JP2012056088A - 画像記録装置、及び、画像記録方法 - Google Patents

画像記録装置、及び、画像記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 記録速度を落とすことなく、平滑なオーバーコート面を有する画像の記録を行う。
【解決手段】 有色インク滴を媒体に噴出する有色インク噴出部と、オーバーコート用インク滴を前記媒体及び前記有色インク滴に重ねて噴出するオーバーコート用インク噴出部と、を備える画像記録装置であって、前記有色インク噴出部から噴出され、媒体上に形成可能な最大の有色インク滴よりも、前記オーバーコート用インク噴出部から噴出され、前記有色インク滴に重ねて形成可能な最大のオーバーコート用インク滴の方が大きい。
【選択図】 図11

Description

本発明は、画像記録装置、及び、画像記録方法に関する。
ノズルから液体(例えばインク)を噴出して媒体上に液滴(インクドット)を着弾させることで画像の記録を行う画像記録装置が知られている。このような画像記録装置で、一般的なカラーインク(例えばKCMYの各色インク)を用いて画像を記録した後に、オーバーコート用のインク(例えば透明インク)を用いて画像の上にオーバーコート面を形成させることにより、画像に光沢を持たせる記録方法が知られている。
画像をオーバーコートする際には、オーバーコート面の表面が平滑であるほど、均一な光沢が得やすい。しかし、オーバーコートを行う前の画像では、単位面積当たりに形成されるカラーインクドットの数や大きさが違うため、画像表面に凹凸を有する場合が多い。そのため、該画像表面上に平滑なオーバーコート面を形成させることは難しかった。そこで、単位面積当たりに噴出されるカラーインク量の大小に応じて、オーバーコート用インクの噴出量を調整することによって、平滑なオーバーコート面を形成する記録方法が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2005−199602号公報
特許文献1の方法によれば、平滑なオーバーコート面によって、均一な光沢を有する画像を形成することができる。しかし、画像によっては表面の凹凸が大きくなる場合がある。例えば、大サイズのカラーインクインクドットが形成されている画素と、カラーインクドットが形成されていない画素とが隣接するような画像では、その隣接する画素間で媒体表面から画像表面までの高さが大きく異なる。そのような画像では、オーバーコート用インクの噴出量を調整したとしても凹凸を十分に埋めることができず、1回のオーバーコートで平滑なオーバーコート面を形成することは困難である。その場合、複数回のオーバーコート作業を行う必要が生じ、記録速度が遅くなるという問題があった。
本発明では、記録速度を落とすことなく、平滑なオーバーコート面を有する画像の記録を行うことを目的としている。
上記目的を達成するための主たる発明は、有色インク滴を媒体に噴出する有色インク噴出部と、オーバーコート用インク滴を前記媒体及び前記有色インク滴に重ねて噴出するオーバーコート用インク噴出部と、を備える画像記録装置であって、前記有色インク噴出部から噴出され、媒体上に形成可能な最大の有色インク滴よりも、前記オーバーコート用インク噴出部から噴出され、前記有色インク滴に重ねて形成可能な最大のオーバーコート用インク滴の方が大きいことを特徴とする画像記録装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
第1実施形態の記録システムの全体構成を示すブロック図である。 図2Aは、プリンター1の構成を説明する図である。図2Bは、プリンター1の構成を説明する側面図である。 ヘッドの構造を説明するための断面図である。 カラーインクヘッド31の下面に設けられたノズルNzの説明図である。 クリアインクヘッド35の下面に設けられたノズルNzの説明図である。 オーバーコート層を概念的に説明する断面図である。 第1実施形態における画像記録処理のフローを示す図である。 カラーインクドットによって形成される画像の断面を概念的に表した図である。 カラーインクの噴出に用いられる駆動信号COMの一例を示す図である。 図8の画像の上にクリアインクドットによって形成されるオーバーコート層の断面を概念的に表した図である。 クリアの特大ドットが形成される場合のオーバーコート層の断面を概念的に表した図である。 クリアインクの噴出に用いられる駆動信号COMの一例を示す図である。 クリアインクの噴出量を算出する方法を説明する図である。 クリアインクの噴出量の分配方法を説明する図である。 第2実施形態の記録システムの全体構造を示すブロック図である。 プリンター2の構成を概略的に表した側面図である。 プリンター2の各ヘッドの下面に設けられたノズルの配置を説明する図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
有色インク滴を媒体に噴出する有色インク噴出部と、オーバーコート用インク滴を前記媒体及び前記有色インク滴に重ねて噴出するオーバーコート用インク噴出部と、を備える画像記録装置であって、前記有色インク噴出部から噴出され、媒体上に形成可能な最大の有色インク滴よりも、前記オーバーコート用インク噴出部から噴出され、前記有色インク滴に重ねて形成可能な最大のオーバーコート用インク滴の方が大きいことを特徴とする画像記録装置。
このような画像記録装置によれば、記録速度を落とすことなく、平滑なオーバーコート面を有する画像の記録を行うことができる。
かかる画像記録装置であって、前記カラーインク滴によって形成される画像及び前記媒体の上に、前記オーバーコート用インク滴によってオーバーコート層を形成するときに、1画素について1回前記オーバーコート用インク滴を噴出することによって、表面が平滑な前記オーバーコート層が形成されることが望ましい。
このような画像記録装置によれば、オーバーコート層の形成動作を複数回繰り返すことなく、1回で表面が平滑なオーバーコート面を形成することができるため、全体の記録速度をより早くすることができる。
かかる画像記録装置であって、単位面積当たりに噴出される前記有色インク滴の量と、単位面積当たりに噴出される前記オーバーコート用インク滴の量との和が一定であることが望ましい。
このような画像記録装置によれば、媒体の所定領域毎にカラードットとクリアドットとの合計噴出量が等しくなるので、当該所定領域毎に画像とオーバーコート層との合計の高さ(厚さ)を揃えやすくなる。
かかる画像記録装置であって、前記有色インク噴出部から噴出可能な前記有色インク滴の大きさの種類よりも、前記オーバーコート用インク噴出部から噴出可能な前記オーバーコート用インク滴の大きさの種類の方が、多いことが望ましい。
このような画像記録装置によれば、クリアインクドットを重ねるべきカラーインクドットの大きさに合わせて、最適な大きさのクリアインクドットを選択することができるため、画像とオーバーコート層との合計の高さの調整がしやすくなる。
かかる画像記録装置であって、前記有色インク及び前記オーバーコート用インクは、光硬化樹脂及び光重合開始剤を含有し、光が照射されることによって硬化するインクであって、前記有色インクに含有される前記光硬化樹脂及び前記光重合開始剤と、前記オーバーコート用インクに含有される前記光硬化樹脂及び前記光重合開始剤と、が同じ光重合開始剤であることが望ましい。
このような画像記録装置によれば、カラーインクドットとクリアインクドットとの硬化特性が同じになるため、それぞれのドットの大きさのばらつき等も少なくなり、画像とオーバーコート層との合計の高さ(厚さ)を揃えやすくなる。
かかる画像記録装置であって、前記有色インク滴に光を照射する光照射部を備え、前記有色インク噴出部によって前記媒体上に前記有色インク滴が形成された後、前記光照射部から光を照射することによって前記有色インク滴を硬化させ、硬化された前記有色インク滴の上に、前記オーバーコート用インク噴出部によって前記オーバーコート用インク滴が噴出されることが望ましい。
このような画像記録装置によれば、先に形成されたカラーインクドットを硬化させておくことで、その上にクリアインクドットを形成しても、カラーインクドットとクリアインクドットとが混合されるのを抑制することができるので、高画質な画像を記録できる。
