JP2012110273A - 焙煎全脂ナタネ種子成分を含む飲食品、医薬品、および飼料 - Google Patents

焙煎全脂ナタネ種子成分を含む飲食品、医薬品、および飼料 Download PDF

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Abstract

【課題】天然の食用植物素材であるナタネを簡便かつ有効に利用できる形態とし、これを配合した多機能な飲食品、医薬品、または飼料を提供すること。
【解決手段】焙煎全脂ナタネ種子を含有する脂質代謝改善剤および抗酸化剤、ならびに該剤を配合した飲食品、医薬品、または飼料。
【選択図】なし

Description

本発明は、脂質代謝改善作用・抗酸化作用などを有する焙煎全脂ナタネ種子またはその成分であるキャノロールを含む飲食品、医薬品、および飼料に関する。
ナタネより油を採取した後のナタネ粕は、代表的な配合飼料原料である。しかしながら、ナタネ粕には動物に与えると体重減少、肝臓肥大、甲状腺腫などを引き起こすグルコシノレートが含まれていることから、配合飼料原料として敬遠される傾向にあり、その一般的な配合量は5%程度にとどまっている。一方、最近のナタネには品種改良によりグルコシノレートの含量が極めて低いものが存在するが、グルコシノレートやナタネに含まれるキャノロール(4−ビニル−2,6−ジメトキシフェノール)は、癌予防効果、抗炎症作用や抗アレルギー効果を示すこともわかってきており、配合飼料原料として計画的に使えばコレステロールの低い食肉が生産され、医薬品としては高脂血症の治療剤、予防剤などへの利用が考えられる。さらに、ナタネは大量の油脂を含み、エネルギー含量が高く、タンパク質の品質も優れている。したがって、ナタネを搾油せずにそのまま食品原料や配合飼料原料として使用できれば大きなメリットが期待できる。
これまでナタネ油を加熱したときに生じるキャノロール(4−ビニル−2,6−ジメトキシフェノール)には強いラジカル除去能があることが見出されており、ナタネ原油抽出物を抗ラジカル活性剤やそれを飲食品、化粧品、医薬品、飼料に用いることが報告されているが(特許文献1)、その効果については食品(油脂組成物)の安定性向上や生体内での酸化的障害の防御に役立つことが示唆されるだけである。また、ラジカル除去効果について、加熱したナタネ油以外の形態のナタネで確認した例はない。
一方、近年、動物用飼料は、高タンパク・高脂肪の傾向にあり、その結果、脂肪の過剰蓄積による肉質の低下、脂肪肝の発生をもたらしている。また、畜産・養鶏産業においては、生産性向上のために過密飼育や高カロリー飼料の供給が行われており、これらが家畜や家禽にストレスを与え、健康状態を悪化させる原因となっている。また、ストレスや病気に対する抵抗力や抗酸化能の低下した家畜や家禽から得られた食肉や鶏卵にあっては、中性脂肪濃度や悪玉コレステロール(LDL)濃度が上昇傾向にあるため、ヒトがこのような畜産食品を摂取すると、肥満や成人病(生活習慣病)を引き起こす原因ともなり、また、過酸化脂質濃度が高いことから鮮度保持力が低く、商品価値が低くなる。
WO2003/030888
本発明の課題は、天然の食用植物素材であるナタネ種子を簡便かつ有効に利用できる形態とし、これを配合した多機能な飲食品、医薬品、または飼料を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、焙煎したナタネ種子を脂質代謝研究のモデルとしても利用されているブロイラーに給与したところ、(i) 血中の中性脂肪および悪玉コレステロール(LDL)が減少すること、(ii)筋肉量が増加し、ストレス状態における過酸化脂質量が減少すること、さらに(iii)食欲を増進させることを確認し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1) 焙煎全脂ナタネ種子を含有する脂質代謝改善剤。
(2) キャノロールを含有する脂質代謝改善剤。
(3) 焙煎全脂ナタネ種子を含有する抗酸化剤。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の剤を含む、飲食品。
(5) 前記飲食品が、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、または特定保健用食品である、(4)に記載の飲食品。
