JP2012066629A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の姿勢制御の性能の確保と製造コストの低減とを両立することができる車両制御装置を提供すること。
【解決手段】車両制御装置2に、左右それぞれのスタビライザバー12と一体になって回転可能なスタビライザバーギア24と、双方のスタビライザバーギア24と噛み合うピニオンギア26と、をそれぞれ有する前輪6用及び後輪8用のスタビライザ10と、双方のスタビライザ10を連結する連結シャフト34と、を備え、左右のスタビライザバーギア24の回転トルクが同相の場合には、ピニオンギア26が回転することによりスタビライザバーギア24間で回転を伝達し、回転トルクが逆相の場合には、ピニオンギア26が停止することによりスタビライザバーギア24の回転を停止させ、連結シャフト34は、スタビライザバーギア24の回転軸を中心としてピニオンギア26を回転させることによりスタビライザバーギア24の回転を調節する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両制御装置に関する。
従来の車両では、車両の走行時における乗り心地を確保しつつ、コーナリング時等におけるロール量を低減して安定性を確保するため、スタビライザが設けられているものが多くなっている。このスタビライザは、懸架装置によって車輪が上下方向にストロークした場合に、そのストロークによる車輪の運動を左右の車輪における他方の車輪に伝達することにより、ストロークを規制することなくロール量を抑えることができる。これにより、ロール量の低減と乗り心地の確保とを両立することができる。
さらに、近年では、このスタビライザの性能を向上させて車両の姿勢を積極的に制御するため、左右の車輪間における車輪のストロークの伝達率を、車両の走行状態に応じて変化させているものがある。例えば、特許文献1に記載されたスタビライザ装置では、独立して回転可能な左輪用のスタビライザバーと右輪用のスタビライザバーとを有しており、これらのスタビライザバーは、双方のスタビライザバーに対してギアを介して接続されるモータを有するアクチュエータによって接続されている。これにより、車両の走行状態に応じてモータの作動を制御することにより、スタビライザバー間で回転トルクの伝達率を調節することができ、左右の車輪のストロークの伝達率を車両の走行状態に応じて変化させることによって、走行時の車両の姿勢を制御することができる。
特開2005−193707号公報
しかし、このように左右のスタビライザバーをアクチュエータで接続する場合、前後輪の双方のスタビライザに対してそれぞれアクチュエータを設ける必要があり、製造コストが上昇し易くなっている。一方、製造コストの低減を図るため、前輪側、または後輪側のスタビライザにのみアクチュエータを設けて、前輪側または後輪側の一方のスタビライザのみ、左右の車輪のストロークの伝達率を調節するようにした場合、前後輪の一方だけ接地荷重の移動が大きくなり、車両の挙動が不安定になることが考えられる。これらのため、製造コストを抑えつつ、車両の姿勢を適切に制御するのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、車両の姿勢制御の性能の確保と製造コストの低減とを両立することのできる車両制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る車両制御装置は、独立して回転可能な左輪用及び右輪用のスタビライザバーのそれぞれに設けられると共に、前記スタビライザバーと一体になって回転可能なスタビライザバーギアと、双方の前記スタビライザバーギアと噛合い、左輪用及び右輪用の前記スタビライザバーギアで回転方向が同相の場合には回転し、回転方向が逆相の場合には固定される接続ギアと、をそれぞれ有する前輪用及び後輪用のスタビライザと、前輪用及び後輪用の前記スタビライザを連結する連結シャフトと、を備え、前記連結シャフトを車両のロールに応じて回転させることを特徴とする。
また、上記車両制御装置において、前記連結シャフトは、回転することにより前輪用及び後輪用の前記スタビライザの前記接続ギアを回転させることを介して、前記スタビライザバーギアの回転を調節可能に設けられていることが好ましい。
また、上記車両制御装置において、前記連結シャフトには、前記連結シャフトを回転させるアクチュエータが接続されていることが好ましい。
また、上記車両制御装置において、さらに、路面の変位を検出する路面変位検出手段を有しており、前記アクチュエータの制御量は、前記路面変位検出手段で検出した前記路面変位に基づいて算出することが好ましい。
また、上記車両制御装置において、前記アクチュエータの制御量に基づいて、車輪の懸架装置による前記車輪のストローク時における減衰力を制御することが好ましい。
本発明に係る車両制御装置は、車両の姿勢制御の性能の確保と製造コストの低減とを両立することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る車両制御装置を備える車両の概略図である。 図2は、左右のスタビライザバーの回転トルクの方向が同相である場合における説明図である。 図3は、左右のスタビライザバーの回転トルクの方向が逆相である場合における説明図である。 図4は、リングギアを回転させる場合における説明図である。 図5は、アクチュエータでロール制御を行う場合における説明図である。 図6は、実施形態に係る車両制御装置の変形例であり、減衰力の調節が可能なアブソーバを備える車両の概略図である。 図7は、アクチュエータの制御量に基づいて減衰力の制御を行う場合における説明図である。
