JP2011201376A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電機を大型化せずに済むハイブリッド車両の制御装置を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両の制御装置は、エンジンと、発電機と、エンジン及び発電機が連結された動力分配機構と、動力分配機構からの出力が伝達される駆動軸と、駆動軸にトルクを出力する電動機と、動力分配機構のいずれかの回転要素を固定可能なブレーキ部と、を有するハイブリッド車両に適用される。ハイブリッド車両の制御装置は、制御手段を備える。制御手段は、発電機の回転数を低下させる際に、電動機より出力されるトルクを増加させるとともに、エンジンより出力されるエンジントルクを減少させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハイブリッド車両に好適な制御装置に関する。
内燃機関(エンジン)に加えて、電動機や発電機として機能するモータジェネレータを備えるハイブリッド車両が知られている。ハイブリッド車両では、内燃機関を可及的に高効率状態で運転する一方、駆動力やエンジンブレーキの過不足をモータジェネレータで補う。
このようなハイブリッド車両の一例として、以下の特許文献1及び2に示すように、無段変速モードと固定変速比モードとを切り替えて運転することが可能なように構成されたハイブリッド車両がある。このハイブリッド車両では、エンジンと発電機と駆動軸とが遊星歯車機構の各回転要素に連結されるとともに、発電機のロータにはブレーキが接続され、駆動軸には電動機が接続されている。ブレーキが解放された状態では、エンジントルクに対応する反力トルクをモータジェネレータに出力させ、発電機の回転数を連続的に変化させる。これにより、エンジンの回転数が連続的に変化し、無段変速モードでの運転が実行される。一方、ブレーキが係合された状態では、発電機の回転が固定され、遊星歯車機構における1つの回転要素の回転が阻止される。これにより、変速比が固定となり、固定変速比モードでの運転が実行される。
ここで、特許文献1には、アクセル開度が小さい場合には、ブレーキを係合状態として、発電機を固定し(即ち、固定変速比モードとし)、アクセル開度が大きい場合には、ブレーキを解放状態として(即ち無段変速モードとして)、アクセル開度に比例して発電機の回転数を上げ、発電量を増加させる技術が記載されている。特許文献2には、固定変速比モードと無段変速モードとを切り替え可能なハイブリッド車両において、固定変速比モードに切り替える場合に、エンジントルクの大きさを発電機の出力可能な反力トルクの大きさに保持しつつ、ブレーキの摩擦によって発電機の回転数を下げる技術が記載されている。
特開平9−156387号公報 特開2009−234512号公報
ところで、上述の特許文献1及び2に記載のハイブリッド車両では、ブレーキを係合するため、発電機は、無段変速モード時での反力トルクに加え、発電機の回転数を低下させるトルクも出力する必要がある。発電機の回転数を低下させるためのトルクを当該発電機により出力させるとした場合には、当該発電機が大型化してしまう恐れがある。この点について、特許文献1及び2には何ら記載されていない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、発電機を大型化せずに済むハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、エンジンと、発電機と、前記エンジン及び前記発電機が連結された動力分配機構と、前記動力分配機構からの出力が伝達される駆動軸と、前記駆動軸にトルクを出力する電動機と、前記動力分配機構のいずれかの回転要素を固定可能なブレーキ部と、を有するハイブリッド車両に適用されるハイブリッド車両の制御装置であって、前記発電機の回転数を低下させてから前記ブレーキ部を制御して前記回転要素を固定することにより、無段変速モードから固定変速比モードへと変速モードを切り替える制御手段を有し、前記制御手段は、前記発電機の回転数を低下させる際に、前記電動機より出力されるトルクを増加させるとともに、前記エンジンより出力されるエンジントルクを減少させる。
上記のハイブリッド車両の制御装置は、エンジンと、発電機と、エンジン及び発電機が連結された動力分配機構と、動力分配機構からの出力が伝達される駆動軸と、駆動軸にトルクを出力する電動機と、動力分配機構のいずれかの回転要素を固定可能なブレーキ部と、を有するハイブリッド車両に適用される。ハイブリッド車両の制御装置は、例えばECU(Electronic Control Unit)などの制御手段を備える。制御手段は、発電機の回転数を低下させる際に、電動機より出力されるトルクを増加させるとともに、エンジンより出力されるエンジントルクを減少させる。このようにすることで、駆動力を維持しつつ、発電機が受け持つ反力トルクを減少させることができ、その減少分の発電機のトルクを当該発電機の回転数の低下に用いることができる。これにより、発電機の回転数を低下させるためのトルクを当該発電機により出力させる場合であっても、当該発電機が大型化するのを防ぐことができる。
上記のハイブリッド車両の制御装置の他の一態様では、前記制御手段は、前記電動機より出力されるトルクを出力可能な最大トルクとする。このようにすることで、発電機が受け持つ反力トルクを最小にすることができ、発電機の回転数を低下させるトルクを増加させることができるので、当該発電機の回転数を低下させるのにかかる回転変化時間を短縮することができる。
上記のハイブリッド車両の制御装置の他の一態様では、前記制御手段は、前記発電機の回転数を低下させるのにかかる回転変化時間を算出するとともに、前記回転変化時間の目標値である目標回転変化時間を算出し、前記回転変化時間が前記目標回転変化時間となるように前記電動機より出力されるトルクを調整する。これにより、ドライバビリティを向上させることができる。
