JP2011520933A - 疼痛の治療用の、デュロキセチンとコックス阻害剤との共結晶 - Google Patents

疼痛の治療用の、デュロキセチンとコックス阻害剤との共結晶 Download PDF

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Abstract

本発明は、デュロキセチンとCOX−阻害剤から選ばれる共結晶形成剤との共結晶、その製造方法、及びそれらの薬剤として又は薬学的配合物への使用、更に特定的には疼痛の治療のための薬剤として又は薬学的配合物への使用に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、デュロキセチン及びCOX−阻害剤から選ばれる共結晶形成剤の共結晶(co−crystal)、その製造方法、及びそれらの薬剤として又は薬学的配合物への使用、更に特定的には疼痛の治療のための薬剤として又は薬学的配合物への使用に関する。
疼痛は、感覚的要素(component)、自律神経系要素、運動要素、及び感情的要素に機能的に分類される複合反応である。感覚的側面は、刺激位置及び強度に関する情報を含み。一方、適応(adaptive)要素は内因性疼痛変調の活性化及び逃避反応についての運動計画の活性化と考え得る。感情的要素は、疼痛不快感及び刺激の脅迫の評価、並びに疼痛刺激の記憶及び内容により引き起こされる負の感情を含むようである。
一般に、疼痛症状は慢性と急性に分類できる。慢性疼痛は、神経因性疼痛と慢性炎症性疼痛、例えば関節炎、又は原因未知の疼痛、例えば線維筋痛、を含む。急性疼痛は通常、非神経組織損傷、例えば外科手術からの組織損傷又は炎症、又は偏頭痛の後に続く。
デュロキセチンのINN名を有し、そして(+)−(S)−デュロキセチン又は(S)−デュロキセチンとも記載される(+)−(S)−N−メチル−N−[3−(ナフタレン)−1−イルオキシ)−3−(2−チエニル)−プロピル]アミンは、強力なセロトニンで且つノルエピネフリン摂取阻害剤(SNRI)であることが知られている。デュロキセチンは、不安及び鬱病のような疾病、また疼痛、特に糖尿病性末梢神経障害をも含む多様の疾病の治療用に市販されている。
Figure 2011520933
デュロキセチン/(S)−デュロキセチン
デュロキセチンは通常使用されている薬物である。通常の適用経路は、腸溶適に被覆されたペレット内にデュロキセチン塩酸塩を含むカプセルで経口的に、活性デュロキセチン20mg、30mg及び60mgの投与量で適用される。デュロキセチンは酸に不安定性であり、従って胃の酸性環境で劣化する危険性があるので、腸溶性皮膜が必要である。主な副作用の吐き気、眠気、不眠及び目眩は患者の10−20%に起こる。更に、多くの重大な副作用が報告された。前に述べたように、広く使用されている薬物であるので、その性質を改良して、改良された配合物、高効能、副作用の低減、例えば投与量の低減等による副作用の低減、のような多くの効果を達成することに対する継続的要求がある。
従って、本発明の目的は、デュロキセチンの新しい薬物形態(drugable forms)を提供することにより、デュロキセチンの性質、特に疼痛の治療に関する性質を改良する新しい手段を提供することである。
新しい薬物形態の特に望ましい改良/利点は下記を含むであろう:
・配合、製造を容易にするために、又は吸収及び/又は生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)を向上させるために、物理化学的性質の改良:
従って、
・デュロキセチン塩基又は塩酸塩と比べて一層の活性である、又は
・デュロキセチンと、それ自体に有益な生理学的効果を有する更なる活性剤との形態を提供し、最終活性主成分の非常に効率的な投与量/体重の関係を可能にするか、又は
・デュロキセチン及び別の活性剤のいずれか、又は両方のより低い治療投与量の使用を可能にする;
・同じ新しい薬物形態中のデュロキセチンと更なる活性剤との組み合わせにより相乗作用を有すること;又は
更に
・容易に取得できること、製造が容易であること、又は
・配合における一層の柔軟性を可能にすること、又はその配合を容易にすること、
・非常に溶解性であるので、より良い溶解速度、特に水性の生理学的環境中に溶解させる場合により良い溶解速度を可能にすること、又は
・吸湿性を低減すること;
・安定性を改良すること;
・新しい投与経路を可能にすること;
そしてまた、
・デュロキセチンを通常化学的に両立性でない活性剤と、デュロキセチンを隔離させることなく、同じ配合物中又は直接接触させてでも組み合わせるのを可能にし;その例には酸性活性剤と酸不安定性デュロキセチンを含む;
又は最後に
・デュロキセチンによる副作用、特に激しい副作用、を最少化/低減する。
最も望ましくは、新しい薬物形態は、1つを越えるこれらの利点、又はこれらの利点の殆どを組み合わせる。
この目的は、デュロキセチンの新しい共結晶を提供することにより達成された。デュロキセチンはCOX−阻害剤と共結晶を形成できることが見出された。これらの共結晶は、デュロキセチン単独と比べて改良された性質を示し、そしてまた良好な鎮痛活性を示す。このようにして得られた共結晶は、各共結晶形成剤の構造に依存する特定の化学量論を有する。適正な状況下では、これは、これらの新しい固体薬物形態の別の利点でもあり、多分、薬理学的効果のいくつかの調節(modulation)を達成する。デュロキセチンのようなAPIs(活性薬学的成分)は一般に結晶性多形体、溶媒和物、水和物及び無定形を形成すると長い年月認識されていたが、どのAPIsが共結晶を形成するかについて、僅かしか知られていない。共結晶は、APIs形態を調節するため、従ってAPIsの性質を調節するための新しい手段を提供する特定タイプの結晶形である。共結晶はAPIs及び一緒に結晶する少なくとも1種の他の成分を含む。該他の成分の選択は、共結晶が形成するか否か、そして該共結晶はどのような性質を有するかを決定するのを助ける。APIsの多形体、溶媒和物、水和物又は無定形は安定性、溶解性及び吸湿性を調節することができるように、共結晶はこれらの同じ性質を調節することができる。
従って、本発明の主目的は、デュロキセチンと、COX−阻害剤から選ばれる少なくとも1種の共結晶形成剤とを含む共結晶である。COX−阻害剤の群には、NSAIDs(非ステロイド抗炎症薬物)が含まれる。
SCXRD分析により得られた(S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶の構造。明瞭化のために、水素原子(ヘテロ原子に結合した水素原子を除く)を省略した。 (S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶の粉末X線回折パターン。 (S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶の1H−NMR分析。 (S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶のFT−IRスペクトル。 (S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶のDSC分析。 (S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶のTG分析。 実施例1d)に記載する(S)−デュロキセチンHClの安定性の研究。 実施例1d)に記載する(S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶の安定性の研究。 (S)−デュロキセチン−トルメチン(1:2)共結晶のDSC分析。 (S)−デュロキセチン−トルメチン(1:2)共結晶の粉末X線回折パターン。
「COX−阻害剤」は、プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ(PGHS)の2つの活性の1つであるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害する活性を基礎として定義される。PGHSはプロスタグランジン経路における重要な酵素である。この適用の意味でのいくつかの好ましい共結晶形成剤は、カルボン酸機能を有する形成剤(COX−阻害剤/NSAIDs)であり、例にはサリチル酸塩、アントラニル酸塩、アリール酢酸/アリールアルカン酸、及びアリールプロピオン酸だけでなく、コキシブ(Coxib)も含む。
本願で使用する「(デュロキセチンの)薬物形態」は、デュロキセチンが取り得るあらゆる形態(塩、無定形結晶、溶液、分散体、混合物等)であって、それでも疾病又は症状、特に疼痛、を治療するための薬剤として使用可能な薬学的配合物に調合できる形態と定義される。
本願で使用する「共結晶」は、2種又はそれ以上の化合物を含む結晶材料であって、該化合物の少なくとも2種は弱い相互作用で一緒に保たれ、該化合物の少なくとも1種は共結晶形成剤である結晶材料と定義される。弱い相互作用は、イオン性でも共有性でもない相互作用と定義され、例えば:水素結合、ファンデルワールス力、及びπ−π相互作用を含む。共結晶形成剤を更に含まないデュロキセチンの溶媒和物は、本発明によると共結晶ではない。しかしながら、共結晶は、結晶格子内の1つ又はそれ以上の溶媒和物分子を含み得る。明瞭にするために、結晶性塩と共結晶との区別を本願で強調しなければならない。別の化合物に結合してイオン性相互作用により塩を形成するAPIは、本発明によると1種の「化合物」と考えることができるが、それ自体、2種の化合物と考えることはできない。
