JP2014169052A - タイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】更生タイヤを得るためのCOLD方式により製造された場合でも、耐久性に優れたタイヤ、さらに、該タイヤを生産性よく製造することが可能な製造方法を提供する。
【解決手段】予め加硫されたトレッド部を有しないプレキュアタイヤケーシング12のクラウン部の外周に、未加硫のクッションゴム層10を介して予め加硫されたプレキュアトレッドを共加硫接着させてなるタイヤであって、前記共加硫後のクッションゴム層の平均厚さが、1nm以上0.1mm以下であるタイヤである。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ及びその製造方法に関し、詳細には、プレキュアタイヤケーシングにプレキュアトレッドを貼付してなるタイヤ及びその製造方法に関する。
従来におけるトラック・バス用ラジアルタイヤ(以下、「TBR」と称する)の更生タイヤ製造においては、摩耗して一次寿命を終えたタイヤ(以下、「台タイヤ」と称する)のトレッド面をバフし、この上に、予め加硫された更生用のトレッドゴム部(プレキュアトレッド)を貼りつける方法が代表的なものの1つとして知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、コールド(COLD)方式又はプレキュア方式等の名称で呼ばれ、台タイヤに未加硫のトレッドゴムをのせてモールド加硫するホット(HOT)方式と区別されている。
上記COLD方式では、台タイヤとプレキュアトレッドとを接着するために、未加硫のクッションゴムが、まず台タイヤに貼られ、更にその上にプレキュアトレッドを貼り付けた上で、加硫缶で110〜140℃、2時間〜3時間加熱する方式が一般的である。
COLD方式を用いた更生タイヤの製造においては、一次寿命を終えた使用済みタイヤをタイヤケーシングとして使用するが、該タイヤケーシングのトレッド部には様々な形状でトレッドゴムが残っているため、ある一定の形状まで残ったトレッドゴムを削り取る必要がある。この場合のトレッドゴムを削り取る作業はバフと呼ばれ、バフされた面はバフ面と呼ばれる。また、トレッド部を削り取るには鋸状の刃を回転させるラスプと呼ばれる刃が用いられる。そして上記バフにおいては、ゴムを削り取るのが目的のため、ゴム屑が生じることは避けられず、また削り取るゴム量を問題としない。したがって、更生タイヤ用の台タイヤのバフ面は、表面粗さの大きい粗い面となる。また、この表面粗さの大きい粗い面とプレキュアトレッドとを接着させるために、バフ面等の表面粗さ以上の厚さを有するクッションゴムを用いる必要もある。
一方、上記更生タイヤに限らず、トレッドとタイヤケーシングとを接着させて新品のタイヤを製造する場合にも、加硫済みのトレッド及びタイヤケーシングを未加硫ゴムを挟んで接着させるため、前記COLD方式の適用が可能と考えられる。
特開平9−57871号公報
上記新品タイヤの製造に、前記COLD方式の更生タイヤの製造方法を適用する場合、更生タイヤとの最大の相違はタイヤケーシングが未使用である点である。よって、更生タイヤと異なり摩耗し残ったトレッドゴムを削り取る必要がないので、更生タイヤの場合と同様にタイヤケーシングをバフすると必要以上にゴムを削り取ることとなり、資源の無駄や、高コスト、産業廃棄物増加等の問題が生じる。
また前記クッションゴムは、初期接着性確保の観点からは低粘度であることが望ましいが、低粘度性を確保するためには補強剤減量や軟化剤増量等の手法を採用せざるを得ないため、加硫後の耐久性が低下することとなり、低粘度と高耐久との両立が難しい。また、クッションゴムについて上記低粘度と高耐久との両立を図ると、低発熱性が犠牲となる傾向があり、タイヤの発熱性への影響も大きくなる。
さらに、上記COLD方式の更生タイヤの製造方法では、プレキュアトレッドとクッションゴムとの接着面、または台タイヤのバフ後の表面にゴムを溶媒に溶解させた液状ゴムを塗布するが、該液状ゴム塗布のみではバフ後の表面の凹凸が埋めきれず、約1mm前後の厚さのクッションゴムを貼り付ける等の工程も必要となる。