上記のハイブリッド車両の制御装置の好適な実施例では、前記ブレーキ部は、前記モータジェネレータのロータを固定可能なロック機構であり、前記制御手段は、無段変速モードから固定変速比モードに切り換える場合には、前記発電機の回転数を低下させてから、前記ロック機構を用いて前記発電機のロータを固定する。
エンジンと、発電機と、前記エンジン及び前記発電機が連結された動力分配機構と、前記動力分配機構からの出力が伝達される駆動軸と、前記駆動軸にトルクを出力する電動機と、前記動力分配機構のいずれかの回転要素を固定可能なブレーキ部と、を有するハイブリッド車両に適用されるハイブリッド車両の制御装置であって、前記発電機の回転数を低下させてから前記ブレーキ部を制御して前記回転要素を固定することにより、無段変速モードから固定変速比モードへと変速モードを切り替える制御手段を有し、前記制御手段は、前記発電機の回転数を低下させる際に、前記電動機より出力されるトルクを増加させるとともに、前記エンジンより出力されるエンジントルクを減少させる。これにより、発電機の回転数を低下させるためのトルクを当該発電機により出力させる場合であっても、当該発電機が大型化するのを防ぐことができる。
第1実施形態に係るハイブリッド車両の概略構成を示す図である。 無段変速モード及び固定変速比モードにおける共線図の一例を示す図である。 第1実施形態に係るトルク変化制御を説明するための共線図の一例を示す図である。 第1実施形態に係る変速モード切替処理を示すタイムチャート及びエンジン動作点を示す図である。 エンジントルクを減少させない変速モード切替処理を行う場合のタイムチャート及びエンジン動作点を示す図である。 無段変速モード時動作線に沿って変速モード切替処理を行う場合のタイムチャート及びエンジン動作点を示す図である。 第1実施形態に係るトルク変化制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る変速モード切替処理を示すタイムチャート及びエンジン動作点を示す図である。 第2実施形態に係る持ち出し電力決定処理を示すフローチャートである。 変形例に係るハイブリッド車両の概略構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
最初に、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御方法について説明する。
図1に第1実施形態に係るハイブリッド車両の概略構成を示す。図1の例は、機械分配式2モータ型と称されるハイブリッド車両であり、エンジン(内燃機関)1、第1のモータジェネレータMG1、第2のモータジェネレータMG2、動力分配機構20、を備える。動力源に相当するエンジン1と第1のモータジェネレータMG1とは動力分配機構20に連結されている。動力分配機構20の駆動軸3には、駆動軸3のトルク(駆動力)又はブレーキ力のアシストを行うための動力源である第2のモータジェネレータMG2が連結されている。さらに、駆動軸3は最終減速機8を介して左右の駆動輪9に連結されている。第1のモータジェネレータMG1と第2のモータジェネレータMG2とは、バッテリ、インバータ、又は適宜のコントローラ(図1参照)を介して、もしくは直接的に電気的に接続され、第1のモータジェネレータMG1で生じた電力で第2のモータジェネレータMG2を駆動するように構成されている。
エンジン1は燃料を燃焼して動力を発生する熱機関であり、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンなどが挙げられる。第1のモータジェネレータMG1はエンジン1からトルクを受けて回転することにより主として発電を行うものであり、発電に伴うトルクの反力が作用する。第1のモータジェネレータMG1の回転数を制御することにより、エンジン1のエンジン回転数が連続的に変化する。
第2のモータジェネレータMG2は、駆動力又はブレーキ力を補助(アシスト)する装置である。駆動力をアシストする場合、第2のモータジェネレータMG2は電力の供給を受けて電動機として機能する。一方、ブレーキ力をアシストする場合には、第2のモータジェネレータMG2は、駆動輪9から伝達されるトルクにより回転させられて電力を発生する発電機として機能する。
動力分配機構20は、いわゆるシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、リングギヤR1、キャリアC1、サンギヤS1、を備える。キャリアC1は、リングギヤR1とサンギヤS1との両方に噛み合っているピニオンギヤCP1を保持している。
エンジン1の出力軸2は第1の遊星歯車機構のキャリアC1に連結されている。第1のモータジェネレータMG1のロータ11の一端は第1の遊星歯車機構のサンギヤS1に連結されている。リングギヤR1は駆動軸3に連結されている。
第1のモータジェネレータMG1のロータ11の他端はロック機構7に連結されている。ロック機構7は、クラッチ7a、アクチュエータ7b、を有する。クラッチ7aにおいて、一方のクラッチ板はケースなどに固定され、他方のクラッチ板は第1のモータジェネレータMG1のロータ11に連結されている。ロック機構7は、アクチュエータ7bを用いてクラッチ7aを係合及び解放することが可能に構成されている。ロック機構7は、クラッチ7aを係合することにより、第1のモータジェネレータMG1のロータ11を固定し、動力分配機構20のサンギヤS1を固定する。また、ロック機構7は、クラッチ7aの係合を解放することにより、第1のモータジェネレータMG1のロータ11を解放し、動力分配機構20のサンギヤS1を解放する。ロック機構7は、ECU5から送信された制御信号Sig5に基づいて、クラッチ7aの係合及び解放を制御する。
ロック機構7がクラッチ7aを解放している状態では、第1のモータジェネレータMG1の回転数を連続的に変化させることによりエンジン1のエンジン回転数が連続的に変化し、無段変速モードが実現される。一方、ロック機構7がクラッチ7aを係合している状態では、動力分配機構20により決定される変速比がオーバードライブ状態(即ち、エンジン1のエンジン回転数が駆動軸3の回転数より小さくなる状態)に固定され、固定変速比モードが実現される。