かかる画像記録装置であって、前記有色インク滴を硬化させるために照射される光の出力は、前記媒体上で流動しない程度に前記有色インク滴を硬化させるために照射される光の出力よりも大きく、前記有色インク滴を完全に硬化させるために照射される光の出力よりも小さい、ことが望ましい。
このような画像記録装置によれば、クリアインクドットと混合せず、かつ、クリアインインクドットが弾かれて着弾位置がずれることもない程度にカラーインクドットを硬化させることによって、より高画質な画像の記録を行うことができる。
また、有色インク噴出部から有色インク滴を媒体に噴出することと、オーバーコート用インク噴出部からオーバーコート用インク滴を前記媒体及び前記有色インク滴に重ねて噴出することと、前記有色インク噴出部から噴出され、媒体上に形成される最大の有色インク滴よりも、前記オーバーコート用インク噴出部から噴出され、前記有色インク滴に重ねて形成される最大のオーバーコート用インク滴の方が大きいことと、を有する画像記録方法が明らかとなる。
===第1実施形態===
<画像記録装置の基本的構成>
発明を実施するための画像記録装置の形態として、インクジェットプリンター(プリンター1)を例に挙げて説明する。プリンター1は、紙等の媒体に向けてインクを噴出することによりインクドットを形成して、媒体に画像を記録するカラーインクジェットプリンターである。ここで、記録に使用するインクとしては、紫外線(以下、UVともいう)を照射することによって硬化する紫外線硬化型インク(以下、UVインクともいう)を使用することが可能である。本明細書では、UVインクを使用して記録を行う例について説明する。
UVインクは、紫外線硬化樹脂を含むインクであり、UVの照射を受けると紫外線硬化樹脂において光重合反応が起こることにより硬化する。なお、本実施形態のプリンター1は、4色のカラー(有色)インク(KCMY)と、該カラーインクによって記録される画像の表面をコーティング(オーバーコート)するためのクリアインク(CL)とを用いて記録を行う。使用するインクの詳細については後述する。
<プリンターの構成>
図1は、プリンター1の全体構成を示すブロック図である。
プリンター1は外部制御装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、コンピューター110の表示装置にユーザーインターフェイスを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを記録データに変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、プリンタードライバーはインターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
コンピューター110はプリンター1に画像を記録させるため、記録させる画像に応じて画像データから変換した記録データをプリンター1へ送信する。記録データは、プリンター1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、画素データとを有する。コマンドデータとは、プリンター1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、給紙を指示するコマンドデータ、搬送量を示すコマンドデータ、排紙を指示するコマンドデータがある。また、画素データは、記録される画像の画素に関するデータである。
ここで、画素とは画像を構成する単位要素であり、この画素が2次元的に並ぶことにより画像が構成される。記録データにおける画素データは、媒体(例えば紙Sなど)上に形成されるドットに関するデータ(例えば、階調値)である。画素データは画素毎に2ビットのデータによって構成される。この2ビットの画素データは1つの画素を4階調で表現できる。
プリンター1は、搬送ユニット10と、キャリッジユニット20と、ヘッドユニット30と、照射ユニット40と、検出器群50と、コントローラー60と、を有する。コントローラー60は、外部装置であるコンピューター110から受信した印刷データに基づいて搬送ユニット10やキャリッジユニット20等の各ユニットを制御し、媒体に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は検出器群50から出力された検出結果に基づいて各ユニットを制御する。
<搬送ユニット10>
図2Aは本実施形態のプリンター1の構成を表した鳥瞰図であり、図2Bはプリンター1の構成を表した側面図である。なお、図2Aではプリンター1の構成が分かりやすいように、キャリッジ25や本硬化用照射部43等、一部の機器を省略して示している。
搬送ユニット10は、媒体(例えば紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。ここで、搬送方向はキャリッジの移動方向と交差する方向である。搬送ユニット10は、給紙ローラー11と、搬送モーター12と、搬送ローラー13と、プラテン14と、排紙ローラー15とを有する(図2A及び図2B)。
給紙ローラー11は、紙挿入口に挿入された紙Sをプリンター内に給紙するためのローラーである。搬送ローラー13は、給紙ローラー11によって給紙された紙Sを記録可能な領域まで搬送するローラーであり、搬送モーター12によって駆動される。搬送モーター12の動作はプリンター側のコントローラー60により制御される。プラテン14は、記録中の紙Sを、紙Sの裏側から支持する部材である。排紙ローラー15は、紙Sをプリンターの外部に排出するローラーであり、記録可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。
<キャリッジユニット20>
キャリッジユニット20は、ヘッドユニット30が取り付けられたキャリッジを所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット20は、カラーインクヘッド用キャリッジ21(以下、キャリッジ21ともいう)と、キャリッジモーター22と、クリアインクヘッド用キャリッジ25(以下、キャリッジ25ともいう)と、キャリッジモーター26と、を有する。キャリッジ25はキャリッジ21よりも搬送方向下流側に設けられる(図2A及び図2B)。
キャリッジ21及びキャリッジ25は、それぞれ移動方向に往復移動可能であり、それぞれキャリッジモーター22及びキャリッジモーター26によって駆動される。キャリッジモーター22及び26の動作はプリンター側のコントローラー60により制御される。通常の場合、クリアインクヘッド用キャリッジ25の動作は、カラーインクヘッド用キャリッジ21の動作に同期するように制御される。また、キャリッジ21及び25は、インクを収容するインクカートリッジをそれぞれ着脱可能に保持している。
<ヘッドユニット30>
ヘッドユニット30は、紙Sにインクを噴出するためのものである。ヘッドユニット30は、カラーインクを噴出する複数のノズルを有するカラーインクヘッド31(以下、ヘッド31ともいう)と、クリアインクを噴出する複数のノズルを有するクリアインクヘッド35(以下、ヘッド35ともいう)と、ヘッド制御部HCとを備える。本実施形態では、カラーインクによって画像を記録してから、その上に重ねてクリアインクを噴出することで画像をオーバーコートするオーバーコート層を形成する。そのため、クリアインクヘッド35はカラーインクヘッド31よりも搬送方向の下流側に配置される(図2B参照)。
カラーインクヘッド31はカラーインクヘッド用キャリッジ21に設けられ、キャリッジ21が移動方向に移動すると、ヘッド31も移動方向に移動する。そして、ヘッド31が移動方向に移動中にカラーインクを断続的に噴出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が紙に形成される。このカラーインクによるドットラインが搬送方向に集合することで画像が形成される。