以下に、本発明に係る車両制御装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る車両制御装置を備える車両の概略図である。同図に示し、本実施形態に係る車両制御装置2を備える車両1は、懸架装置50によって車輪4が支持されている。この懸架装置50には、伸縮することによりショックを吸収するショックアブソーバ52が設けられており、このようにショックアブソーバ52を有する懸架装置50に支持される車輪4は、車両1の上下方向にストロークすることが可能になっている。また、この車両1は、車輪4が上下方向にストロークした場合に、上下方向の運動を、回転運動、即ち回転トルクに変換するスタビライザバー12を有している。このスタビライザバー12は、車両1の左右方向に延びる棒状の部材によって形成されており、車両1が有する各車輪4に対応して設けられている。つまり、スタビライザバー12は、車両1の左輪に対応する左輪用スタビライザバー14と、右輪に対応する右輪用スタビライザバー16とを有しており、左輪用スタビライザバー14は、左前輪6Lと左後輪8Lに対応してそれぞれ設けられ、右輪用スタビライザバー16は、右前輪6Rと右後輪8Rに対応してそれぞれ設けられている。
これらのように設けられるスタビライザバー12は、前輪6側と後輪8側とで、共に左輪用スタビライザバー14と右輪用スタビライザバー16とが略一直線状に配設されている。詳しくは、左輪用スタビライザバー14は、一端側が左前輪6L側や左後輪8L側に位置し、他端側が右輪用スタビライザバー16に対向して配設されている。同様に、右輪用スタビライザバー16は、一端側が右前輪6R側や右後輪8R側に位置し、他端側が左輪用スタビライザバー14に対向して配設されている。
また、スタビライザバー12には、各スタビライザバー12における車輪4側の端部に、懸架装置50に接続されると共に、懸架装置50による車輪4の上下方向の運動を回転トルクに変換してスタビライザバー12に伝達したり、スタビライザバー12の回転トルクを上下方向の運動エネルギに変換して懸架装置50に伝達したりする係合部18が設けられている。スタビライザバー12は、この係合部18が懸架装置50に接続されることにより、車輪4との間で互いに運動エネルギの伝達を行うことが可能になっている。
また、これらのスタビライザバー12には、スタビライザバー12と一体になって回転可能なスタビライザバーギア24が設けられている。このスタビライザバーギア24は、左輪用スタビライザバー14と右輪用スタビライザバー16とにおける、互いに双方に対向している側の端部に設けられており、外形が略円錐状の形状で形成される、いわゆるかさ歯車となっている。
このように設けられるスタビライザバーギア24は、棒状の部材によって形成されるスタビライザバー12の端部に、回転軸が、スタビライザバー12の回転軸とほぼ一致する向きで設けられている。このため、左輪用スタビライザバー14に設けられるスタビライザバーギア24と右輪用スタビライザバー16に設けられるスタビライザバーギア24とは、対向した状態になっている。
また、左輪用スタビライザバー14に設けられるスタビライザバーギア24と右輪用スタビライザバー16に設けられるスタビライザバーギア24との間には、双方のスタビライザバーギア24と噛み合うことにより、双方のスタビライザバーギア24を接続する接続ギアであるピニオンギア26が配設されている。このピニオンギア26は、スタビライザバーギア24と同様にかさ歯車となっており、回転軸がスタビライザバーギア24の回転軸とは異なる方向になって回転可能に設けられている。詳しくは、ピニオンギア26は、回転軸がスタビライザバーギア24の回転軸に直交する向きで配設されており、左輪用スタビライザバー14のスタビライザバーギア24と右輪用スタビライザバー16のスタビライザバーギア24との双方と噛み合っている。また、このように設けられるピニオンギア26は、2つのスタビライザバーギア24の間に2つが配設されている。なお、ピニオンギア26の数は2つ以外でもよく、2つのスタビライザバーギア24の間で、回転トルクを適切に伝達することができれば、その個数は2つ以外でもよい。
また、ピニオンギア26は、ギアケース30によって支持されており、スタビライザバーギア24も、このギアケース30に内設されている。また、このように設けられるギアケース30には、外側部分にリングギア28が設けられている。このリングギア28は、回転軸がスタビライザバーギア24の回転軸とほぼ一致する向きで、ギアケース30の外周に設けられている。このため、リングギア28とギアケース30及びピニオンギア26は、リングギア28の回転軸を中心として一体に回転可能に設けられている。
これらのように、スタビライザバーギア24、ピニオンギア26、リングギア28は、ギアケース30によって一体に設けられることによりギアボックスとして構成されており、前輪6側のスタビライザバー12と後輪8側のスタビライザバー12とに対して、それぞれ設けられている。このうち、前輪6側のスタビライザバー12に対して設けられるギアボックスは前輪側ギアボックス20となっており、後輪8側のスタビライザバー12に対して設けられるギアボックスは後輪側ギアボックス22となっている。また、前輪6用のスタビライザ10は、この前輪側ギアボックス20と前輪6側のスタビライザバー12とによって設けられており、同様に後輪8用のスタビライザ10は、後輪側ギアボックス22と後輪8側のスタビライザバー12とによって設けられている。
