JP2012086599A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Shingo Takahashi
伸吾 高橋
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Abstract

【課題】ドライ路面での操縦安定性能を維持しつつ、雪上性能を向上しうる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部2に、タイヤ周方向にのびる少なくとも1本の周方向溝3を具えた空気入りタイヤ1である。周方向溝3は、その長手方向と直角な溝断面において、溝底面3bと、該溝底面3bからトレッド部2の踏面2tにのびる一対の壁面3wとを含む。少なくとも一方の壁面3wは、踏面2tと該壁面3wとの交点14、及び溝底面3bと該壁面3wとの交点15を結ぶ仮想直線VL3よりも、溝中心WL1側に向かって凸の円弧状に膨らむ主面11、及び主面11にタイヤ周方向へ隔設されかつ主面11から溝中心WL1側に向かって突出する凸部12及び/又は主面11から陥没する凹部が設けられる。
【選択図】図4

Description

本発明は、ドライ路面での操縦安定性を維持しつつ、雪上性能を向上しうる空気入りタイヤに関する。
従来、トレッド部をタイヤ周方向にのびる周方向溝の溝容積を大きくして、雪上性能や排水性能を高めるとともに、該トレッド部のゴム硬度を小さくして氷上性能を高めた空気入りタイヤが知られている。しかしながら、このような空気入りタイヤは、トレッド部の剛性が小さくなり、ドライ路面での操縦安定性を低下させやすいという問題があった。
そこで、図12に示されるように、周方向溝bの壁面cに凸の円弧状に膨らむ膨出面aを具えた空気入りタイヤが提案されている。このような膨出面aは、ゴムボリュームを増大させてトレッド部の剛性を高めることができ、ドライ路面での操縦安定性を向上させることができる。なお、関連する文献としては次のものがある(下記特許文献1参照)。
特開2004−17851号公報
しかしながら、上記空気入りタイヤでは、膨出面aによって周方向溝bの溝容積が小さくなり、雪柱せん断力を十分に得ることができず、雪上性能が低下しやすいという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、少なくとも一方の壁面に溝中心側に向かって凸の円弧状に膨らむ主面を設けるとともに、主面から溝中心側に向かって突出する凸部及び/又は主面から陥没する凹部をタイヤ周方向に隔設することを基本として、ドライ路面での操縦安定性を維持しつつ、雪上性能を向上しうる空気入りタイヤを提供することを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部に、タイヤ周方向にのびる少なくとも1本の周方向溝を具えた空気入りタイヤであって、前記周方向溝は、その長手方向と直角な溝断面において、溝底面と、該溝底面から前記トレッド部の踏面にのびる一対の壁面とを含み、少なくとも一方の前記壁面は、前記踏面と該壁面との交点、及び前記溝底面と該壁面との交点を結ぶ仮想直線よりも、溝中心側に向かって凸の円弧状に膨らむ主面を具えるとともに、前記主面に、該主面から前記溝中心側に向かって突出する凸部及び/又は前記主面から陥没する凹部がタイヤ周方向に隔設されたことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、前記凸部及び/又は前記凹部は、前記溝底面の最深点から前記周方向溝の溝深さの10%以上かつ40%以下の領域に形成される請求項1に記載の空気入りタイヤである。
また、請求項3記載の発明は、前記凸部及び/又は前記凹部は、タイヤ半径方向の長さが、タイヤ周方向の長さよりも大きい請求項1又は2に記載の空気入りタイヤである。
また、請求項4記載の発明は、前記凸部及び前記凹部がタイヤ周方向に交互に形成される請求項1乃至3の何れかに記載の空気入りタイヤである。
また、請求項5記載の発明は、前記周方向溝は、前記溝底面の最深点から前記周方向溝の溝深さの50%の位置における前記凸部及び前記凹部を除いた溝幅は、前記踏面での溝幅の20〜90%である請求項1乃至4の何れかに記載の空気入りタイヤである。