同様に、クリアインクヘッド35はクリアインクヘッド用キャリッジ25に設けられ、キャリッジ25が移動方向に移動すると、ヘッド35も移動方向に移動する。そして、ヘッド35が移動方向に移動中にクリアインクを断続的に噴出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が前述の画像の上に形成される。このクリアインクによるドットラインによってオーバーコート層が形成される。
図3は、カラーインクヘッド31の構造を示した断面図である。カラーインクヘッド31は、ケース311と、流路ユニット312と、ピエゾ素子群PZTとを有する。ケース311はピエゾ素子群PZTを収納し、ケース311の下面に流路ユニット312が接合されている。流路ユニット312は、流路形成板312aと、弾性板312bと、ノズルプレート312cとを有する。流路形成板312aには、圧力室312dとなる溝部、ノズル連通口312eとなる貫通口、共通インク室312fとなる貫通口、インク供給路312gとなる溝部が形成されている。弾性板312bはピエゾ素子PZTの先端が接合されるアイランド部312hを有する。そして、アイランド部312hの周囲には弾性膜312iによる弾性領域が形成されている。インクカートリッジに貯留されたインクが、共通インク室312fを介して、各ノズルNzに対応した圧力室312dに供給される。ノズルプレート312cはノズルNzが形成されたプレートである。
ピエゾ素子群PZTは、櫛歯状の複数のピエゾ素子(駆動素子)を有し、ノズルNzに対応する数分だけ設けられている。ヘッド制御部HCなどが実装された配線基板(不図示)によって、ピエゾ素子に駆動信号COMが印加されると、駆動信号COMの電位に応じてピエゾ素子は上下方向に伸縮する。ピエゾ素子PZTが伸縮すると、アイランド部312hは圧力室312d側に押されたり、反対方向に引かれたりする。このとき、アイランド部312h周辺の弾性膜312iが変形し、圧力室312d内の圧力が上昇・下降することにより、ノズルからインク滴が噴出される。
なお、クリアインクヘッド35の構造も同様である。
図4は、カラーインクヘッド31の下面に設けられたノズルNzの配置を説明する図である。カラーインクヘッド31では、イエローインクを噴出するイエローノズル列Yと、マゼンタインクを噴出するマゼンタノズル列Mと、シアンインクを噴出するシアンノズル列Cと、ブラックインクを噴出するブラックノズル列Kとからなるカラーインクノズル列が移動方向に並列に並んでいる。KCMYの各色ノズル列は、それぞれ2列ずつのノズル列から構成されている。1列のノズル列はインクを噴出するための噴出口であるノズルNzを180個ずつ有し、それぞれのノズルNzは搬送方向に所定間隔Dにて並んでいる。図4に示すように、各ノズルNzには#1〜#180の番号が付される。また、隣り合うノズル列間ではノズルNzが搬送方向にD/2ずつズレた位置に配置されている。なお、各ノズル列における実際のノズル数は180個には限られず、例えばノズル数が90個であったり360個であったりしてもよい。
キャリッジ21にはこのようなヘッド31が千鳥状に2個配置されている。
図5は、クリアインクヘッド35の下面に設けられたノズルNzの配置を説明する図である。クリアインクヘッド35は、クリアインクを噴出するクリアインクノズル列CLを備えている。クリアインクノズル列CLは2列のノズル列から構成される。1列のノズル列はインクを噴出するための噴出口であるノズルNzを180個ずつ有し、それぞれのノズルNzは搬送方向に所定間隔Dにて並んでいる。図5に示すように、各ノズルNzには#1〜#180の番号が付される。また、隣り合うノズル列間ではノズルNzが搬送方向にD/2ずつズレた位置に配置されている。
キャリッジ25にはこのようなヘッド35が千鳥状に2個配置されている。
<照射ユニット40>
照射ユニット40は、媒体に着弾したUVインクドットに向けてUVを照射するものである。媒体上に形成されたインクドットは、照射ユニット40からのUVの照射を受けることにより硬化する。本実施形態の照射ユニット40は、仮硬化用照射部41a、41b、41c、41dと、仮本硬化用照射部42と、本硬化用照射部43とを備えている。
仮硬化用照射部41a及び41bは、カラーインクヘッド用キャリッジ21の移動方向の両側に備えられ、カラーインクノズル列KCMYを挟むように配置されている(図4参照)。これにより、カラーインクヘッド用キャリッジ21が、一端側から他端側へ、または、他端側から一端側へのいずれの方向に移動しつつ噴出したインクであっても、UVを照射することができるように構成されている。同様に、仮硬化用照射部41c及び41dは、クリアインクヘッド用キャリッジ25の移動方向の両側に備えられ、クリアインクノズル列CLを挟むように配置されている(図5参照)。
仮硬化用照射部41a〜41dは、それぞれ媒体に向けてUVを照射するための光源を備えている。本実施形態では、仮硬化用照射部41a〜41dの光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いている。LEDは入力電流の大きさを制御することによって、照射エネルギーを容易に変更することが可能である。なお、仮硬化用照射部41a〜41dの光源は、それぞれ仮硬化用照射部41a〜41d内に収容されることによりヘッド31及びヘッド35から隔離されている。これにより、光源から照射されるUVがヘッド31及びヘッド35の下面へ漏れるのを防ぎ、以って、当該下面に形成された各ノズルの開口付近でUVインクが硬化すること(ノズルの目詰まり)を防止している。
仮本硬化用照射部42は、カラーインクヘッド31よりも搬送方向下流側で、クリアインクヘッド35よりも搬送方向上流側に配置される(図2B参照)。仮本硬化用照射部42は、印刷対象となる媒体の幅よりも長く形成されており、移動することなく媒体に向けてUVを照射して、カラーインクヘッド31によって形成された画像の仮本硬化を行う。
仮本硬化用照射部42も光源として発光ダイオードを用いている。
本硬化用照射部43は、クリアインクヘッド35よりも搬送方向下流側に配置される(図2B参照)。本硬化用照射部43は、印刷対象となる媒体の幅よりも長く形成されており、移動することなく媒体に向けてUVを照射する。これにより、カラーインクヘッド31によって形成された画像、及びクリアインクヘッド35によって形成されたオーバーコート層の本硬化を行う。
本硬化用照射部43の光源としては、ランプ(メタルハライドランプ、水銀ランプなど)が用いられる。UVインクドットを本硬化させるためには、照射エネルギーの大きな光源が必要だからである。
なお、仮硬化、仮本硬化、本硬化の詳細については後で説明する。
<検出器群50>
検出器群50は、プリンター1の状況を監視するためのものである。検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、及び光学センサ54等が含まれる(図2A及び図2B)。
リニア式エンコーダ51は、キャリッジ21(及びキャリッジ25)の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラー13の回転量を検出する。紙検出センサ53は、給紙中の紙Sの先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ21(及びキャリッジ25)に取付けられている発光部と受光部により、対向する位置の紙Sの有無を検出し、例えば、移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙Sの先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
<コントローラー60>
コントローラー60は、プリンターの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する(図1)。
インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1の全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して搬送ユニット10等の各ユニットを制御する。
<プリンターの基本的な記録動作>
