JP2011259373A - 立体画像表示装置及び立体画像表示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来方式に比べて立体表示機構を複雑化することなく、立体画像を全周囲から再現性良く視認でき、かつ、観察者の視点位置に応じた様々な態様で立体画像表示を行うことができるようにする。
【解決手段】回転軸を回転中心として回転する円筒状の回転部104と、回転部104の内部に取り付けられ、複数の発光素子が配設されることにより形成された発光面を有する2次元発光素子アレイと、回転部104の周面に設けられたスリットとを備える。複数の発光素子が、発光面の方向に応じた光を、スリットを介して回転部の外部に放射する。表示制御部15が、視点検出手段(全方位カメラ91、撮像信号処理部92)によって検出された観察者の視点位置に応じて、表示する立体画像の内容が変化する状態となるように複数の発光素子の発光制御を行う。
【選択図】図39
【解決手段】回転軸を回転中心として回転する円筒状の回転部104と、回転部104の内部に取り付けられ、複数の発光素子が配設されることにより形成された発光面を有する2次元発光素子アレイと、回転部104の周面に設けられたスリットとを備える。複数の発光素子が、発光面の方向に応じた光を、スリットを介して回転部の外部に放射する。表示制御部15が、視点検出手段(全方位カメラ91、撮像信号処理部92)によって検出された観察者の視点位置に応じて、表示する立体画像の内容が変化する状態となるように複数の発光素子の発光制御を行う。
【選択図】図39
Description
本発明は、全周囲に亘って立体画像を表示することが可能な立体画像表示装置及び立体画像表示方法に関するものである。
被写体を全周囲に渡って撮像したり、コンピュータにより作成した立体画像表示用の2次元映像情報等に基づいて被写体の全周囲に渡る立体画像を再生する光線再生方式の全周囲立体画像表示装置に関しては、これまでにも多くの提案がなされている。例えば、非特許文献1には、全方向から見ることができる立体映像表示装置が開示されている。この立体映像表示装置によれば、視野角制限スクリーン、回転機構、上部の鏡、下部の鏡群、プロジェクタ及びパーソナルコンピュータを備え、両眼視差を利用した立体的な映像を表示する。パーソナルコンピュータはプロジェクタ及び回転機構を制御する。
プロジェクタは立体画像表示用の映像を上部の鏡に投影する。上部の鏡に投影された立体画像表示用の映像は、下部の鏡群に反射して視野角制限スクリーンに投影される。視野角制限スクリーンは、回転機構によって高速に回転する。このように立体映像表示装置を構成すると、背景が透けて見え、360°どこからでも3次元立体映像を見ることができるというものである。
非特許文献2には、全周囲から見ることができる3Dビデオディスプレイが開示されている。この3Dビデオディスプレイによれば、立体画像表示用の筒状の回転体及びモータを備えている。回転体の周面には光が透過可能な複数の垂直ラインが設けられる。回転体内には、タイミングコントローラ、ROM、LEDアレイ、LEDドライバ、アドレスカウンタが設けられる。タイミングコントローラは、アドレスカウンタ、ROM及びLEDドライバに接続され、これらの出力を制御する。ROMには、立体画像表示用の画像データが格納される。一方、回転体の回転軸にはスリップリングが設けられる。スリップリングを介して回転体内の部品には電源が供給される。
アドレスカウンタはタイミングコントローラからのセット/リセット信号に基づいてアドレスを発生する。アドレスカウンタにはROMが接続される。ROMは、タイミングコントローラからの読み出し制御信号及びアドレスカウンタからのアドレスを入力し、立体画像表示用の画像データを読み出してLEDドライバに出力する。LEDドライバは、ROMからの画像データ及びタイミングコントローラからの発光制御信号を入力してLEDアレイを駆動する。LEDアレイはLEDドライバにより制御されて発光する。モータは、回転体を回転する。このように、3Dビデオディスプレイを構成すると、全周360°の範囲に立体像を表示できるので、両眼視差用めがねを掛けないで、立体像を観察できるようになるというものである。
この種の全周囲の立体画像表示装置に関連して、特許文献1には、立体画像表示装置が開示されている。この立体画像表示装置によれば、光線束割り当て手段及び円筒状の2次元パターン表示手段とを備える。光線束割り当て手段は、観測者から見て凸状の曲面を有する表示面の前面あるいは背面に設けられる。当該手段は、複数の開口部が形成されるか、あるいは、レンズがアレイ状に形成された曲面を有し、開口部あるいはレンズのそれぞれに表示面の複数の画素からの光線束が割り当てられる。2次元パターン表示手段は、2次元パターンを表示面に表示するようになされる。
このように立体画像表示装置を構成すると、フルモーション動画表示が容易な立体画像の画像マッピングを効率的に実行することができ、視点位置を変えても立体画像が破綻することなく、かつ、高い解像度で立体画像を表示できるというものである。
また、特許文献2には、光線再生方式のディスプレー装置が開示されている。このディスプレー装置によれば、1つの発光ユニット及び筒状のスクリーンを備える。発光ユニットは回転軸の周囲に回転可能な構造を有する。スクリーンは、発光ユニットの周囲に配置され、回転軸において軸対称な回転体の一部形状を成している。発光ユニットのスクリーンに対向する側には複数の発光部が配置され、各々の発光部は、互いに異なる2つ以上の方向を光の放射方向となされ、光の放射角度を所定の範囲に制限する。
発光ユニットが回転軸の周囲を回転し、発光部が回転走査されると共に、与えられた情報に従って発光部の発光光量が変調され、スクリーンに画像を表示するようになされる。このように、ディスプレー装置を構成すると、全周360°の範囲に立体像を表示できるので、多人数で両眼視差用のめがね無しに立体像を観察できるようになるというものである。
また、特許文献3には、筒形状の装置の内部に湾曲した状態で画像を表示すると共に、装置全体を回転させることによって、装置の周囲にいる全ての観測者に対して同じ画像が提供されるようにした表示装置の発明が開示されている。
特許文献4には、複数のパララックス数に対応する個数の表示単位から所定の視差の刻み角をもって光束を照射する表示ユニットを、観察者に対して回転させながら発光させることにより立体表示を行うようにした立体表示装置の発明が開示されている。
"全方向から見ることができる立体映像表示装置" URL:http://hhil.hitachi.co.jp/products/transpost.html
"Cylindrical 3-D Video Display Observable from All Directions" URL:http://www.yendo.org/seelinder/
ところで、従来方式に係る立体画像表示装置によれば、次のような問題がある。
非特許文献1に見られる立体映像表示装置によれば、視野角制限スクリーン、回転機構、上部の鏡、下部の鏡群、プロジェクタ及びパーソナルコンピュータを備えなければならないので、システムが大きくなって制御が複雑となる。
非特許文献2に見られる3Dビデオディスプレイによれば、回転体の周面に設けられた複数の垂直ラインから透過する光で立体像を表示するので、光線の利用効率が悪くなり、エネルギー損出が大きくなるおそれがある。
特許文献1に見られる立体画像表示装置によれば、観測者から見て凸状の曲面を有する表示面の前面あるいは背面に設けられ、複数の開口部が形成されるか、あるいは、レンズがアレイ状に形成された曲面を有する光線束割り当て手段を備える。開口部あるいはレンズのそれぞれに表示面の複数の画素からの光線束が割り当てられるので、実用的な画質が得られないという問題がある。
特許文献2に見られる光線再生方式のディスプレー装置によれば、発光ユニットが回転軸の周囲を回転し、発光部が回転走査されると共に、与えられた情報に従って発光部の発光光量が変調され、固定されたスクリーンに画像を表示するようになされる。このため、特許文献1に見られる立体画像表示装置と同様にして、実用的な画質が得られないという問題がある。
また、特許文献3に記載の表示装置は、装置の周囲にいる全ての観測者に対して同じ画像が提供されるようにしたものであり、視点位置に応じた視差のある画像が表示されるような立体表示を行うことはできない。
特許文献4には、円筒形状の装置の全周に亘って視点位置に応じた視差のある画像を表示することを可能にした立体表示装置に関する記載がある。しかしながら、装置周囲の任意の視点位置から観測したときに、どのような状態で画像が表示されるのか具体的な記載が無く、実現性に乏しい。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、従来方式に比べて立体表示機構を複雑化することなく、立体画像を全周囲から再現性良く視認でき、かつ、観察者の視点位置に応じた様々な態様で立体画像表示を行うことができるようにした立体画像表示装置及び立体画像表示方法を提供することにある。
本発明による立体画像表示装置は、内部に回転軸を有し、回転軸を回転中心として回転する円筒状の回転部と、回転部の内部に取り付けられ、複数の発光素子が配設されることにより形成された発光面を有する発光素子アレイと、回転部の周面に設けられ、発光面からの光を回転部の外部に放射するスリットと、スリットを介して放射された光によって回転部の周囲において立体画像が表示されるように、複数の発光素子の発光制御を行う表示制御部と、回転部の周囲に存在する観察者の視点位置を検出する視点検出手段とを備えたものである。
そして、表示制御部が、視点検出手段によって検出された観察者の視点位置に応じて、表示する立体画像の内容が変化する状態となるように複数の発光素子の発光制御を行うようにしたものである。
そして、表示制御部が、視点検出手段によって検出された観察者の視点位置に応じて、表示する立体画像の内容が変化する状態となるように複数の発光素子の発光制御を行うようにしたものである。
本発明による立体画像表示方法は、内部に回転軸を有し、回転軸を回転中心として回転する円筒状の回転部と、回転部の内部に取り付けられ、複数の発光素子が配設されることにより形成された発光面を有する発光素子アレイと、回転部の周面に設けられ、発光面からの光を回転部の外部に放射するスリットと、スリットを介して放射された光によって回転部の周囲において立体画像が表示されるように、複数の発光素子の発光制御を行う表示制御部と、回転部の周囲に存在する観察者の視点位置を検出する視点検出手段とを備えた立体画像表示装置によって立体画像の表示を行う際に、表示制御部が、視点検出手段によって検出された観察者の視点位置に応じて、表示する立体画像の内容が変化する状態となるように複数の発光素子の発光制御を行うようにしたものである。
本発明の立体画像表示装置または立体画像表示方法では、内部に発光素子アレイが取り付けられた状態で回転部が回転する。この回転した状態で、発光素子アレイの発光面からの光がスリットを介して回転部の外部に放射される。これにより、観測者は回転部の周囲の任意の位置において、立体画像を認識することができる。また、視点検出手段によって、回転部の周囲に存在する観察者の視点位置が検出される。表示制御部は、視点検出手段によって検出された観察者の視点位置に応じて、表示する立体画像の内容が変化する状態となるように発光素子アレイにおける複数の発光素子の発光制御を行う。
視点検出手段は、例えば、少なくとも観察者の視点位置の高さを検出する。表示制御部は、例えば、観察者の視点位置の高さに応じて、表示する立体画像の内容が変化する状態となるように複数の発光素子の発光制御を行う。
また、視点検出手段が、回転部の周囲における複数の観察者のそれぞれの水平方向の視点位置を検出するようにしても良い。そして、表示制御部が、複数の観察者のそれぞれの水平方向の視点位置の違いに応じて、複数の観察者のそれぞれに対して異なる内容の立体画像が表示される状態となるように複数の発光素子の発光制御を行うようにしても良い。
本発明の立体画像表示装置または立体画像表示方法によれば、内部に発光素子アレイが取り付けられた状態で回転部を回転させ、発光素子アレイの発光面からの光をスリットを介して回転部の外部に放射することで回転部の周囲に立体画像を表示するようにしたので、従来方式に比べて立体表示機構を複雑化することなく、立体画像を全周囲から再現性良く視認できる。
また、視点検出手段によって検出された観察者の視点位置に応じて、表示する立体画像の内容を変化させるようにしたので、様々な態様で立体画像を表示することができる。例えば、観察者の視点位置の高さに応じて、表示する立体画像の内容を変化させることで、例えば高さ方向に視差のある立体画像表示を行うことができる。
また、回転部の周囲における複数の観察者のそれぞれの水平方向の視点位置を検出し、複数の観察者のそれぞれに対して異なる内容の立体画像を表示するようにした場合には、1台の立体画像表示装置でありながら、複数の観察者のそれぞれに対して異なる立体画像を同時に表示することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という)について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順番で行う。
1.第1の実施の形態(全周囲立体画像表示装置10:構成例、組立例、形状算出例、
形成例、動作原理、軌跡例、様子、データ生成例、立体画像表示例
)
2.第2の実施の形態(全周囲立体画像表示装置20:構成例及び動作例)
3.第3の実施の形態(全周囲立体画像表示装置30:構成例及び動作例)
4.第4の実施の形態(全周囲立体画像表示装置40:構成例及び動作例)
5.第5の実施の形態(全周囲立体画像表示装置50:構成例及び動作例)
6.第6の実施の形態(全周囲立体画像表示装置60:構成例及び動作例)
7.第7の実施の形態(スリット幅の最適化)
8.第8の実施の形態(発光タイミングの最適化)
9.第9の実施の形態(第1から第8の各実施の形態の表示装置による立体画像の視聴例)
10.第10の実施の形態(全周囲立体画像表示装置70:構成例及び動作例)
11.第11の実施の形態(全周囲立体画像表示装置80:構成例及び動作例)
12.第12の実施の形態(複数コンテンツ同時視聴)
1.第1の実施の形態(全周囲立体画像表示装置10:構成例、組立例、形状算出例、
形成例、動作原理、軌跡例、様子、データ生成例、立体画像表示例
)
2.第2の実施の形態(全周囲立体画像表示装置20:構成例及び動作例)
3.第3の実施の形態(全周囲立体画像表示装置30:構成例及び動作例)
4.第4の実施の形態(全周囲立体画像表示装置40:構成例及び動作例)
5.第5の実施の形態(全周囲立体画像表示装置50:構成例及び動作例)
6.第6の実施の形態(全周囲立体画像表示装置60:構成例及び動作例)
7.第7の実施の形態(スリット幅の最適化)
8.第8の実施の形態(発光タイミングの最適化)
9.第9の実施の形態(第1から第8の各実施の形態の表示装置による立体画像の視聴例)
10.第10の実施の形態(全周囲立体画像表示装置70:構成例及び動作例)
11.第11の実施の形態(全周囲立体画像表示装置80:構成例及び動作例)
12.第12の実施の形態(複数コンテンツ同時視聴)
<第1の実施の形態>
[全周囲立体画像表示装置10の構成例]
図1は、第1の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置10の構成例を示す部分破断斜視図である。図1に示す全周囲立体画像表示装置10は光線再生方式の立体画像表示装置の一例を構成し、2次元発光素子アレイ101、スリット付きの回転部104及び駆動機構付きの設置架台105を備えている。全周囲立体画像表示装置10は、被写体を全周囲に渡って撮像したり、コンピュータにより作成された立体画像表示用の2次元映像情報等(以下単に映像データDinという)に基づいて被写体の全周囲に渡る立体画像を再生するものである。
[全周囲立体画像表示装置10の構成例]
図1は、第1の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置10の構成例を示す部分破断斜視図である。図1に示す全周囲立体画像表示装置10は光線再生方式の立体画像表示装置の一例を構成し、2次元発光素子アレイ101、スリット付きの回転部104及び駆動機構付きの設置架台105を備えている。全周囲立体画像表示装置10は、被写体を全周囲に渡って撮像したり、コンピュータにより作成された立体画像表示用の2次元映像情報等(以下単に映像データDinという)に基づいて被写体の全周囲に渡る立体画像を再生するものである。
回転部104はスリット付きの外装体41及び、吸気口付きのターンテーブル42を有して構成される。ターンテーブル42上には外装体41が取り付けられる。ターンテーブル42は円盤状を成しており、その中心位置には回転軸103が設けられている。回転軸103は、ターンテーブル42の回転中心となされると共に、外装体41の回転中心となされ、以下で、回転部104の回転軸103ともいう。ターンテーブル42の所定の位置には吸気口106が設けられ、外装体41の内側へ空気を取り込むようになされる。
ターンテーブル42上の外装体41の内側には、所定の形状を有した1以上の2次元発光素子アレイ101が備えられている。2次元発光素子アレイ101は、例えば、m行×n列個の発光素子をマトリクス状に配列したものである。発光素子には、発光ダイオードや、レーザダイオード、有機ELなどの自発光素子が使用される。2次元発光素子アレイ101は、回転部104の回転に応じて複数の発光素子が発光し、かつ、立体画像用の映像データDinに基づいて発光制御されるようになっている。この発光制御は、後述する表示制御部15(図18)によって行われる。
もちろん、発光素子は、自発光素子に限られることはなく、光源と変調素子を組み合わせた発光装置でもよい。視点p(図3参照)に対するスリット回転走査時、回転部104の変調速度に追従できる発光素子であれば、どんな形態の発光素子や発光装置であってもよい。2次元発光素子アレイ101には、発光素子の他に、当該発光素子を駆動するための駆動回路(ドライバ)が実装されている。
2次元発光素子アレイ101は、例えば、プリント配線基板を湾曲状(例えば円弧状)に切り欠いた小口面に、複数の発光素子をライン状に配設(実装)した1次元発光素子基板#1(図5〜図7参照)を回転軸103に沿って複数枚積層した積層構造を有する。このように構成すると、曲面形状(例えば円弧状)の発光面を有した2次元発光素子アレイ101を容易に構成できるようになる。
ターンテーブル42上の2次元発光素子アレイ101を覆うように取り付けられた外装体41は、所定の口径φ及び所定の高さHを有した円筒状を成している。外装体41の口径φは100mm乃至200mm程度であり、その高さHは400mm乃至500mm程度である。外装体41の周面の所定の位置にはスリット102が設けられる。スリット102は、外装体41の周面において、回転軸103に平行する方向に穿設され、2次元発光素子アレイ101の発光面の前方に固定され、光の放射角度を所定の範囲に制限する。
もちろん、スリット102は開孔部に限られることはなく、光が透過する透明部材から構成される窓部であってもよい。この例で、外装体41の周面のスリット102と、その内側の2次元発光素子アレイ101とにより1組単位の発光ユニットUi(i=1,2,3・・・)が構成される。
上述の2次元発光素子アレイ101は曲面形状となっている部分を有し、その曲面形状の凹面側が発光面とされている。そして、その曲面形状の発光面がスリット102に向くように回転部104の回転軸103とそのスリット102との間に配置されている。このように構成すると、平坦状の発光面に比べて曲面形状の発光面から出射した光をスリット102に導き(集光し)易くなる。外装体41は、鉄板やアルミニウム板をプレス加工や、ロール加工等を施して筒状体に形成したものを使用する。外装体41の内外部は、好ましくは、光を吸収するように黒色に塗布される。なお、外装体41のスリット102の上部の開孔部は、センサ用の孔部108である。
外装体41の天板部位はファン構造となされ、ターンテーブル42の吸気口106から取り入れた冷却用の空気を外部へ排気するようになされる。例えば、外装体41の天板部位(上部)に、冷却用の羽根部材の一例となるブレード等のわずかなファン部107(排気口)を設け、回転動作を利用して空気の流れを作り出し、2次元発光素子アレイ101やその駆動回路から発生する熱を強制排気する。ファン部107は外装体41の上部を切り欠いて天板部位と兼用するようにしてもよい。天板部位と兼用することで、外装体41が強固になる。
ファン部107は、回転部104の回転軸103の上部に限られることはなく、その外装体41の下部の回転軸103の付近に取り付けてもよい。羽根部材の羽根の向きにもよるが、回転部104が回転すると、回転部104の上部から下部へ向かう空気の流れ、又は、回転部104の下部から上部へ向かう空気の流れを作り出すことができる。いずれの場合も、回転部104の上部又は下部に空気の吸い込み口や、その排気口を設けて置くとよい。
このように、回転軸103に羽根部材を取り付けたので、回転部104の回転動作を利用して空気の流れを作り出すことができる。従って、ファンモータなどを新たに追加せずに、2次元発光素子アレイ101から発生する熱を外部へ排気できるようになる。これによるファンモータが不要になることから、全周囲立体画像表示装置60のコストダウンを図ることができる。
設置架台105は、ターンテーブル42を回転自在に支持する部分である。設置架台105の上部には、図示しない軸受け部が設けられる。軸受け部は回転軸103を回転自在に係合する共に、回転部104を支持する。設置架台105の内部にはモータ52(駆動部)が設けられ、ターンテーブル42を所定の回転(変調)速度で回転するようになされる。例えば、回転軸103の下端には、直結方式のACモータ等が係合される。モータ52は回転力を回転軸103に直接伝達し、回転軸103が回転することで、回転部104が所定の変調速度で回転する。
