JP2011224142A - ビーズ状吸着材及びこれを用いた血液浄化器 - Google Patents

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Abstract

【課題】血液浄化カラムの輸送時やプライミング時の振動によって吸着材同士が衝突したり擦れたりしたとしても、この衝突や擦れ由来の不溶性微粒子の発生が従来に比べ大幅に抑制されたビーズ状吸着材を提供する。
【解決手段】ビーズ状吸着材は、十点平均粗さRzが200nm以上、900nm以下の範囲にある凹凸表面を有し、破断伸度が50%以上の疎水性高分子樹脂を主成分とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ビーズ状吸着材及びこれを用いた血液浄化器に関し、特に、血液を直接吸着材に接触させて血液を浄化する血液浄化器に関する。
近年、「アフェレシス」と呼ばれる血液浄化技術が進歩しており、中でも特に直接血液灌流療法(DHP:Direct Hemo Perfusion)と呼ばれる、患者の血液を直接吸着材に接触させて血液を浄化する方法が急速に普及している。直接血液灌流療法は、従来のアフェレシス技術である、血漿分離膜を用いて分離した血漿を吸着材に接触させる血漿吸着法(PA:Plasma Adsorption)や、血漿分離膜を用いて血液から血漿を分離し、分離された血漿から二次膜を用いてグロブリンやその他の病因(関連)物質を含む分子量の大きな物質を分離除去し、アルブミンを中心とする病因(関連)物質と同等以下の分子量を有する物質を回収する二重膜濾過血漿交換法(DFPP:Double Filtration Plasmapheresis)等に比べ、簡便に使用することができる。
アフェレシス技術による血液からの除去対象物質は、疾患により様々であり、例えば、高コレステロール血症の治療に用いられるLDL吸着器の場合では、LDL(低密度リポ蛋白質)が除去対象物質であり、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)の場合では、白血球や血小板といった炎症性細胞が除去対象物質となる。
直接血液灌流療法(DHP)に用いられる吸着材の形態として、ビーズ状、不織布状、織物状と色々考案されているが、中でもビーズ状の吸着材は、不織布や織物等の布帛状の吸着材と比較して、血液を通過させたときの圧損が少なく、体外循環血液回路や血液浄化カラム内での血液の凝固のリスクが少ないという特徴を有する。
一方、ビーズ状の吸着材は、不織布状、織物状の吸着材に比べ、個々の吸着材粒子が血液浄化カラム内で固定されておらず、例えば、輸送やプライミング操作時の振動によって吸着材同士が衝突し、吸着材の材質の強度や表面の性状によっては、吸着材の一部が剥がれ「不溶性微粒子」となり、この不溶性微粒子が血液浄化カラムの充填液中や血液浄化中の血液内に遊離してしまうおそれがある。ここで、「不溶性微粒子」は、水、血液等に溶解しない、吸着材由来の微粒子をいう。
通常、ビーズ状吸着材を使用した血液浄化器は、吸着材が血液浄化器内部から脱落して体外循環血液浄化回路を介して患者の体内に入ることを防止するために、血液浄化器内にメッシュ状のフィルタが備えられている。しかし、上述したような、吸着材同士の衝突や擦れ等による表面の破壊に起因して発生する不溶性微粒子は、その粒径が小さく細かいために、メッシュ状のフィルタを容易に通過してしまう。そのため、患者の体内に移行してしまう可能性が高く、仮に、不溶性微粒子の発生量が多い場合、毛細血管を閉塞させるなどの問題が生じる可能性も考えられる。
上述のような問題を防ぐ方法として、例えば、特許文献1には、吸着材を実質的に移動不可能にまで密に充填する方法が開示されている。また、特許文献2には、充填率と占有率を一定範囲にすることで、血球通過性を担保しつつ、吸着材粒子同士の衝突をある程度緩和する方法が開示されている。
特開昭57−57552号公報 特許第4138488号公報