また、請求項6記載の発明は、前記主面の曲率半径は、前記周方向溝の溝深さの1.0〜3.0倍である請求項1乃至5の何れかに記載の空気入りタイヤである。
また、請求項7記載の発明は、前記溝底面には、小高さで***する突起体がタイヤ周方向に隔設される請求項1乃至6の何れかに記載の空気入りタイヤである。
また、請求項8記載の発明は、前記トレッド部には、前記周方向溝に交わる向きにのびる横溝が隔設され、前記突起体の少なくとも一つは、前記周方向溝と前記横溝との交差部に設けられる請求項7に記載の空気入りタイヤである。
なお、本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法は、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の正規状態において特定される値とする。
前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"とするが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部に設けられた周方向溝が、その長手方向と直角な溝断面において、溝底面と、該溝底面からトレッド部の踏面にのびる一対の壁面とを含む。少なくとも一方の壁面には、踏面と該壁面との交点、及び溝底面と該壁面との交点を結ぶ仮想直線よりも、溝中心側に向かって凸の円弧状に膨らむ主面が設けられる。このような主面は、ゴムボリュームを増大させてトレッド部の剛性を高めることができ、ドライ路面での操縦安定性を向上させることができる。
また、周方向溝には、主面から中心側に向かって突出する凸部及び/又は主面から陥没する凹部がタイヤ周方向に隔設される。このような凸部及び/又は凹部は、周方向溝の内部で押し固められた雪柱に対して大きなせん断抵抗を生じさせる。従って、空気入りタイヤは、主面により溝容積が小さくなる周方向溝においても、雪柱せん断力を十分に得ることができ、雪上性能を向上しうる。
本実施形態のトレッド部の展開図である。 図1のA−A断面図である。 図1の部分拡大図である。 図3のB−B断面図である。 図4のC−C矢視図である。 (a)は雪上走行時の周方向溝を示す断面図、(b)はドライ路面走行時の周方向溝を示す断面図である。 本発明の他の実施形態のトレッド部の展開図である。 (a)は図7の周方向溝の長手方向と直角な溝断面図、(b)は雪上走行時の周方向溝を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態のトレッド部の展開図である。 図9に突起体が設けられたトレッド展開図である。 (a)は図10の周方向溝の溝幅中心線と直角な溝断面図、(b)は雪上走行時の周方向溝を示す断面図である。 従来の周方向溝を示す溝断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1として、乗用車用のスタッドレスタイヤが示される。このタイヤ1のトレッド部2には、タイヤ周方向にのびる少なくとも1本、本実施形態では5本の周方向溝3と、前記周方向溝3に交わる向きにのびる横溝4とが隔設される。これにより、トレッド部2には、周方向溝3と横溝4とによって区分された複数個のブロック5がタイヤ周方向に隔設され、本実施形態では、回転方向が特定されない非方向性パターンが例示される。
前記トレッド部2のトレッドゴム2G(図2に示す)は、例えば、ゴム硬度が45〜60度程度の軟質のゴムを含む。これにより、雪氷面との粘着摩擦力が高められ、氷上性能の向上が図られている。なお、本明細書においては、「ゴム硬度」は、温度23℃で測定したデュロメータータイプAによる硬さを意味する。
前記周方向溝3は、タイヤ赤道C上をのびる1本のクラウン周方向溝3Cと、その両側に配されかつ最もトレッド接地端2e側をのびる一対のショルダー周方向溝3S、3Sと、クラウン周方向溝3Cとショルダー周方向溝3Sとの間をのびる一対のミドル周方向溝3Mとを含む。これらの周方向溝3C、3M、3Sは、タイヤ周方向に直線状にのびているが、例えば、波状やジグザグ状にのびるものでもよい。
各周方向溝3C、3M、3Sは、本実施形態の乗用車用のタイヤの場合、雪上性能及び排水性能を高める観点から、トレッド部2の踏面2tでの溝幅W1が、トレッド接地端2e、2e間のタイヤ軸方向の距離であるトレッド接地幅TWの2.5〜9%程度、溝深さD1(図2に示す)が4〜11mm程度が望ましい。これらの溝幅W1及び溝深さD1は、各周方向溝3C、3M、3Sで、それぞれ同一でも良いし、また、異ならせても良い。
