JP2011165421A - イオンビーム照射方法およびイオンビーム照射装置 - Google Patents

イオンビーム照射方法およびイオンビーム照射装置 Download PDF

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Junichi Tatemichi
潤一 立道
Masashi Konishi
正志 小西
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Abstract

【課題】 大型の基板に対してもその全面に均一性良くイオンビーム照射を行うことができ、かつ装置をコンパクトなものにすることができ、しかも基板が分割帯を有していなくても良いイオンビーム照射方法および装置を提供する。
【解決手段】 このイオンビーム照射方法は、基板10をイオンビーム4の主面4sと交差する方向に移動させながら基板にイオンビームを照射して基板上に第1のビーム照射領域を形成する第1のビーム照射工程と、基板10をその面内で180度回転させる基板回転工程と、基板10をイオンビーム4の主面4sと交差する方向に移動させながら基板にイオンビームを照射して基板上に第2のビーム照射領域を形成する第2のビーム照射工程とを実施して、基板10上において第1および第2のビーム照射領域の一部分を互いに重ね合わせて、基板の全面にイオンビーム4を照射する。かつ重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布をビーム電流密度分布調整機構30を用いて平坦化する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、基板(例えばフラットパネルディスプレイ用のガラス基板等)にイオンビームを照射して、基板に例えばイオン注入、イオンビーム配向処理等の処理を施すイオンビーム照射方法および装置に関し、より具体的には、基板にリボン状(これはシート状または帯状と呼ばれることもある。以下同様)のイオンビームを照射することと、基板をイオンビームの主面と交差する方向に移動させることとを併用する方式のイオンビーム照射方法および装置に関する。このイオンビーム照射方法および装置は、基板にイオン注入を行う場合は、イオン注入方法および装置とも呼ばれる。
リボン状のイオンビームと基板駆動とを併用して、基板の全面にイオンビーム照射を行うイオンビーム照射装置が従来から幾つか提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特許文献1に記載のイオンビーム照射装置は、イオン源から長辺方向(換言すれば長手方向。以下同様)の寸法が、基板の対応する辺の寸法よりも大きいリボン状のイオンビームを引き出し、そのイオンビームを長ギャップ長の分析電磁石を通して質量分離を行った後に基板に照射し、かつ基板をイオンビームの主面と交差する方向に駆動し、それによって基板の全面にイオン注入を行うものである。
特許文献2に記載のイオンビーム照射装置は、2組のイオン源および分析電磁石等を、二つのリボン状のイオンビームの位置がその長辺方向において部分的に重なるように上下段違いに配置して、基板に照射されるイオンビームの長辺方向の寸法を、等価的に、各イオン源から引き出したイオンビーム単独の場合よりも大きくして、基板の大型化に対応することができるようにしたものである。
特許文献3に記載のイオンビーム照射装置は、長辺方向の寸法が基板の対応する辺の寸法よりも小さいリボン状のイオンビームを用いて、かつ基板の位置を変えることおよび基板を回転させることの少なくとも一方を用いて、基板に複数回イオンビーム照射を行い、それによって複数のビーム照射領域を連ねて、基板の全面にイオンビーム照射を行うものである。この装置で扱う基板の面内には、所定の処理パターンの繰り返しの単位である複数のセルが分割帯を挟んで形成されており、この分割帯に、前記複数のビーム照射領域を連ねる部分を位置させる。
特開2005−327713号公報(図1−図4) 特開2009−152002号公報(図3) 特開2009−134923号公報(図7−図21)
例えばフラットパネルディスプレイの生産性を高める等のために、基板は大型化する傾向にあるけれども、特許文献1に記載のイオンビーム照射装置では、イオン源のサイズでイオンビームの大きさ(長さ)が決まってしまうので、基板の大型化に対応するためには、イオン源を大きくしなければならないという課題がある。分析電磁石を設ける場合は、それも大きくしなければならない。その結果、イオンビーム照射装置全体が大型化すると共に、構造も複雑になる。大型化すると、イオンビーム照射装置を所定の設置場所に設置することが困難になる場合も生じる。
特許文献2に記載のイオンビーム照射装置は、基板の大型化に対応することができるけれども、2組のイオン源および分析電磁石等を上下段違いに配置した構造であるので、その分、イオンビーム照射装置全体が大型化すると共に、構造も複雑になるという課題がある。
特許文献3に記載のイオンビーム照射装置は、基板の大型化に対応することができるけれども、セル間の分割帯を利用するために、分割帯を有する基板にしか適用することができないという課題がある。