しかしながら、上述した特許文献1において、例えば、吸着材が完全に移動不可能なまでに密に充填されると、吸着材粒子間の隙間が必然的に狭くなり、その結果、血球の通過性が悪くなることが懸念される。また、特許文献2に記載の方法では、適正な量の吸着材を充填し管理することが難しく、また吸着材の材質によっては、この方法を用いても十分に不溶性微粒子の発生を抑制できない場合がある。
本発明は、以上のような状況を鑑みてなされたものであり、ビーズ状の吸着材を用いた血液浄化器に関し、どのような充填率でビーズ状の吸着材が充填されても、血液浄化カラムの輸送時やプライミング時の振動によって吸着材同士が衝突したり擦れたりしたとしても、この衝突や擦れ由来の不溶性微粒子の発生が従来に比べ抑制される血液浄化器を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に示す本発明を完成するに至った。本願発明は、以下の特徴を有する。
(I)十点平均粗さRzが200nm以上、900nm以下の範囲にある凹凸表面を有し、破断伸度が50%以上の疎水性高分子樹脂を主成分とするビーズ状吸着材である。
(II)前記ビーズ状吸着材の粒径は、0.2mm以上、2.0mm未満である上記(I)に記載のビーズ状吸着材である。
(III)前記ビーズ状吸着材は、以下に示す化学式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂および化学式(2)または化学式(3)で表される繰り返し単位を有するポリスルホン系樹脂からなる群から選択される疎水性高分子樹脂を含有する上記(I)または(II)に記載のビーズ状吸着材である。
化学式(1)において、R1およびR2は炭素数が1〜5の低級アルキル基であり、R1およびR2はそれぞれ同一であっても相違していてもよい。
化学式(2)において、R3およびR4は炭素数が1〜5の低級アルキル基であり、R3およびR4はそれぞれ同一であっても相違していてもよい。
(IV)両端部にそれぞれ血液を導入する入口と浄化後の血液を排出する出口が設けられ、前記入口の下流側及び出口の上流側にそれぞれフィルタが設けられ、前記フィルタ間に上記(I)から(III)のいずれか1つに記載のビーズ状吸着材が充填されている血液浄化器である。
本発明の血液浄化器によれば、血液浄化カラムの輸送時やプライミング時における振動によって、ビーズ状吸着材同士の衝突や擦れなどが生じたとしても、衝撃等によるビーズ状吸着材の一部剥離により発生する不溶性微粒子の発生量を、従来に比べ、大幅に抑制することができる。
また、本発明の血液浄化器によれば、不溶性微粒子の発生がビーズ状吸着材の充填率に影響され難いことから、血液の通過性を確保するために、自由にビーズ状吸着材の充填率を変えることができる。また、不溶性微粒子の発生が少ないので、安全性が高く、さらに、プライミング時の洗浄液量を減らすことができる。
十点平均粗さRzの求め方を説明する図である。 本実施の形態における血液浄化器の一例の概略分解斜視図である。
本発明の実施の形態におけるビーズ状吸着材及びこれを用いた血液浄化器について、以下説明する。
本実施の形態における血液浄化器に用いられる吸着材は、ビーズ状の吸着材であり、十点平均粗さRzが200nm以上、900nm以下の範囲にある凹凸表面を有するビーズ状吸着材である。ビーズ状吸着材の表面の十点平均粗さRzを200nm以上、900nm以下とすることにより、血液浄化カラムの輸送時やプライミング時にビーズ状吸着材同士の衝突や擦れなどが生じたとしても、衝撃等由来の不溶性微粒子の発生量が、従来に比べ、大幅に抑制される。なお、十点平均粗さRzが200nm未満のビーズ状吸着材を製造することは技術的に困難である上、表面粗さを小さくし過ぎると目的とする病因物質の吸着量の低下となる。一方、ビーズ状吸着材の表面の十点平均粗さRzが900nmを超えると、不溶性微粒子の発生量が、後述する日本薬局方第15版 6.07注射剤の不溶性微粒子試験法 第2法 顕微鏡粒子計数法に準拠した際の規格(10μm以上のもの:12個/mL以下、25μm以上のもの:2個/mL以下)を超えてしまう。
