JP2011165454A - イオンビーム照射方法およびイオンビーム照射装置 - Google Patents

イオンビーム照射方法およびイオンビーム照射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 大型の基板に対してもその全面に均一性良くイオンビーム照射を行うことができ、かつ装置をコンパクトなものにすることができ、しかも基板が分割帯を有していなくても良いイオンビーム照射方法および装置を提供する。
【解決手段】 このイオンビーム照射方法は、電磁石装置50を用いて、イオンビーム4を第1の位置4aに切り換えておいて、基板10をイオンビーム4の主面5と交差する方向に移動させながらイオンビームを照射して基板上に第1のビーム照射領域を形成する第1のビーム照射工程と、イオンビーム4を第2の位置4bに切り換えておいて、同様にして基板10上に第2のビーム照射領域を形成する第2のビーム照射工程とを実施して、基板10上において両ビーム照射領域の一部分を互いに重ね合わせて、基板の全面にイオンビーム4を照射する。かつ重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布をビーム電流密度分布調整機構30を用いて平坦化する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、基板(例えばフラットパネルディスプレイ用のガラス基板等)にイオンビームを照射して、基板に例えばイオン注入、イオンビーム配向処理等の処理を施すイオンビーム照射方法および装置に関し、より具体的には、基板にリボン状(これはシート状または帯状と呼ばれることもある。以下同様)のイオンビームを照射することと、基板をイオンビームの主面と交差する方向に移動させることとを併用する方式のイオンビーム照射方法および装置に関する。このイオンビーム照射方法および装置は、基板にイオン注入を行う場合は、イオン注入方法および装置とも呼ばれる。
リボン状のイオンビームと基板駆動とを併用して、基板の全面にイオンビーム照射を行うイオンビーム照射装置が従来から幾つか提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特許文献1に記載のイオンビーム照射装置は、イオン源から長辺方向(換言すれば長手方向。以下同様)の寸法が、基板の対応する辺の寸法よりも大きいリボン状のイオンビームを引き出し、そのイオンビームを長ギャップ長の分析電磁石を通して質量分離を行った後に基板に照射し、かつ基板をイオンビームの主面と交差する方向に駆動し、それによって基板の全面にイオン注入を行うものである。
特許文献2に記載のイオンビーム照射装置は、2組のイオン源および分析電磁石等を、二つのリボン状のイオンビームの位置がその長辺方向において部分的に重なるように上下段違いに配置して、基板に照射されるイオンビームの長辺方向の寸法を、等価的に、各イオン源から引き出したイオンビーム単独の場合よりも大きくして、基板の大型化に対応することができるようにしたものである。
特許文献3に記載のイオンビーム照射装置は、長辺方向の寸法が基板の対応する辺の寸法よりも小さいリボン状のイオンビームを用いて、かつ基板の駆動(走査)に加えて、当該駆動方向と直交する方向に基板の位置を変えることおよび基板を回転させることの少なくとも一方を用いて、基板に複数回イオンビーム照射を行い、それによって複数のビーム照射領域を連ねて、基板の全面にイオンビーム照射を行うものである。この装置で扱う基板の面内には、所定の処理パターンの繰り返しの単位である複数のセルが分割帯を挟んで形成されており、この分割帯に、前記複数のビーム照射領域を連ねる部分を位置させる。
特開2005−327713号公報(図1−図4) 特開2009−152002号公報(図3) 特開2009−134923号公報(図7−図21)
例えばフラットパネルディスプレイの生産性を高める等のために、基板は大型化する傾向にあるけれども、特許文献1に記載のイオンビーム照射装置では、イオン源のサイズでイオンビームの大きさ(長さ)が決まってしまうので、基板の大型化に対応するためには、イオン源を大きくしなければならないという課題がある。分析電磁石を設ける場合は、それも大きくしなければならない。その結果、イオンビーム照射装置全体が大型化すると共に、構造も複雑になる。大型化すると、イオンビーム照射装置を所定の設置場所に設置することが困難になる場合も生じる。
特許文献2に記載のイオンビーム照射装置は、基板の大型化に対応することができるけれども、2組のイオン源および分析電磁石等を上下段違いに配置した構造であるので、その分、イオンビーム照射装置全体が大型化すると共に、構造も複雑になるという課題がある。
特許文献3に記載のイオンビーム照射装置は、基板の大型化に対応することができるけれども、セル間の分割帯を利用するために、分割帯を有する基板にしか適用することができないという課題がある。また、基板の駆動(走査)以外に、当該駆動方向と直交する方向に基板の位置を変えることおよび基板を回転させることの少なくとも一方を行う必要があるので、基板駆動装置の構造が複雑になるという課題もある。
そこでこの発明は、大型の基板に対してもその全面に均一性良くイオンビーム照射を行うことができ、かつ装置をコンパクトなものにすることができ、しかも基板が分割帯を有していなくても良いイオンビーム照射方法および装置を提供することを主たる目的としている。