科学文献では、共結晶の用語の適正な使用について現在いくつかの議論が有る(例えば、Desiraju,CrystEngComm,2003,5(82),466−467頁及びDunitz,CrystEngComm,2003,5(91),506頁を参照)。Zawarotkoによる文献(Zawarotko,Crystal Growth & design, Vol.7,No.1,2007,4−9頁)は、共結晶の定義を与え、それは上記の定義に沿っており、従って、本発明による「共結晶」の定義である。この文献によると、「共結晶は多成分結晶であって、ここで全ての成分は、純粋な形態では周囲条件下で固体である。これらの成分は目標分子又はイオンと分子状共結晶形成剤とから成る;共結晶中では、それらは分子レベルで単結晶と共存する。」
「疼痛」とは、疼痛研究国際連合(IASP)により、「不快な感覚、及び実際の又は潜在的組織損傷に関連した又はかかる損傷に関して記載された感情的経験」(IASP、慢性疼痛の分類、第2版、IASPプレス(2002)、210)と定義される。疼痛は常に主観的であるが、その原因又は症候は分類できる。
IASPによると、「異痛」は「通常は疼痛を引き起こさない刺激による疼痛」(IASP、慢性疼痛の分類、第2版、IASPプレス(2002)、210)と定義される。異痛の症状は神経因性疼痛の症状と多分結び付けられるが、これは必ずしもそうではなく、いくつかの領域では神経因性疼痛に結び付かない異痛の症状があり、異痛を神経因性疼痛よりも広くする。
IASPは更に、「異痛」、「痛覚過敏(hyperalgesia)」及び「痛感過敏(hyperpathia)」との間に下記の相違を引く(IASP、慢性疼痛の分類、第2版、IASPプレス(2002)、212):
Figure 2011520933
IASPによると、「神経障害(neuropathy)」は、「神経系における一次的損傷又は機能障害」と定義される(IASP, 慢性疼痛の分類、第2版、IASPプレス(2002)、212)。神経因性疼痛は中枢又は末梢起源を有し得る。
本発明による共結晶の一態様では、共結晶形成剤又は複数の共結晶形成剤の一種は、エーテル、チオエーテル、アルコール、チオール、アルデヒド、ケトン、チオケトン、硝酸エステル、リン酸エステル、チオリン酸エステル、エステル、チオエステル、硫酸エステル、カルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、アミド、1級アミン、2級アミン、アンモニア、3級アミン、チオシアネート、シアナミド、オキシム、ニトリル、ジアゾ、オルガノハライド、ニトロ、s−複素環式環、チオフェン、n−複素環式環、ピロール、o−複素環式環、フラン、エポキシド、ペルオキシド、ヒドロキサム酸、イミダゾール、及びピリジンから成る群からの少なくとも1種の官能基を有する。
好ましくは、共結晶形成剤は、アルコール、チオール、エステル、カルボン酸、1級アミン、2級アミン、3級アミンから成る群からの少なくとも1種の官能基を有する。
本発明による共結晶の一態様では、共結晶形成剤又は複数の共結晶形成剤の一種は、エーテル、チオエーテル、アルコール、チオール、アルデヒド、ケトン、チオケトン、硝酸エステル、リン酸エステル、チオリン酸エステル、エステル、チオエステル、硫酸エステル、カルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、アミド、1級アミン、2級アミン、アンモニア、3級アミン、チオシアネート、シアナミド、オキシム、ニトリル、ジアゾ、オルガノハライド、ニトロ、s−複素環式環、チオフェン、n−複素環式環、ピロール、o−複素環式環、フラン、エポキシド、ペルオキシド、ヒドロキサム酸、イミダゾール、及びピリジンから成る群からの少なくとも1種の官能基を有する。
好ましくは、共結晶形成剤又は複数の共結晶形成剤の一種は、アルコール、チオール、エステル、カルボン酸、1級アミン、2級アミン、3級アミンから成る群からの少なくとも1種の官能基を有する。
最も好ましくは、共結晶形成剤又は複数の共結晶形成剤の一種は、カルボン酸である少なくとも1種の官能基を有する。
別の態様では、共結晶形成剤又は複数の共結晶形成剤の一種は、アルコール、エステル、又はカルボン酸から成る群からの少なくとも1種の官能基を有する。更なる態様では、共結晶形成剤又は複数の共結晶形成剤の一種は、カルボン酸である少なくとも1種の官能基を有する。
本発明による共結晶の更なる態様では、共結晶形成剤は、デュロキセチン単独又はデュロキセチンと対応する活性剤との混合物のいずれかと比べて、下記になるように選ばれる:
・共結晶の溶解度が増加する;及び/又は
・共結晶の用量感応性が増加する;及び/又は
・共結晶の効能が増加する;及び/又は
・共結晶の溶解性(dissolution)が増加する;及び/又は
・共結晶の生物学的利用能が増加する;及び/又は
・共結晶の安定性が増加する;及び/又は
・共結晶の吸湿性が減少する;及び/又は
・共結晶の形態多様性が減少する;及び/又は
・共結晶の形態学が調節される。
「デュロキセチンと対応する活性剤との混合物」とは、問題とする活性剤(共結晶形成剤)とデュロキセチンとの混合物であり、該混合物は成分間にカップリング相互作用がない単なる物理的混合物であって、従って塩も別の共結晶も含まない混合物と定義される。
用語「塩」とは、デュロキセチン又は共結晶形成剤の形態であって、ここでこれはイオン形をとるか或いは荷電され、そして対イオン(カチオン又はアニオン)と結合しているか若しくは溶解しているいずれかの形態を意味すると理解されたい。この用語は、デュロキセチン又は共結晶形成剤と他の分子及びイオンとの複合体、特にイオン性相互作用によって複合した複合体とも理解されたい。これはまた、生理学的許容塩も含む。
本発明による用語「溶媒和物」とは、デュロキセチン又は共結晶形成剤の形態であって、ここで該化合物がそれに、非共有結合を介して別の分子(多分極性溶媒)に結合したいずれかの形態、特に水和物及びアルコール溶媒和物、例えばメタノール溶媒和物、を意味すると理解されたい。
本発明による共結晶の更なる態様では、デュロキセチンと共結晶形成剤又は複数の共結晶形成剤の少なくとも一種との間のモル比は1とは異なる。これは、共結晶の利点の全てを有する固定された用量において、デュロキセチンと活性剤とを非等量比に発展させる可能にする利点を有するであろう。
共結晶形成剤は、COX−阻害剤(NSAIDsを含む)、好ましくはカルボン酸機能を有するもの、から選ばれる。好ましい例には、サリチル酸塩、アントラニル酸塩、アリール酢酸/アリールアルカン酸、及びアリールプロピオン酸が含まれる。従って、本発明の好ましい態様は、デュロキセチンと、NSAIDs、好ましくはカルボン酸機能を有するNSAIDs、から選ばれる少なくとも1種の共結晶形成剤とを含む共結晶である。本発明の別の好ましい態様は、デュロキセチンと、サリチル酸塩、アントラニル酸塩、アリール酢酸/アリールアルカン酸、又はアリールプロピオン酸から選ばれるNSAIDsから選ばれる少なくとも1種の共結晶形成剤とを含む共結晶である。本発明の他の好ましい態様は、a)デュロキセチンと、サリチル酸塩であるNSAIDから選ばれる少なくとも1種の共結晶形成剤とを含む共結晶;b)デュロキセチンと、アントラニル酸塩であるNSAIDから選ばれる少なくとも1種の共結晶形成剤とを含む共結晶;c)デュロキセチンと、アリール酢酸/アリールアルカン酸であるNSAIDから選ばれる少なくとも1種の共結晶形成剤とを含む共結晶;又はd)デュロキセチンと、アリールプロピオン酸であるNSAIDから選ばれる少なくとも1種の共結晶形成剤とを含む共結晶である。
サリチル酸塩の例は:アセチルサリチル酸、ジフルニザル(Diflunisal)、エテンザミド( Ethenzamide)、サリチルアミド(Salicylamide)、トリフルザル(Triflusal)、フォスフォザル(Fosfosal)、及びベノリレート(Benorylate)である。 アントラニル酸塩の例は:エトフェナメート(Etofenamate)、フルフェナミン酸(Flufenamic acid)、メクロフェナミン酸(Meclofenamic acid)、メフェナミン酸(Mefenamic acid)、ニフルミン酸(Niflumic acid)、及びトルフェナミン酸(Tolfenamic acid)である。アリール酢酸/アリールアルカン酸の例は:アセミタシン(Acemetacin)、オキサメタシン(Oxametacin)、グルカメタシン(Glucametacin)、プログルメタシン(Proglumetacin)、 ブフェキサマック(Bufexamac)、ジクロフェナック(Diclofenac)、アルコフェナック(Alcofenac)、アセクロフェナック(Aceclofenac)、インドメタシン(Indomethacin)、 ロナゾラック(Lonazolac)、スリンダック(Sulindac)、トルメチン(Tolmetin)、アントルメチンガシル(Amtolmetin guacil)、モフェゾラック(Mofezolac)、ブロムフェナック(Bromfenac)、ナブメトン(Nabumetone)、フェンチアザック(Fentiazac)、及びフェルビナック(Felbinac)である。アリールプロピオン酸の例は:フルルビプロフェン(Flurbiprofen)、フルルビプロフェンアクセチル(Flurbiprofen axetil)、イブプロフェン(Ibuprofen)、ケトプロフェン(Ketoprofen)、ナプロキセン(Naproxen)、チアプロフェン酸(Tiaprofenic acid)、ザルトプロフェン(Zaltoprofen)、ピルプロフェン(Pirprofen)、フェノプロフェン(Fenoprofen)、ベダプロフェン(Vedaprofen)、 ネパフェナック(Nepafenac)、アムフェナック(Amfenac)、及びクリダナック(Clidanac)である。
