JP6155931B2 - 樹脂組成物、接着フィルム、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シートおよび電子部品 - Google Patents

樹脂組成物、接着フィルム、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シートおよび電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、接着フィルム、接着シート、ダイシングテープ一体型接着シートおよび電子部品に関する。
近年の電子機器の高機能化および軽薄短小化の要求に伴い、これらの電子機器に使用される電子部品、例えば半導体パッケージも、従来にも増して、小型化かつ多ピン化が進んできている。
このような電子部品においては、電極が形成された電極部材間の電気的な接続を得るためには、半田接合が用いられている。この半田接合を実施する箇所としては、例えば、半導体チップ同士の導通接合部、半導体チップをフリップチップで搭載したパッケージのような半導体チップと回路基板間の導通接合部、回路基板同士の導通接合部などが挙げられる。
この半田接合部には、電気的な接続信頼性および機械的な接続強度を確保するために、一般的にアンダーフィル材と呼ばれる液状封止樹脂組成物が注入されている(アンダーフィル封止と呼称される)。
この半田接合部に生じた空隙(ギャップ)を液状封止樹脂組成物で充填し補強する場合、半田接合後に液状封止樹脂組成物を供給し、これを硬化することによって半田接合部を補強している。しかしながら、電子部品の薄化、小型化に伴い、半田接合部は狭ピッチ化/狭ギャップ化しているため、半田接合後に液状封止樹脂組成物を供給してもギャップ間に液状封止樹脂組成物が充分に行き渡らなく、空隙を完全に充填することが困難になるという問題が生じている。
このような問題に対して、フラックス機能を有する接着フィルムを介して、半田接合と接着とを一括で行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
かかる方法では、例えば、回路基板上に半導体チップを搭載する場合、まず、フラックス機能を有する接着フィルムがベースフィルム上に積層された接着シートと、複数の個別回路が設けられたウエハとを用意し、この接着シートを、接着フィルムがウエハの個別回路と対向するようにして配置し、接着シートをウエハにラミネートした後、個別のチップにダイシングされることにより、接着シートがラミネートされた半導体チップが得られる。
そして、回路基板と、接着シートがラミネートされた半導体チップとを、接着シートが回路基板と半導体チップとの間に位置するように積層した後、熱と圧力を加えることにより、接着シートを溶融させ、回路基板の電極と半導体チップの電極とを溶融接合するとともに、回路基板と半導体チップとの間の空隙を充填する。
このような技術をふまえ、電極部材間におけるさらなる半田接合性の向上、接続信頼性の向上が望まれていた。具体的には、半田接合における半田の濡れ性の向上、接着フィルムの可撓性向上、硬化物の応力緩和性の向上などが挙げられる。
特開2011−014717号公報
本発明は、電極部材が備える電極同士の間に形成された空隙内に充填された接着フィルムにより、電極同士の半田接合性を向上させ、電気的な接続信頼性を向上させることができるフィルム状の樹脂組成物、このフィルム状樹脂組成物から形成される接着フィルム、接着シート、ダイシングテープ一体型接着フィルム、及び、かかる接着フィルムの硬化物を有する電子部品を提供するものである。
このような目的は、下記(1)〜(16)に記載の本発明により達成される。
(1)相対向する電極間に介在され、前記相対向する電極を電気的に接続するフィルム状の樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂と、
(B)硬化剤と、
(C)分子中にカルボキシル基を有し、25℃で液状であるアクリロニトリル・ブタジエン共重合体と、
(D)充填材と、
を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(2)前記(1)に記載の樹脂組成物において、
前記(C)成分は、GPC測定法による数平均分子量が、1000以上、6500以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(3)前記(1)又は(2)に記載の樹脂組成物において、
前記(C)成分は、カルボキシル基を分子の片末端あるいは分子の両末端に有するものであることを特徴とする樹脂組成物。
(4)前記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の樹脂組成物において、
前記樹脂組成物全体に対して、前記(A)成分の含有量が10質量%以上、50質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(5)前記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の樹脂組成物において、
前記樹脂組成物全体に対して、前記(B)成分の含有量が3質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(6)前記(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の樹脂組成物において、
前記樹脂組成物全体に対して、前記(C)成分の含有量が0.1質量%以上、6質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(7)前記(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の樹脂組成物において、