そこでこの発明は、大型の基板に対してもその全面に均一性良くイオンビーム照射を行うことができ、かつ装置をコンパクトなものにすることができ、しかも基板が分割帯を有していなくても良いイオンビーム照射方法および装置を提供することを主たる目的としている。
この発明に係るイオンビーム照射方法は、互いに直交する2方向をX方向およびY方向とすると、基板に、X方向の寸法よりもY方向の寸法が大きいリボン状のイオンビームを照射するイオンビーム照射方法であって、前記イオンビームのY方向の一端が前記基板の面内に位置し他端が面外に位置する位置関係で、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第1のビーム照射領域を形成する第1のビーム照射工程と、前記イオンビームが前記基板に当たらない位置において、前記基板をその面内で180度回転させる基板回転工程と、前記イオンビームのY方向の一端が前記基板の面内に位置し他端が面外に位置する位置関係で、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第2のビーム照射領域を形成する第2のビーム照射工程とを実施して、前記基板上において前記第1のビーム照射領域のY方向の一部分と前記第2のビーム照射領域のY方向の一部分とを重ね合わせて、前記基板の全面にイオンビームを照射する方法であり、しかも前記イオンビームのY方向の前記一端付近のビーム電流密度分布を調整するビーム電流密度分布調整手段を用いて、前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布を平坦化することを特徴としている。
このイオンビーム照射方法によれば、基板上において第1のビーム照射領域のY方向の一部分と第2のビーム照射領域のY方向の一部分とを重ね合わせて基板の全面にイオンビームを照射するので、かつビーム電流密度分布調整手段を用いて前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布(例えばイオン注入の場合はドーズ量分布。以下同様)を平坦化するので、大型の基板に対してもその全面に均一性良くイオンビーム照射を行うことができる。
前記基板回転工程における前記基板の回転中心を、前記基板の中央に位置させても良い。
前記第1のビーム照射工程を実施する前に、当該第1のビーム照射工程で用いる前記イオンビームのY方向のビーム電流密度分布を測定し、当該測定したデータを用いて、前記第1のビーム照射工程と同じイオンビームを前記第2のビーム照射工程で用いた場合のY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションし、当該シミュレーションの結果に基づいて、前記合成のビーム電流密度分布の均一性が所定値よりも悪い場合に、当該均一性が所定値以上に良くなるように、前記ビーム電流密度分布調整手段を用いて、前記第1および第2のビーム照射工程で用いる前記イオンビームのY方向の前記一端付近のビーム電流密度分布を調整し、当該調整の後に前記第1および第2のビーム照射工程を実施するようにしても良い。
この発明に係るイオンビーム照射装置は、互いに直交する2方向をX方向およびY方向とすると、基板に、X方向の寸法よりもY方向の寸法が大きいリボン状のイオンビームを照射するイオンビーム照射装置であって、前記リボン状のイオンビームを発生させるイオンビーム発生装置と、前記イオンビームのY方向の一端が前記基板の面内に位置し他端が面外に位置する位置関係で、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させる機能および前記基板をその面内で回転させる機能を有している基板駆動装置と、前記基板駆動装置を制御して、(A)前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第1のビーム照射領域を形成する第1のビーム照射工程と、(B)前記イオンビームが前記基板に当たらない位置において、前記基板をその面内で180度回転させる基板回転工程と、(C)前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第2のビーム照射領域を形成する第2のビーム照射工程とを実施して、前記基板上において前記第1のビーム照射領域のY方向の一部分と前記第2のビーム照射領域のY方向の一部分とを重ね合わせて、前記基板の全面にイオンビームを照射する制御を行う機能を有している制御装置と、前記イオンビームのY方向の前記一端付近のビーム電流密度分布を調整して、前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布を平坦化するビーム電流密度分布調整手段とを備えていることを特徴としている。
請求項1、4に記載の発明によれば、基板上において第1のビーム照射領域のY方向の一部分と第2のビーム照射領域のY方向の一部分とを重ね合わせて基板の全面にイオンビームを照射するので、かつビーム電流密度分布調整手段を用いて前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布を平坦化するので、大型の基板に対してもその全面に均一性良くイオンビーム照射を行うことができる。