この発明に係るイオンビーム照射方法は、互いに直交する2方向をX方向およびY方向とすると、基板に、X方向の寸法よりもY方向の寸法が大きいリボン状のイオンビームを照射するイオンビーム照射方法であって、前記イオンビームの経路に互いに直列に配置されていて前記イオンビームをY方向において互いに逆方向に曲げる第1および第2の電磁石を有していて、両電磁石に供給する励磁電流を共に反転させることによって、リボン状の形状を保ったまま前記イオンビームのY方向の位置を、第1の位置および第2の位置の2位置に、しかも当該2位置のイオンビームのY方向の端部付近が互いに重なる位置に切り換える電磁石装置を用いて、前記電磁石装置によって前記イオンビームを前記第1の位置に切り換えておいて、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第1のビーム照射領域を形成する第1のビーム照射工程と、前記電磁石装置によって前記イオンビームを前記第2の位置に切り換えておいて、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第2のビーム照射領域を形成する第2のビーム照射工程とを実施して、前記基板上において前記第1のビーム照射領域のY方向の端部付近と前記第2のビーム照射領域のY方向の端部付近とを重ね合わせて、前記基板の全面にイオンビームを照射する方法であり、しかも前記2位置に切り換えられる前記イオンビームが互いに重なる部分のY方向のビーム電流密度分布を調整するビーム電流密度分布調整手段を用いて、前記第1および第2のビーム照射領域の前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布を平坦化することを特徴としている。
このイオンビーム照射方法によれば、基板上において第1のビーム照射領域のY方向の端部付近と第2のビーム照射領域のY方向の端部付近とを重ね合わせて基板の全面にイオンビームを照射するので、かつビーム電流密度分布調整手段を用いて前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布(例えばイオン注入の場合はドーズ量分布。以下同様)を平坦化するので、大型の基板に対してもその全面に均一性良くイオンビーム照射を行うことができる。
前記第1および第2のビーム照射工程を実施する前に、前記第1の位置の前記イオンビームのY方向のビーム電流密度分布と前記第2の位置の前記イオンビームのY方向のビーム電流密度分布とを測定し、当該測定したデータを用いて、前記第1および第2の位置のイオンビームのY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションし、当該シミュレーションの結果に基づいて、前記合成のビーム電流密度分布の均一性が所定値よりも悪い場合に、当該均一性が所定値以上に良くなるように、前記ビーム電流密度分布調整手段を用いて、前記2位置に切り換えられる前記イオンビームが互いに重なる部分のY方向のビーム電流密度分布を調整し、当該調整の後に前記第1および第2のビーム照射工程を実施するようにしても良い。
この発明に係るイオンビーム照射装置は、互いに直交する2方向をX方向およびY方向とすると、基板に、X方向の寸法よりもY方向の寸法が大きいリボン状のイオンビームを照射するイオンビーム照射装置であって、前記リボン状のイオンビームを発生させるイオンビーム発生装置と、前記イオンビーム発生装置からの前記イオンビームの経路に互いに直列に配置されていて前記イオンビームをY方向において互いに逆方向に曲げる第1および第2の電磁石を有していて、両電磁石に供給する励磁電流を共に反転させることによって、リボン状の形状を保ったまま前記イオンビームのY方向の位置を、第1の位置および第2の位置の2位置に、しかも当該2位置のイオンビームのY方向の端部付近が互いに重なる位置に切り換える電磁石装置と、前記基板を保持して当該基板を前記電磁石装置の下流側において前記リボン状のイオンビームの主面と交差する方向に移動させる基板駆動装置と、前記電磁石装置および前記基板駆動装置を制御して、(A)前記イオンビームを前記第1の位置に切り換えておいて、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第1のビーム照射領域を形成する第1のビーム照射工程と、(B)前記イオンビームを前記第2の位置に切り換えておいて、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第2のビーム照射領域を形成する第2のビーム照射工程とを実施して、前記基板上において前記第1のビーム照射領域のY方向の端部付近と前記第2のビーム照射領域のY方向の端部付近とを重ね合わせて、前記基板の全面にイオンビームを照射する制御を行う機能を有している制御装置と、前記2位置に切り換えられる前記イオンビームが互いに重なる部分のY方向のビーム電流密度分布を調整して、前記第1および第2のビーム照射領域の前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布を平坦化するビーム電流密度分布調整手段とを備えていることを特徴としている。