この例で、回転部104に対して電力や映像データDinを送る際に、スリップリング51を介して送る方法が採られる。この方法によれば、回転軸103に電力及び映像データDinを伝送するスリップリング51が設けられる。スリップリング51は固定側部品と回転側部品とに区分される。回転側部品は回転軸103に取り付けられる。固定側部品にはハーネス53(配線ケーブル)が接続される。
回転側部品には他のハーネス54を介して2次元発光素子アレイ101が接続される。固定側部品と回転側部品との間は、図示しない摺動子が環状体に電気的に接触する構造となされている。摺動子は固定側部品又は回転側部品を構成し、環状体は回転側部品又は固定側部品を構成する。この構造により、設置架台105内において、外部から供給される電力や映像データDinをスリップリング51を介して2次元発光素子アレイ101に伝送できるようになる。
[全周囲立体画像表示装置10の組立例]
続いて、図2〜図8を参照して全周囲立体画像表示装置10の組立方法及び各部材の製造方法について説明する。図2は全周囲立体画像表示装置10の組立例を示す分解斜視図である。全周囲立体画像表示装置10の組立方法によれば、まず、図2に示すようなスリット付きの外装体41及び吸気口付きのターンテーブル42を準備して、回転部104を形成する。例えば、所定の口径の筒素材を所定の長さに切削加工して、所定の口径及び所定の長さを有した円筒状の外装体41を形成する。この例で、外装体41には鉄板やアルミニウム板を筒状体にしたものを使用する。
続いて、図2〜図8を参照して全周囲立体画像表示装置10の組立方法及び各部材の製造方法について説明する。図2は全周囲立体画像表示装置10の組立例を示す分解斜視図である。全周囲立体画像表示装置10の組立方法によれば、まず、図2に示すようなスリット付きの外装体41及び吸気口付きのターンテーブル42を準備して、回転部104を形成する。例えば、所定の口径の筒素材を所定の長さに切削加工して、所定の口径及び所定の長さを有した円筒状の外装体41を形成する。この例で、外装体41には鉄板やアルミニウム板を筒状体にしたものを使用する。
その後、外装体41の周面の所定の位置にスリット102及びセンサ用の孔部108を形成する。この例でスリット102は、回転軸103及び筒素材の周面の当該回転軸103に平行する方向に穿設する。孔部108は、スリット102の上部に開孔する。外装体41はターンテーブル42上に取り付けて使用される。外装体41の内外部は光を吸収するように黒色に塗布するとよい。
次に、所定の厚みを有した円盤状の金属素材を使用してターンテーブル42を形成する。ターンテーブル42の中心位置に回転軸103を形成する。回転軸103は、ターンテーブル42の回転中心となると共に、外装体41の回転中心となる。この例では、ターンテーブル42上に突出するように、図示しない位置決め用の1対の棒状部材(以下位置決めピン83という)を形成する。この位置決めピン83は、1次元発光素子基板#1等を積層する際に使用する。
また、上述の回転軸103にスリップリング51を設けて、その回転側部品からハーネス54を引き出す。ターンテーブル42の所定の位置に吸気口106を形成する。吸気口106は、外装体41の内側へ空気を取り込む際の空気取り入れ口となる。ターンテーブル42も光を吸収するように黒色に塗布するとよい。
一方で、立体画像結像用の所定形状を有する2次元発光素子アレイ101を形成する。この例では、曲面形状の発光面を成すように2次元発光素子アレイ101を形成する。図3は、2次元発光素子アレイ101の発光面の形状算出例(その1)を示す説明図である。
この例では、図3に示すx−y座標平面(回転軸103に直交する平面)において、2次元発光素子アレイ101の発光面の形状は、以下の式で表される点(x(θ),y(θ))が描く曲線になる。2次元発光素子アレイ101を形成する際に、回転部104の回転軸103から任意の視点pに至る線分の距離をL1とする。回転軸104から2次元発光素子アレイ101までの最短距離をL2とする。なお、この全周囲立体画像表示装置10では、任意の視点pから装置を観測したときに、2次元発光素子アレイ101による発光点の軌跡、すなわち観測される画像表示面が例えば平面となるような画像表示がなされる。この場合、L2は、回転軸103から複数の発光素子による発光点の軌跡によって形成される平面までの距離に等しい。
更に、回転部104の回転軸103からスリット102に至る線分の距離をrとし、距離L1の線分と距離rの線分とが成す角度であって、当該距離L1の線分に対するスリット102の位置を示す角度θとする。そして、2次元発光素子アレイ101の発光面の湾曲形状を成すx軸座標値をx(θ)とし、2次元発光素子アレイ101の発光面の湾曲形状を成すy軸座標値をy(θ)とする。x軸座標値x(θ)は、(1)式、すなわち、
x(θ)=r(L2−L1)sinθcosθ/(L1−r cosθ)+L2sinθ …(1)
となる。
y軸座標値y(θ)は、(2)式、すなわち、
y(θ)=r(L2−L1)sin2θ/(L1−rcosθ)−L2cosθ …(2)
となる。このx軸座標値x(θ)及びy軸座標値y(θ)により、当該2次元発光素子アレイ101の発光面の形状を決定する。ただし、図中、(x1、y1)はスリット102の座標である。(x2、−L2)は、視点pからスリット102を介して実際に観測される発光点の座標である。
x(θ)=r(L2−L1)sinθcosθ/(L1−r cosθ)+L2sinθ …(1)
となる。
y軸座標値y(θ)は、(2)式、すなわち、
y(θ)=r(L2−L1)sin2θ/(L1−rcosθ)−L2cosθ …(2)
となる。このx軸座標値x(θ)及びy軸座標値y(θ)により、当該2次元発光素子アレイ101の発光面の形状を決定する。ただし、図中、(x1、y1)はスリット102の座標である。(x2、−L2)は、視点pからスリット102を介して実際に観測される発光点の座標である。
これにより、視点pからスリット102を介して観測される発光点の軌跡が、平面を成して見える2次元発光素子アレイ101の発光面の形状を決定できるようになる。発光面の形状が決定したら、プリント配線基板を湾曲形状に切り欠いて形成すればよい。
図4は、前述の式(1),(2)で求めた2次元発光素子アレイ101の発光面の形状の算出例を示す説明図である。図4に示す発光面形状の算出例によれば、図3に示した回転部104の回転軸103から任意の視点pに至る線分の距離L1が90mmである。回転部104の回転軸103から仮想直線に至る距離L2は10mmである。回転部104の回転軸103からスリット102に至る線分の距離rは30mmである。距離L1の線分と距離rの線分とが成す角度であって、当該距離L1の線分に対するスリット102の位置を示す角度θが−33°≦θ≦33°の場合を示している。
図5〜図7は、2次元発光素子アレイ101の形成例(その1〜3)を示す斜視図である。図5は1次元発光素子基板#1の形成例を示す分解斜視図である。この例では、2次元発光素子アレイ101を形成する際に、まず、1次元発光素子基板#1を形成する。1次元発光素子基板#1は、図示しない銅箔基板をパターニングして配線パターンを形成し、配線パターンが形成されたプリント配線基板31の外観をY形状に切断し、上述した式(1)及び(2)に基づいてその内側を湾曲状(例えば円弧状)に切り欠く。この例では、湾曲状部位の反対側に配線構造のコネクタ34を形成する。
更に、1次元発光素子基板#kのプリント配線基板31の両辺に位置決め用の孔部32,33を形成する。外観がY形状に、その内側が湾曲状に切り欠かれたプリント配線基板31にシリアルパラレル変換用とドライバ用のIC35(半導体集積回路装置)を実装する。次いで、IC35が実装されたプリント配線基板31の湾曲状の縁部又は小口面に、j行個の発光素子20jをライン状に配設する。更にライン状のレンズ部材109を発光素子20jの前面に配設して1次元発光素子基板#1(基板)を形成する(図6参照)。
図6は1次元発光素子基板#1の構成例を示す斜視図である。この例では、図6に示すような1次元発光素子基板#1をn枚分だけ準備する。n枚の1次元発光素子基板#1を積層してm行×n列の2次元発光素子アレイ101を形成するためである。
なお、曲面形状を有した2次元発光素子アレイ101としては、フレキシブルなフラット・パネル・ディスプレイをU形状に折り曲げて発光面を曲面形状に製造した物や、予め曲面形状を成しているフラット・パネル・ディスプレイを使用してもよい。一般的な構造のフラット・パネル・ディスプレイをそのまま本発明の2次元発光素子アレイ101に用いるのは困難である。因みに、汎用のフラット・パネル・ディスプレイは、配線がマトリックス状に配置されており、m行やn列単位で順々に発光素子を走査して点灯するダイナミック点灯方式が採用される。
このため、画像の更新に時間がかかり、更新レートは速くても240〜1000Hz程度である。そこで、1000Hzよりも十分に速く画像を更新する必要がある。この例では、高速応答する発光素子20jを用い、発光素子20jの駆動回路を大幅に高速化するか、あるいは、一度に駆動する発光素子20jの数を大幅に増やしてダイナミック点灯の走査線数を減らす工夫がなされる。
一度に駆動する発光素子20jの数を大幅に増やすには、マトリックス状の配線パターンを細かく分割し、分割した配線パターン数分の小さなマトリックスを個別に並列駆動するか、又は、全ての発光素子20jを同時に駆動するスタティック点灯を行えばよい。
図7はk枚の1次元発光素子基板#k(k=1〜n)の積層例を示す斜視図である。この例では、1次元発光素子基板#kを必要な枚数だけ積層して、j行個の発光素子20jをライン状に配設した曲面形状の2次元発光素子アレイ101を製造するようになされる。
図7に示すような積層構造を成す2次元発光素子アレイ101によれば、まず、各々の1次元発光素子基板#kのプリント配線基板の位置決め用の孔部32,33を揃えて積み重ねる。この積み重ねで、ターンテーブル42上に突出した棒状の位置決めピン83に嵌め込み易くなる。その結果、k枚の1次元発光素子基板#1〜#kを自己整合的に積層できるようになる。このような形成順序を経ると、曲面形状の発光面を有した2次元発光素子アレイ101を容易に製造できるようになる。
この例で、最初からパラレルに映像データDinを1次元発光素子基板#kに伝送すると、配線パターンの本数が大幅に増加する。このため、1次元発光素子基板#kには、IC35として、発光素子20jを駆動するためのドライバ用のIC(駆動回路)の他に、シリアルパラレル変換用のIC(ASIC回路)が実装される。シリアルパラレル変換用のICは、シリアル伝送されてきた映像データDinをパラレル変換するように動作する。
このように1次元発光素子基板#kを積層した構造とし、情報伝送方法を工夫することで、発光素子20jの直近までシリアルの配線パターンで映像データDinを伝送できようになる。この結果、パラレルで映像データDinを1次元発光素子基板#kに伝送する場合に比べて配線パターンの本数を大幅に削減できるようになる。しかも、組立性及びメンテナンス性に優れた2次元発光素子アレイ101を歩留まり良く形成できるようになる。これにより、曲面形状を有した2次元発光素子アレイ101を製造することができる。
図3〜図7に示したような2次元発光素子アレイ101が準備できたら、図2に示した回転部104の所定の位置、この例では、ターンテーブル42上に2次元発光素子アレイ101を取り付ける。このとき、ターンテーブル42上に突出する棒状の位置決めピン83に、k枚の1次元発光素子基板#kのプリント配線基板の孔部を差し込むと、各々の1次元発光素子基板#kが自己整合的に位置決めされた状態となされる。この状態を維持するように、k枚の1次元発光素子基板#1〜#nを回転軸103に沿って積層するように取り付ける。
この例では、所定の基板に実装された接続基板11をターンテーブル42上に立設する。接続基板11には、1次元発光素子基板#1〜#nの配線構造のコネクタと接続するための差し込み構造のコネクタを設ける。上述の接続基板11の差し込み構造のコネクタに1次元発光素子基板#1〜#nの配線構造のコネクタを嵌合してk枚の1次元発光素子基板#1〜#nを接続基板11に接続する。
また、曲面形状の発光面(凹面側)がスリット102の位置に向くように、回転部104の回転軸103と、外装体41のスリット102との間に2次元発光素子アレイ101を配置するようにする。例えば、回転部104の回転軸103と2次元発光素子アレイ101の中央部とスリット102とが一直線上に並ぶ位置に当該2次元発光素子アレイ101を取り付ける。2次元発光素子アレイ101は、スリップリング51の回転側部品からのハーネス54に接続する。
この例で、観察者検出部の一例を構成する視聴者検出センサ81が、外装体41の内部から外部を見通せる位置に取り付けられる。視聴者検出センサ81は、アーム部材82を介して上述の接続基板11に取り付けられる。視聴者検出センサ81はアーム部材82の一端に取り付けられ、モータ52によって回転される回転部104の外部で、当該立体画像を視聴する視聴者を検出して、視聴有無を判別する際に使用される。視聴者検出センサ81には、光位置センサ(Position Sensitive Detector:PSDセンサ)や超音波センサ、赤外線センサ、顔認識カメラなどが使用される。
視聴者検出センサ81は、全周囲を細かな角度分解能で検出できることが望まれる。この例では、回転部104と共に視聴者検出センサ81が回転して、視聴者の検出を行うので、1個の視聴者検出センサ81で全周囲を検出でき、角度分解能の高いシステムを作ることができる。この結果、センサの数が大幅に削減でき、高分解能でありながら低コスト化を図られる。
視聴者検出センサ81に高速度カメラを適用した場合、当該カメラは回転部104の回転軸103に取り付けられる。このような高速度カメラを回転部104の回転軸103に取り付け、回転動作することで、360度全領域の観察者の有無を検出できるようになる。
ターンテーブル42上に2次元発光素子アレイ101を取り付けたら、ターンテーブル42上の2次元発光素子アレイ101を覆うように外装体41を取り付ける。このとき、2次元発光素子アレイ101の発光面の前方にスリット102を固定することで、光の放射角度を所定の範囲に制限できるようになる。これにより、外装体41の周面のスリット102と、その内側の2次元発光素子アレイ101とにより発光ユニットU1を構成できるようになる。
他方で、ターンテーブル42を回転自在に支持するための設置架台105を作成する。この例で、設置架台105の上部にスリップリング51を設けると共に、図示しない軸受け部を実装する。軸受け部は回転軸103を回転自在に係合する共に、回転部104を支持するようになる。設置架台105内にはスリップリング51の他に、モータ52や制御部55、I/F基板56、電源部57等を実装する(図18参照)。モータ52は回転軸103に直結する。
制御部55及び電源部57はハーネス53を介してスリップリング51の固定側部品に接続する。これにより、設置架台105内において、外部から供給される電力や映像データDinをスリップリング51を介して2次元発光素子アレイ101に伝送できるようになる。設置架台105が準備できたら、2次元発光素子アレイ101が取り付けられた回転部104を設置架台105に取り付ける。これにより、全周囲立体画像表示装置10が完成する。
[2次元発光素子アレイ101におけるレンズ部材109の機能例]
図8は、2次元発光素子アレイ101におけるレンズ部材109の機能例を示す回転軸方向から見下ろした模式図である。この例では、図8に示す2次元発光素子アレイ101は、複数の1次元発光素子基板#1が積層して構成される。便宜上、例えば、第1列目にm=12個の発光素子20j(j=1〜m)が配置されている。図5〜図7で示した例では発光素子がm=59個の場合である。
図8は、2次元発光素子アレイ101におけるレンズ部材109の機能例を示す回転軸方向から見下ろした模式図である。この例では、図8に示す2次元発光素子アレイ101は、複数の1次元発光素子基板#1が積層して構成される。便宜上、例えば、第1列目にm=12個の発光素子20j(j=1〜m)が配置されている。図5〜図7で示した例では発光素子がm=59個の場合である。
発光素子201〜212から出射した光の多くは、スリット102の付近に届くことなく、外装体41内部で散乱して熱になる。そこで、2次元発光素子アレイ101によれば、各々の発光素子201〜212の発光面に、所定の形状を有したレンズ部材109を取り付けている。この例では、発光素子20j毎にレンズ部材109を取り付けることで、各々の発光素子201〜212から発散して出射された各光束がそれぞれ、平行光束とされている。これにより、発光素子201〜212からの各光束がスリット102の付近に集光できるようになる。
レンズ部材109には、マイクロレンズやセルフォックレンズが使用される。もちろん、生産コストを抑えるため、発光素子201〜212毎にレンズ部材109を取付けるのではなく、マイクロレンズアレイや、セルフォックレンズアレイ等のシート状のレンズや板状のレンズを2次元発光素子アレイ101に取り付けてもよい。
左右方向のみを集光するのであれば、レンチキュラーレンズを用いてもよい。このようなレンズ部材109を取り付けることで、散乱光を可能な限り抑えることができ、効率よく光を利用できるばかりか、全周囲立体画像表示装置10としての輝度やコントラストを得る点でも有利になり、電力効率の向上を見込めるようになる。
[全周囲立体画像表示装置10の動作原理]
続いて、図9〜図17を参照して全周囲立体画像表示装置10の動作原理について説明する。図9は、全周囲立体画像表示装置10の動作例を示す回転軸方向から見下ろした模式図である。図中、レンズ部材109は省略している。
続いて、図9〜図17を参照して全周囲立体画像表示装置10の動作原理について説明する。図9は、全周囲立体画像表示装置10の動作例を示す回転軸方向から見下ろした模式図である。図中、レンズ部材109は省略している。
図9に示す全周囲立体画像表示装置10は光線再生方式を採用しており、回転部104が回転軸103を回転中心として矢印R(図1参照)の方向に、あるいは、その逆の方向に回転する構造となっている。
全周囲立体画像表示装置10では、2次元発光素子アレイ101の発光面の前方の外装体41に、回転軸103に平行なスリット102が設けられ、2次元発光素子アレイ101から出射した光が、このスリット部位以外から漏れない構造を採っている。このスリット構造により、2次元発光素子アレイ101の各発光素子201〜212から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。
この例では、発光素子201〜212の数をm=12行個としているが幾つでもよい。この12個の発光素子201〜212によって、回転軸103を基準にして結像する立体画像の光は、回転部104の内部からスリット102を介して外部へ漏れ出るようになる。ここで、12個の発光素子201〜212の各々と、スリット102と結んだ各々の方向をベクトルで示すことにする。
発光素子201とスリット102と結んだ線分が示す方向を、当該発光素子201からスリット102を介して漏れ出た光の方向とする。以後、この方向を”ベクトル201V方向”と記述する。以下、同様にして、発光素子202とスリット102と結んだ線分が示す方向を、発光素子202からスリット102を介して漏れ出た光の方向とする。この方向を”ベクトル202V方向”と記述する。同様に、発光素子212とスリット102と結んだ線分が示す方向を、発光素子212からスリット102を介して漏れ出た光の方向とする。この方向を”ベクトル212V方向”と記述する。
例えば、発光素子201から出力された光は、スリット102を通過してベクトル201V方向に放射される。発光素子202から出力された光は、スリット102を通過してベクトル202V方向に放射される。同様に発光素子202〜212から出力された光もスリット102を通過してベクトル203V〜212V方向に放射される。このように、各発光素子201〜212の光が各々違った方向に放射されるため、スリット102で規制される縦1ライン分の光線再生が可能となっている。
こうしたスリット構造の回転部104を視点pに対して回転走査することで、円筒形状の光線再生面を形成できるようになる。更に、視点pに対する回転走査の角度に応じて、外部からの映像データDin、あるいは、回転部内部のROM等の記憶装置からの映像データDinを2次元発光素子アレイ101の発光ユニットU1に反映することで、任意の再生光線を出力することが可能となる。
[発光点の軌跡例]
続いて、視点pから観察される発光点の軌跡例について説明する。
この全周囲立体画像表示装置10では、2次元発光素子アレイ101において、回転軸103に直交する平面内には、上述したように例えばm=12個の発光素子が互いに異なる位置に配置されている。m個の発光素子はそれぞれ、スリット102を介して回転部104の回転に応じてそれぞれ異なる視点位置用の光を外部に向けて放射する。ここで、回転部104が回転している状態において、回転部104の周囲における任意の1つの視点位置から回転軸103の方向を観測したとする。このとき、後述する表示制御部15(図18)は、複数の発光素子による発光点の軌跡によって、回転部104の内部に任意の視点位置に応じた例えば平面状の画像が形成されるように複数の発光素子の発光制御を行う。各視点位置ではその視点位置に応じた少しずつ視差のある例えば平面状の画像が観測される。従って、両眼の位置に相当する任意の2つの視点位置から観測したときには、各視点位置に応じた互いに視差のある例えば平面状の画像が観測される。これにより、観測者は回転部の周囲の任意の位置において、立体画像を認識することができる。
続いて、視点pから観察される発光点の軌跡例について説明する。