プリンター1の記録動作について簡単に説明する。コントローラー60は、コンピューター110からインターフェイス部61を介して記録命令を受信し、各ユニットを制御することにより、給紙処理・ドット形成処理・搬送処理等を行う。
給紙処理は、記録すべき媒体をプリンター内に供給し、記録開始位置(頭出し位置とも言う)に媒体を位置決めする処理である。コントローラー60は、給紙ローラー11を回転させ、記録すべき媒体を搬送ローラー13まで送る。続いて、搬送ローラー13を回転させ、給紙ローラー11から送られてきた媒体を記録開始位置に位置決めする。
ドット形成処理は、移動方向(走査方向)に沿って移動するヘッドからUVインクを断続的に噴出させ、媒体上にドットを形成する処理である。コントローラー60は、キャリッジ21を移動方向に移動させ、キャリッジ21が移動している間に、印刷データに基づいてヘッド31からカラーインク(KCMY)を噴出させる。噴出されたインク滴が媒体上に着弾すると、媒体上にドットが形成され、媒体上には移動方向に沿った複数のドットからなるドットラインが形成される。なお、形成されたドットは照射ユニット40からUVの照射を受けることによって硬化される。UVインクドットの硬化の詳細は後で説明する。
搬送処理は、媒体を搬送方向に沿って、ヘッドに対して相対的に移動させる処理である。コントローラー60は、搬送ローラー13を回転させて媒体を搬送方向に搬送する。この搬送処理により、ヘッド31は、先ほどのドット形成処理によって形成されたドットの位置とは異なる位置にドットを形成することが可能になる。
コントローラー60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返し、ドットラインにより構成される画像を徐々に媒体に記録する。
画像が記録された媒体は、さらに搬送方向の下流側へと搬送され、ヘッド31よりも搬送方向下流側に設置されたヘッド35からクリアインク(CL)が噴出される。これにより、媒体及び形成された画像の上にクリアインクドットからなるオーバーコート層が形成される。図6に、オーバーコート層を概念的に説明する断面図を示す。図のように、画像が形成された部分を含む媒体全体にクリアインク(CL)を噴出し、クリアインクドットで覆うことによってオーバーコート層が形成される。オーバーコート層の表面で光が反射されるため、画像は光沢を有するようになる。
コントローラー60は、印刷すべきデータがなくなると、排紙ローラーを回転させてその媒体を排紙する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。次の印刷を行う場合は同処理を繰り返し、行わない場合は、印刷動作を終了する。
===UVインクの硬化について===
本実施形態では、媒体に着弾したUVインクにUVを照射することでドットを硬化させている。プリンター1では、仮硬化用照射部41a〜41dと、仮本硬化用照射部42と、本硬化用照射部43とを用いて、3段階の硬化を行なっている。
<仮硬化・仮本硬化・本硬化の説明>
仮硬化は、媒体に着弾したUVインクの流動(ドットの広がり)を抑えるためにドットの表面部分を硬化するものである。
前述のように、仮硬化用照射部41a及び41bはキャリッジ21の移動方向両端に搭載されており、キャリッジ21の移動に伴ってヘッド31と一体的に移動方向に移動する。すなわち、ヘッド31に備えられた各色のノズル列が往復移動する際、仮硬化用照射部41a及び41bは各色ノズル列に対する相対位置を維持しながら往復移動する。そして、往復移動を行いながら仮硬化用照射部41a及び41bから媒体に向けてUVが照射される。具体的には、往動の期間には仮硬化用照射部41aからUVが照射され、復動の期間には仮硬化用照射部41bからUVが照射される。このように仮硬化は、ドットを形成するのと同じパスにおいて行なわれる。これにより、媒体上に形成されたカラーインクドットの流動を抑制して、ドット位置がずれたり、他色のドットと混合して滲んだりすることを防止する。
また、仮硬化用照射部41c及び41dはキャリッジ25の移動方向両端に搭載されており、仮硬化用照射部41a及び41bと同様の機能を有する。仮硬化用照射部41c及び41dは、画像の上に形成されたクリアインクドットを仮硬化させ、該クリアインクドットの流動等を抑制してオーバーコート層を形成する(図6)。
仮本硬化は、カラーインクドットによって形成された画像の上にクリアインクドットを噴出して画像をオーバーコートする際に、カラーインクドットとクリアインクドットとの間で滲みや混色が生じないように、カラーインクドットを所定の固さに硬化させておくためのものである。ここで、カラーインクドットを硬化しすぎると、その上に噴出されるクリアインクドットをはじいてしまうため、適度な強度でUVを照射しなければならない。したがって、仮本硬化において照射されるUVは、仮硬化用において照射されるUVよりも出力(エネルギー)が大きく、本硬化用において照射されるUVよりも出力(エネルギー)が小さいものである必要がある。
上流側でカラーインクドットによって画像が形成された媒体が、仮本硬化用照射部42の下まで搬送されると、仮本硬化用照射部42によるUVの照射を受け、カラーインクドット全体が仮本硬化される。
本硬化は、カラーインクドット及びクリアインクドットを完全に硬化させ、形成された画像及びオーバーコート層を安定させるためのものである。したがって、本硬化において照射されるUVは、仮硬化や仮本硬化において照射されるUVよりも大きなエネルギーを有する。
上流側で画像及びオーバーコート層が形成された媒体が、本硬化用照射部43の下まで搬送されると、本硬化用照射部43によるUVの照射を受け、形成されている全てのカラーインクドット及びクリアインクドットが完全に硬化される。
<UVインクの組成>
本実施形態で使用されるUVインクは、紫外線硬化樹脂や光重合開始剤によって構成される。紫外線硬化樹脂としては、アクリルアミドやフェイキシエチルアクリレート等のモノマー、及び、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等のオリゴマーを使用することができる。また、光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノン、ポリ塩化ポリフェニル等を使用することができる。UVインクに紫外線や電子線等を照射すると、光重合開始剤においてラジカル(活性種)が生成される。このラジカルがモノマーやオリゴマーの反応基と反応することでラジカル重合が開始され、瞬時に硬化が始まる。
UVインクの組成は、紫外線を照射した際の当該UVインクの光硬化性(例えば硬化速度や硬化時の変形等)に大きな影響を与える。そのため、本実施形態で使用されるUVインクのうち、カラーインク(KCMY)とクリアインク(CL)との組成はなるべく同じであることが望ましい。後述するように、本実施形態では形成されるクリアインクドットの大きさをカラーインクドットの大きさに合わせて調整することによって、オーバーコート層の表面を平滑にして均一な光沢を有する画像を形成している。そのため、同じ組成のインクを使用することによって、カラーインクドットの硬化性とクリアインクドットの硬化性とが同等となれば、ドットサイズを調整しやすくなる。
===プリンタードライバーによる画像の記録処理===
図7に、本実施形態でプリンタードライバーが行う画像の記録処理のフロー図を示す。プリンタードライバーは、アプリケーションプログラムから画像データを受け取り、プリンター1が解釈できる形式の記録データに変換し、記録データをプリンターに出力する。アプリケーションプログラムから画像データを記録データに変換する際に、プリンタードライバーは、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理等を行う。以下に、画像データを用いて画像を記録するためにプリンタードライバーが行う各種の処理について説明する。
(S101:画像データの取得)
はじめに、プリンター1と接続されたコンピューター110にプリンタードライバーがインストールされる。そして、ユーザーがアプリケーションプログラム上から印刷を指示して印刷が開始されると、プリンタードライバーが呼び出され、プリンター1はアプリケーションプログラムから印刷対象となる画像データを取得する。