請求項1、3に記載の発明によれば、基板上において第1のビーム照射領域のY方向の端部付近と第2のビーム照射領域のY方向の端部付近とを重ね合わせて基板の全面にイオンビームを照射するので、かつビーム電流密度分布調整手段を用いて前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布を平坦化するので、大型の基板に対してもその全面に均一性良くイオンビーム照射を行うことができる。
しかも、一つのイオンビームを電磁石装置によって切り換えて二つのビーム照射工程で用いるので、イオンビーム発生装置が一つで済み、かつイオンビームのY方向の寸法をあまり大きくせずに済むので、当該イオンビーム発生装置をあまり大きくせずに済む。従って、イオンビーム照射装置をコンパクトなものにすることができる。
また、基板の駆動に関しては、基板をイオンビームの主面と交差する方向に移動させるだけで良いので、基板駆動装置の構成を簡素化することができる。
更に、前記重ね合わせ部分を分割帯に位置させる必要がないので、基板が分割帯を有していなくても良く、かつ分割帯とイオンビームとの位置合わせも不要である。
請求項2、4に記載の発明によれば次の更なる効果を奏する。即ち、当該請求項に記載のようなシミュレーションを行って第1および第2のビーム照射工程で用いるイオンビームのビーム電流密度分布を調整するので、前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布をより確実に平坦化して、基板の全面により均一性良くイオンビーム照射を行うことができる。
この発明に係るイオンビーム照射方法を実施するイオンビーム照射装置の一例を示す概略側面図である。 リボン状のイオンビームの一例を部分的に示す概略斜視図である。 図1中のイオンビーム、ビーム電流密度分布調整機構および基板をイオンビームの進行方向に見て示す図である。 図1に示す装置を用いたイオンビーム照射方法の一例を説明する図であり、(A)は第1のビーム照射工程後の基板およびそのイオンビーム照射量分布を示し、(B)は第2のビーム照射工程後の基板およびそのイオンビーム照射量分布を示す。 イオンビームのY方向の合成のビーム電流密度分布の一例を示す概略図である。 イオンビームのY方向の合成のビーム電流密度分布の他の例を示す概略図であり、(A)はビーム電流密度分布の調整前を示し、(B)は調整後を示す。
(1)第1の実施形態のイオンビーム照射方法および装置
図1に、この発明に係るイオンビーム照射方法を実施するイオンビーム照射装置の一例を示す。
以下の図においては、イオンビーム4の進行方向を常にZ方向とし、このZ方向に直交する平面内において互いに直交する2方向をX方向およびY方向としている。例えば、X方向およびZ方向は水平方向であり、Y方向は垂直方向である。またこの明細書において、イオンビーム4を構成するイオンは正イオンの場合を例に説明している。
図1、図2を参照して、このイオンビーム照射装置は、真空容器22内において、基板10に、X方向の寸法WX よりもY方向の寸法WY が大きいリボン状のイオンビーム4を照射して、基板10にイオン注入、イオンビーム配向処理等の処理を施すものである。
基板10は、処理対象となる材料の総称であり、例えば、ガラス基板、配向膜付ガラス基板、半導体基板、その他の基板である。その平面形状は、例えば四角形であるが、それに限られるものではない。
このイオンビーム照射装置は、この実施形態では、イオン源2、分析電磁石6、基板駆動装置14、ビームモニタ24、制御装置26、ビーム電流密度分布調整機構30および電磁石装置50を備えている。
イオン源2は、上記のようなリボン状のイオンビーム4を発生させるイオンビーム発生装置の一例である。このイオン源2から発生させるイオンビーム4のY方向の寸法WY は、基板10のY方向の寸法よりも小さくて良い。このイオン源2から引き出されたイオンビーム4は、この実施形態では、分析電磁石6を通して運動量分析(例えば質量分離)が行われた後に基板10に照射されるが、運動量分析を行う必要がない場合は分析電磁石6を設けなくても良い。
イオンビーム4は、リボン状と言ってもX方向の寸法WX が紙や布のように薄いという意味ではない。例えば、イオンビーム4のX方向の寸法WX は30mm〜80mm程度、Y方向の寸法WY は、40cm〜80cm程度である。このイオンビーム4の大きい方の面、即ちYZ面に沿う面が主面5である。
電磁石装置50は、上記イオン源2(分析電磁石6を設ける場合はそれ)からのイオンビーム4の経路に互いに直列に配置されていてイオンビーム4をY方向において互いに逆方向に曲げる第1の電磁石51および第2の電磁石52と、両電磁石51、52に励磁電流をそれぞれ供給する直流電源53とを有している。両電磁石51、52はコイルをそれぞれ有しているが、ここでは図示を簡略化するためにコイルの図示を省略している。
直流電源53から両電磁石51、52に供給する励磁電流の向きを共に反転させることによって、リボン状の形状を保ったままイオンビーム4のY方向の位置を、第1の位置4a(この例では図1、図3中に実線で示すようにY方向の上側)および第2の位置4b(この例では図1、図3中に二点鎖線で示すようにY方向の下側)の2位置に、しかも当該2位置4a、4bのイオンビーム4のY方向の端部付近が互いに重なる(その重なる部分を符号4cで示す)位置に切り換える。
