JP2012087970A - 蓄冷器式冷凍機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスプレーサの外周面の磨耗を防止できる蓄冷器式冷凍機を提供する。
【解決手段】シリンダ12と、シリンダ12内に、シリンダ12に沿って往復動可能に設けられ、シリンダ12内の一端に膨張空間22を形成するとともに、内部に、膨張空間22に冷媒ガスを供給及び排出するための冷媒ガス流路24が形成されている、回転体形状のディスプレーサ14と、冷媒ガス流路24内に収容されており、ディスプレーサ14がシリンダ12に沿って往復動する際に、膨張空間22に供給した冷媒ガスを膨張させることによって発生した冷熱を蓄冷する蓄冷材18とを有する。ディスプレーサ14は、低温端の径R22が高温端の径R21よりも小さく、冷媒ガス流路24の低温端は、ディスプレーサ14の外周面に設けられた開口46bに連通している。
【選択図】図3

Description

本発明は、ヘリウムガス等の冷媒ガスを用い、蓄冷材を収容した蓄冷器を有する蓄冷器式冷凍機に関する。
例えば4K程度の極低温を得るために、ヘリウムガス等の冷媒ガスを用い、蓄冷材を収容した蓄冷器を有する蓄冷器式冷凍機が用いられている。また、蓄冷器式冷凍機として、例えばギフォード・マクマホン(Gifford-McMahon;GM)冷凍機が用いられている。
GM冷凍機は、圧縮機からの例えばヘリウムガスよりなる冷媒ガスをシリンダ内に形成された膨張空間に供給し、供給した冷媒ガスを膨張空間で膨張させることによって、冷熱を発生する。発生した冷熱により極低温を得るために、GM冷凍機は、通常、複数段により構成される。
GM冷凍機の各段は、シリンダと、シリンダ内に設けられたディスプレーサを有する。ディスプレーサは、シリンダ内に、シリンダに沿って往復動可能に設けられており、ディスプレーサの一端とシリンダとの間に膨張空間を形成する。また、ディスプレーサの内部には、膨張空間に冷媒ガスを供給及び排出するための冷媒ガス流路が形成されている。また、ディスプレーサの内部に形成された冷媒ガス流路には、冷媒ガスと接触して冷熱を蓄冷するための蓄冷材が収容されている。
シリンダに沿って往復動することによって、膨張空間を気密に膨張させるか、又は気密に収縮させるため、ディスプレーサは、シリンダの内径よりやや小さい外径を有している。そして、ディスプレーサの外周面とシリンダの内周面との間には、ディスプレーサとシリンダとの隙間を気密に保持するための、シールが設けられている。このようなシールとしては、従来、シールリング、クリアランスシール、ラビリンスシール、らせん溝シール等が用いられてきた(例えば、特許文献1参照。)。
特許第2659684号公報
ところが、上記したGM冷凍機等の蓄冷器式冷凍機には、次のような問題がある。
例えばクリアランスシールを用いる場合、後述するハイドロリックロック現象等により、ディスプレーサが冷媒ガスの圧力の分布に起因して偏心し、シリンダの内周面に接触して固着し、ディスプレーサを往復動させることができなくなることがある。また、ディスプレーサの一部がシリンダの内周面に接触し、固着している状態で長時間GM冷凍機を運転すると、接触部分のみが摺動するため、ディスプレーサが磨耗する。ディスプレーサが磨耗すると、シリンダとディスプレーサとの隙間が大きくなり、膨張空間からの冷媒ガスのリーク量が増大し、GM冷凍機の冷凍能力が低下することがある。あるいは、ディスプレーサの磨耗が更に進行すると、GM冷凍機の寿命が短くなる等の問題がある。
特に、シリンダを水平に配置する場合を含め、シリンダを鉛直方向に対して傾けて配置する場合には、ディスプレーサの自重によりディスプレーサの外周面の一部が偏心し、シリンダ内周面に接触しやすくなるため、上記した問題が顕著になる。しかし、シリンダを鉛直に配置する場合にも、ディスプレーサの外径の寸法公差あるいはシリンダの内径の寸法公差に起因して、ディスプレーサの外周面の一部がシリンダの内周面に接触し、ディスプレーサが磨耗する場合がある。従って、上記した課題は、シリンダを鉛直方向に対して傾けて配置する場合のみならず、シリンダを鉛直に配置する場合にも共通の課題である。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ディスプレーサの外周面の磨耗を防止できる蓄冷器式冷凍機を提供する。
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる手段を講じたことを特徴とするものである。
本発明は、シリンダと、前記シリンダ内に、前記シリンダに沿って往復動可能に設けられ、前記シリンダ内の一端に膨張空間を形成するとともに、内部に、前記膨張空間に冷媒ガスを供給及び排出するための冷媒ガス流路が形成されている、回転体形状のディスプレーサと、前記冷媒ガス流路内に収容されており、前記ディスプレーサが前記シリンダに沿って往復動する際に、前記膨張空間に供給した冷媒ガスを膨張させることによって発生した冷熱を蓄冷する蓄冷材とを有し、前記ディスプレーサは、低温端の径が高温端の径よりも小さく、前記冷媒ガス流路の低温端は、前記ディスプレーサの外周面に設けられた開口に連通している、蓄冷器式冷凍機である。
また、本発明は、上述の蓄冷器式冷凍機において、前記冷媒ガス流路の低温端は、前記ディスプレーサの前記外周面に、周方向に沿って等配に設けられた、同一径を有する複数の開口に連通している。
また、本発明は、上述の蓄冷器式冷凍機において、前記ディスプレーサは、前記高温端から前記開口が設けられた位置まで径が単調減少している。
本発明によれば、蓄冷器式冷凍機において、ディスプレーサの外周面の磨耗を防止できる。