本発明の共結晶の更なる態様では、共結晶形成剤又は共結晶形成剤の1種は、下記から選ばれる:
アセチルサルチル酸、ジフルニザル(Diflunisal)、エテンザミド(Ethenzamide)、サリチルアミド(Salicylamide)、トリフルザル(Triflusal)、フォスフォザル(Fosfosal)、ベノリレート(Benorylate)、エトフェナメート(Etofenamate)、フルフェナミン酸(Flufenamic acid)、メクロフェナミン酸(Meclofenamic acid)、メフェナミン酸(Mefenamic acid)、ニフルミン酸(Niflumic acid)、トルフェナミン酸(Tolfenamic acid)、アセミタシン(Acemetacin)、オキサメタシン(Oxametacin)、グルカメタシン(Glucametacin)、プログルメタシン(Proglumetacin)、ブフェキサマック(Bufexamac)、ジクロフェナック(Diclofenac)、アルコフェナック(Alcofenac)、アセクロフェナック(Aceclofenac)、インドメタシン(Indomethacin)、ロナゾラック(Lonazolac)、スリンダック(Sulindac)、トルメチン(Tolmetin)、アントルメチンガシル(Amtolmetin guacil)、モフェゾラック(Mofezolac)、ブロムフェナック(Bromfenac)、ナブメトン(Nabumetone)、フェンチアザック(Fentiazac)、フェルビナック(Felbinac)、フルルビプロフェン(Flurbiprofen)、フルルビプロフェンアクセチル(Flurbiprofen axetil)、イブプロフェン(Ibuprofen)、ケトプロフェン(Ketoprofen)、ナプロキセン(Naproxen)、チアプロフェン酸(Tiaprofenic acid)、ザルトプロフェン(Zaltoprofen)、ピルプロフェン(Pirprofen)、フェノプロフェン(Fenoprofen)、ベダプロフェン(Vedaprofen)、 ネパフェナック(Nepafenac)、アムフェナック(Amfenac)、及びクリダナック(Clidanac)。
NSAIDの他の例は、コキシブ(Coxibs)、選択性COX-2阻害剤である。従って、本発明の別の好ましい態様は、デュロキセチンと、コキシブであるNSAIDから選ばれる共結晶形成剤の少なくとも1種とを含む共結晶である。コキシブの例は、セレコキシブ(Celecoxib)、エトリコキシブ(Etoricoxib)、ルミラコキシブ(Lumiracoxib)、パレコキシブ(Parecoxib)、ロフェコキシブ(Rofecoxib)、バルデコキシブ(Valdecoxib)、及びシミコキシブ(Cimicoxib)である。
共結晶形成剤の更なる例は、パラ−アミノフェノール誘導体である。従って、本発明の別の好ましい態様は、デュロキセチンと、パラ−アミノフェノール誘導体から選ばれる共結晶形成剤の少なくとも1種とを含む共結晶である。パラ−アミノフェノール誘導体の例は、パラセタモール(Paracetamol)、プロパセタモール(Propacetamol)、及びフェニジン(Phenidine)である。
本発明の共結晶の更なる態様では、共結晶形成剤又は共結晶形成剤の1種は、下記から選ばれる:
アセチルサルチル酸、ジフルニザル(Diflunisal)、エテンザミド(Ethenzamide)、サリチルアミド(Salicylamide)、トリフルザル(Triflusal)、フォスフォザル(Fosfosal)、ベノリレート(Benorylate)、パラセタモール(Paracetamol)、プロパセタモール(Propacetamol)、フェニジン(Phenidine)、エトフェナメート(Etofenamate)、フルフェナミン酸(Flufenamic acid)、メクロフェナミン酸(Meclofenamic acid)、メフェナミン酸(Mefenamic acid)、ニフルミン酸(Niflumic acid)、トルフェナミン酸(Tolfenamic acid)、アセミタシン(Acemetacin)、オキサメタシン(Oxametacin)、グルカメタシン(Glucametacin)、プログルメタシン(Proglumetacin)、ブフェキサマック(Bufexamac)、ジクロフェナック(Diclofenac)、アルコフェナック(Alcofenac)、アセクロフェナック(Aceclofenac)、インドメタシン(Indomethacin)、ロナゾラック(Lonazolac)、スリンダック(Sulindac)、トルメチン(Tolmetin)、アントルメチンガシル(Amtolmetin guacil)、モフェゾラック(Mofezolac)、ブロムフェナック(Bromfenac)、ナブメトン(Nabumetone)、フェンチアザック(Fentiazac)、フェルビナック(Felbinac)、フルルビプロフェン(Flurbiprofen)、フルルビプロフェンアクセチル(Flurbiprofen axetil)、イブプロフェン(Ibuprofen)、ケトプロフェン(Ketoprofen)、ナプロキセン(Naproxen)、チアプロフェン酸(Tiaprofenic acid)、ザルトプロフェン(Zaltoprofen)、ピルプロフェン(Pirprofen)、フェノプロフェン(Fenoprofen)、ベダプロフェン(Vedaprofen)、ネパフェナック(Nepafenac)、アムフェナック(Amfenac)、クリダナック(Clidanac)、メタミゾル(Metamizol)、プロピルフェナゾン(Propylphenazone)、ケブゾン(Kebuzone)、モフェブタゾン(Mofebutazone)、オキシフェンブタゾン(Oxyphenbutazone)、フェニルブタゾン(Phenylbutazone)、アパゾン(Apazone)、イソキシカム(Isoxicam)、ロルノキシカム(Lornoxicam)、ピロキシカム(Piroxicam)、テノキシカム(Tenoxicam)、ケトロラック(Ketorolac)、 プロクアゾン(Proquazone)、オキサプロジン(Oxaprozine)、ジタゾール(Ditazole)、エトドラック(Etodolac)、メロキシカム(Meloxicam)、ニメスリド(Nimesulide)、セレコキシブ(Celecoxib)、エトリコキシブ(Etoricoxib)、ルミラコキシブ(Lumiracoxib)、パレコキシブ(Parecoxib)、ロフェコキシブ(Rofecoxib)、バルデコキシブ(Valdecoxib)、シミコキシブ(Cimicoxib);又はそれらの立体異性体、塩又は代謝産物;
或いは、
アセチルサルチル酸、ジフルニザル(Diflunisal)、エテンザミド(Ethenzamide)、サリチルアミド(Salicylamide)、トリフルザル(Triflusal)、フォスフォザル(Fosfosal)、ベノリレート(Benorylate)、パラセタモール(Paracetamol)、プロパセタモール(Propacetamol)、フェニジン(Phenidine)、エトフェナメート(Etofenamate)、フルフェナミン酸(Flufenamic acid)、メクロフェナミン酸(Meclofenamic acid)、メフェナミン酸(Mefenamic acid)、ニフルミン酸(Niflumic acid)、トルフェナミン酸(Tolfenamic acid)、アセミタシン(Acemetacin)、オキサメタシン(Oxametacin)、グルカメタシン(Glucametacin)、プログルメタシン(Proglumetacin)、ブフェキサマック(Bufexamac)、ジクロフェナック(Diclofenac)、アルコフェナック(Alcofenac)、アセクロフェナック(Aceclofenac)、インドメタシン(Indomethacin)、ロナゾラック(Lonazolac)、スリンダック(Sulindac)、トルメチン(Tolmetin)、アントルメチンガシル(Amtolmetin guacil)、モフェゾラック(Mofezolac)、ブロムフェナック(Bromfenac)、ナブメトン(Nabumetone)、フェンチアザック(Fentiazac)、フェルビナック(Felbinac)、フルルビプロフェン(Flurbiprofen)、フルルビプロフェンアクセチル(Flurbiprofen axetil)、イブプロフェン(Ibuprofen)、ケトプロフェン(Ketoprofen)、ナプロキセン(Naproxen)、チアプロフェン酸(Tiaprofenic