即ち、イオンビーム4を第1の位置4aに切り換えるときは、両電磁石51、52はイオンビーム4の経路に互いに逆向きの磁界B11、B21をそれぞれ発生させ、イオンビーム4を第2の位置4bに切り換えるときは、両電磁石51、52はイオンビーム4の経路に上記とは反対方向の磁界B12、B22(両磁界B12、B22は互いに逆向き)をそれぞれ発生させる。それによって、第1の位置4aのイオンビーム4のY方向の下端付近と、第2の位置4bのイオンビーム4のY方向の上端付近とが互いに重なるように、イオンビーム4を上記2位置に切り換える。上記イオンビーム4の重なる部分4cのY方向の中心位置を符号Yc で表している。
基板駆動装置14は、上記電磁石装置50の下流側に設けられている。この基板駆動装置14は、この実施形態では、図3も参照して、上記基板10を保持して当該基板10を電磁石装置50の下流側において、矢印A、Cで示すように、上記リボン状のイオンビーム4の主面5と交差する方向(例えばX方向)に直線的に往復移動させるものである。基板10は、イオンビーム4の上記重なる部分4cが基板10の面内に(例えばY方向の中央付近に)位置するように保持される。
より具体的には、基板駆動装置14はこの例では、基板10を上記位置に保持するホルダ12と、基板10およびホルダ12を上記のように往復直線移動させる直進機構18とを備えている。直進機構18の移動は、真空容器22の底面内に設けられたガイド20によってガイドされる。この基板駆動装置14は、より具体的にはそれを構成する直進機構18は、この例では制御装置26によって制御される。但し、基板駆動装置14の上記構造はあくまでも一例であり、他の公知の構造を採用しても良い。
この実施形態は、基板駆動装置14によって基板10を立てた状態(例えば垂直に近い状態)で上記のように移動させながら基板10にイオンビーム4を照射するものである。そのようにすると、基板10の処理面にパーティクルが付着するのを抑えることができる。また、処理室のフットプリント(占有床面積)ひいてはイオンビーム照射装置全体のフットプリントを小さくすることができる。もっとも、上記のようにせずに、基板10を倒した状態(例えば水平状態)で上記のように移動させながら基板10にイオンビーム4を照射するようにしても良い。
ビーム電流密度分布調整機構30は、上記2位置に切り換えられるイオンビーム4が互いに重なる部分4cのY方向のビーム電流密度分布を調整するビーム電流密度分布調整手段の一例である。
ビーム電流密度分布調整機構30は、図3も参照して、この例では、電磁石装置50と基板10との間に設けられていて、イオンビーム4の上記重なる部分4c付近を整形する可動のマスク32と、このマスク32を矢印Fで示すようにX方向に(即ちイオンビーム4の重なる部分4cに対して出し入れする方向に)往復直線駆動するマスク駆動装置34とを有している。このビーム電流密度分布調整機構30は、より具体的にはそれを構成するマスク駆動装置34は、この例では制御装置26によって制御される。
マスク32は、この例では、イオンビーム4側が尖った三角形をしており、このマスク32によってイオンビーム4の重なる部分4c付近を遮って斜めにカットして、イオンビーム4の重なる部分4cのY方向のビーム電流密度分布を、例えば図1に示すビーム電流密度分布J1 、J2 のように斜めに低下させることができる。実線で示すビーム電流密度分布J1 は上記第1の位置4aのイオンビーム4のもの、二点鎖線で示すビーム電流密度分布J2 は上記第2の位置4bのイオンビーム4のものである。
上記マスク32の形状や、マスク32のX方向の位置によって、イオンビーム4の重なる部分4cのビーム電流密度分布を調整することができる。
ビーム電流密度分布調整機構30は、上記例を更に発展させて、マスク32をY方向の上下二つに分割してその各々をマスク駆動装置によってX方向にそれぞれ駆動する構成を採用しても良い。更に、マスク32をX方向に加えてY方向にも駆動させる構成を採用しても良い。
なお、イオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布は、図1に示すビーム電流密度分布J1 、J2 のように、基板10の面内に位置する部分は(但しマスク32によって整形される部分を除く)、できるだけ均一なものが好ましい。
ビームモニタ24は、上記2位置4a、4bのイオンビーム4を受けて、基板10に照射される上記2位置4a、4bのイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布を測定するものである。例えば図1に示すようなビーム電流密度分布J1 、J2 を測定する。このビームモニタ24による測定データは、この例では制御装置26に供給される。
ビームモニタ24は、基板10に近づけて配置して、基板10に近い位置でイオンビーム4を測定するのが好ましい。このビームモニタ24は、この例ではY方向に並設された複数のビーム検出器(例えばファラデーカップ)を有している多点ビームモニタであるが、それに限られるものではなく、例えば1個のビーム検出器がY方向に移動する構造のもの等でも良い。
制御装置26の機能については後述する。
次に、上記のようなイオンビーム照射装置を用いて実施するイオンビーム照射方法の第1の実施形態を、図1〜図4を参照して説明する。