第1の実施の形態に係るGM冷凍機の構成を示す概略断面図である。 第1の実施の形態に係るGM冷凍機における第1段目ディスプレーサの構成を、第1段目シリンダとともに示す概略断面図である。 第1の実施の形態に係るGM冷凍機における第2段目ディスプレーサの構成を、第2段目シリンダとともに示す概略断面図である。 第2段目ディスプレーサの構成の別の例を、第2段目シリンダとともに示す概略断面図である。 図3のA−A線に沿う横断面図である。 第1の実施の形態に係るGM冷凍機の第2段目ディスプレーサが偏心している場合において、膨張空間に冷媒ガスを供給及び排出する様子を模式的に示す断面図である。 比較例に係るGM冷凍機の第2段目ディスプレーサが偏心している場合において、膨張空間に冷媒ガスを供給する様子を模式的に示す断面図である。 比較例に係るGM冷凍機の第2段目ディスプレーサが偏心している場合において、膨張空間から冷媒ガスを排出する様子を模式的に示す断面図である。 第1の実施の形態の変形例に係るGM冷凍機における第2段目ディスプレーサの構成を、第2段目シリンダとともに示す概略断面図である。 第2の実施の形態に係るGM冷凍機における第1段目ディスプレーサの構成を、第1段目シリンダとともに示す概略断面図である。
次に、本発明を実施するための形態について図面と共に説明する。
(第1の実施の形態)
図1を参照し、第1の実施の形態に係るGM冷凍機について説明する。このGM冷凍機は、本発明に係る蓄冷器式冷凍機をGM冷凍機に適用した例であり、数K〜20K程度の極低温を得るのに適した2段構成を有する。
図1は、本実施の形態に係るGM冷凍機の構成を示す概略断面図である。
GM冷凍機は、圧縮機10、第1段目シリンダ11、第2段目シリンダ12、第1段目ディスプレーサ13、第2段目ディスプレーサ14、クランク機構15、冷媒ガス流路16、蓄冷材17、18、ヒートステーション19、20、膨張空間21、22、中空空間(冷媒ガス流路)23、24を有する。
なお、図1に示す配置において、第1段目シリンダ11、第2段目シリンダ12、第1段目ディスプレーサ13及び第2段目ディスプレーサ14の上端は高温端であり、下端は低温端である(図2から図4においても同様)。
圧縮機10は、ヘリウムガス(冷媒ガス)を約20Kgf/cmに圧縮し、高圧ヘリウムガスを生成する。生成された高圧ヘリウムガスは、吸気弁V1、冷媒ガス流路16を介して第1段目シリンダ11内に供給される。また、第1段目シリンダ11から排出された低圧ヘリウムガスは、冷媒ガス流路16、排気弁V2を介して圧縮機10に回収される。
第1段目シリンダ11には、第2段目シリンダ12が結合されている。第1段目シリンダ11、第2段目シリンダ12内には、相互に連結された第1段目ディスプレーサ13、第2段目ディスプレーサ14がそれぞれ収容されている。
第1段目シリンダ11からは、駆動軸Shが上方に延在し、駆動用モータMに結合したクランク機構15と結合している。
第1段目ディスプレーサ13は、第1段目シリンダ11内に、第1段目シリンダ11に沿って往復動可能に設けられている。第1段目ディスプレーサ13は、第1段目シリンダ11の一端に、膨張空間21を形成する。第1段目ディスプレーサ13は、例えば、両端の直径が異なる略円柱形状などの回転体形状を有している。
また、第1段目ディスプレーサ13の内部には、膨張空間21に冷媒ガスを供給及び排出するための中空空間(冷媒ガス流路)23が形成されている。第1段目ディスプレーサ13は、第1段目シリンダ11に沿って往復動する際に、膨張空間21に供給した冷媒ガスを膨張させることによって冷熱を発生させる。
中空空間23内には、蓄冷材17が収容されている。蓄冷材17は、膨張空間21から冷媒ガスを排出する際に、排出した冷媒ガスと接触して冷熱を蓄冷する。すなわち、蓄冷材17は、第1段目ディスプレーサ13が第1段目シリンダ11に沿って往復動する際に、膨張空間21に供給した冷媒ガスを膨張させることによって発生した冷熱を蓄冷する。
第2段目ディスプレーサ14は、第2段目シリンダ12内に、第2段目シリンダ12に沿って往復動可能に設けられている。第2段目ディスプレーサ14は、第2段目シリンダ12の一端に、膨張空間22を形成する。第2段目ディスプレーサ14は、例えば、両端の直径が異なる略円柱形状などの回転体形状を有している。
また、第2段目ディスプレーサ14の内部には、膨張空間22に冷媒ガスを供給及び排出するための中空空間(冷媒ガス流路)24が形成されている。第2段目ディスプレーサ14は、第2段目シリンダ12に沿って往復動する際に、膨張空間22に供給した冷媒ガスを膨張させることによって冷熱を発生させる。
中空空間24内には、蓄冷材18が収容されている。蓄冷材18は、膨張空間22から冷媒ガスを排出する際に、排出した冷媒ガスと接触して冷熱を蓄冷する。すなわち、蓄冷材18は、第2段目ディスプレーサ14が第2段目シリンダ12に沿って往復動する際に、膨張空間22に供給した冷媒ガスを膨張させることによって発生した冷熱を蓄冷する。
第1段目シリンダ11の下端(低温端)を囲むように、第1段目のヒートステーション19が熱的に結合されており、第2段目シリンダ12の下端(低温端)を囲むように、第2段目のヒートステーション20が熱的に結合している。
第1段目シリンダ11、第2段目シリンダ12は、例えばステンレス綱(例えばSUS304)等によって形成されていることが好ましい。これにより、第1段目シリンダ11、第2段目シリンダ12に、高い強度、低い熱伝導率、及び高いヘリウムガス遮蔽能を持たせることができる。
第1段目ディスプレーサ13、第2段目ディスプレーサ14は、例えば布入りフェノール(ベークライト)等によって形成されていることが好ましい。これにより、第1段目ディスプレーサ13、第2段目ディスプレーサ14について、軽量化するとともに、耐摩耗性及び強度を向上させ、高温側から低温側への侵入熱量を低減することができる。