(S102:解像度変換処理)
解像度変換処理は、アプリケーションプログラムから出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、媒体に記録する際の解像度(記録解像度)に変換する処理である。例えば、記録解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラムから受け取ったベクター形式の画像データを720×720dpiの解像度のビットマップ形式の画像データに変換する。
なお、解像度変換処理後の画像データの各画素データは、RGB色空間により表される各階調(例えば256階調)のRGBデータである。
(S103:色変換処理)
色変換処理は、RGBデータをKCMY色空間のデータに変換する処理である。KCMY色空間の画像データは、プリンターが有するインクの色に対応したデータである。この色変換処理は、RGBデータの階調値とKCMYデータの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)に基づいて行われる。
なお、色変換処理後の画素データは、KCMY色空間により表される256階調の8ビットCMYKデータである。
(S104:ハーフトーン処理)
ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンターが形成可能な階調数のデータに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや、4階調を示す2ビットデータに変換される。ハーフトーン処理では、ディザ法・γ補正・誤差拡散法などが利用される。ハーフトーン処理されたデータは、記録解像度(例えば720×720dpi)と同等の解像度である。ハーフトーン処理後の画像データでは、画素ごと1ビット又は2ビットの画素データが対応しており、この画素データは各画素でのドット形成状況(ドットの有無、ドットの大きさ)を示すデータになる。
(S105:ラスタライズ処理)
ラスタライズ処理は、マトリクス状に並ぶ画素データを、プリンター1に転送すべきデータ順に、画素データごとに並び替える。例えば、各ノズル列のノズルの並び順に応じて、画素データを並び替える。
その後、プリンタードライバーは、プリンター1を制御するための制御データを画素データに付加することによって印刷データを生成し、その印刷データをプリンター1に送信する。
プリンター1は、受信した記録データに従って、記録動作を行う。具体的に、プリンター1のコントローラー60は、受信した記録データの制御データに従って搬送ユニット10を制御する。また、記録データの画素データに従ってヘッドユニット30を制御してヘッド31等に備えられた各ノズルから各種のインクを噴出させて媒体上にインクドットを形成し、照射ユニット40からUVを照射させてインクドットを硬化させる。
===クリアインク(CL)を用いたオーバーコート層の形成について===
本実施形態では、カラーインクを用いて記録された画像の上にクリアインクを噴出することで、該画像の記録面上に透明なオーバーコート層を形成する(図6)。ここでは、オーバーコート層を形成するためのクリアインクの噴出方法について説明する。
<カラーインクドットの大きさについて>
まず、画像及びオーバーコート層と、カラーインクドットの大きさ(ドット径)との関係について説明する。
図8は、カラーインクドットによって形成される画像の断面の様子を概念的に表した図である。図で媒体上に形成されている複数の黒丸はカラーインクドット(KCMY)であり、このカラーインクドットの集まりによって画像が形成される。前述のハーフトーン処理後の画像データで各画素は、KCMYの各色について[00]、[01]、[10]、[11]の4種類(2bit)のデータ(階調値)で表される。つまり、各色について4種類の階調値に対応した4種類の大きさのドットによって画像が形成される。本実施形態においては、ある画素の画素データが[00]の時はドットが形成されず(ドット径がゼロのドットが形成されるものと考える)、[01]の時は小ドットが形成され、[10]の時は中ドットが形成され、[11]の時は大ドットが形成される。
画素毎に形成されるインクドットの大きさの違いによって、媒体から画像表面までの高さの差も大きくなる。そして、隣り合う画素に形成される2つのインクドットの大きさが異なるほど、その画素間では高低差が生じる。例えば、図8で大ドットと小ドットとが隣り合って形成されている部分では画像表面に大きな段差が発生する。そして、画像表面全体は、図8の破線で示されるような凹凸を有する形状となる。なお、図8では説明の簡略化のため、1画素に対して1ドットが形成されているが、実際の印刷時には1画素に2以上(KCMYのうち2色以上)のドットが形成されることもある。
ここで、カラーインクドットの大きさは、ピエゾ素子PZTに印加される駆動信号COM(電圧波形)の種類によって定められる。図9に駆動信号COMの一例を示す。駆動信号COMは図のように周期Tの間に変動する電位で表される波形であり、区間T1〜T3の間にそれぞれ駆動パルスPS1〜PS3を有する。この駆動パルスから所定のパルスを選択して組み合わせることにより、実際にピエゾ素子PZTに印加する駆動信号が生成される。
インク噴出に際して、[00]〜[11]の4階調で表される各画素のデータに応じて、波形選択信号生成部(不図示)で生成される波形選択信号により、PS1〜PS3の中から所定の駆動パルスが適宜選択される。そして、選択された駆動パルスが駆動信号としてピエゾ素子PZTに印加される。ピエゾ素子PZTは印加された駆動信号に応じて駆動することによりノズルから所定量のインクを噴出させて、各画素の画素データ(階調値)に対応する大きさ(量)のインクドットを形成する。
例えば図9の場合、ある画素の画素データが[00]であるときは駆動パルスPS1〜PS3のいずれも選択されないため、ピエゾ素子PZTは駆動されない。したがって、インクは噴出されず、ドットも形成されない。また、ある画素の画素データが[01]であるときは駆動パルスPS2のみが選択され、ピエゾ素子PZTに印加される。ピエゾ素子PZTが駆動パルスPS2により駆動されると、小ドットを形成する量のインクがノズルから噴出され、媒体上に小ドットが形成される。同様に、画素データが[10]であれば駆動パルスPS1及びPS3が選択されて中ドットが形成され、画素データが[11]であれば全ての駆動パルスが選択されて大ドットが形成される。
このように印加する駆動信号の波形を変更することによって、画素毎に形成されるドットの大きさをコントロールする。
図10は、図8の画像の上にクリアインクドットによって形成されるオーバーコート層の断面の様子を概念的に表した図である。図で媒体及び画像(カラーインクドット)の上に形成されている複数の白丸はクリアインクドット(CL)であり、このクリアインクドットの集まりによってオーバーコート層が形成される。
<オーバーコート層の表面について>
均一な光沢の画像を得るためには、オーバーコート層に入射する光を一様に反射させる必要があるため、オーバーコート層の表面がなるべく平滑であることが望ましい。しかし、オーバーコート層が形成される土台となる画像表面は、通常の場合、図8で説明したような凹凸を有している。このような凹凸面に対応するためには、ある画素におけるカラーインクドットの大きさに合わせて、当該画素に噴出するべきクリアインクドットの大きさが決定されればよい。
例えば、図10の画像形成部(カラーインクドットが形成されている部分)においては、カラーの小ドットが形成されている画素にはクリアの大ドットが重ねて形成される。また、カラーの中ドットが形成されている画素にはクリアの中ドットが重ねて形成され、カラーの大ドットが形成されている画素にはクリアの小ドットが重ねて形成される。そして、非画像形成部(カラーインクドットが形成されていない部分)においては、1段目にクリアの大ドットを形成し、2段目にクリアの小ドットを重ねて形成する。
各画素で、カラーインクドットとクリアインクドットとの合計の高さ(媒体表面からの高さ)がなるべく揃うようにすることで、クリアインク層の表面を平滑にすることができる。これにより、平滑なオーバーコート層を形成し、均一な光沢を有する画像を印刷することができる。