まず、電磁石装置50によってイオンビーム4を第1の位置4aに切り換えておいて、基板駆動装置14によって基板10を例えば矢印Aで示すようにイオンビーム4の主面5と交差する方向(この例ではX方向)に移動させながら基板10にイオンビーム4を照射して、基板10上にそのX方向の一端から他端にかけて第1のビーム照射領域41を形成する第1のビーム照射工程を実施する。これによって、図4(A)に示すような基板10が得られる。第1のビーム照射領域41は、図中にハッチングを付して示している。このハッチングは断面を表すものではない(ビーム照射領域42も同様である)。このビーム照射領域41は、図1に示すようなビーム電流密度分布J1 のイオンビーム4を基板10に照射することによって形成されたものであり、このビーム照射領域41のイオンビーム照射量分布D1 を図4(A)中に示している。
なお、この第1のビーム照射工程において、必要とするイオンビーム照射量(例えばイオン注入の場合はドーズ量)に応じて、基板10をX方向に偶数回(例えば2回、4回等)移動させても良いし、奇数回(例えば1回、3回、5回等)移動させても良い。後述する第2のビーム照射工程においても同様である。より具体的には、第1のビーム照射工程前の基板10の位置と、第2のビーム照射工程後の基板10の位置とを同じにする場合は、第1のビーム照射工程で偶数回移動させるときは、第2のビーム照射工程でも第1の工程と同じ方向に偶数回移動させれば良い。第1のビーム照射工程で奇数回移動させるときは、第2のビーム照射工程でも第1の工程とは逆方向に奇数回移動させれば良い。
次に、電磁石装置50によってイオンビーム4を第2の位置4bに切り換えておいて、基板駆動装置14によって基板10を例えば矢印Cで示すようにイオンビーム4の主面5と交差する方向(この例ではX方向)に移動させながら基板10にイオンビーム4を照射して、基板10上にそのX方向の一端から他端にかけて第2のビーム照射領域42を形成する第2のビーム照射工程を実施する。これによって、図4(B)に示すような基板10が得られる。この基板10のビーム照射領域42は、図1に示すようなビーム電流密度分布J2 のイオンビーム4を基板10に照射することによって形成されたものであり、このビーム照射領域42のイオンビーム照射量分布D2 を図4(B)中に示している。
上記のようにして、基板10上において第1のビーム照射領域41のY方向の一部分(即ち端部付近)と第2のビーム照射領域42のY方向の一部分(即ち端部付近)とを重ね合わせて(その重ね合わせ部分を符号43で示す)、基板10の全面にイオンビーム4を照射する。この重ね合わせ部分43と、イオンビーム2の上記重なる部分4cとは対応している。
かつ、イオンビーム4の上記重なる部分4cのビーム電流密度分布を調整する上記ビーム電流密度分布調整機構30を用いて、重ね合わせ部分43のイオンビーム照射量分布を平坦化する。即ち、重ね合わせ部分43とその両側のビーム照射領域41、42とで、イオンビーム照射量分布が均一になるようにする。そのようにした一例を図4(B)に示す。イオンビーム照射量分布D1 はビーム電流密度分布J1 のイオンビーム照射によって得られたものであり、イオンビーム照射量分布D2 はビーム電流密度分布J2 のイオンビーム照射によって得られたものであり、イオンビーム照射量分布D3 は両イオンビーム照射量分布D1 、D2 を合成したものである。イオンビーム照射量分布は、前述したようにイオン注入の場合はドーズ量分布である。
このイオンビーム照射方法によれば、基板10上において第1のビーム照射領域41のY方向の端部付近と第2のビーム照射領域42のY方向の端部付近とを重ね合わせて基板10の全面にイオンビーム4を照射するので、かつビーム電流密度分布調整機構30を用いて重ね合わせ部分43のイオンビーム照射量分布を平坦化するので、大型の基板10に対してもその全面に均一性良くイオンビーム照射を行うことができる。
しかも、上記特許文献2に記載の技術と違って、一つのイオンビーム4を電磁石装置50によって切り換えて二つのビーム照射工程で用いるので、イオンビーム発生装置の一例であるイオン源2が一つで済む。かつ、イオン源2から引き出すイオンビーム4のY方向の寸法をあまり大きくせずに済むので、即ち一つのイオンビームで基板10のY方向の全域を均一性良くカバーするほどにはイオンビーム4のY方向の寸法を大きくせずに済むので、イオン源2をあまり大きくせずに済む。従って、イオンビーム照射装置をコンパクトなものにすることができる。同様に、この実施例のように分析電磁石6を設ける場合も、分析電磁石6が一つで済み、かつ当該分析電磁石をあまり大きくせずに済む。従ってこの場合も、イオンビーム照射装置をコンパクトなものにすることができる。
また、基板10の駆動に関しては、上記特許文献3に記載の技術と違って、基板10をイオンビーム4の主面5と交差する方向に移動させるだけで良いので、基板駆動装置14の構成を簡素化することができる。
更に、上記特許文献3に記載の技術と違って、重ね合わせ部分43を分割帯に位置させる必要がないので、基板10が分割帯を有していなくても良く、かつ分割帯とイオンビームとの位置合わせも不要である。