前記横溝4は、クラウン周方向溝3Cとミドル周方向溝3Mとの間を横切ってのびるクラウン横溝4Cと、ミドル周方向溝3Mとショルダー周方向溝3Sとの間を横切ってのびるミドル横溝4Mと、ショルダー周方向溝3Sとトレッド接地端2e間を横切ってのびるショルダー横溝4Sとを含む。本実施形態の各横溝4C、4M、4Sは、タイヤ軸方向に対して、例えば0〜40度の角度で傾斜している。これは、タイヤ周方向に対するエッジ成分を増加させ、直進時や旋回時の雪上性能、及び氷上性能を向上させるのに役立つ。
また、各横溝4C、4M、4Sは、雪上性能及び氷上性能を高める観点から、その踏面2tでの溝幅W2が、周方向溝3の前記溝幅W1の75〜125%程度、溝深さD2(図2に示す)が4〜10mm程度が望ましい。また、これらの溝幅W2及び溝深さD2も、各横溝4C、4M、4Sで、それぞれ同一でも良いし、また、異ならせても良い。
前記ブロック5は、クラウン周方向溝3Cとミドル周方向溝3Mとクラウン横溝4Cとで区分されるクラウンブロック5C、ミドル周方向溝3Mとショルダー周方向溝3Sとミドル横溝4Mとで区分されるミドルブロック5M、及びショルダー周方向溝3Sとトレッド接地端2eとショルダー横溝4Sで区分されるショルダーブロック5Sを含む。本実施形態では、各クラウンブロック5C、ミドルブロック5M及びショルダーブロック5Sが、タイヤ周方向の長さがタイヤ軸方向の長さよりもやや大きい平行四辺形状に形成されるが、このような態様に限定されるものではない。
また、各ブロック5C、5M、5Sの踏面2tには、複数本のサイピングSがタイヤ周方向に隔設される。このサイピングSは、その両端を結ぶ直線が、タイヤ軸方向に対して例えば45度以下の角度で傾斜し、直線状、波状及び/又はジグザグ状など種々の形状の1種又は2種以上を組み合わせて形成される。
本実施形態のサイピングSは、その中央部がジグザグ状に形成される。これは、様々な方向に対してエッジ成分を発揮でき、氷上での高いグリップ性能を発揮できる。また、サイピングSは、その厚さが例えば0.4〜1.0mm程度、その深さが横溝4の溝深さD2の50〜90%程度が望ましい。
図4に示されるように、本実施形態の周方向溝3は、その長手方向と直角な溝断面において、踏面2tと平行にのびる溝底面3bと、該溝底面3bから踏面2tにのびる一対の壁面3w、3wとを含んで形成される。また、壁面3wと溝底面3bとがなす入隅部は、応力集中によるクラックを抑制する観点から、滑らかな円弧面7で面取されている。
そして、本発明の空気入りタイヤ1では、周方向溝3の少なくとも一方の壁面3wに、溝中心WL1側に向かって膨らむ主面11と、主面11から溝中心WL1側に向かって突出する凸部12及び/又は主面11から陥没する凹部13(図8に示す)とが設けられる。本実施形態では、一対の壁面3w、3wに主面11と凸部12とが設けられ、これらの主面11及び凸部12がクラウン周方向溝3Cにのみ形成されている。
前記主面11は、一対の壁面3w、3wにタイヤ周方向に連続して形成される。また、主面11は、踏面2tと壁面3wとの交点14、及び溝底面3bと壁面3wとの交点15を結ぶ仮想直線VL3よりも、溝中心WL1側に向かって凸の円弧状に膨らんで形成される。なお、本実施形態のように、壁面3wと溝底面3bとがなす入隅部が円弧面7で面取される場合、前記仮想直線VL3は、前記交点14、及び溝底面3bの仮想延長線VL1と壁面3wの仮想延長線VL2との交点15aを結ぶ直線とする。
前記凸部12は、図3に示されるように、一対の壁面3w、3wにおいて、互いにタイヤ軸方向で向き合う位置でタイヤ周方向に隔設され、本実施形態では1つのブロック5あたり複数個(本例では3個)ずつ形成されている。また、一方の壁面3wの凸部12は、前記正規状態において、タイヤ軸方向に向き合う他方の壁面3wの凸部12と互いに接することなく突出している。
図4に示されるように、本実施形態の凸部12は、主面11から溝中心WL1側に向かってのびる側面12Aと、該側面12Aの端部を継ぐ外端面12Bとを含んで形成される。さらに、図5に示されるように、本実施形態の凸部12は、タイヤ半径方向の長さL1がタイヤ周方向の長さL2よりも大きく形成され、外端面12Bから見たときに、四隅が面取された側面視略矩形状に形成される。なお、凸部12は、このような側面視略矩形状に限定されるわけではなく、例えば、円形状、正方形状、又は多角形状等に形成されてもよい。