また、これらの前輪6用のスタビライザ10と後輪8用のスタビライザ10とは、連結シャフト34によって連結されている。詳しくは、この連結シャフト34は、車両1の前後方向に延びる棒状の部材によって形成されており、その両端にはリングギア28と噛み合う連結シャフトギア36が設けられている。この連結シャフトギア36は、連結シャフト34の前端に、前輪側ギアボックス20のリングギア28と噛み合う連結シャフトギア36が設けられており、連結シャフト34の後端に、後輪側ギアボックス22のリングギア28と噛み合う連結シャフトギア36が設けられている。
連結シャフト34は、このように両端の連結シャフトギア36と、前輪側ギアボックス20のリングギア28と後輪側ギアボックス22のリングギア28とのそれぞれに噛み合うことにより、前輪側ギアボックス20及び後輪側ギアボックス22に連結されている。また、このように前輪側ギアボックス20と後輪側ギアボックス22とが、それぞれ連結シャフト34に連結されることにより、前輪6用のスタビライザ10と後輪8用のスタビライザ10とは、連結シャフト34によって連結されている。
また、この車両1には、スタビライザ10の作動状態を制御することができるアクチュエータ40が設けられている。このアクチュエータ40は、例えば電気によって作動する電動モータ等、任意の運動エネルギを発生させることのできる装置が用いられている。このように設けられるアクチュエータ40には、当該アクチュエータ40で発生した運動エネルギ、具体的には回転トルクを外部に伝達することのできるアクチュエータギア42が設けられており、連結シャフト34には、このアクチュエータギア42と噛み合う制御用ギア38が設けられている。これにより、アクチュエータ40で発生した回転トルクは、アクチュエータギア42及び制御用ギア38を介して、連結シャフト34に伝達可能になっている。
さらに、車両1には、車体に対する路面の変位としてばね下加速度を検出する路面変位検出手段であるばね下加速度センサ54が設けられている。このばね下加速度センサ54は、各車輪4に対応して設けられており、ばね下加速度を車輪4ごとに独立して検出することが可能になっている。
また、アクチュエータ40及びばね下加速度センサ54は、アクチュエータ40を制御可能なECU(Electronic Control Unit)60に接続されている。アクチュエータ40は、ばね下加速度センサ54の検出結果等に基づいてECU60で制御することにより、任意の回転トルクを発生することができる。なお、ECU60のハード構成は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理部や、RAM(Random Access Memory)等の記憶部等を備えた公知の構成であるため、説明は省略する。また、ECU60は、アクチュエータ40専用のECU60として設けられていてもよく、または、他の装置も制御可能なECU60の機能の一部として、アクチュエータ40も制御可能に設けられていてもよい。
この実施形態に係る車両制御装置2は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。車両1の走行時に車輪4が上下方向にストロークした場合、この上下方向の動きによる運動エネルギは、懸架装置50に接続されるスタビライザバー12の係合部18からスタビライザバー12に伝達され、入力される。係合部18からスタビライザバー12に入力された上下方向の運動エネルギは、スタビライザバー12で回転トルクに変換されるが、このスタビライザバー12における車輪4側の端部の反対側の端部には、スタビライザバーギア24が設けられている。このため、車輪4の上下方向の運動エネルギが変換された回転トルクは、スタビライザバーギア24にも伝達される。
スタビライザバーギア24には、このように回転トルクが伝達されるが、このスタビライザバーギア24は、ピニオンギア26と噛み合っている。このため、スタビライザバーギア24の回転トルクは、ピニオンギア26に伝達される。
ここで、このピニオンギア26は、ギアケース30によって支持されているが、ギアケース30は、ギアケース30の回転と共に回転をする、連結シャフト34やアクチュエータ40を含む回転体の回転抵抗により、または、アクチュエータ40によって、この回転体の回転を意図的に停止させることにより、通常時は回転せず、停止状態が維持される。このため、スタビライザバーギア24からピニオンギア26に回転トルクが伝達された場合でも、ピニオンギア26はリングギア28の回転軸を中心とする回転方向への回転が規制される。
車両1の通常の走行時は、このようにギアケース30の回転は規制されるが、ギアケース30の回転が規制されている場合、左右のスタビライザバー12に入力される回転トルクの方向によって、スタビライザ10は異なった動きをする。具体的には、左右のスタビライザバー12に入力される回転トルクの方向が、同相の場合と逆相の場合とで、スタビライザ10は異なった動きをする。
図2は、左右のスタビライザバーの回転トルクの方向が同相である場合における説明図である。まず、左右のスタビライザバー12に入力される回転トルクの方向が同相の場合について説明すると、この場合における同相とは、左輪用スタビライザバー14と右輪用スタビライザバー16とで、回転トルクの方向が反対方向の状態を示している。