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、更生タイヤを得るためのCOLD方式により製造された場合でも、耐久性に優れたタイヤを提供することを目的とする。また本発明は、上記タイヤを生産性よく製造することが可能な製造方法の提供をも目的とする。
上記課題は、下記本発明により解決される。
すなわち本発明は、
〔1〕 予め加硫されたトレッド部を有しないプレキュアタイヤケーシングのクラウン部の外周に、未加硫のクッションゴム層を介して予め加硫されたプレキュアトレッドを共加硫接着させてなるタイヤであって、
前記共加硫後のクッションゴム層の平均厚さが、1nm以上0.1mm以下であるタイヤ、
〔2〕 前記プレキュアタイヤケーシングのクラウン部における前記クッションゴム層との接着面全域の表面粗さが、ラジアル方向に切断した断面における断面曲線の算術平均粗さRaで0.001mm以上0.1mm以下である〔1〕に記載のタイヤ、
〔3〕 前記プレキュアトレッドにおける前記クッションゴム層との接着面の表面粗さが、ラジアル方向に切断した断面における断面曲線の算術平均粗さRaで0.001mm以上0.1mm以下である〔1〕または〔2〕に記載のタイヤ、
〔4〕 前記算術平均粗さRaが、0.005mm以上0.05mm以下である〔2〕または〔3〕に記載のタイヤ、
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のタイヤを得るためのタイヤの製造方法であって、
トレッド及びトレッド部を有しないタイヤケーシングを各々成形・加硫して、プレキュアトレッド及びプレキュアタイヤケーシングを作製する工程と、
前記プレキュアトレッドにおける接着面及び前記プレキュアタイヤケーシングのクラウン部における接着面の表層ゴムを削り取る工程と、
前記接着面に液状ゴムを塗布することにより形成される未加硫のクッションゴム層を介して、予め加硫されたプレキュアトレッドを前記プレキュアタイヤケーシングのクラウン部外周に貼付してトレッド貼付タイヤケーシングを作製する工程と、
前記トレッド貼付タイヤケーシングを加熱して、前記プレキュアトレッドをプレキュアタイヤケーシングのクラウン部外周に共加硫接着させる工程と、を有するタイヤの製造方法、
〔6〕 前記液状ゴムが、未加硫のゴム組成物を溶媒に溶解させたゴム溶液である〔5〕に記載のタイヤの製造方法、及び
〔7〕 前記液状ゴムの粘度が、0.005Pa・s以上1Pa・s以下である〔5〕または〔6〕に記載のタイヤの製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、更生タイヤを得るためのCOLD方式により製造された場合でも、耐久性に優れたタイヤを提供することができ、また、該タイヤを生産性よく製造することが可能な製造方法を提供することができる。
本発明のタイヤのクラウン部の一例を示すタイヤ子午線部分断面図である。 トレッド素材がセットされた金型の一例を示す断面図である。
以下、本発明を実施形態により説明する。
本実施形態のタイヤは、予め加硫されたトレッド部を有しないプレキュアタイヤケーシングのクラウン部の外周に、未加硫のクッションゴム層を介して予め加硫されたプレキュアトレッドを共加硫接着させてなるタイヤであって、前記共加硫後のクッションゴム層の平均厚さが、1nm以上0.1mm以下であることを特徴とする。
以下、図面を用いて本実施形態のタイヤを説明する。
図1は、本実施形態のタイヤのクラウン部のラジアル方向の部分断面図である。図1において、2は本実施形態のタイヤに用いられるプレキュアトレッドであり、このプレキュアトレッド2は加硫済みゴムから構成されている。このプレキュアトレッド2はタイヤ幅方向断面が略台形状を呈しており、その表面4は幅狭でタイヤとなったとき踏面となり、一方、その裏面6は幅広で、クッションゴム層10を介して加硫済みのプレキュアタイヤケーシング12の貼付け面8(半径方向外側面)に貼付けられる接着面となる。なお、プレキュアトレッド2及びプレキュアタイヤケーシング12は、未加硫のクッションゴム層を介して貼り合わされた後、共加硫接着により接着されている。