この全周囲立体画像表示装置10では、2次元発光素子アレイ101において、回転軸103に直交する平面内には、上述したように例えばm=12個の発光素子が互いに異なる位置に配置されている。m個の発光素子はそれぞれ、スリット102を介して回転部104の回転に応じてそれぞれ異なる視点位置用の光を外部に向けて放射する。ここで、回転部104が回転している状態において、回転部104の周囲における任意の1つの視点位置から回転軸103の方向を観測したとする。このとき、後述する表示制御部15(図18)は、複数の発光素子による発光点の軌跡によって、回転部104の内部に任意の視点位置に応じた例えば平面状の画像が形成されるように複数の発光素子の発光制御を行う。各視点位置ではその視点位置に応じた少しずつ視差のある例えば平面状の画像が観測される。従って、両眼の位置に相当する任意の2つの視点位置から観測したときには、各視点位置に応じた互いに視差のある例えば平面状の画像が観測される。これにより、観測者は回転部の周囲の任意の位置において、立体画像を認識することができる。
図10〜12は、視点pから観察される発光点の軌跡例を示す説明図である。図10A〜Dに示すように、発光ユニットU1を有する回転部104が等速で回転され、視点p=300に対して回転走査される場合、視点300から観測される発光素子が時間Tの間隔で発光素子201から順に発光素子202,203,・・・212と移って行く。
発光点の軌跡(図中の黒小丸印)が例えば平面を成して見える構造は、2次元発光素子アレイ101の発光面形状とスリット102の位置を調整することで実現される。例えば、図10Aに示す時刻t=0において、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子201から漏れ出る光が観測される。
図10Bに示す時刻t=Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子202から漏れ出る光が観測される。図中の右側から第1番目の白抜きの小丸印は、発光素子201の発光点を示している。図10Cに示す時刻t=2Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子203から漏れ出る光が観測される。図10Cにおける第2番目の小丸印は、発光素子202の発光点を示している。
図10Dに示す時刻t=3Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子204から漏れ出る光が観測される。図10Dにおける第3番目の小丸印は、発光素子203の発光点を示している。
また、図11Aに示す時刻t=4Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子205から漏れ出る光が観測される。図11Aにおける第4番目の小丸印は、発光素子204の発光点を示している。図11Bに示す時刻t=5Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子206から漏れ出る光が観測される。図11Bにおける第5番目の小丸印は、発光素子205の発光点を示している。
図11Cに示す時刻t=6Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子207から漏れ出る光が観測される。図11Cにおける第6番目の小丸印は、発光素子206の発光点を示している。図11Dに示す時刻t=7Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子208から漏れ出る光が観測される。図11Dにおける第7番目の小丸印は、発光素子207の発光点を示している。
図12Aに示す時刻t=8Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子209から漏れ出る光が観測される。図12Aにおける第8番目の小丸印は、発光素子208の発光点を示している。図12Bに示す時刻t=9Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子210から漏れ出る光が観測される。図12Bにおける第9番目の小丸印は、発光素子209の発光点を示している。
図12Cに示す時刻t=10Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子211から漏れ出る光が観測される。図12Cにおける第10番目の小丸印は、発光素子210の発光点を示している。図12Dに示す時刻t=11Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子212から漏れ出る光が観測される。図12Dにおける第11番目の小丸印は、発光素子211の発光点を示している。図12Dにおける第12番目の黒小丸印は、発光素子212の発光点を示している。
[光線を出力する様子]
続いて、複数の視点に対してスリット102を介して光線を出力する様子について説明する。図13〜図16は、複数の視点pに対してスリット102を介して光線を出力する様子(その1〜4)を示す説明図である。この例では、発光ユニットU1の全周囲(360°)に対して、6°置きに60箇所の視点p=300〜359を設定した場合であって、回転部104が任意の基準位置から30°回転する、時刻t=0〜t=5T(1/12周)に至る区間の様子を示している。
続いて、複数の視点に対してスリット102を介して光線を出力する様子について説明する。図13〜図16は、複数の視点pに対してスリット102を介して光線を出力する様子(その1〜4)を示す説明図である。この例では、発光ユニットU1の全周囲(360°)に対して、6°置きに60箇所の視点p=300〜359を設定した場合であって、回転部104が任意の基準位置から30°回転する、時刻t=0〜t=5T(1/12周)に至る区間の様子を示している。
このような発光ユニットU1によれば、図13A,B、図14A,B及び図15A,Bに示すように発光素子201〜212の数だけ、一度に複数(12箇所)の視点pに対して光線を出力する。この出力で、視点p=300だけでなく、別の視点p=349〜359に対しても発光点の軌跡が平面を成して観測される。
例えば、図13Aに示す時刻t=0において、視点300(pを省略する)でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子201から漏れ出る光が観測される。この例では、回転部104を時計方向に回転し、視点300を基準にして角度6°ずつ視点をシフトした場合である。図13Aに示す視点300から角度6°だけ反時計方向に存在する他の視点359で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子202から漏れ出る光が観測される。
図13Aに示す視点300から角度12°だけ反時計方向に存在する視点358で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子203から漏れ出る光が観測される。図13Aに示す視点300から角度18°だけ反時計方向に存在する視点357で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子204から漏れ出る光が観測される。
図13Aに示す視点300から角度24°だけ反時計方向に存在する視点356で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子205から漏れ出る光が観測される。図13Aに示す視点300から角度30°だけ反時計方向に存在する視点355で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子206から漏れ出る光が観測される。
図13Aに示す視点300から角度36°だけ反時計方向に存在する視点354で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子207から漏れ出る光が観測される。図13Aに示す視点300から角度42°だけ反時計方向に存在する視点353で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子208から漏れ出る光が観測される。
図13Aに示す視点300から角度48°だけ反時計方向に存在する視点352で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子209から漏れ出る光が観測される。図13Aに示す視点300から角度54°だけ反時計方向に存在する視点351で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子210から漏れ出る光が観測される。
図13Aに示す視点300から角度60°だけ反時計方向に存在する視点350で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子211から漏れ出る光が観測される。図13Aに示す視点300から角度66°だけ反時計方向に存在する視点349で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子212から漏れ出る光が観測される。
また、図13Bに示す時刻t=Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子202から漏れ出る光が観測される。図13Bに示す視点300から角度6°だけ時計方向に存在する他の視点301で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子201から漏れ出る光が観測される。
図13Bに示す視点300から角度6°だけ反時計方向に存在する他の視点359で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子203から漏れ出る光が観測される。図13Bに示す視点300から角度12°だけ反時計方向に存在する視点358で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子204から漏れ出る光が観測される。
図13Bに示す視点300から角度18°だけ反時計方向に存在する視点357で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子205から漏れ出る光が観測される。図13Bに示す視点300から角度24°だけ反時計方向に存在する視点356で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子206から漏れ出る光が観測される。
図13Bに示す視点300から角度30°だけ反時計方向に存在する視点355で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子207から漏れ出る光が観測される。図13Bに示す視点300から角度36°だけ反時計方向に存在する視点354で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子208から漏れ出る光が観測される。
図13Bに示す視点300から角度42°だけ反時計方向に存在する視点353で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子209から漏れ出る光が観測される。図13Bに示す視点300から角度48°だけ反時計方向に存在する視点352で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子210から漏れ出る光が観測される。
図13Bに示す視点300から角度54°だけ反時計方向に存在する視点351で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子211から漏れ出る光が観測される。図13Bに示す視点300から角度60°だけ反時計方向に存在する視点350で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子212から漏れ出る光が観測される。
また、図14Aに示す時刻t=2Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子203から漏れ出る光が観測される。図14Aに示す視点300から角度6°だけ時計方向に存在する他の視点301で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子202から漏れ出る光が観測される。
図14Aに示す視点300から角度12°だけ時計方向に存在する他の視点302で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子201から漏れ出る光が観測される。図14Aに示す視点300から角度6°だけ反時計方向に存在する他の視点359で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子204から漏れ出る光が観測される。
図14Aに示す視点300から角度12°だけ反時計方向に存在する視点358で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子205から漏れ出る光が観測される。図14Aに示す視点300から角度18°だけ反時計方向に存在する視点357で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子206から漏れ出る光が観測される。
図14Aに示す視点300から角度24°だけ反時計方向に存在する視点356で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子207から漏れ出る光が観測される。図14Aに示す視点300から角度30°だけ反時計方向に存在する視点355で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子208から漏れ出る光が観測される。
図14Aに示す視点300から角度36°だけ反時計方向に存在する視点354で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子209から漏れ出る光が観測される。図14Aに示す視点300から角度42°だけ反時計方向に存在する視点353で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子210から漏れ出る光が観測される。
図14Aに示す視点300から角度48°だけ反時計方向に存在する視点352で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子211から漏れ出る光が観測される。図14Aに示す視点300から角度54°だけ反時計方向に存在する視点351で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子212から漏れ出る光が観測される。
また、図14Bに示す時刻t=3Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子204から漏れ出る光が観測される。図14Bに示す視点300から角度6°だけ時計方向に存在する他の視点301で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子203から漏れ出る光が観測される。
図14Bに示す視点300から角度12°だけ時計方向に存在する他の視点302で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子202から漏れ出る光が観測される。図14Bに示す視点300から角度18°だけ時計方向に存在する他の視点303で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子201から漏れ出る光が観測される。
図14Bに示す視点300から角度6°だけ反時計方向に存在する他の視点359で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子205から漏れ出る光が観測される。図14Bに示す視点300から角度12°だけ反時計方向に存在する視点358で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子206から漏れ出る光が観測される。
図14Bに示す視点300から角度18°だけ反時計方向に存在する視点357で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子207から漏れ出る光が観測される。図14Bに示す視点300から角度24°だけ反時計方向に存在する視点356で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子208から漏れ出る光が観測される。
図14Bに示す視点300から角度30°だけ反時計方向に存在する視点355で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子209から漏れ出る光が観測される。図14Bに示す視点300から角度36°だけ反時計方向に存在する視点354で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子210から漏れ出る光が観測される。
図14Bに示す視点300から角度42°だけ反時計方向に存在する視点353で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子211から漏れ出る光が観測される。図14Bに示す視点300から角度48°だけ反時計方向に存在する視点352で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子212から漏れ出る光が観測される。
更に、図15Aに示す時刻t=4Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子205から漏れ出る光が観測される。図15Aに示す視点300から角度6°だけ時計方向に存在する他の視点301で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子204から漏れ出る光が観測される。
図15Aに示す視点300から角度12°だけ時計方向に存在する他の視点302で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子203から漏れ出る光が観測される。図15Aに示す視点300から角度18°だけ時計方向に存在する他の視点303で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子202から漏れ出る光が観測される。
図15Aに示す視点300から角度24°だけ時計方向に存在する他の視点304で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子201から漏れ出る光が観測される。図15Aに示す視点300から角度6°だけ反時計方向に存在する他の視点359で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子206から漏れ出る光が観測される。
図15Aに示す視点300から角度12°だけ反時計方向に存在する視点358で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子207から漏れ出る光が観測される。図15Aに示す視点300から角度18°だけ反時計方向に存在する視点357で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子208から漏れ出る光が観測される。
図15Aに示す視点300から角度24°だけ反時計方向に存在する視点356で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子209から漏れ出る光が観測される。図15Aに示す視点300から角度30°だけ反時計方向に存在する視点355で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子210から漏れ出る光が観測される。
図15Aに示す視点300から角度36°だけ反時計方向に存在する視点354で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子211から漏れ出る光が観測される。図15Aに示す視点300から角度42°だけ反時計方向に存在する視点353で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子212から漏れ出る光が観測される。
また、図15Bに示す時刻t=5Tにおいて、視点300でスリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子206から漏れ出る光が観測される。図15Bに示す視点300から角度6°だけ時計方向に存在する他の視点301で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子205から漏れ出る光が観測される。
図15Bに示す視点300から角度12°だけ時計方向に存在する他の視点302で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子204から漏れ出る光が観測される。図15Bに示す視点300から角度18°だけ時計方向に存在する他の視点303で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子203から漏れ出る光が観測される。
