JP2012010660A - 新規なパン用玄米粉製造方法及び該方法で製造された玄米粉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】玄米を12時間以上水に浸漬後、渦流式粉砕装置(スーパーパウダーミル)により製粉することにより、充分膨らんで、焼き上がりがふわっとしたパンを製造できる、パン用玄米粉の製造方法及び該方法で製造された玄米粉を提供する
【選択図】図1
Description
玄米は、精白米に比較してGABA (γ−アミノ酪酸)やβ−グルカンといった機能性成分を含むほか、フィチン酸を多く含んでいる。フィチン酸は、キレート作用があり、ミネラルと結合してフィチン酸塩を形成する。また、玄米はビタミンB1が精白米よりも多く含んでおり、玄米は、精白米に比べ、栄養価が高いとされている。
本願発明者等は、上記された問題点に鑑み、玄米の有効利用を図るために、パンの製造に用いることができる玄米全粒粉の調製を種々試みてきた。
本願発明は、粉砕処理前に一定時間以上、具体的には、12時間以上玄米を水又は水溶液に浸漬して吸水させることを特徴とする。好適には、水に浸漬させ吸水させる。水に浸漬させる時間(吸水時間とも言う)は、好適には12時間以上、72時間以内、より好適には、12時間以上48時間以内、更に好適には、12時間以上24時間以内とすることができる。
水に浸漬処理した玄米は、好適には遠心による脱水機で玄米表面の水分を取り除いた後、気流粉砕機により微粒子に粉砕することができる。
3−1.新規な玄米粉
上記2.に記載の方法で製造した玄米粉は、損傷デンプン含量が低いので、パン製造においては、パン焼成での膨らみが良く、優れたパン粉であることが分かった。損傷デンプン含量は、粉砕前処理の吸水時間に依存し、吸水2時間(コントロール)で損傷デンプン含量が最も高くなるが、吸水時間の経過とともに低下し12時間後よりほぼ一定となった。又、粉砕前処理である玄米の水浸漬による吸水を、時間を変えて行って玄米粉を調製し、パンを製造したところ、パンの比容積は、水に浸漬する時間(吸水時間)が12時間をピークに一定となり、その後大きな低下もなく推移することがわかった。
玄米粉には、グルテン15−30重量部と合わせて合計100重量部となるようにグルテンを添加する。好適には、グルテン15−20重量部、玄米粉80−85重量部となるようにグルテンを添加する。更に、例えば、玄米粉80重量部、グルテン20重量部を混ぜ合わせたもの、あるいは小麦粉70重量部、玄米粉30重量部にさらにグルテン5重量部添加したものを混ぜ合わせたものをパン製造用のプレミックス粉とすることもできる。通常、パン製造用のプレミックスに添加されている成分を添加することができ、例えば、食塩、砂糖、乳化剤、イーストフード、着色料、増粘剤、及びアミラーゼ等の酵素を添加して、パン製造用のプレミックス粉を製造することができる。
玄米(コシヒカリ)を60時間吸水させた後に、脱水機で10分程度の遠心によって表面水分を取り除いた。それを、スーパーパウダーミル(渦流式微粉粉砕機)(株式会社西村機械製作所SPM-R290製粉機)を用いて製粉した。コントロールとして2時間吸水の玄米を同様に製粉した。
木製の升を用い、升いっぱいのナタネを計り取る(その際、升の上端はきれいに平らにする)。計りと取ったナタネをいったん取りだし升にパンを入れ、その上からナタネを再度入れる。上端をきれいにならした後の、残ったナタネの重量を測定する。予めナタネの比重を測定しておきナタネの体積を換算することで、パンの体積とした。これをパン重量で割り算することで比容積(ml/g)を算出した。
両玄米粉によるパンの膨らみに明らかな違いが生じ(図1)、特に吸水玄米粉は、釜伸び(ブレーキング)が顕著だった。さらに、白米粉に比べて「しっとり感」が加わり、食味向上が期待された。
玄米の吸水時間を、2,5,12,24,36,48時間に変えて、実施例1と同様にしてパンを調製した。各吸水時間における比容積および損傷デンプンの経時的変化を調べた。損傷デンプン含量はStarch Damage Assay Kit(Megazyme社)を使用し以下の方法で測定した。
損傷デンプン含量は、Starch Damage Assay Kit (Megazyme社)を使用して行った。
1,米粉を100mgとり、チューブに入れる。
2,1のチューブおよび、アミラーゼ溶液(50U/ml)を40度で5分程度プレインキュベーションしておく。
3,1mLのアミラーゼ溶液を加えたら、vortexミキサーで混ぜて40度で10分間反応させる。
4,硫酸溶液(0.2%v/v)を8ml添加しvortexミキサーで混ぜて反応を停止させる。
5,3,000rpmで5分程度遠心する。
6,遠心上清から0.1mlをとり、別のチューブの底に入れる。
7,0.1mlのアミログルコシダーゼ溶液を加え、40度で10分間反応させる。
8,4mlのGOPOD溶液を加え、40度で20分間反応させる。
9,510nmで吸光度を測定。(150mg/mlの標準液および緩衝液の2点で検量線を作製)
パンの比容積は12時間をピークに一定となり、その後大きな低下もなく推移した(図2)。一方、損傷デンプン含量は、吸水2時間(コントロール)が最も高く、吸水時間の経過とともに低下し、比容積と同様に12時間後よりほぼ一定となった。吸水時間の経過に伴う、比容積の向上と損傷デンプン含量の低下には相関があった(表1)。
24時間の吸水処理を行った玄米について、実施例1に記載の方法で調製した玄米全粒粉を用いてパンを作製し、白米粉パンについても実施例1と同様にパンを作製し、食味試験を行った。食味試験は、白米粉で作製したパンについて各項目の評価を3とした場合の、玄米全粒粉パンの評価を5段階で評価した。図3に、男女あわせて29人から得た評価の平均値を示した。玄米全粒粉で作製したパンは、総合的に見ても白米パンに比べて、同等あるいはそれ以上の評価が得られた。特に、玄米特有の「甘み」のある食味と「しっとり」とした食感が良いと評価された。
Claims (5)
- 玄米を水に12時間以上72時間以下浸漬した後、遠心により脱水処理し、気流粉砕機により粉砕する、パン製造用玄米粉の製造方法。
- 気流粉砕機が渦流式粉砕機である請求項1記載の方法。
- 玄米粉のデンプンに含まれる損傷デンプン含量が2.5%以下である請求項1又は2記載の方法。
- 請求項1〜3いずれか1項記載の方法で製造された玄米粉。
- 請求項4記載の玄米粉を用いて製造されたパン。
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