そして、前記裏面6はプレキュアタイヤケーシング12の貼付け面8とほぼ同一の曲率半径でプレキュアトレッド2の表面4に向かって凹んでおり、その深さは幅方向中央に向かうに従い徐々に深くなっている。また、前記プレキュアトレッド2の表面4には長手方向に延びる広幅の溝が複数本形成され、これらの溝は、タイヤとなったとき、周方向に延びる主溝、副溝となる。
本実施形態においては、共加硫後のクッションゴム層10の平均厚さ(クッションゴムゲージ)を1nm以上0.1mm以下としている。その理由は、上記平均厚さを0.1mm以下とすると、タイヤにおけるトレッド部の溝下とタイヤケーシング表面との間隔がかなり薄くなり、この結果、走行時にトレッド部が変形し易くなって発熱が抑えられ、低発熱性となると共に耐久性が向上するからである。一方、前記平均厚さが1nmに満たないと、接着面における凹凸を埋めることができず十分な接着性を確保することができない。
上記クッションゴム層10の平均厚さは100nm以上0.1mm以下とすることが好ましく、1000nm以上0.1mm以下とすることがより好ましい。
本実施形態のタイヤは、下記の各工程を有する本実施形態のタイヤの製造方法によって製造される。以下、本実施形態のタイヤの構成を、本実施形態のタイヤの製造方法における各工程に沿って説明する。
<プレキュアトレッド及びプレキュアタイヤケーシングを作製する工程>
まず、前述のようなプレキュアトレッド2を製造する場合には、幅方向断面が略台形状をした未加硫ゴムからなるトレッド素材20を押出し機(図示せず)から押し出した後、所定長に切断し、その後、切断された帯状のトレッド素材20を、図2に示すような下金型21の成型凹み22内に表面14が底面と接触するようにしてセットする。ここで、前記成形凹み22の底面には長手方向に延びる複数本の主骨23が形成されている。
次に、下面に型付け面24を有する上金型25を下金型21に当接するまで下降させる。これにより、加硫金型26、即ち下金型21、上金型25は閉止して内部に形成されたキャビティ27にトレッド素材20が収納されるが、このとき、前記型付け面24はトレッド素材20の裏面15に接触する。
その後、これらを図示していない加硫装置に搬入して加硫を行い、トレッド素材20をプレキュアトレッド2とする。このとき、主骨23がトレッド素材20の表面14にくい込み、該表面14に長手方向に延びる複数本の溝16を形成する。
他方、前述のプレキュアタイヤケーシング12を製造する場合には、まず未加硫のタイヤケーシングを成形する。未加硫のタイヤケーシングは、公知のタイヤ製造方法におけるグリーンタイヤの成形工程と同様にして成形される。例えば、成形ドラム上に未加硫ゴムがゴム引きされたカーカス層を巻き付け、その両端部にビードコアをセットした後、その両端部を折り返し、更にサイドウォール部の未加硫ゴムを貼り付ける。次いで、その幅方向中央部を膨径させて断面馬蹄形の円環状にした後、カーカス層外周上に未加硫のベルト層を設ければ、未加硫のタイヤケーシングを得ることができる。
上記未加硫のタイヤケーシングを金型(モールド)にセットして、加硫成形することにより、トレッド部を有しないプレキュアタイヤケーシング12を得ることができる。
<プレキュアトレッドにおける接着面及びプレキュアタイヤケーシングのクラウン部における接着面の表層ゴムを削り取る工程>
前工程で得られたプレキュアトレッドやプレキュアタイヤケーシングにおいては、加硫中にモールド面と接していたタイヤケーシング表面が未加硫ゴムと共架橋し難い性質があるため、接着性を確保することを目的として表層ゴムを取り除く(削り取る)必要がある。ただし、削り取る表層ゴムは、その目的からして、厚さ0.001mm以下の極めて薄い層で十分である。