つまり、左右のスタビライザバー12には、共にスタビライザバーギア24が設けられており、左輪用スタビライザバー14のスタビライザバーギア24と右輪用スタビライザバー16のスタビライザバーギア24との間には、ピニオンギア26が介在している。このピニオンギア26は、双方のスタビライザバーギア24と噛み合うと共に、回転軸が、スタビライザバーギア24の回転軸と直交する向きで設けられている。このため、スタビライザバーギア24からピニオンギア26に回転トルクが伝達された場合、ピニオンギア26に入力された力の向きは、当該スタビライザバーギア24が位置する側の反対側では、反対向きの力になる。
例えば、ピニオンギア26を回転軸の方向から見た場合においてピニオンギア26が回転した場合、ピニオンギア26の左側の位置と右側の位置とでは、上下方向の移動方向が反対方向になる。このため、左右のスタビライザバー12に設けられるスタビライザバーギア24のうちの一方から回転トルクが入力された場合、この入力された力が、ピニオンギア26の回転を介して他方のスタビライザバーギア24に伝達される場合には、回転方向が反対方向の力となって伝達される。
このように、左右のスタビライザバー12で、回転トルクの方向が反対方向になる場合、この回転トルクがスタビライザバーギア24からピニオンギア26に入力される際におけるピニオンギア26の回転方向は、同じ方向になる。つまり、左輪用スタビライザバー14と右輪用スタビライザバー16とで、回転トルクの方向が互いに反対方向の場合、双方のスタビライザバー12の回転トルクの方向は同相になっている。換言すると、ピニオンギア26は、スタビライザバーギア24の回転トルクが左輪用及び右輪用のスタビライザバーギア24で同相の場合には、ピニオンギア26の回転軸を中心として回転することにより、スタビライザバーギア24間で回転方向を反対方向にして回転を伝達する。
左右のスタビライザバー12の回転トルクが同相の場合には、左右のスタビライザバー12間で反力が発生しないため、路面の凹凸によって車輪4に上下方向の入力があった場合、車輪4は上下方向にスムーズに動く。このため、路面の凹凸によるショックが吸収される。
図3は、左右のスタビライザバーの回転トルクの方向が逆相である場合における説明図である。次に、左右のスタビライザバー12に入力される回転トルクの方向が逆相の場合について説明すると、この場合における逆相とは、左輪用スタビライザバー14と右輪用スタビライザバー16とで、回転トルクの方向が同じ方向の状態を示している。
つまり、ピニオンギア26を回転軸の方向から見た場合においてピニオンギア26が回転する場合、ピニオンギア26の左側の位置と右側の位置とでは、上下方向の移動方向が反対方向になるが、左右のスタビライザバー12のスタビライザバーギア24から、同じ方向の回転トルクがピニオンギア26に入力される場合、入力される力の方向は、ピニオンギア26の左側の位置と右側の位置とで上下方向の向きが同じ方向になる。
換言すると、左右のスタビライザバー12で回転トルクの方向が同じ方向の場合、左輪用スタビライザバー14のスタビライザバーギア24からピニオンギア26に回転トルクが入力される場合におけるピニオンギア26の回転方向と、右輪用スタビライザバー16のスタビライザバーギア24からピニオンギア26に回転トルクが入力される場合におけるピニオンギア26の回転方向とでは、互いに反対方向になる。
このため、この場合、左右のスタビライザバー12からピニオンギア26に入力される力は、互いに他方の力の反力となって入力されるので、ピニオンギア26は回転せずに停止した状態になる。このように、左輪用スタビライザバー14と右輪用スタビライザバー16とで、回転トルクの方向が同じ方向の場合、双方のスタビライザバー12の回転トルクの方向は逆相になっている。換言すると、ピニオンギア26は、スタビライザバーギア24の回転トルクが左輪用及び右輪用のスタビライザバーギア24で逆相の場合には、ピニオンギア26の回転軸を中心とする回転が停止することによりスタビライザバーギア24の回転を停止させる。
車両1の通常の走行時においてギアケース30の回転が規制されている場合には、これらのように、左右のスタビライザバー12に入力される回転トルクの方向によって特性が異なっており、左右同相入力の場合は、ピニオンギア26が回転して力を逃がすため、スタビライザバー12間で反力は発生しない。また、左右逆相入力の場合は、ピニオンギア26の回転が停止することによりスタビライザバーギア24も回転しなくなるため、左右のスタビライザバー12に入力された回転トルクは逃げ場が無い状態になる。これにより、スタビライザバー12が捩れて、反力を発生する。
左右のスタビライザバー12の回転トルクが逆相の場合には、このように左右のスタビライザバー12間で反力が発生するため、懸架装置50によって上下方向にストロークすることが可能な車輪4は、ストロークが制限される。このため、左右のスタビライザバー12の回転トルクが逆相の場合は、車輪4はストロークし難くなる。
図4は、リングギアを回転させる場合における説明図である。ギアケース30の回転が停止し、リングギア28の回転が停止している場合には、このように左右のスタビライザバー12に入力される回転トルクの方向によってスタビライザ10の動作の状態が異なるが、ギアケース30は回転可能に設けられており、ギアケース30を回転させることにより、さらに異なる動作を行わせることができる。つまり、前輪側ギアボックス20と後輪側ギアボックス22とには、双方のリングギア28に噛み合う連結シャフトギア36を有する連結シャフト34が連結されている。また、連結シャフト34には、アクチュエータ40に設けられているアクチュエータギア42と噛み合う制御用ギア38が設けられている。このため、アクチュエータ40を作動させて回転トルクを発生させた場合、この回転トルクはアクチュエータギア42及び制御用ギア38を介して連結シャフト34に入力される。