しかも、一つのイオンビームを二つのビーム照射工程で用いるので、イオンビーム発生装置が一つで済み、かつイオンビームのY方向の寸法をあまり大きくせずに済むので、当該イオンビーム発生装置をあまり大きくせずに済む。従って、イオンビーム照射装置をコンパクトなものにすることができる。
更に、前記重ね合わせ部分を分割帯に位置させる必要がないので、基板が分割帯を有していなくても良く、かつ分割帯とイオンビームとの位置合わせも不要である。
請求項2、5に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、基板をその中央に位置する回転中心を中心にして回転させるので、前記重ね合わせ部分のY方向の寸法が小さくて済み、その分イオンビームのY方向の寸法も小さくて済む。また、基板回転に必要なスペースも少なくて済む。従って、イオンビーム照射装置をよりコンパクトにすることができる。
請求項3、6に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、当該請求項に記載のようなシミュレーションを行って第1および第2のビーム照射工程で用いるイオンビームのビーム電流密度分布を調整するので、前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布をより確実に平坦化して、基板の全面により均一性良くイオンビーム照射を行うことができる。
この発明に係るイオンビーム照射方法を実施するイオンビーム照射装置の一例を示す概略側面図である。 リボン状のイオンビームの一例を部分的に示す概略斜視図である。 図1に示す装置を用いたイオンビーム照射方法の一例を説明する図であって、ビーム電流密度分布調整機構および基板をイオンビームの進行方向に見て示しており、図4に続く。 図1に示す装置を用いたイオンビーム照射方法の一例を説明する図であって、ビーム電流密度分布調整機構および基板をイオンビームの進行方向に見て示しており、図3から続く。 イオンビームのY方向の合成のビーム電流密度分布の一例を示す概略図である。 イオンビームのY方向の合成のビーム電流密度分布の他の例を示す概略図であり、(A)はビーム電流密度分布の調整前を示し、(B)は調整後を示す。
(1)第1の実施形態のイオンビーム照射方法および装置
図1に、この発明に係るイオンビーム照射方法を実施するイオンビーム照射装置の一例を示す。
以下の図においては、イオンビーム4の進行方向を常にZ方向とし、このZ方向に直交する平面内において互いに直交する2方向をX方向およびY方向としている。例えば、X方向およびZ方向は水平方向であり、Y方向は垂直方向である。またこの明細書において、イオンビーム4を構成するイオンは正イオンの場合を例に説明している。
図1、図2を参照して、このイオンビーム照射装置は、真空容器22内において、基板10に、X方向の寸法WX よりもY方向の寸法WY が大きいリボン状のイオンビーム4を照射して、基板10にイオン注入、イオンビーム配向処理等の処理を施すものである。
基板10は、処理対象となる材料の総称であり、例えば、ガラス基板、配向膜付ガラス基板、半導体基板、その他の基板である。その平面形状は、例えば四角形であるが、それに限られるものではない。
このイオンビーム照射装置は、この実施形態では、イオン源2、分析電磁石6、基板駆動装置14、ビームモニタ24、制御装置26およびビーム電流密度分布調整機構30を備えている。
イオン源2は、上記のようなリボン状のイオンビーム4を発生させるイオンビーム発生装置の一例である。このイオン源2から引き出されたイオンビーム4は、この実施形態では、分析電磁石6を通して運動量分析(例えば質量分離)が行われた後に基板10に照射されるが、運動量分析を行う必要がない場合は分析電磁石6を設けなくても良い。
イオンビーム4は、リボン状と言ってもX方向の寸法WX が紙や布のように薄いという意味ではない。例えば、イオンビーム4のX方向の寸法WX は30mm〜80mm程度、Y方向の寸法WY は、40cm〜80cm程度である。このイオンビーム4の大きい方の面、即ちYZ面に沿う面が主面4sである。
基板駆動装置14は、この実施形態では、図3、図4も参照して、上記イオンビーム4のY方向の一端4aが基板10の面内に位置し他端4bが面外に位置する位置関係で、矢印A、Cに示すように基板10をイオンビーム4の主面4sと交差する方向(例えばX方向)に直線的に往復移動させる機能、および、基板10をその面内で例えば矢印Bに示すように回転させる機能を有している。基板駆動装置14は、この例では、基板10をその中央(中心)に位置する回転中心11を中心にして回転させるものである。
より具体的には、基板駆動装置14はこの例では、基板10を保持するホルダ12と、基板10およびホルダ12を上記のように回転させる回転機構16と、基板10、ホルダ12および回転機構16を上記のように往復直線移動させる直進機構18とを備えている。直進機構18の移動は、真空容器22の底面内に設けられたガイド20によってガイドされる。この基板駆動装置14は、より具体的にはそれを構成する回転機構16および直進機構18は、この例では制御装置26によって制御される。但し、基板駆動装置14の上記構造はあくまでも一例であり、他の公知の構造を採用しても良い。
