JP2012029616A - 風味増強剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の調味料や天然エキス等の添加では十分ではなかった、飲食物の持つ旨味の増強、コク味の付与そして飲食物の呈味をより好ましいまろやかなものにする風味増強剤や風味増強方法を提供することである。
【解決手段】式(1)
【化1】
(式中、Rは隣接するカルボニル基と分子中のアミノ基を介して結合する、セリン、グリシン、ヒスチジン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、フェニルアラニン、トレオニン、システイン、シスチン、グルタミン、アスパラギン、メチオニン、チロシン、トリプトファン、バリン、イソロイシン、リシンまたはロイシンから選ばれるアミノ酸の残基を表す)で表されるピログルタミルジペプチド又はその塩からなることを特徴とする風味増強剤である。
【選択図】なし
【解決手段】式(1)
【化1】
(式中、Rは隣接するカルボニル基と分子中のアミノ基を介して結合する、セリン、グリシン、ヒスチジン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、フェニルアラニン、トレオニン、システイン、シスチン、グルタミン、アスパラギン、メチオニン、チロシン、トリプトファン、バリン、イソロイシン、リシンまたはロイシンから選ばれるアミノ酸の残基を表す)で表されるピログルタミルジペプチド又はその塩からなることを特徴とする風味増強剤である。
【選択図】なし
Description
本発明は、飲食物の風味増強をするための、ピログルタミルジペプチド又はその塩からなる風味増強剤、ピログルタミルジペプチド又はその塩を含有する調味料及びそれらを含有する飲食物並びにピログルタミルジペプチド又はその塩を添加することを特徴とする風味増強方法に関する。
多くの飲食物には旨味が重要な呈味を示しており、従来から旨味を強める方法が開発されている。例えば、食品の風味を増強する方法としては、L−グルタミン酸アンモニウムを使用する方法(特許文献1)が、また、旨味を増強する方法としては、トレハロースを使用する方法(特許文献2)、グルコン酸の塩を使用する方法(特許文献3)などが提案されている
また、飲食物の呈味にまろやかさと深みを与える味としてコク味が知られている。コク味の付与には畜肉エキス、魚介エキス、野菜エキスなどの天然エキスが広く用いられている他、グルタチオン(特許文献4)、畜肉、魚介エキスの酸性不溶画分(特許文献5)、アミノ酸誘導体(特許文献6)等のコク味を付与する成分の利用が提示されている。しかしながら、天然エキスは原料由来の不快な臭い、苦味やエグ味を有するため、用途によってその使用量には制限が生じ、十分にコク味を付与することができないという問題点を有していた。
また、ペプチド等のコク味を付与する成分は何れも分離精製が複雑で高価である他、好ましくない味や異臭を併せ持つといった問題点を有しており、更なる技術開発が求められていた。一方、ピログルタミルジペプチドの例としては、新規なピログルタミルプロリンが苦味のマスキングに有効であることが報告されているが(特許文献7)、風味の増強効果については知られていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、従来の調味料や天然エキス等の添加では十分ではなかった、飲食物の持つ旨味の増強、コク味の付与そして飲食物の呈味をより好ましいまろやかなものにする風味増強剤や風味増強方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく風味増強効果のある化合物を探索した結果、ピログルタミルジペプチド又はその塩が飲食物の旨味を増強し、コク味を付与することを見出した。さらに、これらの成分は、それ自身は渋味を有しているにもかかわらず、飲食物に添
加すると飲食物の旨味を増強し、コク味を付与し、全体としての風味も増強する性質を有していることを見出し、発明を完成するに至った。
加すると飲食物の旨味を増強し、コク味を付与し、全体としての風味も増強する性質を有していることを見出し、発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
式(1)
