JP2003284767A - 組織工学用スキャホールド材及び人工血管 - Google Patents

組織工学用スキャホールド材及び人工血管

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JP2003284767A
JP2003284767A JP2002091793A JP2002091793A JP2003284767A JP 2003284767 A JP2003284767 A JP 2003284767A JP 2002091793 A JP2002091793 A JP 2002091793A JP 2002091793 A JP2002091793 A JP 2002091793A JP 2003284767 A JP2003284767 A JP 2003284767A
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tissue engineering
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Yasuhide Nakayama
泰秀 中山
Yasushi Nemoto
泰 根本
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NAT CARDIOVASCULAR CT
Bridgestone Corp
Japan National Cardiovascular Center
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞の生着、培養が容易で安定して組織化で
きる多孔性の組織工学用スキャホールド材と、小口径で
も開存率の良好な人工血管を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂製の組織工学用スキャホー
ルド材であって、該熱可塑性樹脂が平均孔径100〜6
50μm、見掛け密度0.01〜0.5g/cm の、
連通性のある多孔性三次元網状構造を形成している組織
工学用スキャホールド材。このスキャホールド材よりな
る人工血管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞の生着、培養
が容易で安定して組織化できる多孔性の組織工学用スキ
ャホールド材と、このスキャホールド材を用いた人工血
管に関するものである。本発明の組織工学用スキャホー
ルド材及び人工血管は、バイオテクノロジーの基礎研究
のみならず、人工臓器による置換医療、組織工学による
再生医療における人工骨格基材として使用される医用材
料にも有用であり、特に、血管内皮細胞が内壁全面に生
着する性質を利用して、内径6mm以下の小口径であっ
ても、開存率の良好な人工血管に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、組織工学用スキャホールド材とし
ては、ポリスチレン製シャーレ、ポリエステル製メッシ
ュなどの基材にコラーゲンなどの細胞外マトリックスを
コーティングしたものがあり、単層培養を中心に広く利
用されていた。単層培養以外の培養形態としては、振盪
培養によるスフェロイド形態やコラーゲンゲルを利用し
た包埋培養があり、特に、コラーゲンゲルを利用した包
埋培養は、インビボ(in vivo)様に培養するこ
と、即ち、三次元形態で細胞を増殖させることが可能
で、単層培養では不十分であった細胞機能の基礎研究を
も可能とした。
【0003】一方、従来の人工血管は、ポリエステル樹
脂やPTFE樹脂製のメッシュからなるチューブが古く
から実用化されており、小口径化や開存率向上などを課
題として研究が進められている。現在までに検討されて
いる技術の主流は、抗血栓材料として実績のあるセグメ
ント化ポリウレタンチューブを使用したもの、グラフト
鎖などを利用してヘパリンなどの抗血栓物質を表面に固
定した人工血管材料などである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】包埋培養用のコラーゲ
ンゲルは、三次元網状構造体のような多孔構造体ではな
く、細胞の生着が全面に均一に得られない、又は生着の
分布を調整できないという問題がある。三次元網状構造
を有する多孔性材料の作製方法としては、含塩法や気泡
法などが知られているが、孔径や孔密度を厳密にかつ任
意に調節することは困難であり、適当な三次元網状構造
体よりなるスキャホールド材は未だに得られていない。