この実施形態は、基板駆動装置14によって基板10を立てた状態(例えば垂直に近い状態)で上記のように移動させながら基板10にイオンビーム4を照射するものである。そのようにすると、基板10の処理面にパーティクルが付着するのを抑えることができる。また、処理室のフットプリント(占有床面積)ひいてはイオンビーム照射装置全体のフットプリントを小さくすることができる。もっとも、上記のようにせずに、基板10を倒した状態(例えば水平状態)で上記のように移動させながら基板10にイオンビーム4を照射するようにしても良い。
ビーム電流密度分布調整機構30は、イオンビーム4のY方向の前記一端4a付近の(換言すれば一端4aを含む領域の)ビーム電流密度分布を調整するビーム電流密度分布調整手段の一例である。
ビーム電流密度分布調整機構30は、この例では、イオン源2と基板10との間(より具体的にはこの例では分析電磁石6と基板10との間)に設けられていて、イオンビーム4のY方向の一端4a付近を整形する可動のマスク32と、このマスク32を矢印Fで示すようにY方向の上下方向に往復直線駆動するマスク駆動装置34とを有している。このビーム電流密度分布調整機構30は、より具体的にはそれを構成するマスク駆動装置34は、この例では制御装置26によって制御される。
マスク32のイオンビーム4側の端部32aは斜めになっており、このマスク32によってイオンビーム4の一端4a付近を斜めに遮って斜めにカットして、イオンビーム4の一端4a付近のビーム電流密度分布を、例えば図3(B)に示すビーム電流密度分布J1 のように斜めに低下させることができる。このビーム電流密度分布J1 が斜めに低下している領域に対応するY方向の位置内に、基板10の回転中心11が位置するようにしている。この回転中心11のY方向の位置を符号Y11で表している。
上記マスク32の端部32aの形状や、マスク32のY方向の位置によって、イオンビーム4の一端4a付近のビーム電流密度分布を調整することができる。
なお、イオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布は、図3(B)に示すビーム電流密度分布J1 のように、基板10の面内に位置する部分は(但しマスク32によって整形される部分を除く)、できるだけ均一なものが好ましい。イオンビーム4の他端4b付近は、基板10の面外に位置していて基板10へのイオンビーム照射に利用されないので、他端4b付近のビーム電流密度分布は、あまり大事ではない。
ビームモニタ24は、上記イオンビーム4を受けて、基板10に照射されるイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布を測定するものである。例えば図3(B)に示すようなビーム電流密度分布J1 を測定する。このビームモニタ24による測定データは、この例では制御装置26に供給される。
ビームモニタ24は、基板10に近づけて配置して、基板10に近い位置でイオンビーム4を測定するのが好ましい。このビームモニタ24は、この例ではY方向に並設された複数のビーム検出器(例えばファラデーカップ)を有している多点ビームモニタであるが、それに限られるものではなく、例えば1個のビーム検出器がY方向に移動する構造のもの等でも良い。
制御装置26の機能については後述する。
次に、上記のようなイオンビーム照射装置を用いて実施するイオンビーム照射方法の第1の実施形態を、主として図3、図4を参照して説明する。図3および図4は、イオンビーム照射方法の一連の工程を、図1中のビーム電流密度分布調整機構30および基板10をイオンビーム4の進行方向(Z方向)に見て示すものである。両図は、一連の工程(A)〜(D)を示すものであるが、図面寸法の制限から別の図面にしている。一連の工程であることを分かりやすくするために、図3中のイオンビーム4よりも左側の部分を(A)、右側の部分を(B)、それに続く図4中のイオンビーム4よりも右側の部分を(C)、左側の部分を(D)としている。
まず、図3に示すように、イオンビーム4のY方向の一端4aが基板10の面内に位置し他端4bが面外に位置する位置関係で、図3(A)に示すイオンビーム照射前の基板10を、上記基板駆動装置14によって矢印Aで示すように、イオンビーム4の主面4sと交差する方向(この例ではX方向)に移動させながら基板10にイオンビーム4を照射して、基板10上にそのX方向の一端から他端にかけて第1のビーム照射領域41を形成する第1のビーム照射工程を実施する。これによって、図3(B)に示すような基板10が得られる。第1のビーム照射領域41は、図中にハッチングを付して示している。このハッチングは断面を表すものではない。図4中のビーム照射領域42も同様である。このビーム照射領域41は、図3(B)に示すようなビーム電流密度分布J1 のイオンビーム4を基板10に照射することによって形成されたものである。
なお、この第1のビーム照射工程において、必要とするイオンビーム照射量(例えばイオン注入の場合はドーズ量)に応じて、基板10をX方向に偶数回(例えば2回、4回等)移動させても良いし、奇数回(例えば1回、3回、5回等)移動させても良い。後述する第2のビーム照射工程においても同様である。より具体的には、第1のビーム照射工程前の基板10の位置と、第2のビーム照射工程後の基板10の位置とを同じにする場合は、第1のビーム照射工程で偶数回移動させるときは、第2のビーム照射工程でも第1の工程と同じ方向に偶数回移動させれば良い。第1のビーム照射工程で奇数回移動させるときは、第2のビーム照射工程でも第1の工程とは逆方向に奇数回移動させれば良い。