電源ユニット30は、インバータ31、コンバータ32、バッテリ33及びコンバータ34を備える。第1のモータジェネレータMG1は電源線37によりインバータ31に接続されており、第2のモータジェネレータMG2は電源線38によりインバータ31に接続されている。また、インバータ31はコンバータ32に接続され、コンバータ32はバッテリ33に接続されている。さらに、バッテリ33はコンバータ34を介して補機バッテリ35に接続されている。
インバータ31は、モータジェネレータMG1及びMG2との間で電力の授受を行う。モータジェネレータの回生時には、インバータ31はモータジェネレータMG1及びMG2が回生により発電した電力を直流に変換し、コンバータ32へ供給する。コンバータ32は、インバータ31から供給される電力を電圧変換し、バッテリ33を充電する。一方、モータジェネレータの力行時には、バッテリ33から出力される直流電力はコンバータ32により昇圧されてインバータ31へ供給され、電源線37又は38を介してモータジェネレータMG1又はMG2へ供給される。
バッテリ33の電力はコンバータ34により電圧変換されて補機バッテリ35に供給され、各種の補機の駆動に使用される。
インバータ31、コンバータ32、バッテリ33及びコンバータ34の動作はECU4により制御されている。ECU4は制御信号Sig4を送信することにより、電源ユニット30内の各要素の動作を制御する。また、電源ユニット30内の各要素の状態などを示す必要な信号は制御信号Sig4としてECU4に供給される。具体的には、バッテリ33のバッテリ残存容量を示すSOC(State Of Charge)及びバッテリの入出力制限値などは制御信号Sig4としてECU4に供給される。
ECU4は、エンジン1、第1のモータジェネレータMG1及び第2のモータジェネレータMG2との間で制御信号Sig1〜Sig3を送受信することにより、それらを制御し、ロック機構7に制御信号Sig5を送信することにより、ロック機構7を制御する。例えば、ECU4は、図示しないアクセルペダルからの制御信号に基づいて、アクセル開度を検出して要求駆動力を求め、駆動力が当該要求駆動力となるように、エンジン1、第1のモータジェネレータMG1及び第2のモータジェネレータMG2を制御する。また、ECU4は、例えば、要求駆動力と車速とに基づいて、ロック機構7を制御する。従って、ECU4は、本発明における制御手段として機能する。
次に、図2を参照して、無段変速モード及び固定変速比モードにおけるハイブリッド車両の動作状態について説明する。図2は、無段変速モード及び固定変速比モードにおける共線図の一例を示している。図2(a)、(b)において、上下方向は回転数に対応しており、上方向が正回転に対応し、下方向が負回転に対応する。また、上方向が正トルクに対応し、下方向が負トルクに対応する。
図2(a)における直線A1a、A1b、A1cは無段変速モードにおける共線図の一例を示している。無段変速モードの場合には、エンジン1のエンジントルクTKEに対応する反力トルクが、第1のモータジェネレータMG1よりトルクTK1として出力される。なお、トルクTK2は、第2のモータジェネレータMG2より出力されるトルクを示している。無段変速モードでは、第1のモータジェネレータMG1の回転数を増減変化させることにより、エンジン1のエンジン回転数を連続的に制御することが可能である。駆動軸3の回転数がN1であるとした場合において、例えば、第1のモータジェネレータMG1の回転数を白丸m1、m2、m3と順次変化させた場合には、エンジン1のエンジン回転数は、白丸Ne1(>N1)、Ne2(=N1)、Ne3(<N1)と順次変化する。つまり、エンジン1のエンジン回転数は、駆動軸3の回転数よりも高い値、等しい値及び低い値に順次変化する。このとき、第1のモータジェネレータMG1は発電し、インバータ31を介して、駆動軸3のアシストを行う第2のモータジェネレータMG2に電力を供給する。つまり、無段変速モードでは、エンジン1からの出力は、動力分配機構20を介して駆動軸3に直接伝達されるルートと、第1のモータジェネレータMG1から駆動軸3のアシストを行う第2のモータジェネレータMG2へ電気的に伝達されるルートと、の2つのルートで駆動軸3へ伝達される。
図2(b)における直線A2は固定変速比モードにおける共線図の一例を示している。固定変速比モードの場合には、ロック機構7が第1のモータジェネレータMG1のロータ11を固定するとともにサンギヤS1を固定している状態となるため、動力分配機構20により決定される変速比がオーバードライブ状態(即ち、エンジン1のエンジン回転数Ne4が駆動軸3の回転数N1より小さくなる状態)に固定される。このとき、ロック機構7が第1のモータジェネレータMG1のロータ11を固定することにより、第1のモータジェネレータMG1は発電機及び電動機のいずれとしても機能しないため、第1のモータジェネレータMG1から第2のモータジェネレータMG2に電力が供給されない。従って、固定変速比モードでは、エンジン1からの出力は、動力分配機構20を介して駆動軸3に直接伝達されるルートでのみ、駆動軸3へ伝達される。
上述したことから分かるように、第1のモータジェネレータMG1は、主に発電機として機能し、第2のモータジェネレータは、主に電動機として機能する。従って、以下では、特に断りのない限り、発電機といった場合には、第1のモータジェネレータMG1のことを示すものとし、電動機(モータ)といった場合には、第2のモータジェネレータMG2のことを示すものとする。
また、以下では、第1のモータジェネレータMG1の回転数及びトルクをそれぞれ、MG1回転数及びMG1トルクと称することとし、第2のモータジェネレータMG2の回転数及びトルクをそれぞれ、MG2回転数及びMG2トルクと称することとする。図2(a)より分かるように、無段変速モードでは、MG1トルクは負トルクとなっている。従って、MG1トルクが増加又は減少といった場合には、特に断りの無い限り、負方向のトルクの大きさが増加又は減少することを示すものとする。一方、エンジントルク又はMG2トルクが増加又は減少といった場合には、正方向のトルクの大きさが増加又は減少することを示すものとする。
