JP2011155027A - 接着フィルム、半導体装置、多層回路基板および電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の接着フィルムは、半導体チップまた半導体パッケージを、回路が形成された回路基板に実装する際に用いられ、フラックス機能を有する接着フィルムであって、接着フィルムを前記回路基板の前記回路が形成された面に貼り付ける際の貼り付け温度をT[℃]、接着フィルムに掛ける圧力をP[Pa]、前記貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度をη[Pa・s]としたとき、1.2×103≦(T×P)/η≦1.5×109の関係を満足し、前記貼り付け温度Tは、60〜150℃、前記圧力Pは、0.2〜1.0MPa、前記貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度ηは、0.1〜10000Pa・sであることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
(1) 半導体チップまたは半導体パッケージを、回路が形成された回路基板に実装する際に用いられ、フラックス機能を有する接着フィルムであって、
接着フィルムを前記回路基板の前記回路が形成された面に貼り付ける際の貼り付け温度をT[℃]、接着フィルムに掛ける圧力をP[Pa]、前記貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度をη[Pa・s]としたとき、1.2×103≦(T×P)/η≦1.5×109の関係を満足し、
前記貼り付け温度Tは、60〜150℃、前記圧力Pは、0.2〜1.0MPa、前記貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度ηは、0.1〜10000Pa・sであることを特徴とする接着フィルム。
(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、
(C)フラックス活性を有する化合物と、
(D)重量平均分子量が1万〜100万である成膜性樹脂と、
を含む上記(1)または(2)に記載の接着フィルム。
前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂を10〜80重量%と、
前記(D)重量平均分子量が1万〜100万である成膜性樹脂10〜50重量%と、
を含む上記(3)に記載の接着フィルム。
《接着フィルム》
まず、本発明の接着フィルムについて説明する。
図1は、本発明の接着フィルムの一例を示す縦断面図である。
これに対して、(T×P)/ηの値が前記下限値未満であると、接着フィルムと回路基板との間に空隙が生じてしまう。また、配線回路等の凹凸が接着フィルムの表面の凹凸となって現れ、半導体チップ等との接着性が低下してしまう。一方、(T×P)/ηの値が前記上限値を超えると、接着フィルムが柔らかくなりすぎ、回路基板の縁部から接着フィルムがはみ出してしまう。
厚み100μmの接着フィルムを、粘弾性測定装置(HAAKE社製「RheoStress RS150」)を用いて、パラレルプレート20mmφ、ギャップ0.05mm、周波数0.1Hz、昇温速度10℃/分の条件にて測定し、接着フィルムの貼り付け温度における値を測定値とした。
これにより、上述したような関係を満足する接着フィルム1をより容易に得ることができ、接着フィルム1を回路基板と貼り合わせた際に、回路基板上の複数の配線回路等によって生じる凹凸(ギャップ)をより効果的に埋め込むことができる。
(式(2)中、nは、1以上20以下の整数を表す。)
これらの硬化促進剤は、1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、本発明の接着フィルムを用いた半導体装置の製造方法および半導体装置について説明する。
図2に示すように、基材41、配線回路42、絶縁部43、パッド部44を有する回路基板4を用意する(図2(a))。
次に、半導体チップ5の半田バンプ51と、回路基板4のパッド部44とを位置合わせしながら、半導体チップ5と回路基板4とを接着フィルム1を介して仮圧着し、回路基板4上に半導体チップ5を固定する(図2(c))。仮圧着する方法としては、特に限定されないが、圧着機、フリップチップボンダー等を用い行うことができる。仮圧着する条件は、特に限定されないが、温度は60〜200℃が好ましく、80〜180℃が特に好ましい。また、時間は0.1〜60秒が好ましく、1〜60秒が特に好ましい。さらに、圧力は0.1〜2.0MPaが好ましく、0.3〜1.5MPaが特に好ましい。これにより、半導体チップ5を回路基板4に確実に仮圧着することができる。
次に、本発明の接着フィルムを用いた多層回路基板の製造方法および多層回路基板について説明する。
各実施例および各比較例の接着フィルムを、それぞれ、以下のようにして製造した。
(実施例1)
<接着フィルムの調製>
フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部と、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部と、フラックス活性を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部と、成膜性樹脂としてビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部と、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部と、シランカップリング剤としてβ−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部とを、メチルエチルケトンに溶解し、樹脂濃度50%の樹脂ワニスを調製した。
得られた樹脂ワニスを、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、東レ株式会社製、商品名ルミラー)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃、5分間乾燥して、厚さ25μmのフラックス活性を有する接着フィルムを得た。