次に、図3(B)に示すように、イオンビーム4が基板10に当たらない位置において、上記基板駆動装置14の回転機構16によって矢印Bで示すように、基板10をその面内で180度回転させる基板回転工程を実施する。この例では基板10をその中央の回転中心11を中心にして回転させる。これによって、基板10は図4(C)に示すように上下反転した状態になり、そのビーム照射領域41はY方向の下側に来る。このビーム照射領域41の形成に用いられたビーム電流密度分布J1 も上下反転させて、図4(C)に二点鎖線で示している。
次に、図4(C)に示す基板10を、イオンビーム4のY方向の一端4aが基板10の面内に位置し他端4bが面外に位置する位置関係で、上記基板駆動装置14によってイオンビーム4の主面4sと交差する方向(この例ではX方向)に移動させながら、より具体的にはこの例では矢印Cで示すように、上記第1のビーム照射工程における移動方向と逆方向に移動させながら、基板10にイオンビーム4を照射して、基板10上にそのX方向の一端から他端にかけて第2のビーム照射領域42を形成する第2のビーム照射工程を実施する。これによって、図4(D)に示すような基板10が得られる。この基板10のビーム照射領域42は、図4(C)に示すようなビーム電流密度分布J2 (これはこの例ではビーム電流密度分布J1 と同じである)のイオンビーム4を基板10に照射することによって形成されたものである。
上記のようにして、基板10上において第1のビーム照射領域41のY方向の一部分と第2のビーム照射領域42のY方向の一部分とを重ね合わせて(その重ね合わせ部分を符号43で示す)、基板10の全面にイオンビーム4を照射する。
しかも、イオンビーム4の一端4a付近のビーム電流密度分布を調整する上記ビーム電流密度分布調整機構30を用いて、重ね合わせ部分43のイオンビーム照射量分布を平坦化する。即ち、重ね合わせ部分43とその両側のビーム照射領域41、42とで、イオンビーム照射量分布が均一になるようにする。そのようにした一例を図4(D)に示す。イオンビーム照射量分布D1 はビーム電流密度分布J1 のイオンビーム照射によって得られたものであり、イオンビーム照射量分布D2 はビーム電流密度分布J2 のイオンビーム照射によって得られたものであり、イオンビーム照射量分布D3 は両イオンビーム照射量分布D1 、D2 を合成したものである。イオンビーム照射量分布は、前述したようにイオン注入の場合はドーズ量分布である。
このイオンビーム照射方法によれば、基板10上において第1のビーム照射領域41のY方向の一部分と第2のビーム照射領域42のY方向の一部分とを重ね合わせて基板10の全面にイオンビーム4を照射するので、かつビーム電流密度分布調整機構30を用いて重ね合わせ部分43のイオンビーム照射量分布を平坦化するので、大型の基板10に対してもその全面に均一性良くイオンビーム照射を行うことができる。
しかも、上記特許文献2に記載の技術と違って、一つのイオンビーム4を二つのビーム照射工程で用いるので、イオンビーム発生装置の一例であるイオン源2が一つで済む。かつ、イオンビーム4のY方向の寸法をあまり大きくせずに済むので、即ち一つのイオンビームで基板10のY方向の全域を均一性良くカバーするほどにはイオンビーム4のY方向の寸法を大きくせずに済むので、イオン源2をあまり大きくせずに済む。従って、イオンビーム照射装置をコンパクトなものにすることができる。同様に、この実施例のように分析電磁石6を設ける場合も、分析電磁石6が一つで済み、かつ当該分析電磁石をあまり大きくせずに済む。従ってこの場合も、イオンビーム照射装置をコンパクトなものにすることができる。
更に、上記特許文献3に記載の技術と違って、重ね合わせ部分43を分割帯に位置させる必要がないので、基板10が分割帯を有していなくても良く、かつ分割帯とイオンビームとの位置合わせも不要である。
なお、基板10の回転中心11は、必ずしもこの実施例のように基板10の中央(中心)に位置させる必要はないけれども、この実施例のように基板10の中央に位置させると、基板10をその中央の回転中心11を中心にして回転させることになるので、重ね合わせ部分43のY方向の寸法が小さくて済み、その分イオンビーム4のY方向の寸法も小さくて済む。また、基板回転に必要なスペースも少なくて済む。従って、イオンビーム照射装置をよりコンパクトにすることができる。
この実施形態のイオンビーム照射装置を構成する制御装置26は、上記基板駆動装置14を制御して、上記第1のビーム照射工程と、上記基板回転工程と、上記第2のビーム照射工程とを実施して、基板10上において上記第1のビーム照射領域41のY方向の一部分と上記第2のビーム照射領域42のY方向の一部分とを重ね合わせて、基板10の全面にイオンビーム4を照射する制御を行う機能を有している。
従って、このような制御装置26、上記イオン源2、基板駆動装置14およびビーム電流密度分布調整機構30等を備えているこの実施形態のイオンビーム照射装置によれば、上記イオンビーム照射方法が奏する上記効果と同様の効果を奏する。