第1段目の蓄冷材17は、例えば金網等により構成されることが好ましく、第2段目の蓄冷材18は、例えば鉛球又は磁性蓄冷材等により構成されることが好ましい。これにより、低温領域において、十分高い熱容量を確保することができる。
このように構成されているGM冷凍機では、以下のようにして冷熱を発生する。
圧縮機10から吸気弁V1を介して供給された、冷媒ガスである高圧ヘリウムガスは、冷媒ガス流路16を介して第1段目シリンダ11内に供給される。そして、開口(冷媒ガス流路)23a、蓄冷材17が収容された中空空間(冷媒ガス流路)23、開口(冷媒ガス流路)23bを通って、第1段目の膨張空間21に供給される。
第1段目の膨張空間21に供給された高圧ヘリウムガスは、更に開口(冷媒ガス流路)24a、蓄冷材18が収容された中空空間(冷媒ガス流路)24、開口(冷媒ガス流路)24bを通って第2段目の膨張空間22に供給される。
なお、冷媒ガス流路23a、23b、24a、24bは、冷媒ガスの流れを説明するために機能的に記載したものであり、図2以降を用いて説明する実際の構造とは異なる。
吸気弁V1が閉じ、排気弁V2が開く際には、第2段目シリンダ12、第1段目シリンダ11内の高圧ヘリウムガスは、吸気の場合とは逆の経路をたどって冷媒ガス流路16、排気弁V2を介して圧縮機10に回収される。
GM冷凍機の作動時においては、クランク機構15によって駆動用モータMの回転駆動力が駆動軸Shの往復駆動力に変換される。そして、駆動軸Shによって、第1段目ディスプレーサ13、第2段目ディスプレーサ14が、図1中の矢印で示すように、上下に(それぞれ第1段目シリンダ11及び第2段目シリンダ12に沿って)往復駆動される。
駆動軸Shによって第1段目ディスプレーサ13、第2段目ディスプレーサ14が駆動軸Shと反対側(図1の下方)に駆動される際には、吸気弁V1が開き、排気弁V2が閉じる。そして、第1段目シリンダ11内の膨張空間21、及び第2段目シリンダ12内の膨張空間22に高圧ヘリウムガスが供給される(供給工程)。
また、駆動軸Shによって第1段目ディスプレーサ13、第2段目ディスプレーサ14が駆動軸Sh側(図1の上方)に駆動される際には、吸気弁V1が閉じ、排気弁V2が開く。そして、第1段目シリンダ11内の膨張空間21、及び第2段目シリンダ12内の膨張空間22が低圧になるとともに、膨張空間21及び膨張空間22からヘリウムガスは排出され、圧縮機10に回収される(排出工程)。
このとき、膨張空間21、22において、ヘリウムガスが膨張することによって、冷熱が発生する。冷熱を発生し、冷却されたヘリウムガスは、膨張空間21、22から排出される際に、蓄冷材17、18と接触し、熱交換することによって、蓄冷材17、18を冷却する。すなわち、蓄冷材17、18に、発生した冷熱が蓄冷される。
次の供給工程で供給される高圧ヘリウムガスは、蓄冷材17、18を通って供給されることにより冷却される。冷却されたヘリウムガスが膨張空間21、22で膨張することにより、さらに冷却が進む。
以上のようにして、供給工程と排出工程とを繰り返すことにより、第1段目シリンダ11内の膨張空間21が、例えば40K〜70K程度の温度に冷却され、第2段目シリンダ12内の膨張空間22が、例えば数K〜20K程度の温度に冷却される。
次に、図2を参照し、第1段目ディスプレーサ13の詳細な構成について説明する。図2は、本実施の形態に係るGM冷凍機における第1段目ディスプレーサ13の構成を、第1段目シリンダ11とともに示す概略断面図である。なお、図2では、ヒートステーション19の図示を省略している。
第1段目ディスプレーサ13は、回転体形状部材30を有する。
回転体形状部材30は、上蓋を有するとともに回転体形状を有し、その下端は開放されている。回転体形状部材30の上蓋上面には、回転体形状部材30の外径と略等しい径を有するフランジ31が取り付けられている。フランジ31と回転体形状部材30の上蓋には、開口32(図1に示す23a)が設けられている。開口32には、中空空間(冷媒ガス流路)23の高温端が連通している。フランジ31の上面には、回転体形状部材30を図2中矢印の方向に上下駆動するための駆動軸Shが取り付けられている。
回転体形状部材30内には、上面に密着するように図示しない金網が配置されている。金網の下には、銅金網等の蓄冷材17が充填されている。蓄冷材17の下には図示しない他の金網が配置されている。
さらに、回転体形状部材30の下側開放端には、蓋部材33が挿入され、回転体形状部材30と接着されている。蓋部材33は盲蓋であり、回転体形状部材30の下端の開口を気密に閉じる。また、蓋部材33の下面には、第2段目ディスプレーサ14と連結するための、連結機構50が取り付けられている。
回転体形状部材30の外周面には、蓄冷材17の下側の金網が配置されている高さに、開口34(図1に示す23b)が設けられている。開口34には、中空空間(冷媒ガス流路)23の低温端が連通している。
回転体形状部材30及び蓋部材33は、例えば布入りフェノールで形成されることが好ましい。これにより、回転体形状部材30及び蓋部材33について、軽量化するとともに、耐摩耗性及び強度を向上させ、高温側から低温側への侵入熱量を低減することができる。
回転体形状部材30の外周面と第1段目シリンダ11の内周面との間には、隙間D11が形成される。第1段目ディスプレーサ13を安定に往復駆動するために、隙間D11は0.01mm以上であることが好ましい。かつ、隙間D11を通って冷媒ガスが流れることを防止するために、隙間D11は0.03mm以下であることが好ましい。
