JP2011218370A - 厚板用鋼材、および厚板用鋼材の素材となる鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

厚板用鋼材、および厚板用鋼材の素材となる鋳片の連続鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】組織が均一であり、再加熱時の結晶粒の粗大化を抑制可能な厚板用鋼材およびその素材となる鋳片の連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】(1)連続鋳造された鋳片を素材として製造された厚板用鋼材であって、質量%で、C:0.01-0.20%、Si:0.02-0.5%、Mn:0.6-3.0%、P:0.02%以下、S:0.002-0.008%、Ti:0.005-0.03%、N:0.002-0.008%、Al:0.0005-0.05%、O:0.0001-0.015%およびBi:0.0001-0.03%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、偏析指数が1.0-2.2であり、結晶粒径指数が0.3-0.9であり、靭性指数が1.5-3.0であることを特徴とする厚板用鋼材。(2)溶鋼中に浸漬させた浸漬ランス内に、Biを含有する金属ワイヤーを挿入することにより、前記浸漬ランス内で金属蒸気を発生させ、キャリア・ガスとともに前記溶鋼中に供給することを特徴とする連続鋳造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、厚板用鋼材、特に連続鋳造過程において添加した金属元素のミクロ偏析が少なく微細介在物を分散形成させた鋳片を素材として製造された厚板用鋼材、およびこの厚板用鋼材の素材となる鋳片の連続鋳造方法に関する。
厚板用鋼材は、主として建築、土木、建設機械、造船、パイプ、タンク、海洋構造物等の構造物の構造用鋼材として使用されている。これらの構造物は、鋼材同士がボルト締めまたは溶接により固定して組み合わされている。このうち、溶接による固定では、厚板母材自体に熱を付与することから、母材の強度や靭性等の機械的特性を劣化させるおそれがある。そのため、これらの機械的特性の劣化に関して従来から多くの研究が行われてきた。特に、最近では、大入熱溶接が行われるようになったことから、溶接熱影響部(Heat Affected Zone、以下、「HAZ」ともいう。)の靭性低下への対応策が大きな課題となっている。
大入熱溶接時の鋼材HAZの靭性に注目した技術については、従来から数多くの提案がなされている。
例えば、特許文献1には、鋼塊または鋼片を、TiNが固溶するように1250〜1400℃の温度範囲に加熱した後、圧延または鍛造加工するかあるいは次いで1150℃以下の温度で再加熱することにより、固溶TiNを微細なTiNとして分散再析出させ、HAZのオーステナイト粒を微細化して靭性を向上させる大入熱溶接用鋼材の製造方法が開示されている。
しかしながら、Ti窒化物は、HAZの中で最高到達温度が1400℃を超える溶接金属との境界近傍ではほとんどが固溶するので、靭性向上効果が低下するという問題があり、大入熱溶接において要求される靭性を確保することが困難である。
このような溶接部近傍の靭性を改善し、鋼の大入熱溶接時のHAZの靭性向上を図る技術として、例えば、特許文献2に開示されているように、TiO、Ti23のいずれか一種または二種の複合した結晶相を含む酸化物系介在物を含有させる方法が有効である。
しかし、Ti酸化物は粗大化や凝集合体を生じやすいため、Ti酸化物系の粗大介在物が生成し、このような粗大な介在物が形成されると、逆にHAZの靭性が低下するという問題が生じる。
この問題の解決技術として、例えば、特許文献3には、Ti‐Mg系の酸化物を分散させる技術が開示されている。すなわち、0.5〜5μmの大きさでTiとMgの含有量の和が15重量%以上である酸化物が30個/mm2以上存在し、同時に0.05〜0.5μmの大きさの酸化物が5000個/mm2以上存在する溶接熱影響部靭性の優れた鋼板である。
特許文献3によれば、この鋼板では、Ti‐Mg系の酸化物を分散させることができ、広範な溶接条件および母材材質において良好なHAZ靭性を達成できたとされている。しかし、最近の超大入熱溶接においては、HAZの温度が一層高温となることから、鋼材組織を微細な状態に維持することが困難であり、この技術をもってしても靭性の改善は充分とはいえない。
特許文献4には、Mgを添加することにより作製した、MgOないしはMg含有酸化物を核にして、酸化物を包含もしくは周辺に析出した窒化物より構成される大きさ0.01〜2.0μmの酸化物‐窒化物の複合粒子を1mm2当たり1.0×105〜1.0×108個含む鋼材は、超大入熱溶接時のHAZ靭性が良好であるとしている。
ところで、厚板用鋼材を製造する場合には、素材となる連続鋳造鋳片も厚くなり、連続鋳造鋳片の凝固組織は鋳片表層から厚さ方向中央部に向かうに連れて粗大化する。連続鋳造鋳片の凝固組織は通常デンドライト状であり、デンドライトの樹芯部と樹間部とで溶質元素の濃度が異なる。例えば、厚板用鋼材の強度および靭性を確保するため、溶質元素として一般にMnが添加されている。このMnは、凝固過程における溶質再分配により、デンドライト樹芯部で濃度が低く、デンドライト樹間部で濃度が高くなる。そのため、数十μm〜数mmのサイズのデンドライトの範囲内においてMn濃度が大きく異なることになる。
連続鋳造された鋳片は、一般に1250℃程度で加熱された後、圧延され、所望のサイズの厚板に加工される。この厚板の製造工程において、先のデンドライトの樹芯部と樹間部に形成されたMn偏析は解消されず、最終製品の厚板の内部に残存したままとなる。この結果、Mn濃度が高い部分と低い部分で凝固後に形成される組織が異なることになり、組織に不均一が生じることになる。