(2)第2の実施形態のイオンビーム照射方法および装置
第2の実施形態のイオンビーム照射方法および装置は、簡単に言えば、上記第1および第2のビーム照射工程の前に、または上記第1のビーム照射工程と第2のビーム照射工程との間に、イオンビーム4のY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションして、イオンビームのビーム電流密度分布を調整するものである。以下においては、上記第1の実施形態のイオンビーム照射方法および装置との相違点を主体に説明する。
この実施形態のイオンビーム照射方法では、上記第1のビーム照射工程を実施する前に、当該第1のビーム照射工程で用いるイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布を例えば上記ビームモニタ24を用いて測定し、当該測定したデータを用いて、上記第1のビーム照射工程と同じイオンビーム4を上記第2のビーム照射工程で用いた場合のY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションする。このシミュレーションは例えば制御装置26において行う。
これを図面を参照して説明すると、第1のビーム照射工程で用いるイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布の測定結果が例えば図5に示すビーム電流密度分布J1 (これは図3、図4に示すビーム電流密度分布J1 と同様のものである)の場合、このビーム電流密度分布J1 を、基板10の回転中心のY方向の位置Y11(図3、図4も参照)を中心に上下反転させたビーム電流密度分布J1rを求めて、このビーム電流密度分布J1rと上記ビーム電流密度分布J1 とを加算して得られる合成のビーム電流密度分布J3 を求める。上記ビーム電流密度分布J1rは、第2のビーム照射工程で用いることになるビーム電流密度分布を表しており、図4に示したビーム電流密度分布J2 に相当している。従って、上記合成のビーム電流密度分布J3 は、第1のビーム照射工程と同じイオンビーム4を第2のビーム照射工程で用いた場合のY方向の合成のビーム電流密度分布を表している。
そして、上記シミュレーションの結果に基づいて、上記合成のビーム電流密度分布J3 の均一性が所定値(例えば5%程度。以下同様)よりも悪い場合に、当該均一性が所定値以上に良くなるように、上記ビーム電流密度分布調整機構30を用いて、上記第1および第2のビーム照射工程で用いるイオンビーム4のY方向の上記一端4a付近のビーム電流密度分布を調整する。
例えば、図5に示すビーム電流密度分布J3 の場合は、均一性は所定値以上に良いので、調整の必要はない。合成のビーム電流密度分布J3 が、例えば図6(A)に示すように、上記重ね合わせ部分43に対応する部分46で大きくなっていて、ビーム電流密度分布J3 の均一性が所定値よりも悪い場合は、ビーム電流密度分布調整機構30のマスク32を、Y方向においてより多くイオンビーム4内に入る方向に(簡単に言えば図3、図4中の上方に)移動させる。
そのようにすると、イオンビーム4の一端4aがマスク32によってより大きくカットされるので、図6(B)に示すように、上記二つのビーム電流密度分布J1 、J1rが互いに重なる領域が小さくなり、ビーム電流密度分布が小さくなる。従って、マスク32の移動距離を調整することによって、例えば図6(B)に示すように、合成のビーム電流密度分布J3 の均一性を所定値以上に良くすることができる。
上記部分46のビーム電流密度が他よりも小さい場合は、上記とは逆にすれば良い。即ち、ビーム電流密度分布調整機構30のマスク32を、イオンビーム4内に入る程度が少なくなる方向に(簡単に言えば図3、図4中の下方に)移動させる。そのようにすると、イオンビーム4の一端4aがマスク32によってカットされる程度が少なくなるので、上記二つのビーム電流密度分布J1 、J1rが互いに重なる領域が大きくなり、ビーム電流密度分布が大きくなる。従って、マスク32の移動距離を調整することによって、合成のビーム電流密度分布J3 の均一性を所定値以上に良くすることができる。
そして、上記調整の後に、上記第1および第2のビーム照射工程、更には上記基板回転工程を実施する。
このイオンビーム照射方法によれば、上記のようなシミュレーションを行って第1および第2のビーム照射工程で用いるイオンビーム4のビーム電流密度分布を調整するので、上記重ね合わせ部分43のイオンビーム照射量分布をより確実に平坦化して、基板10の全面により均一性良くイオンビーム照射を行うことができる。
第2の実施形態のイオンビーム照射装置を構成する制御装置26は、第1の実施形態の場合の前述した機能に加えて更に、(a)上記第1のビーム照射工程を実施する前に、当該第1のビーム照射工程で用いるイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布を上記ビームモニタ24を用いて測定する機能と、(b)当該測定したデータを用いて、上記第1のビーム照射工程と同じイオンビーム4を上記第2のビーム照射工程で用いた場合のY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションする機能と、(c)当該シミュレーションの結果に基づいて、上記合成のビーム電流密度分布の均一性が所定値よりも悪い場合に、当該均一性が所定値以上に良くなるように、上記ビーム電流密度分布調整機構30を制御して、上記第1および第2のビーム照射工程で用いるイオンビーム4のY方向の上記一端4a付近のビーム電流密度分布を調整する機能と、(d)当該調整の後に上記第1および第2のビーム照射工程を実施する機能を有している。