回転体形状部材30の外周面には、上端(高温端)から開口34が形成されている高さまで、1本のらせん溝35が形成されていてもよい。らせん溝35の形状として、例えば幅約2mm、深さ約0.6mm、ピッチ約4mmとすることができる。
回転体形状部材30の開口34よりも下の部分の外径は、開口34よりも上の部分の外径よりもわずかに小さくしてもよい。このとき、開口34よりも下の部分では、第1段目シリンダ11の内周面と回転体形状部材30の外周面との間に隙間D12が形成される。隙間D12は、回転体形状部材30の内部と膨張空間21との間を結ぶ冷媒ガス流路を形成する。
第1段目シリンダ11の内径を例えば82mmとした場合、回転体形状部材30の外径を例えば(82−2×D11)mm、内径を例えば72mmとすることができる。また、回転体形状部材30の開口34よりも下部分の外径及びフランジ31の外径を例えば81.5mmとすることができる(このとき、D12=0.25mmである)。また、回転体形状部材30の軸方向の長さを例えば150mm、フランジ31の厚さを例えば10mmとすることができる。
次に、図3を参照し、第2段目ディスプレーサ14の詳細な構成について説明する。
本実施の形態では、第2段目ディスプレーサ14は、低温端の径が高温端の径よりも小さい。また、第2段目ディスプレーサ14は、中空空間(冷媒ガス流路)24の低温端が、第2段目ディスプレーサ14の外周面に設けられた開口46b(図1に示す24b)に連通している。
図3は、本実施の形態に係るGM冷凍機における第2段目ディスプレーサ14の構成を、第2段目シリンダ12とともに示す概略断面図である。なお、図3では、ヒートステーション20の図示を省略している。
第2段目ディスプレーサ14は、回転体形状部材40を有する。
回転体形状部材40は、上下端が開放された回転体形状を有する。回転体形状部材40の上端は、第1段目ディスプレーサ13に、連結機構50を介して連結されている。回転体形状部材40の下端には、蓋部材41が挿入接着されている。蓋部材41の上には、金網42が配置され、その上にフェルト栓43が配置されている。
回転体形状部材40の上端(第2段目ディスプレーサ14の高温端)における外径(以下、「径」ともいう。)をR21とする。また、蓋部材41の下端(第2段目ディスプレーサ14の低温端)における外径(以下、「径」ともいう。)をR22とする。
回転体形状部材40及び蓋部材41は、例えば布入りフェノールで形成されることが好ましい。これにより、回転体形状部材40及び蓋部材41について、軽量化するとともに、耐摩耗性及び強度を向上させ、高温側から低温側への侵入熱量を低減することができる。
フェルト栓43の上には、前述したように、例えば鉛球で形成された蓄冷材18が充填される。蓄冷材18の上にはフェルト栓44が配置され、フェルト栓44の上にはパンチングメタル45が配置される。
回転体形状部材40の上端(高温端)には、第1段目ディスプレーサ13と連結するための連結機構50が取り付けられている。また、回転体形状部材40の上端(高温端)には、連結機構50の周囲に開口46a(図1に示す24a)が設けられている。そして、開口46aには、中空空間(冷媒ガス流路)24の高温端が連通している。
回転体形状部材40の外周面には、金網42の高さの位置に冷媒ガス流路を形成する開口46bが設けられている。開口46bには、中空空間(冷媒ガス流路)24の低温端が連通している。
第2段目ディスプレーサ14は、低温端の径R22が高温端の径R21よりも小さい。すなわち、蓋部材41の下端(第2段目ディスプレーサ14の低温端)における径R22が、回転体形状部材40の高温端の径R21よりも小さい。これにより、膨張空間22に冷媒ガスを供給及び排出する際に、第2段目ディスプレーサ14が第2段目シリンダ12の内周面に接触することを防止でき、第2段目ディスプレーサ14の磨耗を防止できる。
なお、蓋部材41が、上端(高温端)の径が下端(低温端)の径R22と等しく、円筒形状を有していてもよく、更に、回転体形状部材40の下端(低温端)の径が、蓋部材41の下端(低温端)の径R22と等しくてもよい。この場合、回転体形状部材40の下端(低温端)の径R22は、回転体形状部材40の上端(高温端)の径R21よりも小さい。
更に、第2段目ディスプレーサ14は、回転体形状部材40の上端(高温端)から回転体形状部材40の下端(低温端)まで、径が単調減少してもよい。すなわち、第2段目ディスプレーサ14は、回転体形状部材40の上端(高温端)から開口46bが設けられた位置まで径が単調減少していてもよい。これにより、第2段目ディスプレーサ14が往復動する際の冷媒ガスの流れがより滑らかになり、後述する第2段目ディスプレーサ14の磨耗を防止する効果を向上させることができる。
また、第2段目ディスプレーサ14の上端(高温端)の外周面と第2段目シリンダ12の内周面との隙間をD21とし、第2段目ディスプレーサ14の下端(低温端)の外周面と第2段目シリンダ12の内周面との隙間をD22とする。このとき、第2段目ディスプレーサ14の低温端の径R22を、第2段目ディスプレーサ14の高温端の径R21よりも小さくすることにより、隙間D22を隙間D21よりも大きくすることができる。
第2段目シリンダ12の内径を例えば35mmとした場合、回転体形状部材40の上端(高温端)における、外径を例えば(35−2×D21)mm、内径を例えば30mmとすることができる。また、回転体形状部材40の軸方向の長さを、例えば200mmとすることができる。
第2段目ディスプレーサ14を安定に往復駆動するために、隙間D21は0.01mm以上であることが好ましい。かつ、隙間D21を通って冷媒ガスが流れることを防止するために、隙間D21は0.03mm以下であることが好ましい。