このように、連結シャフト34に回転トルクが入力された場合、この回転トルクは、連結シャフトギア36を介してリングギア28に伝達される。これにより、リングギア28は回転する。また、このリングギア28は前輪側ギアボックス20や後輪側ギアボックス22のギアケース30と一体に設けられているため、リングギア28が回転した場合には、このリングギア28の回転に伴ってギアケース30も回転する。ギアケース30は、ピニオンギア26を支持しているため、ギアケース30が回転した場合、ギアケース30と共にピニオンギア26も回転する。このようにギアケース30と共にピニオンギア26が回転する場合における回転軸は、ピニオンギア26自体の回転軸ではなく、リングギア28の回転軸を中心として回転する。
このリングギア28の回転軸は、スタビライザバーギア24の回転軸とほぼ一致しているので、ピニオンギア26がリングギア28の回転軸を中心として回転する場合には、ピニオンギア26は、スタビライザバーギア24の回転軸を中心として回転することになる。このため、ピニオンギア26が、ギアケース30と共に回転した場合、この回転は、スタビライザバーギア24を介して左右のスタビライザバー12に伝達される。
スタビライザバー12は、車輪4が上下方向にストロークすることによる運動エネルギを回転トルクに変換し、左右の車輪4の動きに応じてそのまま回転したり、車輪4側から入力される回転トルクに対して反力を発生したりするが、ピニオンギア26が、ギアケース30と共に回転した場合における回転は、回転トルクとしてスタビライザバーギア24を介してスタビライザバー12に伝達される。その際に、この回転トルクは、左右のスタビライザバー12の状態に応じて、スタビライザバー12の回転トルクを強めたり、反対に回転トルクを弱めたりする作用をする。
つまり、ピニオンギア26からスタビライザバー12に伝達される回転トルクは、力の方向が、車輪4の上下方向の運動によってスタビライザバー12で発生する回転トルクの方向と反対方向の場合、スタビライザバー12の回転トルクを強める作用をする。このため、この場合は、車輪4の上下方向の運動に対するスタビライザバー12から車輪4の方向への反力が大きくなる。
反対に、ピニオンギア26からスタビライザバー12に伝達される回転トルクは、力の方向が、車輪4の上下方向の運動によってスタビライザバー12で発生する回転トルクの方向と同じ場合、スタビライザバー12の回転トルクを弱める作用をする。このため、この場合は、車輪4の上下方向の運動に対するスタビライザバー12から車輪4の方向への反力が小さくなり、車輪4は動き易くなる。
これらのように、アクチュエータ40を作動させて連結シャフト34を回転させ、リングギア28を回転させた場合、車輪4の上下方向に対するスタビライザバー12の反力が変化する。これにより、例えば、車両1がコーナリングを行う際に、コーナリングの外側に位置する車輪4に対応するスタビライザバー12の反力を大きくすることにより、コーナリング時におけるロール量を低減し、ロール角を小さくすることができる。車両1の走行時には、このようにアクチュエータ40を作動させることにより、ロール角を制御し、車両1の姿勢を制御することができる。
つまり、アクチュエータ40で発生した回転トルクを前輪側ギアボックス20及び後輪側ギアボックス22に伝達する連結シャフト34は、車両1のロールに応じて前輪6用及び後輪8用のスタビライザ10のピニオンギア26をスタビライザバーギア24の回転軸を中心として回転させることにより、スタビライザバーギア24の回転を調節することができる。これにより、スタビライザバー12から車輪4の方向への反力を調節することができ、ロール角を調節することができるため、走行時における車両1の姿勢を制御することができる。
図5は、アクチュエータでロール制御を行う場合における説明図である。車両1の走行時には、アクチュエータ40を制御することにより、ロール角を制御することができるが、次に、このように、アクチュエータ40によってロール角を制御する場合における手順について説明する。
本実施形態に係る車両制御装置2でロール角の制御を行う場合は、まず、ばね下の上下Gから、路面の変位として用いられるばね下の変位を、前後輪の同相ロール角と逆相ロール角の2成分に分離する。このため、ばね下G、即ち、ばね下加速度を、車輪4ごとに検出する(Step1)。具体的には、左前輪6Lのばね下加速度Aufl(ST1−1)、右前輪6Rのばね下加速度Aufr(ST1−2)、左後輪8Lのばね下加速度Aurl(ST1−3)、右後輪8Rのばね下加速度Aurr(ST1−4)を、それぞれ独立して検出する。このばね下加速度は、車体に対する相対的な路面の変位として、各車輪4に対応して設けられるばね下加速度センサ54によって車輪4ごとに独立して検出する。
次に、検出したばね下加速度に基づいて、前後輪の同相ロール角と逆相ロール角とをそれぞれ算出する(Step2)。これらのロール角を算出する場合には、まず、前輪6側と後輪8側のロール角の加速度を、それぞれ算出する。このようにロール角の加速度を算出する場合において、前輪6側のロール角の加速度を算出する場合は、(Auf=Aufr−Aufl)を演算することにより、前輪ロール角加速度Aufを算出する(ST2−1)。同様に、後輪8側のロール角の加速度を算出する場合は、(Aur=Aurr−Aurl)を演算することにより、後輪ロール角加速度Aurを算出する(ST2−2)。