前記樹脂組成物全体に対して、前記(D)成分の含有量が20質量%以上、70質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(8)前記(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の樹脂組成物において、
前記(A)成分と前記(C)成分との含有量の質量比率[(A)成分/(C)成分]が、5.9以上、60以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(9)前記(1)ないし(8)のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
さらに、(E)成膜性樹脂、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(10)前記(1)ないし(9)のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
さらに、(F)硬化促進剤、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(11)前記(1)ないし(10)のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
さらに、(G)フラックス機能を有する化合物、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(12)前記(1)ないし(11)のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
さらに、(H)有機微粒子、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(13)前記(1)ないし(12)のいずれか一項に記載の樹脂組成物から形成されるものであることを特徴とする、接着フィルム。
(14)前記(13)に記載の接着フィルムと、下地フィルムとを有することを特徴とする、接着シート。
(15)前記(13)に記載の接着フィルムと、ダイシングテープとを有することを特徴とする、ダイシングテープ一体型接着フィルム。
(16)前記(13)ないし(15)のいずれか一項に記載の前記接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする電子部品。
本発明の樹脂組成物から形成される接着フィルムを、電極部材が備える電極同士の間に形成された空隙内に充填することにより、電極同士の半田接合性を向上させ、電気的な接続信頼性を向上させた電子部品を得ることができる。
具体的には、電極部材間の半田接合における半田の濡れ性を向上させるとともに、接着フィルムの可撓性、及び、硬化物の応力緩和能力の向上を図ることができるものである。
本発明の接着シートの一実施形態を示す縦断面図である。 本発明のダイシングテープ一体型接着フィルムの一実施形態を示す縦断面図である。 本発明の接着シートを用いて、回路基板上に半導体チップを搭載する方法を説明するための斜視図である。 本発明の接着シートの一実施形態を用いて、ウエハ上に接着シートをラミネートする工程を説明するための縦断面図である。
以下、本発明の樹脂組成物、接着フィルム、接着シート、ダイシングテープ一体型接着フィルムおよび電子部品について、必要に応じて添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の接着シートについて簡単に説明する。
図1は、本発明の接着シートの一実施形態を示したものである。図1に示した接着シート10は、電極が形成された電極部材同士を電気的に接続する際に用いられ、電極部材が備える電極同士の間に形成された空隙内に充填される接着フィルム1と、この接着フィル
ム1に接合され、接着フィルムを担持して接着シートの取り扱い性を高めることができるベースフィルム2とから構成されているものである。
ここで、電極が形成された電極部材としては特に限定されないが、例えば、半導体チップ、半導体ウエハのほか、有機リジッド回路基板、フレキシブル回路基板などの有機回路基板、セラミック回路基板などが挙げられる。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、
相対向する電極間に介在され、上記相対向する電極を電気的に接続するフィルム状の樹脂組成物であって、
上記樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂(以下、単に「(A)成分」と呼称することがある)と、
(B)硬化剤(以下、単に「(B)成分」と呼称することがある)と、
(C)分子中にカルボキシル基を有し、25℃で液状であるアクリロニトリル・ブタジエン共重合体(以下、単に「(C)成分」と呼称することがある)と、
(D)充填材(以下、「以下、単に(D)成分」と呼称することがある)と、
を含有することを特徴とする。
以下、上記樹脂組成物を構成する各成分について詳細に説明する。
(A)エポキシ樹脂
本発明の接着シートに用いられる接着フィルムを構成する樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂を含有することが好ましい。
これにより、接着フィルムをより容易に製造することができ、さらに、ベースフィルムとの剥離性をより好適な水準とすることができる。
エポキシ樹脂(A)としては特に限定されないが、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、メトキシナフタレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノール型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ビスナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジヒドロアントラセンジオール型エポキシ樹脂、及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂を単独又は2種以上を混合して用いることができる。