また、冷媒ガスが隙間D22を通って十分流れるために、隙間D22は0.4mm以上であることが好ましい。かつ、冷媒ガスが隙間D22を通る際に第2段目シリンダ12を効率よく冷却するために、隙間D22は1.0mm以下であることが好ましい。
従って、第2段目ディスプレーサ14における高温端の径R21と低温端の径R22との差は、0.74mm以上1.98mm以下であることが好ましい。
また、回転体形状部材40の外周面にらせん溝が形成されていてもよい。回転体形状部材40の外周面にらせん溝47が形成されている場合の、第2段目ディスプレーサ14の構成の別の例を、第2段目シリンダ12とともに、図4の概略断面図に示す。
らせん溝47を形成することによって、第2段目ディスプレーサ14と第2段目シリンダ12との隙間D21を通って冷媒ガスが漏れることを防止することができ、GM冷凍機の冷凍能力を増大させることができる。
なお、回転体形状部材40は、円筒状のステンレス管の表面に、例えば布入りフェノールよりなる耐磨耗性樹脂がコーティングされたものであってもよい。これにより、後述するように、第2段目シリンダ12を水平に配置し、第2段目ディスプレーサ14の自重により第2段目ディスプレーサ14の外周面が第2段目シリンダ12の内周面に接触する場合でも、第2段目ディスプレーサ14の磨耗を防止することができる。
図5は、図3のA−A線に沿う横断面図である。ただし、図5では、図示を容易にするため、金網42の図示を省略している。
図3及び図5に示すように、回転体形状部材40の外周面における金網42の高さの位置に、同一径を有する複数の開口46bが、周方向に沿って等配に設けられていることが好ましい。そして、中空空間(冷媒ガス流路)24の低温端は、複数の開口46bに連通していることが好ましい。図5に示すように、例えば8個の開口46bを、周方向に沿って等配に設けることができる。
なお、複数の開口46bは、周方向に沿って等配に設けられていなくてもよい。例えば複数の開口46bが同一径を有していないときは、隙間D22を流れる冷媒ガスの量が周方向に沿って略均一になるように、周方向に沿って開口46bが設けられる位置を調整することができる。
ここで、図6から図8を参照し、本実施の形態に係るGM冷凍機が、第2段目ディスプレーサ14の外周面の磨耗を防止できる作用効果について、比較例と対比しながら説明する。
図6は、本実施の形態に係るGM冷凍機の第2段目ディスプレーサ14が偏心している場合において、膨張空間22に冷媒ガスを供給及び排出する様子を模式的に示す断面図である。図6(a)は膨張空間22へ冷媒ガスを供給するときの様子を示し、図6(b)は膨張空間22から冷媒ガスを排出するときの様子を示す。図7及び図8は、比較例に係るGM冷凍機の第2段目ディスプレーサ14が偏心している場合において、膨張空間22に冷媒ガスを供給又は排出する様子を模式的に示す断面図である。図7は膨張空間22へ冷媒ガスを供給するときの様子を示し、図8は膨張空間22から冷媒ガスを排出するときの様子を示す。なお、図6から図8では、冷媒ガスの流れを矢印で示す。
以下の説明では、第2段目ディスプレーサ14が偏心したときの狭い方の隙間をDn、広い方の隙間をDwとする。また、第2段目ディスプレーサ14の高温端及び低温端の位置を、それぞれX1及びX2とする。また、第2段目ディスプレーサ14の高温端における圧力をP1とし、第2段目ディスプレーサ14の低温端(膨張空間22)における圧力をP2とする。
図7及び図8では、中央に断面図を示し、中央に図示される断面図よりも上方に隙間Dnにおける圧力分布グラフを示し、中央に図示される断面図よりも下方に隙間Dwにおける圧力分布グラフを示す。
また、図6から図8に示す配置において、第2段目シリンダ12及び第2段目ディスプレーサ14の左端は高温端であり、右端は低温端である。
また、図6(図7及び図8も同様)では、図示を単純化するために、蓋部材41の図示を省略するとともに、第2段目ディスプレーサ14の高温端から第2段目ディスプレーサ14の低温端まで径が単調減少しているように図示している。しかし、回転体形状部材40の高温端から回転体形状部材40の低温端まで径が単調減少し、蓋部材41の高温端から蓋部材41の低温端まで外径が変化しないように構成した場合も、蓋部材41を省略して構成した場合も、第2段目ディスプレーサ14の磨耗を防止する点において同様の効果を奏する。
比較例に係るGM冷凍機では、中空空間(冷媒ガス流路)24の高温端は、第2段目ディスプレーサ14の高温端の端面に形成された開口46cに連通している。しかし、中空空間(冷媒ガス流路)24の低温端は、第2段目ディスプレーサ14の外周面に設けられた開口に連通していない。図7及び図8に示すように、中空空間(冷媒ガス流路)24の低温端は、第2段目ディスプレーサ14の低温端の端面に設けられた開口46dに連通している。
比較例において、膨張空間22に冷媒ガスを供給する際には、冷媒ガスの大部分は、中空空間(冷媒ガス流路)24を通して供給され、一部分が第2段目ディスプレーサ14と第2段目シリンダ12との隙間Dn、Dwを通して供給される。
大部分の冷媒ガスは、高温側から第2段目ディスプレーサ14の高温端の端面に形成された開口46cを通って中空空間(冷媒ガス流路)24に供給される。中空空間(冷媒ガス流路)24に供給された冷媒ガスは、第2段目ディスプレーサ14の低温端の端面に形成された開口46dを通って膨張空間22に供給される。
一方、一部分の冷媒ガスは、高温側から第2段目ディスプレーサ14の高温端と第2段目シリンダ12との間を通って隙間Dn、Dwに供給される。隙間Dn、Dwに供給された冷媒ガスは、第2段目ディスプレーサ14の低温端と第2段目シリンダ12との間を通って膨張空間22に供給される。