acid)、ザルトプロフェン(Zaltoprofen)、ピルプロフェン(Pirprofen)、フェノプロフェン(Fenoprofen)、ベダプロフェン(Vedaprofen)、ネパフェナック(Nepafenac)、アムフェナック(Amfenac)、クリダナック(Clidanac)、メタミゾル(Metamizol)、プロピルフェナゾン(Propylphenazone)、ケブゾン(Kebuzone)、モフェブタゾン(Mofebutazone)、オキシフェンブタゾン(Oxyphenbutazone)、フェニルブタゾン(Phenylbutazone)、アパゾン(Apazone)、イソキシカム(Isoxicam)、ロルノキシカム(Lornoxicam)、ピロキシカム(Piroxicam)、テノキシカム(Tenoxicam)、ケトロラック(Ketorolac)、プロクアゾン(Proquazone)、オキサプロジン(Oxaprozine)、ジタゾール(Ditazole)、エトドラック(Etodolac)、メロキシカム(Meloxicam)、ニメスリド(Nimesulide)、セレコキシブ(Celecoxib)、エトリコキシブ(Etoricoxib)、ルミラコキシブ(Lumiracoxib)、パレコキシブ(Parecoxib)、ロフェコキシブ(Rofecoxib)、バルデコキシブ(Valdecoxib)、シミコキシブ(Cimicoxib);ベルモプロフェン(Bermoprofen);ペルビプロフェン(Pelubiprofen):テノザール(Tenosal);アセノイラミン酸(Aceneuramic acid); ピラゾラック(Pirazolac);キシノプロフェン(Xinoprofen);フロブフェン(Flobufen);アニロラック(Anirolac);ゾリプロフェン(Zoliprofen);ブロムフェナック(Bromfenac);ペメドラック(Pemedolac);デキシペメドラック(Dexpemedolac);ビンダリット(Bindarit);ロマザリット(Romazarit);(S)−ナプロキセン;チアプロフェン酸(Tiaprofenic acid);フェンブフェン(Fenbufen);フェノプロフェン(Fenoprofen);フロブフェン(Flobufen);オキサプロジン(Oxaprozin);又はそれらの立体異性体、塩又は代謝産物;
好ましくは、
アセチルサルチル酸、トリフルザル(Triflusal)、HTB (2−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル安息香酸);ジフルニザル(Diflunisal)、メクロフェナミン酸(Meclofenamic acid)、メフェナミン酸(Mefenamic acid)、ニフルミン酸(Niflumic acid)、フルフェナミン酸(Fulfenamic acid)、ジクロフェナック(Diclofenac)、ロナゾラック(Lonazolac)、アセミタシン(Acemetacin)、インドメタシン(Indomethacin);トルメチン(Tolmetin)、スリンダック(Sulindac)、エトドラック(Etodolac);ケトロラック(Ketorolac);フルビプロフェン(Flurbiprofen); (RS)− フルビプロフェン(Flurbiprofen):エスフルビプロフェン(Esflurbiprofen);イブプロフェン(Ibuprofen);(RS)−イブプロフェン(Ibuprofen);S−(+)−イブプロフェン(Ibuprofen);ケトプロフェン(Ketoprofen);(rac)−ケトプロフェン(Ketoprofen); R−(−)−ケトプロフェン(Ketoprofen);ベルモプロフェン(Bermoprofen);ペルビプロフェン(Pelubiprofen);テノザール(Tenosal);アセノイラミン酸(Aceneuramic acid);ピラゾラック(Pirazolac);キシノプロフェン(Xinoprofen);フロブフェン(Flobufen);アニロラック(Anirolac);ゾリプロフェン(Zoliprofen);ブロムフェナック(Bromfenac);ペメドラック(Pemedolac);デクスペメドラック(Dexpemedolac);ビンダリット(Bindarit);ロマザリット(Romazarit);ナプロキセン(Naproxen);(S)−ナプロキセン(Naproxen);チアプロフェン酸(Tiaprofenic acid);フェンブフェン(Fenbufen);フェノプロフェン(Fenoprofen);フロブフェン(Flobufen);オキサプロジン(Oxaprozin);それらの立体異性体又は塩、
更に好ましくは、アセチルサルチル酸、パラセタモール(Paracetamol);ナプロキセン(Naproxen)、(S)−ナプロキセン(Naproxen);イブプロフェン(Ibuprofen)、(RS)−イブプロフェン(Ibuprofen)、S−(+)−イブプロフェン(Ibuprofen);又はそれらの塩の1種である。
一般に、少なくとも1つの立体中心(stereogenic center)を有するこれらの共結晶形成剤の全ては、それらのラセミ体の形態で、又はジアステレオマー又はエナンチオマー又はそれらの混合物の形態で、本願に含まれると理解されたい。
デュロキセチンとの共結晶形成剤となる非常に興味深いCOX−阻害剤は、市販されている薬物ナプロキセンであり、その化学名は(S)−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオン酸であり、そして生理学的許容塩としても記載されている。それは実験式:C1414、融点:153℃、及びpKa:4.2を有する。
Figure 2011520933
ナプロキセン
従って、本発明の別の非常に好ましい側面は、本発明の共結晶であって、該共結晶形成剤がナプロキセン、そのエナンチオマー又はその塩である共結晶に関する。特に、共結晶形成剤が(S)−ナプロキセンである共結晶を本発明による共結晶と云う。
以下に更に詳しく例示するように、デュロキセチンは(S)−ナプロキセンと共結晶を形成する。一般に、得られる共結晶は、各共結晶形成剤の構造に依存する特定の化学量論を有する。共結晶形成剤が(S)−ナプロキセンである共結晶のこの特定の事例で、デュロキセチンと(S)−ナプロキセンとの分子比は2〜3である。
本発明によるデュロキセチンと(S)−ナプロキセンのこの特定の共結晶において、融点に対応するシャープな吸熱ピークは124℃で立ち上がる。
この特定の、本発明によるデュロキセチンと(S)−ナプロキセンの共結晶はX−線粉末回折パターンで、Å単位でのd−値で表して12.889, 10.733, 10.527, 9.194, 8.541, 7.594, 7.430, 6.656, 6.444, 6.082, 5.975, 5.754, 5.436, 5.346, 5.259, 5.182, 5.131, 4.953, 4.930, 4.817, 4.766, 4.739, 4.690, 4.654, 4.638, 4.597, 4.434, 4.293, 4.266, 4.174, 4.068, 4.005, 3.984, 3.940, 3.886, 3.795, 3.769, 3.735, 3.715, 3.641, 3.577, 及び3.533にピーク有する。
この特定の、本発明によるデュロキセチンと(S)−ナプロキセンの共結晶は、下記の寸法の三斜晶系単位格子を有する:
a = 10.9284(4) Å
b = 12.1480(6) Å
c = 13.5613(7) Å
α = 107.477(3)°
β = 99.792(3)°
γ = 95.382(2)°
デュロキセチンとの共結晶形成剤となる別の非常に興味深いCOX−阻害剤は、市販されている薬物トルメチンであり、その化学名は[1−メチル−5−(4−メチルベンゾイル)−1H−ピロル−2−イル]酢酸であり、そして生理学的許容塩としても記載されている。
Figure 2011520933
トルメチン
従って、本発明の別の非常に好ましい側面は、本発明の共結晶であって、該共結晶形成剤がトルメチン又はその塩である共結晶に関する。
以下に更に詳しく例示するように、デュロキセチンはトルメチンと共結晶を形成する。一般に、得られる共結晶は、各共結晶形成剤の構造に依存する特定の化学量論を有する。共結晶形成剤がトルメチンであるこの特定の事例の共結晶で、デュロキセチンとトルメチンとの分子比は1〜2である。
本発明によるデュロキセチンとトルメチンのこの特定の共結晶において、融点に対応するシャープな吸熱ピークの立ち上がりは111℃である。
この特定の、本発明によるデュロキセチンとトルメチンの共結晶はX−線粉末回折パターンで、Å単位でのd−値で表して13.774, 12.845, 11.510, 9.146, 8.909, 8.462, 7.662, 6.856, 6.435, 6.329, 6.019, 5.881, 5.715, 5.571, 5.259, 5.010, 4.928, 4.888, 4.569, 4.443, 4.274, 4.216, 4.136, 4.032, 3.951, 3.896, 3.830及び3.757にピークを有する。
本発明による共結晶の別の好ましい態様では、共結晶形成剤はイブプロフェン(ibuprofen)、そのエナンチオマー又はその塩である。
本発明による共結晶の更なる好ましい態様では、共結晶形成剤は(S)−イブプロフェンである。
本発明の別の態様は、上記のような本発明による共結晶の製造方法であって、下記のステップを含む方法に関する:
(a)共結晶形成剤を溶媒に溶解又は懸濁させる;
(b)該溶液又は分散液を、周囲温度を越えそして該溶液又は分散液の沸点未満の温度に加熱する;
(c)デュロキセチンを遊離塩基又は塩として、一緒に、又はステップ(a)の後若しくはステップ(a)の前に溶媒中に溶解させる;
