JP2012111182A - 低吸着性シーラントフィルム並びにそれを用いた積層体及び包装袋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第一のポリオレフィン系樹脂層と、該第一のポリオレフィン系樹脂層上に隣接して積層された環状ポリオレフィン系樹脂組成物層と、該環状ポリオレフィン系樹脂組成物層上に隣接して積層された第二のポリオレフィン系樹脂層とを有するシーラントフィルムであって、環状ポリオレフィン系樹脂組成物は、環状ポリオレフィン系樹脂とオレフィン系樹脂とを含み、該オレフィン系樹脂は、190℃でのメルトフローレートが5〜40g/10分であり、且つ、該樹脂組成物中に3〜50質量%の割合で存在することを特徴とする、シーラントフィルム、並びにそれを用いた積層体及び包装袋を提供する。
【選択図】 図1
Description
質量%の割合で存在することを特徴とするシーラントフィルム、並びにそれをシーラント層として有する積層体、及び該積層体からなる包装袋が、上述の目的を達成することを見出した。
1.少なくとも、第一のポリオレフィン系樹脂層と、該第一のポリオレフィン系樹脂層上に隣接して積層された環状ポリオレフィン系樹脂組成物層と、該環状ポリオレフィン系樹脂組成物層上に隣接して積層された第二のポリオレフィン系樹脂層とを有するシーラントフィルムであって、環状ポリオレフィン系樹脂組成物は、環状ポリオレフィン系樹脂とオレフィン系樹脂とを含み、該オレフィン系樹脂は、190℃でのメルトフローレートが5〜40g/10分であり、且つ、該樹脂組成物中に3〜50質量%の割合で存在することを特徴とするシーラントフィルム。
2.前記第一のポリオレフィン系樹脂層と、前記環状ポリオレフィン系樹脂組成物層と、前記第二のポリオレフィン系樹脂層との共押出により形成されてなることを特徴とする、上記1に記載のシーラントフィルム。
3.前記第一及び第二のポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であることを特徴とする、上記1または2に記載のシーラントフィルム。
4.前記第一のポリオレフィン系樹脂層の厚みが10〜100μmであり、前記環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の厚みが2〜30μmであり、前記第二のポリオレフィン系樹脂層の厚みが10〜100μmであることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載のシーラントフィルム。
5.上記1〜4のいずれかに記載のシーラントフィルムをシーラント層として有する積層体であって、該シーラントフィルムの第二のポリオレフィン系樹脂層が、積層体における最表層であることを特徴とする積層体。
6.上記5に記載の積層体からなる包装袋であって、該積層体を、前記第二のポリオレフィン系樹脂層が最内層となるように重ね合せ、製袋して得られることを特徴とする包装袋。
7.上記6に記載の包装袋に内容物を充填してなる包装体。
<1>本発明のシーラントフィルム及びそれを用いた積層体の層構成
図1〜3は、本発明のシーラントフィルム及びそれを有する積層体の層構成の一例を示す概略的断面図である。
以下、本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものが用いられる。また、本発明において、密度はJIS K7112に準拠して測定した。
本発明のシーラントフィルムの環状ポリオレフィン系樹脂組成物層は、環状ポリオレフィン系樹脂とオレフィン系樹脂とを含む環状ポリオレフィン系樹脂組成物からなる。
環状ポリオレフィン系樹脂
本発明において、環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンをメタセシス開環重合反応によって重合した開環メタセシス重合体(COP)、及び、環状オレフィンとα−オレフィン(鎖状オレフィン)との共重合体、すなわち環状オレフィンコポリマー(COC)を包含する。
環状ポリオレフィン系樹脂に、高流度のオレフィン系樹脂を混合することにより、成膜時の環状ポリオレフィン系樹脂同士の凝集によるゲル塊の発生を防ぎ、均一な膜表面を得ることができる。
一方、メルトフローレートが40g/10分より大きいと、成膜適性が失われ、均一なフィルムを得ることが困難となる。
オレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。
具体的には、日本ポリエチレン株式会社製の「ノバテック(R)」等が挙げられる。
環状ポリオレフィン系樹脂組成物において、オレフィン系樹脂は、該樹脂組成物中に3〜50質量%、好ましくは5〜10質量%の比率で配合される。
上記の環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の一方の面上に、第一のポリオレフィン系樹脂層を、そしてもう一方の面上に、第二のポリオレフィン系樹脂層を積層することにより、本発明のシーラントフィルムが得られる。