このような組織の不均一が存在すると、超大入熱溶接および大入熱溶接のみならず通常の溶接時のHAZ靭性も大きく低下することになる。特許文献1〜4に記載の従来技術は、鋼材の組織については何ら記載されておらず、鋼材の組織制御までは及んでいない。
上述した従来技術は、加熱された鋼材の組織の粗大化を抑制する方法として、溶鋼中に金属元素を添加する方法である。鋼材の特性を安定して確保するには、溶鋼中に添加された金属元素が凝固後の鋳片内において均一に分散している必要がある。一般に、鋼材(鋳片)は、連続鋳造法を経て製造されることが多く、金属元素の種類によっては連続鋳造されたスラブ等の鋳片内に均一に分散させることが困難なことが多い。
溶鋼中に金属元素を添加する方法としては、塊状の金属元素を溶鋼表面に投入する方法や、金属元素単味で作製したワイヤー、金属元素をアルミニウムや鋼等により被覆したワイヤーまたは金属元素を含有する合金で作製したワイヤーにより添加する方法等が採用されている。
しかしながら、これらの方法を用いてAg、Bi、Mg、Ca、NdおよびSn等のように蒸気圧が高く、または融点の低い金属元素を精度良く安定して添加することは困難である。これは、これらの蒸気圧の高い金属元素は、溶鋼中に添加されると溶鋼の湯面近傍において気化し、大気中に放散されるため溶鋼中への添加量を制御することが困難であり、添加歩留りも低下するため均一に添加することが困難であることによる。
これらの金属元素は、気化する際の体積膨張が大きいことから、溶鋼の湯面近傍で気化した場合には溶鋼の飛散が激しく、操業上の安全の確保が困難である。さらに、添加金属元素の融点が低い場合には、添加前に溶鋼の輻射熱により軟化または溶融するため、所定量を添加することは困難である。
また、溶鋼よりも密度が小さい金属元素を添加する場合には、添加された金属が溶鋼の表層部のみに偏在して、溶鋼の内部にまで侵入せず、逆に溶鋼よりも密度が大きい金属元素を添加する場合には、添加位置から溶鋼内を沈降するのみで溶鋼全体に均一に混合(分散)させることは困難である。また、これらの金属は、連続鋳造時に使用する耐火物に付着して浸漬ノズルを閉塞させる可能性が高く、これらの元素を含有する溶鋼を用いて連続鋳造の安定操業を実施することは困難である。
特許文献5には、取鍋を出てタンディッシュ内溶鋼浴面へ移動中の溶鋼流にBiを添加する、溶鋼へのBi添加方法が開示されている。Biは、Mgと同様に沸点が低く、溶鋼流と接触すると爆発的に反応し、蒸気となって雰囲気中に飛散するため、添加歩留りが低く、溶鋼中に均一に添加することが難しく、したがって、この方法では連続鋳造鋳片内に均一に分散させることが困難である。
特許文献6には、取鍋内の溶鋼に、ランスを用いてインジェクションによってPb、Bi、Pb・Bi含有物質を添加する方法において、取鍋底部のポーラスプラグからガスを噴出させて、取鍋底部へのPbおよびBi含有物質の沈降を防止する技術が開示されている。この技術を用いても、融点または沸点の低いPbやBiを添加する場合には、これらの金属が溶鋼と接触すると爆発的な反応が生じ、溶鋼中への添加が不均一になるとともに添加歩留りも低く、連続鋳造鋳片内に均一に分散させることは困難である。また、溶鋼中に添加したPbやBiの反応生成物の形成を任意に調整することも難しい。
特公昭55−26164号公報 特開昭61−79745号公報 特開平11−124652号公報 特開2001−335882号公報 特開2001−1116号公報 特開平9−13119号公報 特開2004−249315号公報 特開2005−169404号公報 特開2005−219072号公報
W.Kurz and D.J.Fisher著、「Fundamentals of Solidification」、Trans Tech Publications Ltd., (Switzerland)、1998年、p.256
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その第一の課題は、鋼材の組織のミクロ偏析を低減することにより組織を均一化させることにある。第二の課題は、超大入熱または大入熱溶接におけるHAZをはじめとして、再加熱時のオーステナイト粒の成長を抑制する目的で介在物を微細分散させた厚板用鋼材を提供することにある。第三の課題は、上記の厚板用鋼材を得るために必要な金属元素を溶鋼中に効率よく添加し、スラブ等の連続鋳造鋳片内に均一に分散させることの可能な連続鋳造方法を提供することにある。
厚板の超大入熱溶接または大入熱溶接時のHAZ靭性の評価は、厚板母材の組織が均一であることが前提である。しかし、これまでに厚板母材の組織の均一性とHAZ靭性との関係について検討された文献は見当たらない。
本発明者らは、厚板のHAZ靭性の向上に関する検討を進める中で、通常の操業条件で製造された厚板母材の組織が均一でないことを明らかにした。また、この検討によって、厚板母材の組織の均一性がHAZ靭性と関連することが判明した。厚板の組織は、熱延工程を経て最終組織が決定されるのが通常である。そして、この最終組織が連続鋳造時の凝固組織と深く関連することが明らかになった。
連続鋳造鋳片の凝固組織はデンドライト形態を呈しており、このデンドライトの樹芯部と樹間部で溶質元素の偏析を伴う。偏析の程度が著しい溶質元素であるMnは、凝固の進行に連れてデンドライトの樹芯部で濃度が低下し、樹間部で濃度が増大するため、鋳片内に偏析が発生する。この偏析は、熱延工程を経ても解消することは無く、製品に残存することになる。
最終製品である厚板の組織は、先の鋳片のデンドライトの樹芯部に相当する領域ではフェライトが形成され、デンドライトの樹間部に相当する領域ではベイナイトまたはパーライトが形成されている。これは、先のデンドライト樹間に線状に形成されるMnの偏析が原因である。フェライトは軟質相であり、ベイナイトおよびパーライトは硬質相であることから、厚板中に線状の組織的な不均一が形成されると、厚板の機械的特性が不均一となる。鋼板にこのような機械的特性の不均一が存在すると、シャルピー試験時のように衝撃を受けた場合にミクロ的な応力集中が起こるため、HAZ靭性が著しく低下する。