(式中、Rは隣接するカルボニル基と分子中のアミノ基を介して結合する、セリン、グリシン、ヒスチジン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、フェニルアラニン、トレオニン、システイン、シスチン、グルタミン、アスパラギン、メチオニン、チロシン、トリプトファン、バリン、イソロイシン、リシンまたはロイシンから選ばれるアミノ酸の残基を表す)で表されるピログルタミルジペプチド又はその塩からなることを特徴とする風味増強剤であり、アミノ酸がL形アミノ酸であること、さらに、アミノ酸がL−グルタミン又はL−グリシンであることを特徴とする。
式(1)
また、本発明は、上記の風味増強剤を添加したことを特徴とする調味料であり、有効成分としての上記の風味増強剤を1〜106ppm含有することを特徴とする調味料である。
また、本発明は、上記調味料を添加したことを特徴とする飲食物であり、有効成分としての上記の風味増強剤を0.1〜105ppm含有することを特徴とする。
さらに、本発明は、グルタミン酸又はその塩1質量部に対して上記の風味増強剤を0.001〜1質量部添加することを特徴とする風味増強方法である。
さらに、本発明は、グルタミン酸又はその塩1質量部に対して上記の風味増強剤を0.001〜1質量部添加することを特徴とする風味増強方法である。
本発明の風味増強剤は、飲食物の旨味を増強し、コク味を付与し、全体としての風味も増強することができる。さらに、本発明の風味増強剤は、アミノ酸系調味料や核酸系調味料と組み合わせることにより、その旨味を相乗的に増強させることができる。
(1)風味増強剤
本発明で使用するピログルタミルジペプチドは、式(1)
(式中、Rは隣接するカルボニル基と分子中のアミノ基を介して結合する、セリン、グリシン、ヒスチジン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、フェニルアラニン、トレオニン、システイン、シスチン、グルタミン、アスパラギン、メチオニン、チロシン、トリプトファン、バリン、イソロイシン、リシンまたはロイシンから選ばれるアミノ酸の残基を表す)で表されるピログルタミルジペプチドであり、アミノ酸がL形アミノ酸であるものが好ましい。特に、アミノ酸がL−グルタミン又は
L−グリシンである下記化学式のピログルタミルグルタミンとピログルタミルグリシンが好ましい。
本発明で使用するピログルタミルジペプチドは、合成あるいは天然物から分離・精製したものを用いて添加することができる。
本発明で使用するピログルタミルジペプチドは、式(1)
L−グリシンである下記化学式のピログルタミルグルタミンとピログルタミルグリシンが好ましい。
また、市販されているピログルタミルジペプチドをそのまま使用することができ、例えばピログルタミルグルタミンとピログルタミルグリシンは米国BACHEM社が製造販売しているので、当業者は容易に入手可能である。
本発明の風味増強剤は、飲食物の加工段階で適宜添加することができる。添加量は、風味増強剤の精製の程度により多少異なるが、一般的には飲食物に対して0.1〜105ppmの添加量(有効成分として)が適当であるが、飲食物の本来の香味に影響を及ぼさない範囲内で添加する観点からは0.1〜104ppmが好ましく、その有効性の観点からは1〜104ppmが特に好ましく、使用態様としては10〜104ppmが最も好ましい。
(2)調味料
本発明の風味増強剤を含有する調味料としては、砂糖、塩、酢、醤油、味噌など一般の調理に用いられる調味料の他、食品添加物として用いられる調味料に好適に用いられる。
ここでいう食品添加物調味料とは、L−アスパラギン酸、DL−アラニン、グリシン、L−グルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸系調味料、5’−イノシン酸ナトリウム、5’−リボヌクレオチド二ナトリウムなどの核酸系調味料、クエン酸三カリウム、コハク酸などの有機酸系調味料、塩化カリウム、リン酸三カリウムなどの無機塩系調味料が挙げられ、好ましくはアミノ酸系調味料及び核酸系調味料に用いられ、特にL−グルタミン酸ナトリウムおよび5’−イノシン酸ナトリウムに好適に用いられる。
本発明の風味増強剤を含有する調味料としては、砂糖、塩、酢、醤油、味噌など一般の調理に用いられる調味料の他、食品添加物として用いられる調味料に好適に用いられる。