ロセン触媒で調製された直鎖状低密度ポリエチレンを好適に使用することができる。
本発明のシーラントフィルムは、任意の方法により製造されるが、良好な成膜安定性、成膜容易性及び層間密着性を得て、シール強度及び低吸着性を一層高めるために、好ましくは、第一のポリオレフィン系樹脂と、環状ポリオレフィン系樹脂組成物と、第二のポリオレフィン系樹脂とを、共押出することにより製造する。
本発明のシーラントフィルムは、任意の層厚を有するものであってよいが、安定した成膜化及び製品コストの観点から好適には、全体として20〜200μmの層厚を有する。ここで、各層の厚さは、シーラントフィルムを適用する包装材の用途、所望の非吸着性及びシール強度等に応じて適宜に設定することができるが、好適には、第一のポリオレフィン系樹脂層の層厚は、製品コストの観点から、10〜100μm、より好ましくは30〜80μmである。10μmより薄いと、高いシール強度が得られず、詰め替え用スタンディングパウチのような高い耐衝撃性が要求される包装用途に不適である。
本発明のシーラントフィルムを、第二のポリオレフィン系樹脂層が積層体における最表層となるように、第一のポリオレフィン系樹脂層側の表面を任意の基材層と対向させて積層し、積層体を得ることができる。
(1) ONフィルム/接着剤層/シーラントフィルム;
(2) ONフィルム/接着剤層/一軸延伸または二軸延伸HDPEフィルム/接着剤層/シーラントフィルム ;
(3) ONフィルム/接着剤層/一軸延伸または二軸延伸PPフィルム/接着剤層/シーラントフィルム;
(4) ONフィルム/接着剤層/一軸延伸または二軸延伸PPフィルム/接着剤層/アルミニウム箔/接着剤層/シーラントフィルム ;
(5) ONフィルム/シリカまたはアルミナまたはアルミニウム蒸着層/接着剤層/一軸延伸または二軸延伸HDPEフィルム/接着剤層/シーラントフィルム;
(6) ONフィルム/アンカーコート剤層/HDPE層/シーラント層[ここで、HDPE層及びシーラント層は、共押出コーティング法によりアンカーコート剤層上に積層される];
(7) ONフィルム/アンカーコート剤層/HDPE層/低密度ポリエチレン(LDPE)層/接着剤層/シーラントフィルム[ここで、HDPE層及びLDPE層は、共押出コーティング法によりアンカーコート剤層上に積層される];
(8) PETフィルム/接着剤層/アルミニウム箔/接着剤層/ONフィルム/接着剤層/シーラントフィルム ;
(9) PETフィルム/接着剤層/シリカまたはアルミナまたはアルミニウム蒸着層/ONフィルム/接着剤層/シーラントフィルム;
(10)PETフィルム/接着剤層/ONフィルム/接着剤層/アルミニウム箔/接着剤層/シーラントフィルム ;
(11)PETフィルム/接着剤層/EVOHフィルム/接着剤層/ONフィルム/接着剤層/シーラントフィルム。
上記の本発明の積層体を使用し、第二のポリオレフィン系樹脂層が最内層となるように製袋して、包装袋とすることができる。また、本発明の積層体を、第二のポリオレフィン系樹脂層を最内層とする蓋材として使用し、包装容器を製造することができる。
次に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
(1)環状オレフィンコポリマー(ポリプラスチックス(株)製TOPAS(R)8007−F04;メルトフローレート1.9g/10分(190℃);密度1.02g/cm3)90質量%、及び、低密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ(株)製サンテックM6525;メルトフローレート28.0g/10分(190℃);密度0.916g/cm3)10質量%を含む混合物を十分に混練して、環状ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。(2)得られた環状ポリオレフィン系樹脂組成物と、直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー製 エボリュー SP2020;メルトフローレート2.3g/10分(190℃);密度0.916g/cm3)とを、多層インフレーション製膜により共押出し、第一の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層(厚さ60μm)/環状ポリオレフィン系樹脂組成物層(厚さ10μm)/第二の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層(厚さ60μm)の構成を有する本発明のシーラントフィルムを製造した。
(3)一方、基材フィルムとして、2軸延伸ポリエステルフィルム(PET;東洋紡績(株)製 エステル(R)E5100;厚さ12μm)を用い、その一方の面上に接着剤(DIC(株)製ディックドライ CX703/KR90;配合比15/1)を、版深110μmのピラミッド版を用いて塗工量3.0g/m2で塗布し、厚さ7μmのアルミ箔(日本製箔(株)製 A1N30H−O)と貼り合せた。このアルミ箔上に接着剤を同様に塗布し、ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製 エンブレムONBC、厚さ15μm)を貼り合せ、基材層を製造した。