次に、これらのように算出した前輪ロール角加速度Aufと後輪ロール角加速度Aurとを用いて、前後輪の同相分のロール角と逆相分のロール角とを算出する。このうち、同相分のロール角を算出する場合には、まず、{(Auf+Aur)/2}を演算することにより、前後輪の同相分の加速度を算出する(ST2−3)。さらに、この前後輪の同相分の加速度を2回積分することによって、前後輪同相ロール角θriを算出する(ST2−4)。
また、逆相分のロール角を算出する場合には、まず、{(Auf−Aur)/2}を演算することにより、前後輪の逆相分の加速度を算出する(ST2−5)。さらに、この前後輪の逆相分の加速度を2回積分することによって、前後輪逆相ロール角θraを算出する(ST2−6)。これらの演算を行うことにより、車輪4ごとにばね下加速度を検出することによって取得したばね下の変位、即ち、車体に対する路面の変位を、前後輪同相ロール角θriと前後輪逆相ロール角θraとの2成分に分離する。
次に、算出した前後輪同相ロール角θriと前後輪逆相ロール角θraとを用いて、同相成分によるロール角と、静的な力の釣り合いから逆相成分によるロール角とを算出する(Step3)。具体的には、同相成分のロール制御角と、逆相成分のロール制御角とを算出する。これらのロール制御角のうち、同相成分ロール制御角θriは、前後輪同相ロール角θriをそのまま用いる(ST3−1)。これに対し、逆相成分ロール制御角は、前後輪逆相ロール角θraと、この前後輪逆相ロール角θraに対して静的な力の釣り合いが取れる前輪6側のロール剛性Grf及び後輪8側のロール剛性Grrとを用いて、{(Grf−Grr)θra/(Grf+Grr)}を演算することにより算出する(ST3−2)。なお、この演算に用いられる前輪側ロール剛性Grfと後輪側ロール剛性Grrとは、車両1の特性を示す規定値として予め設定され、ECU60の記憶部に記憶されている。
次に、同相成分ロール制御角と逆相成分ロール制御角とを足し合わせ、ロール角が0となるアクチュエータ制御角を算出する(Step4)。このため、まず、{θri+(Grf−Grr)θra/(Grf+Grr)}を演算して同相成分ロール制御角と逆相成分ロール制御角とを足し合わせ、ロール制御角を算出する(ST4−1)。次に、算出したロール制御角を実現できるアクチュエータ制御角θactを算出する(ST4−2)。これにより、ロール角を0にするためにアクチュエータ制御角θactを算出し、アクチュエータ40の制御角がこのアクチュエータ制御角θactになるように、アクチュエータ40を作動させる。このように、アクチュエータ40の制御量として制御角を使用して、アクチュエータ40を制御する。
以上の車両制御装置2は、車両1の前輪6側と後輪8側とに設けられるスタビライザ10に、スタビライザバー12と一体になって回転可能なスタビライザバーギア24と、スタビライザバーギア24の回転軸に対して直交する回転軸を有し、左輪側及び右輪側の双方のスタビライザバーギア24と噛み合うピニオンギア26と、を設けている。これにより、ピニオンギア26は、スタビライザバーギア24の回転トルクが左輪用及び右輪用のスタビライザバーギア24で同相の場合には、ピニオンギア26自身が回転することによりスタビライザバーギア24間で回転を伝達することができ、スタビライザバーギア24の回転トルクが逆相の場合には、ピニオンギア26の回転が停止することにより、スタビライザバーギア24の回転を停止させることができる。従って、スタビライザバーギア24同士の回転トルクの状態、即ち、左輪用スタビライザバー14と右輪用スタビライザバー16との回転トルクの状態に応じて、この回転トルクに対するスタビライザバー12の反力を異ならせることができ、車輪4の上下方向のストロークに対する反力を異ならせることができる。
また、前輪6用及び後輪8用のスタビライザ10は、前輪側ギアボックス20と後輪側ギアボックス22とのそれぞれのリングギア28に連結シャフト34と連結シャフト34の連結シャフトギア36を噛み合わせることにより、連結シャフト34によって連結しており、連結シャフト34は、回転可能に設けられている。これにより、連結シャフト34を車両1のロールに応じて回転させることにより、スタビライザバー12の反力を調節することができ、車輪4の上下方向のストロークに対する反力を、車両1のロールに応じて調節することにより、ロール角を調節することができる。
また、車両1のロール角を調節する際には、前後のスタビライザ10に接続された連結シャフト34を回転させることのみによって調節することができるため、前後のスタビライザ10のそれぞれにモータ等の駆動源を設けることなく、車両1のロール角を調節することができる。これらの結果、車両1の姿勢制御の性能の確保と製造コストの低減とを両立することができる。
また、連結シャフト34は、回転することにより前輪6用及び後輪8用のスタビライザ10のピニオンギア26を回転させることを介して、スタビライザバーギア24の回転を調節可能に設けられている。つまり、連結シャフト34は、回転することによって前輪6用及び後輪8用のスタビライザ10のピニオンギア26を、スタビライザバーギア24の回転軸を中心として回転させることができ、これに伴い、スタビライザバーギア24の回転を調節することが可能に設けられている。従って、連結シャフト34を回転させることによってスタビライザバー12の反力を調節する際に、より確実に調節することができ、このスタビライザバー12の反力を調節することによって、車両1のロール角を、より確実に調節することができる。この結果、製造コストの低減の低減を図りつつ、より確実に車両1の姿勢制御の性能を確保することができる。