従来の技術や文献では、上記のような組織の不均一に関する検討は行われておらず、組織の不均一によって厚板の超大入熱溶接または大入熱溶接時のHAZ靭性といった機械的特性が著しく低下するという知見は見当たらない。
そこで、本発明者らは、この知見に基づき、厚板母材の機械的特性を向上させるには、まず連続鋳造鋳片のデンドライト組織の形成に伴う偏析の低減が必須であると考え、この偏析の低減について検討を行なった。
デンドライトの樹間部におけるMn等の溶質元素の偏析を解消するには、溶質元素の拡散の促進が有効である。
熱伝導に関して、フーリエの法則が知られており、半無限固体における熱伝導の理論解析結果から、フーリエ数Fr=α・t/x2が導かれている。ここで、α:熱拡散係数(m2/s)、t:時間(s)、x:熱移動距離(m)である。
このフーリエ数Frを、鋼の凝固過程における凝固組織と元素の拡散に適用することにより、拡散の効果を表す指標として一般に用いられる、フーリエ数Fr=D・t/λ2が得られる。ここで、D:溶質の拡散係数(cm2/s)、t:拡散時間(s)、λ:拡散距離(cm)である。
フーリエ数Frを用いて、実操業における操業因子の変更による効果について以下のような検討を行なった。フーリエ数Frが大きいほど拡散の効果が大きいため、フーリエ数Frを増大させることにより溶質元素の拡散を促進し、偏析を低減させることができる。
上記数式からわかるように、フーリエ数Frを増大させるには、拡散係数Dまたは拡散時間tを増大させるか、拡散距離λを低減させる必要がある。
第1に、拡散係数Dは温度Tの関数であり、温度Tを高めることにより増大させることができる。操業において温度Tを高める場合には、加熱炉の温度を上昇させることになる。しかし、通常の操業温度は1050〜1350℃程度であるため、これ以上に温度を高めると、コストの大幅な上昇になるだけでなく、加熱時のスケールの発生量の増加を伴って歩留りを低下させ、鋳片の表面性状の劣化による圧延後の鋼板の表面性状を悪化させることになる。したがって、実際の操業において温度Tを高めること、すなわち拡散係数Dを増大させることは事実上困難である。
第2に、拡散時間tを大きくすることは、操業においては、加熱炉内への装入時間を延長することになる。通常の加熱時間を数時間とすると、溶質元素の偏析を解消するにはその数倍を要すると試算される。現状の操業でこのような装入時間の延長を行うと、生産効率が大幅に低下することになるため、時間tを大きくすることも事実上困難である。
第3に、拡散距離λは、連続鋳造鋳片で見られるデンドライトの1次アーム間隔に相当する。デンドライトの1次アーム間隔に関する研究は従来から行われており、非特許文献1によれば、下記(1)式で表すことができる。
λ∝(D×σ×ΔT)0.25 …(1)
ここで、λ:デンドライトの1次アーム間隔(μm)、D:拡散係数(m2/s)、σ:固液界面エネルギー(J/m2)、ΔT:凝固温度範囲(℃)である。
この(1)式から、デンドライトの1次アーム間隔λは、固液界面エネルギーσに依存し、このσを低減させることができればλが減少することが分かる。λを減少させることができれば、フーリエ数Frを増大させ、連続鋳造鋳片の加熱時の溶質元素の拡散を促進し、偏析を低減させることができる。
そこで、本発明者らは、溶鋼とデンドライトとの固液界面エネルギーσを低減させることを目的として、溶鋼中に界面活性元素であるBiを添加する方法を想到した。
次に、超大入熱溶接または大入熱溶接時の結晶粒の粗大化を抑制するのは、高温において安定な微細な酸化物を鋼材中に分散させることや、この酸化物上に窒化物を析出させることによって可能である。このような酸化物としては、微細で高温において安定なMgOやMgO・Al23のようなMg含有酸化物が有効である。また、これらの酸化物にTiNを析出させることも結晶粒の粗大化抑制に有効である。
MgやBiのような蒸気圧が高い金属元素または融点が低い金属元素を溶鋼中に添加する場合、それらの添加金属は、溶鋼と接触するかまたは溶鋼からの輻射熱を受けて、溶融するかまたは気化する。溶鋼中に添加する以前または添加した瞬間に金属元素が溶融または気化すると、これらの金属元素を溶鋼中に均一に歩留り良く添加することは困難である。また、連続鋳造鋳片内に金属元素を均一に添加するには、連続鋳造鋳型に近いタンディッシュ内、または連続鋳造鋳型内の溶鋼に添加する方法が最適である。
これまでに本発明者らは、先の出願に係る特許文献7、特許文献8および特許文献9において、金属元素の蒸気または金属元素の化合物をタンディッシュ内または連続鋳造鋳型内の溶鋼中に添加する方法を提案した。これらの方法により、金属元素または金属元素の化合物を溶鋼中に均一に、しかも歩留り良く添加することが可能になった。
本発明者らは、大入熱溶接時のHAZ靭性が良好な厚板用鋼板について検討するとともに、このような厚板用鋼板を製造するにあたり、金属元素をスラブ等の連続鋳造鋳片内に効率良く、しかも均一に添加するための連続鋳造方法を検討し、下記の(a)〜(d)の知見を得て、本発明を完成させた。
(a)厚板用鋼材の超大入熱溶接または大入熱溶接時のHAZ靭性の向上には、厚板の組織を均一にすることが必須であり、厚板の組織を均一にするには厚板用の連続鋳造鋳片のデンドライト樹芯部と樹間部の偏析を解消すれば良く、後述の偏析指数を1.0〜2.2とし、靭性指数を1.5〜3.0とすれば良い。これには、デンドライトを微細化する界面活性元素であるBiの溶鋼中への添加が効果的である。
(b)厚板用鋼材の超大入熱溶接または大入熱溶接時のHAZ靭性の向上には、鋼材中に微細な介在物を分散させて、再加熱時におけるオーステナイト結晶粒の成長を抑制し、後述の結晶粒径指数を0.3〜0.9とすることが効果的である。微細な介在物を生成させるには、Mgを溶鋼中に添加することが効果的である。
(c)上記(b)の効果をさらに高めるには、Ca、SrおよびBaのうち1種以上を溶鋼中に添加することが有効である。