図15Bに示す視点300から角度24°だけ時計方向に存在する他の視点304で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子202から漏れ出る光が観測される。図15Bに示す視点300から角度30°だけ時計方向に存在する他の視点305で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子201から漏れ出る光が観測される。
図15Bに示す視点300から角度6°だけ反時計方向に存在する他の視点359で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子207から漏れ出る光が観測される。図15Bに示す視点300から角度12°だけ反時計方向に存在する視点358で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子208から漏れ出る光が観測される。
図15Bに示す視点300から角度18°だけ反時計方向に存在する視点357で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子209から漏れ出る光が観測される。図15Bに示す視点300から角度24°だけ反時計方向に存在する視点356で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子210から漏れ出る光が観測される。
図15Bに示す視点300から角度30°だけ反時計方向に存在する視点355で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子211から漏れ出る光が観測される。図15Bに示す視点300から角度36°だけ反時計方向に存在する視点354で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察すると、発光素子212から漏れ出る光が観測される。
なお、時刻t=6T〜11Tについても、同様に12個の発光素子201〜212から漏れ出る光が1ずつシフトして観測される。この間、回転部104は角度30°から60°へ至り回転する。従って、回転部104が全周(1周)、すなわち、360°回転すると、12個の発光素子201〜212による時刻t=0〜59Tに係る発光が観測される。このようにして、視点300から角度6°を基準にして時計方向又は及び反時計方向に存在する他の視点で、スリット102を介して2次元発光素子アレイ101を観察する。この結果、12個の発光素子201〜212から漏れ出る光が1ずつシフトして観測できるようになる(図16参照)。
図16は、2次元発光素子アレイ101による発光点の全軌跡例を示す図である。図16に示す2次元発光素子アレイ101による発光点の軌跡例によれば、全て(60箇所)の視点300〜359で、時刻t=0〜59Tの発光点の軌跡が平面を成して観測される。この例では、観測視点は60箇所(角度6°の配置ピッチ)である。上述した発光ユニットU1の構造は、60箇所の視点300〜359から観測される再生画像が平面であるので、撮影データを一定の順序で放射光データに変換する処理等に軽減され、光線再生のための画像データを生成する際に極めて有利になっている。
[立体画像表示用の画像データの生成例]
続いて、全周囲立体画像表示装置10に適用可能な立体画像表示用の画像データの生成例について説明する。図17は撮影データ/放射光データの変換例を示すデータフォーマットである。
続いて、全周囲立体画像表示装置10に適用可能な立体画像表示用の画像データの生成例について説明する。図17は撮影データ/放射光データの変換例を示すデータフォーマットである。
この例では、図16に示した全周囲立体画像表示装置10で表示させたい物体(被写体)を全周囲から撮影する。例えば、物体を撮影中心に配置し、物体の配置中心部位を回転中心にして全周囲に6°置きに60箇所の撮影点(各視点300〜359に相当)を設定する。
次に、実際にカメラを使用して、各視点300〜359から物体撮影中心位置(回転軸103に相当)に向かって物体の画像を各々撮影する。この撮影によって、物体の光線再生に必要な全周囲に渡る撮影データを収集できるようになる。
その後、図17で示すように収集した撮影データが2次元発光素子アレイ101における12行の発光素子201〜212の発光タイミング毎の放射光データとなるように、スリット方向(縦方向)のラインデータ単位で、配列操作処理を実行する。
ここで、撮影点300で撮影して得た画像(0°)の撮影データを次のように示す。撮影点300は撮影データ(300−201,300−202,300−203,300−204,300−205,300−206,300−207,300−208,300−209,300−210,300−211,300−212)である。
また、撮影点301で撮影して得た画像(6°)の撮影データを次のように示す。撮影点301は、撮影データ(301−201,301−202,301−203,301−204,301−205,301−206,301−207,301−208,301−209,301−210,301−211,301−212)である。
撮影点302で撮影して得た画像(12°)の撮影データを次のように示す。撮影点302は撮影データ(302−201,302−202,302−203,302−204,302−205,302−206,302−207,302−208,302−209,302−210,302−211,302−212)である。
撮影点303で撮影して得た画像(18°)の撮影データを次のように示す。撮影点303は撮影データ(303−201,303−202,303−203,303−204,303−205,303−206,303−207,303−208,303−209,303−210,303−211,303−212)である。
撮影点304で撮影して得た画像(24°)の撮影データを次のように示す。撮影点304は撮影データ(304−201,304−202,304−203,304−204,304−205,304−206,304−207,304−208,304−209,304−210,304−211,304−212)である。同様にして、撮影点358で撮影して得た画像(348°)の撮影データを次のように示す。撮影点358は撮影データ(358−201,358−202,358−203,358−204,358−205,358−206,358−207,358−208,358−209,358−210,358−211,358−212)とする。
そして、撮影点359で撮影して得た画像(354°)の撮影データを次のように示す。撮影点359は撮影データ(359−201,359−202,359−203,359−204,359−205,359−206,359−207,359−208,359−209,359−210,359−211,359−212)である。
上述で得られた撮影データを次のような配列操作を実行して、時刻t=0〜t=59Tに係る放射光データに変換処理する。まず、時刻t=0の発光素子201の放射光データについては、物体の画像(0°)の撮影データ(300−201)を配列する。同時刻t=0の発光素子202の放射光データについては、物体の画像(354°)の撮影データ(359−202)を配列する。同時刻t=0の発光素子203の放射光データについては、物体の画像(348°)の撮影データ(358−203)を配列する。
同時刻t=0の発光素子204の放射光データについては、物体の画像(342°)の撮影データ(357−204)を配列する。同時刻t=0の発光素子205の放射光データについては、物体の画像(336°)の撮影データ(356−205)を配列する。同時刻t=0の発光素子206の放射光データについては、物体の画像(330°)の撮影データ(355−206)を配列する。
同時刻t=0の発光素子207の放射光データについては、物体の画像(324°)の撮影データ(354−207)を配列する。同時刻t=0の発光素子208の放射光データについては、物体の画像(318°)の撮影データ(353−208)を配列する。同時刻t=0の発光素子209の放射光データについては、物体の画像(312°)の撮影データ(352−209)を配列する。
同時刻t=0の発光素子210の放射光データについては、物体の画像(306°)の撮影データ(351−210)を配列する。同時刻t=0の発光素子211の放射光データについては、物体の画像(300°)の撮影データ(350−211)を配列する。同時刻t=0の発光素子212の放射光データについては、物体の画像(294°)の撮影データ(349−212)を配列する。
この配列操作によって、時刻t=0の発光素子201〜212の放射光データを生成することができる。生成データは放射光データ(300−201,359−202,358−203,357−204,356−205,355−206,354−207,353−208,352−209,351−210,350−211,349−212)である。
次に、時刻t=Tの発光素子201の放射光データについては、物体の画像(6°)の撮影データ(301−201)を配列する。同時刻t=Tの発光素子202の放射光データについては、物体の画像(0°)の撮影データ(300−202)を配列する。同時刻t=Tの発光素子203の放射光データについては、物体の画像(354°)の撮影データ(359−203)を配列する。同時刻t=Tの発光素子204の放射光データについては、物体の画像(348°)の撮影データ(358−204)を配列する。
同時刻t=Tの発光素子205の放射光データについては、物体の画像(342°)の撮影データ(357−205)を配列する。同時刻t=Tの発光素子206の放射光データについては、物体の画像(336°)の撮影データ(356−206)を配列する。同時刻t=Tの発光素子207の放射光データについては、物体の画像(330°)の撮影データ(355−207)を配列する。同時刻t=Tの発光素子208の放射光データについては、物体の画像(324°)の撮影データ(354−208)を配列する。
同時刻t=Tの発光素子209の放射光データについては、物体の画像(318°)の撮影データ(353−209)を配列する。同時刻t=Tの発光素子210の放射光データについては、物体の画像(312°)の撮影データ(352−210)を配列する。同時刻t=Tの発光素子211の放射光データについては、物体の画像(306°)の撮影データ(351−211)を配列する。同時刻t=Tの発光素子212の放射光データについては、物体の画像(300°)の撮影データ(350−212)を配列する。
この配列操作によって、時刻t=Tの発光素子201〜212の放射光データを生成することができる。生成データは放射光データ(301−201,300−202,359−203,358−204,357−205,356−206,355−207,354−208,353−209,352−210,351−211,350−212)である。
次に、時刻t=2Tの発光素子201の放射光データについては、物体の画像(12°)の撮影データ(302−201)を配列する。同時刻t=2Tの発光素子202の放射光データについては、物体の画像(6°)の撮影データ(301−202)を配列する。同時刻t=2Tの発光素子203の放射光データについては、物体の画像(0°)の撮影データ(300−203)を配列する。同時刻t=2Tの発光素子204の放射光データについては、物体の画像(354°)の撮影データ(359−204)を配列する。
同時刻t=2Tの発光素子205の放射光データについては、物体の画像(348°)の撮影データ(358−205)を配列する。同時刻t=2Tの発光素子206の放射光データについては、物体の画像(342°)の撮影データ(357−206)を配列する。同時刻t=2Tの発光素子207の放射光データについては、物体の画像(336°)の撮影データ(356−207)を配列する。同時刻t=2Tの発光素子208の放射光データについては、物体の画像(330°)の撮影データ(355−208)を配列する。
同時刻t=2Tの発光素子209の放射光データについては、物体の画像(324°)の撮影データ(354−209)を配列する。同時刻t=2Tの発光素子210の放射光データについては、物体の画像(318°)の撮影データ(353−210)を配列する。同時刻t=2Tの発光素子211の放射光データについては、物体の画像(312°)の撮影データ(352−211)を配列する。同時刻t=2Tの発光素子212の放射光データについては、物体の画像(306°)の撮影データ(351−212)を配列する。
この配列操作によって、時刻t=2Tの発光素子201〜212の放射光データを生成することができる。生成データは放射光データ(302−201,301−202,300−203,359−204,358−205,357−206,356−207,355−208,354−209,353−210,352−211,351−212)である。
次に、時刻t=3Tの発光素子201の放射光データについては、物体の画像(18°)の撮影データ(303−201)を配列する。同時刻t=3Tの発光素子202の放射光データについては、物体の画像(12°)の撮影データ(302−202)を配列する。同時刻t=3Tの発光素子203の放射光データについては、物体の画像(6°)の撮影データ(301−203)を配列する。同時刻t=3Tの発光素子204の放射光データについては、物体の画像(0°)の撮影データ(300−204)を配列する。
同時刻t=3Tの発光素子205の放射光データについては、物体の画像(354°)の撮影データ(359−205)を配列する。同時刻t=3Tの発光素子206の放射光データについては、物体の画像(348°)の撮影データ(358−206)を配列する。同時刻t=3Tの発光素子207の放射光データについては、物体の画像(342°)の撮影データ(357−207)を配列する。
同時刻t=3Tの発光素子208の放射光データについては、物体の画像(336°)の撮影データ(356−208)を配列する。同時刻t=3Tの発光素子209の放射光データについては、物体の画像(330°)の撮影データ(355−209)を配列する。同時刻t=3Tの発光素子210の放射光データについては、物体の画像(324°)の撮影データ(354−210)を配列する。
同時刻t=3Tの発光素子211の放射光データについては、物体の画像(318°)の撮影データ(353−211)を配列する。同時刻t=3Tの発光素子212の放射光データについては、物体の画像(312°)の撮影データ(352−212)を配列する。
この配列操作によって、時刻t=3Tの発光素子201〜212の放射光データを生成することができる。生成データは放射光データ(303−201,302−202,301−203,300−204,359−205,358−206,357−207,356−208,355−209,354−210,353−211,352−212)である。
次に、時刻t=4Tの発光素子201の放射光データについて、物体の画像(24°)の撮影データ(304−201)を配列する。同時刻t=4Tの発光素子202の放射光データについては、物体の画像(18°)の撮影データ(303−202)を配列する。同時刻t=4Tの発光素子203の放射光データについては、物体の画像(12°)の撮影データ(302−203)を配列する。同時刻t=4Tの発光素子204の放射光データについては、物体の画像(6°)の撮影データ(301−204)を配列する。
同時刻t=4Tの発光素子205の放射光データについては、物体の画像(0°)の撮影データ(300−205)を配列する。同時刻t=4Tの発光素子206の放射光データについては、物体の画像(354°)の撮影データ(359−206)を配列する。同時刻t=4Tの発光素子207の放射光データについては、物体の画像(348°)の撮影データ(358−207)を配列する。同時刻t=4Tの発光素子208の放射光データについては、物体の画像(342°)の撮影データ(357−208)を配列する。
同時刻t=4Tの発光素子209の放射光データについては、物体の画像(336°)の撮影データ(356−209)を配列する。同時刻t=4Tの発光素子210の放射光データについては、物体の画像(330°)の撮影データ(355−210)を配列する。同時刻t=4Tの発光素子211の放射光データについては、物体の画像(324°)の撮影データ(354−211)を配列する。同時刻t=4Tの発光素子212の放射光データについては、物体の画像(318°)の撮影データ(353−212)を配列する。
この配列操作によって、時刻t=4Tの発光素子201〜212の放射光データを生成することができる。生成データは、放射光データ(304−201,303−202,302−203,301−204,300−205,359−206,358−207,357−208,356−209,355−210,354−211,353−212)である。
同様にして、時刻t=58Tの発光素子201の放射光データについて、物体の画像(348°)の撮影データ(358−201)を配列する。同時刻t=58Tの発光素子202の放射光データについては、物体の画像(342°)の撮影データ(357−202)を配列する。同時刻t=58Tの発光素子203の放射光データについては、物体の画像(336°)の撮影データ(356−203)を配列する。同時刻t=58Tの発光素子204の放射光データについては、物体の画像(330°)の撮影データ(355−204)を配列する。
同時刻t=58Tの発光素子205の放射光データについては、物体の画像(324°)の撮影データ(354−205)を配列する。同時刻t=58Tの発光素子206の放射光データについては、物体の画像(318°)の撮影データ(353−206)を配列する。同時刻t=58Tの発光素子207の放射光データについては、物体の画像(312°)の撮影データ(352−207)を配列する。同時刻t=58Tの発光素子208の放射光データについては、物体の画像(306°)の撮影データ(351−208)を配列する。
同時刻t=58Tの発光素子209の放射光データについては、物体の画像(300°)の撮影データ(350−209)を配列する。同時刻t=58Tの発光素子210の放射光データについては、物体の画像(294°)の撮影データ(349−210)を配列する。同時刻t=58Tの発光素子211の放射光データについては、物体の画像(288°)の撮影データ(348−211)を配列する。同時刻t=58Tの発光素子212の放射光データについては、物体の画像(282°)の撮影データ(347−212)を配列する。
この配列操作によって、時刻t=58Tの発光素子201〜212の放射光データを生成することができる。生成データは放射光データ(358−201,357−202,356−203,355−204,354−205,353−206,352−207,351−208,350−209,349−210,348−211,347−212)である。
そして、時刻t=59Tの発光素子201の放射光データについて、物体の画像(354°)の撮影データ(359−201)を配列する。同時刻t=59Tの発光素子202の放射光データについては、物体の画像(348°)の撮影データ(358−202)を配列する。同時刻t=59Tの発光素子203の放射光データについては、物体の画像(342°)の撮影データ(357−203)を配列する。同時刻t=59Tの発光素子204の放射光データについては、物体の画像(336°)の撮影データ(356−204)を配列する。
同時刻t=59Tの発光素子205の放射光データについては、物体の画像(330°)の撮影データ(355−205)を配列する。同時刻t=59Tの発光素子206の放射光データについては、物体の画像(324°)の撮影データ(354−206)を配列する。同時刻t=59Tの発光素子207の放射光データについては、物体の画像(318°)の撮影データ(353−207)を配列する。同時刻t=59Tの発光素子208の放射光データについては、物体の画像(312°)の撮影データ(352−208)を配列する。
同時刻t=59Tの発光素子209の放射光データについては、物体の画像(306°)の撮影データ(351−209)を配列する。同時刻t=59Tの発光素子210の放射光データについては、物体の画像(300°)の撮影データ(350−210)を配列する。同時刻t=59Tの発光素子211の放射光データについては、物体の画像(294°)の撮影データ(349−211)を配列する。同時刻t=59Tの発光素子212の放射光データについては、物体の画像(288°)の撮影データ(348−212)を配列する。
この配列操作によって、時刻t=59Tの発光素子201〜212の放射光データ(359−201,358−202,357−203,356−204,355−205,354−206,353−207,352−208,351−209,350−210,349−211,348−212)を生成することができる。
こうした配列操作処理だけで、全周囲立体画像表示装置10に適用可能な立体画像表示用の放射光データ(以下映像データDinともいう)を容易に生成できるようになる。しかも、発光ユニットU1を映像データDinの生成を考慮した内部構造とすることで、小規模な信号処理回路で短時間に立体画像表示用の映像データDinを生成することができる。
上述の例では、実際の被写体(物体)をカメラで撮影する方法について説明したが、これに限られることはなく、コンピュータグラフィックスにより、立体画像表示用の映像データDinを生成してもよい。コンピュータグラフィックスによる仮想物体の表示においても、60箇所の各視点300〜359から回転軸103の方向の画像をレンダリングし、同様の処理を行うことで映像データDinを容易に生成できる。
ここにレンダリングとは、数値データとして与えられた物体や図形等に関する情報を計算によって画像化することをいう。3次元グラフィックスのレンダリングでは、視点の位置や、光源の数や位置、種類、物体の形状や頂点の座標、材質を考慮して陰面消去や、陰影付けなどを行って画像を作成する。レンダリングの手法としてはレイトレーシング法や、ラジオシティ法等がある。