(6) (1)〜(3)のいずれかに記載の剤を含む、医薬品。
(7) (1)〜(3)のいずれかに記載の剤を配合した飼料。
(8) 前記飼料が、家畜、家禽、養殖水産動物、またはペット用である、(7)に記載の飼料。
(9) (7)または(8)に記載の飼料を動物に給与とすることを含む、動物の飼育方法。
本発明により、血中のコレステロール量・中性脂肪量・過酸化脂質量を低下させる作用を有する焙煎全脂ナタネ種子を有効成分とする脂質代謝改善剤および抗酸化剤を提供することができる。また、本発明によりキャノロールを含有する脂質代謝改善剤が提供される。本発明の脂質代謝改善剤および抗酸化剤は、飲食品、医薬品、および飼料などの組成物に含有させて利用できる。本発明の飲食品、医薬品、および飼料によれば、ヒト、あるいは家畜や家禽などの動物の脂質代謝を改善し、脂質代謝異常を呈する高脂血症などの疾患、または、過酸化脂質による酸化的損傷に関連する疾患の予防または治療が可能となる。しかも、本発明の飲食品、医薬品、および飼料は、それらを摂取したヒトや動物の成育を阻害するなどの副作用がなく、安全である。
さらに、本発明の飼料は、飼料効率にマイナスの影響を与えず、家畜や家禽の筋肉量を増加させることもできる。従って、本発明の飼料は、それを給与した動物の健康を増進させ、生産性の向上に寄与することができるほか、当該動物の生産物である食肉や卵の品質を向上させることできる。また、本発明の飼料は、従来用いられていたナタネ粕とは異なって搾油しない全脂ナタネであるので、エネルギー含量が高く、タンパク質の品質も優れている。また搾油工程を経ないでそのまま使用できるのでその製造が簡単である上、経済的に廉価であり、従来の飼料にはない脂質代謝改善機能を具備するものである。
各試験区におけるブロイラーの体重増加量を示す(+:CTC処理、−:CTC無処理、カッコ内に数値は実際の平均値。CTC(コルチコステロン)はストレス負荷物質)。 各試験区におけるブロイラーの飼料摂取量を示す(+:CTC処理、−:CTC無処理、カッコ内に数値は実際の平均値)。 各試験区におけるブロイラーの飼料要求率を示す(+:CTC処理、−:CTC無処理、カッコ内に数値は実際の平均値)。 各試験区におけるブロイラーの体重あたりのムネ肉重量を示す(+:CTC処理、−:CTC無処理、カッコ内に数値は実際の平均値)。 各試験区におけるブロイラーの血中コレステロールを示す(+:CTC処理、−:CTC無処理)。 各試験区におけるブロイラーの血中中性脂肪量を示す(+:CTC処理、−:CTC無処理)。 各試験区におけるブロイラーの過酸化脂質量を示す(+:CTC処理、−:CTC無処理)。
本発明の脂質代謝改善剤は、有効成分として焙煎全脂ナタネ種子またはキャノロールを含有する。また、本発明の抗酸化剤は、有効成分として焙煎全脂ナタネ種子を含有する。
上記有効成分である「焙煎全脂ナタネ種子」とは、ナタネ油を搾油せず、油脂分が含まれたままのナタネ種子を焙煎したものをいう。焙煎は、ナタネ種子の搾油工程の前処理として通常行われる方法で行えばよく、例えば、直火焙煎、熱風焙煎、遠赤外線焙煎、マイクロ波焙煎、水蒸気処理などが挙げられる。焙煎温度は、120〜170℃が好ましく、150〜165℃がより好ましい。時間は、焙煎温度によるが、通常15〜30分程度である。
また、ナタネの品種についても特に限定はないが、子実中にエルシン酸を含有せず、かつ低グルコシレート品種として開発された「キラリボシ」などが好適である。
上記の焙煎処理により得られた焙煎全脂ナタネ種子は、そのまま用いてもよいが、保存性や取り扱いの容易性に鑑みて、粉砕または粗砕して乾燥粉末状に加工することが好ましい。粉砕は既知の方法に従い、例えば、クラッシャー、ミル、ブレンダー、石臼などを用いて行う。また、必要に応じて、得られた粉末を、気流殺菌、高圧殺菌、加熱殺菌などの当業者に公知の技術により殺菌してもよい。なお、上記焙煎全脂ナタネ種子は、乾燥粉末化せずに、ペースト状、または液状の素材としてもよい。
下記式で表されるキャノロール(canolol:4−ビニル−2,6−ジメトキシフェノール)は加熱ナタネ油に含まれる強力な抗酸化物質であるが、元のナタネ粕には検出されないのに対し、焙煎全脂ナタネ種子には、300〜500ppm程度検出されることが確認されている。
Figure 2012110273