(d)上記(a)にて述べたBiのような蒸気圧の蒸気圧の高い金属元素または融点の低い金属元素を溶鋼中に添加する場合、それらの添加金属は、溶鋼と接触するかまたは溶鋼からの輻射熱を受けて溶融または気化する。溶鋼中に添加する以前に、または添加した瞬間に金属元素が溶融または気化すると、これらの金属元素を溶鋼中に均一に、かつ歩留り良く添加することは困難である。このような問題を解決し、連続鋳造鋳片内に金属元素を均一に添加するには、連続鋳造鋳型に近いタンディッシュ内、または連続鋳造鋳型内の溶鋼に、金属元素の蒸気を添加する方法が最適である。
本発明は、上記の知見(a)〜(d)に基づいてなされたものであり、その要旨は、下記の(1)、(2)、(3)および(4)に示す厚板用鋼材、ならびに(5)および(6)に示す鋼の連続鋳造方法にある。
(1)連続鋳造された鋳片を素材として製造された厚板用鋼材であって、質量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.02〜0.5%、Mn:0.6〜3.0%、P:0.02%以下、S:0.002〜0.008%、Ti:0.005〜0.03%、N:0.002〜0.008%、Al:0.0005〜0.05%、O:0.0001〜0.015%およびBi:0.0001〜0.03%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、EPMAを用いた線分析で測定したMn含有率の最大値を、平均Mn含有率で除した値である偏析指数が1.0〜2.2であり、平均結晶粒径の値を、Biを含有せずBi以外の成分組成は上記条件を満たす連続鋳造された鋳片を素材として製造された厚板用鋼材である基準鋼材の平均結晶粒径で除した値である結晶粒径指数が0.3〜0.9であり、シャルピー試験で測定した吸収エネルギーを、前記基準鋼材の吸収エネルギーで除した値である靭性指数が1.5〜3.0であることを特徴とする厚板用鋼材。
(2)前記Feの一部に代えて、質量%で、Mg:0.0001〜0.005%を含有することを特徴とする、前記(1)の厚板用鋼材。
(3)前記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.0001〜0.005%、Sr::0.0001〜0.005%およびBa:0.0001〜0.005%のうち1種以上を含有することを特徴とする、前記(1)および(2)の厚板用鋼材。
(4)前記Feの一部に代えて、質量%で、Cu:0.05〜1.5%、Ni:0.05〜5.0%、Cr:0.02〜1.0%、Mo:0.02〜1.0%、Nb:0.005〜0.05%、V:0.005〜0.1%およびB:0.0004〜0.004のうち1種以上を含有することを特徴とする、前記(1)〜(3)の厚板用鋼材。
(5)前記(1)〜(4)に記載の厚板用鋼材の素材となる鋳片を製造するための連続鋳造方法であって、タンディッシュ内の溶鋼または連続鋳造鋳型内の溶鋼中に浸漬させた浸漬ランス内に、Biを含有する金属ワイヤーもしくはロッド、またはBi、ならびにMg、Ca、SrおよびBaのうち1種以上を含有する金属ワイヤーもしくはロッドを挿入することにより、前記浸漬ランス内で金属蒸気および/または金属粒子を発生させ、前記金属蒸気および/または金属粒子をキャリア・ガスとともに前記溶鋼中に供給することを特徴とする連続鋳造方法。
(6)前記(1)〜(4)に記載の厚板用鋼材の素材となる鋳片を製造するための連続鋳造方法であって、タンディッシュ内の溶鋼または連続鋳造鋳型内の溶鋼中に、Biを含有する金属ワイヤーもしくはロッド、またはBi、ならびにMg、Ca、SrおよびBaのうち1種または2種以上を含有する金属ワイヤーもしくはロッドを供給することを特徴とする連続鋳造方法。
本発明において、「金属蒸気および/または金属粒子」とは、金属蒸気および/または、蒸発が不十分なために液体もしくは固体粒子として存在する金属粒子、または金属蒸気が凝縮して形成される金属粒子を意味する。また、「金属」とは、純金属および合金のいずれをも含む。
また、本明細書の記載において、「析出物が微細分散した」とは、熱延鋼板から採取した試料をSEM(走査型電子顕微鏡)により500〜2000倍の倍率で観察し、観察された析出物粒子の最大長の200個あたりの平均値が1μm以下であるような析出物が分散している状態を意味する。また、「大入熱溶接」および「超大入熱溶接」とは、それぞれ入熱量がおよそ20kJ/mmおよび50〜100kJ/mmの溶接をいう。
以下の説明では、鋼の成分組成についての「質量%」を、単に「%」と表記する。
本発明の厚板用鋼材は、偏析が低減されているため変態組織のサイズや相が均一であり、微細な介在物が分散しているため、再加熱時のオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制することができ、大入熱溶接を行った場合でも高いHAZ靭性を得ることが可能である。
また、本発明の連続鋳造方法は、上記の厚板用鋼材の素材となる鋳片を製造するのに必要な金属元素の適正量を溶鋼中に効率よく添加し、スラブ等の連続鋳造鋳片内に均一に分散させることができる、最適な連続鋳造方法である。
金属ワイヤーを浸漬ランスを通しておよび直接タンディッシュ内の溶鋼に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。
本発明の厚板用鋼材は、上述のとおり、連続鋳造された鋳片を素材として製造された厚板用鋼材であって、質量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.02〜0.5%、Mn:0.6〜3.0%、P:0.02%以下、S:0.002〜0.008%、Ti:0.005〜0.03%、N:0.002〜0.008%、Al:0.0005〜0.05%、O:0.0001〜0.015%およびBi:0.0001〜0.03%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、EPMAを用いた線分析で測定したMn含有率の最大値を、平均Mn含有率で除した値である偏析指数が1.0〜2.2であり、平均結晶粒径の値を、Biを含有せずBi以外の成分組成は上記条件を満たす連続鋳造された鋳片を素材として製造された厚板用鋼材である基準鋼材の平均結晶粒径で除した値である結晶粒径指数が0.3〜0.9であり、シャルピー試験で測定した吸収エネルギーを、前記基準鋼材の吸収エネルギーで除した値である靭性指数が1.5〜3.0であることを特徴とする厚板用鋼材である。以下、本発明の内容についてさらに詳細に説明する。