【0005】更に、コラーゲンゲル包埋培養によって得
た細胞生着構造体は、スキャホールド材であるコラーゲ
ンゲル自体に物理的強度がなく、細胞機能の評価には使
用可能であるが、機械的な負荷がかかる用途、例えば、
人工血管などに利用することはできなかった。
【0006】一方で、自家血管の代替材としての人工血
管は既に広く臨床応用されているものの、小口径の人工
血管では開存性が悪いために、冠状動脈のバイパス術、
末梢動脈再建術で必要な小口径血管に関しては、自家静
脈の移植術が採用されているのが現状である。現在主流
の小口径化検討技術のように抗血栓性のみを追求して
も、これら従来の人工血管内壁には繊維性コラーゲンか
らなる擬内膜が形成されるのみで、内皮の形成にまでは
至らず、この結果、小口径の人工血管では開存率が低い
ものとなる。また、内壁に細胞が侵入できる孔が存在し
ないため、たとえ吻合部からパンヌスが侵延しても内壁
には接着せずに浮遊し、これが閉塞の要因となる症例も
多く報告されている。
【0007】本発明は、かかる従来技術の問題を顧みて
達成されたものであり、三次元網状構造を有する均質な
多孔体からなり、その多孔構造の内部の全面に均一に細
胞が生着し得る組織工学用スキャホールド材であって、
物理的強度にも優れ、生体組織工学分野の基礎研究のみ
ならず、人工血管、特に、内径6mm以下の小口径の人
工血管に適用した場合であっても、長期に亘り高い開存
率を維持し得る人工血管を構成することができる組織工
学用スキャホールド材と、この組織工学用スキャホール
ド材を用いた人工血管を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の組織工学用スキ
ャホールド材は、熱可塑性樹脂製の組織工学用スキャホ
ールド材であって、該熱可塑性樹脂が平均孔径100〜
650μm、見掛け密度0.01〜0.5g/cm
の、連通性のある多孔性三次元網状構造を形成してい
ることを特徴とする。
【0009】本発明の組織工学用スキャホールド材は、
上記特定の平均孔径及び見掛け密度を有する熱可塑性樹
脂の多孔性三次元網状構造を有するため、この多孔性三
次元網状構造部の空孔部分へ細胞やコラーゲン浮遊液が
容易に浸透し得る。このため、多孔性三次元網状構造部
の全体に均一に細胞が播種可能であり、例えば、中皮細
胞と繊維芽細胞の二層からなる人工腹膜を得ることも可
能であり、腹膜透析におけるグリコシレーションのメカ
ニズムの解析や透析の基礎検討への使用も期待できる。
また、この組織工学用スキャホールド材を人工血管とし
て使用した場合、人工血管内壁に血管内皮細胞を存在さ
せることが可能であり、閉塞が起こりにくく、結果とし
て小口径の人工血管を実現することが可能である。
【0010】本発明の人工血管は、このような本発明の
スキャホールド材からなるものであり、内径6mm以下
の小口径でも開存率が高く、冠状動脈のバイパス術、末
梢動脈再建術等に有効に適用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の組織工学用スキ
ャホールド材及び人工血管の実施の形態を詳細に検討す
る。
【0012】本発明の組織工学用スキャホールド材を構
成する熱可塑性樹脂からなる三次元網状構造部は、平均
孔径100〜650μmで、見掛け密度が0.01〜
0.5g/cmの、連通性の、即ち、連続気孔性の多
孔性三次元網状構造であれば良く、内壁から外壁にいた
る全体が類似の構造を有してもいても、内壁付近と外壁
付近とで相違していても良い。また、部分的に平均孔径
や見掛け密度が変化するものであっても良く、例えば、
内壁から外壁方向へ向けて平均孔径が徐々に変化する、
所謂、異方性を有していても良い。
【0013】この熱可塑性樹脂からなる多孔性三次元網
状構造の平均孔径は100〜650μmで、見掛け密度
は0.01〜0.5g/cmであるが、好ましい平均
孔径は100〜400μm、より好ましくは100〜3
00μmである。見掛け密度としては0.01〜0.5
g/cm範囲内であれば、細胞生着性が良好で、優れ
た物理的強度を維持し、生体に近似した弾性特性が得ら
れるが、好ましくは0.01〜0.2g/cm、より
好ましくは0.01〜0.1g/cmである。
【0014】また、平均孔径の概念において、孔径の分
布は単分散の方が好ましく、細胞の侵入に重要な孔径サ
イズである孔径150〜300μmの孔の寄与率が高い
ことが望ましい。孔径150〜300μmの孔の寄与率
が10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは
30%以上、更に好ましくは40%以上、特に好ましく
は50%以上あると、細胞が侵入し易く、また、侵入し
た細胞が接着、成長しやすいため、スキャホールド材及
び人工血管としての用途に有効である。
【0015】なお、多孔性三次元網状構造の平均孔径に
おける孔径150〜300μmの孔の寄与率とは、後述
の実施例1における平均孔径の測定方法における、全孔
の数に対する孔径150〜300μmの孔の数の割合を
指す。
【0016】このような平均孔径、見掛け密度及び孔径
分布の多孔性三次元網状構造であれば、細胞・コラーゲ
ン浮遊培養液等が容易に空孔部分へ浸透し、多孔性構造
層へ細胞が接着、成長しやすい良好なスキャホールド材
を得ることができる。従って、これを管状に成形した場
合には、内壁から外周にいたる全体に細胞を生着させる
ことができるため、閉塞の危険性の低い、開存率の高い
人工血管を実現することができる。
【0017】本発明の組織工学用スキャホールド材を構
成する熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン樹脂,ポリ
アミド樹脂,ポリ乳酸樹脂,ポリオレフィン樹脂,ポリ
エステル樹脂,フッ素樹脂,アクリル樹脂,メタクリル
樹脂並びにそれらの誘導体を例示することができ、これ
らは1種を単独で使用しても良く、2種以上を併用して
も良いが、好ましくは、ポリウレタン樹脂であり、中で
もセグメント化ポリウレタン樹脂が抗血栓性や物理特性
などの点でも優れた人工血管を得ることができ、好まし
い。
【0018】セグメント化ポリウレタン樹脂は、ポリオ
ール、ジイソシアネート及び鎖延長剤の3成分から合成
され、いわゆるハードセグメント部分とソフトセグメン
ト部分を分子内に有するブロックポリマー構造によるエ
ラストマー特性を有するため、このようなセグメント化
ポリウレタン樹脂を使用した場合に得られるスキャホー
ルド材及び人工血管は、弾性力学的に生体血管に近似な
S−S曲線(低血圧領域では高いコンプライアンスで低
弾性であり、高血圧領域では低血圧領域よりも低いコン
プライアンスの高弾性である特性)を示す管状構造体に
成形することも可能であり、抗血栓性や物理特性にも優
れている。
【0019】また、熱可塑性樹脂が加水分解性又は生分
解性を有するものであれば、人工血管の生体移植後に徐
々に分解、吸収され、最終的には生着した細胞を残した
まま樹脂製の基材自体を生体から排除することも可能で
ある。
【0020】このような熱可塑性樹脂で構成される多孔
性三次元網状構造部には、コラーゲンタイプI,コラー
ゲンタイプII,コラーゲンタイプIII,コラーゲンタイ
プIV,アテロ型コラーゲン,フィブロネクチン,ゼラチ
ン,ヒアルロン酸,ヘパリン,ケラタン酸,コンドロイ
チン,コンドロイチン硫酸,コンドロイチン硫酸B,ヒ
ドロキシエチルメタクリレートとジメチルアミノエチル
メタクリレートの共重合体,ヒドロキシエチルメタクリ
レートとメタクリル酸の共重合体,アルギン酸,ポリア
クリルアミド,ポリジメチルアクリルアミド及びポリビ
ニルピロリドンからなる群から選択される1種又は2種
以上が保持されていても良く、更には繊維芽細胞増殖因
子,インターロイキン−1,腫瘍増殖因子β,上皮増殖
因子及び二倍体繊維芽細胞増殖因子よりなる群から選ば
れる1種又は2種以上のサイトカイン類が保持されてい
ても良く、更に、胚性幹細胞、血管内皮細胞、中胚葉性
細胞、平滑筋細胞、末梢血管細胞及び中皮細胞よりなる
群から選ばれる1種又は2種以上の細胞が接着されてい
ても良い。胚性幹細胞は分化されたものであっても良
い。
【0021】また、本発明の組織工学用スキャホールド
材は、その多孔性三次元網状構造層を構築する熱可塑性
樹脂からなる骨格自体にも微細な孔を設けることが可能
である。このような微細孔は、骨格表面を平滑な表面で
なく複雑な凹凸のある表面とし、コラーゲンや細胞増殖
因子などの保持にも有効であり、結果として細胞の生着
性を上げることが可能である。ただし、この場合の微細
孔は、本発明でいう多孔性三次元網状構造部の平均孔径
の計算の概念に導入されるものではない。
【0022】本発明の組織工学用スキャホールド材の形
状には特に制限はないが、例えば管状構造体とした場
合、人工血管として使用することができる。
【0023】この場合、この管状構造体は内径0.3〜
15.0mmで外径0.4〜20.0mm、好ましくは
内径0.3〜10.0mmで外径0.4〜15.0m
m、更に好ましくは内径0.3〜6.0mmで外径0.