このような空気入りタイヤ1は、ゴム硬度及びゴムボリュームが小さいトレッドゴム2Gを、前記主面11によってゴムボリュームを増大させることができる。これにより、トレッド部2の剛性が高められるので、ブロック5の大きな倒れ込み等が抑制され、ドライ路面での操縦安定性能が向上する。
また、周方向溝3の壁面3wには、主面11から突出する凸部12がタイヤ周方向に隔設される。このような凸部12は、図6(a)に示されるように、周方向溝3の内部で押し固められた雪柱8に食い込み、大きなせん断抵抗を生じさせることができる。従って、主面11により溝容積の小さくなった周方向溝3でも、雪柱せん断力を十分に得ることができ、雪上性能を向上しうる。
さらに、凸部12は、図6(b)に示されるように、例えば、ドライ路面での旋回時において、ブロック5にタイヤ軸方向の横力が作用しても、タイヤ軸方向に隣り合う凸部12、12が接して互いに支え合うことができる。従って、ブロック5の過度の倒れこみがより一層効果的に抑制され、ドライ路面での操縦安定性能を大幅に向上しうる。
さらに、本実施形態では、主面11及び凸部12が、接地圧の高いタイヤ赤道C近傍の領域に配されるクラウン周方向溝3Aに形成されるので、雪上性能およびドライ路面での操縦安定性能を効果的に高めうる。
上記作用を効果的に発揮させるために、周方向溝3は、溝底面3bの最深点P2から周方向溝3の溝深さD1の50%(D1/2)の位置における凸部12及び凹部13(図8に示す)を除いた溝幅W3が、前記溝幅W1の、好ましくは20%以上、さらに好ましくは40%以上が望ましい。前記溝幅W3が小さすぎると、周方向溝3の溝容積が過度に小さくなり、雪上性能や排水性能が低下するおそれがある。逆に、前記溝幅W3が大きすぎると、主面11を凸の円弧状に十分に膨らませることができず、トレッド部2の剛性を高めることができないおそれがある。このような観点より、前記溝幅W3は、前記溝幅W1の、好ましくは90%以下、さらに好ましくは70%以下が望ましい。
また、前記主面11の曲率半径R1は、周方向溝3の溝深さD1の、好ましくは1.0倍以上、さらに好ましくは1.5倍以上が望ましい。前記曲率半径R1が小さくなると、主面11が踏面2t側で大きな円弧状に形成され、トレッド部2の剛性が低下するおそれがある。逆に、前記曲率半径R1が大きすぎても、主面11を凸の円弧状に十分に膨らませることができないおそれがある。このような観点より、前記曲率半径R1は、前記溝深さD1の、好ましくは3.0倍以下、さらに好ましくは2.0倍以下が望ましい。
図5に示されるように、凸部12は、溝底面3bの最深点P2から、周方向溝3の溝深さD1の10%以上かつ70%以下の領域T1内に、該領域T1からはみ出すことなく形成されのが好ましい。前記凸部12が領域T1よりもタイヤ半径方向内側にはみ出す(即ち、凸部12の最内端の長さL7が溝深さD1の10%未満)と、ブロック6同士の支え合い効果がうすれ、ドライ路面での操縦安定性能を十分高めることができないおそれがある。逆に、凸部12が領域T1よりもタイヤ半径方向外側にはみ出す(即ち、凸部12の最外端の長さL8が溝深さD1の70%を超える)と、周方向溝3への雪の進入を阻害して雪柱を十分に形成できないおそれがあるとともに、排水性能を十分に高めることができないおそれがある。
また、凸部12のタイヤ半径方向の長さL1は、周方向溝3の溝深さD1の好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上が望ましい。前記長さL1が小さすぎると、雪柱に対して十分に食い込むことができないおそれがあるとともに、ドライ路面において隣り合う凸部12、12で十分に支え合うことができなくなるおそれがある。逆に、前記長さL1が大きすぎると、周方向溝3の溝容積が過度に小さくなり、雪柱を十分に形成できないおそれがある。このような観点より、前記長さL1は、前記溝深さD1の、好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下が望ましい。