従って、このような制御装置26、上記イオン源2、基板駆動装置14、ビームモニタ24およびビーム電流密度分布調整機構30等を備えているこの実施形態のイオンビーム照射装置によれば、上記第2の実施形態のイオンビーム照射方法が奏する上記効果と同様の効果を奏する。
なお、上記例とは違って、上記第1のビーム照射工程と第2のビーム照射工程との間に、イオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布のシミュレーションおよび調整を行っても良い。
その場合は、上記第1のビーム照射工程で用いたイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布の測定データを保存しておいて、上記第1のビーム照射工程の後で上記第2のビーム照射工程の前に(上記基板回転工程の前後は問わない)、上記保存しておいたデータを用いて、上記第1のビーム照射工程と同じイオンビーム4を上記第2のビーム照射工程で用いた場合のY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションする。そして、当該シミュレーションの結果に基づいて、上記合成のビーム電流密度分布の均一性が所定値よりも悪い場合に、当該均一性が所定値以上に良くなるように、上記ビーム電流密度分布調整機構30を用いて、上記第2のビーム照射工程で用いるイオンビーム4のY方向の上記一端4a付近のビーム電流密度分布を調整し、当該調整の後に上記第2のビーム照射工程を実施する。
この方法の場合も、上記のようなシミュレーションを行ってイオンビーム4のビーム電流密度分布を調整するので、上記重ね合わせ部分43のイオンビーム照射量分布をより確実に平坦化して、基板10の全面により均一性良くイオンビーム照射を行うことができる。
この場合の制御装置26は、上記第1のビーム照射工程と第2のビーム照射工程との間に、イオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布のシミュレーションおよび調整を行う機能を有しているものにすれば良い。
(3)その他の変形例
以下の変形例は、上記第1および第2の実施形態のイオンビーム照射方法および装置のいずれにも適用することができる。
イオンビーム4のY方向の一端4a付近のビーム電流密度分布を調整するビーム電流密度分布調整手段として、上記ビーム電流密度分布調整機構30の代わりに、またはそれと併用して、例えば上記特許文献1に記載されているような公知のビーム電流密度分布調整手段を用いても良い。即ち、ビーム電流密度分布調整手段は、(a)イオン源2を、Y方向に複数のフィラメントを有するマルチフィラメント型のイオン源として、その各フィラメントに流すフィラメント電流を制御するという手段でも良いし、(b)イオンビーム4の経路に、イオンビーム4の長手方向Yにおけるビーム電流密度分布を制御する電界レンズや磁界レンズ等のレンズ手段を設けておいてそれを制御するという手段でも良い。あるいは、(c)イオンビーム4の経路に、特開2007−172927号公報に記載されているような、イオンビーム4を遮るための複数の可動遮蔽板を設けておいてそれを制御するという手段でも良い。このようなビーム電流密度分布調整手段も、例えば上記制御装置26によって制御される。
イオンビーム発生装置は、上記イオン源2に限られるものではなく、他の構成のものでも良い。例えば、比較的小さなイオン源から扇状に広がる(発散する)イオンビームを引き出し、そのイオンビームを発散途中で必要に応じて分析電磁石を通して質量分離を行った後に、ビーム平行化器(例えば4重極子デバイス、ビーム平行化マグネット等)によって平行ビーム化してリボン状のイオンビームにした後に基板10に照射する構成のものでも良い(例えば特開2006−139996号公報参照)。
2 イオン源(イオンビーム発生装置)
4 イオンビーム
10 基板
11 回転中心
14 基板駆動装置
24 ビームモニタ
26 制御装置
30 ビーム電流密度分布調整機構
41 第1のビーム照射領域
42 第2のビーム照射領域
43 重ね合わせ部分

Claims (6)

  1. 互いに直交する2方向をX方向およびY方向とすると、基板に、X方向の寸法よりもY方向の寸法が大きいリボン状のイオンビームを照射するイオンビーム照射方法であって、
    前記イオンビームのY方向の一端が前記基板の面内に位置し他端が面外に位置する位置関係で、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第1のビーム照射領域を形成する第1のビーム照射工程と、
    前記イオンビームが前記基板に当たらない位置において、前記基板をその面内で180度回転させる基板回転工程と、