(d)(c)の溶液を(b)の加熱溶媒に加え、そしてそれらを混合する;
(e)ステップ(d)の混合した溶液/分散液を周囲温度に冷却する;
(f)得られた共結晶を濾取する。
本発明の別の態様は、上記のような本発明による共結晶の製造方法であって、下記のステップを含む方法に関する:
(代替法I):
(a)共結晶形成剤を溶媒に溶解又は懸濁させる;そして
(b)該溶液又は分散液を、周囲温度を越えそして該溶液又は懸濁液の沸点未満の温度に加熱する;
(c)デュロキセチンを遊離塩基又は塩として、一緒に、又はステップ(a)の後に若しくはステップ(a)の前に溶媒中に溶解させる;
(d)(c)の溶液を(b)の加熱溶媒に加え、そしてそれらを混合する;或いは
(代替法II):
(a)共結晶形成剤及びデュロキセチンを溶媒に溶解又は懸濁させる;そして
(b)該溶液又は分散液を、周囲温度を越えそして該溶液又は分散液の沸点未満の温度に加熱する;
(d)溶媒を(b)の加熱溶媒に加え、そしてそれらを混合する;
次いで(代替法I及びIIの両方について)
(e)ステップ(d)の混合した溶液/分散液を周囲温度に冷却する;
(f)得られた共結晶を濾取する。
「周囲温度」とは本願では、20〜25℃の温度、好ましくは20℃と定義される。
この方法で使用可能な溶媒には、水又は有機溶媒、好ましくはアセトン、酢酸イソブチル、アセトニトリル、酢酸エチル、2−ブタノール、ジメチルカーボネート、クロロベンゼン、ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメチルホルムアミド、エタノール、水、ヘキサン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、メタノール、メチルt−ブチルエーテル、3−ペンタノン、トルエン及び1,1,1−トリクロロエタンが含まれ、最も好ましくはエタノールのようなアルコールが含まれる。代替法Iのステップ(a)及び(c)の溶媒が同じであるのが好ましいが、必要ではない。
デュロキセチンと共結晶形成剤との分子比は10:1〜1:10;好ましくは5:1〜1:5、更に好ましくは3:1〜1:3、そして最も好ましくは1:1〜1:2の間である。
(代替法I)のステップ(c)又は(代替法II)のステップ(a)におけるデュロキセチン溶液は3〜0.01mMの濃度を有するのが好ましい。
本発明による共結晶の該部分は、長い間世界中で時々使用された、鎮痛性を有する良く知られた薬物である。このため、本発明の更なる目的は、本発明の共結晶を含む薬剤である。
従って、本発明はまた、上記のような本発明の共結晶の少なくとも1種、及び場合によっては1種又はそれ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む薬剤に関する。
本発明はまた、本発明の共結晶の治療有効量を生理学的に許容される媒体中に含む薬学的組成物に関する。生理学的に許容される媒体とは、薬学的に許容される補助物質(添加剤/賦形剤)、特に固体薬学的配合物に適したもの、を特に含むと定義され、該補助物質の1種又はそれ以上は該薬学的配合物の一部であり得る。
同じ結晶中の2種の活性主成分(principles)の組合せは幾つかの利点を奏する。それらは結合されて、単一化学的実体として挙動して、治療、配合、投与等を容易にする。これに加えて、デュロキセチンと共結晶形成剤の両方は活性鎮痛剤であると、これらの共結晶は疼痛の治療に非常に有用であり、特に、非APIとの塩におけるように薬理学的に無用な対イオンの添加によっても活性/重量を失わない。更に、上記2種の活性主成分は、特に疼痛の治療においてだけでなく、多分種々の疾病又は症状の治療においても、互いに補足し合う。従って、本発明の共結晶は当技術状態よりも多く利点を組み合わせる。
別の利点は、2種の活性主成分を組み合わせて1つの無比の種(species)にすることは、疼痛の治療を助ける血液−脳バリヤーへのより良い浸透をも含めて、より良い薬物動態/薬力学(PKPD)を可能にするようであることである。
一般に、(例えば、疼痛等の治療のために)デュロキセチンの共結晶が使用される殆どの態様で、これらの共結晶は便利な薬学的配合物又は薬剤に調合されるであろう。従って、デュロキセチンの共結晶の望ましい利点は、特に遊離塩基又はデュロキセチン塩酸塩の場合、改良された薬学的性質及び特徴を示すであろう。このように、本発明のデュロキセチンの共結晶は、望ましくは下記の特徴の少なくとも1つ、好ましくはそれ以上を示すべきである:
・非常に小さい粒径、例えば300μm又はそれ以下、を有すること;又は
・凝集体が本質的にない及び/又はないままであること;又は
・吸湿性が低い又は非常に高くはないこと;又は
・制御放出性又は即時放出性配合物を配合するのを助けること;又は
・高い化学的安定性を有すること;又は
患者に与えた場合、
・血液レベルで被検者間及び被検者内のばらつきを減少させること;又は
・良好な吸収速度(例えば、血漿レベル又はAUCにおける増加)を示すこと;又は
・高い最高血漿濃度(例えばCmax)を示すこと;又は
・血漿中のピーク薬物濃度までの減少した時間(tmax)を示すこと;又は
・化合物の半減期(t1/2)の変化を示し、いかなる方向にでも、この変化が好ましく向くこと。
本発明による薬剤又は薬学的組成物は、ヒト及び/又は動物、好ましくは幼児、子供及び成人を含むヒト、への適用に適したいかなる形態であってもよく、そして当業者に知られた標準的手順により製造できる。本発明の薬剤は、例えば筋肉内、腹腔内、又は静脈内注射、経粘膜内又は舌下適用を含む非経口的投与;又は錠剤、丸薬、顆粒、カプセル、トローチ剤、水性若しくは油状溶液、懸濁液、乳濁液、スプレーとしての投与、又は液体媒体を用いて再構成される乾燥粉末化形態としての投与を含む経口的投与してもよい。
典型的には、本発明の薬剤は、本願で定義した共結晶の1種又はそれ以上を1〜60重量%、及び1種又はそれ以上の補助物質(添加剤/賦形剤)を40〜99重量%含み得る。
本発明の組成物はまた、局所的に又は坐薬により投与してもよい。
ヒト及び動物に対する毎日の用量は、それぞれの種においてそれらが基礎とする要因、例えば年齢、性、体重又は病気の程度、等により変化し得る。ヒトについての毎日の用量は、好ましくは、1日当たり1回又は数回の摂取で投与されるデュロキセチンが5〜500ミリグラムの範囲である。
本発明の更なる側面は、上記のような本発明の共結晶の、疼痛、好ましくは急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、痛覚過敏、異痛又は癌疼痛で、糖尿病性神経障害又は変形性関節症又は線維筋痛を含む疼痛の治療への使用に関する。好ましくはこの使用は、上記のように本発明の薬剤又は薬学的組成物の形態で提供される。本発明の別の側面は、上記のような本発明の共結晶の、疼痛、好ましくは急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、痛覚過敏、異痛又は癌疼痛で、糖尿病性神経障害又は変形性関節症又は線維筋痛を含む疼痛の治療のための薬剤又は薬学的組成物の製造への使用に関する。
本発明の別の目的は、疼痛、好ましくは急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、痛覚過敏、異痛又は癌疼痛であって、糖尿病性神経障害又は変形性関節症又は線維筋痛を含む疼痛を、必要な患者に、上記の(又は以下に記載する好ましい側面で記載する)本発明による共結晶を十分な量で与えることにより治療する方法である。好ましくは、本発明による共結晶は、例えば上記の本発明による薬学的組成物の薬剤の形態のような、生理学的に適切な形態で与えられる。
本発明を、下記の図面及び実施例の助けで以下に例示する。これらの例示は単に例であり、本発明を限定するものではない。
図1は、SCXRD分析により得られた(S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶の構造である。明瞭化のために、水素原子(ヘテロ原子に結合した水素原子を除く)を省略した。図1は、3分子の(S)−ナプロキセンと2分子の(S)−デュロキセチンで形成された構造を示す。
測定した結晶は、偏光を使用するツァイス(Zeiss)立体顕微鏡を使用して選びそして操作用に不活性条件下で保護油としてパーフルオロポリエーテルに浸漬して製造した。結晶構造決定は、APPEX 2 4K CCD領域検出器、MoKα放射線を有するFR591回転アノード、単色光分光器としてモンテル(Montel)ミラー、及びクリオフレックス(Kryoflex)低温装置(T=100K)を備えたブルーカー−ノニウス(Bruker−Nonius)回折計を使用して実施した。全球(Fullsphere)データ収集オメガ及びフィー走査。使用したプログラム:データ収集Apex2V.1.0−22(ブルーカー−ノニウス2004)、データレダクションセイント(data reduction Saint)+バージョン6.22(ブルーカー−ノニウス2001)及び吸収訂正SADABS V.2.10(2003)。結晶構造解析は、SHELXTLバージョン6.10(Sheldrick,Universtitat Gottingen(ドイツ)、2000)で実行されるような直接法を用いて達成し、そしてXPプログラムを用いて可視化した。省略した原子を引き続き差異フーリェ合成から位置させ、そして原子リストに加えた。全ての測定された強度を使用するF02についての最小二乗微調整を、プログラムSHELXTLバージョン6.10(Sheldrick,Universtitat Gottingen(ドイツ)、2000)を用いて実施した。全ての非水素原子を、異方性変位パラメータを含めて微調整した。