ここでいう食品添加物調味料とは、L−アスパラギン酸、DL−アラニン、グリシン、L−グルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸系調味料、5’−イノシン酸ナトリウム、5’−リボヌクレオチド二ナトリウムなどの核酸系調味料、クエン酸三カリウム、コハク酸などの有機酸系調味料、塩化カリウム、リン酸三カリウムなどの無機塩系調味料が挙げられ、好ましくはアミノ酸系調味料及び核酸系調味料に用いられ、特にL−グルタミン酸ナトリウムおよび5’−イノシン酸ナトリウムに好適に用いられる。
本発明の風味増強剤をこれらの調味料に用いる場合の使用量は、使用態様にもよるが、一般には本発明の風味増強剤を1〜106ppm含有していれば良いが、飲食物の本来の香味に影響を及ぼさない範囲内で添加する観点からは1〜105ppmが好ましく、その有効性の観点からは10〜105ppmが特に好ましく、使用形態としては102〜105ppmが最も好ましい。
特に、グルタミン酸又はその塩1質量部に対して本発明の風味増強剤を0.001〜1質量部添加することが好ましい。
特に、グルタミン酸又はその塩1質量部に対して本発明の風味増強剤を0.001〜1質量部添加することが好ましい。
(3)飲食物
本発明の風味増強剤は各種飲食物に特に制限なく使用することができる。
例えば、果実類又はその加工品、野菜又はその加工品、魚介類又はその加工品、練製品、調理食品、総菜類、スナック類、珍味類、加工食品、栄養食品、茶飲料及びコーヒー飲料などの嗜好飲料、果汁飲料、炭酸飲料、清涼飲料、機能性飲料、アルコール飲料、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓類、ゼリー、プリン、羊かん等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、饅頭等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ジャム類、ラムネ菓子、タブレット、錠菓類などが挙げられる。
本発明の風味増強剤は各種飲食物に特に制限なく使用することができる。
例えば、果実類又はその加工品、野菜又はその加工品、魚介類又はその加工品、練製品、調理食品、総菜類、スナック類、珍味類、加工食品、栄養食品、茶飲料及びコーヒー飲料などの嗜好飲料、果汁飲料、炭酸飲料、清涼飲料、機能性飲料、アルコール飲料、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓類、ゼリー、プリン、羊かん等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、饅頭等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ジャム類、ラムネ菓子、タブレット、錠菓類などが挙げられる。
さらに、日本料理のだし、例えば、鰹節、魚介類、昆布、シイタケ、鶏肉、野菜類などの素汁及び和風調味料、又は、西洋料理のスープストック、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などの素汁及び洋風調味料、又は、中華料理のタン(湯)、例えば、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などの素汁及び中華調味料などが挙げられる。また、風味増強剤は、適宜、香味成分あるいは色素を調合し香味及び色調を増強することもできる。調合に使用される香味成分あるいは色素には特に制限はなく、公知の香味成分あるいは色素が目的に応じて適宜配合して用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
ピログルタミルグルタミン(BACHEM社製、Pry-Gln-OH)を、グルタミン酸ナトリウム溶液に添加して官能評価を行った。
L−グルタミン酸ナトリウム一水和物100.0mgを水200mLに溶解し対照品とし、さらにピログルタミルグルタミンを80mgを添加したグルタミン酸ナトリウム溶液について、旨味、コク味の強さ、飲食物らしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表1に示す。
ピログルタミルグルタミン(BACHEM社製、Pry-Gln-OH)を、グルタミン酸ナトリウム溶液に添加して官能評価を行った。