上記の焙煎全脂ナタネ種子は、血中のコレステロール量・中性脂肪量・過酸化脂質量の低下作用を有する。一方、抗ストレス性の善玉コレステロール(HDL)を増加させる作用を有する。しかも、当該焙煎全脂ナタネ種子は、天然の食用植物由来であって非常に安全性が高い。従って、当該焙煎全脂ナタネ種子は、脂質代謝改善剤および抗酸化剤として使用できる。
また、上記有効成分であるキャノロールは、例えばW02003/030888に記載の方法に従い、ナタネより抽出、調製することができる。また、キャノロールは、公知の方法によって、シナピン酸(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸)やフェノールから合成することができる。当該キャノロールは、血中のコレステロール量・中性脂肪量低下作用を有するので、脂質代謝改善剤として使用できる。
本発明の脂質代謝改善剤および抗酸化剤は、そのまま投与することも可能であるが、本発明の効果を損なわない範囲で適宜他の成分を配合し、飲食品、医薬品、飼料等の各種組成物として提供することが好ましい。
本発明において、飲食品とは、ヒトが摂取するための飲食品をいい、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、または特定保健用食品を含む意味で用いられる。
飲食品の形態は、食用に適した形態、例えば、固形状、液状、顆粒状、粒状、粉末状、カプセル状、クリーム状、ペースト状のいずれであってもよい。
飲食品の種類としては、具体的には、食パン、菓子パン等のパン類;そば、うどん、はるさめ、中華麺、即席麺等の麺類;飴、チューインガム、キャンディー、グミ、キャラメル、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット等の焼き菓子、ゼリー、ジャム、クリーム等の菓子類;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;加工乳、発酵乳、ヨーグルト、バター、チーズ等の乳製品;かまぼこ、ちくわ、ハンバーグ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;しょうゆ、ソース、酢、みりん等の調味料;清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳飲料など飲料(これらの飲料の濃縮原液及び調整用粉末を含む)が挙げられるが、これらに限定はされない。
本発明の飲食品は、その種類に応じて通常使用される添加物を適宜配合してもよい。添加物としては、食品衛生上許容されうる添加物であればいずれも使用できるが、例えば、砂糖、果糖、異性化液糖、ブドウ糖、アスパルテーム、ステビア等の甘味料;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の酸味料;デキストリン、澱粉等の賦形剤;結合剤、希釈剤、香料、着色料、緩衝剤、増粘剤、ゲル化剤、安定剤、保存剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤などが挙げられる。
本発明の飲食品における焙煎全脂ナタネ種子またはその加工物の配合量は、上記作用を発揮できる量であればよいが、対象飲食品の一般的な摂取量、飲食品の形態、効能・効果、呈味性、嗜好性およびコストなどを考慮して適宜設定すればよい。例えば、固形状食品の場合には焙煎全脂ナタネ種子含量が1.0重量%〜100重量%、好ましくは10重量%〜60重量%になるように調製する。
本発明の飲食品は、脂質代謝改善作用を有するので、生活習慣、体質、または遺伝素因に起因して脂質代謝異常を呈する疾患を発症する傾向のある人はもとより、正常人であっても、それらの疾患の予防または改善を目的として日常的に摂取することができる。脂質代謝異常を呈する疾患としては、例えば、高脂血症(高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症を含む)、脂肪肝、高血圧症、動脈硬化症、肥満(例えば内臓脂肪蓄積、皮下脂肪蓄積)、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)、糖尿病、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、脳血管障害(脳梗塞、脳出血)などが挙げられる。