図2は、(S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶の粉末X線回折パターンである。サンプル約20mgを、2ホイルのポリアセテートを使用して、標準的サンプルホルダー内で調製した。粉末回折パターンは、CuKα放射線を透過ジオメトリー(transmission geometry)で使用するD8アドバンスシリーズ2シータ/シータ粉末回折系で得た。該系はVANTEC−1単一フォトン計測PSD、ゲルマニウム単色光分光器、90位置自動変換サンプルステージ(ninety positions auto changer sample stage)、固定された分散スリット及び放射状ソラー(soller)を備える。使用したプログラム:DIFFRACプラスXRDコマンダーV.2.4.1を用いたデータ収集、及びEVA V.12.0を用いた評価。
図3は、(S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶のH−NMRである。
図3は、2:3の割合を示す(S)−デュロキセチンと(S)−ナプロキセンの共結晶のH−NMRを描く。
フォトン核磁気共鳴分析を、z−勾配5mmBBO(ブロードバンド観察)プローブを備えたBruker Advance 400 ウルトラシールドNMR分光計内で重水素置換メタノール(MeOH−d4)中で記録した。スペクトルは、サンプル2−10mgを重水素置換溶媒に溶かして得た。
図4は、(S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶のFT−IRスペクトルである。
図4は、得られた共結晶の赤外スペクトルを示す。
FTIRスペクトルを、MKII金ゲート単一反射ATR系、励起源として中間赤外線源、及びDTGS検出器を備えたBruker Tensor27を用いて記録した。スペクトルは4cm−1の解像度で32スキャンで得た。
図5は、(S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶のDSC分析である。
図5は、DSC上で融点124℃での熱分析を示す。
DSC分析は、Mettler Toledo DSC822e中で記録した。サンプル1〜2mgを、ピンホール蓋を有する40μLアルミニウムるつぼ中に秤量し、窒素下(50mL/分)で、10℃/分で30℃から300℃に加熱した。
図6は、(S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶のTG分析である。
図6は、分解温度未満の温度で重量損失なしの熱重量分析を示す。
熱重量分析を、Mettler Toledo SDTA851e内で記録した。サンプル3〜4mgを、ピンホール蓋を有する40μLアルミニウムるつぼ中に秤量し、窒素下(80mL/分)で、10℃/分で30℃から500℃に加熱した。
図7は、実施例1d)に記載する(S)−デュロキセチンHClの安定性の研究である。
図7は、(S)−デュロキセチンHClの、初期(点線)及び5日後(実線)における得られたHPLCクロマトグラムを示す。
図8は、実施例1d)に記載する(S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶の安定性の研究である。
図8は、(S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶の、初期(点線)及び5日後(実線)における得られたHPLCクロマトグラムを示す。
図9は、(S)−デュロキセチン−トルメチン(1:2)共結晶のDSC分析である。
図9は、DSC上で融点111℃での熱分析を示す。
DSC分析は、Mettler Toledo DSC822e中で記録した。サンプル1〜2mgを、ピンホール蓋を有する40μLアルミニウムるつぼ中に秤量し、窒素下(50mL/分)で、10℃/分で30℃から300℃に加熱した。
(S)−デュロキセチン−トルメチン(1:2)共結晶のTG分析。
図9は熱重量分析を示し、分解温度未満の温度で重量損失なしである。
熱重量分析を、Mettler Toledo SDTA851e内で記録した。サンプル3〜4mgを、ピンホール蓋を有する40μLアルミニウムるつぼ中に秤量し、窒素下(80mL/分)で、10℃/分で30℃から500℃に加熱した。
図10は、(S)−デュロキセチン−トルメチン(1:2)共結晶の粉末X線回折パターンである。
サンプル約20mgを、2ホイルのポリアセテートを使用して、標準的サンプルホルダー内で調製した。粉末回折パターンは、CuKα放射線を透過ジオメトリー(transmission geometry)で使用するD8アドバンスシリーズ2シータ/シータ粉末回折系で得た。該系はVANTEC−1単一フォトン計測PSD、ゲルマニウム単色光分光器、90位置自動変換サンプルステージ(ninety positions auto changer sample stage)、固定された分散スリット及び放射状ソラー(soller)を備える。使用したプログラム:DIFFRACプラスXRDコマンダーV.2.4.1を用いたデータ収集、及びEVA V.12.0を用いた評価。
実施例1a:(S)−デュロキセチン−(S)−ナプロキセン(2:3)共結晶を得るための手順
エタノール0.4mL中の(S)-デュロキセチン(472mg, 1.59mmol)の溶液を、エタノール0.8mL中の(S)-ナプロキセン(707mg, 3.07mmol, 1.9当量)の攪拌懸濁液に70℃で加えた。得られた溶液を室温で放置し、白色固体が結晶した。該懸濁液を濾取し、得られた固体をエタノールで洗い、減圧下(10°mm Hg)で 60℃で18時間乾燥して、2:3比の共結晶 (S)-デュロキセチン-(S)-ナプロキセンを白色結晶性固体として得た(710mg, 収率69%)。
実施例1b:(S)-デュロキセチン-(S)-ナプロキセン(2:3)共結晶を得るための手順
エタノール30mL中の(S)-デュロキセチン(26.8g, 0.09mol)の溶液を、エタノール50mL中の(S)-ナプロキセン(31.1g, 0.135mol, 1.5当量)の攪拌懸濁液に70℃で加えた。得られた溶液を室温で放置し、白色固体が結晶した。該懸濁液を濾取し、得られた固体をエタノールで洗い、減圧下(10°mmHg)で50℃で7時間乾燥して、2:3比の共結晶(S)-デュロキセチン-(S)-ナプロキセンを白色結晶性固体として得た(55.6g, 収率96%)。該共結晶は、実施例1aで得られたものと同じであった。
実施例1c:
実施例1a及び1bによる(S)-デュロキセチン-(S)-ナプロキセン共結晶が、デュロキセチン((S)-デュロキセチン)と(S)-ナプロキセンの、1:1〜1:2の混合物から出発して得られた。実施例1a及び1bの例に加えて、共結晶を得るのに最も有効な溶媒を決定するために、種々の溶媒を選別した。下記の溶媒はデュロキセチンを有する共結晶を生じた:アセトン、酢酸イソブチル、アセトニトリル、酢酸エチル、2-ブタノール、ジメチルカーボネート、クロロベンゼン、ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エタノール、水、ヘキサン、イソプロパノール、メチルエチルケトン、メタノール、メチル−イソブチルケトン、メチルt−ブチルエーテル、3-ペンタノン、トルエン、DMF、シクロヘキサン及び1,1,1-トリクロロエタン。夫々のケースで形成された共結晶は、実施例1a及び1bで見出されたものと同じであった。
共結晶の特性化:
実施例1で得られた(S)-デュロキセチン-(S)-ナプロキセン(2:3)共結晶を、H-NMR、FTIR、X-線回折、DSC及びTG により完全に特性化した(図1〜6参照)。
光学回転値は [α]26 D=+74.5° (c=1.00, MeOH)である。
構造を単結晶X-線回折 (SCXRD)分析により完全に決定した:図1に、3分子の(S)-ナプロキセンと2分子の(S)-デュロキセチンで形成された構造を示す。水素原子(ヘテロ原子に結合したものを除く)を、明瞭化のために省略する。
図2は、(S)-デュロキセチンと(S)-ナプロキセンの共結晶の粉末X-線(PXRD)パターンを示す。d-値で表されるピークを表2に詳細に記載する。
Figure 2011520933
図3は、2;3比を示す(S)-デュロキセチンと(S)-ナプロキセンの共結晶のH-NMR 分析を描く。
H NMR (400 MHz, d4-メタノール) δ: 1.50 (d, J = 7 Hz, 9H), 2.38 (m, 2H), 2.56 (m, 2H), 2.66 (s, 6H), 3.13 (m, 2H), 3.23 (m, 2H), 3.75 (q, J = 7 Hz, 3H), 3.88 (s, 9H), 5.88 (dd, J = 5 Hz, J = 8 Hz, 2H), 6.92 (d, J = 8 Hz, 2H), 6.94 (dd, J = 3 Hz, J = 5 Hz, 2H), 7.07 (dd, J = 3 Hz, J = 9 Hz, 3H), 7.12 (d, J = 3 Hz, 2H), 7.16 (d, J = 3 Hz, 3H), 7.27 (t, J = 8 Hz, 2H), 7.32 (dd, J = 1 Hz, J = 5 Hz, 2H), 7.41 (d, J°= 8 Hz, 2H), 7.44-7.51 (m, 7H), 7.67 (m, 9H), 7.79 (m, 2H), 8.28 (m, 2H)。