L−グルタミン酸ナトリウム一水和物100.0mgを水200mLに溶解し対照品とし、さらにピログルタミルグルタミンを80mgを添加したグルタミン酸ナトリウム溶液について、旨味、コク味の強さ、飲食物らしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表1に示す。
以上の結果からピログルタミルグルタミンは、グルタミン酸ナトリウムの旨味、コク味を増強し、さらに飲食物らしいまろやかな味を付与する効果がみられた。
[実施例2]
ピログルタミルグルタミンを、イノシン酸ナトリウムに添加して官能評価を行った。
イノシン酸ナトリウム200.0mgを水200mLに溶解し対照品とし、さらにピログルタミルグルタミンを80mgを添加したイノシン酸ナトリウム溶液について、旨味、コク味の強さ、飲食物らしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表2に示す。
ピログルタミルグルタミンを、イノシン酸ナトリウムに添加して官能評価を行った。
イノシン酸ナトリウム200.0mgを水200mLに溶解し対照品とし、さらにピログルタミルグルタミンを80mgを添加したイノシン酸ナトリウム溶液について、旨味、コク味の強さ、飲食物らしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表2に示す。
以上の結果からピログルタミルグルタミンは、イノシン酸ナトリウムの旨味、コク味を増強し、さらに飲食物らしいまろやかな味を付与する効果がみられた。
[実施例3]
ピログルタミルグリシン(BACHEM社製、Pry-Gly-OH)を市販コンソメスープに添加し、官能評価を行った。市販コンソメ粉末10gに、ピログルタミルグリシン5mgを加え、熱湯を加えて全量を600mLとしたコンソメスープを調製し、評価用試料とした。
対照品として、上記市販コンソメ粉末10g に熱湯を加えて全量を600mLとしたコンソメスープを調製し、2種類のコンソメスープについて、旨味、コク味の強さ、コンソメスープらしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5 、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表3に示す。
ピログルタミルグリシン(BACHEM社製、Pry-Gly-OH)を市販コンソメスープに添加し、官能評価を行った。市販コンソメ粉末10gに、ピログルタミルグリシン5mgを加え、熱湯を加えて全量を600mLとしたコンソメスープを調製し、評価用試料とした。
対照品として、上記市販コンソメ粉末10g に熱湯を加えて全量を600mLとしたコンソメスープを調製し、2種類のコンソメスープについて、旨味、コク味の強さ、コンソメスープらしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5 、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表3に示す。
以上の結果から、ピログルタミルグリシンにはコンソメスープのコク味を増強し、呈味をコンソメスープらしいよりまろやかな好ましいものにする効果がみられた。
[実施例4]
ピログルタミルグリシンを市販コーヒー飲料に添加し、官能評価を行った。市販コーヒー飲料1000gに、ピログルタミルグリシン20mgを添加し、評価用試料とした。
対照品として上記市販コーヒー飲料を用い、それぞれのコーヒー飲料について、旨味、コク味の強さ、コーヒー飲料らしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表4に示す。
ピログルタミルグリシンを市販コーヒー飲料に添加し、官能評価を行った。市販コーヒー飲料1000gに、ピログルタミルグリシン20mgを添加し、評価用試料とした。
対照品として上記市販コーヒー飲料を用い、それぞれのコーヒー飲料について、旨味、コク味の強さ、コーヒー飲料らしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表4に示す。
以上の結果から、ピログルタミルグリシンにはコーヒー飲料のコク味を増強し、呈味をコーヒーらしいよりまろやかな好ましいものにする効果がみられた。
[実施例5]
ピログルタミルグルタミンを市販緑茶飲料に添加し、官能評価を行った。市販緑茶飲料1000gにピログルタミルグルタミン30mgを添加し、評価用試料とした。
