者を合わせて20質量%以上配合することが必要である。
上記(A)の態様において、EPDMの配合量の上限値は、本発明の効果を奏する範囲で特に制限されないが、他の物性を考慮すると、通常は50質量%以下であることが好ましい。また、(B)の態様においても、EPDM及びX−IIRの配合量の上限値は、本発明の効果を奏する範囲で特に制限されないが、他の物性を考慮すると、通常は50質量%以下であることが好ましい。
EPDMは、エチレンとプロピレンの共重合体に、第3成分として少量のジエンを導入した主鎖中に二重結合を持たせたものであり、第3成分としては、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンなどがある。
また、X−IIRは、イソブチレンとイソプレンの共重合によって得られる合成ゴムをさらにハロゲン化したものである。ハロゲン化ブチルゴムとしては、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、その変性ゴムなどが含まれる。
上記ウィング部のゴム成分を構成する他のゴム成分としては、通常タイヤに用いられるゴムを用いることができ、具体的には、天然ゴム(NR)又は合成ゴムを単独又はこれらをブレンドして使用することができる。合成ゴムとしては、例えば、合成ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、及びブチルゴム等が挙げられる。
次に、本発明のプレキュアトレッドのトレッド部のゴム成分は、通常のタイヤトレッドに用いられるゴム配合を用いることができ、特に制限されない。具体的には、天然ゴム(NR)又は合成ゴムを単独又はこれらをブレンドして使用することができる。合成ゴムとしては、例えば、合成ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、及び上述のハロゲン化ブチルゴム等が挙げられる。
これらのうち、NR、BR及びSBRが好適であり、タイヤの要求性状に応じて、これらのゴムの配合量は設定される。
<充填剤>
本発明のプレキュアトレッドにおけるウィング部及びトレッド部を構成するゴム組成物には、充填剤を含有していてもよい。該充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等を挙げることができる。これら充填剤の種類としては特に制限はなく、従来ゴムの充填剤として慣用されているものの中から任意のものを選択して用いることができる。これらのうち、特にカーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウムが好ましい。
ここで、前記カーボンブラックとしては、通常ゴム工業に用いられるものが使用でき、例えば、SAF、HAF、ISAF、FEF、GPFなど種々のグレードのカーボンブラックを単独に又は混合して使用することができる。カーボンブラックを用いる場合、配合量はゴム成分100質量部に対し20質量部〜60質量部とすることが望ましい。配合量を上記範囲とすることにより、耐摩耗性と氷上性能との両立を図ることができる。
<その他の配合剤>
本発明のゴム組成物には、前記ゴム成分、カーボンブラック等の充填剤の他、プロセスオイル等の油分、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、酸化亜鉛、オゾン劣化防止剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、カップリング剤、発泡剤、発泡助剤及びステアリン酸等のゴム業界で通常使用されるゴム用配合材料を、本実施形態の目的を害しない範囲内で適宜選択し配合することができる。これら配合剤は、市販品を好適に使用できる。
<空気入りタイヤ>
上記ゴム組成物からなる予め加硫されたプレキュアトレッドを用いた本発明のタイヤは、予め加硫されたトレッド部を有しないプレキュアタイヤケーシングのクラウン部の外周に、未加硫のクッションゴム層を介して予め加硫されたプレキュアトレッドを共加硫接着させてなる空気入りタイヤである。
図3に本発明のプレキュアトレッドをタイヤに配したときの概念図を示す。トレッド部2とウィング部3からなる本発明のプレキュアトレッドは予め加硫され、別に予め加硫されたトレッド部を有しないプレキュアタイヤケーシング4のクラウン部の外周に、未加硫のクッションゴム層(図示せず)を介して配置され、共加硫接着されて本発明の空気入りタイヤが得られる。
本発明の空気入りタイヤは、上述のように、トレッド部2の両端に位置するウィング部3によって、プレキュアトレッド1とタイヤケーシング4との十分な接着性が得られ、しかも該ウィング部3は十分な耐候性を有しているため、オゾンや紫外線により物性の低下が起こらず、クラックなどの外観劣化が生じることがない。
クッションゴム層については、接着面における凹凸を埋めて十分な接着性を確保するとの観点から、共加硫後の平均厚さが0.1mm以上であることが好ましく、低発熱性及び耐久性の観点から2mm以下であることが好ましい。