図4は、このようにして得られた共結晶の赤外線スペクトルを示す。
熱分析は、DSCで124℃の融点を示し(図5)、そしてTGAで、分解温度以下の温度で重量損失は検出されない(図6)。
(S)-デュロキセチン-(S)-ナプロキセン(2:3)共結晶についての結晶データ及び構造精製(structure refinement)の解明は下記の表3に与えられる。
Figure 2011520933
実施例1d:本発明による共結晶の安定性の決定:
目的は、本発明の共結晶の安定性を測定し、そしてそれをデュロキセチンHClの1つと比較することであった。文献には(WO 2007105021)、デュロキセチンを含む錠剤の安定性試験中、分解生成物が分子の再配列工程で生成する。この工程は、HCl及びHBrのような強鉱酸の存在と共に増加する。研究の目的は、(S)-デュロキセチン-(S)-ナプロキセン(2:3)共結晶に60℃/75%相対湿度で比較ストレス試験を行うことである。
暴露条件
各生成物25mgのサンプルを調製し、5cmシャーレー上に均一に拡げ、そして穿孔紙フィルムで密閉して気候室Heraeus HC033内に5日間貯蔵する。
HPLCによる分解生成物
クロマトグラフィー条件:カラム:Sunfire C18、3.5 μm、1004.6 mm;検出:UV 230 nm;流速:1 ml/分。可動相: A) 63% (0.02M KH2PO4、pH 2.5)、28.8% メタノール、8.2%THF。B) 20% (0.02M KH2PO4、pH 2.5)、80% CAN。勾配:100% A) 10分;100% A) から25% A) 40分。溶媒:H2O/CAN、v/v.濃度:0.5 mg/ml。
標準物の調製
それぞれ5〜5.5mgの間の(S)-デュロキセチン-(S)-ナプロキセン(2:3)共結晶及び(S)-デュロキセチンHCl標準物を正確に秤量し、そして水に溶解して、H2O/CAN、v/vを用いて10mlにする。
サンプルの調製
それぞれ5−5.5mgの間の(S)-デュロキセチン-(S)-ナプロキセン(2:3)共結晶及び(S)-デュロキセチンHCl試験サンプルを正確に秤量し、そして水に溶解して、H2O/CAN、v/vを用いて10mlにする。
溶液を上記のクロマトグラフィー条件で2回注入する。
各生成物の検定を以下のように計算した:
% 検定=(面積サンプル濃度標準100)/( 面積サンプル濃度サンプル)
結果:得られた結果を図7及び8に示す。該図で、各サンプルのHPLCプロフィールは初期及び5日後である。得られた結果を下記の表3に要約する:
Figure 2011520933
結論
(S)-ジュロキセチン-(S)-ナプロキセン(2:3)共結晶は(S)-ジュロキセチンHClよりも、研究条件下ではより安定である。図7及び8のHPLCクロマトグラムに観察できるように、(S)-ジュロキセチン-(S)-ナプロキセン(2:3)共結晶プロフィールは5日後に変化しないが、(S)-ジュロキセチンHClプロフィールにおいては、不純物のいくつかが増加する。
実施例1e:本発明のよる共結晶の吸湿性の測定
目的は、本発明の塩の吸湿性を測定し、そしてそれを、該塩の各対応物の公知の塩の一つと比較することである。重量の増加は、サンプルへの水の混入を評価するために、カール フィッシャー因子(Karl Fischer factor)と共に測定する。
“Technical guide for the elaboration of monographs” 特別発行版(special issue)PharmaEuropa, 第3版、1999年12月、によると、吸湿性は、25℃で相対湿度80%に24時間晒した後の重量の増加に基づき定義される。尺度は下記の通りである:
Figure 2011520933
方法:
湿度室の調製:亜硝酸ナトリウムの過飽和溶液(45g/50ml)を調製し、そして加湿室(samplaterecord)に導入する。該室は、使用前に24時間、22 ± 2℃の温度に維持し、そして湿度を毎日制御する。そのように状態調節して、該室は22 ± 2℃で相対湿度64±5%を有する。
−3種のサンプルを調製する:
サンプル1:250mgの、実施例1の(S)-ジュロキセチン-(S)-ナプロキセン(2:3)共結晶、
サンプル2:115mgのジュロキセチン塩酸塩、
サンプル3:102mgのナトリウムナプロキセン。
−該サンプルを状態調節した湿度室に導入し、そして24時間後、48時間後及び7日後に平衡に到達するまで重量を制御する(0.2mg未満の重量変化を有するように2回の連続制御)。
−カール フィシャー(Karl Fischer)もまた、研究の初めと終わりに測定する(Methrom 756 KFを使用)。
結果:
重量変化を制御し、そして下記の百分率を計算する:
Δ重量% = (Pn-P)/P x 100
ここで、Pは初期重量、Pは、サンプルに対して測定した重量である。
結果を下記の表4に要約する:
Figure 2011520933
上記の尺度によると、ナトリウムナプロキセンは吸湿性であるが、ジュロキセチン塩酸塩及び実施例1の(S)-ジュロキセチン-(S)-ナプロキセン(2:3)共結晶塩は吸湿性でない。
実施例2a:(S)-ジュロキセチン-トルメチン(1:2)共結晶を得るための手順
ジイソプロピルエーテルを、酢酸エチル(1mL)中の(S)-ジュロキセチン(289mg, 0.97mmol)とトルメチン(500mg, 1.94mmol, 2当量)の溶液に、還流下で、沈殿が始まるまで滴加した。次いで、最少量の酢酸エチルを滴加して、再び完全溶解に到達させた。次に該溶液を室温に冷却し、そしてゆっくり48時間攪拌した。得られた懸濁液を濾取し、冷酢酸エチルで洗い、そして減圧下で(10mmHg)40℃で4時間乾燥して、1:2の割合の(S)-ジュロキセチン-トルメチン共結晶(700mg, 収率89%)に相当する固体を得た。
(S)-ジュロキセチン-トルメチン共結晶(1:2比)の特性決定
実施例2で得られた(S)-ジュロキセチン-トルメチン(1:2)共結晶を、H-NMR、X線回折、DSC及びTG(図9〜10参照)により完全に特性決定した。
H NMR (400 MHz, d4-メタノール) δ: 2.39-2.50 (m, 7H), 2.61 (m, 1H), 2.71 (s, 3H), 3.21 (m, 1H), 3.31 (m, 1H), 3.68 (s, 4H), 3.93 (s, 6H), 5.96 (dd, J = 4.6 Hz, J = 8 Hz, 1H), 6.10 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 6.96 (m, 2H), 7.17 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 7.28 (m, 4H), 7.33 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.42 (m, 1H), 7.48 (m, 2H), 7.63 (d, J = 8 Hz, 4H), 7.79 (m, 1H), 8.30 (m, 1H)。
DSC (10℃/min):111℃で始まる、融点に対応する吸熱ピーク(図9参照)。
TG (10℃/min):融点未満の温度では重量損失は観察されなかった(図9参照)。
図10は、(S)-ジュロキセチンとトルメチンの共結晶の粉末X線回折(PXRD)パターを示す。d-値で表したピークは表5に詳細に記載する:
Figure 2011520933

Claims (16)

  1. 遊離塩基として又はその生理学的許容塩としてのデュロキセチンと、COX−阻害剤から選ばれる少なくとも1種の共結晶形成剤とを含む共結晶。
  2. 請求項1に記載の共結晶において、上記共結晶形成剤又は上記共結晶形成剤の少なくとも1種が、エーテル、チオエーテル、アルコール、チオール、アルデヒド、ケトン、チオケトン、硝酸エステル、リン酸エステル、チオリン酸エステル、エステル、チオエステル、硫酸エステル、カルボン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、アミド、1級アミン、2級アミン、アンモニア、3級アミン、チオシアネート、シアナミド、オキシム、ニトリル、ジアゾ、オルガノハライド、ニトロ、s−複素環式環、チオフェン、n−複素環式環、ピロール、O−複素環式環、フラン、エポキシド、ペルオキシド、ヒドロキサム酸、イミダゾール、及びピリジンから成る群からの少なくとも1つの官能基を有し;好ましくは、上記共結晶形成剤又は少なくとも1種の上記共結晶形成剤が、アルコール、チオール、エステル、カルボン酸、1級アミン、2級アミン、3級アミンから成る群からの少なくとも1種の官能基を有し;最も好ましくは、上記共結晶形成剤又は上記共結晶形成剤の少なくとも1種が、カルボン酸である少なくとも1種の官能基を有する共結晶。
  3. 請求項1又は2に記載の共結晶において、上記共結晶形成剤又は上記共結晶形成剤の少なくとも1種が、デュロキセチン単独又はデュロキセチンと対応する1種又は複数種の活性剤との混合物のいずれかと比べて、
    ・共結晶の溶解度が増加する;及び/又は
    ・共結晶の用量感応性が増加する;及び/又は
    ・共結晶の効能が増加する;及び/又は