接着フィルムを形成する樹脂組成物中における上記(A)エポキシ樹脂の含有量としては特に限定されないが、樹脂組成物(接着フィルム)全体に対して、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上である。また、同様に、好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
これにより、接着フィルムの柔軟性と屈曲性をより効果的に発現させることができる。また、これにより、接着フィルムのタック力が強くなり、取り扱い性が低下することをより効果的に防止することができる。
(B)硬化剤
本発明の接着シートに用いられる接着フィルムを構成する樹脂組成物は、上述した(A)エポキシ樹脂とともに、(B)硬化剤を含有することが好ましい。
(B)硬化剤としては、例えば、具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシレリレンジアミンなどの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォンなどの芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジドなどを含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などの脂肪族酸無水物、無水トリトメット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ビスフェノールF型ノボラック樹脂、ビスフェノールAF型ノボラック樹脂、フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を含むフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を含むナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールメタン樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ビス(モノまたはジtert−ブチルフェノール)プロパン、メチレンビス(2−プロペニル)フェノール、プロピレンビス(2−プロペニル)フェノール、ビス[(2−プロペニルオキシ)フェニル]メタン、ビス[(2−プロペニルオキシ)フェニル]プロパン、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(2−プロペニル)フェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−(1−フェニルエチル)フェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチル−6−ヒドロキシメチルフェノール]、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチル−6−(2−プロペニル)フェノール]、4,4’−(1−メチルテトラデシリデン)ビスフェノールなどのフェノール系硬化剤等が挙げられる。
これらの中でも、フェノール系硬化剤を用いると、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度を効果的に高めることができる。また、接着フィルムを硬化させる際のアウトガスとなる成分を低減することができるので、アウトガスにより半導体チップや回路基板等の電極部材の支持体の表面を汚染してしまうことをより効果的に防止することができる。
接着フィルムを形成する樹脂組成物中における上記(B)硬化剤の含有量としては特に限定されないが、樹脂組成物(接着フィルム)全体に対して、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。また、同様に、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下である。
(B)硬化剤の含有量を上記範囲内とすることにより、接着フィルムの機械的接着強度を充分に確保することができ、半田接合部の接続信頼性、すなわち本発明の電子部品の信頼性を向上させることができる。
(C)分子中にカルボキシル基を有し、25℃で液状であるアクリロニトリル・ブタジエン共重合体
本発明の接着シートに用いられる接着フィルムを構成する樹脂組成物は、上述した(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤とともに、(C)分子中にカルボキシル基を有し、25℃で液状であるアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を含有することが好ましい。
これにより、樹脂組成物にフラックス機能を付与することができるとともに、フィルム形態の樹脂組成物に可撓性を付与することができ、本発明の樹脂組成物の取り扱い性を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物で用いられる上記(C)成分は、25℃で液状である。このような性状を有するものを用いることにより、樹脂組成物を調製する際に相溶し易いために、樹脂組成物中における上記(C)成分の均一分散性を高めることができるので、上記(C)成分の作用効果を高い水準で発現させることができる。
本発明の樹脂組成物で用いられる上記(C)成分の分子量は、特に限定されないが、GPC測定法による数平均分子量が、1000以上であることが好ましく、さらに好ましくは1500以上である。これにより、接着フィルムに成膜性と可撓性を付与することができる。また、数平均分子量は6500以下であることが好ましく、さらに好ましくは5500以下である。これにより、接着フィルムを加熱した際の流動性を付与することができる。