図2(b)で述べたことから分かるように、固定変速比モードでは、第1のモータジェネレータMG1のロータ11がロック機構7により固定される。そのため、ECU4は、無段変速モードから固定変速比モードへと変速モードを切り替える変速モード切替制御を行う際に、MG1回転数を目標回転数になるまで低下させる回転変化制御を行ってから、ロック機構7によりロータ11を固定する係合制御を行う。ここで、第1のモータジェネレータMG1のロータ11がロック機構7により固定されるハイブリッド車両では、目標回転数は0rpmとされる。
回転変化制御が行われる場合には、MG1回転数を低下させるトルクを出力する必要がある。そこで、第1のモータジェネレータMG1が、反力トルクに加え、MG1回転数を低下させるトルクを出力するとした場合には、即ち、MG1トルクを増大させるとした場合には、第1のモータジェネレータMG1は大型化する恐れがある。一方、ロック機構7におけるクラッチ7aの摩擦により、MG1回転数を低下させるとした場合には、エンジン1及び第1のモータジェネレータMG1の回転エネルギーを摩擦による熱で捨てることになる。この場合、MG1回転数の変化が大きくなるほど、捨てられる回転エネルギーが大きくなるため、燃費が低下する恐れがある。また、比較的短時間で大量の熱をロック機構7に発生させることになるので、耐熱性を向上させることによるロック機構7の大型化の恐れがある。さらに、ここで、単位時間当たりの発熱量を減少させるために、MG1回転数を低下させる時間を長くすると、適切なドライバビリティを得ることができなくなる。
そこで、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御方法では、回転変化制御を行う際に、MG2トルクを増加させるとともにエンジントルクを減少させるトルク変化制御を行うことで、MG1回転数を低下させるトルクを確保することとする。以下、図3を用いて具体的に説明する。
図3は、トルク変化制御前とトルク変化制御後の共線図の一例を示している。図3において、TKEp、TK1p、TK2p、TKdpは、トルク変化制御前のエンジントルク、MG1トルク、MG2トルク、直達トルクを示している。ここで、直達トルクは、動力分配機構20より駆動軸3に伝達されるトルクである。また、TKEa、TK1a、TK2a、TKdaは、トルク変化制御後のエンジントルク、MG1トルク、MG2トルク、直達トルクを示している。以下、トルク変化制御の具体的な方法について説明する。
まず、ECU4は、第1のモータジェネレータMG1の状態や発電可能な電力に応じて、MG1トルクをトルクTK1pからトルクTK1aとなるまで増加させる。トルクTK1aは、第1のモータジェネレータMG1の状態や発電可能な電力に応じて決定されるトルクである。第1のモータジェネレータMG1の状態に応じて決定する方法の例としては、トルクTK1aは、例えば、第1のモータジェネレータMG1の温度に応じて、マップなどを用いて決定される。また、第1のモータジェネレータMG1の発電可能な電力に応じて決定する方法の例としては、トルクTK1aは、例えば、第2のモータジェネレータMG2の消費可能電力とバッテリ33の充電可能電力とに応じて、マップなどを用いて決定される。以下では、トルクTK1aのうち、出力可能な最大トルクを「発電機限界トルク」と称する。また、以下では、一例として、トルクTK1aを発電機限界トルクに設定するものとする。
また、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2の状態や使用可能な電力に応じて、MG2トルクをトルクTK2pからトルクTK2aとなるまで増加させる。トルクTK2aは、第2のモータジェネレータMG2の状態や使用可能な電力に応じて決定される出力可能な最大トルクである。第2のモータジェネレータMG2の状態に応じて決定する方法の例としては、トルクTK2aは、例えば、第2のモータジェネレータMG2の温度に応じて、マップなどを用いて決定される。また、第2のモータジェネレータMG2の使用可能な電力に応じて決定する方法の例としては、トルクTK2aは、例えば、第1のモータジェネレータMG1の発電可能電力とバッテリ33から持ち出し可能な電力とに応じて、マップなどを用いて決定される。以下では、この出力可能な最大トルクTK2aを「モータ限界トルク」と称することとする。
そして、ECU4は、直達トルクとMG2トルクとの和がドライバからの要求駆動力を満足するように、エンジントルクを減少させる。図3に示す例では、トルク変化制御前後では要求駆動力が変化しないとしている。トルク変化制御が行われる前では、MG2トルクがトルクTK2pで、かつ、直達トルクがトルクTKdpとなるときに要求駆動力を満足している。それに対し、トルク変化制御が行われた後では、MG2トルクがトルクTK2aに変化するので、直達トルクがトルクTKdaとなるときに要求駆動力を満足する。従って、ECU4は、要求駆動力を満足させるため、この直達トルクがトルクTKdaとなるようにエンジントルクを減少させる。つまり、直達トルクがトルクTKdaとなるときのエンジントルクをトルクTKEaとすると、ECU4は、エンジントルクをトルクTKEpからトルクTKEaとなるまで減少させる。ここで、直達トルクは、エンジントルク、MG1トルク、エンジン1及び第1のモータジェネレータMG1の慣性質量、動力分配機構20のギヤ比によって求められる。具体的には、以下の差動機構の運動方程式(1)〜(6)を用いて計算することにより、直達トルクが求められる。従って、直達トルクがトルクTKdaとなるときのエンジントルクTKEaを求める場合には、この計算の逆算を行えばよい。即ち、エンジントルクTKEaは、MG1トルク、エンジン1及び第1のモータジェネレータMG1の慣性質量、動力分配機構20のギヤ比、直達トルクTKdaに基づいて、差動機構の運動方程式(1)〜(6)を用いて計算することにより求められる。