また、本発明の飲食品は、抗酸化作用を有するので、過酸化脂質による酸化的損傷に関連する疾患の予防または改善にも有効である。過酸化脂質による酸化的損傷に関連する疾患としては、例えば、動脈硬化などの循環器系疾患、胃・十二指腸潰瘍・胃粘膜障害、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸炎などの消化器官系疾患、薬物や有害物質による肝障害、虚血性再灌流障害、糖尿病の合併症、白内障や加齢黄斑変性などの眼科疾患、シミ・シワなどの皮膚の変性、歯周病などの炎症性疾患、癌、老化などが挙げられる。
また、本発明の脂質代謝改善剤および抗酸化剤を医薬品として提供する場合は、医薬上許容され、かつ剤型に応じて適宜選択した適当な添加剤(例えば担体、賦形剤、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤又は崩壊補助剤、可溶化剤、安定化剤、保存剤、防腐剤、増量剤、分散剤等)を用いて、公知の種々の方法にて経口又は非経口的に全身又は局所投与することができる各種製剤形態に調製すればよい。
本発明の医薬品は、経口または非経口的に投与することができるが、好ましくは経口投与である。本発明の医薬品を経口投与する場合は、錠剤(糖衣錠を含む)、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、内用水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等に製剤化するか、使用する際に再溶解させる乾燥生成物にしてもよい。また、本発明の医薬品を非経口投与する場合は、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、坐剤などに製剤化し、注射用製剤の場合は単位投与量アンプル又は多投与量容器の状態で提供される。製剤化に当たっては、本発明の上記有効成分以外の1種以上の有効成分を更に配合してもよい。
上記製剤化を、キャノロールを含有する脂質代謝改善剤の場合を例としてより具体的に説明する。油剤は、キャノロールを大豆油、ごま油、なたね油、オリーブ油などに0.1〜50%になるように溶解することにより調製できる。カプセル剤は、キャノロールをソフトゲルカプセル等に1個あたり0.02〜0.1g充鎖することにより調製する。また、錠剤は、通常の日本薬局法に指定された錠剤用基材(乳糖、マルトース、各種デンプン、セルロース、キチン、キトサン、ヘミセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、リン酸カルシウムなど)に対し、キャノロールそのもの、または、ビタミンC、ビタミンE、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)などの一般的な抗酸化剤を0.01〜0.1%含むエタノールにキャノロールを1〜50%溶解したものを添加し、均一になるまで攪拌した後、減圧乾燥してエタノールを除き、打錠することにより調製する。
本発明の医薬品は、前述の脂質代謝異常を呈する各種疾患、過酸化脂質による酸化的損傷に関連する各種疾患の予防及び/又は治療用医薬として用いることができる。本発明の医薬品は、前述の各疾患の予防及び/又は治療用医薬として用いる場合、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ等の哺乳動物に対して経口または非経口的に安全に投与することができる。
本発明の医薬品の投与量は、疾患の種類、投与対象の年齢、性別、体重、症状の程度、又は投与方法などに応じて適宜決定することができる。例えば、キャノロールを含有する脂質改善剤を含む医薬品の場合、用量単位あたり、キャノロール量として1〜500mg、好ましくは5〜100mgの用量で投与する。一日量は、体重1kgあたり約0.01〜100mg、好ましくは体重1kgあたり約0.1〜80mg、特に好ましくは体重1kgあたり約1〜70mgが例示できる。