本発明の樹脂組成物で用いられる上記(C)成分としては、分子中にカルボキシル基を有し、25℃で液状であるアクリロニトリル・ブタジエン共重合体であれば特に限定されないが、例えば、カルボキシル基末端ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー(CTBN:Carboxy−terminated butadiene−acrylonit
rile)、アクリル酸/ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、メタアクリル酸/ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、などを例示することができる。これらの中でも、カルボキシル基末端ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー(CTBN:Carboxy−terminated butadiene−acrylonitrile)を
用いることが好ましい。
このような形態の(C)成分を用いることにより、少量の添加で、樹脂組成物の硬化物に可撓性を付与することができるとともに、フラックス作用の付与により、金属酸化膜の除去作用が効果的に発現し、相対向する電極間の半田接合性を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物で用いられる上記(C)成分は、分子中にカルボキシル基を有しているので、樹脂組成物にフラックス機能を付与することができる。
さらに、上記(C)成分は、数平均分子量が1000〜6500と比較的小さく、25℃で液状形態であることにより、樹脂組成物中では小さいドメイン(海島構造において小さい島状)になって均一に分散して存在する。このことから、(C)成分の配合量が少量であっても、樹脂組成物の硬化物に効果的に均一性の高い低応力性を付与することができるとともに、配合量が少量でよいことから樹脂組成物の硬化物のTgの低下を効果的に抑制することができる。
これに対して、上記(C)成分の代わりに、例えば、常温で固形形態であるアクリロニトリル・ブタジエン共重合体などを用いた場合は、分子量が大きく、樹脂組成物中では大きいドメインとして不均一に存在する。このことから、少量の配合では低応力性を付与することが難しく、また低応力性を発現するために配合量を多くすると硬化物のTgの低下を招いてしまう。このため、本発明の樹脂組成物の用途として好ましくない。
本発明の樹脂組成物で用いられる上記(C)成分を構成するモノマー単位のモル比率(ブタジエンユニット/アクリロニトリルユニット)は、特に限定されないが、0.5以上であることが好ましい。また、上記モル比率は3.2以下であることが好ましい。
接着フィルム1を形成する樹脂組成物中における上記(C)成分の含有量としては特に限定されないが、樹脂組成物(接着フィルム)全体に対して、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上である。また、同様に、好ましくは6.0質量%以下、さらに好ましくは5.5質量%以下、特に好ましくは5.0質量%以下である。
(C)成分の含有量を上記範囲内とすることにより、電極部材間の半田接合における半田の濡れ性の向上、接着フィルムの可撓性の向上、硬化物の応力緩和性の付与なる効果を発現させることができる。
また、本発明の樹脂組成物において、上述した(A)成分と(C)成分との質量比率[(A)成分/(C)成分]は特に限定されないが、5.9以上であることが好ましく、1
0以上であることがさらに好ましく、15以上であることが特に好ましい。これにより、本発明の樹脂組成物(あるいは電子部品)を接着フィルムの硬化物のTgを高く維持することができる。
また、上記質量比率が60以下であることが好ましく、50以下であることがさらに好ましく、40以下であることが特に好ましい。これにより、電極部材間の半田接合における半田の濡れ性の向上、接着フィルムの可撓性の向上が可能となる。
(D)充填材
本発明の接着シートに用いられる接着フィルムを構成する樹脂組成物は、上述した(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)分子中にカルボキシル基を有し、25℃で液状であるアクリロニトリル・ブタジエン共重合体とともに、(D)充填材を含有することが好ましい。
充填材としては特に限定されないが、例えば、タルク、焼成クレー等の等のケイ酸塩、アルミナ、シリカ、溶融シリカ、酸化チタン等の酸化物、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物等に代表される無機充填材、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリスルホン、ポリスチレン、フッ素樹脂等の各種熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の粉末、またはこれらの樹脂で構成される共重合体等の粉末状有機充填材、ゴム粒子等の有機材料による充填材、木粉、パルプ、ケナフ、アラミド繊維、ポリエステル繊維等の繊維状有機充填材等に代表される有機充填材等が挙げられる。
上記充填剤の中でも、信頼性の向上という観点から、無機充填材が好ましい。
無機充填材としては特に限定されないが、例えば、酸化チタン、シリカ、マイカ、アルミナ等を挙げることができ、これらから1種又は2種以上を選択することができるが、コスト等の観点からシリカを好ましく用いることができる。シリカの形状としては、破砕シリカと球状シリカがあるが、球状シリカが好ましい。
また、熱伝導性等の観点からは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン、窒化珪素、窒化ホウ素、等を用いることもできる。
上記無機充填材の平均粒径は特に限定されないが、0.01μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがさらに好ましく、0.1μm以上であることが特に好ましい。また、平均粒径は1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがさらに好ましく、0.3μm以下であることが特に好ましい。
