JP2012105721A - カフ部材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂よりなる多孔体で形成されたカフ部材を製造する方法において、該熱可塑性樹脂と、孔形成剤と、第1の溶媒とを含むポリマー溶液を、溶媒透過性の型に注入し、該型を第1の溶媒を抽出するための第2の溶媒に浸漬して第1の溶媒を第2の溶媒に抽出させることにより該型内にカフ部材を生成させ、次いで、該カフ部材を脱型することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
また、本発明は、その一態様において、細胞の侵入、生着性に優れると共に、カフ部材に重ねるパッドとの接着性に優れるカフ部材を提供することを目的とする。
以下、図面を参照して本発明のカフ部材の製造方法について説明する。第1図(a)は、この製造方法で用いられる型の斜視図であり、第1図(b)は、この実施の形態に係る型の断面図であり、第1図(c),(d),(e)は、別の形状の型の断面図である。
従って、脱型して得たカフ部材において、この型1の底部の面に対しパッドを接着することにより、パッドとカフ部材との接着強度を高くすることができる。
なお、第1図では、型1に凹部が設けられているが、底部形状が半球殻状の型1A(第1図(e))や平坦形の型(図示略)であってもよい。このような型を用いて成形体を切削加工することにより、目的形状のカフ部材を製造することができる。
また、本発明では、蓋はポリマー溶液に接しないように設けられてもよく、蓋を省略してもよい。
前記ポリマー溶液は、熱可塑性樹脂と、孔形成剤と、第1の溶媒とを含むものである。
前記第2の溶媒として用いる貧溶媒としては、水、低級アルコール、低炭素数のケトン類などを挙げることができる。
前記本発明の製造方法により製造されるカフ部材は、前記型内の底部側で気孔径が小さくなっている多孔体よりなるものが好ましく、具体的には、下記の特性を備えていることが好ましい。
カフ部材を構成する多孔体の型の底部側の平均孔径は、200〜650μm程度、特に250〜550μm程度が好ましい。一方、カフ部材を構成する多孔体の型の蓋側の平均孔径は、100〜650μm、特に150〜200μm程度であることが好ましい。型の底部側は、カフ部材に重なるパッドと接する面となるため、平均孔径が小さいとカフ部材とパッドとを強固に接着することができる。また、型の蓋側は、生体と重なる面となるため、平均孔径が前記範囲内であれば、カフ部材に細胞が侵入、生着しやすくなるため、生体組織とカフ部材との癒着が頑強なものとなる。なお、本明細書における平均孔径は以下の通り算出することができる。すなわち、両刃カミソリで切断した試料の平面(切断面)を電子顕微鏡(トプコン社製、SM200)にて撮影した写真を使用し、同一平面上の個々の孔を三次元網状構造の骨格により包囲された図形として画像処理(画像処理装置はニレコ社のLUZEX APを使用し、画像取り込みCCDカメラはソニー株式会社のLE N50を使用。)を行い、個々の図形の面積を測定する。これを真円面積とし、対応する円の直径を求め孔径とする。ただし、多孔体形成時の相分離の効果によって多孔体の骨格部分に穿孔された微細孔を無視し、同一平面上の連通孔のみを測定する。
空隙率は、50〜80%、特に60〜75%程度であることが好ましい。なお、本明細書における空隙率は以下の通り算出することができる。すなわち、多孔性三次元網状構造材料の切断面を撮影し、その写真において樹脂部分を白とし、空隙(空気部分)を黒として画像処理法により白部分の面積と黒部分の面積とを計算する。画像処理により得られた測定視野総面積と、空隙部分総面積と、JIS K7311によるポリウレタン樹脂の比重とから計算上の見掛け密度を求める。この見掛け密度は、一般の多孔性材料の場合は実測値とほぼ一致するが、本発明で使用する多孔性三次元網状構造材料の場合は実測値よりも約10倍以上大きな値となる。この差異は、多孔性三次元網状構造材料の骨格部分がポリウレタン樹脂からなる中実構造であると仮定したことにより生じる。そこで、計算上の見掛け密度Aと実測値の見掛け密度Bとを計算式(A−B)/A×100(%)に代入して計算することにより、多孔性三次元網状構造材料の骨格基材自体の空隙率を求めることが可能となる。計算上の見掛け密度が0.91g/cm3であり、実測値の見掛け密度が0.077g/cm3の場合、本発明で使用する多孔性三次元網状構造材料の骨格基材は、空隙率91.5%の多孔質であると計算される。
見掛け密度は、0.05〜0.1g/cm3、特に0.07〜0.09g/cm3程度であることが好ましい。見掛け密度が前記範囲内の多孔体を用いることにより、カフ部材に細胞が侵入、生着しやすくなる。なお、本明細書における見掛け密度は以下の通り算出することができる。すなわち、多孔質構造体を約10mm×10mm×3mmの直方体に両刃カミソリで切断し、投影機(Nikon,V−12)にて測定して得た寸法より体積を求め、その重量を体積で除した値から見掛け密度を求める。
カフ部材を構成する多孔体は、多孔性三次元網状構造材料であることが好ましく、さらに、その網状構造を構築している骨格基材自体にも微細な孔が形成されていることが好ましい。特に、この多孔性三次元網状構造材料は、型の底側を除いて平均孔径が100〜650μmであり、且つ乾燥状態における見掛け密度が0.10g/cm3以下の連通性の三次元網状構造を形成しており、なお且つ、その網状構造を構築している骨格基材自体が空隙率70%以上の多孔質体であり、且つ該骨格基材の表層は、微細孔が点在する緻密な層となっていることが好ましい。この微細孔は、骨格基材の表面を平滑な表面でなく複雑な凹凸のある表面とするため、コラーゲンや細胞増殖因子などの保持にも有効であり、結果として細胞の生着性を高めることが可能である。ただし、この骨格基材自体の微細孔は、本発明でいう多孔性三次元網状構造部の平均孔径の計算の概念には含まれない。