このとき、高温端の圧力P1は、低温端の圧力P2よりも高圧である。また、隙間Dn、Dwともに、冷媒ガスが流れる方向に沿って流路の断面積が増大する。従って、隙間Dn及び隙間Dwのいずれにおいても、圧力は、高温端における圧力P1から低温端における圧力P2まで単調に減少(降下)する。
また、前述したように、隙間Dnは隙間Dwよりも狭い。従って、狭い方の隙間Dnにおける圧力降下は、広い方の隙間Dwにおける圧力降下よりも大きいため、隙間Dnと隙間Dwでは圧力分布が異なる。
隙間Dn及び隙間Dwのいずれにおいても、高温端X1では圧力がP1であり、低温端X2では圧力がP2である。しかし、図7中央の断面図よりも上方の隙間Dnにおける圧力分布グラフ、及び、図7中央の断面図よりも下方の隙間Dwにおける圧力分布グラフに示されるように、高温端X1と低温端X2との間の位置Xでは、隙間Dwにおける圧力Pwが隙間Dnにおける圧力Pnよりも大きい。その結果、第2段目ディスプレーサ14には、図7中央の断面図に示すように、隙間Dwから隙間Dnに向かう力が作用する。そして、第2段目シリンダ12に対し偏心した第2段目ディスプレーサ14には、その偏心を増長する方向に偏心力が作用する。このような現象を、ハイドロリックロック現象という。
このハイドロリックロック現象は、第2段目ディスプレーサ14が高温端から低温端まで同一の径を有する場合にも、発生するおそれがある。第2段目シリンダ12の内径の寸法公差、第2段目ディスプレーサ14の外径の寸法公差等により、例えば第2段目ディスプレーサ14が第2段目シリンダ12に対しわずかに傾くことがあり、偏心力が発生することがあるからである。
比較例において、膨張空間22から冷媒ガスを排出する際にも、冷媒ガスの大部分は、第2段目ディスプレーサ14の内部に形成された中空空間(冷媒ガス流路)24を通して排出され、一部分が第2段目ディスプレーサ14と第2段目シリンダ12との隙間Dn、Dwを通して排出される。
大部分の冷媒ガスは、膨張空間22から第2段目ディスプレーサ14の低温端の端面に形成された開口46dを通って中空空間(冷媒ガス流路)24に排出される。中空空間(冷媒ガス流路)24に排出された冷媒ガスは、第2段目ディスプレーサ14の高温端の端面に形成された開口46cを通って高温側へ排出される。
一方、一部分の冷媒ガスは、膨張空間22から第2段目ディスプレーサ14の低温端と第2段目シリンダ12との間を通って隙間Dn、Dwに排出される。隙間Dn、Dwに排出された冷媒ガスは、第2段目ディスプレーサ14の高温端と第2段目シリンダ12との間を通って高温側に排出される。
このとき、低温側の圧力P2は、高温側の圧力P1よりも高圧である。また、隙間Dn、Dwともに、冷媒ガスが流れる方向に沿って流路の断面積が減少する。従って、隙間Dn及び隙間Dwのいずれにおいても、圧力は、低温端における圧力P2から高温端における圧力P1まで単調に減少(降下)する。
また、前述したように、隙間Dnは隙間Dwよりも狭い。従って、狭い方の隙間Dnにおける圧力降下は、広い方の隙間Dwにおける圧力降下と異なるため、隙間Dnと隙間Dwでは圧力分布が異なる。
隙間Dn及び隙間Dwのいずれにおいても、低温端X2では圧力がP2であり、高温端X1では圧力がP1である。しかし、図8中央の断面図よりも上方の隙間Dnにおける圧力分布グラフ、及び、図8中央の断面図よりも下方の隙間Dwにおける圧力分布グラフに示されるように、低温端X2と高温端X1との間の位置Xでは、隙間Dnにおける圧力Pnが隙間Dwにおける圧力Pwよりも大きい。その結果、第2段目ディスプレーサ14には、図8中央の断面図に示すように、隙間Dnから隙間Dwに向かう力が作用する。そして、第2段目シリンダ12に対し偏心した第2段目ディスプレーサ14には、その偏心を防止する方向に復元力が作用する。
このように、比較例では、膨張空間22から冷媒ガスを排出する際は、第2段目ディスプレーサ14の偏心を防止する方向に復元力が作用するものの、膨張空間22に冷媒ガスを供給する際は、第2段目ディスプレーサ14の偏心を増長する方向に偏心力が作用する。GM冷凍機では、膨張空間22に冷媒ガスを供給する工程と膨張空間22から冷媒ガスを排出する工程とを交互に繰り返すため、常に復元力を作用させることができず、第2段目ディスプレーサ14は徐々に偏心することになる。
そして、偏心力により第2段目ディスプレーサ14が第2段目シリンダ12の一方の内周面に接触すると、その後、偏心を解消させることはできない。そのため、第2段目ディスプレーサ14の同一の部分が第2段目シリンダ12の内周面と接触し、第2段目ディスプレーサ14が磨耗する。
一方、本実施の形態に係るGM冷凍機では、図6に示すように、中空空間(冷媒ガス流路)24の高温端は、第2段目ディスプレーサ14の高温端の端面に形成された開口46aに連通している。そして、中空空間(冷媒ガス流路)24の低温端は、第2段目ディスプレーサ14の外周面に設けられた開口46bに連通している。
本実施の形態においても、膨張空間22に冷媒ガスを供給する際には、冷媒ガスの大部分は、中空空間(冷媒ガス流路)24を通して供給され、一部分が第2段目ディスプレーサ14と第2段目シリンダ12との隙間Dn、Dwを通して供給される。
大部分の冷媒ガスは、高温側から第2段目ディスプレーサ14の高温端の端面に形成された開口46aを通って中空空間(冷媒ガス流路)24に供給される。中空空間(冷媒ガス流路)24に供給された冷媒ガスは、第2段目ディスプレーサ14の外周面に形成された開口46bを通って隙間Dn、Dwに噴出する。隙間Dn、Dwに噴出した冷媒ガスは、第2段目ディスプレーサ14の低温端と第2段目シリンダ12との間を通って膨張空間22に供給される。