Figure 2011201376
なお、このようにする代わりに、直達トルクとMG1トルクとエンジントルクとの関係を示したマップを用いて、直達トルクがトルクTKdaとなるときのエンジントルクTKEaを求めるとしても良い。
なお、トルク変化制御が行われた後では、MG1回転数およびエンジン回転数の低下による慣性トルクが発生するので、直達トルクは、エンジントルクのうち、動力分配機構20を介して駆動軸3に伝達されるトルク(以下、「エンジン直達トルク」と称する)に、駆動軸3に伝達される当該慣性トルクを加えたものとなる。
このように、MG2トルクを増加させるとともにエンジントルクを減少させるトルク変化制御を行うことで、駆動力を維持しつつ、第1のモータジェネレータMG1が受け持つ反力トルクを減少させることができ、その減少分のMG1トルクをMG1回転数の低下に用いることができる。
次に、第1実施形態に係る変速モード切替制御処理について図4を用いて説明する。図4(a)は、第1実施形態に係る変速モード切替制御処理を示すタイムチャートであり、図4(b)は、第1実施形態に係る変速モード切替制御処理におけるエンジン動作点の動きを示す図である。図4(a)におけるエンジン、発電機、モータについて、トルクは実線で示され、回転数は破線で示されている(図5(a)、図6(a)、図8(a)にて同じ)。
図4(a)に示すように、時刻t1において、ECU4は、例えば要求駆動力と車速とに基づいて、無段変速モードから固定変速比モードへと変速モードを切り替える旨の判定(以下、「係合判定」と称する)を行う。このとき、MG1回転数は目標回転数(ここでは、0rpm)となっていないので、ECU4は、MG1回転数を低下させる回転変化制御のためトルク変化制御を行う。
具体的には、時刻t1において、ECU4は、第1のモータジェネレータMG1の状態や発電可能な電力に応じて、MG1トルクを発電機限界トルクとなるまで増加させる。また、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2の状態や使用可能な電力に応じて、MG2トルクをモータ限界トルクまで増加させるとともに、要求駆動力を満足するように、エンジントルクを減少させる。このようにすることで、反力トルクは減少し、当該減少分のMG1トルクによりMG1回転数は低下する。このとき、図4(b)に示すグラフでは、エンジン動作点が点Pe1(無段変速モード時動作点)から点Pe2へと移動する。
このとき、駆動パワーは、バッテリ33より持ち出される電力であるバッテリパワーと、エンジン1および第1のモータジェネレータMG1の回転数変化による慣性トルクによる回転変化パワーと、エンジンパワーとで構成される。図4(b)に示すように、トルク変化制御前後において、駆動パワーは、ドライバ要求パワーに保持されている。
時刻t1から時刻t2にかけて、MG1回転数が低下するため、第1のモータジェネレータMG1による発電量も低下する。従って、ECU4は、バッテリパワーを一定に保持するため、MG2トルクを減少させ、それに応じて、エンジントルクを増加させる。このとき、図4(b)に示すグラフでは、エンジン動作点が点Pe2から点Pe3へと移動する。
時刻t2において、MG1回転数は目標回転数たる0rpmとなり、エンジントルクは、発電機限界トルクが反力トルクとなるときのエンジントルクであるエンジントルク限界となる。このとき、ECU4は、ロック機構7の係合制御を行い、無段変速モードから固定変速比モードへと切り替える。図4(b)に示すグラフでは、このときのエンジン動作点が点Pe4(ロック時動作点)となる。
このようにすることで、無段変速モードから固定変速比モードへと変速モードが切り替えられる。上述の変速モード切替制御によれば、バッテリパワーは一定に保持される。
ここで、比較のため、エンジントルクを減少させないトルク変化制御を行う場合の変速モード切替制御処理の例と、無段変速モード時動作線に沿ってトルク変化制御を行う場合の変速モード切替制御処理の例について図5、6を用いて説明する。
図5(a)は、エンジントルクを減少させないトルク変化制御を行う場合の変速モード切替制御処理のタイムチャートを示し、図5(b)は、そのときのエンジン動作点の動きを示す図である。
図5(a)を見ると分かるように、エンジントルクを減少させないトルク変化制御を行う場合には、ECU4は、係合判定時において、MG1トルクを発電機限界トルクまで増加させているものの、エンジントルクについては減少させていない。この場合、図4に示したトルク変化制御を行う場合と比較して、反力トルクを減少させることができないため、MG1回転数の低下が緩やかになる。そのため、図4(a)に示したタイムチャートと比較して、MG1回転数を目標回転数(ここでは0rpm)まで低下させるのにかかる時間(以下、「回転変化時間」と称する)が長くなる。従って、図5に示すエンジントルクを減少させないトルク変化制御と比較して、図4に示したトルク変化制御の方が、反力トルクを減少させることができるので、その減少分のMG1トルクをMG1回転数の低下に用いることができ、MG1回転数を低下させるのにかかる回転変化時間を短縮することができる。
図6(a)は、無段変速モード時動作線に沿ってトルク変化制御を行う場合の変速モード切替制御処理のタイムチャートを示し、図6(b)は、そのときのエンジン動作点の動きを示すグラフである。
図6(b)を見ると分かるように、このトルク変化制御では、MG1回転数が目標回転数になるまで、無段変速モード時動作線に沿ってエンジン動作点が移動するように制御が行われる。
この場合、図6(a)に示すように、時間の経過に従い、MG2トルクを増加させるとともに、エンジントルクを減少させている。そのため、MG2トルクの増加に従い、要求駆動パワーを満足させるために必要なバッテリパワーが瞬間的に増加してしまう。従って、図6に示す無段変速モード時動作線に沿ったトルク変化制御と比較して、図4に示したトルク変化制御の方が、バッテリ33から持ち出されるバッテリパワーを一定に保持することができ好適である。