[制御系の構成例]
続いて、全周囲立体画像表示装置10の制御系の構成例について説明する。図18は、全周囲立体画像表示装置10の制御系の構成例を示すブロック図である。この例の全周囲から視聴可能な立体画像表示装置によれば、視聴者がいない多くの領域に対しても、光線を出力する構造のため電力効率の点で無駄が多くなることが懸念される。そこで、視聴者検出による電力効率の改善及び情報量の削減を図っている。
続いて、全周囲立体画像表示装置10の制御系の構成例について説明する。図18は、全周囲立体画像表示装置10の制御系の構成例を示すブロック図である。この例の全周囲から視聴可能な立体画像表示装置によれば、視聴者がいない多くの領域に対しても、光線を出力する構造のため電力効率の点で無駄が多くなることが懸念される。そこで、視聴者検出による電力効率の改善及び情報量の削減を図っている。
図18に示す全周囲立体画像表示装置10には映像ソース送出装置90が接続され、シリアルの立体画像表示用の映像データDinが入力される。全周囲立体画像表示装置10の制御系は、回転部104と設置架台105とに区分され、2つの制御系間がスリップリング51を介して電気的に接続される。
回転部104の内部の制御系は接続基板11を有している。接続基板11には、nラインを構成するk枚の1次元発光素子基板#k(k=1〜n)と、1個の視聴者検出センサ81とが接続される。1次元発光素子基板#1〜#nは、シリアルのnラインの立体画像表示用の映像データDinに基づいてm行個の発光素子を順に発光するようになされる(図19参照)。
接続基板11には表示制御部15が実装される。表示制御部15は、立体画像用の映像データDinを1画素単位に入力し、当該映像データDinに基づいて1画素単位に発光素子の発光強度を制御する。図5に示した1次元発光素子基板#1のシリアルパラレル変換用とドライバ用のIC35等へ1画素単位に発光強度を調整したシリアルの映像データDinを伝送する。この制御によって、2次元発光素子アレイ101の発光強度を1画素単位に制御できるようになる。
この例で、全周囲立体画像表示装置10が光線再生方式の表示装置であることから、全周囲への表示を行うために、膨大な映像データDinを1次元発光素子基板#1のIC35等へ伝送するようになされる。しかし、視聴されない映像データDinを伝送するのは、伝送帯域や画像生成の点で無駄である。そこで、視聴者がいる領域のみに、ピンポイントで光線を出力するようになされる。
接続基板11には視聴者検出センサ81が接続され、図1に示したモータ52によって回転される回転部104の外部で、当該立体画像を視聴する視聴者(例えば、視聴者の瞳孔)を検出して、視聴者検出信号S81を発生する。視聴者検出信号S81は表示制御部15に出力され、視聴有無を判別する際に使用される。
表示制御部15は、視聴者検出センサ81から視聴者検出信号S81を入力して観察者検出値を取得し、この観察者検出値と、所定の観察者判別値とを比較し、その比較の結果に応じて発光素子の発光強度を制御する。具体的には、観察者判別値以上の観察者検出値が検出されている区間は、2次元発光素子アレイ101を動作させる。表示制御部15は、観察者判別値未満の観察者検出値が検出されている区間は、2次元発光素子アレイ101を停止するように1次元発光素子基板#1〜#nの発光強度を制御する。
このように、視聴者がいる領域にのみ光線を出力する構造を採用し、視聴者検出センサ81によって観察者の有無を検出し、観察者が存在する領域において、1次元発光素子基板#1〜#nの発光強度を制御することができる。それ以外の領域は1次元発光素子基板#1〜#nを停止できるので、消費電力を削減できるようになる。従って、従来の平面ディスプレイよりも遥かに良い電力効率で、立体画像を表示できるようになる。また、伝送する情報を大幅に削減できるため、伝送回路や画像生成回路が小規模になりコストダウンを図れる。
一方、設置架台105の内部には駆動制御系が設けられ、この駆動制御系は、制御部55、I/F基板56、電源部57及びエンコーダ58を有して構成される。I/F基板56は双方向高速シリアルインターフェース(I/F)を介して外部の映像ソース送出装置90に接続される。映像ソース送出装置90は、双方向高速シリアルI/F規格に基づくシリアルの立体画像表示用の映像データDinをI/F基板56及びスリップリング51を介して接続基板11に出力する。
例えば、全周囲立体画像表示装置10は、視聴者検出センサ81で検出した視聴者の領域を映像ソース送出装置90に逐次伝達する。映像ソース送出装置90は対応する領域映像のみを全周囲立体画像表示装置10に送出する。この例で、当該全周囲立体画像表示装置10の周囲で複数人の視聴者が立体映像を視聴する場合、視聴領域毎に違った映像ソースの再生を行ってもよい。この場合、各々の視聴者が自ら再生する映像ソースを選択してもよいし、カメラによる顔認識で視聴者を特定し、あらかじめ設定しておいた映像ソースを再生してもよい(図33B参照)。これをデジタル・サイネージ用途に用いれば、一台の全周囲立体画像表示装置10で複数の違った情報を発信できるようになる。
ここにデジタル・サイネージとは、電子データによる各種情報表示をいい、デジタル・サイネージ用途によれば、店舗/商業施設、交通施設等におけるパブリックディスプレイとして設置される集客・広告・宣伝・販促のための表示に適している。例えば、全周囲立体画像表示装置10による一周360°の表示領域を120°ずつ3つの視聴領域を分割し、各々の表示領域で異なる映像データを再生すると、3つの視聴領域で異なった表示情報を視聴できるようになる。
例えば、全周囲立体画像表示装置10の正面の表示領域(0°〜120°)で第1のキャラクタの前面側の立体画像を表示すると、その正面に位置する視聴者は、第1のキャラクタの前面側の立体画像を視聴できるようになる。同様にして、その右側面の表示領域(121°〜240°)で第2のキャラクタの前面側の立体画像を表示すると、その右側面に位置する視聴者は、第2のキャラクタの前面側の立体画像を視聴できるようになる。同様にして、その左側面の表示領域(241°〜360°)で第3のキャラクタの前面側の立体画像を表示すると、その左側面に位置する視聴者は、第3のキャラクタの前面側の立体画像を視聴できるようになる。これにより、一台の全周囲立体画像表示装置10等で複数の違った表示情報を発信できるようになる。
I/F基板56には制御部55が接続される。上述の映像ソース送出装置90は、同期信号SsをI/F基板56を介して制御部55に出力する。制御部55にはモータ52、エンコーダ58及びスイッチ部60が接続される。エンコーダ58(回転検出部)は、モータ52に取り付けられ、モータ52の回転速度を検出して回転部104の回転速度を示す速度検出信号S58を制御部55に出力する。スイッチ部60は、電源がオンされると制御部55にスイッチ信号S60を出力する。スイッチ信号S60は、電源オフ又は電源オン情報を示すものである。スイッチ部60は、ユーザによってオン又はオフ操作される。
制御部55は同期信号Ss及び速度検出信号S58に基づいてモータ52を所定の回転(変調)速度で回転するように制御する。電源部57はスリップリング51、制御部55及びI/F基板56に接続され、接続基板11、制御部55及びI/F基板56に各基板駆動用の電源を供給するようになされる。
この例で、制御部55は、回転部104の回転制御を行っているサーボ制御系のエラー量が一定値を超えて、回転ムラが発生した場合、速やかに、回転動作を停止するように回転部104を制御する。エンコーダ58は、モータ52によって回転される回転部104の回転を検出する。
制御部55は、エンコーダ58から得られた回転検出値と、所定の回転基準値とを比較し、その比較の結果に応じてモータ52を制御する。具体的には、回転基準値以上の回転検出値が検出された場合は、回転部104の回転動作を停止するようにモータ52を制御する。このように全周囲立体画像表示装置10によれば、回転部104の回転制御を行っているサーボ制御系のエラー量が一定値を超えたら、速やかに回転動作を停止できるようになる。従って、回転部104の回転暴走を未然に防止し、安全を確保できるようになる。これにより、全周囲立体画像表示装置10の破壊を防止できるようになる。
図19は、1個の1次元発光素子基板#1等の構成例を示すブロック図である。図19に示す1次元発光素子基板#1等は、1個のシリアルパラレル変換部12、m個のドライバDRj(j=1〜m)及びm個の発光素子20j(j=1〜m)を有して構成される。この例ではm=12個(行)の場合について説明する。シリアルパラレル変換部12は接続基板11に接続され、シリアルの第1ライン目の立体画像表示用の映像データDinを第1〜第12行分のパラレルの立体画像表示用の映像データD#j(j=1〜m)に変換する。
シリアルパラレル変換部12には12個のドライバDR1〜DR12(駆動回路)が接続される。ドライバDR1には第1行目の発光素子201が接続される。発光素子201は、立体画像表示用の第1行目の映像データD#1に基づいて発光する。ドライバDR2には第2行目の発光素子202が接続される。発光素子202は、立体画像表示用の第2行目の映像データD#2に基づいて発光する。
同様にして、ドライバDR3〜DR12には第3行目〜第12行目の発光素子203〜212が各々接続される。発光素子203〜212は、立体画像表示用の第3行目〜第12行目の映像データD#3〜D#12に基づいて各々発光する。これにより、シリアルの第1ライン目の立体画像表示用の映像データDinに基づいて12個の発光素子201〜212が順に発光するようになる。この例で、1個のシリアルパラレル変換部12及びm個のドライバDRjは、図5に示したシリアルパラレル変換用とドライバ用のIC35を構成する。他の1次元発光素子基板#2〜#nについても、1次元発光素子基板#1の構成及び機能を有するので、その説明を省略する。
[立体画像表示例]
続いて、本発明に係る立体画像表示方法について、全周囲立体画像表示装置10の動作例を説明する。図20は、全周囲立体画像表示装置10における立体画像表示例を示す動作フローチャートである。この全周囲立体画像表示装置10によれば、図1に示したように回転部104が所定の口径及び所定の長さを有し、かつ、回転軸103に平行する周面の方向にスリット102を有している。この例では、回転部104には2次元発光素子アレイ101が取り付けられ、この回転部104を回転して立体画像を表示する場合を前提とする。
続いて、本発明に係る立体画像表示方法について、全周囲立体画像表示装置10の動作例を説明する。図20は、全周囲立体画像表示装置10における立体画像表示例を示す動作フローチャートである。この全周囲立体画像表示装置10によれば、図1に示したように回転部104が所定の口径及び所定の長さを有し、かつ、回転軸103に平行する周面の方向にスリット102を有している。この例では、回転部104には2次元発光素子アレイ101が取り付けられ、この回転部104を回転して立体画像を表示する場合を前提とする。
この際に適用される立体画像用の映像データDinは、例えばm行×n列個の撮像素子を有する1個の撮像系で任意の被写体を全周囲に渡って等間隔にN箇所分を撮像して得たものである。この撮像によって得られたN箇所×m行分の2次元の映像データDinを入力する。そして、2次元発光素子アレイ101及びスリット102から成る1個の発光ユニットU1により、被写体の全周囲に渡る立体画像を再生する。表示制御部15は、N箇所の撮像位置のいずれかに相当する任意の1つの視点位置から回転軸103の方向を観測したときに、複数の発光素子による発光点の軌跡によって、回転部104の内部に2次元の映像データDinに基づく例えば平面状の画像が形成されるように複数の発光素子の発光制御を行う。
これらを動作条件にして、全周囲立体画像表示装置10は、まず、ステップST1で制御部55は、電源がオンされたか否を検出する。このとき、ユーザは、立体画像を視聴する場合はスイッチ部60をONする。スイッチ部60は電源がオンされると、制御部55に電源オン情報を示すスイッチ信号S60を出力する。制御部55はスイッチ信号S60に基づく電源オン情報を検出すると、立体画像表示処理を実行する。
次に、ステップST2で接続基板11は、回転部104に取り付けられた2次元発光素子アレイ101に供給するための立体画像用の映像データDinを入力する。この映像データDinは、図16に示したように、2次元発光素子アレイ101のm=12行個の発光素子201〜212がN=60箇所の撮像位置を連続して再生する順序であって、かつ、60箇所の撮影位置が連続する順序である。映像ソース送出装置90では60箇所×12行分の2次元の映像データDinから該当する立体画像表示用の映像データDinが抽出される。
映像ソース送出装置90は、図17に示したスリット方向(縦方向)のラインデータ単位でデータの配列を並べ換える配列操作処理を実行する。そして、映像ソース送出装置90は、収集した撮影データを2次元発光素子アレイ101における12行の発光素子201〜212の発光タイミング毎の放射光データに変換する。これによって得られた時刻t=0乃至t=59Tで再生する放射光データが立体画像用の映像データDinとなる。映像データDinは、映像ソース送出装置90から設置架台105内へ供給され、設置架台105内において、スリップリング51を介して電力と共に回転部104の2次元発光素子アレイ101へ伝送される。
次に、ステップST3で発光素子201〜212は映像データDinに基づいて発光する。この例で、2次元発光素子アレイ101には円弧状の発光面が設けられているので、発光面から出射した光がスリット102の方向に集光する(図16参照)。発光素子201〜212から出力された光が回転部104のスリット102付近に集光する。
これに並行して、ステップST4で2次元発光素子アレイ101が取り付けられた回転部104を所定の速度で回転する。このとき、設置架台105の内部のモータ52が、ターンテーブル42を所定の回転(変調)速度で回転する。ターンテーブル42が回転することで、回転部104が回転する。
モータ52に取り付けられたエンコーダ58は、モータ52の回転速度を検出して回転部104の回転速度を示す速度検出信号S58を制御部55に出力する。制御部55は速度検出信号S58に基づいてモータ52を所定の回転(変調)速度で回転するように制御する。これにより、回転部104を所定の変調速度で回転できるようになる。全周囲立体画像表示装置10では回転部104の回転軸103を基準にして結像した立体画像の光が、回転部104の内部からスリット102を介して外部へ漏れ出る。この外部へ漏れ出た光は、複数の視点に対して立体画像を提供するようになる。
なお、ステップST5で制御部55は立体画像表示処理を終了するか否かを判別する。例えば、制御部55は、スイッチ部60からスイッチ信号S60に基づく電源オフ情報を検出して立体画像表示処理を終了する。スイッチ部60からの電源オフ情報が検出されない場合は、ステップST2及びST4に戻って立体画像表示処理を継続する。
このように第1の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置10によれば、発光素子201〜212から出力される光を回転部104のスリット102付近に集光している。この集光によって、回転部104の回転軸103を基準にして結像する立体画像の光が当該回転部104の内部からスリット102を介して外部へ漏れ出るようになる。
従って、観察者の視点を基準にして2次元発光素子アレイ101の発光面を回転走査できるので、回転軸103を基準にして結像した立体画像を回転部104の外部で視認できるようになる。これにより、従来方式の立体画像表示機構に比べて簡単な構造で、しかも、電力効率の良い全周囲から視聴可能な全周囲立体画像表示装置10を容易に実現できるようになった。また、従来の平面ディスプレイではできなかった様々な3Dポリゴンを表示できるので、立体キャラクタ商標サービースを提供できるようになった。
上述の実施の形態では、スリップリング51を介して電力と共に映像データDinを2次元発光素子アレイ101に伝送する場合について説明したが、これに限られることはない。無線通信システムを利用して設置架台105から回転部104へ電力と共に映像データDinを伝送してもよい。
例えば、回転部104内に受電用のコイルや、画像信号用の無線受信装置を各々設ける。設置架台105内には、送電用のコイルや、画像信号用の無線送信装置を各々設ける。無線受信装置及び無線送信装置には、アンテナを各々有したものを使用する。受電用のコイルには給電線を接続し、この給電線を2次元発光素子アレイ101に接続する。無線受信装置には信号線を接続し、この信号線を2次元発光素子アレイ101に接続する。
設置架台105内において、送電用のコイルは、回転部104の受電用のコイルと鎖交する位置に配設するようにする。送電用のコイルには、給電用のケーブルを接続し、外部から電力を供給する。同様にして、無線送信装置は、回転部104の無線受信装置と通信可能な位置に配設する。無線送信装置には、画像信号用のケーブルを接続し、映像ソース送出装置90等から映像データDinを供給する。
これにより、外部から供給される電力を電磁誘導により取り込んで、2次元発光素子アレイ101へ伝送できるようになる。また、映像ソース送出装置90から供給される映像データDinを電磁波を介して2次元発光素子アレイ101へ伝送できるようになる。なお、無線受信装置のアンテナと受電用のコイルとを兼用し、無線送信装置のアンテナと送電用のコイルとを兼用してもよい。この場合、電磁誘導に供される電圧(電流)の周波数を電磁波の搬送周波数とするとよい。もちろん、回転部104内にバッテリーや映像データ等を内蔵してもよい。映像データDinは記憶装置に書き込んで、回転部104の内部で2次元発光素子アレイ101に読み出すようにすればよい。
なお、発光ユニットU1が1個の場合は、偏芯を原因として自ら振動する現象が考えられるので、バランサを設けて、回転軸103と重心とを一致させるとよい。バランサは、2次元発光素子アレイ101とほぼ同じ重さで、その配置位置から180°だけずらした位置に配設するとよい。もちろん、バランサは1個に限られることはなく、120°置きに1個づつ配置してもよい。このように構成すると、回転部104を円滑に回転できるようになる。
また、全周囲立体画像表示装置10を回転動作させている最中に、例えば、バランサが外れて、偏芯を原因として自ら振動し始めた場合や、外部から大きな振動等が加わった場合が想定される。このような場合、回転軸103と重心とが一致しない状態で、回転部104が回転することで、回転部104や2次元発光素子アレイ101を所定の形状に維持できない事態(破損)が懸念される。
そこで、加速度センサや振動センサ等の振動検出部59を設置架台105に取り付け、制御部55が、定められた値以上の振動を検出した場合に、速やかに回転動作を停止するように回転部104を制御すればよい。
図18に示した全周囲立体画像表示装置10によれば、制御部55及び振動検出部59を備える。振動検出部59は、設置架台105において、モータ52により回転される回転部104の振動を検出して振動検出信号S59を出力する。制御部55は、振動検出部59から得られた振動検出信号S59に基づく振動検出値と、定められた所定の振動基準値とを比較し、その比較の結果に応じてモータ52を制御する。具体的には、振動基準値以上の振動検出値が検出された場合は、回転部104の回転動作を停止するようにモータ52を制御する。
このように加速度センサ等の振動検出部59で設置架台105の振動を検出し、振動量が一定値を超えたら、速やかに回転動作を停止できるようになる。従って、回転部104の回転暴走を未然に防止し、安全を確保できるようになる。これにより、全周囲立体画像表示装置10の破壊を防止できるようになる。
<第2の実施の形態>
[全周囲立体画像表示装置20の構成例]
図21A及びBは第2の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置20の構成例を示す断面図及びその動作例を示す説明図である。2次元発光素子アレイ101とスリット102から成る発光ユニットU1の数は、前述した構成以外にも様々な構成を取ることができる。例えば、円筒状の2次元発光素子アレイ101を用いた発光ユニットU1を2セット用いた構成も考えられる。
[全周囲立体画像表示装置20の構成例]
図21A及びBは第2の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置20の構成例を示す断面図及びその動作例を示す説明図である。2次元発光素子アレイ101とスリット102から成る発光ユニットU1の数は、前述した構成以外にも様々な構成を取ることができる。例えば、円筒状の2次元発光素子アレイ101を用いた発光ユニットU1を2セット用いた構成も考えられる。
図21Aに示す全周囲立体画像表示装置20は光線再生方式を採用しており、2つの発光ユニットU1,U2を備え、回転部104が回転軸103を回転中心として矢印Rの方向に、あるいは、その逆の方向に回転する構造となっている。
全周囲立体画像表示装置20では2つのスリット102が回転部104の回転軸103を原点とした外装体41に、等角度(180°)に設けられる。発光ユニットU1は一方のスリット102を有し、発光ユニットU2は他方のスリット102を有する。発光ユニットU1の2次元発光素子アレイ101は、その発光面が回転部104の一方のスリット102に向くように外装体41と回転軸103との間に配置される。発光ユニットU2の2次元発光素子アレイ101は、その発光面が回転部104の他方のスリット102に向くように、外装体41と回転軸103との間に配置されている。