    前記イオンビームのY方向の一端が前記基板の面内に位置し他端が面外に位置する位置関係で、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第2のビーム照射領域を形成する第2のビーム照射工程とを実施して、
    前記基板上において前記第1のビーム照射領域のY方向の一部分と前記第2のビーム照射領域のY方向の一部分とを重ね合わせて、前記基板の全面にイオンビームを照射する方法であり、
    しかも前記イオンビームのY方向の前記一端付近のビーム電流密度分布を調整するビーム電流密度分布調整手段を用いて、前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布を平坦化することを特徴とするイオンビーム照射方法。
  2. 前記基板回転工程における前記基板の回転中心を、前記基板の中央に位置させる請求項1記載のイオンビーム照射方法。
  3. 前記第1のビーム照射工程を実施する前に、当該第1のビーム照射工程で用いる前記イオンビームのY方向のビーム電流密度分布を測定し、
    当該測定したデータを用いて、前記第1のビーム照射工程と同じイオンビームを前記第2のビーム照射工程で用いた場合のY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションし、
    当該シミュレーションの結果に基づいて、前記合成のビーム電流密度分布の均一性が所定値よりも悪い場合に、当該均一性が所定値以上に良くなるように、前記ビーム電流密度分布調整手段を用いて、前記第1および第2のビーム照射工程で用いる前記イオンビームのY方向の前記一端付近のビーム電流密度分布を調整し、
    当該調整の後に前記第1および第2のビーム照射工程を実施する請求項1または2記載のイオンビーム照射方法。
  4. 互いに直交する2方向をX方向およびY方向とすると、基板に、X方向の寸法よりもY方向の寸法が大きいリボン状のイオンビームを照射するイオンビーム照射装置であって、
    前記リボン状のイオンビームを発生させるイオンビーム発生装置と、
    前記イオンビームのY方向の一端が前記基板の面内に位置し他端が面外に位置する位置関係で、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させる機能および前記基板をその面内で回転させる機能を有している基板駆動装置と、
    前記基板駆動装置を制御して、(A)前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第1のビーム照射領域を形成する第1のビーム照射工程と、(B)前記イオンビームが前記基板に当たらない位置において、前記基板をその面内で180度回転させる基板回転工程と、(C)前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第2のビーム照射領域を形成する第2のビーム照射工程とを実施して、前記基板上において前記第1のビーム照射領域のY方向の一部分と前記第2のビーム照射領域のY方向の一部分とを重ね合わせて、前記基板の全面にイオンビームを照射する制御を行う機能を有している制御装置と、
    前記イオンビームのY方向の前記一端付近のビーム電流密度分布を調整して、前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布を平坦化するビーム電流密度分布調整手段とを備えていることを特徴とするイオンビーム照射装置。
  5. 前記基板駆動装置は、前記基板を当該基板の中央に位置する回転中心を中心にして回転させるものである請求項4記載のイオンビーム照射装置。
  6. 前記基板に照射される前記イオンビームのY方向のビーム電流密度分布を測定するビームモニタを更に備えており、
    前記制御装置は更に、(a)前記第1のビーム照射工程を実施する前に、当該第1のビーム照射工程で用いる前記イオンビームのY方向のビーム電流密度分布を前記ビームモニタを用いて測定する機能と、(b)当該測定したデータを用いて、前記第1のビーム照射工程と同じイオンビームを前記第2のビーム照射工程で用いた場合のY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションする機能と、(c)当該シミュレーションの結果に基づいて、前記合成のビーム電流密度分布の均一性が所定値よりも悪い場合に、当該均一性が所定値以上に良くなるように、前記ビーム電流密度分布調整手段を用いて、前記第1および第2のビーム照射工程で用いる前記イオンビームのY方向の前記一端付近のビーム電流密度分布を調整する機能と、(d)当該調整の後に前記第1および第2のビーム照射工程を実施する機能とを有している請求項4または5記載のイオンビーム照射装置。
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JP2021026870A (ja) * 2019-08-02 2021-02-22 日新イオン機器株式会社 ビームプロファイルの判定方法およびイオンビーム照射装置

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