この実施形態のイオンビーム照射装置を構成する制御装置26は、上記電磁石装置50および基板駆動装置14を制御して、上記第1のビーム照射工程と上記第2のビーム照射工程とを実施して、基板10上において上記第1のビーム照射領域41のY方向の端部付近と上記第2のビーム照射領域42のY方向の端部付近とを重ね合わせて、基板10の全面にイオンビーム4を照射する制御を行う機能を有している。
従って、このような制御装置26、上記イオン源2、電磁石装置50、基板駆動装置14およびビーム電流密度分布調整機構30等を備えているこの実施形態のイオンビーム照射装置によれば、上記イオンビーム照射方法が奏する上記効果と同様の効果を奏する。
(2)第2の実施形態のイオンビーム照射方法および装置
第2の実施形態のイオンビーム照射方法および装置は、簡単に言えば、上記第1および第2のビーム照射工程の前に、または上記第1のビーム照射工程と第2のビーム照射工程との間に、イオンビーム4のY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションして、イオンビームのビーム電流密度分布を調整するものである。以下においては、上記第1の実施形態のイオンビーム照射方法および装置との相違点を主体に説明する。
この実施形態のイオンビーム照射方法では、上記第1および第2のビーム照射工程を実施する前に、上記第1の位置4aのイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布と上記第2の位置4bのイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布とを例えば上記ビームモニタ24を用いて測定し、当該測定したデータを用いて、上記第1および第2の位置4a、4bのイオンビーム4のY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションする。このシミュレーションは例えば制御装置26において行う。
これを図面を参照して説明すると、第1、第2のビーム照射工程で用いるイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布の測定結果が、それぞれ、例えば図5に示すビーム電流密度分布J1 、J2 (これは図1に示すビーム電流密度分布J1 、J2 と同様のものである)であるとすると、両ビーム電流密度分布J1 、J2 を加算して得られる合成のビーム電流密度分布J3 を求める。これが上記シミュレーションである。
そして、上記シミュレーションの結果に基づいて、上記合成のビーム電流密度分布J3 の均一性が所定値(例えば5%程度。以下同様)よりも悪い場合に、当該均一性が所定値以上に良くなるように、上記ビーム電流密度分布調整機構30を用いて、上記イオンビーム4が重なる部分4cのY方向のビーム電流密度分布を調整する。
例えば、図5に示すビーム電流密度分布J3 の場合は、均一性は所定値以上に良いので、調整の必要はない。合成のビーム電流密度分布J3 が、例えば図6(A)に示すように、上記重なる部分4cで大きくなっていて、ビーム電流密度分布J3 の均一性が所定値よりも悪い場合は、ビーム電流密度分布調整機構30のマスク32を、X方向においてより多くイオンビーム4内に入る方向に(簡単に言えば図3中の左方向に)移動させる。
そのようにすると、イオンビーム4の重なる部分4c付近がマスク32によってより大きくカットされるので、図6(B)に示すように、上記二つのビーム電流密度分布J1 、J2 が互いに重なる領域が小さくなり、ビーム電流密度分布が小さくなる。従って、マスク32の移動距離を調整することによって、例えば図6(B)に示すように、合成のビーム電流密度分布J3 の均一性を所定値以上に良くすることができる。
上記重なる部分4cのビーム電流密度が他よりも小さい場合は、上記とは逆にすれば良い。即ち、ビーム電流密度分布調整機構30のマスク32を、イオンビーム4内に入る程度が少なくなる方向に(簡単に言えば図3中の右方向に)移動させる。そのようにすると、イオンビーム4の重なる部分4c付近がマスク32によってカットされる程度が少なくなるので、上記二つのビーム電流密度分布J1 、J2 が互いに重なる領域が大きくなり、ビーム電流密度分布が大きくなる。従って、マスク32の移動距離を調整することによって、合成のビーム電流密度分布J3 の均一性を所定値以上に良くすることができる。
そして、上記調整の後に、上記第1および第2のビーム照射工程を実施する。
このイオンビーム照射方法によれば、上記のようなシミュレーションを行って第1および第2のビーム照射工程で用いるイオンビーム4のビーム電流密度分布を調整するので、上記重ね合わせ部分43のイオンビーム照射量分布をより確実に平坦化して、基板10の全面により均一性良くイオンビーム照射を行うことができる。
第2の実施形態のイオンビーム照射装置を構成する制御装置26は、第1の実施形態の場合の前述した機能に加えて更に、(a)上記第1および第2のビーム照射工程を実施する前に、上記第1の位置4aのイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布と第2の位置4bのイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布とを上記ビームモニタ24を用いて測定する機能と、(b)当該測定したデータを用いて、上記第1および第2の位置4a、4bのイオンビーム4のY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションする機能と、(c)当該シミュレーションの結果に基づいて、上記合成のビーム電流密度分布の均一性が所定値よりも悪い場合に、当該均一性が所定値以上に良くなるように、上記ビーム電流密度分布調整機構30を制御して、上記2位置4a、4bに切り換えられるイオンビーム4が互いに重なる部分4cのY方向のビーム電流密度分布を調整する機能と、(d)当該調整の後に上記第1および第2のビーム照射工程を実施する機能とを有している。