1.鋼材の成分組成の範囲および限定理由
1−1.必須元素
C:0.01〜0.20%
Cは、鋼板の強度および靭性を確保するために有効な元素である。C含有率が0.01%未満では、強度および靭性を充分に確保することができず、一方、C含有率が0.20%を超えて高くなると、母材およびHAZの靭性が低下する。そこで、本発明では、C含有率の適正範囲を0.01〜0.20%とした。
Si:0.02〜0.5%
Si含有率は、0.02%未満では母材の強度を確保できないので下限を0.02%とした。また、Si含有率が0.5%を超えて高くなると溶接性が低下するため上限を0.5%とした。そこで、本発明では、Si含有率の適正範囲を0.02〜0.5%とした。
Mn:0.6〜3.0%
Mnは、鋼板の高強度化と靭性の確保のために有効な元素である。鋼板を高強度化し、靭性を確保するには、Mn含有率を0.6%以上とする必要がある。一方、Mn含有率が3.0%を超えて高くなると靭性が損なわれる。そこで、本発明ではMn含有率の適正範囲を0.6〜3.0%とした。
P:0.02%以下
Pは、鋼板の延性、靭性および加工性を劣化させる元素である。そのため、P含有率を0.02%以下に制限した。
S:0.002〜0.03%
Sは、MnS介在物等を形成して結晶粒内にフェライトの生成を促進する効果がある。S含有率が0.0025%未満ではフェライトを生成する効果がほとんど無いため、0.002%を下限とした。ただし、S含有率が0.03%を超えて高くなると鋼板の延性を低下させるため、0.03%を上限とした。上記の理由から、S含有率の適正範囲を0.002〜0.03%とした。
Ti:0.005〜0.03%
Tiは、主として炭窒化物を析出し、その析出強化作用により母材強度の向上に寄与する有効な元素である。Ti含有率が0.005%未満では、炭窒化物の析出強化作用により母材強度を向上させる効果が充分ではなく、一方、Ti含有率が0.03%を超えて高くなると、鋼中に粗大な析出物や介在物を形成して、鋼の靭性を低下させる。上記の理由から、Ti含有率の適正範囲を0.005〜0.03%とした。
N:0.002〜0.008%
Nは、Tiと反応してTiNを析出させるために必要な元素である。ただし、N含有率が0.01%を超えて高くなると、鋼の靭性が低下することから、N含有率の上限を0.008%とした。しかしながら、工業的にNを完全に鋼から除去することは不可能であるため、実操業において低減可能な範囲を考慮し、N含有率の下限を0.002%とした。
Al:0.0005〜0.05%
Alは、溶鋼の脱酸元素であり、Ti含有酸化物の生成を抑制するため含有率は低い方が望ましい。しかし、Al含有率が0.05%を超えて高くなると、Ti含有酸化物やMg含有酸化物の生成が低下するため、0.05%以下とした。また、溶鋼中の酸素をある程度残して靭性を確保するために、Al含有率の下限を0.0005%とした。
O:0.0001〜0.015%
Oは酸化物を生成させるために必要な元素である。O含有率が0.0001%未満では酸化物の個数が不足するため、O含有率の下限を0.0001%とした。また、O含有率が0.015%を超えて高くなると、酸化物が多くなり過ぎて鋼の靭性が低下するため、O含有率の上限を0.015%とした。
Bi:0.0001〜0.03%
Biは、本発明において最も重要な元素である。Biは、鋼の凝固過程において界面活性元素として作用し、デンドライト状の凝固組織を微細化させる効果を有する元素である。Bi含有率が0.0001%未満では、この凝固組織の微細化効果がほとんど無いため、Bi含有率の下限を0.0001%とした。また、Bi含有率が0.05%を超えて高くなると、粗大なBi酸化物が生成し、鋼の靭性を低下させるため、Bi含有率の上限を0.03%とした。
また、Biは界面活性元素であることから、Mg含有酸化物上へのTiNやMnS等の析出を促進する効果がある。そのため、TiNやMnS等は粗大化し易いものの、微細分散しているMg酸化物に析出させることで、微細分散化させることができる。このTiN、MnS等の微細分散化効果は、Bi含有率が0.0001%未満ではほとんど無いため、Bi含有率の下限を0.0001%とした。上記の理由から、Bi含有率の適正範囲を0.0001〜0.03%とした。
1−2.任意元素
Feの一部に代えて、以下の第1〜第4の任意元素を含有させてもよい。
1−2−1.第1の任意元素
Mg:0.0001〜0.005%
Mgは、Biに次いで重要な添加元素である。溶鋼中の酸素と添加されたMgが反応してMg酸化物を生成する。Mg酸化物としては、MgO単独の他に、MgOとAl23、Ti23等の1種以上を含有する酸化物が生成される。これらの酸化物を生成させるには、Mg含有率を0.0001%以上とすることが必要である。しかし、Mg含有率が0.005%を超えて高くなると鋼中の粗大な酸化物系介在物量が増大し、鋼の靭性が低下する。上記の理由から、Mg含有率の適正範囲を0.0001〜0.005%とした。
1−2−2.第2の任意元素
Ca:0.0001〜0.003%、Sr:0.0001〜0.003%およびBa:0.0001〜0.003%のうちの1種以上
Ca:0.0001〜0.003%