本実施形態のタイヤは、下記の各工程を有する本実施形態のタイヤの製造方法によって製造される。
<プレキュアトレッド及びプレキュアタイヤケーシングを作製する工程>
本発明のプレキュアトレッドは、トレッド部2と両端にあるウィング部3を構成するゴム組成物を共押し出しすることで、一体成形することができる。また、トレッド部及びウィング部を別途成形しておき、接着剤等で接着することによって製造することができる。接着性の観点からは一体成形することが好ましい。
次いで、共押し出し又は接着剤による接着によって一体化した成形体は、金型によって、トレッドパターンが形成され、加硫装置によって加硫されて、本発明のプレキュアトレッドが得られる。
他方、前述のプレキュアタイヤケーシング4を製造する場合には、まず未加硫のタイヤケーシングを成形する。未加硫のタイヤケーシングは、公知のタイヤ製造方法におけるグリーンタイヤの成形工程と同様にして成形される。例えば、成形ドラム上に未加硫ゴムがゴム引きされたカーカス層を巻き付け、その両端部にビードコアをセットした後、その両端部を折り返し、更にサイドウォール部の未加硫ゴムを貼り付ける。次いで、その幅方向中央部を膨径させて断面馬蹄形の円環状にした後、カーカス層外周上に未加硫のベルト層を設ければ、未加硫のタイヤケーシングを得ることができる。
上記未加硫のタイヤケーシングを金型(モールド)にセットして、加硫成形することにより、トレッド部を有しないプレキュアタイヤケーシング4を得ることができる。
また、更生タイヤの製造においては、使用済みタイヤをタイヤケーシングとして使用するが、該タイヤケーシングのトレッド部には様々な形状でトレッドゴムが残っているため、ある一定の形状まで残ったトレッドゴムを、前述のように、ラスプと呼ばれる鋸状の刃を回転させる装置を用いて削り取る、いわゆるバフと呼ばれる作業を行い、プレキュアタイヤケーシング4を得る。
<プレキュアトレッドにおける接着面及びプレキュアタイヤケーシングのクラウン部における接着面の表層ゴムを削り取る工程>
前工程で得られたプレキュアトレッドやプレキュアタイヤケーシングにおいては、加硫中にモールド面と接していたタイヤケーシング表面が未加硫ゴムと共架橋し難い性質があるため、接着性を確保することを目的として表層ゴムを取り除く(削り取る)必要がある。ただし、削り取る表層ゴムは、その目的からして、厚さ0.001mm以下の極めて薄い層で十分である。
上記表層ゴムが削り取られた後の面(接着面)においては、接着性確保等の観点から形状が重要であり、接触面積増大及び界面歪分散の観点からは、複雑な形状(界面粗さ)が有利であるが、必ずしも必要ではない。
具体的には、前記プレキュアトレッドにおける前記クッションゴム層との接着面、及び前記プレキュアタイヤケーシングのクラウン部における前記クッションゴム層との接着面の表面粗さが、ラジアル方向に切断した断面における断面曲線の算術平均粗さRaで0.001mm〜0.1mmの範囲であることが好適である。上記算術平均粗さRaをこの範囲とすることにより、共加硫接着後の接着力を十分に確保できる。
表層ゴムを削り取る方法に関しては、前記表面粗さを好適範囲とすることができれば特に制限がなく、砥石、金属製研磨器具、不織布製研磨具などを用いて前記接着面を研磨すればよく、これらの研磨具等を用いて前記適切な算術平均粗さRaで表される表面粗さを有する面を形成することができる。
<未加硫のクッションゴム層を介して、プレキュアトレッドをプレキュアタイヤケーシングのクラウン部外周に貼付してトレッド貼付タイヤケーシングを作製する工程>
本工程では、まずプレキュアタイヤケーシングのクラウン部外周に未加硫のクッションゴム層を形成する。前述のように、プレキュアトレッド及びプレキュアタイヤケーシングにおける接着面の表面粗さがかなり小さいため、両者の間を埋める接着層としてのクッションゴム層の加硫後の平均厚さは、前記のように0.1mm以下で十分となる。
このため、本実施形態における未加硫のクッションゴム層としては、通常のシート状のクッションゴムではなく、液状ゴムを接着面に塗布して形成されることが望ましい。なお、液状ゴムの塗布は、通常プレキュアタイヤケーシングの接着面に対して行われるが、プレキュアトレッドの接着面に行ってもよく、両者に行ってもよい。
上記液状ゴムとしては、未加硫のゴム組成物を溶媒に溶解させたゴム溶液を用いることが、低粘度化が可能である点から好ましい。該液状ゴム組成物としては、通常のゴム組成物に用いられるゴム成分、各種加硫促進成分、架橋成分以外に、必要に応じて、補強充填材としてのカーボンブラック、軟化剤(オイル)、老化防止剤、硫黄などの架橋剤等の通常ゴム工業で使用される薬品類等を適宜配合することができる。なお、ゴム成分としては、天然ゴム(NR)又は合成ゴムを単独又はこれらをブレンドして使用することができる。合成ゴムとしては、例えば、合成ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等が挙げられる