隙間Dn、Dwに噴出した冷媒ガスは、例えば静圧軸受けと同様の効果を奏する。
一方、一部分の冷媒ガスは、高温側から第2段目ディスプレーサ14の高温端と第2段目シリンダ12との間を通って隙間Dn、Dwに供給される。隙間Dn、Dwに供給された冷媒ガスは、第2段目ディスプレーサ14の低温端と第2段目シリンダ12との間を通って膨張空間22に供給される。
本実施の形態でも、第2段目ディスプレーサ14の高温端と第2段目シリンダ12との間を通って隙間Dn、Dwに供給される冷媒ガスにより、第2段目ディスプレーサ14の偏心を増長する方向に作用する偏心力は存在する。しかし、本実施の形態では、第2段目ディスプレーサ14の外周面に形成された開口46bから隙間Dn、Dwに噴出した冷媒ガスによる静圧軸受けの効果の方が大きい。そのため、本実施の形態では、第2段目ディスプレーサ14の偏心を防止し、第2段目ディスプレーサ14の第2段目シリンダ12への接触を防止することができる。
一方、本実施の形態においても、膨張空間22から冷媒ガスを排出する際には、冷媒ガスの大部分は、中空空間(冷媒ガス流路)24を通して排出され、一部分が第2段目ディスプレーサ14と第2段目シリンダ12との隙間Dn、Dwを通して排出される。
大部分の冷媒ガスは、膨張空間22から第2段目ディスプレーサ14の低温端と第2段目シリンダ12との間を通って隙間Dn、Dwに排出される。隙間Dn、Dwに排出された冷媒ガスは、第2段目ディスプレーサ14の外周面に形成された開口46bを通って中空空間(冷媒ガス流路)24に排出される。中空空間(冷媒ガス流路)24に排出された冷媒ガスは、第2段目ディスプレーサ14の高温端の端面に形成された開口46aを通って高温側へ排出される。
一方、一部分の冷媒ガスは、膨張空間22から第2段目ディスプレーサ14の低温端と第2段目シリンダ12との間を通って隙間Dn、Dwに排出される。隙間Dn、Dwに排出された冷媒ガスは、第2段目ディスプレーサ14の高温端と第2段目シリンダ12との間を通って高温側に排出される。
このとき、低温側の圧力P2は、高温側の圧力P1よりも高圧である。また、隙間Dn、Dwともに、冷媒ガスが流れる方向に沿って流路の断面積が減少する。従って、隙間Dn及び隙間Dwのいずれにおいても、圧力は、低温端における圧力P2から高温端における圧力P1まで単調に降下する。また、前述したように、隙間Dnは隙間Dwよりも狭い。従って、比較例と同様に、第2段目ディスプレーサ14には、隙間Dnから隙間Dwに向かう力が作用する。すなわち、第2段目ディスプレーサ14には、その偏心を防止する方向に復元力が作用する。
このように、本実施の形態では、膨張空間22に冷媒ガスを供給する際にも、膨張空間22から冷媒ガスを排出する際にも、第2段目ディスプレーサ14の偏心を防止する方向に力が作用する。GM冷凍機では、膨張空間22に冷媒ガスを供給する工程と膨張空間22から冷媒ガスを排出する工程とを交互に繰り返すため、常に第2段目ディスプレーサ14の偏心を防止する方向に力を作用させることができる。
その結果、第2段目ディスプレーサ14が一方の内周面に接触したとしても、その後偏心を解消させることができる。そのため、第2段目ディスプレーサ14の同一の部分が第2段目シリンダ12の内周面と接触し、第2段目ディスプレーサ14が磨耗することを防止できる。
更に、第2段目ディスプレーサ14の低温端の端面に開口が形成されておらず、中空空間(冷媒ガス流路)24の低温端が、第2段目ディスプレーサ14の外周面に形成された開口46bに連通していることにより、膨張空間22から中空空間(冷媒ガス流路)24を通って冷媒ガスを排出する際に、冷却された冷媒ガスが第2段目シリンダ12の内周面に沿って流れるため、第2段目シリンダ12を効率よく冷却することができ、GM冷凍機の冷却能力を向上させることができる。
(第1の実施の形態の変形例)
次に、図9を参照し、第1の実施の形態の変形例に係るGM冷凍機について説明する。本変形例に係るGM冷凍機では、第2段目ディスプレーサ14aの回転体形状部材40aが、高温端から開口46bが設けられた位置まで径が階段状に減少する。
本変形例に係るGM冷凍機も、回転体形状部材40a以外の部分は、第1の実施の形態に係るGM冷凍機と同様である。従って、本変形例では、回転体形状部材40a以外の部分についての説明を省略する。
図9は、本変形例に係るGM冷凍機における第2段目ディスプレーサ14aの構成を、第2段目シリンダ12とともに示す概略断面図である。
なお、図9に示す配置において、第2段目シリンダ12及び第2段目ディスプレーサ14aの上端は高温端であり、下端は低温端である。
回転体形状部材40aは、上下端が開放された回転体形状を有することは、第1の実施の形態と同様である。また、蓋部材41、金網42、フェルト栓43、蓄冷材18、フェルト栓44、パンチングメタル45の構成については、第1の実施の形態と同様である。
また、回転体形状部材40aの外周面には、金網42の高さの位置に冷媒ガス流路を形成する開口46bが設けられている。開口46bには、中空空間(冷媒ガス流路)24の低温端が連通している。
本変形例では、回転体形状部材40aが、高温端から開口46bが設けられた位置まで径が階段状に減少する。図9に示すように、例えば3段で径が減少するように構成することができる。
本変形例でも、第2段目ディスプレーサ14aは、低温端の径R22が高温端の径R21よりも小さい。これにより、膨張空間22に冷媒ガスを供給及び排出する際に、第2段目ディスプレーサ14aが第2段目シリンダ12の内周面に接触することを防止でき、第2段目ディスプレーサ14aの磨耗を防止できる。