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を、フェノールノボラック樹脂(三井化学社製、VR−9305)15.0重量部に変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を5.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を35.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を44.4重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を25.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を50.0重量部へ、フェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を10.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を14.4重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
樹脂ワニスの調製において、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を50.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を19.4重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
樹脂ワニスの調製において、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EXA−830LVP)に変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
樹脂ワニスの調製において、フェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を、セバシン酸(東京化成工業社製)15.0重量部に変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
樹脂ワニスの調製において、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部をビスフェノールF型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−70)に変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を14.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を48.0重量部へ、フラックス活性を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を14.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を18.4重量部へ配合量を変更し、さらに、無機充填材である球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SE6050、平均粒径2μm)5.0重量部加えた以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を9.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を30.0重量部へ、フラックス活性を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を9.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を11.6重量部へ、シランカップリング剤β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部を0.3重量部へ配合量を変更し、さらに、無機充填材である球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SE6050、平均粒径2μm)40.0重量部加えた以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を4.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を15.0重量部へ、フラックス活性を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を4.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部を6.7重量部へ、シランカップリング剤β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部を0.2重量部へ配合量を変更し、さらに、無機充填材である球状シリカフィラー(アドマテックス社製、SE6050、平均粒径2μm)70.0重量部加えた以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を19.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を58.0重量部へ、フラックス活性を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を19.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部をブタジエンアクリロニトリル樹脂(ピィ・ティ・アイ・ジャパン社製、CTBN108−SP)3.3重量部へ、シランカップリング剤β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部を0.6重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
樹脂ワニスの調製において、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR55617)15.0重量部を12.0重量部へ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業社製、EPICLON−840S)45.0重量部を36.0重量部へ、フラックス活性を有する化合物であるフェノールフタリン(東京化成工業社製)15.0重量部を12.0重量部へ、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)24.4重量部をアクリル酸エステル共重合樹脂(ナガセケムテックス社製、SG−600LB)35.6重量部へ、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製、2P4MZ)0.1重量部を4.0重量部へ、シランカップリング剤β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−403)0.5重量部を0.4重量部へ配合量を変更した以外は、実施例1と同様に接着フィルムの製造を行った。