次に、第1実施形態に係るトルク変化制御処理について図7のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS101において、ECU4は、第1のモータジェネレータMG1の出力するトルクを算出する。具体的には、ECU4は、第1のモータジェネレータMG1の状態や発電可能な電力に応じて、発電機限界トルクを算出する。この後、ECU4は、ステップS102の処理へ進む。
ステップS102において、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2の出力するトルクを算出する。具体的には、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2の状態や使用可能な電力に応じて、モータ限界トルクを算出する。この後、ECU4は、ステップS103の処理へ進む。
ステップS104において、ECU4は、要求駆動力とモータ限界トルクとに基づいて、要求駆動力を満足することが可能な直達トルクを算出する。続くステップS105において、ECU4は、ステップS104にて求められた直達トルク、モータ限界トルクを基に、例えば差動機構の運動方程式を用いて、エンジントルクを算出する。この後、ECU4は、ステップS106の処理へ進む。
ステップS106において、ECU4は、MG1トルク、MG2トルク、エンジントルクの変更を行う。具体的には、ECU4は、MG1トルクを発電機限界トルクとなるまで増加させ、MG2トルクをモータ限界トルクとなるまで増加させ、ステップS105で求められたエンジントルクとなるまでエンジントルクを減少させる。この後、ECU4は、本制御処理を終了する。
以上に述べたことから分かるように、第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御方法では、ECU4は、回転数変化制御を行う際において、MG2トルクを増加させるとともにエンジントルクを減少させるトルク変化制御を行うこととする。このようにすることで、駆動力を維持しつつ、第1のモータジェネレータMG1が受け持つ反力トルクを減少させることができ、その減少分のMG1トルクをMG1回転数の低下に用いることができる。これにより、MG1回転数を低下させるためのトルクを出力させる場合であっても、第1のモータジェネレータMG1が大型化するのを防ぐことができる。
なお、上述の第1実施形態では、ECU4は、MG2トルクをモータ限界トルクまで増加させるとしているがこれに限られるものではない。このようにする代わりに、ECU4は、MG2トルクをモータ限界トルクよりも低いトルクまで増加させるとしても上述したのと同様の効果を得ることができる。しかしながら、このようにするよりも、MG2トルクをモータ限界トルクまで増加させるとする方が、第1のモータジェネレータMG1が受け持つ反力トルクを最小にすることができ、MG1回転数を低下させるトルクをより増加させることができる。つまり、MG2トルクをモータ限界トルクまで増加させるとする方が、回転変化制御にかかる時間を短縮することができ、好適である。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御方法について説明する。第2実施形態に係るハイブリッド車両は、図1に示した第1実施形態に係るハイブリッド車両と同様の構成を有するものとする。
第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御方法では、無段変速モードから固定変速比モードへと変速モードを切り替える際に、MG1回転数を低下させて目標回転数にする回転変化制御を行うとしていた。ここで、MG1回転数を低下させる際において、エンジン回転数の変化幅が大きいほど、回転変化時間は長くなる。また、エンジントルクが増大するほど、反力トルクの増大により、MG1回転数の引き下げに用いることができるトルクが減少して、回転変化時間は長くなる。
そこで、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御方法では、上述の第1実施形態に係るハイブリッド車両の制御方法に加えて、目標回転時間を算出し、回転変化時間が当該目標回転変化時間となるように、バッテリ33からの持ち出し電力を決定することとする。以下、具体的に説明する。
まず、回転変化時間の算出方法について説明する。回転変化時間は、回転変化制御を開始してから終了するまでの時間であるので、予定されるトルク変化制御後のトルクおよび回転数に基づいて算出される。例えば、上述した第1実施形態に係るトルク変化制御を行う予定の場合には、回転変化時間は、MG1回転数、発電機限界トルク、モータ限界トルク、要求駆動力に基づいて算出される。
次に、目標回転変化時間の算出方法について説明する。目標回転変化時間は、例えば、ドライバビリティなどを考慮して決められる。具体的には、目標回転変化時間は、車速やエンジンパワーに応じて、マップなどを用いて決められる。例えば、車速が低くなるほど、ロードノイズや風切り音などの影響が小さくなるので、エンジン回転数変化に伴う音の変化の影響が相対的に大きくなる。そこで、このような場合には、エンジン回転数変化に伴う音の急激な変化を抑制するため、車速が低くなるほど、目標回転変化時間は長く設定される。
ECU4は、目標回転変化時間と回転変化時間とを比較し、回転変化時間が目標回転変化時間よりも短ければ、回転変化時間が目標回転変化時間となるように、バッテリ33からの持ち出し電力を小さくする。具体的には、ECU4は、目標回転変化時間から回転変化時間を引いた値とバッテリ33からの持ち出し電力との関係を示したマップを用いて、バッテリ33からの持ち出し電力を算出する。