平均粒径を上記範囲とすることで、接着フィルム1の透明性を向上させることができ、電子部品の電極上に接着フィルム1を構成したときに、接着フィルム1を通して電極形状を確認することができるため、接続時の位置ずれを防止し、さらに生産性を向上させることができる。また、樹脂組成物における充填材の凝集を抑制し、外観を向上させることができる。
上記充填材の含有量は、接着フィルムを構成する樹脂組成物全体に対して20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。また、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。充填材の含有量を上記範囲とすることで、半田接合部における信頼性を向上させつつ、接着フィルムの透明性をより向上させることができる。また、接着フィルムにおける充填材の凝集を抑制し、外観を向上させることができる。さらに、上記範囲とすることで、硬化後の封止樹脂層と被接体との間の線膨張係数差が小さくなり、熱衝撃の際に発生する応力を低減させることができるため、被接体との密着性をさらに向上させることができる。さらに、硬化後の封止樹脂層の弾性率が高くなりすぎるのを抑制することができ、併せて半田接合部に充填
材が巻き込まれることを防止するため、電子部品の接続信頼性をより向上させることができる。
本発明の接着シートに用いられる接着フィルムを構成する樹脂組成物は、上述した(A)〜(D)成分のほか、(E)成膜性樹脂(以下、単に「(E)成分」と呼称することがある)を含有することができる。これにより、樹脂組成物をフィルム状に形成するのが容易になるとともに、接着フィルムの機械的特性を向上させることができる。
上記(E)成膜性樹脂としては特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シロキサン変性ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン等を挙げることができる。これらは、1種で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、(D)成膜性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、及び、ポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸およびその誘導体の重合体、又は、(メタ)アクリル酸およびその誘導体と他の単量体との共重合体を意味する。ここで、「(メタ)アクリル酸等」と表記するときは、「アクリル酸またはメタアクリル酸等」を意味する。
上記(E)成膜性樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましくは1万以上、さらに好ましくは2万以上、特に好ましくは3万以上である。また、重量平均分子量は、好ましくは100万以下、さらに好ましくは90万以下である。
上記(E)成膜性樹脂の重量平均分子量が上記範囲内であると、接着フィルムの成膜性をより向上させることができる。
ここで重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲル浸透クロマトグラム)により測定することができる。
また、上記(E)成膜性樹脂の含有量は、特に限定されないが、接着フィルムを形成する樹脂組成物全体に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましい。また、同様に50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることがさらに好ましい。
(E)成膜性樹脂の含有量が上記範囲内であると、樹脂組成物から接着フィルムを形成する際に良好な成膜性を付与することができるとともに、接着フィルム1の流動性を抑制することができ、接着フィルム1の取り扱いが容易になる。
本発明の接着シートに用いられる接着フィルムを構成する樹脂組成物は、上述した(A)〜(D)成分のほか、(F)硬化促進剤(以下、単に「(F)成分」と呼称することがある)を含有することができる。これにより、接着フィルムを確実かつ容易に硬化させることができ、接着フィルムによる封止樹脂層を確実に形成することができるので、半田接合部の信頼性、及び本発明の電子部品の信頼性を向上させることができる。
(F)硬化促進剤としては、(A)エポキシ樹脂や(B)硬化剤の種類等に応じて、適宜その種類を選択することができる。
(F)硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル(1’)]−エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン等のアミン系触媒、トリフェニルホスフィンやテトラ置換ホスホニウムと多官能フェノール化合物との塩等のリン化合物が挙げられ、これらの中でも、フィルム状の樹脂層の速硬化性、保存性、半導体素子上のアルミパッド耐腐食性を両立できるイミダゾール化合物、リン化合物が好ましく、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(F)硬化促進剤としては、例えば、融点が150℃以上のイミダゾール化合物を使用することができる。
使用される硬化促進剤の融点が150℃以上であると、接着フィルムの硬化が完了する前に、電極が備える半田バンプを構成する半田成分が、回路基板や半導体チップが備える電極の表面より確実に移動することができ、電極同士間の電気的接続をより良好なものとすることができる。