しかし、図10の例では非画像形成部において少なくとも2回のオーバーコート層形成動作を行う必要がある。つまり、カラーインクドットが形成されていない画素にはクリアインクドットを最低でも2回噴出させる必要があり、その分印刷時間が余計にかかる。
<クリアインクドットの大きさについて>
前述のような印刷時間の問題を解消するために、本実施形態ではカラーインクの大ドットよりもさらに大きなドット径を有するクリアインクドット(特大ドット)が形成される。図11に、クリアの特大ドットが形成される場合のオーバーコート層の断面の様子を概念的に表した図を示す。非画像形成部(カラーインクドットが形成されていない部分)にクリアの特大ドットが形成されることにより、画像形成部だけではなく、非画像形成部も含む媒体全体に亘って表面が平滑なオーバーコート層を作ることができる。そして、図11のように特大のクリアインクドットを形成することで、オーバーコート層の形成を2段階に分けず、1回で表面が平滑なオーバーコート層を形成することができるようになる。これによって、印刷時間を短縮しつつ、均一な光沢を有する画像を形成することができる。
図11に示されるように、本実施形態においては4種類以上の大きさのクリアインクドットが形成される。どの画素に、どの大きさのクリアインクドットが形成されるかについては後で説明する。
クリアインクドットの大きさは、カラーインクドットの場合と同様に、ピエゾ素子PZTに印加される駆動信号COM(電圧波形)の種類によって定められる。本実施形態においては、後述するように、カラーインクドットのうち最もドット径が大きなドット(前述の例ではカラーの大ドット)よりもさらに大きなドット径を有するクリアインクドット(特大ドット)を形成する必要がある。したがって、クリアインクドットを形成するためにピエゾ素子PZTに印加する駆動信号COMは、カラーインクドットを形成する場合のものとは異なる波形とする必要がある。
図12に、クリアインク噴出に用いられる駆動信号COMの一例を示す。クリアインク噴出に用いられる駆動信号COMは、周期Tの区間T1〜T4の間にそれぞれ駆動パルスPS´1〜PS´4を有する。この駆動パルスから所定のパルスを選択して組み合わせることにより、実際にピエゾ素子PZTに印加する駆動信号が生成される。
クリアインクドットを生成するためのデータも[00]〜[11]の4階調(2bit)で表される。図12の場合、ある画素の画素データが[00]であるときは駆動パルスPS´2のみが選択され、ピエゾ素子PZTに印加される。ピエゾ素子PZTが駆動パルスPS´2により駆動されると、小ドットを形成する量のクリアインクがノズルから噴出され、媒体上にクリアの小ドットが形成される。また、ある画素の画素データが[01]であるときは駆動パルスPS´2及びPS´3が選択され、ピエゾ素子PZTに印加される。そして、ピエゾ素子PZTが駆動パルスPS´2及びPS´3により駆動されると、中ドットを形成する量のクリアインクがノズルから噴出され、媒体上にクリアの中ドットが形成される。同様に、画素データが[10]であれば駆動パルスPS´2〜PS´4が選択されてクリアの大ドットが形成され、画素データが[11]であれば全ての駆動パルスが選択されてクリアの特大ドットが形成される。
なお、カラーの小ドットを形成するために印加されるPS2(図9)と、クリアの小ドットを形成するために印加されるPS´2(図12)とで波形が同一でない場合は、形成されるカラーインクドットとクリアインクドットとの大きさも同一にはならない。但し、駆動信号COMの各駆動パルス波形を調整することで、それぞれのドットサイズを調整することができる。
ところで、カラーインクドットとクリアインクドットの大・中・小のドット径がそれぞれ全く異なる場合は、各画素について合計の高さ(媒体表面からオーバーコート層表面までの高さ)を揃えることは難しい。したがって、クリアインクドットは4種類に限らず、なるべく多くの種類(大きさ)を形成できることが望ましい。カラーインクドット径の大きさの種類よりも、クリアインクドット径の大きさの種類を多くすることで、オーバーコート層の厚さについて、より詳細な調整が可能となるからである。これにより、全体の高さ(カラーインクドットとクリアインクドットとの合計の高さ)を均一にしやすくなる。
クリアインクドットの大きさは前述のように、印加する駆動信号の波形により調整される。そこで、異なる駆動パルスを含む数種類の駆動信号COMを用意しておき、画像記録ジョブ毎に使用する駆動信号COMを変更する(マルチショット)ことで、より多くのサイズを有するドットを形成することができるようになる。
<クリアインクドットの噴出方法>
オーバーコート層を形成するためのクリアインクの噴出方法について説明する。
プリンター1を用いた実際の画像記録においては、ピエゾ素子PZTに印加する駆動信号の波形形状の種類が限られていることから、形成できるドットのサイズは限定される。また、カラーインクドット及びクリアインクドットが着弾予定の位置(画素)からずれて形成されてしまう場合もある。したがって、実際の記録時にカラーインクドットとクリアインクドットとの合計の高さを画素単位で均一に揃えることは難しい。そこで、本実施形態では、画素単位ではなく、所定の領域(以下、単位領域ともいう)についての平均高さを揃えるように、クリアインクを噴出する。
具体的には、(A)所定数の画素によって構成される単位領域(例えば3×3画素分の領域)毎に噴出するべきクリアインクの総量を算出し、(B)算出されたクリアインク噴出総量を、単位領域を構成する画素毎に分配することによって、各画素についてのクリアインク噴出量を決定する。単一画素ではなく、数画素分の領域について考えることで、画像(媒体)全体に亘ってなるべく平滑なオーバーコート層を形成する。
(A)クリアインク噴出量の算出
単位領域についてのカラーインクの噴出量(以後、カラーインク打ち込み量ともいう)と、その単位領域についてのクリアインクの噴出量(以後、クリアインク打ち込み量ともいう)との合計が一定となるように、クリアインク打ち込み量を算出する。
図13は、クリアインクの噴出量を算出する方法を説明する図である。図13の破線で区切られた1マス分の領域が1画素を表し、黒丸は小・中・大のカラーインクドットを表す。また、説明のため、小ドットを形成するインク量を1nl、中ドットを形成するインク量を2nl、大ドットを形成するインク量を3nlであると仮定する。
CPU62は、算出対象とする単位領域を設定し、該単位領域を構成する全画素におけるカラーインクの打ち込み量の合計を算出する。図13では単位領域を3×3の9画素と設定している。なお、単位領域を構成する画素数は3×3には限られず、5×5画素や10×10画素と設定しても良い。[00]〜[11]で表される4階調の画素データに応じて各画素にはカラーインクの小ドット・中ドット・大ドットのいずれかが形成されるか、若しくはカラーインクドットが形成されない。図13の場合、単位領域中に小ドットが3つ、中ドットが3つ、大ドットが1つ形成されているので、この単位領域におけるカラーインク打ち込み量は(1nl×3)+(2nl×3)+(3nl×1)=12nlと算出される。
続いて、CPU62は、カラーインク打ち込み量とクリアインク打ち込み量との合計値が一定となるようにクリアインク打ち込み量を算出する。例えば、打ち込み量の合計が36nlであるとすると、この単位領域におけるクリアインクの打ち込み量は36−12=24nlである。このようにして、単位領域毎にクリアインクの打ち込み量が決定される。
なお、図13では1つの画素に対してドットが1つずつ形成されているが、実際の画像記録時には1画素に複数のドットが形成される場合もある。例えば、1画素にC(シアン)の小ドットとY(イエロー)の中ドットが形成される場合がある。このような場合でもインク打ち込み量の算出方法は前述の例と同様である。すなわち、ハーフトーン後の画像データから単位領域中に形成されるドットの大きさとドットの数量をカウントすることで、インク打ち込み量を算出することができる。