Caは、溶鋼中の酸素と反応してCa酸化物を生成する。Ca酸化物としては、CaO単独の他に、CaOとAl23、Ti23等の1種以上を含有する酸化物が生成される。これらの酸化物は鋼中で微細分散する。この酸化物の微細分散化効果を得るには、Ca含有率を0.0001%以上とすることが必要である。しかし、Ca含有率が0.003%を超えて高くなると鋼中の粗大な酸化物系介在物量が増大し、鋼の靭性が低下する。上記の理由から、Ca含有率の適正範囲を0.0001〜0.003%とした。
Sr:0.0001〜0.003%
Srは、溶鋼中の酸素と反応してSr酸化物を生成する。Sr酸化物としては、SrO単独の他に、SrOとAl23、Ti23等の1種以上を含有する酸化物が生成される。これらの酸化物は鋼中で微細分散する。この酸化物の微細分散化効果を得るには、Sr含有率を0.0001%以上とすることが必要である。しかし、Sr含有率が0.003%を超えて高くなると鋼中の粗大な酸化物系介在物量が増大し、鋼の靭性が低下する。上記の理由から、Sr含有率の適正範囲を0.0001〜0.003%とした。
Ba:0.0001〜0.003%
Baは、溶鋼中の酸素と反応してBa酸化物を生成する。Ba酸化物としては、BaO単独の他に、BaOとAl23、Ti23等の1種以上を含有する酸化物が生成される。これらの酸化物は鋼中で微細分散する。この酸化物の微細分散化効果を得るには、Ba含有率を0.0001%以上とすることが必要である。しかし、Ba含有率が0.003%を超えて高くなると鋼中の粗大な酸化物系介在物量が増大し、鋼の靭性が低下する。上記の理由から、Ba含有率の適正範囲を0.0001〜0.003%とした。
1−2−3.第3の任意元素
Cu:0.05〜1.5%、Ni:0.05〜5.0%、Cr:0.02〜1.0%、Mo:0.02〜1.0%、Nb:0.005〜0.05%、V:0.005〜0.1%およびB:0.0004〜0.004%のうちの1種以上
Cu:0.05〜1.5%
Cuは、含有させれば焼入れ性の向上および析出強化に有効な作用を有する元素である。しかし、Cu含有率が0.05%未満では、焼入れ性向上効果および析出強化効果が無い。一方、Cu含有率が1.5%を超えて高くなると、鋼の熱間加工性が低下する。上記の理由から、Cuを含有させる場合のCu含有率の範囲を0.05〜1.5%とした。
Ni:0.05〜5.0%
Niは、含有させれば母材の靭性を向上させる作用を有する元素である。しかし、Ni含有率が0.05%未満では、母材の靭性を向上させる効果が無い。一方、Ni含有率が5.0%を超えて高くなると、焼入れ性が過剰となり、鋼の靭性に悪影響を及ぼす。そこで、Niを含有させる場合のNi含有率の範囲を0.05〜5.0%とした。
Cr:0.02〜1.0%
Crは、含有させれば焼入れ性の向上、および析出強化による母材強度の向上に有効な作用を発揮する元素である。しかし、Cr含有率が0.02%未満では、焼入れ性向上効果および析出強化効果が無い。一方、Cr含有率が1.0%を超えて高くなると、鋼の靭性および溶接性が劣化する傾向が認められる。そこで、Crを含有させる場合のCr含有率の範囲を0.02〜1.0%とした。
Mo:0.02〜1.0%
Moは、含有させれば焼入れ性の向上および強度の向上に有効な作用を発揮する元素である。しかし、Mo含有率が0.02%未満では、焼入れ性向上効果および強度向上効果が明確ではない。一方、Mo含有率が1.0%を超えて高くなると、鋼の靭性および延性の低下ならびに溶接性の劣化が顕在化する。そこで、Moを含有させる場合のMo含有率の範囲を0.02〜1.0%とした。
Nb:0.005〜0.05%
Nbは、含有させれば炭化物や窒化物を生成して鋼の強度を向上させる作用を有する元素である。しかし、Nb含有率が0.005%未満では、炭化物や窒化物の生成による鋼の強度向上効果が明確ではない。一方、Nb含有率が0.05%を超えて高くなると、鋼中に粗大な炭化物や窒化物を形成するため、逆に靭性を低下させる。上記の理由から、Nbを含有させる場合のNb含有率の範囲を0.005〜0.05%とした。
V:0.005〜0.1%
Vは、含有させれば炭化物や窒化物を生成して鋼の強度を向上させる効果を有する元素である。しかし、V含有率が0.005%未満では、炭化物や窒化物の生成による鋼の強度向上効果が明確ではない。一方、V含有率が0.1%を超えて高くなると、鋼の靭性を低下させる。上記の理由から、Vを含有させる場合のV含有率の範囲を0.005〜0.1%とした。
B:0.0004〜0.004%
Bは、含有させれば焼入れ性を増大させるとともに、BNを生成することで固溶Nの含有率を低下させ、HAZの靭性を向上させる効果がある。ただし、B含有率が0.0004%未満では、焼入れ性の増大効果およびHAZの靭性向上効果が明確では無い。しかしながら、B含有率が0.004%を超えて高くなると、鋼中に粗大な硼化物が析出し、これにより鋼の靭性が劣化する。上記の理由から、Bを含有させる場合のB含有率の範囲を0.0004〜0.004%とした。
2.連続鋳造方法
本発明の連続鋳造方法は、前述の通り、タンディッシュ内の溶鋼または連続鋳造鋳型内の溶鋼中に浸漬させた浸漬ランス内に、Biを含有する金属ワイヤーもしくはロッド、またはBi、ならびにMg、Ca、SrおよびBaのうち1種以上を含有する金属ワイヤーもしくはロッドを挿入することにより、前記浸漬ランス内で金属蒸気および/または金属粒子を発生させ、前記金属蒸気および/または金属粒子をキャリア・ガスとともに前記溶鋼中に供給する方法である。
このような方法でBi、ならびにMg、Ca、SrおよびBaを添加することにより、これらの元素の適正量を溶鋼中に効率良く添加し、連続鋳造鋳片内に均一に分散させることができる。
この連続鋳造方法を実施するための装置としては、例えば、後述する実施例にて説明する通り、タンディッシュと、タンディッシュ下部に設けられタンディッシュ内の溶鋼を連続鋳造鋳型に供給するための浸漬ノズルと、タンディッシュの下方に位置する連続鋳造鋳型と、タンディッシュ内の溶鋼に金属ワイヤーもしくはロッドを供給するための浸漬ランス、または連続鋳造鋳型内の溶鋼に金属ワイヤーもしくはロッドを供給するための浸漬ランスと、浸漬ランスの孔内にワイヤーまたはロッドを供給するためのワイヤーまたはロッド供給装置と、浸漬ランス内にキャリア・ガスを供給するガス供給装置とを有する連続鋳造装置が好適である。