全周囲立体画像表示装置20では、発光ユニットU1の2次元発光素子アレイ101の発光面の前方の外装体41に、回転軸103に平行なスリット102が設けられる。この例でも、2次元発光素子アレイ101から出射した光が、このスリット部位以外から漏れない構造を採っている。他方の発光ユニットU2についても同様に構成される。
[動作例]
この2つのスリット構造により、図21Bに示す発光ユニットU1の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。同様にして、発光ユニットU2の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。こうした2つのスリット構造の回転部104を視点に対して回転走査することで、円筒形状の光線再生面を形成できるようになる。回転軸103を基準にして結像する立体画像の光が回転部104の内部から2つのスリット102を介して外部へ漏れ出るようになる。
この2つのスリット構造により、図21Bに示す発光ユニットU1の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。同様にして、発光ユニットU2の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。こうした2つのスリット構造の回転部104を視点に対して回転走査することで、円筒形状の光線再生面を形成できるようになる。回転軸103を基準にして結像する立体画像の光が回転部104の内部から2つのスリット102を介して外部へ漏れ出るようになる。
このように、第2の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置20によれば、2つの2次元発光素子アレイ101からの光が各々違った方向に放射されるため、2つのスリット102で規制される縦2ライン分の光線再生が可能となる。従って、2つの2次元発光素子アレイ101から出射される光によって結像される高解像度の立体画像を視認できるようになる。
<第3の実施の形態>
[全周囲立体画像表示装置30の構成例]
図22A及びBは第3の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置30の構成例を示す断面図及びその動作例を示す説明図である。この実施の形態では、波長の違う単色の2次元発光素子アレイ101を幾つか搭載することで、2次元発光素子アレイ101の構造を複雑にすることなく、カラー表示を実行できるようにした。
[全周囲立体画像表示装置30の構成例]
図22A及びBは第3の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置30の構成例を示す断面図及びその動作例を示す説明図である。この実施の形態では、波長の違う単色の2次元発光素子アレイ101を幾つか搭載することで、2次元発光素子アレイ101の構造を複雑にすることなく、カラー表示を実行できるようにした。
図22Aに示す全周囲立体画像表示装置30は光線再生方式を採用しており、3つの発光ユニットU1,U2,U3を備え、回転部104が回転軸103を回転中心として矢印Rの方向に、あるいは、その逆の方向に回転する構造となっている。全周囲立体画像表示装置30では、3つのスリット102が回転部104の回転軸103を原点とした外装体41に、等角度(120°)に設けられる。発光ユニットU1は、1個目のスリット102を有し、発光ユニットU2は2個目のスリット102を有し、発光ユニットU3は3個目のスリット102を有する。
この例では、2次元発光素子アレイ101の各々の発光面が回転部104のスリット102に向くように回転部104の回転軸103とスリット102との間に配置される。例えば、発光ユニットU1の2次元発光素子アレイ101は、その発光面が回転部104の1個目のスリット102に向くように外装体41と回転軸103との間に配置される。
発光ユニットU2の2次元発光素子アレイ101は、その発光面が回転部104の2個目のスリット102に向くように、外装体41と回転軸103との間に配置される。発光ユニットU3の2次元発光素子アレイ101は、その発光面が回転部104の3個目のスリット102に向くように、外装体41と回転軸103との間に配置されている。当該3つの2次元発光素子アレイ101毎に波長の異なった発光素子が実装されている。これにより、3つの2次元発光素子アレイ101から発せられる波長が異なる光を組み合わせることにより立体画像のカラー表示を実行する。
全周囲立体画像表示装置30では、発光ユニットU1の2次元発光素子アレイ101の発光面の前方の外装体41に、回転軸103に平行なスリット102が設けられる。この例でも、2次元発光素子アレイ101から出射した光が、このスリット部位以外から漏れない構造を採っている。他の発光ユニットU2,U3についても同様に構成される。
[動作例]
この3つのスリット構造により、図22Bに示す発光ユニットU1の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。発光ユニットU2の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。同様にして、発光ユニットU3の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。
この3つのスリット構造により、図22Bに示す発光ユニットU1の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。発光ユニットU2の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。同様にして、発光ユニットU3の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。
こうした3つのスリット構造の回転部104を視点に対して回転走査することで、円筒形状の光線再生面を形成できるようになる。回転軸103を基準にして結像する立体画像の光が回転部104の内部から3つのスリット102を介して外部へ漏れ出るようになる。
このように、第3の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置30によれば、3つの2次元発光素子アレイ101からの光が各々違った方向に放射されるため、3つのスリット102で規制される縦3ライン分の光線再生が可能となる。従って、波長の異なる3つの2次元発光素子アレイ101から出射される、例えば、R色、G色、B色の光によって結像される高解像度のカラー立体画像を視認できるようになる。
<第4の実施の形態>
[全周囲立体画像表示装置40の構成例]
図23A及びBは第4の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置40の構成例を示す断面図及びその動作例を示す説明図である。図22Aに示す全周囲立体画像表示装置30は、光線再生方式を採用しており、6つの発光ユニットU1〜U6を備え、回転部104が回転軸103を回転中心として矢印Rの方向に、あるいは、その逆の方向に回転する構造となっている。
[全周囲立体画像表示装置40の構成例]
図23A及びBは第4の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置40の構成例を示す断面図及びその動作例を示す説明図である。図22Aに示す全周囲立体画像表示装置30は、光線再生方式を採用しており、6つの発光ユニットU1〜U6を備え、回転部104が回転軸103を回転中心として矢印Rの方向に、あるいは、その逆の方向に回転する構造となっている。
全周囲立体画像表示装置40では、6つのスリット102が回転部104の回転軸103を原点とした外装体41に、等角度(60°)に設けられる。発光ユニットU1は1個目のスリット102を有し、発光ユニットU2は2個目のスリット102を有し、発光ユニットU3は3個目のスリット102を有する。発光ユニットU4は4個目のスリット102を有し、発光ユニットU5は5個目のスリット102を有し、発光ユニットU6は6個目のスリット102を有する。
この例では、2次元発光素子アレイ101の各々の発光面が回転部104のスリット102に向くように回転部104の回転軸103とスリット102との間に配置される。例えば、発光ユニットU1の2次元発光素子アレイ101は、その発光面が回転部104の1個目のスリット102に向くように外装体41と回転軸103との間に配置される。
発光ユニットU2の2次元発光素子アレイ101は、その発光面が回転部104の2個目のスリット102に向くように、外装体41と回転軸103との間に配置される。発光ユニットU3の2次元発光素子アレイ101は、その発光面が回転部104の3個目のスリット102に向くように、外装体41と回転軸103との間に配置される。
発光ユニットU4の2次元発光素子アレイ101は、その発光面が回転部104の4個目のスリット102に向くように外装体41と回転軸103との間に配置される。発光ユニットU5の2次元発光素子アレイ101は、その発光面が回転部104の5個目のスリット102に向くように、外装体41と回転軸103との間に配置される。発光ユニットU6の2次元発光素子アレイ101は、その発光面が回転部104の6個目のスリット102に向くように、外装体41と回転軸103との間に配置されている。
全周囲立体画像表示装置40では、発光ユニットU1の2次元発光素子アレイ101の発光面の前方の外装体41に、回転軸103に平行なスリット102が設けられる。この例でも、2次元発光素子アレイ101から出射した光が、このスリット部位以外から漏れない構造を採っている。他の発光ユニットU2〜U6についても同様に構成される。
[動作例]
この6つのスリット構造により、図23Bに示す発光ユニットU1の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。発光ユニットU2の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。発光ユニットU3の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。
この6つのスリット構造により、図23Bに示す発光ユニットU1の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。発光ユニットU2の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。発光ユニットU3の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。
発光ユニットU4の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。発光ユニットU5の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。同様にして、発光ユニットU6の2次元発光素子アレイ101から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。
こうした6つのスリット構造の回転部104を視点に対して回転走査することで、円筒形状の光線再生面を形成できるようになる。また、回転軸103を基準にして結像する立体画像の光が回転部104の内部から6つのスリット102を介して外部へ漏れ出るようになる。
このように、第4の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置40によれば、6つの2次元発光素子アレイ101からの光が各々違った方向に放射されるため、6つのスリット102で規制される縦6ライン分の光線再生が可能となる。
<第5の実施の形態>
[全周囲立体画像表示装置50の構成例]
図24A及びBは第5の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置50の構成例を示す断面図及びその動作例を示す説明図である。2次元発光素子アレイ101とスリット102から成る発光ユニットU1の形状は、前述した構成以外にも様々な構成を取ることができる。例えば、平面状の2次元発光素子アレイ101’を用いた発光ユニットU1’を2セット用いた構成も考えられる。
[全周囲立体画像表示装置50の構成例]
図24A及びBは第5の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置50の構成例を示す断面図及びその動作例を示す説明図である。2次元発光素子アレイ101とスリット102から成る発光ユニットU1の形状は、前述した構成以外にも様々な構成を取ることができる。例えば、平面状の2次元発光素子アレイ101’を用いた発光ユニットU1’を2セット用いた構成も考えられる。
図24Aに示す全周囲立体画像表示装置50は光線再生方式を採用しており、2つの発光ユニットU1’,U2’を備え、回転部104が回転軸103を回転中心として矢印Rの方向に、あるいは、その逆の方向に回転する構造となっている。
全周囲立体画像表示装置50では2つのスリット102が回転部104の回転軸103を原点とした外装体41に、等角度(180°)に設けられる。発光ユニットU1’は、一方のスリット102を有し、発光ユニットU2’は他方のスリット102を有する。発光ユニットU1’の2次元発光素子アレイ101’は平面状(扁平状)の発光面を有し、その発光面が回転部104の一方のスリット102に向くように外装体41と回転軸103との間に配置される。発光ユニットU2’の2次元発光素子アレイ101’は、その発光面が回転部104の他方のスリット102に向くように、外装体41と回転軸103との間に配置されている。
全周囲立体画像表示装置50では、発光ユニットU1’の2次元発光素子アレイ101’の発光面の前方の外装体41に、回転軸103に平行なスリット102が設けられる。この例でも、2次元発光素子アレイ101’から出射した光が、このスリット部位以外から漏れない構造を採っている。他方の発光ユニットU2’についても同様に構成される。
[動作例]
この2つのスリット構造により、図24Bに示す発光ユニットU1’の2次元発光素子アレイ101’から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。同様にして、発光ユニットU2’の2次元発光素子アレイ101’から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。こうした2つのスリット構造の回転部104を視点に対して回転走査することで、円筒形状の光線再生面を形成できるようになる。この例では、回転軸103を基準にして結像する立体画像の光が、回転部104の内部から2つのスリット102を介して外部へ漏れ出るようになる。
この2つのスリット構造により、図24Bに示す発光ユニットU1’の2次元発光素子アレイ101’から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。同様にして、発光ユニットU2’の2次元発光素子アレイ101’から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。こうした2つのスリット構造の回転部104を視点に対して回転走査することで、円筒形状の光線再生面を形成できるようになる。この例では、回転軸103を基準にして結像する立体画像の光が、回転部104の内部から2つのスリット102を介して外部へ漏れ出るようになる。
このように、第5の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置50によれば、2つの平面状の2次元発光素子アレイ101’からの光が各々違った方向に放射されるため、2つのスリット102で規制される縦2ライン分の光線再生が可能となる。従って、第2の実施の形態と同様にして、2つの2次元発光素子アレイ101’から出射される光によって結像される高解像度の立体画像を視認できるようになる。
<第6の実施の形態>
[全周囲立体画像表示装置60の構成例]
図25A及びBは、第6の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置60の構成例を示す断面図及びその動作例を示す説明図である。この実施の形態では、波長の違う単色の平面状の2次元発光素子アレイ101’を幾つか搭載することで、2次元発光素子アレイ101’の構造を複雑にすることなく、カラー表示を実行できるようにした。
[全周囲立体画像表示装置60の構成例]
図25A及びBは、第6の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置60の構成例を示す断面図及びその動作例を示す説明図である。この実施の形態では、波長の違う単色の平面状の2次元発光素子アレイ101’を幾つか搭載することで、2次元発光素子アレイ101’の構造を複雑にすることなく、カラー表示を実行できるようにした。
図25Aに示す全周囲立体画像表示装置60は光線再生方式を採用しており、3つの発光ユニットU1’,U2’,U3’を備え、回転部104が回転軸103を回転中心として矢印Rの方向に、あるいは、その逆の方向に回転する構造となっている。全周囲立体画像表示装置60では、3つのスリット102が回転部104の回転軸103を原点とした外装体41に、等角度(120°)に設けられる。発光ユニットU1’は1個目のスリット102を有し、発光ユニットU2’は2個目のスリット102を有し、発光ユニットU3’は3個目のスリット102を有する。
この例で、平面状の2次元発光素子アレイ101’が外装体41内で正三角形状に配置される。その各々の発光面が回転部104のスリット102に向くように回転部104の回転軸103とスリット102との間に配置される。例えば、発光ユニットU1’の2次元発光素子アレイ101’は、その発光面が回転部104の1個目のスリット102に向くように外装体41と回転軸103との間に配置される。
発光ユニットU2’の2次元発光素子アレイ101’は、その発光面が回転部104の2個目のスリット102に向くように、外装体41と回転軸103との間に配置される。発光ユニットU3’の2次元発光素子アレイ101’は、その発光面が回転部104の3個目のスリット102に向くように、外装体41と回転軸103との間に配置されている。当該3つの2次元発光素子アレイ101’毎に波長の異なった発光素子が実装され、立体画像のカラー表示を実行する。
全周囲立体画像表示装置60では、発光ユニットU1’の2次元発光素子アレイ101’の発光面の前方の外装体41に、回転軸103に平行なスリット102が設けられる。この例でも、2次元発光素子アレイ101’から出射した光が、このスリット部位以外から漏れない構造を採っている。他の発光ユニットU2’,U3’についても同様に構成される。
[動作例]
この3つのスリット構造により、図25Bに示す発光ユニットU1’の2次元発光素子アレイ101’から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。発光ユニットU2’の2次元発光素子アレイ101’から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。同様にして、発光ユニットU3’の2次元発光素子アレイ101’から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。
この3つのスリット構造により、図25Bに示す発光ユニットU1’の2次元発光素子アレイ101’から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。発光ユニットU2’の2次元発光素子アレイ101’から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。同様にして、発光ユニットU3’の2次元発光素子アレイ101’から出射された光がスリット102より左右方向の放射角度が大きく制限される。
こうした3つのスリット構造の回転部104を視点に対して回転走査することで、円筒形状の光線再生面を形成できるようになる。回転軸103を基準にして結像する立体画像の光が、回転部104の内部から3つのスリット102を介して外部へ漏れ出るようになる。
このように、第6の実施の形態としての全周囲立体画像表示装置60によれば、平面状の3つの2次元発光素子アレイ101’からの光が各々違った方向に放射されるため、3つのスリット102で規制される縦3ライン分の光線再生が可能となる。従って、第3の実施の形態と同様にして、波長の異なる3つの2次元発光素子アレイ101’から出射される、例えば、R色、G色、B色の光によって結像される高解像度のカラー立体画像を視認できるようになる。
<第7の実施の形態>
[スリット幅の最適化]
本実施の形態では、図26(A),(B)を参照しつつ、上記第1の実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置10の構成を例に、回転部104におけるスリット102の幅の最適化について説明する。なお、他の実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置についても同様の最適化を行っても良い。
[スリット幅の最適化]
本実施の形態では、図26(A),(B)を参照しつつ、上記第1の実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置10の構成を例に、回転部104におけるスリット102の幅の最適化について説明する。なお、他の実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置についても同様の最適化を行っても良い。