以下、第2〜5図を参照して、本発明により製造されるカフ部材の具体的な形状、及びこのカフ部材の使用形態について説明するが、本発明により製造されるカフ部材の形状は以下の形状に限定されるものではない。
また、パッド23が透明な場合は器質化されたカフ部材21の状態を視認することが可能で(通常は皮下組織の色)、これは医療従事者による診断目的では有用な機能ではあるが、患者にとっては審美性を欠くものともなり得る。その場合は、顔料を混合するなどして着色して視認されることを防いだり患者の皮膚の色に似せることで審美性を向上させることも可能であり、さらに、ペットなどの動物への適用の際は植毛を行うことでよりパッドの存在を目立たなくさせることも可能である。
<ポリマー溶液の調製>
セグメント化ポリウレタン樹脂(日本ミラクトン社製「ミラクランE980」)をN−メチル−2−ピロリジノン(関東化学社製,ペプチド合成用)に溶解させ、セグメント化ポリウレタン樹脂の濃度が7.5重量%である溶液を約350g調製した。この操作は、室温下でディゾルバー攪拌機(特殊機化工業社製「ホモディスパーf」)を用いて行った。
有底円筒形状の濾紙(東洋濾紙製:#84,60mm×200mm)にRO水(逆浸透膜による濾過水)を入れて雌型に設置し、濾紙の内部に雄型を入れてプラグアシストプレスを行い、80℃で乾燥させることにより第1図(a)に記載の型を作成した。
前記の方法により作製した型に前記のポリマー溶液(ポリマードープ)を40g充填し、第1図(b)に示す蓋4a設けた。第2の溶媒としてメタノールを約1L入れたフラスコを用意し、前記型を、メタノールの液面に対して型の軸心が垂直となるように浸漬した。前記フラスコにはアリーン冷却管を装着し、メタノールの液温を50℃に調整した。浸漬後、3時間経過したところで第2の溶媒を新しい50℃のメタノール(1L)に交換した。この操作を3回繰り返すことにより抽出を行った。抽出後、容器から型を出し、濾紙を破ることにより脱型を行い、型内からセグメント化ポリウレタン樹脂の多孔体(スポンジ)を取り出した。この多孔体にRO水を含浸させてローラーで絞った後、1LのRO水に浸漬した。浸漬から1時間後、新しいRO水(1L)に交換し、再度1時間浸漬した。この操作を10回行うことにより、多孔体に含まれる残留物質を除去した。この多孔体を60℃の無塵乾燥機(アドバンテック社製『FA−420』)で5時間乾燥させることにより、第2図に記載の形状を備えるカフ部材を得た。
2 底部
3 凹部
4a,4b 蓋
5 ポリマー溶液
6 棒状体
21 カフ部材
21a 高所
21b 低所
21c 段差面
21F 前面
21R 後面
Claims (11)
- 熱可塑性樹脂よりなる多孔体で形成されたカフ部材を製造する方法において、
該熱可塑性樹脂と、孔形成剤と、第1の溶媒とを含むポリマー溶液を、溶媒透過性の型に注入し、該型を第1の溶媒を抽出するための第2の溶媒に浸漬して第1の溶媒を第2の溶媒に抽出させることにより該型内にカフ部材を生成させ、次いで、該カフ部材を脱型することを特徴とするカフ部材の製造方法。 - 請求項1において、前記型は、濾紙よりなることを特徴とするカフ部材の製造方法。
- 請求項2において、前記濾紙は、有底円筒形状であることを特徴とするカフ部材の製造方法。
- 請求項3において、前記有底円筒形状の濾紙を、該濾紙内のポリマー溶液が前記第2の溶媒の液面以下となるように浸漬することを特徴とするカフ部材の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記第1の溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、及びテトラヒドロフランからなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とするカフ部材の製造方法。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記孔形成剤は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロースからなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とするカフ部材の製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記熱可塑性樹脂は、セグメント化ポリウレタン樹脂であることを特徴とするカフ部材の製造方法。
- 請求項1ないし7のいずれか1項において、前記ポリマー溶液中の熱可塑性樹脂の濃度は、5〜15重量%であることを特徴とするカフ部材の製造方法。
- 請求項1ないし8のいずれか1項において、前記第2の溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトンおよびエーテルならびにこれらの混合物からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とするカフ部材の製造方法。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたカフ部材。
- 請求項10において、前記カフ部材を構成する多孔体は、前記型内の底部側の気孔径が上部側の気孔径よりも小さくなっていることを特徴とするカフ部材。
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