    ・共結晶の溶解性(dissolution)が増加する;及び/又は
    ・共結晶の生物学的利用能が増加する;及び/又は
    ・共結晶の安定性が増加する;及び/又は
    ・共結晶の吸湿性が減少する;及び/又は
    ・共結晶の形態多様性が減少する;及び/又は
    共結晶の形態学が調節される
    ように選ばれる、共結晶。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の共結晶において、上記共結晶形成剤又は上記共結晶形成剤の1種が、
    アセチルサルチル酸、ジフルニザル(Diflunisal)、エテンザミド(Ethenzamide)、サリチルアミド(Salicylamide)、トリフルザル(Triflusal)、フォスフォザル(Fosfosal)、ベノリレート(Benorylate)、パラセタモール(Paracetamol)、プロパセタモール(Propacetamol)、フェニジン(Phenidine)、エトフェナメート(Etofenamate)、フルフェナミン酸(Flufenamic acid)、メクロフェナミン酸(Meclofenamic acid)、メフェナミン酸(Mefenamic acid)、ニフルミン酸(Niflumic acid)、トルフェナミン酸(Tolfenamic acid)、アセミタシン(Acemetacin)、オキサメタシン(Oxametacin)、グルカメタシン(Glucametacin)、プログルメタシン(Proglumetacin)、ブフェキサマック(Bufexamac)、ジクロフェナック(Diclofenac)、アルコフェナック(Alcofenac)、アセクロフェナック(Aceclofenac)、インドメタシン(Indomethacin)、 ロナゾラック(Lonazolac)、スリンダック(Sulindac)、トルメチン(Tolmetin)、アントルメチンガシル(Amtolmetin guacil)、モフェゾラック(Mofezolac)、ブロムフェナック(Bromfenac)、ナブメトン(Nabumetone)、フェンチアザック(Fentiazac)、フェルビナック(Felbinac)、フルルビプロフェン(Flurbiprofen)、フルルビプロフェンアクセチル(Flurbiprofen axetil)、イブプロフェン(Ibuprofen)、ケトプロフェン(Ketoprofen)、ナプロキセン(Naproxen)、チアプロフェン酸(Tiaprofenic acid)、ザルトプロフェン(Zaltoprofen)、ピルプロフェン(Pirprofen)、フェノプロフェン(Fenoprofen)、ベダプロフェン(Vedaprofen)、 ネパフェナック(Nepafenac)、アムフェナック(Amfenac)、クリダナック(Clidanac)、メタミゾル(Metamizol)、プロピルフェナゾン(Propylphenazone)、ケブゾン(Kebuzone)、モフェブタゾン(Mofebutazone)、 オキシフェンブタゾン(Oxyphenbutazone)、フェニルブタゾン(Phenylbutazone)、 アパゾン(Apazone)、イソキシカム(Isoxicam)、ロルノキシカム(Lornoxicam)、ピロキシカム(Piroxicam)、テノキシカム(Tenoxicam)、ケトロラック(Ketorolac)、プロクアゾン(Proquazone)、オキサプロジン(Oxaprozine)、ジタゾール(Ditazole)、エトドラック(Etodolac)、メロキシカム(Meloxicam)、ニメスリド(Nimesulide)、セレコキシブ(Celecoxib)、エトリコキシブ(Etoricoxib)、ルミラコキシブ(Lumiracoxib)、パレコキシブ(Parecoxib)、ロフェコキシブ(Rofecoxib)、バルデコキシブ(Valdecoxib)、シミコキシブ(Cimicoxib);ベルモプロフェン(Bermoprofen);ペルビプロフェン(Pelubiprofen):テノザール(Tenosal);アセノイラミン酸(Aceneuramic acid);ピラゾラック(Pirazolac);キシノプロフェン(Xinoprofen);フロブフェン(Flobufen);アニロラック(Anirolac);ゾリプロフェン(Zoliprofen);ブロムフェナック(Bromfenac);ペメドラック(Pemedolac);デキシペメドラック(Dexpemedolac);ビンダリット(Bindarit);ロマザリット(Romazarit);チアプロフェン酸(Tiaprofenic acid);ケトロラック(Ketorolac);フェンブフェン(Fenbufen);フェノプロフェン(Fenoprofen);フロブフェン(Flobufen);オキサプロジン(Oxaprozin);又はそれらの立体異性体、塩若しくは代謝産物から選ばれる、共結晶。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の共結晶において、上記共結晶形成剤が、ナプロキセン、そのエナンチオマー又は塩;好ましくは上記共結晶形成剤が、(S)−ナプロキセン又はその塩である、共結晶。
  6. 請求項5に記載の共結晶において、デュロキセチンと(S)−ナプロキセンとの分子比が2:3である、共結晶。
  7. 請求項6に記載の共結晶において、融点に対応するシャープな吸熱ピークの立ち上がりが124℃にある共結晶。
  8. 請求項6に記載の共結晶において、Å単位でのd−値で表してピークを12.889, 10.733, 10.527, 9.194, 8.541, 7.594, 7.430, 6.656, 6.444, 6.082, 5.975, 5.754, 5.436, 5.346, 5.259, 5.182, 5.131, 4.953, 4.930, 4.817, 4.766, 4.739, 4.690, 4.654, 4.638, 4.597, 4.434, 4.293, 4.266, 4.174, 4.068, 4.005, 3.984, 3.940, 3.886, 3.795, 3.769, 3.735, 3.715, 3.641, 3.577及び3.533に有するX−線粉末回折パターンを示すことを特徴とする共結晶。
  9. 請求項6に記載の共結晶において、下記の寸法を有する三斜晶系単位格子を有することを特徴とする共結晶:
    a = 10.9284(4) Å
    b = 12.1480(6) Å
    c = 13.5613(7) Å
    α = 107.477(3)°
    β = 99.792(3)°
    γ = 95.382(2)°
  10. 請求項1〜4に記載の共結晶において、上記共結晶形成剤がトルメチン又はその塩である共結晶。
  11. 請求項10に記載の共結晶において、デュロキセチンとトルメチンとの分子比が1:2である共結晶。
  12. 請求項11に記載の共結晶において、融点に対応するシャープな吸熱ピークの立ち上がりが111℃にあることを特徴とする共結晶。
  13. 請求項11に記載の共結晶において、Å単位でのd−値で表してピークを13.774, 12.845, 11.510, 9.146, 8.909, 8.462, 7.662, 6.856, 6.435, 6.329, 6.019, 5.881, 5.715, 5.571, 5.259, 5.010, 4.928, 4.888, 4.569, 4.443, 4.274, 4.216, 4.136, 4.032, 3.951, 3.896, 3.830及び3.757に有するX−線粉末回折パターンを示すことを特徴とする共結晶。
  14. 下記のステップを含む、請求項1〜13に記載の共結晶の製造方法:
    (代替法I):
    (a)共結晶形成剤を溶媒中に溶解又は懸濁させる;そして
    (b)該溶液又は分散液を、周囲温度を越えそして該溶液又は分散液の沸点未満の温度に加熱する;
    (c)デュロキセチンを遊離塩基又は塩として、一緒に、又はステップ(a)の後に、又はステップ(a)の前に溶媒中に溶解させる;
    (d)(c)の溶液を(b)の加熱溶媒に加え、そしてそれらを混合する;或いは(代替法II):
    (a)共結晶形成剤及びデュロキセチンを溶媒中に溶解又は懸濁させる;そして
    (b)該溶液又は分散液を、周囲温度を越えそして該溶液又は分散液の沸点未満の温度に加熱する;
    (d)溶媒を(b)の加熱溶媒に加え、そしてそれらを混合する;
    次いで(代替法I及びIIの両方について)
    (e)ステップ(d)の混合した溶液/分散液を周囲温度に冷却する;
    (f)得られた共結晶を濾取する。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の共結晶の治療有効量を生理学的に許容される媒体中に含むことを特徴とする薬学的組成物。
  16. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の共結晶の、疼痛、好ましくは急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、痛覚過敏、異痛又は癌疼痛であって、糖尿病性神経障害又は糖尿病性末梢神経障害及び変形性関節症又は線維筋痛を含む疼痛の治療への使用。
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