4〜10.0mm、特に好ましくは内径0.3〜2.5
mmで外径0.4〜10.0mm、とりわけ好ましくは
内径0.3〜1.5mmで外径0.4〜10.0mmで
あることが好ましく、本発明によれば、このような小口
径の人工血管であっても長期に亘り、高い開存率を維持
することができる。
【0024】本発明のスキャホールド材からなる本発明
の人工血管は、その外側を別の管状構造体で被覆したも
のであっても良く、このような被覆層を設けることによ
り、本発明のスキャホールド材へのコラーゲンなどの含
浸密度が低い場合やスキャホールド材の肉厚が薄い場合
などに、移植後の一定期間血液のリークを防止し、細胞
の接着、生着が十分に行われて血液リークの可能性が低
くなった頃に生体に吸収され、消滅するといった補助的
な効果を与えることも可能である。この被覆用の管状構
造体としては、特に制限はないが、例えば、キトサン、
ポリ乳酸樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リウレタン樹脂、フィブロネクチン、ゼラチン、ヒアル
ロン酸、ケラタン酸、コンドロイチン、コンドロイチン
硫酸、コンドロイチン硫酸B、ヒドロキシエチルメタク
リレートとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重
合体、ヒドロキシエチルメタクレートとメタクリル酸の
共重合体、アルギン酸、ポリアクリルアミド、ポリジメ
チルアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、架橋コラ
ーゲン及びフィブロインからなる群から選択される1種
又は2種以上から形成されたチューブが挙げられ、この
キトサンチューブ等の被覆用の管状構造体の厚さ(外径
と内径の差)は5〜500μm程度であることが好まし
い。
【0025】本発明の人工血管は、従来技術で達成でき
なかった小口径のものでも開存性が高く、安定した血流
を確保できる点でも新規なものであるが、大口径、例え
ば内径6mmを超えるものに適用しても何ら問題はな
い。
【0026】以下に、本発明のスキャホールド材又は人
工血管の管状構造体を構成する熱可塑性ポリウレタン樹
脂よりなる多孔性三次元網状構造の製造方法の一例を挙
げるが、本発明に係わる多孔性三次元網状構造の熱可塑
性樹脂製構造体の製造方法は何ら以下の方法に限定され
るものではない。また、以下の方法に準拠すれば平面状
基材など組織工学用のスキャホールド材料として要求さ
れる様々な形状の三次元網状構造の熱可塑性樹脂製基材
を製造することができる。
【0027】熱可塑性ポリウレタン樹脂よりなる多孔性
三次元網状構造体を製造するには、まず、ポリウレタン
樹脂と、孔形成剤としての後述の水溶性高分子化合物
と、ポリウレタン樹脂の良溶媒である有機溶媒とを混合
してポリマードープを製造する。具体的には、ポリウレ
タン樹脂を有機溶媒に混合して均一溶液とした後、この
溶液中に水溶性高分子化合物を混合分散させる。有機溶
媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド,N−メチ
ル−2−ピロリジノン,テトラヒドロフランなどがある
が、熱可塑性ポリウレタン樹脂を溶解することができれ
ばこの限りではなく、また、有機溶媒を減量するか又は
使用せずに熱の作用でポリウレタン樹脂を融解し、ここ
に孔形成剤を混合することも可能である。
【0028】孔形成剤としての水溶性高分子化合物とし
ては、ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコ
ール,ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン,
アルギン酸,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシ
プロピルセルロース,メチルセルロース,エチルセルロ
ースなどが挙げられるが、熱可塑性樹脂と均質に分散し
てポリマードープを形成するものであればこの限りでは
ない。また、熱可塑性樹脂の種類によっては、水溶性高
分子化合物でなく、フタル酸エステル,パラフィンなど
の親油性化合物や塩化リチウム,炭酸カルシウムなどの
無機塩類を使用することも可能である。また、高分子用
の結晶核剤などを利用して凝固時の二次粒子の生成、即
ち、多孔体の骨格形成を助長することも可能である。
【0029】熱可塑性ポリウレタン樹脂、有機溶媒及び
水溶性高分子化合物などより製造されたポリマードープ
は、次いで熱可塑性ポリウレタン樹脂の貧溶媒を含有す
る凝固浴中に浸漬し、凝固浴中に有機溶媒及び水溶性高
分子化合物を抽出除去する。このように有機溶媒及び水
溶性高分子化合物の一部又は全部を除去することによ
り、ポリウレタン樹脂からなる多孔性三次元網状構造材
料を得ることができる。ここで用いる貧溶媒としては、
水,低級アルコール,低炭素数のケトン類などが例示で
きる。凝固したポリウレタン樹脂は、最終的には、水な
どで洗浄して残留する有機溶媒や孔形成剤を除去すれば
良い。
【0030】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0031】(実施例1)熱可塑性ポリウレタン樹脂
(日本ミラクトラン社製,ミラクトランE980PNA
T)をN−メチル−2−ピロリジノン(関東化学社製,
ペプチド合成用試薬,NMP)にディゾルバー(約2,
000rpm)を使用して室温下で溶解して5.0%溶
液(重量/重量)を得た。このNMP溶液約1.0kg
をプラネタリーミキサー(井上製作所製,2.0L仕込
み,PLM−2型)に秤量して入れ、ポリウレタン樹脂
と同重量相当のメチルセルロース(関東化学社製,試
薬,25cpグレード)を40℃で20分間混合し、そ
の後攪拌を継続したまま10分間、20mmHg(2.