同様に、凸部12のタイヤ周方向の前記長さL2は、前記長さL1の、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上が望ましく、また、好ましくは90%以下、さらに好ましくは80%以下が望ましい。
図4に示されるように、タイヤ軸方向で互いに向き合って配された凸部12、12の離間距離L4は、周方向溝3の溝幅W1の、好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上が望ましい。前記離間距離L4が小さすぎると、成形が困難になる他、周方向溝3の溝容積が過度に小さくなるおそれがある。逆に、前記離間距離L4が大きすぎても、雪柱に対して十分に食い込むことができないおそれがある。このような観点より、前記離間距離L4は、周方向溝3の溝幅W1の、好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下が望ましい。
同様の観点より、主面11と凸部12の外端面12Bとのタイヤ軸方向の最大長さW5は、周方向溝3の溝幅W1の、好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上が望ましく、また、好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下が望ましい。
図5に示されるように、各壁面3wにおいて、タイヤ周方向に隣り合う凸部12、12の離間する距離L6は、好ましくは10mm以上、さらに好ましくは15mm以上が望ましい。前記距離L6が小さくなると、周方向溝3の溝容積が過度に小さくなり、雪上性能や排水性能が低下するおそれがある。逆に、前記距離L6が大きくなると、凸部12が過度に疎らになり、上述のような作用が十分に期待できない。このような観点より、前記距離L6は、好ましくは30mm以下、さらに好ましくは25mm以下が望ましい。
図7、図8には、本発明の他の実施形態が示される。
この実施形態のタイヤ1では、一対の壁面3w、3wに、主面11と前記凹部13が設けられる。本実施形態の凹部13も、凸部12と同様に、一対の壁面3w、3wにおいて、互いにタイヤ軸方向で向き合う位置でタイヤ周方向に隔設される。
前記凹部13は、主面11からブロック5の内側へタイヤ軸方向にのびる内側面13aと、該内側面13aの端部をタイヤ半径方向にのびる内端面13bとを含んで形成される。また、本実施形態の凹部13は、タイヤ半径方向の長さL1及びタイヤ周方向の長さL2が、前記凸部12と同様に設定される。
このような周方向溝3は、図8(b)に示されるように、凹部13の内部に雪を案内して雪柱8を形成することができる。そして、この凹部13は、タイヤ1の回転によって雪柱8をせん断し、大きな駆動力を生じさせ、雪上性能を向上しうる。また、凹部13は、主面11によって低下した溝容積を補うことができるので、排水性能を向上させるのにも役立つ。
図8(a)に示されるように、前記主面11と前記凹部13の内端面13bとのタイヤ軸方向の最大長さW6は、周方向溝3の溝幅W1の、好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上が望ましい。前記最大長さW6が小さくなると、上述のせん断力が十分に得られないおそれがある。逆に、前記最大長さW6が大きくなると、トレッド部2の剛性が小さくなり、ドライ路面での操縦安定性能が低下するおそれがある。このような観点より、前記最大長さW6は、前記溝幅W1の、好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下が望ましい。
図9には、本発明のさらに他の実施形態が示される。
この実施形態のタイヤ1では、壁面3w、3wに、主面11、凸部12、及び凹部13が設けられる。また、各壁面3wにおいて、凸部12及び凹部13は、タイヤ周方向に交互に形成される。さらに、一対の壁面3w、3wにおいて、凸部12同士、凹部13同士が、タイヤ軸方向で互いに向き合う位置に配置されている。
このような周方向溝3は、図6(a)及び図(b)に示した作用により、大きなせん断抵抗を生じさせることができる。しかも、凸部12及び凹部13は、タイヤ周方向に交互に形成されるため、ドライ路面での操縦安定性能及び排水性能をバランス良く向上させることができる。