また、本発明の飼料は、上記の焙煎全脂ナタネ種子またはその加工物を主原料として用いるが、通常の配合飼料に使用される原料を動物の種類、発育ステージ、地域などの飼育環境に応じて適宜配合してもよい。かかる原料としては、例えば穀物類または加工穀物類(とうもろこし、マイロ、大麦、小麦、ライ麦、燕麦、キビ、小麦粉、小麦胚芽粉等)、糟糠類(ふすま、米糠、コーングルテンフィード等)、植物性油粕類(大豆油粕、ごま油粕、綿実油粕、落花生粕、ヒマワリ粕、サフラワー粕等)、動物性原料(脱脂粉乳、魚粉、肉骨粉等)、ミネラル類(炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、食塩、無水ケイ酸等)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6 、ビタミンB12、パントテン酸カルシウム、ニコチン酸アミド、葉酸等)、アミノ酸(グリシン、メチオニン等)、ビール酵母などの酵母類、無機物質の微粉末(結晶性セルロース、タルク、シリカ、白雲母、ゼオライト等)などが挙げられる。
本発明の飼料は、上記の飼料原料に、配合飼料に通常使用される賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料等の飼料用添加剤、所望によりその他の成分(抗生物質や殺菌剤、駆虫剤、防腐剤等)を配合してもよい。
本発明の飼料の形態は特に限定されるものではなく、例えば、粉末状、顆粒状、ペースト状、ペレット状、カプセル剤(ハードカプセル,ソフトカプセル)、錠剤等が挙げられる。
本発明の飼料の給与対象となる動物は、特に限定されるものではないが、例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、シカ、ウサギ等の家畜類;ニワトリ(ブロイラー、採卵鶏の両方を含む)、七面鳥、アヒル、マガモ、合鴨、キジ、ウズラ、またはガチョウ等の家禽類;マウス、ラット、モルモット等の実験動物;ハマチ、マダイ、フグ、マグロ、ヒラメ、シマアジ、マアジ、サケ、ギンザケ、コイ、ウナギ、ニジマス、アユ、エビ類(クルマエビ、イセエビ、ロブスター、ブラックタイガー等)、カニ類(タラバガニ、ズワイガニ、ワタリガニ、ケガニ等)、貝類(アワビ、サザエ等)等の養殖水産動物;イヌ、ネコなどのペットなどが挙げられる。
本発明の飼料中の焙煎全脂ナタネ種子の配合量は特に限定されるものではなく、例えば、飼料全体の5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。しかしながら、上記配合量は、対象動物の種類、体重、飼育条件、給与方法等により適宜調節すればよい。
本発明の飼料は、給与対象となる動物の成長を促進し、血中中性脂肪・コレステロールを低下させ、筋肉量を増加させ、ストレス状態における過酸化脂質量を低下させることができる。よって、本発明の飼料は、給与された動物に良好な発育、脂質代謝機能の改善、ストレス(例えば温度変化や感染等の精神的・肉体的に負担となる刺激)に対する耐性を付与するほか、その生産物(肉、卵、乳)において、例えば、低コレステロール含量や抗酸化性などの多様な機能を付与できる。
本発明の動物の飼育方法は、前記飼料を動物に給与して飼育する方法である。本発明の飼料の動物への給与は、該飼料の形態、用途、使用目的等に応じて、一般の飼料の給与方法に準じて行えばよく、特に限定はされない。本発明の動物の飼育方法において、前記飼料の給与量は、対象とする動物の種類、年齢もしくは日齢、性別等により適宜決定すればよい。給与時期も特に限定されるものではなく、動物の飼育開始から終了の間に渡って継続して給与してもよいし、その間に断続的に給与してもよいし、特定の期間のみに継続して給与してもよい。また、給与時期を対象となる動物やその産物の性質に応じて適宜決定してもよい。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものでない。
(実施例1)
ナタネ(品種:キラリボシ)の種子を、汎用煎り釜に投入し、160℃にて30分間焙煎し、焙煎全脂ナタネ種子を得た。
(実施例2)
1.試験方法
供試鶏:雄ブロイラー雛(チャーキー種、15日齢)
試験期間: 15日齢〜27日齢(12日間)
飼育試験:ブロイラー雛をケージ(40×50×70cm)に収容し、1試験区あたり7羽とする試験区1〜8を設けた(表1)。第1区(コントロール)には、ブロイラー肥育前期用標準飼料SDB No.1(日本配合飼料株製)を給与した。第3〜6区には、標準飼料に焙煎全脂ナタネ種子5%または10%添加した飼料を給与した。第7、8区には、キャノロール(canorol)100mgを添加した飼料を給与し、ポジティブコントロールとした。また、第2、4、6、8区には、標準飼料にコルチコステロン(CTC)を添加した飼料を給与し(20mg/kg飼料)、ストレス状態をつくりだした。飼育環境は、24℃、12時間明期、自由飲水、自由摂食とした。