次いで、プレキュアトレッド1をプレキュアタイヤケーシング4のトレッド部に、クッションゴム層(図示せず)を介して密着させ、プレキュアトレッドが接着されたプレキュアタイヤケーシングを得る。この際に、ウィング部3がプレキュアトレッド1とタイヤケーシング4との接着性を向上させるとともに、タイヤケーシングとの接合部外周を覆い、製品外観を向上させる(図3参照)。
<トレッド貼付タイヤケーシングを加熱して、プレキュアトレッドをプレキュアタイヤケーシングのクラウン部外周に共加硫接着させる工程>
次いで、前記トレッド貼付タイヤケーシングを、図示していない加硫装置に搬入して、未加硫クッションゴムを加硫しタイヤとする。このとき、前記プレキュアトレッドはプレキュアタイヤケーシングのクラウン部外周に共加硫接着される。
加硫条件としては、90〜130℃程度、30分〜8時間で行うことが好ましい。
本実施形態のタイヤは、トレッドとトレッド部を含まないタイヤケーシングとを別々に加硫した後、両者の間に加硫速度の速い未加硫ゴムを挟んで再び加硫し、これらを共加硫接着させる方法により得られるものであるが、これによりトレッドとタイヤケーシングとを一体成形して加硫した場合に比べ、タイヤ内部及び表面近傍でのゴム物性が均一化される。また、トレッドとタイヤケーシングとの接着面の表面粗さを極力小さくしたことによって、クッションゴム層を薄層化でき、タイヤの低発熱性及び耐久性と生産性との両立化を図ることができるものとなる。
以上、実施形態により本発明を説明したが、本発明は、上記の形態に限定されず、その発明の目的から逸脱しない範囲内において、任意の変更、改変を行うことができる。
以下、実施例により本実施形態を更に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、評価は以下に示すオゾンクラック性の評価方法によって行った。
(オゾンクラック性の評価方法)
各実施例及び比較例で得られた測定用試料を50pphm(Part Per Hundred Million)のオゾン濃度で、40℃、30%定伸張条件下で48時間試験し、JIS K6301に準拠してオゾンクラック性を評価した。
実施例1〜3、比較例1及び2
第1表に示す配合組成の5種類のウィング部用ゴム組成物を、バンバリーミキサーを用いて調製した。次いで、各ゴム組成物について、150℃で30分間プレスして加硫し、測定用試料を得た。上記方法にて評価した結果を第1表に示す。
*1 軟化剤;三共油化工業(株)製、商品名「A/O MIX」
*2 カーボンブラック;三菱化学(株)製、商品名「ダイアブラック N339」
*3 白色充填材;東ソー・シリカ(株)製の「ニップシールAQ」
*4 老化防止剤;(N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン)(住友化学(株)製「アンチゲン6C」)
*5 加硫促進材;大内新興化学工業(株)製、「ノクセラ−CZ」
第1表に示す結果から明らかなように、本発明のプレキュアトレッドのウィング部は、オゾンクラック性の評価において、亀裂の発生が全く見られなかった。一方、EPDMを用いない比較例1では、激しいオゾンクラックの発生が見られ、EPDMの配合量の小さい比較例2では、クラックの発生が確認された。
本発明のプレキュアトレッドは、トレッド部の両端にウィング部を有し、該ウィング部によって、プレキュアトレッドとタイヤケーシングとの十分な接着性を確保することができ、トレッドの剥離を抑制することができる。また、これとともに、製品外観を向上させることができる。さらに、該ウィング部は十分な耐候性を有しているため、オゾンや紫外線により物性の低下を生じず、クラックなどの外観劣化が生じることがない。
1:プレキュアトレッド
2:トレッド部
3:ウィング部
4:プレキュアタイヤケーシング

Claims (4)

  1. トレッド部の両端にウィング部を有するプレキュアトレッドであって、該ウィング部を構成するゴム成分が、(A)エチレン−プロピレン−ジエンゴムを単独で15質量%以上配合するか、又は(B)エチレン−プロピレン−ジエンゴム及びハロゲン化ブチルゴムを合わせて20質量%以上配合することを特徴とするプレキュアトレッド。
  2. 前記(A)において、エチレン−プロピレン−ジエンゴムの配合量が15〜50質量%であり、前記(B)において、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及びハロゲン化ブチルゴムの配合量が20〜50質量%である請求項1に記載のプレキュアトレッド。
  3. 前記トレッド部とウィング部が一体構造である請求項1又は2に記載のプレキュアトレッド。
  4. 予め加硫されたトレッド部を有しないプレキュアタイヤケーシングのクラウン部の外周に、未加硫のクッションゴム層を介し、請求項1〜3のいずれかに記載のプレキュアトレッドを共加硫接着させてなる空気入りタイヤ。
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