従って、このような制御装置26、上記イオン源2、電磁石装置50、基板駆動装置14、ビームモニタ24およびビーム電流密度分布調整機構30等を備えているこの実施形態のイオンビーム照射装置によれば、上記第2の実施形態のイオンビーム照射方法が奏する上記効果と同様の効果を奏する。
なお、上記例とは違って、上記第1のビーム照射工程と第2のビーム照射工程との間に、イオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布のシミュレーションおよび調整を行っても良い。
その場合は、上記第1のビーム照射工程で用いたイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布の測定データを保存しておいて、上記第2のビーム照射工程の前に、第2のビーム照射工程に用いるイオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布を測定してそれと上記保存しておいたデータとを用いて、Y方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションする。そして、当該シミュレーションの結果に基づいて、上記合成のビーム電流密度分布の均一性が所定値よりも悪い場合に、当該均一性が所定値以上に良くなるように、上記ビーム電流密度分布調整機構30を用いて、上記第2のビーム照射工程で用いるイオンビーム4のY方向の上記重なる部分4cのビーム電流密度分布を調整し、当該調整の後に上記第2のビーム照射工程を実施する。
この方法の場合も、上記のようなシミュレーションを行ってイオンビーム4のビーム電流密度分布を調整するので、上記重ね合わせ部分43のイオンビーム照射量分布をより確実に平坦化して、基板10の全面により均一性良くイオンビーム照射を行うことができる。
この場合の制御装置26は、上記第1のビーム照射工程と第2のビーム照射工程との間に、イオンビーム4のY方向のビーム電流密度分布のシミュレーションおよび調整を行う機能を有しているものにすれば良い。
(3)その他の変形例
以下の変形例は、上記第1および第2の実施形態のイオンビーム照射方法および装置のいずれにも適用することができる。
上記イオンビーム4が互いに重なる部分4cのY方向のビーム電流密度分布を調整するビーム電流密度分布調整手段として、上記ビーム電流密度分布調整機構30の代わりに、またはそれと併用して、例えば上記特許文献1に記載されているような公知のビーム電流密度分布調整手段を用いても良い。即ち、ビーム電流密度分布調整手段は、(a)イオン源2を、Y方向に複数のフィラメントを有するマルチフィラメント型のイオン源として、その各フィラメントに流すフィラメント電流を制御するという手段でも良いし、(b)イオンビーム4の経路に、イオンビーム4の長手方向Yにおけるビーム電流密度分布を制御する電界レンズや磁界レンズ等のレンズ手段を設けておいてそれを制御するという手段でも良い。あるいは、(c)イオンビーム4の経路に、特開2007−172927号公報に記載されているような、イオンビーム4を遮るための複数の可動遮蔽板を設けておいてそれを制御するという手段でも良い。このようなビーム電流密度分布調整手段も、例えば上記制御装置26によって制御される。
イオンビーム発生装置は、上記イオン源2に限られるものではなく、他の構成のものでも良い。例えば、比較的小さなイオン源から扇状に広がる(発散する)イオンビームを引き出し、そのイオンビームを発散途中で必要に応じて分析電磁石を通して質量分離を行った後に、ビーム平行化器(例えば4重極子デバイス、ビーム平行化マグネット等)によって平行ビーム化してリボン状のイオンビームにした後に基板10に照射する構成のものでも良い(例えば特開2006−139996号公報参照)。
2 イオン源(イオンビーム発生装置)
4 イオンビーム
4a 第1の位置
4b 第2の位置
4c 重なる部分
10 基板
14 基板駆動装置
24 ビームモニタ
26 制御装置
30 ビーム電流密度分布調整機構
41 第1のビーム照射領域
42 第2のビーム照射領域
43 重ね合わせ部分
50 電磁石装置
51 第1の電磁石
52 第2の電磁石

Claims (4)

  1. 互いに直交する2方向をX方向およびY方向とすると、基板に、X方向の寸法よりもY方向の寸法が大きいリボン状のイオンビームを照射するイオンビーム照射方法であって、
    前記イオンビームの経路に互いに直列に配置されていて前記イオンビームをY方向において互いに逆方向に曲げる第1および第2の電磁石を有していて、両電磁石に供給する励磁電流を共に反転させることによって、リボン状の形状を保ったまま前記イオンビームのY方向の位置を、第1の位置および第2の位置の2位置に、しかも当該2位置のイオンビームのY方向の端部付近が互いに重なる位置に切り換える電磁石装置を用いて、