複数の配線回路とパッド部とを有する回路基板(サイズ20mm×20mm、配線回路の平均厚さ12μm、隣接する配線回路の間隔50μm)を用意した。
そして、180℃、60分間加熱して、接着フィルムを硬化させて、半導体チップと、回路基板とが接着フィルムの硬化物で接着された半導体装置を得た。
それぞれの貼り付け温度における(T×P)/ηの値を表3に示した。
[3−1]埋め込み性の評価
各実施例および各比較例の接着フィルムの回路基板上の凹凸に対する埋め込み性は、金属顕微鏡にて、凹凸部の周囲のボイド/空隙の有無によって評価した。
× :凹凸部の周辺にボイドまたは空隙が観察された。
各実施例および各比較例の接着フィルムのブリード(はみ出し)評価は、金属顕微鏡にて半導体装置における接着フィルム成分の半導体チップの縁部からのはみ出した長さを測定し、ブリード評価を行った。各符号は、以下の通りである。
× :半導体チップの縁部からのはみ出した長さが700μm以上であった。
各実施例および比較例の接着フィルムを用いて得られた半導体装置それぞれ20個ずつ(各貼り付け温度毎)について、−55℃の条件下に30分、125℃の条件下に30分ずつ交互に晒すことを1サイクルとする、温度サイクル試験を100サイクル行い、試験後の半導体装置について、半導体チップと回路基板の接続抵抗値をデジタルマルチメーターで測定し、接続信頼性を評価した。各符号は、以下の通りである。
× :1個以上の半導体装置の接続抵抗値が10Ω以上であった。
これらの結果を、表3に示した。
1’ 硬化物
2 カバーフィルム
3 ベースフィルム
4 回路基板
41 基材
42 配線回路
43 絶縁部
44 パッド部
45 バンプ
5 半導体チップ
51 半田バンプ
511 半田接続部
6 回路基板
61 基材
62 配線回路
63 絶縁部
64 パッド部
7 基板
71 基材
72 配線回路
73 絶縁部
74 パッド部
75 半田バンプ
711 半田接合部
10 半導体装置
100 多層回路基板
Claims (21)
- 半導体チップまたは半導体パッケージを、回路が形成された回路基板に実装する際に用いられ、フラックス機能を有する接着フィルムであって、
接着フィルムを前記回路基板の前記回路が形成された面に貼り付ける際の貼り付け温度をT[℃]、接着フィルムに掛ける圧力をP[Pa]、前記貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度をη[Pa・s]としたとき、1.2×103≦(T×P)/η≦1.5×109の関係を満足し、
前記貼り付け温度Tは、60〜150℃、前記圧力Pは、0.2〜1.0MPa、前記貼り付け温度における接着フィルムの溶融粘度ηは、0.1〜10000Pa・sであることを特徴とする接着フィルム。 - 接着フィルムを前記回路基板の前記回路が形成された面に貼り付ける際の雰囲気圧は、100kPa以下である請求項1に記載の接着フィルム。
- (A)重量平均分子量が300〜1500であるフェノール系硬化剤と、
(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、
(C)フラックス活性を有する化合物と、
(D)重量平均分子量が1万〜100万である成膜性樹脂と、
を含む請求項1または2に記載の接着フィルム。 - 前記(A)重量平均分子量が300〜1500であるフェノール系硬化剤を3〜30重量%と、
前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂を10〜80重量%と、
前記(D)重量平均分子量が1万〜100万である成膜性樹脂10〜50重量%と、
を含む請求項3に記載の接着フィルム。 - (A)重量平均分子量が300〜1500であるフェノール系硬化剤がフェノール系ノボラック樹脂を含む請求項3または4に記載の接着フィルム。
- 前記フェノール系ノボラック樹脂の1核体から3核体の合計の含有量が、フェノールノボラック系樹脂中に30〜70%である請求項5に記載の接着フィルム。
- 前記フェノール系ノボラック樹脂の1核体含有量が1%以下である請求項5または6に記載の接着フィルム。
- 前記フェノール系ノボラック樹脂中の2核体と3核体の合計の含有量が30〜70%である請求項5ないし7のいずれかに記載の接着フィルム。
- 前記フェノール系ノボラック樹脂が、フェノールノボラック樹脂および/またはクレゾールノボラック樹脂である請求項5ないし8のいずれかに記載の接着フィルム。
- 前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂の25℃における粘度が、500〜50,000mPa・sである請求項2ないし9のいずれかに記載の接着フィルム。
- 前記(B)25℃で液状であるエポキシ樹脂と、前記(C)フラックス活性を有する化合物の配合比((B)/(C))が、0.5〜12.0である請求項2ないし10のいずれかに記載の接着フィルム。
- 前記(C)フラックス活性を有する化合物が、1分子中に2個のフェノール性水酸基と、少なくとも1個の芳香族に直接結合したカルボキシル基とを含むフラックス活性を有する化合物である請求項2ないし11のいずれかに記載の接着フィルム。
- 前記(C)フラックス活性を有する化合物が、フェノールフタリンを含むものである請求項2ないし12のいずれかに記載の接着フィルム。
- 前記(D)成膜性樹脂が、フェノキシ樹脂を含むものである請求項2ないし13のいずれかに記載の接着フィルム。
- さらに、硬化促進剤を含むものである請求項2ないし14のいずれかに記載の接着フィルム。
- さらに、シランカップリング剤を含むものである請求項2ないし15のいずれかに記載の接着フィルム。
- 前記接着フィルムが、さらに無機充填材を含む請求項2ないし16のいずれかに記載の接着フィルム。
- 前記無機充填材の含有量が、0.1〜80重量%未満である請求項17に記載の接着フィルム。
- 請求項1ないし18のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする半導体装置。
- 請求項1ないし18のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする多層回路基板。
- 請求項1ないし18のいずれかに記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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