ここで、十点平均粗さRzの値は、図1に示すように、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜き取り部分の平均線から、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高(Yp)の絶対値の値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との和である。
通常表面粗さとして良く用いられるRa(中心線平均粗さ)は、平均線からの偏差すべての合計の平均値となり、平均から外れた深い谷や高い山は平均化される傾向にあるが、上記Rzは、最も深い谷から5番目の偏差の平均値と最も高い山から5番目の偏差の平均値の和であるため、特に深い谷や高い山を強調した値として表現される。本発明において、Rzが大きい表面からの不溶性微粒子発生が多くなるのは、これらの平均より高い山の部分が主に他の表面と接触等の力により剥離するからであると考えられる。
ビーズ状吸着材の血液接触表面の十点平均粗さRzは、AFM(原子間力顕微鏡)により測定することができ、AFMとして、セイコーインスツルメンツ社製「SPA400」を用い、探針として「DMF SZDF20AL」(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、AFMによる測定領域は10μm×10μmである。
また、本実施の形態における血液浄化器に用いられるビーズ状吸着材は、ASTM D−638による破断伸度が50%以上の疎水性高分子樹脂を含有する。破断伸度が50%未満の場合は不溶性微粒子の発生を充分に抑制することができない。ここで、上記破断伸度を有する疎水性高分子樹脂としては、疎水性を有する高分子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)、ポリスルホン樹脂(PSF)からなる群から選択された少なくとも1種が用いられる。
ポリアリレート樹脂は、下記化学式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂である。ポリアリレート樹脂の数平均分子量は、20,000〜30,000であることが好ましい。ポリアリレート樹脂の数平均分子量が30,000より大きいと、表面凹凸が大きくなり過ぎるため、適正な表面凹凸を形成することが困難になる。一方、ポリアリレート樹脂の数平均分子量が20,000より小さいと、ビーズ状吸着材の強度が低くなり、ビーズ状吸着材の製造歩留まりが悪くなる。
化学式(1)において、R1およびR2は炭素数が1〜5の低級アルキル基であり、R1およびR2はそれぞれ同一であっても相違していてもよい。R1およびR2としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられる。好ましいR1およびR2は、メチル基である。
なお、ポリアリレート樹脂は、化学式(1)で表される繰り返し単位を主たる繰り返し単位とする限り特に制限がなく、本発明の目的を阻害しない限り他の繰り返し単位を含有していてもよい。
ポリエーテルスルホン樹脂は、下記化学式(2)または化学式(3)で表される繰り返し単位を有する樹脂である。ポリエーテルスルホン樹脂の数平均分子量は、15,000〜30,000であることが好ましい。ポリエーテルスルホン樹脂の数平均分子量が30,000より大きいと、表面凹凸が大きくなり過ぎるため、適正な表面凹凸を形成することが困難になる。一方、ポリエーテルスルホン樹脂の数平均分子量が15,000より小さいと、ビーズ状吸着材の強度が低くなり、ビーズ状吸着材の製造歩留まりが悪くなる。
化学式(2)において、R3およびR4は炭素数が1〜5の低級アルキル基であり、R3およびR4はそれぞれ同一であっても相違していてもよい。R3およびR4としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられる。好ましいR1およびR2は、メチル基である。