また、連結シャフト34には、連結シャフト34を回転させるアクチュエータ40が接続されているため、連結シャフト34に、より確実に任意の回転を行わせることができる。従って、1つのアクチュエータ40のみで、前後のスタビライザ10の作動を調節することができ、前輪6側と後輪8側とで、車両1のロール角を調節することができる。この結果、車両1の姿勢制御の性能の確保と製造コストの低減とを、より確実に両立することができる。
また、アクチュエータ40を制御する際には、ばね下加速度センサ54で検出したばね下加速度に基づいてアクチュエータ制御角θactを算出し、このアクチュエータ制御角θactを制御量として制御するため、高い精度でロール角を制御することができる。この結果、より適切に車両1の姿勢制御を行うことができる。
また、ロール角の制御を行う場合には、アクチュエータ40の動力が連結シャフト34を介して前輪6側のスタビライザ10と後輪8側のスタビライザ10との双方で制御を行うため、前輪6側と後輪8側との双方で、接地荷重を移動させることができる。これにより、ロール角の制御時に車両1の挙動が不安定になることを抑制することができる。この結果、製造コストの低減を図りつつ、より確実に車両1の姿勢制御の性能を確保することができる。
図6は、実施形態に係る車両制御装置の変形例であり、減衰力の調節が可能なアブソーバを備える車両の概略図である。なお、上述した車両制御装置2では、スタビライザバー12の回転状態を調節することのみによって車両1の姿勢を制御しているが、他の装置の制御も含めて、車両1の姿勢を制御してもよい。例えば、懸架装置50に設けられるショックアブソーバが、減衰力を任意に変化させることができる減衰力可変アブソーバ56の場合には、減衰力可変アブソーバ56の減衰力の制御を、スタビライザ10の制御に基づいて行ってもよい。つまり、スタビライザ10の制御のみでは車輪4の接地荷重変動が発生する場合があるため、その荷重変動を打ち消すように、減衰力可変アブソーバ56の制御を行うことにより、乗心地をさらに向上させる制御を行ってもよい。この場合、減衰力可変アブソーバ56はECU60に接続され、アクチュエータ40の制御と共に減衰力可変アブソーバ56もECU60で制御することにより、減衰力を変化させる。
図7は、アクチュエータの制御量に基づいて減衰力の制御を行う場合における説明図である。減衰力可変アブソーバ56の減衰力の制御をスタビライザ10の制御に基づいて行う場合には、まず、前輪6側のスタビライザ10の捩れトルクを算出する(Step5)。具体的には、スタビライザ10の制御時に算出した前後輪逆相ロール角θraから、逆相成分ロール制御角{(Grf−Grr)θra/(Grf+Grr)}を減算して、前輪側スタビ捩れ角θsfを算出する(ST5−1)。次に、算出した前輪側スタビ捩れ角θsfと前輪側ロール剛性Grfとを用いて、前輪6側のスタビ捩れトルクTsfを算出する(ST5−2)。この算出は、(Tsf=θsf×Grf)を演算することにより行う。これにより、前輪6側のスタビライザ10の捩れトルクであるスタビ捩れトルクTsfを算出する。
次に、前輪6と後輪8との接地トルク変動を算出する(Step6)。この接地トルク変動の算出は、まず、前輪側ロール剛性Grfと、スタビライザ10の制御時に算出したアクチュエータ制御角θactとを用いて、スタビライザ10の制御によって発生する前輪6側の発生トルクTcfを算出する(ST6−1)。この算出は、(Tcf=Grf×θact)を演算することにより行う。これにより、スタビライザ10の制御による前輪側発生トルクTcfを算出する。同様に、後輪側ロール剛性Grrと、スタビライザ10の制御時に算出したアクチュエータ制御角θactとを用いて、スタビライザ10の制御によって発生する後輪8側の発生トルクTcrを算出する(ST6−2)。この算出は、(Tcr=Grr×θact)を演算することにより行う。これにより、スタビライザ10の制御による後輪側発生トルクTcrを算出する。
次に、このように算出したスタビライザ10の制御による前輪側発生トルクTcfと、スタビ捩れトルクTsfとを用いて、スタビライザ10を制御することによる前輪6側の接地トルクの変動Ttfを算出する(ST6−3)。この算出は、(Ttf=Tsf+Tcf)を演算することにより行う。これにより、スタビライザ10を制御することによる前輪側接地トルク変動Ttfを算出する。同様に、スタビライザ10の制御による後輪側発生トルクTcrと、スタビ捩れトルクTsfとを用いて、スタビライザ10を制御することによる後輪8側の接地トルクの変動Ttrを算出する(ST6−4)。この算出は、(Ttr=Tsf+Tcr)を演算することにより行う。これにより、スタビライザ10を制御することによる後輪側接地トルク変動Ttrを算出する。これにより、スタビライザ10を制御することによる前輪6と後輪8との接地トルク変動を算出する。
次に、算出したスタビライザ10を制御することによる前輪側接地トルク変動Ttfと後輪側接地トルク変動Ttrとに基づいて、減衰力可変アブソーバ56の発生力を算出する(Step7)。このように、減衰力可変アブソーバ56の発生力を算出する場合には、まず、スタビライザ10を制御することによる各車輪4の接地荷重の変動を算出する。このように、接地荷重の変動を算出する場合には、スタビライザ10を制御することによる前輪側接地トルク変動Ttfより、左前輪6Lの接地荷重変動Fflと、右前輪6Rの接地荷重変動Ffrとを算出する(ST7−1、ST7−2)。同様に、スタビライザ10を制御することによる後輪側接地トルク変動Ttrより、左後輪8Lの接地荷重変動Frlと、右後輪8Rの接地荷重変動Frrとを算出する(ST7−3、ST7−4)。