対照品として上記市販緑茶飲料を用い、それぞれの緑茶飲料について、旨味、コク味の強さ、緑茶飲料らしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表5に示す。
ピログルタミルグルタミンを市販緑茶飲料に添加し、官能評価を行った。市販緑茶飲料1000gにピログルタミルグルタミン30mgを添加し、評価用試料とした。
対照品として上記市販緑茶飲料を用い、それぞれの緑茶飲料について、旨味、コク味の強さ、緑茶飲料らしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表5に示す。
以上の結果から、ピログルタミルグルタミンには緑茶飲料のコク味を増強し、呈味を緑茶らしいよりまろやかな好ましいものにする効果がみられた。
[実施例6]
市販濃口醤油にピログルタミルグルタミンを0.1質量部添加し、和風調味料を調製したところ、無添加品に比べてコクが強く、まろやかで広がりのある和風調味料が得られた。
市販濃口醤油にピログルタミルグルタミンを0.1質量部添加し、和風調味料を調製したところ、無添加品に比べてコクが強く、まろやかで広がりのある和風調味料が得られた。
[実施例7]
市販味噌にピログルタミルグリシンを0.1質量部添加し、味噌を調製したところ、無添加品に比べてコクが強く、まろやかで広がりのある味噌が得られた。
市販味噌にピログルタミルグリシンを0.1質量部添加し、味噌を調製したところ、無添加品に比べてコクが強く、まろやかで広がりのある味噌が得られた。
[実施例8]
牛乳10質量部、水80質量部、コーンペースト10質量部、砂糖2質量部、食塩0.5質量部を加熱撹拌し、10000rpm、5分間乳化を行った。さらに、ピログルタミルグルタミンを0.01質量部添加し、コーンスープを調製したところ、無添加品に比べて旨味が強く、コクと広がりのあるコーンスープが得られた。
牛乳10質量部、水80質量部、コーンペースト10質量部、砂糖2質量部、食塩0.5質量部を加熱撹拌し、10000rpm、5分間乳化を行った。さらに、ピログルタミルグルタミンを0.01質量部添加し、コーンスープを調製したところ、無添加品に比べて旨味が強く、コクと広がりのあるコーンスープが得られた。
[実施例9]
パーム油50質量部に薄力粉50質量部を加え、弱火でゆっくり炒め、牛乳500質量部、水600質量部、チキンコンソメパウダー3質量部、食塩6質量部を加えてよく混合し、粘度が出るまで弱火でゆっくり加熱した後、ピログルタミルグルタミンを1質量部添加し、ホワイトソースを調製したところ、無添加品に比べて旨味が強く、コクと広がりのあるコーンスープが得られた。
パーム油50質量部に薄力粉50質量部を加え、弱火でゆっくり炒め、牛乳500質量部、水600質量部、チキンコンソメパウダー3質量部、食塩6質量部を加えてよく混合し、粘度が出るまで弱火でゆっくり加熱した後、ピログルタミルグルタミンを1質量部添加し、ホワイトソースを調製したところ、無添加品に比べて旨味が強く、コクと広がりのあるコーンスープが得られた。
[実施例10]
強力粉1400質量部に水に溶解させた生イースト40質量部を加えてよく撹拌し、28℃、4時間発酵させた。得られた生地に強力粉600質量部、砂糖100質量部、牛乳100質量部、食塩40質量部、ピログルタミルグリシンを2質量部添加し、生地をよくこねた後、容器に詰め、38℃、40分間発酵後、220℃、40分間焼成し、食パンを調製したところ、無添加品に比べて旨味、甘味が強く、コクと広がりのある食パンが得られた。
強力粉1400質量部に水に溶解させた生イースト40質量部を加えてよく撹拌し、28℃、4時間発酵させた。得られた生地に強力粉600質量部、砂糖100質量部、牛乳100質量部、食塩40質量部、ピログルタミルグリシンを2質量部添加し、生地をよくこねた後、容器に詰め、38℃、40分間発酵後、220℃、40分間焼成し、食パンを調製したところ、無添加品に比べて旨味、甘味が強く、コクと広がりのある食パンが得られた。
[実施例11]
ショートニング15質量部、砂糖30質量部、全卵3質量部、食塩1質量部、ピログルタミルグリシンを0.1質量部添加し、30分間撹拌後、30分間エージングを行った。得られた生地を型に流し入れ、220℃、5分焼成し、ハードビスケットを調製したところ、無添加品に比べて旨味、甘味が強く、まろやかで広がりのあるハードビスケットが得られた。