また、本実施の形態における血液浄化器に用いられるビーズ状吸着材の直径は、0.2mm以上、2.0mm未満である。ここで、粒径が0.2mm未満の場合、粒径が小さすぎて、仮に血液浄化器に充填しても、血液の流れが悪くなるため、治療中の回路内圧上昇等の原因になるおそれがある。一方、ビーズ状吸着材の粒径が2.0mm以上の場合は、血液中の血球成分(特に、白血球、血小板)を除去するための表面積が低下してしまうという問題がある。また、本実施の形態における製造方法の一形態である相転換法での製造を選択した場合、製造方法で使用する溶剤を吸着材から取り除くことが困難になるという問題も生じる。
次に、本発明の実施の形態に用いるビーズ状吸着材の製造方法について、以下に説明する。但し、本発明はこの説明の製造方法に限定されるものではない。
本実施の形態において、ビーズ状吸着材の製造方法の一形態として、相転換法(「凝固法」ともいう)を用い、上述した疎水性高分子樹脂をこの疎水性高分子樹脂に対して溶解性を有する良溶剤となる有機溶媒に溶解させて調製したポリマー原液を、疎水性高分子樹脂に対し貧溶媒からなる凝固液中に落下させ、疎水性高分子樹脂からなるビーズ状の吸着材を生成させる。
上記疎水性高分子樹脂は、上述同様であるため、ここでの説明は省略する。一方、上記有機溶媒としては、疎水性高分子樹脂に対して良溶剤であれば特に制限がなく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらの中でもNMPが有機溶媒として好ましい。
なお、疎水性高分子樹脂として二種以上の物質を用いる場合、互いに相溶性を有するものを選択する必要がある。ここで、「相溶性」とは、二種またはそれ以上の物質が相互に親和性を有し、溶液または混和物を形成する性質、すなわち物質同士の混ざりやすさをいう。
また、凝固液は、水を含んだ有機溶媒であり、ポリマー原液に用いた有機溶媒と水とを予め定められた比率で混合した溶液であることが好ましい。
以下に、上述したポリマー原液及び凝固液を用いて、ビーズ状の吸着材の製造方法の一例を以下に説明する。
(ビーズ状の疎水性高分子からなる吸着材の製造方法)
一重のノズル(オリフィス)からポリマー原液の液滴を凝固液(水を含んだ有機溶媒)に落下させ、凝固液内で疎水性高分子樹脂からなるポリマーを凝固させ、ビーズ状の多孔質の吸着基材を形成する。ビーズ生成の際の温度は、5〜15℃程度が好ましい。ビーズ生成温度をこの範囲とすることにより、ポリマー原液の安定性が向上し、ビーズの適正な構造形成の妨げとなる異常な相分離が生じにくくなる。
なお、本発明におけるビーズ状(球状)吸着材の製造方法としては、所定の溶媒に高分子樹脂材料を溶解した液を凝固浴に滴下して球状吸着材を得る相転換法に限らず、任意の方法が選択できる。例えば、高分子樹脂製の丸棒を切削、研磨して球状吸着材を得る方法、鋳型に溶解した高分子樹脂材料を流し込んで球状吸着材を得る方法、エマルジョン法などの方法を選択できる。
次に、本実施の形態の血液浄化器の一例を、図2を用いて説明する。血液浄化器は、ケースおよびビーズ状吸着材190を備える。
ケースは、ケース本体210、一対のメッシュ220、および一対のヘッダ230を有する。ケース本体210は、例えば、ポリカーボネート製の円筒状の部材である。なお、ケース本体210の材料は、ポリカーボネートに限定されず、周知の樹脂材料、金属材料、または複合材料を用いてもよい。
ケース本体210の両端開口部には、ポリエステル製のフィルタの機能を有する一対のメッシュ220がそれぞれ取り付けられている。メッシュ220は、上述したビーズ状吸着材190の直径より小さい目を有し、このメッシュによってビーズ状吸着材190がケース内に保持される。なお、メッシュ220の材料は、ポリエステルに限定されず、周知の樹脂材料、金属材料、または複合材料を用いてもよい。
ケース本体210の両開口部には、それぞれ、上述したメッシュ220を挟み、ヘッダ230が取り付けられている。各ヘッダ230には、それぞれ、血液の導入路となる入口部と、血液浄化後の血液の排出路となる出口部が設けられている。そして、ヘッダ230によりケース本体210の両端開口部が封止されている。封止をより確実とするために、ヘッダ230とケース本体210との間にOリングなどの封止部材を設けてもよい。