また、前記金属ワイヤーまたはロッドは、タンディッシュ内の溶鋼または連続鋳造鋳型内の溶鋼に、ワイヤーまたはロッド供給装置から直接供給してもよい。
本発明の連続鋳造鋳片およびその連続鋳造方法の効果を確認するため、以下に示す試験を実施して、その結果を評価した。
1.試験条件
1−1.鋳造条件
溶鋼成分:C、Si、Mn、P、S、N、Al、Ti、Nb、V、Cr、Mo、Cu、Ni、REM、ZrおよびBの各成分が後述する表1に記載された組成に調製された溶鋼を使用し、Bi、Mg、Ca、SrおよびBaについては下記の添加方法により添加して表1に示される組成に調製
溶鋼温度:1570℃(タンディッシュ内溶鋼温度)
連続鋳造鋳型サイズ:幅1400mm×厚さ250mm
鋳造速度:1.0m/分
金属添加方法:直径3mmの添加金属からなる金属ワイヤーを浸漬ランス内に挿入
添加金属種類:Bi、Mg、Ca、SrおよびBa
添加位置:タンディッシュ内
キャリア・ガス:アルゴン・ガス10L/分
ランス前ガス圧力:0.05MPa
本試験では、溶鋼成分を変化させて連続鋳造を行い、連続鋳造鋳片を製造した。本発明例の試験において鋳込まれた溶鋼の成分組成を表1中の本発明例1〜12の欄に示し、Biを添加しない比較例の試験において鋳込まれた溶鋼の成分組成を表1中の比較例1〜3の欄に示した。
本発明例1〜12は、いずれも上述の必須元素を全て本発明の規定範囲で含有する実施例である。本発明例1および2は上述の第1〜第3の任意元素のいずれも含まない実施例、本発明例3は第1の任意元素を規定範囲で含有する実施例、本発明例4は第1および第2の任意元素を規定範囲で含有する実施例、本発明例5〜7および11は第1および第3の任意元素を規定範囲で含有する実施例、本発明例8〜10および12は第1〜第3の任意元素を規定範囲で含有する実施例である。
比較例1〜3は、いずれも上述の必須元素のうち、Bi以外を本発明の規定範囲で含有する実施例である。比較例1は上述の第1〜第3の任意元素のいずれも含まない実施例、比較例2は第1の任意元素を規定範囲で含有する実施例、比較例3は第1〜第3の任意元素を規定範囲で含有する実施例である。
Figure 2011218370
図1は、金属ワイヤーを浸漬ランスを通してタンディッシュ内の溶鋼に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。取鍋3からタンディッシュ2に供給された溶鋼1は、浸漬ノズル6を経由して連続鋳造鋳型8内に注入され、下方に引き抜かれながら凝固シェル7を形成して鋳片となる。添加金属元素を含有する金属ワイヤー50が、タンディッシュ2内の溶鋼1中に浸漬された浸漬ランス4の孔内に所定の速度で挿入される。
浸漬ランス4の上端部は金属ワイヤー供給機5に接続されている。金属ワイヤー供給機5にはワイヤー・リール51が装填されており、金属ワイヤー50は、ワイヤー繰出し速度制御装置53によりその繰出し速度を制御されたワイヤー繰出しロール52により、浸漬ランス4内に挿入、供給される。金属ワイヤー供給機5には、圧力計55の数値に基づく流量圧力制御器57の指令により作動する流量制御弁56により流量および圧力を制御されたキャリア・ガス54が導入され、金属ワイヤー50とともに浸漬ランス4内に供給される。
1−2.鋼板製造条件
連続鋳造試験により得られた連続鋳造鋳片を素材として、制御圧延・制御冷却法、焼入れ・焼戻し法、および直接焼入れ・焼戻し法のいずれかの製造方法によって厚さが40〜100mmの鋼板を製造した。各実施例の製造方法および鋼板の厚さは、表2に示す通りとした。
Figure 2011218370
1−3.偏析指数の評価条件
上記いずれかの方法で得られた鋼板の表面から厚さ方向に厚さの1/4の位置から、表面と平行に試料を採取し、この試料についてEPMAを用いてMn含有率を線分析によって測定した。EPMAを用いた分析時のビーム径は1μmとし、線分析を行う長さは20mmとした。
そして、測定されたMn含有率の最大値を鋼板の平均Mn含有率で除した値を偏析指数と定義した。偏析指数の値が1.0に近いほど鋼板内のMn含有率は均一に近く、鋼板の結晶粒組織も均一に近いことを示す。
鋼板の平均組成(Mn含有率を含む。)は、鋼板から切粉を採取して化学分析により測定した結果である。
1−4.再現HAZ試験の実施条件および結晶粒径指数の評価条件
また、上記鋼板の表面から厚さ方向に1/4の位置から直径10mm×長さ100mmの試料を採取し、この試料を用いて再現HAZ試験を行なった。
再現HAZ試験は、高周波誘導加熱装置を用いてArガス雰囲気中で行い、試料の長さ方向の中央領域10mmを加熱した。加熱は室温から1450℃まで30秒間で加熱し、60秒間保持した後、Heガスを用いて加熱部を急速冷却した。この加熱条件は、大入熱溶接に相当する。
冷却後に加熱部を切断した試料を、エメリー・ペーパーを用いて研磨した後、さらにダイヤモンドの砥粒の直径が6μmおよび1μmの研磨剤を用いて研磨した。試料の結晶粒を顕出するため、ナイタール溶液またはピクリン酸溶液を用いて研磨した試料のエッチングを行なった。
顕出された結晶粒の平均結晶粒径を各実施例の試料について求め、金属元素を添加しない比較例1の試料の平均結晶粒径で除した値を結晶粒径指数と定義した。結晶粒径指数の値が1.0より小さいほど、結晶粒の粗大化の抑制効果が大きいことを意味する。
1−5.靭性指数の評価条件
さらに、上記鋼板の表面から厚さ方向に1/4の位置から10mm角×100mm長さの試料(試験片)を採取し、この試料を用いて再現HAZ試験およびシャルピー試験を行なった。
再現HAZ試験は、高周波誘導加熱装置を用いてArガス雰囲気中で行い、試料の長さ方向の中央領域10mmを加熱した。加熱は室温から1450℃まで30秒間で加熱し、60秒間保持した後、Heガスを用いて加熱部を急速冷却した。