上記融点が150℃以上のイミダゾール化合物としては、例えば、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチルヒドロキシイミダゾール等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着フィルムを構成する樹脂組成物全体に対する(F)硬化促進剤の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.005質量%以上、さらに好ましくは0.01質量%以上である。また、同様に、好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。
これにより、硬化促進剤としての機能をさらに効果的に発現させて、接着フィルムの硬化性を向上させることができる。また、電極が備える半田バンプを構成する半田成分の溶融温度における接着フィルムの溶融粘度が高くなりすぎず、良好な半田接合構造が得られる。また、接着フィルムの保存性をさらに向上させることができる。
本発明の接着シートに用いられる接着フィルム1を構成する樹脂組成物は、上述した(A)〜(D)成分のほか、(G)フラックス機能を有する化合物(以下、単に「(G)成分」と呼称することがある)を含有することができる。
(G)フラックス機能を有する化合物は、端子等の電極表面に形成された金属酸化膜を除去する作用を有するものである。そのため、樹脂組成物中に、かかる化合物が含まれていると、たとえ電極表面に酸化膜が形成されたとしても、この化合物の作用により酸化膜
を確実に除去することができる。その結果、電子部品間を電気的に接続させる接合工程において、半田成分の濡れ性が向上することで、電極間において広い範囲に濡れ拡がり、広い範囲で接合されることにより、電極間を確実に電気的に接続させることができる。これにより、半田接合部における接続信頼性が向上し、電子部品の製造における歩留まりを向上させることができる。
このような(G)フラックス機能を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、フェノール性水酸基および/またはカルボキシル基を有する化合物が好ましく用いられる。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、2,6−キシレノール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、メシトール、3,5−キシレノール、p−tert−ブチルフェノール、カテコール、p−tert−アミルフェノール、レゾルシノール、p−オクチルフェノール、p−フェニルフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビフェノール、ジアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールA、トリスフェノール、テトラキスフェノール等のフェノール性水酸基を含有するモノマー類、フェノールノボラック樹脂、o−クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールFノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のフェノール製水酸基を含有する樹脂等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。前記脂肪族酸無水物としては、無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等が挙げられる。前記脂環式酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。前記芳香族酸無水物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪族カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ピメリン酸等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、下記式(1):
HOOC−(CH2n−COOH (1)
(上記式(1)中、nは1〜20の整数である。)
で表される脂肪族カルボン酸が好ましく用いられ、これらのうち、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸がより好ましく用いられる。
芳香族カルボン酸としては、特に限定されないが、例えば、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、トルイル酸、ケイ皮酸、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロ
キシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)等の安息香酸誘導体、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸、3,5−ビス(4−アミノフェノキシ)安息香酸、3,5−ビス(4−ニトロフェノキシ)安息香酸、4−(3−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、4−(4−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、2−フェノキシ安息香酸、3−フェノキシ安息香酸、4−フェノキシ安息香酸等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような(G)フラックス機能を有する化合物は、フラックス作用を示すとともに、硬化性樹脂成分を硬化する硬化剤としての機能、すなわち、硬化性樹脂成分と反応可能な官能基を有するものであることが好ましい。