スリット102の短軸方向における幅Wsは、ある瞬間に、任意のある視点pからスリット102越しに2次元発光素子アレイ101を観測したとき、観測される幅が丁度、発光素子の横方向の実装ピッチWpと同じ幅になることが望ましい。実装ピッチWpと同じ幅で観測されれば、所定の方向から2次元発光素子アレイ101を観測したときに、ほぼ1つの発光素子のみからの発光点が観測できる状態を作り出すことができる。観測される幅が実装ピッチWpよりも広くなっていくと、徐々に隣同士の発光素子の発光パターンが混ざり合って画像のボケが生ずる。これは、ある瞬間においては、ある1つの視点pに1つの発光素子が対応するように表示データの更新を行っているからである。逆にスリット幅Wsが狭くなり観測される幅が狭くなっていくと、画像のボケは生じにくくなるが、光量が低下し暗い画像になってしまう。
実際には観測するタイミングや視点pの位置によって、スリット幅Wsと実装ピッチWpは変化して見える。そこで、ある視点pから観測される画像において、例えば中央部分で最も最適となるように調整を行うことが好ましい。例えば図26(A)に示したように、スリット102と2次元発光素子アレイ101における中央部との距離をa、スリット102と視点pまでの距離をbとする。そして、距離aに比べて距離bは十分に大きいものとして、スリット幅Wsを実装ピッチWpと同じ幅で構成したとする。この場合、図26(A)に示したように、視点pからスリット102を介して2次元発光素子アレイ101の中央部を観測すると、実装ピッチWpと略同一幅の大きさで2次元発光素子アレイ101が観測される。同一の構成で、図26(B)に示したように、視点pからスリット102を介して2次元発光素子アレイ101の端部を観測する状態について考える。この場合、2次元発光素子アレイ101をスリット102を介して、斜め方向から観測する状態となる。この場合、斜め方向から見ているために、図26(A)の状態に比べて、見掛け上、スリット幅Wsは小さく観測される。また、観測される2次元発光素子アレイ101の大きさも、図26(A)の状態に比べて、見掛け上、小さく観測される。結果的に、図26(B)のように斜め方向から観測する状態であっても、見掛け上、実装ピッチWpと略同一幅の大きさで2次元発光素子アレイ101が観測される。
<第8の実施の形態>
上記第1の実施の形態で説明したように、全周囲立体画像表示装置10では、例えば60箇所の視点p=300〜359のそれぞれに対して、2次元発光素子アレイ101による発光点の軌跡、すなわち観測される画像表示面が例えば平面となるような画像表示がなされる。ここで、2次元発光素子アレイ101において、複数の発光素子が曲面形状の面内において等間隔で配置され、かつ、複数の発光素子がすべて同一のタイミングで画像更新(発光制御)がなされるものとする。この場合、任意の視点pから観測される表示面120は、例えば図27(A)のようになる。図中の黒い点は、画素(発光点の軌跡)に相当する。この場合、観測される表示面120は、中央部の画素間幅w0に比べて、横方向の左右端部の画素間幅w1が縮んで見える問題がある。しかしながら理想的には、図27(B)のように中央部と左右端部で画素間幅wが同一となる(発光点が一定間隔となる)ことが好ましい。
上記第1の実施の形態で説明したように、全周囲立体画像表示装置10では、例えば60箇所の視点p=300〜359のそれぞれに対して、2次元発光素子アレイ101による発光点の軌跡、すなわち観測される画像表示面が例えば平面となるような画像表示がなされる。ここで、2次元発光素子アレイ101において、複数の発光素子が曲面形状の面内において等間隔で配置され、かつ、複数の発光素子がすべて同一のタイミングで画像更新(発光制御)がなされるものとする。この場合、任意の視点pから観測される表示面120は、例えば図27(A)のようになる。図中の黒い点は、画素(発光点の軌跡)に相当する。この場合、観測される表示面120は、中央部の画素間幅w0に比べて、横方向の左右端部の画素間幅w1が縮んで見える問題がある。しかしながら理想的には、図27(B)のように中央部と左右端部で画素間幅wが同一となる(発光点が一定間隔となる)ことが好ましい。
本実施の形態では、上記第1の実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置10の構成を基本にして、図27(B)のような理想的な画像表示を実現する手法について説明する。なお、他の実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置についても同様の手法で画像表示を行っても良い。
まず、図28及び図29を参照して、図27(B)のような理想的な画像表示を実現するための2次元発光素子アレイ101の曲面形状、および発光点(発光素子)の位置の算出例を説明する。図28及び図29に付した符号の意味は、基本的には上述の図3及び図4と同様である。
図28において、視点pからスリット102を介して実際に観測される発光点(図27(B)に示した画素に相当する)を、y=−L2上の点(x2,−L2)とする。発光点(x2,−L2)が観測できるスリット102の通過点(x1,y1)の条件は、
L3=L1−L2として、次のようになる。
L3=L1−L2として、次のようになる。
ここで、スリット102の位置を示す角度θが、図28の矢印の回転方向に増加するものとすると、角度θは、
θ=−sin-1θ(x1/r)
よって、2次元発光素子アレイ101における曲面形状(湾曲形状)の発光点(発光素子)の位置座標(x(θ),y(θ))は、
x(θ)=x2cosθ+L2sinθ …(1A)
y(θ)=x2sinθ−L2cosθ …(2A)
となる。
θ=−sin-1θ(x1/r)
よって、2次元発光素子アレイ101における曲面形状(湾曲形状)の発光点(発光素子)の位置座標(x(θ),y(θ))は、
x(θ)=x2cosθ+L2sinθ …(1A)
y(θ)=x2sinθ−L2cosθ …(2A)
となる。
スリット102が、角度θ=0°の位置を通過する時刻をt=0とし、1回転、すなわち360°回転するのに掛かる時間をTcとすると、視点pから観測される画像の発光点の更新タイミングは、
t=Tc・θ/2π …(3)
となる。
t=Tc・θ/2π …(3)
となる。
[具体例]
図29に、視点pからスリット102を介して実際に観測される発光点が平面内で等間隔に並ぶための、2次元発光素子アレイ101の曲面形状、およびその曲面内での発光点(発光素子)の位置の具体例を示す。図29では、
L1=90,L2=10,r=30とし、x軸方向の発光点総数を12個、間隔を4とし、等間隔に観測される発光点のx2の値を、
−22,−18,−14,−10,−6,−2,2,6,10,14,18,22
としている。
図29に、視点pからスリット102を介して実際に観測される発光点が平面内で等間隔に並ぶための、2次元発光素子アレイ101の曲面形状、およびその曲面内での発光点(発光素子)の位置の具体例を示す。図29では、
L1=90,L2=10,r=30とし、x軸方向の発光点総数を12個、間隔を4とし、等間隔に観測される発光点のx2の値を、
−22,−18,−14,−10,−6,−2,2,6,10,14,18,22
としている。
また、1回転にp=300〜359の60視点分の画像を出力する場合、12個の発光素子201〜212の各々の更新間隔Tは、
T=Tc/60 …(4)
となる。
T=Tc/60 …(4)
となる。
図30は、図27(B)のような理想的な画像表示を実現するための発光素子の発光タイミングを示している。また、図31は、比較例となる発光タイミングを示している。図31の比較例は、上述の図10〜図12と図13〜図15とに示した光線出力のタイミングに対応している。図30及び図31において、横軸は時刻t、縦軸は12個の発光点(発光素子201〜212)を示している。図30において、実線の曲線(図31では直線)は、ある視点pについての発光タイミングを示している。例えば図30において、最も左側の実線の曲線は、視点300で観測される発光点(発光素子)についての発光タイミングを示している。なお、図30及び図31に示した発光タイミングの制御は、表示制御部15(図18)によって行われる。
図31の比較例では、12個の発光素子201〜212の各々の更新間隔Tと更新タイミング(時刻)とが同じとなっている。例えば時刻t=11Tのときに発光素子201〜212がそれぞれ、視点311〜300用の画像表示(発光)を行っている(例えば発光素子201が視点311用の発光を行い、同時刻に発光素子202が視点310用の発光を行っている)。次の時刻t=12Tのときには、発光素子201〜212が同時に更新され、それぞれ、視点312〜301用の発光を行っている。すなわち、画像更新タイミング(発光更新タイミング)が12個の発光素子201〜212で同時である。
一方、図30の例では、更新間隔Tは、12個の発光素子201〜212で同じであるが、更新タイミング(時刻)はそれぞれ異なっている。例えば発光素子201は時刻t=5Tよりも少し前の時刻に視点311用の発光を開始しているが、他の発光素子202〜212はそれと同時刻には発光していない。例えば発光素子202は時刻t=5Tよりも少し後の時刻に視点310用の発光を開始している。このように12個の発光素子201〜212について個々に発光開始のタイミングが制御される。このような発光タイミングで発光素子201〜212を別々に発光制御することにより、図27(B)のような理想的な画像表示を実現できる。
図32は、図29の構成で、時刻t=0のときに12個の発光素子201〜212を同時に発光させた場合にスリット102を介して出射される光線の状態(光線ベクトル)を示している。図32から分かるように、各発光素子からの光線ベクトルについて、視点位置との位置関係が異なっている。このことからも、12個の発光素子201〜212を同時に発光させるのではなく、図30に示したように、各発光素子について個々に発光タイミングの制御を行う必要があることが分かる。
[観測される画像を平面にすることの効果]
以上で説明した各実施の形態において、視点pから観測される表示面が平面となるように2次元発光素子アレイ101の曲面を構成することが好ましい。この理由は以下の通りである。
・観測される表示面が平面であれば、カメラで撮影した画像やCGで製作した画像を画像処理なしにそのまま用いることができる。観測される表示面が曲面の場合、視点pから観測される画像に歪みが生じないよう表示面の曲率を補正した画像を生成して用いる必要がある。
・観測される表示面が曲面である場合、表示面を上から見下ろしたり、下から見上げたりすると画像が弓形に歪んでしまい良好な立体像を得ることが難しくなる。
以上で説明した各実施の形態において、視点pから観測される表示面が平面となるように2次元発光素子アレイ101の曲面を構成することが好ましい。この理由は以下の通りである。
・観測される表示面が平面であれば、カメラで撮影した画像やCGで製作した画像を画像処理なしにそのまま用いることができる。観測される表示面が曲面の場合、視点pから観測される画像に歪みが生じないよう表示面の曲率を補正した画像を生成して用いる必要がある。
・観測される表示面が曲面である場合、表示面を上から見下ろしたり、下から見上げたりすると画像が弓形に歪んでしまい良好な立体像を得ることが難しくなる。
特に、本実施の形態のように視点pから観測される表示面の画素間隔を一定となる構成にした場合、さらに以下の効果が得られる。
・画素間隔が一定であれば、カメラで撮影した画像やCGで製作した画像を画像処理なしにそのまま用いることができる。一定でない場合、画素間幅の歪みを補正した画像を生成して用いる必要がある。
・画素間隔が一定であれば、カメラで撮影した画像やCGで製作した画像を画像処理なしにそのまま用いることができる。一定でない場合、画素間幅の歪みを補正した画像を生成して用いる必要がある。
<第9の実施の形態>
[第1〜第8の各実施の形態の表示装置による立体画像の視聴例]
図33A及びBは、各実施の形態としての全周囲立体画像表示装置10等における立体画像の視聴例を示す説明図である。図33Aに示す立体画像の視聴例によれば、全周囲立体画像表示装置10等により立体表示されるキャラクタ(男子の人形)を4名の視聴者H1〜H4により視聴する場合である。この場合は、キャラクタ全周囲の立体画像が表示されるので、視聴者H1(男性)は、キャラクタの左面側の立体画像を視聴できるようになる。視聴者H2(男性)は、キャラクタの前面側の立体画像を視聴できるようになる。視聴者H3(男性)は、キャラクタの右面側の立体画像を視聴できるようになる。視聴者H4(女性)は、キャラクタの背面側の立体画像を視聴できるようになる。
[第1〜第8の各実施の形態の表示装置による立体画像の視聴例]
図33A及びBは、各実施の形態としての全周囲立体画像表示装置10等における立体画像の視聴例を示す説明図である。図33Aに示す立体画像の視聴例によれば、全周囲立体画像表示装置10等により立体表示されるキャラクタ(男子の人形)を4名の視聴者H1〜H4により視聴する場合である。この場合は、キャラクタ全周囲の立体画像が表示されるので、視聴者H1(男性)は、キャラクタの左面側の立体画像を視聴できるようになる。視聴者H2(男性)は、キャラクタの前面側の立体画像を視聴できるようになる。視聴者H3(男性)は、キャラクタの右面側の立体画像を視聴できるようになる。視聴者H4(女性)は、キャラクタの背面側の立体画像を視聴できるようになる。
図33Bに示す立体画像の視聴例によれば、視聴者が居ると判断された領域にのみ映像を出力し、視聴者がいないと判断された領域には、立体映像を出力しない立体画像表示方式を採っている。例えば、図中、全周囲立体画像表示装置10の周囲に4名の視聴者H1〜H4が居る。3名の視聴者H1〜H3は、目をそらさずに、じっと全周囲立体画像表示装置10を見ているが、視聴者H4は、全周囲立体画像表示装置10を見ることなく、そっぽを向いているような場合である。この場合、図18に示した全周囲立体画像表示装置10によれば、視聴者検出センサ81が、3名の視聴者H1〜H3の瞳孔を検出して視聴者検出信号S81を発生する。
全周囲立体画像表示装置10は、視聴者検出センサ81から出力される視聴者検出信号S81に基づいて3名の視聴者H1〜H3の視聴領域を映像ソース送出装置90に逐次伝達する。映像ソース送出装置90は3名の視聴者H1〜H3の視聴領域に対応する領域映像のみを全周囲立体画像表示装置10に送出する。この結果、3名の視聴者H1〜H3が存在する視聴領域のみ表示情報を再生できるようになる。
この例では目をそらさずに、じっと全周囲立体画像表示装置10を見ている視聴者H1は、キャラクタの左面側の立体画像を視聴できるようになる。同様にして、視聴者H2は、キャラクタの前面側の立体画像を視聴できるようになる。同様にして、視聴者H3は、キャラクタの右面側の立体画像を視聴できるようになる。しかし、そっぽを向いている視聴者H4の視聴領域には、立体画像が表示されない。
図中に示す破線部分は、視聴者H1〜H3の顔に表示光が当たっている状態である。視聴者H4に表示光が当たっていないのは、視聴者H4の目線が全周囲立体画像表示装置10に向いていないため視聴者として判断されなかったためである。視聴者H1と視聴者H2との間の視聴領域に対応する領域映像も出力されないので、この間の視聴領域においても、立体画像が表示されない。これにより、ユニークな立体画像表示方法を提供できるようになる。
<第10の実施の形態>
[全周囲立体画像表示装置70の構成]
図34は、本実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置70の構成例を示している。この全周囲立体画像表示装置70は、図2に示した全周囲立体画像表示装置10における視聴者検出センサ81に代えて赤外線発光部81Aおよび赤外線受光部81Bを備えている。赤外線発光部81Aおよび赤外線受光部81Bは、視聴者検出センサ81と同様に、アーム部材82の一端に取り付けられ、アーム部材82を介して接続基板11に接続されている。この全周囲立体画像表示装置70はまた、図2に示した全周囲立体画像表示装置10における孔部108に代えて発光部用の孔部108Aと、受光部用の孔部108Bとを備えている。発光部用の孔部108Aは、外装体41をターンテーブル42に取り付けた状態で赤外線発光部81Aに対応する位置に設けられている。受光部用の孔部108Bは、外装体41をターンテーブル42に取り付けた状態で赤外線受光部81Bに対応する位置に設けられている。
[全周囲立体画像表示装置70の構成]
図34は、本実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置70の構成例を示している。この全周囲立体画像表示装置70は、図2に示した全周囲立体画像表示装置10における視聴者検出センサ81に代えて赤外線発光部81Aおよび赤外線受光部81Bを備えている。赤外線発光部81Aおよび赤外線受光部81Bは、視聴者検出センサ81と同様に、アーム部材82の一端に取り付けられ、アーム部材82を介して接続基板11に接続されている。この全周囲立体画像表示装置70はまた、図2に示した全周囲立体画像表示装置10における孔部108に代えて発光部用の孔部108Aと、受光部用の孔部108Bとを備えている。発光部用の孔部108Aは、外装体41をターンテーブル42に取り付けた状態で赤外線発光部81Aに対応する位置に設けられている。受光部用の孔部108Bは、外装体41をターンテーブル42に取り付けた状態で赤外線受光部81Bに対応する位置に設けられている。
赤外線発光部81Aおよび赤外線受光部81Bは、図36に示したように例えば、立体表示画像76を表示している状態で回転部104の表面周囲に物体(例えば観察者の手75)が近づいた場合に、その物体の位置や動きを検出するためのものである。赤外線発光部81Aは、発光部用の孔部108Aを介して回転部104の外部に向けて赤外線光を出射するようになっている。赤外線受光部81Bは、赤外線発光部81Aから出射され、外部の物体で反射して戻ってきた赤外線の反射戻り光を、受光部用の孔部108Bを介して受光するようになっている。
図35は、赤外線発光部81Aおよび赤外線受光部81Bを用いた物体検出回路の構成例を示している。この物体検出回路は、検出信号処理部71と、出力アンプ72と、A/Dコンバータ73とを備えている。なお、その他の制御系の回路構成は、視聴者検出センサ81の回路部分を除いて、図18に示した回路と略同様である。
検出信号処理部71は、出力アンプ72を介して赤外線発光部81Aの発光制御を行うようになっている。検出信号処理部71はまた、A/Dコンバータ73を介して赤外線受光部81Bからの検出信号を受信し、外部の物体で反射して戻ってきた赤外線の反射戻り光の反射強度の情報を取得するようになっている。検出信号処理部71にはまた、モータ52に取り付けられたエンコーダ58(図18参照)から、モータ52の回転角度(回転部104の回転角度)の情報を示す角度情報信号が入力されるようになっている。これにより、検出信号処理部71は、赤外線の反射戻り光の反射強度の情報を所定単位の角度ごとに取得するようになっている。検出信号処理部71は、角度ごとの反射強度の情報に基づいて、観察者の手75等の物体が存在すると推測される領域(反応領域)の判定を行うようになっている。検出信号処理部71は、その求めた反応領域情報を示す信号を、表示制御部15(図18参照)に出力するようになっている。検出信号処理部71はまた、反応領域情報を示す信号を、例えばI/F基板56を介して映像ソース送出装置90(図18参照)に出力するようになっている。
[全周囲立体画像表示装置70の動作]
この全周囲立体画像表示装置70による立体画像の基本的な表示動作は、全周囲立体画像表示装置10(図1等)と同様である。すなわち、回転部104を回転させて、表示制御部15で回転部104内部の発光素子の発光制御を行うことで、例えば図36に示したように全周囲に亘る立体表示画像76を表示する。表示する立体表示画像76用の映像データDinは、映像ソース送出装置90(図18)から提供される。
この全周囲立体画像表示装置70による立体画像の基本的な表示動作は、全周囲立体画像表示装置10(図1等)と同様である。すなわち、回転部104を回転させて、表示制御部15で回転部104内部の発光素子の発光制御を行うことで、例えば図36に示したように全周囲に亘る立体表示画像76を表示する。表示する立体表示画像76用の映像データDinは、映像ソース送出装置90(図18)から提供される。
このように立体表示画像76を表示している状態で、検出信号処理部71は随時、赤外線受光部81Bから、赤外線の反射戻り光の反射強度の情報を所定単位の角度ごとに取得する。検出信号処理部71は、角度ごとの反射強度の情報に基づいて、観察者の手75等の物体が存在すると推測される領域(反応領域)の判定を行う。例えば図38に示したように、反射強度がある一定の閾値レベルを超えた角度領域を反応領域と判定する。すなわち、その角度領域に手75等の物体が存在すると判定する。検出信号処理部71は、その求めた反応領域情報を示す信号を、表示制御部15と映像ソース送出装置90とに出力する。映像ソース送出装置90は、反応領域に応じた映像データDinを供給する。表示制御部15は、反応領域(手75等の物体が検出された位置)に応じて発光素子の発光制御を行う。例えば、手75等の物体が検出された位置に応じて、観察者から見た立体表示画像76の表示状態が変化するように発光素子の発光制御を行う。
図37(A),(B)は、物体検出に応じた立体表示画像76の表示状態の変化の一例を示している。観察者の視線方向は任意の位置(例えば正面方向)にある。立体表示画像76として、鳥の画像が表示されているものとする。例えば図37(A),(B)に示したように、回転部104の周囲において、手75が検出された方向に鳥の向きを変化させるような表示を行う。観察者は、手75をかざしただけで立体表示画像76の表示状態(鳥の向き)を操作しているような感覚を得ることができる。
なお、図38に示した反応領域の判定に用いる閾値レベルにヒステリシスを持たせるようにしても良い。また、閾値レベルを設けずに、反射強度の変化に応じた任意の表示動作をさせるようにしても良い。