7kPa)まで減圧して脱泡し、ポリマードープを得
た。
【0032】化学実験用濾紙(東洋濾紙社製,定性分析
用,2番)で作成した内径3.5mmφ,外径4.6m
mφ,長さ60mmの筒状の紙管と、SUS440製の
直径1.2mmφの芯棒と、この芯棒を紙管の中心部分
に固定できる医用ポリプロピレン樹脂製の円柱状密栓か
ら構成させるチューブ成形治具中に、上記ポリマードー
プを23ゲージの針を使用して射出注入し、その後密栓
した後、還流状態にあるメタノール中へ投入して72時
間還流を継続して、紙管面から内部のNMP溶媒を抽出
除去することによりポリウレタン樹脂を凝固させた。こ
の際、メタノールは還流状態を維持したまま、随時新液
と交換した。72時間後、チューブ成形治具を還流状態
のメタノールから乾燥させることなく室温下のメタノー
ル浴中に移し、浴内でチューブ成形治具から内容物を取
り出し、日本薬局方精製水中で72時間洗浄することに
よりメチルセルロース、メタノール及び残留するNMP
を抽出除去した。洗浄用の水は随時新液を供給した。こ
れを室温下で24時間減圧(20mmHg(2.7kP
a))乾燥させて、本発明の一実施形態である、人工血
管として使用可能な管状の多孔性三次元網状構造のスキ
ャホールド材を得た。
【0033】図1〜4は、このスキャホールド材を走査
型電子顕微鏡(JEOL社製SEM,JMS−5800
LV)又は実体顕微鏡(キーエンス社製,VH−630
0)にて撮影した像であるが、この図1〜4より、得ら
れたスキャホールド材の基材が、孔径約200μmで、
内径が1.2mmφ、外径が3.2mmφで、構造体内
部(図2)、内壁表層(図3)及び外周表層(図4)と
もほぼ同一の構造の多孔性三次元網状構造で、全体が均
質な多孔質体であることが分かる。
【0034】得られたスキャホールド材について、下記
方法により平均孔径及び見掛け密度の測定を行った。な
お、平均孔径と見掛け密度の測定において、試料の切断
は両刃カミソリ(フェザー社製,ハイステンレス)を使
用して室温下で行った。
【0035】[平均孔径の測定]両刃カミソリで切断し
た試料の平面(切断面)を実体顕微鏡(キーエンス社
製,VH−6300)にて撮影した写真を使用して、同
一平面上の個々の孔を三次元網状構造の骨格から包囲さ
れた図形として画像処理(画像処理装置はニレコ社のL
UZEX APを使用し、画像取り込みCCDカメラは
SONYのLE N50を使用した。)し、個々の図形
の面積を測定した。これを真円面積とし、対応する円の
直径を求め孔径とした。多孔体の骨格部分に穿孔した微
細孔を無視して同一平面上の連通孔のみを測定した結
果、平均孔径は169±55μmと計測された。同時
に、孔径分布における孔径150〜300μmの寄与率
は71.2%と計測され、細胞接着に有効なサイズの孔
を主体とする多孔体であることが確認された。
【0036】[見掛け密度の測定]約10mm長さに両
刃カミソリで切断した試料を投影機(Nikon,V−
12)にて測定して得た寸法より体積を求め、その重量
を体積で除した値から求めた結果、0.077±0.0
02g/cmと計算された。
【0037】本発明の特徴である三次元網状構造は、孔
と孔の連通性に優れる構造であるが、この連通性の指標
となる透水性の評価を以下のように行った。
【0038】[透水性の評価]まず、10mmの長さに
上記と同様に切断した試料の片側の末端部を密栓し、も
う一端の開孔から、内径0.3mmφ,外径1.2mm
φ,長さ40mmの針を、試料の管状構造体の有効透過
面が管長で0.50mmとなるように調整して挿入し
た。この針に長さ50mm,直径5mmφのシリコンチ
ューブと、25gの水を入れた直径20mmφ,長さ9
0mmのガートルを連結し、25℃で蒸留水の透過性を
測定した。透水量は13.47±0.33g/60秒,
24.64±0.35g/120秒であった。この試料
を装着していない無負荷状態での透水量が、13.70
/60秒,24.87/120秒であることから、この
スキャホールド材は良好な透水性を有する、連通性の高
い三次元網状構造体であることが確認された。
【0039】(実施例2)牛血管由来平滑筋細胞(細胞
密度:6×10cells/mL)のDMEM(培地
成分)溶液(10%FCS(牛胎児血清)入り)とコラ
ーゲンタイプI溶液(0.3%酸性溶液,高研製)を氷
上冷却しながら等量で混合し、平滑筋細胞の浮遊液(細
胞密度:3×10cells/mL)を調製した。
【0040】実施例1で作製した管状の多孔性三次元網
目構造のスキャホールド材(内径:1.2mmφ,外
径:3.2mmφ,長さ:2cm)の一端をクランプに
て縛り、他端より上記平滑筋細胞の浮遊液(1mL)を
スキャホールド材の管状構造の側壁からしみ出るまで注
入した。注入操作は全て氷上で行い、数回繰り返すこと
で管状構造体の内部まで平滑筋細胞を含むコラーゲン溶
液で満たした。その後、クランプを取り外し、スキャホ