また、1画素に複数のカラードットが形成される場合、カラーインクの打ち込み量が高くなりすぎるおそれがある。例えば、単位領域の全画素(9画素)に大ドットが2つずつ、合計18個の大ドットが形成されたとすると、カラーインクの打ち込み量だけで3nl×18=54nlとなり、クリアインクを打ち込む余地がなくなってしまう。そこで、単位領域当たりのインク打ち込み量(インクDuty)には上限値が設けられる。
図13において、9画素全部にカラーインクの大ドットが1つずつ形成された場合、単位領域のインク打ち込み量は3nl×9=27nlである。この場合のインクDutyを100%とする。ここで、打ち込み量の上限値が120%と設定されている場合、単位領域に打ち込まれるカラーインクの最大量は27×1.2=32.4nlとなる。したがって、36−32.4s=3.6nl分のクリアインクを打ち込むことができるようになる。
画像データ上で、上限値を超えるカラーインク打ち込み量が算出される場合、プリンタードライバーは該当領域の画素データを間引いたり、階調値を落としたりすることで、カラーインク噴出量を調整する。このようにカラーインクの打ち込み上限値が設けられているため、1画素に複数個のドットが形成されたとしても、単位領域全体ではカラーインクの打ち込み量が大きくなりすぎることはない。
(B)クリアインク噴出量の分配
単位領域におけるクリアインクの噴出量が算出されると、CPU62は、その噴出量を単位領域を構成する各画素に分配する。
図14は、クリアインクの噴出量の分配方法を説明する図である。図14の破線で区切られた1マスは、それぞれ図13の各画素に対応し、白丸は小・中・大、特大のクリアインクドットを表す。また、クリアインクの小ドットを形成するインク量を1nl、中ドットを形成するインク量を2nl、大ドットを形成するインク量を3nl、特大ドットを形成するインク量を4nlであると仮定する。
CPU62は、前述の例においてクリアインクの打ち込み量として算出された24nlを9画素分に分配する。その際、各画素におけるカラーインクドットとクリアインクドットとの合計噴出量がなるべく均一になるように分配する。分配の方法としては、カラーインクとクリアインクとの合計噴出量の画素毎のばらつきを小さくする方法や、誤差拡散法を利用することができる。
例えば、図14において、カラーの小ドットが形成されている画素にはクリアの大ドットを形成し、カラーの中ドットが形成されている画素にはクリアの中ドットを形成し、カラーの大ドットが形成されている画素にはクリアの小ドットを形成し、カラードットが形成されていない画素にはクリアの特大ドットを形成するように分配する。このように分配することで、図14のB−B断面に示されるように、媒体表面からクリアインクドットまでの高さが揃うようになり、平滑なオーバーコート層を形成することができる。
===第2実施形態===
第2実施形態では画像記録装置として、ヘッドが固定されたタイプのプリンター(ラインプリンター)であるプリンター2を用いる。画像記録装置以外の画像形成方法やオーバーコート層形成方法、ドットの硬化方法等については第1実施形態で説明した方法と同様であり、画像を記録するために使用する装置のみが異なる。
<プリンター2の構成>
図15は、プリンター2の全体構造を示すブロック図である。プリンター2は、搬送ユニット10、ヘッドユニット30、照射ユニット40、検出器群50、及びコントローラー60を有する。また、プリンター2は外部制御装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。コンピューター110は第1実施形態のものと同様である。
<搬送ユニット>
図16は、プリンター2の構成を概略的に表した側面図である。
搬送ユニット10は、媒体を所定の搬送方向に搬送させるためのものである。この搬送ユニット10は、上流側搬送ローラー16A及び下流側搬送ローラー16Bと、ベルト17とを有する。不図示の搬送モータが回転すると、上流側搬送ローラー16A及び下流側搬送ローラー16Bが回転し、ベルト17が回転する。給紙ローラー(不図示)によって給紙された媒体は、ベルト17によって印刷可能な領域(ヘッドと対向する領域)まで搬送される。印刷可能な領域を通過した紙Sはベルト17によって外部へ排紙される。なお、搬送中の紙Sはベルト17に静電吸着又はバキューム吸着されている。
<ヘッドユニット>
ヘッドユニット30は、媒体にUVインクを噴出するためのものである。使用されるUVインクは第1実施形態と同様である。ヘッドユニット30は搬送中の媒体に対して各色インクを噴出することによってインクドットを形成し、媒体に画像を記録する。本実施形態のプリンター2はラインプリンターであり、ヘッドユニット30の各ヘッドは媒体幅分のドットを一度に形成することができる。搬送方向の上流側から順に、ブラック(K)のUVインクを噴出するブラックインクヘッド、シアン(C)のUVインクを噴出するシアンインクヘッド、マゼンダ(M)のUVインクを噴出するマゼンダインクヘッド、及び、イエロー(Y)のUVインクを噴出するイエローインクヘッドの各色インクを噴出するカラーインクヘッド32が設けられている(図16)。なお、カラーインクヘッドの配置はこの限りではなく、各色の順番が入れ替わっていても良い。
カラーインクヘッド32の搬送方向下流側にはクリア(CL)のUVインクを噴出するクリアインクヘッド36が設けられている(図16)。
図17は、プリンター2の各ヘッドの下面に設けられたノズルの配置を説明する図である。カラーインクヘッド32及びクリアインクヘッド36の各ヘッドは、千鳥状に配置された小型ヘッドをそれぞれ4つずつ有している。各小型ヘッドは媒体幅方向に整列した複数のノズルNzからなるノズル列を2列ずつ有する。各ノズル列は、媒体幅方向に180dpiの間隔で並ぶ#1〜#180の180個のノズルNzをそれぞれ備え、隣り合うノズル列同士ではノズルNzが媒体幅方向に360dpiずつズレた位置に並んでいる。そして、搬送方向に隣り合う小型ヘッド同士ではノズルが媒体幅方向に720dpiずつズレた位置に並んでいる。これにより、媒体幅方向に720dpiの間隔でインクドットを形成することができる。
<照射ユニット>
照射ユニット40は、仮硬化用照射部41、仮本硬化用照射部42、及び本硬化用照射部43を備えている。それぞれの機能は第1実施形態と同様である。
仮硬化用照射部41は、ブラックインク用ヘッド32、シアンインク用ヘッド32、マゼンダインク用ヘッド32、及び、クリアインクヘッド36の搬送方向の下流側にそれぞれ設けられる(図16)。仮硬化用照射部41の媒体幅方向の長さは媒体幅以上である(図17)。仮硬化用照射部41は媒体上に形成されたKCMの各インクドット及びCLインクドットを仮硬化させ、各ドットが流動するのを抑制する。
仮本硬化用照射部42は、イエローインク用ヘッド31の搬送方向の下流側に設けられる(図16)。仮本硬化用照射部42の媒体幅方向の長さは媒体幅以上である(図17)。仮本硬化用照射部42は媒体上に形成されたKCMYの各インクドットを仮本硬化させ、クリアインクドットとの混色等を抑制する。
本硬化用照射部43は、媒体の搬送方向の最も下流側に位置する仮硬化用照射部41のさらに下流側に設けられる(図16)。本硬化用照射部43の媒体幅方向の長さは媒体幅以上である(図17)。本硬化用照射部43は媒体搬送の最終段階においてカラーインクドット及びクリアインクドットを完全に固化させる。
<検出器群>
検出器群50には、ロータリー式エンコーダー(不図示)や、紙検出センサー(不図示)などが含まれる。ロータリー式エンコーダーは上流側搬送ローラー16Aや下流側搬送ローラー16Bの回転量を検出する。ロータリー式エンコーダーの検出結果に基づいて媒体の搬送量を検出することができる。紙検出センサーは給紙中の媒体の先端の位置を検出する。
<コントローラー>
コントローラー60の構成及び機能は第1実施形態と同様である。
<印刷動作について>