<第11の実施の形態>
[全周囲立体画像表示装置80の構成]
上記第1〜第10の実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置では、水平方向の視差に対応した立体画像、すなわち、例えば図40(A)に示したように、水平方向(回転方向)の異なる視点位置X1,X2,X3から見た場合に視差が生じるような立体画像を、回転部104の全周囲に亘って表示することができる。しかしながら、垂直方向の視差に対応した立体画像、すなわち、例えば図40(B)に示したように、垂直方向(高さ方向)の異なる視点位置Z1,Z2,Z3から見た場合に視差が生じるような立体画像を表示することは困難である。本実施の形態では、垂直方向に視差が生じるような立体画像を簡易に表示することができるようにしたものである。
[全周囲立体画像表示装置80の構成]
上記第1〜第10の実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置では、水平方向の視差に対応した立体画像、すなわち、例えば図40(A)に示したように、水平方向(回転方向)の異なる視点位置X1,X2,X3から見た場合に視差が生じるような立体画像を、回転部104の全周囲に亘って表示することができる。しかしながら、垂直方向の視差に対応した立体画像、すなわち、例えば図40(B)に示したように、垂直方向(高さ方向)の異なる視点位置Z1,Z2,Z3から見た場合に視差が生じるような立体画像を表示することは困難である。本実施の形態では、垂直方向に視差が生じるような立体画像を簡易に表示することができるようにしたものである。
図39は、本実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置80の構成例を示している。この全周囲立体画像表示装置80の基本的な構造は、図2に示した全周囲立体画像表示装置10と同様であるが、全周囲立体画像表示装置10における視聴者検出センサ81に代えて全方位カメラ91を備えている。この全周囲立体画像表示装置80はまた、全方位カメラ91から出力された撮像信号を処理する撮像信号処理部92を備えている。この全周囲立体画像表示装置80の制御系の回路構成は、撮像信号処理部92に関連する回路部分を除いて、図18に示した回路構成と略同様である。
全方位カメラ91および撮像信号処理部92は、本発明における「視点検出手段」の一具体例に対応している。全方位カメラ91は、本発明における「撮影手段」の一具体例に対応している。
全方位カメラ91および撮像信号処理部92は、本発明における「視点検出手段」の一具体例に対応している。全方位カメラ91は、本発明における「撮影手段」の一具体例に対応している。
全方位カメラ91および撮像信号処理部92は、回転部104の周囲に存在する観察者93の視点位置を検出するようになっている。撮像信号処理部92は、視点位置の情報を示す信号を、表示制御部15に出力するようになっている。撮像信号処理部92はまた、視点位置の情報を示す信号を、例えばI/F基板56(図18参照)を介して映像ソース送出装置90に出力するようになっている。
全方位カメラ91は、回転部104の周囲に存在する観察者93の視点位置を、水平方向(回転方向)および垂直方向(高さ方向)の全方位に亘って撮影可能となっている。全方位に亘る撮影を可能にする第1の手法としては、例えば回転部104に全方位カメラ91を取り付けて回転部104と共に回転させる方法がある。例えば、図2に示した全周囲立体画像表示装置10における視聴者検出センサ81と同様に、回転部104の内部においてアーム部材82(図2)の一端に全方位カメラ91を取り付け、アーム部材82を介して接続基板11に電気的に接続する構造であっても良い。このような構造の場合、少なくとも1台のカメラを全方位カメラ91として搭載すれば良い。全方位カメラ91を1台のカメラのみで構成する場合、上下に精度良く視点位置を検出するために、高さ方向の中央部の位置にカメラを設置することが好ましい。中央部に設置することが困難な場合には、高さ方向の上部と下部の双方に少なくとも1台ずつ、カメラを設置することで、上下に精度良く視点位置を検出することができる。また、全方位カメラ91は、回転部104の内部ではなく、外装体41に設置するようにしても良い。なお、図39では、一例として、回転部104の上部に第1のカメラ91A、第2のカメラ91Bおよび第3のカメラ91Cを、全方位カメラ91として設置した例を示している。
また、全方位カメラ91を回転部104とは一体化せずに別の位置に設け、全方位カメラ91を回転させずに位置的に固定された状態で撮影を行うようにしても良い。例えば回転部104の外側に、回転しない固定の構造物(例えば全体が筒状の透明部材)を設け、その固定の構造物に全方位カメラ91を設けるようにしても良い。この場合、全方位に亘る撮影を可能にするためには、例えば回転部104の回転方向に等間隔に、複数のカメラを配置すれば良い。または、1台のカメラに、レンズやミラー等の光学手段を組み合わせた構成であっても良い。すなわち、レンズやミラー等の光学手段によって、光学的に全方位からの被写体光を1台のカメラに導くような構成であっても良い。このように全方位カメラ91を回転部104とは別体として設ける場合において、上下に精度良く視点位置を検出するために、高さ方向の中央部の位置に1または複数のカメラを設置することが好ましい。中央部に設置することが困難な場合には、高さ方向の上部と下部の双方に1または複数のカメラを設置することで、上下に精度良く視点位置を検出することができる。
[全周囲立体画像表示装置80の動作]
この全周囲立体画像表示装置80による立体画像の基本的な表示動作は、全周囲立体画像表示装置10(図1等)と同様である。すなわち、回転部104を回転させて、表示制御部15で回転部104内部の発光素子の発光制御を行うことで、例えば後述する図42(A)〜(C)に示すように全周囲に亘る立体表示画像94を表示する。表示する立体表示画像94用の映像データDinは、映像ソース送出装置90(図18、図39)から提供される。
この全周囲立体画像表示装置80による立体画像の基本的な表示動作は、全周囲立体画像表示装置10(図1等)と同様である。すなわち、回転部104を回転させて、表示制御部15で回転部104内部の発光素子の発光制御を行うことで、例えば後述する図42(A)〜(C)に示すように全周囲に亘る立体表示画像94を表示する。表示する立体表示画像94用の映像データDinは、映像ソース送出装置90(図18、図39)から提供される。
このように立体表示画像94を表示している状態で、撮像信号処理部92は随時、全方位カメラ91から撮像信号を取得する。撮像信号処理部92は、全方位カメラ91からの撮像信号に基づいて、観察者93の有無、および検出された観察者93の視点位置の判定を行う。撮像信号処理部92は、その求めた観察者93の視点位置の情報を示す信号を、表示制御部15と映像ソース送出装置90とに出力する。映像ソース送出装置90は、視点位置に応じた映像データDinを供給する。表示制御部15は、検出された視点位置に応じて、観察者93から見た立体表示画像94の内容が変化する状態となるように回転部104内部の発光素子の発光制御を行う(図42(A)〜(C)参照)。
図42(A)は、観察者93の視点位置に応じて表示する立体表示画像94の一例を示している。図42(A)では、図42(C)における、第1の視点位置Z1,第2の視点位置Z2,および第3の視点位置Z3に対応して表示する立体表示画像94の一例を示している。図42(B)は、図42(A)のように立体表示画像94を表示した場合に、実際に観察者93によって認識される画像の見え方を示している。観察者93の両眼が水平のまま視点位置を垂直方向に移動する場合には、図42(A)のように視点位置の高さに合わせて立体表示画像94の内容を切り替えることで、自然な垂直方向(高さ方向)の視差を観察者93に認識させることができる。
ところで、図41(A)は、図41(C)のように視点位置が固定されている状態で、立体表示画像94として表示する物体の仰俯角を変化させた状態を示している。また、図41(B)は、図41(A)のように立体表示画像94を表示した場合に、実際に観察者93によって認識される画像の見え方を示している。一方、図42(C)のように視点位置を垂直方向に移動した場合には、図41(A)〜(C)のように視点位置固定で表示物体の仰俯角を変化させた場合と同じように見えるべきである。ところが、視点位置を垂直方向に移動した場合には、表物体の向きを変えた画像を表示するだけでは装置の構成上、観察者93によって認識される画像の見え方が異なる。視点位置を垂直方向に移動した場合には、立体表示画像94に対して視点の高さごとの歪み補正を施すことでより自然に見える。このため、図42(A)では、観察者93の視点位置の高さに応じて歪み補正を行った立体表示画像94を表示している。表示制御部15は、観察者93の視点位置の高さに応じて歪み補正を行った立体画像が表示される状態となるように回転部104内部の複数の発光素子の発光制御を行っている。このように表示物体の仰俯角を変更した画像に、視点の高さに合わせて歪み補正を施せば、その立体表示画像94を観察者93に対して、より自然に見せることができる。
以上のように本実施の形態によれば、垂直方向(高さ方向)の異なる視点位置Z1,Z2,Z3から見た場合に視差が生じるような自然な立体画像を回転部104の全周囲に亘って表示することができる。
<第12の実施の形態>
本実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置の基本構成は、上記第11の実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置80(図39)と同様である。ただし、全方位カメラ91および撮像信号処理部92による検出内容と表示制御部15による制御内容とが部分的に異なっている。本実施の形態は、観察者が複数存在する場合の画像表示に関する。
本実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置の基本構成は、上記第11の実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置80(図39)と同様である。ただし、全方位カメラ91および撮像信号処理部92による検出内容と表示制御部15による制御内容とが部分的に異なっている。本実施の形態は、観察者が複数存在する場合の画像表示に関する。
本実施の形態では、全方位カメラ91および撮像信号処理部92は、回転部104の周囲における複数の観察者のそれぞれの水平方向(回転方向)および垂直方向(高さ方向)の視点位置を検出するようになっている。全方位カメラ91は、回転部104の周囲に存在する観察者の視点位置を、水平方向(回転方向)および垂直方向(高さ方向)の全方位に亘って撮影可能となっている。
本実施の形態では、表示制御部15は、複数の観察者のそれぞれの水平方向の視点位置の違いに応じて、複数の観察者のそれぞれに対して異なる内容の立体画像が表示される状態となるように回転部104内部の複数の発光素子の発光制御を行うようになっている。以下、図43(A)〜(E)を参照して、観察者が第1の観察者93Aと第2の観察者93Bとの2人である場合を例に説明する。
図43(D)は、本実施の形態に係る全周囲立体画像表示装置において、第1の観察者93Aの視点位置で表示される立体画像の表示状態を示している。図43(E)は、第2の観察者93Bの視点位置で表示される立体画像の表示状態を示している。第1の観察者93A用の画像として第1の立体表示画像94Aを表示し、第2の観察者93B用の画像として、第2の立体表示画像94Bを表示するものとする。第1の観察者93Aと第2の観察者93Bの視点位置は、図43(A)〜(C)のように変化している。ここでは、第2の観察者93Bの視点位置は変わらずに、第1の観察者93Aの視点位置は図43の(A)から(B)、さらに(C)へと、反時計回りに変化している。
図43(A)と図43(C)の状態では、第1の観察者93Aと第2の観察者93Bの水平方向(回転方向)の視点位置は大きく異なり、その観察範囲は重複していない(完全に別々の観察範囲を見ている)。このような場合、第1の観察者93Aに対しては第1の立体表示画像94Aだけを表示し、第2の観察者93Bに対しては第2の立体表示画像94Bだけを表示することができる。
一方、図43(A)の状態から図43(B)の状態へと視点位置が移動するに従い、第1の観察者93Aと第2の観察者93Bの水平方向(回転方向)の視点位置が近づき、その観察範囲に部分的に重複が生じる。このように2人の観察範囲が部分的に重複する状態である場合には、第1の立体表示画像94Aと第2の立体表示画像94Bとを、その重複する観察範囲に応じた割合で分割して表示する。表示制御部15は、そのように分割して表示される状態となるように回転部104内部の複数の発光素子の発光制御を行う。
特に、図43(B)の状態では、第1の観察者93Aと第2の観察者93Bの水平方向(回転方向)の視点位置が略同一で、その観察範囲はほぼ完全に重複している(略同一の観察範囲を見ている)。このように2人の観察範囲がほぼ完全に重複する状態である場合には、第1の立体表示画像94Aと第2の立体表示画像94Bとを、略同一の割合で分割して表示する。表示制御部15は、そのように略同一の割合で分割して表示される状態となるように回転部104内部の複数の発光素子の発光制御を行う。
なお、観察範囲が部分的または完全に重複する場合、高さ方向の視点位置に応じた位置に、画像を分割表示することが好ましい。例えば図43(B)の例では、高さ方向の観察位置が、第1の観察者93Aに対して、第2の観察者93Bの方が上側にあるものとする。この場合、第1の観察者93A用の第1の立体表示画像94Aを下側に、第2の観察者93B用の第2の立体表示画像94Bを上側に分割表示すれば良い。これにより、視点の移動に合わせて滑らかに分割の割合が変更され、画面切り替えの違和感を軽減できる。
以上のように本実施の形態によれば、1台の立体画像表示装置でありながら、複数の観察者のそれぞれに対して異なる立体画像を回転部104の全周囲に亘って同時に表示することができる。
なお、全方位カメラ91および撮像信号処理部92が、複数の観察者のそれぞれの視点位置と共に、観察者が存在しない領域を検出するようにしても良い。そして、表示制御部15が、観察者が存在しない領域では、立体画像が表示されない状態となるように複数の発光素子の発光制御を行うようにしても良い。観察者が存在しない領域では画像表示を行わないようにすることで、常時、全周囲に画像を表示する場合に比べて消費電力を抑えることができる。
<その他の実施の形態>
本発明は、上記各実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。
例えば、図1および図2に示した全周囲立体画像表示装置10において、回転部104の外側に、回転部104を保護等するための固定部材が設けられていても良い。この場合、例えばスリット102が設けられた外装体41の外周を間隔を空けて覆うように、回転しない固定部材を設けると良い。固定部材は、例えば全体が筒状の透明部材で構成することができる。また固定部材として、網状に加工された筒状の部材を用いるようにしても良い。例えば、パンチングメタル等の網状に加工した金属等による部材を用いるようにしても良い。
本発明は、上記各実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。
例えば、図1および図2に示した全周囲立体画像表示装置10において、回転部104の外側に、回転部104を保護等するための固定部材が設けられていても良い。この場合、例えばスリット102が設けられた外装体41の外周を間隔を空けて覆うように、回転しない固定部材を設けると良い。固定部材は、例えば全体が筒状の透明部材で構成することができる。また固定部材として、網状に加工された筒状の部材を用いるようにしても良い。例えば、パンチングメタル等の網状に加工した金属等による部材を用いるようにしても良い。
本発明は、被写体を全周囲に渡って撮像したり、コンピュータにより作成した立体画像表示用の2次元映像情報等に基づいて被写体の全周囲に渡る立体画像を再生する光線再生方式の全周囲立体画像表示装置等に適用して極めて好適である。
10,20,30,40,50,60,70,80…全周囲立体画像表示装置、11…接続基板、12…シリアルパラレル変換部、15…表示制御部、31…プリント配線基板、32,33…位置決め用の孔部、34…コネクタ、35…IC、41…外装体、42…ターンテーブル、51…スリップリング、52…モータ、53,54…ハーネス、55…制御部、56…I/F基板、57…電源部、58…エンコーダ、59…振動検出部、60…スイッチ部、71…検出信号処理部、72…出力アンプ、73…A/Dコンバータ、75…手、76…立体表示画像、81…視聴者検出センサ、81A…赤外線発光部、81B…赤外線受光部、82…アーム部材、83…位置決めピン、90…映像ソース送出装置、91…全方位カメラ(撮影手段)、91A…第1のカメラ、91B…第2のカメラ、91C…第3のカメラ、92…撮像信号処理部、93…観察者、93A…第1の観察者、93B…第2の観察者、94…立体表示画像、94A…第1の立体表示画像、94B…第2の立体表示画像、101…2次元発光素子アレイ、102…スリット、103…回転軸、104…回転部、105…設置架台、106…吸気口、107…ファン部品、108…センサ用の孔部、108A…発光部用の孔部、108B…受光部用の孔部、109…レンズ部材、120…表示面、201〜212…発光素子、300〜359…視点、#1〜#n…1次元発光素子基板、U1〜U6…発光ユニット、X1,X2,X3…水平方向の視点位置、Z1,Z2,Z3…垂直(高さ)方向の視点位置。
Claims (12)
- 内部に回転軸を有し、前記回転軸を回転中心として回転する円筒状の回転部と、
前記回転部の内部に取り付けられ、複数の発光素子が配設されることにより形成された発光面を有する発光素子アレイと、
前記回転部の周面に設けられ、前記発光面からの光を前記回転部の外部に放射するスリットと、
前記スリットを介して放射された光によって前記回転部の周囲において立体画像が表示されるように、前記複数の発光素子の発光制御を行う表示制御部と、
前記回転部の周囲に存在する観察者の視点位置を検出する視点検出手段と
を備え、
前記表示制御部は、前記視点検出手段によって検出された前記観察者の視点位置に応じて、表示する立体画像の内容が変化する状態となるように前記複数の発光素子の発光制御を行う
立体画像表示装置。 - 前記視点検出手段は、少なくとも前記観察者の視点位置の高さを検出し、
前記表示制御部は、前記観察者の視点位置の高さに応じて、表示する立体画像の内容が変化する状態となるように前記複数の発光素子の発光制御を行う
請求項1に記載の立体画像表示装置。 - 前記表示制御部は、前記観察者の視点位置の高さに応じて歪み補正を行った立体画像が表示される状態となるように前記複数の発光素子の発光制御を行う
請求項2に記載の立体画像表示装置。 - 前記視点検出手段は、前記回転部の周囲における複数の観察者のそれぞれの水平方向の視点位置を検出し、
前記表示制御部は、前記複数の観察者のそれぞれの水平方向の視点位置の違いに応じて、前記複数の観察者のそれぞれに対して異なる内容の立体画像が表示される状態となるように前記複数の発光素子の発光制御を行う
請求項1または2に記載の立体画像表示装置。 - 前記表示制御部は、前記複数の観察者のそれぞれの観察範囲が重複する状態である場合には、内容の異なる複数の立体画像が、前記重複する観察範囲に応じた割合で分割して表示される状態となるように前記複数の発光素子の発光制御を行う
請求項4に記載の立体画像表示装置。 - 前記視点検出手段は、前記複数の観察者の水平方向のそれぞれの水平方向の視点位置と前記複数の観察者のそれぞれの視点位置の高さとを検出し、
前記表示制御部は、前記複数の観察者の視点位置の高さに応じた位置に、前記内容の異なる複数の立体画像が分割表示される状態となるように前記複数の発光素子の発光制御を行う
請求項5に記載の立体画像表示装置。 - 前記視点検出手段は、前記複数の観察者のそれぞれの視点位置と共に、観察者が存在しない領域を検出し、
前記表示制御部は、前記観察者が存在しない領域では、立体画像が表示されない状態となるように前記複数の発光素子の発光制御を行う
請求項4に記載の立体画像表示装置。 - 前記視点検出手段は、前記回転部に取り付けられて前記回転部と共に回転する撮影手段を有する
請求項1に記載の立体画像表示装置。 - 前記視点検出手段は、前記回転部とは別に設けられ、回転せずに位置的に固定された撮影手段を有する
請求項1に記載の立体画像表示装置。 - 前記スリットは、前記回転軸に平行な方向に設けられている
請求項1に記載の立体画像表示装置。 - 前記発光素子アレイは、
曲面形状部分を有し、前記曲面形状部分の凹面側が前記発光面とされている
請求項1に記載の立体画像表示装置。 - 内部に回転軸を有し、前記回転軸を回転中心として回転する円筒状の回転部と、
前記回転部の内部に取り付けられ、複数の発光素子が配設されることにより形成された発光面を有する発光素子アレイと、
前記回転部の周面に設けられ、前記発光面からの光を前記回転部の外部に放射するスリットと、
前記スリットを介して放射された光によって前記回転部の周囲において立体画像が表示されるように、前記複数の発光素子の発光制御を行う表示制御部と、
前記回転部の周囲に存在する観察者の視点位置を検出する視点検出手段と
を備えた立体画像表示装置によって立体画像の表示を行う際に、
前記表示制御部が、
前記視点検出手段によって検出された前記観察者の視点位置に応じて、表示する立体画像の内容が変化する状態となるように前記複数の発光素子の発光制御を行う
立体画像表示方法。
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