ールド材の管状構造体の中心にSUS440製の1.2
mmφの心棒を通し、37℃でインキュウベーター内で
培養を行い、細胞を含む多孔性三次元網目構造材料を得
た。
【0041】このようにして得られた細胞を含む多孔性
三次元網目構造材料を3日間培養した後光学顕微鏡にて
観察した断面組織像を図5に示す。図5より、作製した
構造材料の内部に細胞が一面に分布していることが分か
る。この細胞を含む構造体は1週間追加培養を行っても
内部組織は壊死することなく生着していることが観察さ
れた(図6)。
【0042】(実施例3)実施例1にて作製した管状の
多孔性三次元網目構造のスキャホールド材(内径:1.
2mmφ,外径:3.2mmφ,長さ:2cm)の一端
をクランプにて縛り、他端よりコラーゲンタイプI水溶
液(0.15重量%)を注入し、構造体内部までコラー
ゲン溶液で満たした。その後、クランプを除去し、スキ
ャホールド材の管状構造体の中心にSUS440製の
1.2mmφの心棒を通し、37℃でインキュウベータ
ー内に保持させることで、コラーゲン溶液をゲル化さ
せ、網目構造がコラーゲンゲルで満たされた管状構造体
を作製した。
【0043】ラットの腹部大動脈を約3cm剥離し、そ
の両端をクランプにて縛り、血流を遮断させた後、動脈
の中央部を切断し、その間を上記管状構造体で端々接合
した。クランプを除去した後、血流を再開すると、拍動
が起り、人工血管として機能した(図7)。この人工血
管を1週間後に摘出し、管状組織体の内腔面を観察する
と、内腔面には全く血栓が付着、形成されず、極めて平
滑であった(図8)。
【0044】(比較例1)熱可塑性ポリウレタン樹脂
(日本ミラクトラン社製,ミラクトランE980PNA
T)をテトラヒドラフラン(和光純薬工業社製,TH
F)に60℃で加熱溶解して5.0%溶液(重量/重
量)を得た。このTHF溶液16mLに12gのNaC
l粒子(ふるい処理により粒子径を100〜200μm
に揃えたもの)を分散させた懸濁液を調製した。この懸
濁液中にSUS440製の1.2mmφ心棒を浸漬、乾
燥させ、心棒の周りをNaCl粒子を含むポリウレタン
でチューブ状に皮膜化した。これを充分乾燥させた後、
イオン交換水にて良く洗浄し、チューブ内に包埋された
NaClを溶解除去した。これを室温下で24時間減圧
(20mmHg(2.7kPa))乾燥させて、内径
1.2mmφ,外径3.2mmφの多孔性管状構造体を
得た。
【0045】この多孔性管状構造体について、実施例1
と同様の方法で平均孔径と見掛け密度を測定したとこ
ろ、平均孔径は121±65μmであるものの、孔径1
50〜300μmの孔の寄与率は31.8%であった。
また、見掛け密度は0.086±0.004g/cm
であった。
【0046】SEMによる外観観察では、実施例1のも
のが表層と内部が同一の三次元網状構造を有しているの
に対して、本比較例では、表層部に緻密層が生成してお
り(図9)、表層部分と内部とは全く異なる構造であ
り、内部構造は球状の孔が集合し、隣接する孔と孔が接
触した部分で孔の壁が貫通しており、三次元網状構造で
はなかった(図10)。
【0047】また、実施例1と同様の方法で測定した透
水性は、11.22±0.46g/60秒,20.08
±0.96g/120秒で、実施例1のものよりも低い
値を示した。この原因は、表層部分の孔同士の連通性が
低いことと、表層部に存在する緻密層の影響と推定され
た。
【0048】(比較例2)実施例2と同様にして調製し
た平滑筋細胞の浮遊液(細胞密度:3×10cell
s/mL)を、比較例1で作製した多孔性管状構造体
(内径:1.2mmφ,外径:3.2mmφ,長さ:2
cm)に、実施例2と同様にして注入した後、培養を行
って、細胞を含む管状構造材料を得た。
【0049】このようにして得られた細胞を含む管状構
造材料を3日間培養した後光学顕微鏡にて観察した断面
組織像を図11に示す。図11より、作製した構造材料
の内部には細胞は殆ど存在せず、内壁面にのみ存在して
いることが分かる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、三
次元網状構造を有する均質な多孔体からなり、その多孔
構造の内部の全面に均一に細胞が生着し得る組織工学用
スキャホールド材であって、物理的強度にも優れ、生体
組織工学分野の基礎研究のみならず、人工血管、特に、
内径6mm以下の小口径の人工血管に適用した場合であ
っても、長期に亘り高い開存率を維持し得る人工血管を
構成することができる組織工学用スキャホールド材と、
この組織工学用スキャホールド材を用いた人工血管が提
供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造されたスキャホールド材の管状
構造体の全体のSEM像(20倍)である。
【図2】実施例1で製造されたスキャホールド材の管状
構造体の内部の微細構造の実体顕微鏡像(100倍)で