ショートニング15質量部、砂糖30質量部、全卵3質量部、食塩1質量部、ピログルタミルグリシンを0.1質量部添加し、30分間撹拌後、30分間エージングを行った。得られた生地を型に流し入れ、220℃、5分焼成し、ハードビスケットを調製したところ、無添加品に比べて旨味、甘味が強く、まろやかで広がりのあるハードビスケットが得られた。
[実施例12]
砂糖60質量部、水あめ40質量部、水35質量部を合わせて155℃まで加熱した後、130℃まで冷却し、コーヒーエキス5質量部、カラメル0.3質量部、ピログルタミ
ルグルタミンを0.01質量部添加し、混合、成型し、コーヒーハードキャンディーを調製したところ、コク味が増強されコーヒーが持つ広がりのある自然な甘味を持ったコーヒーハードキャンディーが得られた。
砂糖60質量部、水あめ40質量部、水35質量部を合わせて155℃まで加熱した後、130℃まで冷却し、コーヒーエキス5質量部、カラメル0.3質量部、ピログルタミ
ルグルタミンを0.01質量部添加し、混合、成型し、コーヒーハードキャンディーを調製したところ、コク味が増強されコーヒーが持つ広がりのある自然な甘味を持ったコーヒーハードキャンディーが得られた。
[実施例13]
水に果糖ブドウ糖液糖10質量部、砂糖5質量部、ゲル化剤1質量部を加え、85℃まで加温し、オレンジ濃縮果汁3質量部を添加し撹拌溶解した。さらに、ピログルタミルグルタミンを0.01質量部添加し、全量を100質量部に補正後、85℃で20分間殺菌してオレンジゼリーを調製したところ、オレンジが持つ呈味が強まったのみならず、後味の苦味が低減されすっきりとした甘味を持ったオレンジゼリーが得られた。
水に果糖ブドウ糖液糖10質量部、砂糖5質量部、ゲル化剤1質量部を加え、85℃まで加温し、オレンジ濃縮果汁3質量部を添加し撹拌溶解した。さらに、ピログルタミルグルタミンを0.01質量部添加し、全量を100質量部に補正後、85℃で20分間殺菌してオレンジゼリーを調製したところ、オレンジが持つ呈味が強まったのみならず、後味の苦味が低減されすっきりとした甘味を持ったオレンジゼリーが得られた。
[実施例14]
全脂加糖練乳15質量部、果糖ぶどう糖液糖3質量部を蒸留水に溶解し、予め蒸留水に分散させていた全脂粉乳2質量部、脱脂粉乳1質量部を加え加熱し40℃付近で、上白糖3.5質量部、安定剤0.7質量部、乳化剤0.02質量部を加え80℃まで加温した。コーンスターチ0.3質量部を加えた後、殺菌した(80℃、15分間)。お湯で100質量部に質量調整し、クリアミックスにて乳化した。ピログルタミルグリシンを0.01質量部加え撹拌した後、ガラス容器にて冷却してミルクプリンを調製したところ、ミルクの持つ自然な甘味が増強されるとともに旨味が付与されたミルクプリンが得られた。
全脂加糖練乳15質量部、果糖ぶどう糖液糖3質量部を蒸留水に溶解し、予め蒸留水に分散させていた全脂粉乳2質量部、脱脂粉乳1質量部を加え加熱し40℃付近で、上白糖3.5質量部、安定剤0.7質量部、乳化剤0.02質量部を加え80℃まで加温した。コーンスターチ0.3質量部を加えた後、殺菌した(80℃、15分間)。お湯で100質量部に質量調整し、クリアミックスにて乳化した。ピログルタミルグリシンを0.01質量部加え撹拌した後、ガラス容器にて冷却してミルクプリンを調製したところ、ミルクの持つ自然な甘味が増強されるとともに旨味が付与されたミルクプリンが得られた。
本発明の風味増強剤は飲食物に添加することにより、飲食物の持つ甘味、塩味、苦味、酸味、旨味及び/ 又はコク味をよりまろやかな、好ましいものに改善する効果があり、各種飲食物に幅広く利用できる。
Claims (8)
- アミノ酸がL形アミノ酸である請求項1に記載の風味増強剤。
- アミノ酸がL−グルタミン又はL−グリシンである請求項1に記載の風味増強剤。
- 請求項1〜3のいずれかの項に記載の風味増強剤を添加したことを特徴とする調味料。
- 有効成分としての風味増強剤を1〜106ppm含有することを特徴とする請求項4に記載の調味料。
- 請求項5に記載の調味料を添加したことを特徴とする飲食物。
- 有効成分としての風味増強剤を0.1〜105ppm含有することを特徴とする請求項6に記載の飲食物。
- グルタミン酸又はその塩1質量部に対して請求項1〜3のいずれかの項に記載の風味増強剤を0.001〜1質量部添加することを特徴とする風味増強方法。
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