一対のメッシュ220で挟まれたケース本体210の内部には、ビーズ状吸着材190が収容されている。ビーズ状吸着材190は、ケース本体210の内部にランダム、言い換えると、不規則かつ固定されない状態で配置されている。ケース本体210の容積に対するビーズ状吸着材190の充填率は、70〜100%であることが好ましい。ビーズ状吸着材190の充填率を70%以上とすることにより、血液浄化に必要な血液量が低減されるため、患者の負担を軽減することができる。一方、ビーズ状吸着材190の充填率が100%より大きくなると、充填しにくくなるため、作業効率の低下を招く。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:
ポリアリレート樹脂(以下「PAR」ともいう、数平均分子量;25,000、ユニチカ株式会社製、商品名「Uポリマー」、ガラス転移温度;193℃)13質量部と、有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン87質量部とを加熱溶解、撹拌、混合してポリマー原液を調製した。また、有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう)を含有し水に対してNMPを55容量%の割合で含有する凝固液とした。次いで、前記ポリマー溶液を内径0.25mmの一重のノズル(オリフィス)より凝固液槽の液面から約10cmの高さより滴下した。凝固液内で十分に凝固を行った後、蒸留水で洗浄し、直径1.0mmのビーズ状吸着材を得た。
実施例1のビーズ状吸着材は、ほぼ真円であり、AFMとして、セイコーインスツルメンツ社製「SPA400」を用い、探針として「DMF SZDF20AL」(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、AFMによる測定領域は10μm×10μmとして、ビーズ状吸着材の表面の十点平均粗さRzを測定したところ580nmであった。
実施例2:
凝固液の水に対するNMPの濃度を40容量%とした以外は、実施例1に準拠して、直径1.0mmのビーズ状吸着材を得た。AFM測定により、ビーズ状吸着材の表面の十点平均粗さRzを測定したところ300nmであった。
実施例3:
凝固液の水に対するNMPの濃度を60容量%とした以外は、実施例1に準拠して、直径1.0mmのビーズ状吸着材を得た。AFM測定により、ビーズ状吸着材の表面の十点平均粗さRzを測定したところ880nmであった。
比較例1:
凝固液の水に対するNMPの濃度を70容量%とした以外は、実施例1に準拠して、直径1.0mmのビーズ状吸着材を得た。AFM測定により、ビーズ状吸着材の表面の十点平均粗さRzを測定したところ910nmであった。
実施例4:
ポリアリレート樹脂の代わりに、ポリスルホン樹脂(以下「PSF」という、ソルベイ・アドバンスト・ポリマーズ社製、商品名:「ユーデルP−1700」、数平均分子量27,000)を用いた以外は、実施例1に準拠して、直径1.0mmのビーズ状吸着材を得た。AFM測定により、ビーズ状吸着材の表面の十点平均粗さRzを測定したところ470nmであった。
比較例2:
ポリアリレート樹脂の代わりに、ポリスルホン樹脂(以下「PSF」という、ソルベイ・アドバンスト・ポリマーズ社製、商品名:「ユーデルP−1700」、数平均分子量27,000)を用い、凝固液の水に対するNMPの濃度を70容量%とした以外は、実施例1に準拠して、直径1.0mmのビーズ状吸着材を得た。AFM測定により、ビーズ状吸着材の表面の十点平均粗さRzを測定したところ950nmであった。
実施例5:
ポリアリレート樹脂の代わりに、ポリエーテルスルホン樹脂(以下「PES」という、住友化学社製、商品名:「スミカエクセル 4800P」、凝固価:8.4mL、数平均分子量21,000)を用いた以外は、実施例1に準拠して、直径1.0mmのビーズ状吸着材を得た。AFM測定により、ビーズ状吸着材の表面の十点平均粗さRzを測定したところ400nmであった。