    前記電磁石装置によって前記イオンビームを前記第1の位置に切り換えておいて、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第1のビーム照射領域を形成する第1のビーム照射工程と、
    前記電磁石装置によって前記イオンビームを前記第2の位置に切り換えておいて、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第2のビーム照射領域を形成する第2のビーム照射工程とを実施して、
    前記基板上において前記第1のビーム照射領域のY方向の端部付近と前記第2のビーム照射領域のY方向の端部付近とを重ね合わせて、前記基板の全面にイオンビームを照射する方法であり、
    しかも前記2位置に切り換えられる前記イオンビームが互いに重なる部分のY方向のビーム電流密度分布を調整するビーム電流密度分布調整手段を用いて、前記第1および第2のビーム照射領域の前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布を平坦化することを特徴とするイオンビーム照射方法。
  2. 前記第1および第2のビーム照射工程を実施する前に、前記第1の位置の前記イオンビームのY方向のビーム電流密度分布と前記第2の位置の前記イオンビームのY方向のビーム電流密度分布とを測定し、
    当該測定したデータを用いて、前記第1および第2の位置のイオンビームのY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションし、
    当該シミュレーションの結果に基づいて、前記合成のビーム電流密度分布の均一性が所定値よりも悪い場合に、当該均一性が所定値以上に良くなるように、前記ビーム電流密度分布調整手段を用いて、前記2位置に切り換えられる前記イオンビームが互いに重なる部分のY方向のビーム電流密度分布を調整し、
    当該調整の後に前記第1および第2のビーム照射工程を実施する請求項1記載のイオンビーム照射方法。
  3. 互いに直交する2方向をX方向およびY方向とすると、基板に、X方向の寸法よりもY方向の寸法が大きいリボン状のイオンビームを照射するイオンビーム照射装置であって、
    前記リボン状のイオンビームを発生させるイオンビーム発生装置と、
    前記イオンビーム発生装置からの前記イオンビームの経路に互いに直列に配置されていて前記イオンビームをY方向において互いに逆方向に曲げる第1および第2の電磁石を有していて、両電磁石に供給する励磁電流を共に反転させることによって、リボン状の形状を保ったまま前記イオンビームのY方向の位置を、第1の位置および第2の位置の2位置に、しかも当該2位置のイオンビームのY方向の端部付近が互いに重なる位置に切り換える電磁石装置と、
    前記基板を保持して当該基板を前記電磁石装置の下流側において前記リボン状のイオンビームの主面と交差する方向に移動させる基板駆動装置と、
    前記電磁石装置および前記基板駆動装置を制御して、(A)前記イオンビームを前記第1の位置に切り換えておいて、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第1のビーム照射領域を形成する第1のビーム照射工程と、(B)前記イオンビームを前記第2の位置に切り換えておいて、前記基板を前記イオンビームの主面と交差する方向に移動させながら前記基板に前記イオンビームを照射して、前記基板上に第2のビーム照射領域を形成する第2のビーム照射工程とを実施して、前記基板上において前記第1のビーム照射領域のY方向の端部付近と前記第2のビーム照射領域のY方向の端部付近とを重ね合わせて、前記基板の全面にイオンビームを照射する制御を行う機能を有している制御装置と、
    前記2位置に切り換えられる前記イオンビームが互いに重なる部分のY方向のビーム電流密度分布を調整して、前記第1および第2のビーム照射領域の前記重ね合わせ部分のイオンビーム照射量分布を平坦化するビーム電流密度分布調整手段とを備えていることを特徴とするイオンビーム照射装置。
  4. 前記第1および第2の位置の前記イオンビームのY方向のビーム電流密度分布を測定するビームモニタを更に備えており、
    前記制御装置は更に、(a)前記第1および第2のビーム照射工程を実施する前に、前記第1の位置の前記イオンビームのY方向のビーム電流密度分布と前記第2の位置の前記イオンビームのY方向のビーム電流密度分布とを前記ビームモニタを用いて測定する機能と、(b)当該測定したデータを用いて、前記第1および第2の位置のイオンビームのY方向の合成のビーム電流密度分布をシミュレーションする機能と、(c)当該シミュレーションの結果に基づいて、前記合成のビーム電流密度分布の均一性が所定値よりも悪い場合に、当該均一性が所定値以上に良くなるように、前記ビーム電流密度分布調整手段を制御して、前記2位置に切り換えられる前記イオンビームが互いに重なる部分のY方向のビーム電流密度分布を調整する機能と、(d)当該調整の後に前記第1および第2のビーム照射工程を実施する機能とを有している請求項3記載のイオンビーム照射装置。
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