次に、これらの接地荷重変動に基づいて、各車輪4に対応する減衰力可変アブソーバ56の発生力を算出する。ここで、減衰力可変アブソーバ56は、スタビライザ10を制御することによる各車輪4の接地荷重変動を打ち消すことができる力を発生させる。このため、各車輪4のアブソーバ発生力は、それぞれの車輪4の接地荷重変動に基づいて算出し、接地荷重変動の反力を、アブソーバ発生力として算出する。従って、左前輪6Lのアブソーバ発生力は、(−Ffl)として算出し(ST7−5)、右前輪6Rのアブソーバ発生力は、(−Ffr)として算出する(ST7−6)。同様に、左後輪8Lのアブソーバ発生力は、(−Frl)として算出し(ST7−7)、右後輪8Rのアブソーバ発生力は、(−Frr)として算出する(ST7−8)。
なお、このようにして算出したアブソーバ発生力が、減衰力可変アブソーバ56で発生可能な最大力を超える場合には、減衰力可変アブソーバ56で発生させることができる最大値を、アブソーバ発生力として選択する。減衰力可変アブソーバ56を制御する際には、このように車輪4ごとに算出したアブソーバ発生力を発生させることができるように制御する。これにより、スタビライザ10を制御することによって発生する接地荷重変動を、減衰力可変アブソーバ56によって打ち消す。
このように、懸架装置50による車輪4のストローク時における減衰力可変アブソーバ56の減衰力を、アクチュエータ40の制御量に基づいて制御することにより、スタビライザ10の制御時における接地荷重の変動によって発生する振動等を抑制することができる。つまり、スタビライザ10を制御した場合には、車輪4のストロークに対する反力を変化させるため、車輪4の接地荷重が変化する。このため、スタビライザ10の制御時には、この接地荷重の変化に起因して横方向の振動やヨー振動が発生する場合があるが、接地荷重の変動を打ち消す減衰力を減衰力可変アブソーバ56で発生させることにより、これらの振動を低減させることができる。この結果、車両1の走行時における乗心地を悪化させることなく、適切に車両1の姿勢制御を行うことができる。
また、上述した車両制御装置2では、ばね下加速度センサ54で検出するばね下加速度のみに基づいてロール角の制御を行っているが、ロール角の制御は、ばね下加速度以外に基づいて行ってもよい。例えば、ロール角の制御は、運転者が操作するハンドルの操舵角や操舵速度、車速、各車輪4の車輪速等に基づいて行ってもよい。ロール角を制御する場合には、これらのように、ロールに影響がある車両1の走行状態に基づいてアクチュエータ40を制御することにより、前輪6側と後輪8側との双方で、ロール角の制御を行うことができる。これにより、ロール角の制御を、1つのアクチュエータ40を制御することのみにより行うことができるため、製造コストの低減を図りつつ、より確実に車両1の姿勢制御の性能を確保することができる。
以上のように、本発明に係る車両制御装置は、スタビライザによって姿勢を調節する車両に有用であり、特に、車輪の動きに対するスタビライザの反力を制御する場合に適している。
1 車両
2 車両制御装置
4 車輪
6 前輪
8 後輪
10 スタビライザ
12 スタビライザバー
14 左輪用スタビライザバー
16 右輪用スタビライザバー
24 スタビライザバーギア
26 ピニオンギア
28 リングギア
30 ギアケース
34 連結シャフト
36 連結シャフトギア
40 アクチュエータ
50 懸架装置
54 ばね下加速度センサ
56 減衰力可変アブソーバ
60 ECU

Claims (5)

  1. 独立して回転可能な左輪用及び右輪用のスタビライザバーのそれぞれに設けられると共に、前記スタビライザバーと一体になって回転可能なスタビライザバーギアと、
    双方の前記スタビライザバーギアと噛合い、左輪用及び右輪用の前記スタビライザバーギアで回転方向が同相の場合には回転し、回転方向が逆相の場合には固定される接続ギアと、
    をそれぞれ有する前輪用及び後輪用のスタビライザと、
    前輪用及び後輪用の前記スタビライザを連結する連結シャフトと、
    を備え、
    前記連結シャフトを車両のロールに応じて回転させることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記連結シャフトは、回転することにより前輪用及び後輪用の前記スタビライザの前記接続ギアを回転させることを介して、前記スタビライザバーギアの回転を調節可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記連結シャフトには、前記連結シャフトを回転させるアクチュエータが接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御装置。
  4. さらに、路面の変位を検出する路面変位検出手段を有しており、
    前記アクチュエータの制御量は、前記路面変位検出手段で検出した前記路面変位に基づいて算出することを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
  5. 前記アクチュエータの制御量に基づいて、車輪の懸架装置による前記車輪のストローク時における減衰力を制御することを特徴とする請求項3または4に記載の車両制御装置。
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