比較例3:
ポリアリレート樹脂の代わりに、ポリエーテルスルホン樹脂(以下「PES」という、住友化学社製、商品名:「スミカエクセル 4800P」、凝固価:8.4mL、数平均分子量21,000)を用い、凝固液の水に対するNMPの濃度を70容量%とした以外は、実施例1に準拠して、直径1.0mmのビーズ状吸着材を得た。AFM測定により、ビーズ状吸着材の表面の十点平均粗さRzを測定したところ1100nmであった。
比較例4:
ポリアリレート樹脂の代わりに、ポリスチレン樹脂(以下「PSt」という、旭化成社製、商品名:「GPスタイロン」)を用い、凝固液の水に対するNMPの濃度を70容量%とした以外は、実施例1に準拠して、直径1.0mmのビーズ状吸着材を得た。AFM測定により、ビーズ状吸着材の表面の十点平均粗さRzを測定したところ490nmであった。
比較例5:
ポリアリレート樹脂の代わりに、ポリメチルメタクリレート樹脂(以下「PMMA」という、住友化学社製、商品名:「LG」)を用い、凝固液の水に対するNMPの濃度を70容量%とした以外は、実施例1に準拠して、直径1.0mmのビーズ状吸着材を得た。AFM測定により、ビーズ状吸着材の表面の十点平均粗さRzを測定したところ450nmであった。
[評価方法]
実施例1〜5、比較例1〜5で得られたビーズ状吸着材を、約300mLのポリカーボネート製ケースに充填率約95%(充填率の定義は特許第4138488号と同じ)で精製水とともに充填後、振動落下試験(JIS Z 0200:1999、JIS Z 0232:2004、JIS Z 0202:1994に準拠)を実施し、ビーズ状吸着材をケースから取り除いた後の充填液について、不溶性微粒子数(日本薬局方第15版 6.07注射剤の不溶性微粒子試験法 第2法 顕微鏡粒子計数法に準拠:規格 10μm以上のもの:12個/mL以下、25μm以上のもの:2個/mL以下)を計数した。結果を、表1に示す。実施例1〜5の結果より、本発明のビーズ状吸着材では、不溶性微粒子数が規格内であった。
実施例6:
実施例1で得られたビーズ状吸着材を、約300mLのポリカーボネート製ケースに充填率約75%で精製水とともに充填後、振動落下試験を実施し、不溶性微粒子数を計数した。結果を表1に示す。実施例6の結果より、本発明のビーズ状吸着材では、不溶性微粒子数が規格内であった。
本発明は、血液浄化用途に好適である。

Claims (4)

  1. 十点平均粗さRzが200nm以上、900nm以下の範囲にある凹凸表面を有し、破断伸度が50%以上の疎水性高分子樹脂を主成分とすることを特徴とするビーズ状吸着材。
  2. 前記ビーズ状吸着材の粒径は、0.2mm以上、2.0mm未満であることを特徴とする請求項1に記載のビーズ状吸着材。
  3. 前記ビーズ状吸着材は、以下に示す化学式(1)で表される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂および化学式(2)または化学式(3)で表される繰り返し単位を有するポリスルホン系樹脂からなる群から選択される疎水性高分子樹脂を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のビーズ状吸着材。
    化学式(1)において、R1およびR2は炭素数が1〜5の低級アルキル基であり、R1およびR2はそれぞれ同一であっても相違していてもよい。
    化学式(2)において、R3およびR4は炭素数が1〜5の低級アルキル基であり、R3およびR4はそれぞれ同一であっても相違していてもよい。
  4. 両端部にそれぞれ血液を導入する入口と浄化後の血液を排出する出口が設けられ、前記入口の下流側及び出口の上流側にそれぞれフィルタが設けられ、前記フィルタ間に請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のビーズ状吸着材が充填されていることを特徴とする血液浄化器。
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