再現HAZ試験を行った試験片の長さ方向の中央部にノッチを入れ、温度0℃の雰囲気中においてシャルピー試験を行い、吸収エネルギーを求めた。各実施例の試験片について吸収エネルギーを求め、比較例1の試験片の吸収エネルギーで除した値を靭性指数と定義した。靭性指数が大きいほど、吸収エネルギーが高く靭性が良好であることを示す。
2.試験結果
上記条件で作製した鋼板について、上記3種類の項目(偏析指数、結晶粒径指数および靭性指数)について評価を行なった。評価結果は前記表2に製造条件と併せて示した。
偏析指数は、比較例1〜3ではいずれも2.44以上と、本発明の規定範囲(1.0〜2.2)の上限よりも大きい値であった。一方、本発明例1〜12では1.01〜1.14と、本発明の規定範囲内であり、鋼板内のMn含有率および鋼板の結晶粒組織は優れた均一性を有していた。
結晶粒径指数は、比較例1〜3ではいずれも1.00以上と、本発明の規定範囲(0.3〜0.9)の上限よりも大きい値であった。一方、本発明例1〜12では0.33〜0.85と、本発明の規定範囲内であり、結晶粒の粗大化の抑制効果を充分に得られた。
靭性指数は、比較例1〜3ではいずれも1.00以上と、本発明の規定範囲(1.5〜3.0)の下限よりも小さい値であった。一方、本発明例1〜12では1.56〜2.84と、本発明の規定範囲内であり、良好な靭性を有していた。
本発明の厚板用鋼材は、偏析が低減されているため変態組織のサイズや相が均一であり、微細な介在物が分散しているため、再加熱時のオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制することができ、大入熱溶接を行った場合でも高いHAZ靭性を得ることが可能である。
また、本発明の連続鋳造方法は、上記厚板用鋼材の素材となる鋳片を得るために必要な金属元素の適正量を溶鋼中に効率よく添加し、スラブ等の連続鋳造鋳片内に均一に分散させるための最適な連続鋳造方法である。
したがって、本発明の厚板用鋼材は、溶接後も安定した母材の強度や靭性等の機械的特性を有する構造用鋼材として、また、本発明の連続鋳造方法は、上記厚板用鋼材の素材となる鋳片を鋳造するための連続鋳造方法として、それぞれ広範に適用できる。
1:溶鋼、 2:タンディッシュ、 3:取鍋、 4:浸漬ランス、
5:金属ワイヤー供給機、 50:金属ワイヤー、 51:ワイヤー・リール、
52:ワイヤー繰出しロール、 53:ワイヤー繰出し速度制御装置、
54:キャリア・ガス、 55:圧力計、56:流量制御弁、57:流量圧力制御器、
6:浸漬ノズル、 7:凝固シェル、 8:連続鋳造鋳型

Claims (6)

  1. 連続鋳造された鋳片を素材として製造された厚板用鋼材であって、質量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.02〜0.5%、Mn:0.6〜3.0%、P:0.02%以下、S:0.002〜0.008%、Ti:0.005〜0.03%、N:0.002〜0.008%、Al:0.0005〜0.05%、O:0.0001〜0.015%およびBi:0.0001〜0.03%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、
    EPMAを用いた線分析で測定したMn含有率の最大値を、平均Mn含有率で除した値である偏析指数が1.0〜2.2であり、
    平均結晶粒径の値を、Biを含有せずBi以外の成分組成は上記条件を満たす連続鋳造された鋳片を素材として製造された厚板用鋼材である基準鋼材の平均結晶粒径で除した値である結晶粒径指数が0.3〜0.9であり、
    シャルピー試験で測定した吸収エネルギーを、前記基準鋼材の吸収エネルギーで除した値である靭性指数が1.5〜3.0であることを特徴とする厚板用鋼材。
  2. 前記Feの一部に代えて、質量%で、Mg:0.0001〜0.005%を含有することを特徴とする、請求項1に記載の厚板用鋼材。
  3. 前記Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.0001〜0.005%、Sr::0.0001〜0.005%およびBa:0.0001〜0.005%のうち1種以上を含有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の厚板用鋼材。
  4. 前記Feの一部に代えて、質量%で、Cu:0.05〜1.5%、Ni:0.05〜5.0%、Cr:0.02〜1.0%、Mo:0.02〜1.0%、Nb:0.005〜0.05%、V:0.005〜0.1%およびB:0.0004〜0.004のうち1種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の厚板用鋼材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の厚板用鋼材の素材となる鋳片を製造するための連続鋳造方法であって、
    タンディッシュ内の溶鋼または連続鋳造鋳型内の溶鋼中に浸漬させた浸漬ランス内に、Biを含有する金属ワイヤーもしくはロッド、またはBi、ならびにMg、Ca、SrおよびBaのうち1種以上を含有する金属ワイヤーもしくはロッドを挿入することにより、
    前記浸漬ランス内で金属蒸気および/または金属粒子を発生させ、前記金属蒸気および/または金属粒子をキャリア・ガスとともに前記溶鋼中に供給することを特徴とする連続鋳造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の厚板用鋼材の素材となる鋳片を製造するための連続鋳造方法であって、
    タンディッシュ内の溶鋼または連続鋳造鋳型内の溶鋼中に、Biを含有する金属ワイヤーもしくはロッド、またはBi、ならびにMg、Ca、SrおよびBaのうち1種または2種以上を含有する金属ワイヤーもしくはロッドを供給することを特徴とする連続鋳造方法。
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