上記表層ゴムが削り取られた後の面(接着面)においては、接着性確保等の観点から形状が重要であり、接触面積増大及び界面歪分散の観点からは、複雑な形状(界面粗さ)が有利であるが、必ずしも必要ではない。本実施形態では、廃棄物削減及びコスト削減の観点と接着力確保とのバランスから、接着面の形状をラジアル方向に切断した断面(タイヤ子午線断面)における断面曲線の算術平均粗さRaで表される表面粗さにより最適化した。
具体的には、前記プレキュアトレッドにおける前記クッションゴム層との接着面、及び前記プレキュアタイヤケーシングのクラウン部における前記クッションゴム層との接着面全域の少なくともいずれかの表面粗さが、ラジアル方向に切断した断面における断面曲線の算術平均粗さRaで0.001mm以上0.1mm以下であることが好適であることを見出した。
上記算術平均粗さRaをこの範囲とすることにより、共加硫接着後の接着力を十分に確保できるとともに、廃棄物削減及びコスト削減をも両立させることができる。
上記算術平均粗さRaは、プレキュアトレッド及びプレキュアタイヤケーシングで各々独立に0.005mm以上0.05mm以下であることがより好ましく、0.005mm以上0.02mm以下であることがさらに好ましい。
表層ゴムを削り取る方法に関しては、前記表面粗さを好適範囲とすることができれば特に制限がなく、砥石、金属製研磨器具、不織布製研磨具などを用いて前記接着面を研磨すればよく、これらの研磨具等を用いて前記適切な算術平均粗さRaで表される表面粗さを有する面を形成することができる。
<未加硫のクッションゴム層を介して、プレキュアトレッドをプレキュアタイヤケーシングのクラウン部外周に貼付してトレッド貼付タイヤケーシングを作製する工程>
本工程では、まずプレキュアタイヤケーシングのクラウン部外周に未加硫のクッションゴム層を形成する。前述のように、プレキュアトレッド及びプレキュアタイヤケーシングにおける接着面の表面粗さがかなり小さいため、両者の間を埋める接着層としてのクッションゴム層の加硫後の平均厚さは、前記のように0.1mm以下で十分となる。
このため、本実施形態における未加硫のクッションゴム層としては、通常のシート状のクッションゴムではなく、液状ゴムを接着面に塗布して形成されることが望ましい。
上記液状ゴムとしては、未加硫のゴム組成物を溶媒に溶解させたゴム溶液を用いることが、低粘度化が可能である点から好ましい。
当該ゴム組成物としては、通常のゴム組成物に用いられるゴム成分、各種加硫促進成分、架橋成分以外に、必要に応じて、補強充填材としてのカーボンブラック、軟化剤(オイル)、老化防止剤、硫黄などの架橋剤等の通常ゴム工業で使用される薬品類等を適宜配合することができる。なお、ゴム成分としては、天然ゴム(NR)又は合成ゴムを単独又はこれらをブレンドして使用することができる。合成ゴムとしては、例えば、合成ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチル等が挙げられる。
上記ゴム成分等を有機溶媒等に溶解して所望の粘度としてゴム溶液(液状ゴム)を作製する。本実施形態において、加硫後のクッションゴム層の厚さを0.1mm以下とするために、該液状ゴムの粘度を、0.005Pa・s以上1Pa・s以下とすることが好ましく、0.010Pa・s以上1Pa・s以下とすることがより好ましい。
なお、上記粘度は、キャノンフィスケ粘度計を用いて、30℃の温度で測定したものである。
液状ゴムの塗布方法としては、所望の層厚で均一に未加硫クッションゴム層が形成できれば特に制限はなく、例えば刷毛塗り、フローコーターによる塗布、スプレー塗布など種々の塗布方法が挙げられる。これらの塗布方法を用いる場合、加硫後のクッションゴム層を平均厚さが0.1mmを越える厚さにしようとすると、何度も塗布を繰り返す等の工程が必要となる。この観点からも加硫後のクッションゴム層の平均厚は0.1mm以下とする。
なお、上記液状ゴムの塗布は、通常プレキュアタイヤケーシングの接着面に対して行われるが、プレキュアトレッドの接着面に行ってもよく、両者に行ってもよい。