ある。
【図3】実施例1で製造されたスキャホールド材の管状
構造体の内壁の表層のSEM像(20倍)である。
【図4】実施例1で製造されたスキャホールド材の管状
構造体の外周の表層のSEM像(20倍)である。
【図5】実施例2で製造された細胞を含む多孔性三次元
網状構造材料の3日間培養後の光学顕微鏡像(10倍)
である。
【図6】実施例2において、1週間の追加培養後にも内
部組織が全面に生着していたことを示す光学顕微鏡写真
(10倍)である。
【図7】実施例3において、人工血管によって血流が確
保されて拍動が起こった場面の写真である。
【図8】実施例3において、移植1週間後の人工血管内
部に血栓が生成していないことを示す写真である。
【図9】比較例1で製造された環状構造体の表層部のS
EM像(50倍)である。
【図10】比較例1で製造された環状構造体の内部の微
細構造のSEM像(50倍)である。
【図11】比較例2で製造された細胞を含む管状構造材
料の3日間培養後の光学顕微鏡断面像(10倍)であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 AB13 AC03 BA12 BA13 DA03 DB03 DB05 4C097 AA15 BB01 CC03 DD02 EE02 EE03 EE08 FF05

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂製の組織工学用スキャホー
    ルド材であって、該熱可塑性樹脂が平均孔径100〜6
    50μm、見掛け密度0.01〜0.5g/cmの、
    連通性のある多孔性三次元網状構造を形成していること
    を特徴とする組織工学用スキャホールド材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該多孔性三次元網状
    構造の平均孔径が100〜400μmで、見掛け密度が
    0.01〜0.5g/cmであることを特徴とする組
    織工学用スキャホールド材。
  3. 【請求項3】 請求項2において、該多孔性三次元網状
    構造の平均孔径が100〜300μmであることを特徴
    とする組織工学用スキャホールド材。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、該多孔性三次元網状構造の見掛け密度が0.01〜
    0.2g/cmであることを特徴とする組織工学用ス
    キャホールド材。
  5. 【請求項5】 請求項4において、該多孔性三次元網状
    構造の見掛け密度が0.01〜0.1g/cmである
    ことを特徴とする組織工学用スキャホールド材。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
    て、該多孔性三次元網状構造の平均孔径における孔径1
    50〜300μmの孔の寄与率が10%以上であること
    を特徴とする組織工学用スキャホールド材。
  7. 【請求項7】 請求項6において、該多孔性三次元網状
    構造の平均孔径における孔径150〜300μmの孔の
    寄与率が20%以上であることを特徴とする組織工学用
    スキャホールド材。
  8. 【請求項8】 請求項7において、該多孔性三次元網状
    構造の平均孔径における孔径150〜300μmの孔の
    寄与率が30%以上であることを特徴とする組織工学用
    スキャホールド材。
  9. 【請求項9】 請求項8において、該多孔性三次元網状
    構造の平均孔径における孔径150〜300μmの孔の
    寄与率が40%以上であることを特徴とする組織工学用
    スキャホールド材。
  10. 【請求項10】 請求項9において、該多孔性三次元網
    状構造の平均孔径における孔径150〜300μmの孔
    の寄与率が50%以上であることを特徴とする組織工学
    用スキャホールド材。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれか1項に
    おいて、該熱可塑性樹脂がポリウレタン樹脂,ポリアミ
    ド樹脂,ポリ乳酸樹脂,ポリオレフィン樹脂,ポリエス
    テル樹脂,フッ素樹脂,アクリル樹脂及びメタクリル樹
    脂並びにこれらの誘導体からなる群から選択される1種
    又は2種以上であることを特徴とする組織工学用スキャ
    ホールド材。
  12. 【請求項12】 請求項11において、該熱可塑性樹脂
    がポリウレタン樹脂であることを特徴とする組織工学用
    スキャホールド材。
  13. 【請求項13】 請求項12において、該ポリウレタン
    樹脂がセグメント化ポリウレタン樹脂であることを特徴
    とする組織工学用スキャホールド材。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれか1項に