(4)基材層のナイロンフィルムを設けた面に接着剤を同様に塗布し、上記(2)で製造した本発明のシーラントフィルムを貼り合せた後、40℃の恒温槽に48時間保管し、接着剤を硬化させて、本発明の積層体を製造した。得られた積層体の層構成は以下のとおりであった:
PETフィルム/接着剤層/アルミ箔/接着剤層/ナイロンフィルム/接着剤層/第一の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層/環状ポリオレフィン系樹脂組成物層/第二の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層
シーラントフィルムの層構成が、第一の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層(厚さ120μm)/環状ポリオレフィン系樹脂組成物層(厚さ10μm)の2層構成であること以外は実施例1と同様にして、積層体を製造した。
シーラントフィルムの層構成が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層(厚さ130μm)のみの単層構成であること以外は実施例1と同様にして、積層体を製造した。
シーラントフィルムの層構成が、環状ポリオレフィン系樹脂組成物層(厚さ130μm)のみの単層構成であること以外は実施例1と同様にして、積層体を製造した。
シーラントフィルムの層構成が、環状ポリオレフィン系樹脂組成物層(厚さ10μm)/第二の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層(130μm)の2層構成であること以外は実施例1と同様にして、積層体を製造した。
(1)吸着性試験
実施例1及び比較例1〜4の積層体を胴材及び底材として用いて、外形寸法:高さ237mm×幅130mm、底部の折り込み部の高さ35mm、シール幅5mmのスタンディングパウチを製造した。また、底部は舟底型のシールパターンでヒートシールした。
実施例1及び比較例1〜4の積層体を、シーラント面を対向させて重ね合せ、ヒートシーラー(テスター産業(株)製TP-701S HEAT SEAL TESTER)で、170℃で1秒間、圧力1kgf/cm2でヒートシールした。
上記吸着性試験と同様にスタンディングパウチを製造し、上部開口部から水450mlを充填した後、開口部を密封した。これを120cmの高さから5回落下させ、破袋しなければ○とし、破袋すれば×とした。
以下の表に結果を示す。
2.環状ポリオレフィン系樹脂組成物層
3.第二のポリオレフィン系樹脂層
4.接着剤層
5.PETフィルム
6.接着剤層
7.アルミ箔
8.接着剤層
9.ナイロンフィルム
A.シーラントフィルム
B.基材層
Claims (7)
- 少なくとも、第一のポリオレフィン系樹脂層と、該第一のポリオレフィン系樹脂層上に隣接して積層された環状ポリオレフィン系樹脂組成物層と、該環状ポリオレフィン系樹脂組成物層上に隣接して積層された第二のポリオレフィン系樹脂層とを有するシーラントフィルムであって、
環状ポリオレフィン系樹脂組成物は、環状ポリオレフィン系樹脂とオレフィン系樹脂とを含み、該オレフィン系樹脂は、190℃でのメルトフローレートが5〜40g/10分であり、且つ、該樹脂組成物中に3〜50質量%の割合で存在することを特徴とする、シーラントフィルム。 - 前記第一のポリオレフィン系樹脂層と、前記環状ポリオレフィン系樹脂組成物層と、前記第二のポリオレフィン系樹脂層との共押出により形成されてなることを特徴とする、請求項1に記載のシーラントフィルム。
- 前記第一及び第二のポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシーラントフィルム。
- 前記第一のポリオレフィン系樹脂層の厚みが10〜100μmであり、前記環状ポリオレフィン系樹脂組成物層の厚みが2〜30μmであり、前記第二のポリオレフィン系樹脂層の厚みが10〜100μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシーラントフィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシーラントフィルムをシーラント層として有する積層体であって、該シーラントフィルムの第二のポリオレフィン系樹脂層が、積層体における最表層であることを特徴とする積層体。
- 請求項5に記載の積層体からなる包装袋であって、該積層体を、前記第二のポリオレフィン系樹脂層が最内層となるように重ね合せ、製袋して得られることを特徴とする、上記包装袋。
- 請求項6に記載の包装袋に内容物を充填してなる包装体。
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