プリンター2がコンピューター110から印刷データを受信すると、コントローラー60は、まず、搬送ユニット10によって給紙ローラー(不図示)を回転させ、印刷すべき媒体をベルト17上に送る。媒体はベルト17上を一定速度で停まることなく搬送され、ヘッドユニット30、照射ユニット40の各ユニットの下を通過する。この間に、ヘッドユニット30のカラーインクヘッド32からカラーインクを断続的に噴出させることによって媒体上にカラーインクドットを形成する。そして、照射ユニット40の仮硬化用照射部41からUVを照射してドットを仮硬化させる。仮硬化のためのUV照射量は、あらかじめ入力されたテーブルデータに従って、各ヘッドの液体噴出率に基づいて決められる。この動作をKCMの各色について繰り返し、Yインクドットが形成された後に、仮本硬化用照射部42からUVを照射してKCMYの各色カラーインクドットを仮本硬化させ、媒体上に画像を記録する。
画像が記録された媒体はベルト17により、さらに搬送方向下流側へと搬送され、クリアインクヘッド36の下を通過する際に、クリアインクが噴出される。そして、照射ユニット40の仮硬化用照射部41からUVが照射され、クリアインクドットが仮硬化される。これにより、前述の画像の上にクリアインクドットによるオーバーコート層が形成される。
画像及びオーバーコート層が形成された媒体は、搬送の最終段階で本硬化用照射部43からUVを照射され、カラーインクドット及びクリアインクドットが完全に硬化される。最後にコントローラー60は、画像の印刷が終了した媒体を排紙する。
仮硬化、仮本硬化、本硬化については第1実施形態で説明した通りであり、照射ユニット40の各照射部から照射されるUVの出力等についても、第1実施形態の場合と同様である。
===その他の実施形態===
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<記録装置について>
前述の実施形態では、画像を形成する記録装置の一例としてインクジェットプリンターが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造型機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体噴出装置に、本実施形態と同様の技術を適用してもよい。
<使用するインクについて>
前述の実施形態では、カラーインク(有色インク)としてKCMYの4色のインクを使用して画像を記録する例が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイト等、KCMY以外のカラーインクを用いて画像の記録を行ってもよい。
<オーバーコート層の形成について>
前述の実施形態では、KCMYのカラーインクによって画像を形成した後に、クリアインクによってオーバーコート層を形成しているが、オーバーコート層は必ずしも形成されなくてもよい。例えば、カラーインクのみによる画像の記録を行ってもよいし、クリアインクのみによる記録を行うことも可能である。
<ピエゾ素子について>
前述の実施形態では、液体を噴出させるための動作を行う素子としてピエゾ素子PZTを例示したが、他の素子であってもよい。例えば、発熱素子や静電アクチュエーターを用いてもよい。
<プリンタードライバーについて>
プリンタードライバーの処理はプリンター側で行ってもよい。その場合、プリンターとドライバーをインストールしたPCとで記録装置が構成される。
1 プリンター、2 ラインプリンター
10 搬送ユニット、11 給紙ローラー、12 搬送モーター、
13 搬送ローラー、14 プラテン、15 排紙ローラー、
16A 上流側搬送ローラー、16B 下流側搬送ローラー、17 ベルト
20 キャリッジユニット、21 カラーインクヘッド用キャリッジ、
22 キャリッジモーター、25 クリアインクヘッド用キャリッジ、
26 キャリッジモーター、30 ヘッドユニット、
31 カラーインクヘッド、311 ケース、312 流路ユニット、
312a 流路形成板、312b 弾性板、312c ノズルプレート、
312d 圧力室、312e ノズル連通口、312f 共通インク室、
312g インク供給路、312h アイランド部、312i 弾性膜、
32 カラーインクヘッド、35 クリアインクヘッド、
36 クリアインクヘッド、40 照射ユニット、
41 仮硬化用照射部、42 仮本硬化用照射部、
43 本硬化用照射部、50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
52 ロータリー式エンコーダ、53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラー、61 インターフェイス部、62 CPU、
63 メモリー、64 ユニット制御回路、110 コンピューター

Claims (8)

  1. 有色インク滴を媒体に噴出する有色インク噴出部と、オーバーコート用インク滴を前記媒体及び前記有色インク滴に重ねて噴出するオーバーコート用インク噴出部と、を備える画像記録装置であって、
    前記有色インク噴出部から噴出され、媒体上に形成可能な最大の有色インク滴よりも、前記オーバーコート用インク噴出部から噴出され、前記有色インク滴に重ねて形成可能な最大のオーバーコート用インク滴の方が大きいことを特徴とする画像記録装置。
  2. 請求項1に記載の画像記録装置であって、
    前記カラーインク滴によって形成される画像及び前記媒体の上に、前記オーバーコート用インク滴によってオーバーコート層を形成するときに、
    1画素について1回前記オーバーコート用インク滴を噴出することによって、表面が平滑な前記オーバーコート層が形成されることを特徴とする画像記録装置。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の画像記録装置であって、
    単位面積当たりに噴出される前記有色インク滴の量と、単位面積当たりに噴出される前記オーバーコート用インク滴の量との和が一定であることを特徴とする画像記録装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の画像記録装置であって、
    前記有色インク噴出部から噴出可能な前記有色インク滴の大きさの種類よりも、
    前記オーバーコート用インク噴出部から噴出可能な前記オーバーコート用インク滴の大きさの種類の方が、多いことを特徴とする画像記録装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の画像記録装置であって、
    前記有色インク及び前記オーバーコート用インクは、光硬化樹脂及び光重合開始剤を含有し、光が照射されることによって硬化するインクであって、
    前記有色インクに含有される前記光硬化樹脂及び前記光重合開始剤と、
    前記オーバーコート用インクに含有される前記光硬化樹脂及び前記光重合開始剤と、
    が同じ光重合開始剤であることを特徴とする画像記録装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の画像記録装置であって、
    前記有色インク滴に光を照射する光照射部を備え、
    前記有色インク噴出部によって前記媒体上に前記有色インク滴が形成された後、
    前記光照射部から光を照射することによって前記有色インク滴を硬化させ、
    硬化された前記有色インク滴の上に、前記オーバーコート用インク噴出部によって前記オーバーコート用インク滴が噴出されることを特徴とする画像記録装置。
  7. 請求項6に記載の画像記録装置であって、
    前記有色インク滴を硬化させるために照射される光の出力は、
    前記媒体上で流動しない程度に前記有色インク滴を硬化させるために照射される光の出力よりも大きく、
    前記有色インク滴を完全に硬化させるために照射される光の出力よりも小さい、ことを特徴とする画像記録装置。
  8. 有色インク噴出部から有色インク滴を媒体に噴出することと、
    オーバーコート用インク噴出部からオーバーコート用インク滴を前記媒体及び前記有色インク滴に重ねて噴出することと、
    前記有色インク噴出部から噴出され、媒体上に形成される最大の有色インク滴よりも、前記オーバーコート用インク噴出部から噴出され、前記有色インク滴に重ねて形成される最大のオーバーコート用インク滴の方が大きいことと、
    を有する画像記録方法。
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