ECU4は、目標回転変化時間から回転変化時間を引いた値が大きくなるほど、バッテリ33からの持ち出し電力を小さくして、MG2トルクを減少させ、回転変化時間を長くする。一方、ECU4は、目標回転変化時間から回転変化時間を引いた値が小さくなるほど、バッテリ33からの持ち出し電力を大きくして、MG2トルクを増加させ、回転変化時間を短くする。
上述の第2実施形態に係る変速モード切替制御処理について図8を用いて説明する。図8(a)は、第2実施形態に係る変速モード切替制御処理を示すタイムチャートであり、図8(b)は、第2実施形態に係る変速モード切替制御処理におけるエンジン動作点の動きを示すグラフである。
時刻ta1において、図4で述べたのと同様に、ECU4は、例えば要求駆動力と車速とに基づいて、無段変速モードから固定変速比モードへと変速モードを切り替える旨の係合判定を行う。このとき、MG1回転数は目標回転数(ここでは、0rpm)となっていないので、ECU4は、MG1回転数を低下させる回転変化制御のためトルク変化制御を行う。ここで、第2実施形態では、さらに、ECU4は、車速などに基づいて、目標回転変化時間を求めるとともに、予定されるトルク変化制御後の回転数およびトルクに基づいて、例えば、MG1回転数、発電機限界トルク、モータ限界トルク、要求駆動力に基づいて、回転変化時間を求める。
図8のタイムチャートの例では、ECU4は、目標回転変化時間よりも回転変化時間の方が短いと判定しているので、目標回転変化時間から回転変化時間を引いた値に応じて、バッテリ33からの持ち出し電力を算出する。MG2トルクがモータ限界トルクとなるときのバッテリ33からの持ち出し電力と比較して、このときのバッテリ33からの持ち出し電力は小さく算出される。そして、ECU4は、実際のトルク変化制御として、MG2トルクを目標トルクまで増加させる際に、求められたバッテリ33からの持ち出し電力に応じて、モータ限界トルクよりも小さなトルクに当該目標トルクを設定する。また、ECU4は、これに応じて、予定されたトルク変化制御と比較して、実際のトルク変化制御におけるエンジントルクの減少量を小さくする。これにより、図4の場合と比較して、回転変化時間は長くなり、目標回転変化時間に近づく。
時刻ta2において、ECU4は、MG1回転数は目標回転数となり、エンジントルクは、発電機限界トルクが反力トルクとなるときのエンジントルクであるエンジントルク限界となる。このとき、ECU4は、ロック機構7の係合制御を行い、無段変速モードから固定変速比モードへと切り替える。
このように、目標回転変化時間から回転変化時間を引いた値に応じて、バッテリ33からの持ち出し電力を小さくする制御を行う、即ち、トルク変化制御後のMG2トルクを調整することで、係合判定時における回転数やトルクといった条件に依らず、回転変化時間を目標回転変化時間にすることができる。
次に、バッテリ33からの持ち出し電力を決定する制御処理について図9のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS201において、ECU4は、回転変化時間を算出する。具体的には、ECU4は、予定されるトルク変化制御後における、MG1回転数、MG1トルク(例えば発電機限界トルク)、MG2トルク(例えばモータ限界トルク)、要求駆動力に基づいて、回転変化時間を求める。続くステップS202において、ECU4は、車速やエンジンパワーに基づいて、目標回転変化時間を算出する。この後、ECU4は、ステップS203の処理へ進む。
ステップS203において、ECU4は、目標回転変化時間と回転変化時間とを比較し、回転変化時間が目標回転変化時間よりも短いか否かについて判定する。ECU4は、目標回転変化時間よりも回転変化時間が短いと判定した場合には(ステップS203:Yes)、ステップS204の処理へ進む。一方、ECU4は、目標回転変化時間よりも回転変化時間が短くない、即ち、回転変化時間が目標回転変化時間以上になっていると判定した場合には(ステップS203:No)、本制御処理を終了する。
ステップS204において、ECU4は、目標回転変化時間から回転変化時間を引いた値に応じて、例えばマップなどを用いて、バッテリ33からの持ち出し電力を算出し、算出された持ち出し電力に応じて、実際のトルク変化制御後のMG2トルクを決定して、本制御処理を終了する。
以上に述べたことから分かるように、第2実施形態に係るハイブリッド車両の制御方法では、目標回転変化時間と回転変化時間とを比較し、回転変化時間が目標回転変化時間よりも短い場合には、回転変化時間が目標回転変化時間となるように、目標回転変化時間から回転変化時間を引いた値に応じて、バッテリ33からの持ち出し電力を小さくする制御を行う、即ち、MG2トルクを調整する制御を行う。これにより、係合判定時における回転数やトルクといった条件に依らず、回転変化時間を目標回転変化時間にすることができ、ドライバビリティを向上させることができる。
[変形例]
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。
例えば、上述の実施形態では、動力分配機構20は、シングルピニオン型の遊星歯車機構であるとしているがこれに限られない。代わりに、ダブルピニオン型の遊星歯車機構であるとしてもよい。即ち、キャリアC1は、リングギヤR1とサンギヤS1との両方に噛み合っているピニオンギヤCP1を保持する代わりに、サンギヤS1と噛み合うように構成されたインナーピニオンギヤと、当該インナーピニオンギヤ及びリングギヤR1と噛み合うように構成されたアウターピニオンギヤと、を保持するとしても良い。また、ピニオンギヤCP1としては、段差付きのピニオンギヤであるとしても良い。
また、本発明を適用することが可能なハイブリッド車両の機構としては、第1のモータジェネレータMG1のロータをロックすることにより固定変速比モードを実現するものには限られない。代わりに、例えば、以下の図10で示すように、動力分配機構20の回転要素のうち、いずれか一つをブレーキにより固定することで固定変速比モードを実現する機構であっても、本発明を適用することが可能である。