本実施形態では、凸部12及び凹部13がタイヤ周方向に交互に配されるものを例示したが、このような態様に限定されるわけではなく、例えば、凸部12と凹部13とを2:1の割合でタイヤ周方向に順に配置するなど適宜変更しうるのは言うまでもない。
また、図10、図11(a)に示されるように、周方向溝3には、溝底面3bから小高さで***する突起体16がタイヤ周方向に隔設されてもよい。本実施形態の突起体16は、タイヤ周方向に隣り合う凸部12及び/又は凹部13の間に配されている。
また、前記突起体16は、図11(a)に示されるように、溝底面3bからタイヤ半径方向外側にのびる***面16Aと、該***面16Aの端部を継ぐ踏面2tと平行な外面16Bとを含んで形成される。また、突起体16は、図10に示されるように、タイヤ軸方向の長さL9よりもタイヤ周方向の長さL10が長い平面視略矩形状に形成される。
このような突起体16は、周方向溝3の内部で押し固められた雪柱に対して食い込み、凸部12及び/又は凹部13との相乗効果により、より一層雪上性能を向上しうる。また、突起体16は、溝底面3bのゴムボリュームを増加させて溝底面3bを起点とする変形を抑制し、ブロック5の過度の倒れこみが効果的に抑制され、トレッド部2の剛性を向上しうる。
このような作用を効果的に発揮させるために、前記突起体16のタイヤ軸方向の長さL9は、周方向溝3の溝幅W1の、好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上が望ましい。逆に、前記長さL9が大きすぎても、周方向溝3の溝容積を過度に低下させるおそれがある。このような観点より、前記長さL9は、前記溝幅W1の、好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下が望ましい。
同様の観点より、前記突起体16のタイヤ周方向の長さL10は、タイヤ軸方向の長さL9の、好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上が望ましく、また、好ましくは50%以下、さらに好ましくは45%以下が望ましい。また、突起体16の溝底面3bからの高さH1は、周方向溝3の溝深さD1の、好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上が望ましく、また、20%以下、さらに好ましくは15%以下が望ましい。
また、図10に示されるように、突起体16の少なくとも一つは、周方向溝3と横溝4との交差部17に設けられるのが好ましい。これにより、突起体16は、ブロック5等の歪みが集中しやすい交差部17のゴムボリュームを増大させることができるので、トレッド部2の剛性を高めうる。また、突起体16は、周方向溝3と横溝4とにより形成される強固な雪柱に食い込むことができ、雪上性能を大幅に向上しうる。なお、交差部17は、横溝4の延長線18、18と周方向溝3との重複領域とする。また、複数の横溝4と周方向溝3とが交差する場合は、それぞれの横溝4と周方向溝3との重複領域を合計領域とする。
このような作用を効果的に発揮するために、突起体16の交差部17におけるタイヤ周方向の最大長さL11は、交差部17のタイヤ周方向の最大長さL12の、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上が望ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。上記の実施形態では、クラウン周方向溝3Aのみに、主面11、凸部12及び/又は凹部13が形成されたものを例示したが、これに限定されるわけではなく、例えば、ミドル周方向溝3M及び/又はショルダー周方向溝3Sに形成されてもよい。
図1に示す基本構造を有し、かつ表1に示す周方向溝(クラウン周方向溝)を有するタイヤが製造され、それらの性能が評価された。また、比較として、図12に示される周方向溝を有するタイヤ(比較例1)についても、同様にテストされた。なお、共通仕様は以下のとおりである。
タイヤサイズ:195/65R15
リムサイズ:6.5×15
トレッドゴムのゴム硬度:47度
トレッド接地幅TW:162mm
周方向溝:
溝幅W1:9mm
溝深さD1:9mm
比(W1/TW):5.6%
横溝:
溝幅W2:10mm
溝深さD2:8.5mm
比(W2/W1):111%
サイピング
厚さ:0.9mm
深さ:7.8mm
領域T1:溝深さD1の20〜40%