次いで、前記プレキュアトレッドをプレキュアタイヤケーシングのトレッド部に貼付け、図1に示すように、プレキュアトレッド2の裏面6をプレキュアタイヤケーシング12の貼付け面8にクッションゴム層10を介して密着させ、プレキュアトレッド2が接着されたプレキュアタイヤケーシング12(トレッド貼付タイヤケーシング)を得る。
<トレッド貼付タイヤケーシングを加熱して、プレキュアトレッドをプレキュアタイヤケーシングのクラウン部外周に共加硫接着させる工程>
次いで、前記トレッド貼付タイヤケーシングを、図示していない加硫装置に搬入して、未加硫クッションゴムを加硫しタイヤとする。このとき、前記プレキュアトレッドはプレキュアタイヤケーシングのクラウン部外周に共加硫接着される。
加硫条件としては、60〜140℃程度、1〜10時間で行うことが好ましい。
本実施形態のタイヤは、トレッドとトレッド部を含まないタイヤケーシングとを別々に加硫した後、両者の間に加硫速度の速い未加硫ゴムを挟んで再び加硫し、これらを共加硫接着させる方法により得られるものであるが、これによりトレッドとタイヤケーシングとを一体成形して加硫した場合に比べ、タイヤ内部及び表面近傍でのゴム物性が均一化される。また、トレッドとタイヤケーシングとの接着面の表面粗さを極力小さくしたことによって、クッションゴム層を薄層化でき、タイヤの低発熱性及び耐久性と生産性との両立化を図ることができるものとなる。
以上、実施形態により本発明を説明したが、本発明は、上記の形態に限定されず、その発明の目的から逸脱しない範囲内において、任意の変更、改変を行うことができる。
以下、実施例により本実施形態を更に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、諸特性は下記の方法に従って測定した。
(1)表面粗さ
プレキュアタイヤケーシングのクラウン部表面(接着面)、プレキュアトレッドの接着面について、後述する方法で研磨した後、JIS B 0601:2001に基づいて算術平均粗さRaを算出し、これを表面粗さとした。
(2)クッションゴム層の平均厚さ
共加硫後のクッションゴム層の平均厚さは、加硫後のタイヤをタイヤ半径方向に切断し、断面(図1に示す断面)におけるクッションゴム層の厚さを、幅方向タイヤセンター中心1cm以内で周方向の異なる4点を測定し、それらの平均値として求めた。
(3)剥離抗力
共加硫接着後のプレキュアタイヤケーシングのクラウン部とクッションゴム層間の剥離抗力(接着力)を剥離試験により測定した。剥離試験の試験条件は、下記の通りである。・試験サンプル:プレキュアトレッド−クッション−ケーシングに渡る1インチ角のサンプルを切り出して試験サンプルとした。
・試験機及び試験方法:上記試験サンプルを用い、JIS K 6256−1に基づいて剥離抗力を測定した。これらについて、実施例1を指数100として指数表示した。指数が大きいほど剥離抗力が大きいことを示す。
<実施例1〜4、比較例1〜4>
タイヤサイズを11R22.5で共通にし、トレッドパターンを予め型付けするように加硫成形したプレキュアトレッドと、これとは別に加硫成形したプレキュアタイヤケーシングを各々用意した。次いで、比較例2を除いて、これら両者の接着面をバフマシンにより研磨し、研磨後の接着面の表面粗さを測定した。また、このとき発生した削り屑量を目視により観察し、相対評価により削り屑量の多い、少ないを判断した。
次に、接着用のクッションゴム配合のゴム組成物(未加硫)を、濃度が約50質量%となるようにゴム揮発油に溶解させ、液状ゴムを調製した。この液状ゴムの粘度は0.1Pa・sであった。
上記液状ゴムを、前記接着面となるクラウン部表面を研磨した(比較例2を除く)プレキュアタイヤケーシングの接着面に刷毛によりほぼ均一に塗布した。なおこのとき、目視により、未加硫クッションゴム層の形成への上記液状ゴム塗布の適用可否を判断した。また、液状ゴム塗布の適用が不可の場合には、予めロールにより任意の厚さのシート状に加工したクッションゴムを配設し、未加硫のクッションゴム層を設けた。