Figure 2012110273
12日間の馴化期間、続いて3日間の給餌前(Pre-feeding)期間の後、各試験区のブロイラーに所定の飼料を12日間にわたって連続給与した。
試験開始日当日と試験開始12日目に個体別に体重を測定し、各試験区の増体重を算出した。また、給与開始から12日間の総飼料摂取量を各試験区別に調べ、飼料要求率を総飼料摂取量および総増体重量より算出した。
試験開始12日目に、ブロイラーを屠殺・解体し、腹腔内脂肪量(腹腔に蓄積した脂肪を筋胃に付着した部分までとり秤量)とムネ肉重量を測定した。
試験開始12日目に、翼下静脈から採血し、得られた血液を常法により血清を採取し、酵素法により中性脂肪量および総コレステロール量を測定した。また、同血清試料を用いてTBA法により過酸化脂質の指標であるチオバルビツール酸反応物質(Thiobarbituric Acid Reactive Substances: TBARS)を測定した。
2.試験結果
(1) 体重の変化
焙煎全脂ナタネ種子(5%、10%)試験区ではコントロール区に比べて若干の体重増加が認められ、成長阻害は見られなかった。また、ストレス下にある試験区(CTC+)で比較すると、焙煎全脂ナタネ種子(5%)試験区で成長が有意に促進された(図1)。
(2) 飼料摂取量
焙煎全脂ナタネ種子(5%、10%)試験区ではコントロール区に比べて増加する傾向を示した(図2)。
(3) 飼料要求率
焙煎全脂ナタネ種子(5%、10%)試験区ではコントロール区と飼料要求率(飼料摂取量/増体量)の差は認められなかった(図3)。
(4) ムネ肉重量
焙煎全脂ナタネ種子(5%、10%)試験区ではコントロール区と体重当たりのムネ肉重量は焙煎全脂ナタネ種子給与により増加した。ストレス下でも同様の効果が認められたた(図4)。
(5) 血中コレステロール量
ストレス下にある試験区(CTC+)とストレス下にない試験区(CTC-)の比較から明らかなように、血中コレステロールはストレスによって著しく増加した。ストレス下では焙煎全脂ナタネ種子の効果はないが、正常の環境では焙煎全脂ナタネ種子によってコレステロール量が低下した(図5)。また、キャノロール(100mg)の添加により、血中コレステロール量が低下した(図5)。
(6) 血中中性脂肪量
血中中性脂肪量は焙煎全脂ナタネ種子によって低下するがこの効果はストレス下で顕著であった(図6)。また、キャノロール(100mg)の添加により、血中中性脂肪量が低下した(図6)。
(7) 過酸化脂質量
ストレス下にある試験区(CTC+)とストレス下にない試験区(CTC-)の比較から明らかなように、過酸化脂質量の指標であるTBARSはストレスによって増加したが、これは焙煎全脂ナタネ種子によって顕著に抑制された(図7)。
本発明は飲食品、医薬品、および飼料の製造分野において利用できる。

Claims (9)

  1. 焙煎全脂ナタネ種子を含有する脂質代謝改善剤。
  2. キャノロールを含有する脂質代謝改善剤。
  3. 焙煎全脂ナタネ種子を含有する抗酸化剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の剤を含む、飲食品。
  5. 前記飲食品が、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、または特定保健用食品である、請求項4に記載の飲食品。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の剤を含む、医薬品。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の剤を配合した飼料。
  8. 前記飼料が、家畜、家禽、養殖水産動物、またはペット用である、請求項7に記載の飼料。
  9. 請求項7または8に記載の飼料を動物に給与とすることを含む、動物の飼育方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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