    おいて、該多孔性三次元網状構造部に、コラーゲンタイ
    プI,コラーゲンタイプII,コラーゲンタイプIII,コ
    ラーゲンタイプIV,アテロ型コラーゲン,フィブロネク
    チン,ゼラチン,ヒアルロン酸,ヘパリン,ケラタン
    酸,コンドロイチン,コンドロイチン硫酸,コンドロイ
    チン硫酸B,ヒドロキシエチルメタクリレートとジメチ
    ルアミノエチルメタクリレートの共重合体,ヒドロキシ
    エチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体,アル
    ギン酸,ポリアクリルアミド,ポリジメチルアクリルア
    ミド及びポリビニルピロリドンからなる群から選択され
    る1種又は2種以上が保持されていることを特徴とする
    組織工学用スキャホールド材。
  15. 【請求項15】 請求項14において、該多孔性三次元
    網状構造部に、更に繊維芽細胞増殖因子,インターロイ
    キン−1,腫瘍増殖因子β,上皮増殖因子及び二倍体繊
    維芽細胞増殖因子からなる群から選択される1種又は2
    種以上が保持されていることを特徴とする組織工学用ス
    キャホールド材。
  16. 【請求項16】 請求項15において、該多孔性三次元
    網状構造部に細胞接着されていることを特徴とする組織
    工学用スキャホールド材。
  17. 【請求項17】 請求項16において、該細胞が胚性幹
    細胞,血管内皮細胞,中胚葉性細胞,平滑筋細胞,末梢
    血管細胞及び中皮細胞からなる群から選択される1種又
    は2種以上であることを特徴とする組織工学用スキャホ
    ールド材。
  18. 【請求項18】 請求項17において、該胚性幹細胞が
    分化されたものであることを特徴とする組織工学用スキ
    ャホールド材。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし18のいずれか1項に
    おいて、形状が管状構造であることを特徴とする組織工
    学用スキャホールド材。
  20. 【請求項20】 請求項19において、該管状構造体の
    内径が0.3〜15.0mmで、外径が0.4〜20.
    0mmであることを特徴とする組織工学用スキャホール
    ド材。
  21. 【請求項21】 請求項20において、該管状構造体の
    内径が0.3〜10.0mmで、外径が0.4〜15.
    0mmであることを特徴とする組織工学用スキャホール
    ド材。
  22. 【請求項22】 請求項21において、該管状構造体の
    内径が0.3〜6.0mmで、外径が0.4〜10.0
    mmであることを特徴とする組織工学用スキャホールド
    材。
  23. 【請求項23】 請求項22において、該管状構造体の
    内径が0.3〜2.5mmで、外径が0.4〜10.0
    mmであることを特徴とする組織工学用スキャホールド
    材。
  24. 【請求項24】 請求項23において、該管状構造体の
    内径が0.3〜1.5mmで、外径が0.4〜10.0
    mmであることを特徴とする組織工学用スキャホールド
    材。
  25. 【請求項25】 請求項1ないし24のいずれか1項の
    スキャホールド材からなることを特徴とする人工血管。
  26. 【請求項26】 請求項25において、該スキャホール
    ド材の外側が更に別の管状構造体で被覆されていること
    を特徴とする人工血管。
  27. 【請求項27】 請求項26において、該スキャホール
    ド材の外側を被覆する管状構造体が、キトサン、ポリ乳
    酸樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレ
    タン樹脂、フィブロネクチン、ゼラチン、ヒアルロン
    酸、ケラタン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫
    酸、コンドロイチン硫酸B、ヒドロキシエチルメタクリ
    レートとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合
    体、ヒドロキシエチルメタクレートとメタクリル酸の共
    重合体、アルギン酸、ポリアクリルアミド、ポリジメチ
    ルアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、架橋コラー
    ゲン及びフィブロインからなる群から選択される1種又
    は2種以上から形成されたチューブであることを特徴と
    する人工血管。
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