続いて、各プレキュアトレッドを各プレキュアタイヤケーシングに貼り付け、その後、加硫装置により120℃で2時間加硫を行い、プレキュアトレッド及びプレキュアタイヤケーシングが接着された各タイヤを得た。
なお、上記タイヤとして使用したゴムの配合を表1に示す。
Figure 2014169052
得られた上記8種のタイヤ(タイヤサイズ11R22.5)を用い、前記の方法に従い、剥離抗力を評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2014169052
表2に示す結果から明らかなように、実施例の接着面表面を研磨し、その表面の表面粗さを特定の範囲としたプレキュアタイヤケーシングにプレキュアトレッドを貼付してなるタイヤでは、共加硫後のクッションゴム層の薄いにも関わらず大きな剥離抗力とすることができた。また、当該タイヤの製造に際しては、削り取りゴム量を大幅に低減でき、クッションゴム層を液状ゴム塗布により行うことができるため、省資源性、作業性にも優れた製造方法を実現することができた。
一方、従来のように接着面の削り取りゴム量が多いプレキュアトレッド等を用いたり、研磨を行わないで製造した比較例のタイヤでは、上記液状ゴム塗布によるクッションゴム層形成ができなかったり、耐熱耐久性にも劣る性能しか得られなかった。
2:プレキュアトレッド
4:表面
6:裏面
8:貼付け面
10:クッションゴム層
12:プレキュアタイヤケーシング
20:トレッド素材
21:下金型
25:上金型
26:加硫金型

Claims (7)

  1. 予め加硫されたトレッド部を有しないプレキュアタイヤケーシングのクラウン部の外周に、未加硫のクッションゴム層を介して予め加硫されたプレキュアトレッドを共加硫接着させてなるタイヤであって、
    前記共加硫後のクッションゴム層の平均厚さが、1nm以上0.1mm以下であるタイヤ。
  2. 前記プレキュアタイヤケーシングのクラウン部における前記クッションゴム層との接着面全域の表面粗さが、ラジアル方向に切断した断面における断面曲線の算術平均粗さRaで0.001mm以上0.1mm以下である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記プレキュアトレッドにおける前記クッションゴム層との接着面の表面粗さが、ラジアル方向に切断した断面における断面曲線の算術平均粗さRaで0.001mm以上0.1mm以下である請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. 前記算術平均粗さRaが、0.005mm以上0.05mm以下である請求項2または3に記載のタイヤ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤを得るためのタイヤの製造方法であって、
    トレッド及びトレッド部を有しないタイヤケーシングを各々成形・加硫して、プレキュアトレッド及びプレキュアタイヤケーシングを作製する工程と、
    前記プレキュアトレッドにおける接着面及び前記プレキュアタイヤケーシングのクラウン部における接着面の表層ゴムを削り取る工程と、
    前記接着面に液状ゴムを塗布することにより形成される未加硫のクッションゴム層を介して、予め加硫されたプレキュアトレッドを前記プレキュアタイヤケーシングのクラウン部外周に貼付してトレッド貼付タイヤケーシングを作製する工程と、
    前記トレッド貼付タイヤケーシングを加熱して、前記プレキュアトレッドをプレキュアタイヤケーシングのクラウン部外周に共加硫接着させる工程と、を有するタイヤの製造方法。
  6. 前記液状ゴムが、未加硫ゴム組成物を溶媒に溶解させたゴム溶液である請求項5に記載のタイヤの製造方法。
  7. 前記液状ゴムの粘度が、0.005Pa・s以上1Pa・s以下である請求項5または6に記載のタイヤの製造方法。
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