このような官能基としては、本発明のように硬化性樹脂成分として(A)エポキシ樹脂を用いる場合、カルボキシル基、水酸基、アミノ基のような(A)エポキシ基と反応可能な官能基が挙げられる。このようなフラックス機能を有する化合物は、樹脂組成物の溶融時に、低融点の金属組成物表面に形成された酸化膜を除去してこれらの表面の濡れ性を高め、接続部を容易に形成し、相対する電極間を電気的に接続することが可能となる。さらに、電極間に電気的な接続が完了した後においては、この化合物は、硬化剤として作用し、(A)エポキシ樹脂に付加して樹脂の弾性率またはTgを高める機能を発揮する。したがって、このようなフラックス機能を有する化合物を用いると、フラックス洗浄が不要であり、また、フラックスの残存に起因するイオンマイグレーションの発生等を的確に抑制または防止することが可能となる。
このような作用を備えるフラックス機能を有する化合物としては、少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物が挙げられる。具体的には、例えば、脂肪族ジカルボン酸およびカルボキシル基とフェノール性水酸基とを有する化合物等が挙げられる。
上記脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、脂肪族炭化水素基にカルボキシル基が2個結合した化合物が挙げられる。上記脂肪族炭化水素基は、飽和または不飽和の非環式であってもよいし、飽和または不飽和の環式であってもよい。また、脂肪族炭化水素基が非環式の場合には直鎖状でも分岐状でもよい。
このような脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、上記式(1)においてnが1〜20の整数である化合物が挙げられる。上記式(1)中のnが上記範囲内にあると、フラックス活性、接着時のアウトガス、並びに、樹脂組成物の硬化後の弾性率及びガラス転移温度のバランスが良好となる。特に、樹脂組成物の硬化後の弾性率の増加を抑制し、電極を備えた被接着物との接着性を向上させることができるという観点から、nは3以上であることが好ましく、弾性率の低下を抑制し、接続信頼性をさらに向上させることができるという観点から、nは10以下であることが好ましい。
また、上記式(1)で示される脂肪族ジカルボン酸としては、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられる。中でも、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデンカン二酸が好ましく、セバシン酸がより好ましい。
また、カルボキシル基とフェノール性水酸基とを有する化合物としては、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ
安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ゲンチジン酸(2,5−ジヒドロキシ安息香酸)、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸)等の安息香酸誘導体、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフトエ酸誘導体、フェノールフタリン、ジフェノール酸等が挙げられる。中でも、フェノールフタリン、ゲンチジン酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、4−(3−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸、4−(4−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸が好ましく、フェノールフタリン、ゲンチジン酸がより好ましい。
前述のようなフラックス機能を有する化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用して用いるようにしてもよい。
なお、いずれの化合物も吸湿しやすく、ボイド発生の原因となるため、本発明においては、使用前に予め乾燥させることが好ましい。
(G)フラックス機能を有する化合物の含有量は、使用する樹脂組成物の組成に応じて適宜設定することができる。
このような(G)フラックス機能を有する化合物の含有量は、接着フィルムを構成する樹脂組成物全体に対して、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が特に好ましい。また、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下が特に好ましい。
(G)フラックス機能を有する化合物の含有量が上記範囲内であると、電極等の表面に形成された酸化膜を確実に除去することができ、これにより電極間を確実に電気的に接合させることができる。さらに、(G)フラックス機能を有する化合物が硬化性樹脂成分と反応可能な化合物の場合、硬化時に、硬化性樹脂成分に効率よく付加して硬化性樹脂組成物の弾性率またはTgを高めることができる。また、未反応のフラックス機能を有する化合物に起因するイオンマイグレーションの発生を抑制することができる。これにより、半田接合部における接続信頼性が向上し、本発明の電子部品でも高い信頼性を実現し、電子部品の製造における歩留まりを向上させることができる。
本発明の接着シートに用いられる接着フィルムを構成する樹脂組成物は、上述した(A)〜(D)成分のほか、(H)有機微粒子(以下、単に「(H)成分」と呼称することがある)を含有することができる。これにより、電子部品の接続信頼性を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物で適用できる(H)有機微粒子としては特に限定されないが、例えば、ゴム系成分で構成されたコア層と、アクリル系成分で構成され、コア層を覆うように形成されたシェル層とを有するコアシェル粒子を例示することができる。
このようなコアシェル粒子を適用することで、樹脂組成物の粘度を好適な水準に調整することができ、電極部材と樹脂組成物との間にボイドが発生するのを効果的に防止することができる。また、電極部材表面に存在する凹凸を良好に埋め込むことができる。