なお、回転体形状部材40aの外周面にらせん溝が形成されていてもよい。らせん溝を形成することによって、第2段目ディスプレーサ14aと第2段目シリンダ12との隙間D21を通って冷媒ガスが漏れることを防止することができ、冷凍能力を増大させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図10を参照し、第2の実施の形態に係るGM冷凍機について説明する。本実施の形態に係るGM冷凍機では、第1段目ディスプレーサ13aにおいて、低温端の径が高温端の径よりも小さく、冷媒ガス流路の低温端が、第1段目ディスプレーサ13aの外周面に設けられた開口34に連通している。
本実施の形態に係るGM冷凍機は、第1段目ディスプレーサ13aの回転体形状部材30a以外の部分は、第1の実施の形態に係るGM冷凍機と同様に構成することができる。従って、本実施の形態では、回転体形状部材30a以外の部分についての説明を省略する。
図10は、本実施の形態に係るGM冷凍機における第1段目ディスプレーサ13aの構成を、第1段目シリンダ11とともに示す概略断面図である。
なお、図10に示す配置において、第1段目シリンダ11及び第1段目ディスプレーサ13aの上端は高温端であり、下端は低温端である。
回転体形状部材30aは、上下端が開放された回転体形状を有することは、第1の実施の形態と同様である。また、フランジ31、開口32、蓄冷材17、蓋部材33の構成については、第1の実施の形態と同様である。
また、回転体形状部材30aの外周面には、蓄冷材17の下側の金網が配置されている高さに、冷媒ガス流路を形成するための開口34が形成されている。開口34には、中空空間(冷媒ガス流路)23の低温端が連通している。
第1段目ディスプレーサ13aは、低温端の径R12が高温端の径R11よりも小さい。すなわち、蓋部材33の下端(第1段目ディスプレーサ13aの低温端)における径R12が、回転体形状部材30aの高温端の径R11よりも小さい。その結果、第1の実施の形態における作用効果と同様の作用効果により、膨張空間21に冷媒ガスを供給及び排出する際に、第1段目ディスプレーサ13aが第1段目シリンダ11の内周面に接触することを防止でき、第1段目ディスプレーサ13aの磨耗を防止できる。
なお、蓋部材33が、上端(高温端)の径が下端(低温端)の径R12と等しく、円筒形状を有していてもよく、更に、回転体形状部材30aの下端(低温端)の径が、蓋部材33の下端(低温端)の径R12と等しくてもよい。この場合、回転体形状部材30aの下端(低温端)の径R12は、回転体形状部材30aの上端(高温端)の径R11よりも小さい。
更に、第1段目ディスプレーサ13aは、回転体形状部材30aの上端(高温端)から回転体形状部材30aの下端(低温端)まで、径が単調減少してもよい。すなわち、第1段目ディスプレーサ13aは、回転体形状部材30aの上端(高温端)から開口34が設けられた位置まで径が単調減少していてもよい。これにより、第1段目ディスプレーサ13aが往復動する際の冷媒ガスの流れがより滑らかになり、第1段目ディスプレーサ13aの磨耗を防止する効果を向上させることができる。
また、第1段目ディスプレーサ13aの上端(高温端)の外周面と第1段目シリンダ11の内周面との隙間をD11とし、第1段目ディスプレーサ13aの下端(低温端)の外周面と第1段目シリンダ11の内周面との隙間をD12とする。このとき、第1段目ディスプレーサ13aの低温端の径R12を、第1段目ディスプレーサ13aの高温端の径R11よりも小さくすることにより、隙間D12を隙間D11よりも大きくすることができる。
また、図10に示すように、回転体形状部材30aの外周面にらせん溝が形成されていてもよい。らせん溝を形成することによって、第1段目ディスプレーサ13aと第1段目シリンダ11との隙間D11を通って冷媒ガスが漏れることを防止することができ、GM冷凍機の冷凍能力を増大させることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 圧縮機
11 第1段目シリンダ
12 第2段目シリンダ
13、13a 第1段目ディスプレーサ
14、14a 第2段目ディスプレーサ
15 クランク機構
16 冷媒ガス流路
17、18 蓄冷材
19、20 ヒートステーション
21、22 膨張空間
23、24 中空空間(冷媒ガス流路)
30、40 回転体形状部材
31 フランジ
32、34、46a、46b、48 開口
33、41 蓋部材
35、47 らせん溝
42 金網

Claims (3)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に、前記シリンダに沿って往復動可能に設けられ、前記シリンダ内の一端に膨張空間を形成するとともに、内部に、前記膨張空間に冷媒ガスを供給及び排出するための冷媒ガス流路が形成されている、回転体形状のディスプレーサと、
    前記冷媒ガス流路内に収容されており、前記ディスプレーサが前記シリンダに沿って往復動する際に、前記膨張空間に供給した冷媒ガスを膨張させることによって発生した冷熱を蓄冷する蓄冷材と
    を有し、
    前記ディスプレーサは、低温端の径が高温端の径よりも小さく、
    前記冷媒ガス流路の低温端は、前記ディスプレーサの外周面に設けられた開口に連通している、蓄冷器式冷凍機。
  2. 前記冷媒ガス流路の低温端は、前記ディスプレーサの前記外周面に、周方向に沿って等配に設けられた、同一径を有する複数の開口に連通している、請求項1に記載の蓄冷器式冷凍機。
  3. 前記ディスプレーサは、前記高温端から前記開口が設けられた位置まで径が単調減少している、請求項1又は請求項2に記載の蓄冷器式冷凍機。
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