図10は、変形例に係るハイブリッド車両の概略構成を示すスケルトン図である。図10において、図1に示すハイブリッド車両と同様の機能を有する構成要素については、図1と同じ符号を付して示している。
変形例に係るハイブリッド車両において、エンジン1と、第1のモータジェネレータMG1とが動力分配機構20に連結されている。動力分配機構20の駆動軸3には、第2のモータジェネレータMG2が変速部6を介して駆動軸3に接続されている。
動力分配機構20は、エンジン1のエンジントルクを第1のモータジェネレータMG1と駆動軸3とに分配する機構であり、差動作用を生じるように構成されている。具体的には複数組の差動機構を備え、互いに差動作用を生じる4つの回転要素のうち、第1の回転要素にエンジン1が連結され、第2の回転要素に第1のモータジェネレータMG1が連結され、第3の回転要素に駆動軸3が連結される。第4の回転要素はブレーキ部7bkにより固定可能となっている。
動力分配機構20は、2つの遊星歯車機構を組み合わせて構成される。第1の遊星歯車機構はリングギヤR1、キャリアC1、サンギヤS1を備える。第2の遊星歯車機構はダブルピニオン式であり、リングギヤR2、キャリアC2、サンギヤS2を備える。
エンジン1の出力軸2は第1の遊星歯車機構のキャリアC1に連結され、そのキャリアC1は第2の遊星歯車機構のリングギヤR2に連結されている。これらが第1の回転要素を構成する。第1のモータジェネレータMG1のロータ11は第1の遊星歯車機構のサンギヤS1に連結され、これらが第2の回転要素を構成している。
第1の遊星歯車機構のリングギヤR1と第2の遊星歯車機構のキャリアC2は相互に連結されているとともに駆動軸3に連結されている。これらが第3の回転要素を構成している。また、第2の遊星歯車機構のサンギヤS2は回転軸29に連結されており、回転軸29とともに第4の回転要素を構成している。回転軸29はブレーキ部7bkにより固定可能となっている。ブレーキ部7bkはECU4により制御される。
ブレーキ部7bkが第4の回転要素を固定していない状態では、第1のモータジェネレータMG1の回転数を連続的に変化させることによりエンジン1のエンジン回転数が連続的に変化し、無段変速モードが実現される。一方、ブレーキ部7bkが第4の回転要素を固定している状態では、動力分配機構20により決定される変速比がオーバードライブ状態(即ち、エンジン1より出力される回転数が駆動軸3の回転数より小さくなる状態)に固定され、固定変速比モードが実現される。
変形例に係るハイブリッド車両においても、本発明を適用することが可能である。即ち、無段変速モードから固定変速比モードへと変速モードを切り替える際において、MG2トルクを増加させるとともにエンジントルクを減少させることにより、第1のモータジェネレータMG1が受け持つ反力トルクを減少させることができ、その減少分のMG1トルクをMG1回転数の低下に用いることができる。なお、このとき、ECU4は、第4の回転要素の回転数が「0」になるときのMG1回転数を目標回転数として、MG1回転数を低下させる。また、さらに、このとき、目標回転変化時間と回転変化時間とを比較し、回転変化時間が目標回転変化時間よりも短い場合には、回転変化時間が目標回転変化時間となるように、目標回転変化時間から回転変化時間を引いた値に応じて、バッテリからの持ち出し電力を小さくする制御を行うとしても良い。これにより、回転変化時間を目標回転変化時間にすることができ、ドライバビリティを向上させることができる。
以上に述べたことから分かるように、要は、モータジェネレータより反力トルクを出力させ、エンジンの回転数と駆動軸の回転数との回転数比が連続的に変化する無段変速モードと、動力分配機構におけるいずれかの回転要素を固定することにより、当該回転数比が固定となる固定変速比モードと、を有するハイブリッド車両であれば、本発明のハイブリッド車両の制御方法を適用することが可能である。
MG1、MG2 モータジェネレータ
1 エンジン
7 ロック機構
20 動力分配機構
4 ECU

Claims (4)

  1. エンジンと、発電機と、前記エンジン及び前記発電機が連結された動力分配機構と、前記動力分配機構からの出力が伝達される駆動軸と、前記駆動軸にトルクを出力する電動機と、前記動力分配機構のいずれかの回転要素を固定可能なブレーキ部と、を有するハイブリッド車両に適用されるハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記発電機の回転数を低下させてから前記ブレーキ部を制御して前記回転要素を固定することにより、無段変速モードから固定変速比モードへと変速モードを切り替える制御手段を有し、
    前記制御手段は、前記発電機の回転数を低下させる際に、前記電動機より出力されるトルクを増加させるとともに、前記エンジンより出力されるエンジントルクを減少させることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記電動機より出力されるトルクを出力可能な最大トルクとする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記発電機の回転数を低下させるのにかかる回転変化時間を算出するとともに、前記回転変化時間の目標値である目標回転変化時間を算出し、前記回転変化時間が前記目標回転変化時間となるように前記電動機より出力されるトルクを調整する請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記ブレーキ部は、前記モータジェネレータのロータを固定可能なロック機構であり、
    前記制御手段は、無段変速モードから固定変速比モードに切り換える場合には、前記発電機の回転数を低下させてから、前記ロック機構を用いて前記発電機のロータを固定する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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