突起体:
タイヤ軸方向の長さL9:3.5mm
タイヤ周方向の長さL10:1.5mm
突起体の溝底面からの高さH1:2.0mm
比(L9/W1):39%
比(L10/L9):43%
比(H1/D1):22%
交差部のタイヤ周方向の最大長さL12:6.5mm
テスト方法は、次のとおりである。
<雪上性能>
上記供試タイヤを上記リムにリム組みし、内圧200kPaを充填して排気量1998ccの国産乗用車4輪に装着するとともに、雪路タイヤテストコースを走行させ、ハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する特性をプロのドライバーの官能で評価された。結果は、比較例1を100とする評点で表示している。数値が大きいほど良好である。
<ドライ路面での操縦安定性能>
上記テスト車両にて、ドライアスファルト路面のテストコースをドライバー1名乗車で走行し、旋回時のハンドル応答性、剛性感及びグリップ等に関する特性をドライバーの官能評価により評価した。結果は、比較例1を100とする評点で表示している。数値が大きいほど良好である。
<排水性能>
上記テスト車両にて、半径100mのアスファルト路面上に水深5mm、長さ20mの水たまりを設けたテストコースに、速度を段階的に増加させながら進入させ、速度50〜80km/hにおける前輪の平均横加速度が測定された。結果は、比較例1の平均横加速度を100とする指数で表示している。数値が大きいほど良好である。
テストの結果を表1に示す。
Figure 2012086599
テストの結果、実施例のタイヤは、ドライ路面での操縦安定性能を維持しつつ、雪上性能を向上しうることが確認できた。
1 タイヤ
2 トレッド部
3 周方向溝
11 主面
12 凸部
13 凹部

Claims (8)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向にのびる少なくとも1本の周方向溝を具えた空気入りタイヤであって、
    前記周方向溝は、その長手方向と直角な溝断面において、溝底面と、該溝底面から前記トレッド部の踏面にのびる一対の壁面とを含み、
    少なくとも一方の前記壁面は、前記踏面と該壁面との交点、及び前記溝底面と該壁面との交点を結ぶ仮想直線よりも、溝中心側に向かって凸の円弧状に膨らむ主面を具えるとともに、
    前記主面に、該主面から前記溝中心側に向かって突出する凸部及び/又は前記主面から陥没する凹部がタイヤ周方向に隔設されたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記凸部及び/又は前記凹部は、前記溝底面の最深点から前記周方向溝の溝深さの10%以上かつ40%以下の領域に形成される請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記凸部及び/又は前記凹部は、タイヤ半径方向の長さが、タイヤ周方向の長さよりも大きい請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記凸部及び前記凹部がタイヤ周方向に交互に形成される請求項1乃至3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記周方向溝は、前記溝底面の最深点から前記周方向溝の溝深さの50%の位置における前記凸部及び前記凹部を除いた溝幅は、前記踏面での溝幅の20〜90%である請求項1乃至4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記主面の曲率半径は、前記周方向溝の溝深さの1.0〜3.0倍である請求項1乃至5の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記溝底面には、小高さで***する突起体がタイヤ周方向に隔設される請求項1乃至6の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記トレッド部には、前記周方向溝に交わる向きにのびる横溝が隔設され、
    前記突起体の少なくとも一つは、前記周方向溝と前記横溝との交差部に設けられる請求項7に記載の空気入りタイヤ。
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