上記コアシェル粒子において、コア層を構成するゴム系成分としては特に限定されないが、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム等の共役ジエン系ゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、スチレンゴム、アクリロニトリルゴム、ニトリルゴム、フッ素ゴムおよび、これらの共重合体または複合体等が挙げられる。
また、同様にシェル層を構成するアクリル系成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル
、等をモノマー成分とする(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記(H)有機微粒子の平均粒径としては特に限定されないが、10nm以上であることが好ましく、さらに好ましくは50nm以上、特に好ましくは100nm以上である。また、同様に、1000nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは500nm以下である。
上記(H)有機微粒子がこのような平均粒径を有するものであることにより、上記作用をより効果的に発現させることができる。
(H)有機微粒子の配合量は、接着フィルム1を形成する樹脂組成物全体に対して、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。また、同様に、好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%である。
(H)有機微粒子の配合量を上記範囲とすることにより、電極を有する部材同士の半田接続性を良好なものしつつ、ボイドの発生をより効率よく防止することができる。
<接着フィルム>
次に、本発明の接着フィルムについて説明する。
本発明の接着フィルムは、以上に説明した本発明の樹脂組成物から形成されるものであることを特徴とする。
本発明の接着フィルムは、上述したような接着フィルムに含まれる各成分のうち、溶媒に溶解するものを溶媒中で溶解混合し、次いで、溶媒に溶解しないものを分散混合することにより得られた樹脂組成物ワニスを、ベースフィルム上に塗工して、その後、所定の温度で、実質的に溶媒を含まない程度にまで乾燥させることにより得ることができる。
なお、ここで用いられる溶媒としては、使用される成分に対し不活性なものであれば特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、DIBK(ジイソブチルケトン)、シクロヘキサノン、DAA(ジアセトンアルコール)等のケトン類、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DBE(ニ塩基酸エステル)、EEP(3−エトキシプロピオン酸エチル)、DMC(ジメチルカーボネート)等が挙げられ、これらを単独、または混合溶媒として用いることができる。なお、溶媒の使用量は、溶媒に混合した成分の固形分が10〜60質量%となる範囲であることが好ましい。
なお、接着フィルムの厚さは、特に限定されないが、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上である。また、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下である。
接着フィルム1の厚さが上記範囲内であると、例えば、電極部材として半導体チップと回路基板を用いる場合、これらの間に形成される間隙に樹脂組成物成分を充分に充填することができ、樹脂成分の硬化後の機械的接着強度を充分に確保することができる。
<接着シート>
次に、本発明の接着シートについて説明する。
本発明の接着シートは、上記本発明の接着フィルムと、ベースフィルムとを有することを特徴とするものである。
図1に、本発明の接着シートの一形態を示す。図1において、接着シート10は、ベー
スフィルム2上に接着フィルム1が形成された構造を有するものである。
本発明の接着シートの形態は図1に示したものに限定されるものではなく、例えば、図1において、ベースフィルムが積層されているのと反対側の接着フィルム側表面に、接着フィルム表面を保護するためのカバーフィルムを有するものであってもよい。
ベースフィルム2は、例えば、複数の個別電極、個別回路が設けられたウエハ表面に、接着シート10(接着フィルム1)をラミネートする際に、接着フィルム1の下地層(支持層)として機能するものである。
ここで、ベースフィルムの材料としては特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、メタクリル・スチレン共重合体、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリブチレンテレフタレート、等の樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
本発明の接着シートは、上述したように、樹脂組成物ワニスを、ベースフィルム上に塗工して、その後、所定の温度で、実質的に溶媒を含まない程度にまで乾燥させることにより得ることができる。そして、必要に応じて、さらに、接着フィルム上にカバーテープを積層した形態とすることもできる。
<ダイシングテープ一体型接着フィルム>
次に、本発明のダイシングテープ一体型接着フィルムについて説明する。
本発明のダイシングテープ一体型接着フィルムは、上記本発明の接着フィルム1と、ダイシングテープとを有することを特徴とする。
図2に、本発明のダイシングテープ一体型接着フィルムの一形態を示す。図2において、ダイシングテープ一体型接着フィルム11は、ダイシングテープ3上に接着フィルム1が形成された構造を有するものである。図2に示した形態では、ダイシングテープ3は、ダイシングテープの基材層3aと、ダイシングテープの粘着層3bの2層からなるものであり、ダイシングテープの粘着層3bと接着フィルム1とが接するように積層されている。
本発明のダイシングシート一体型接着フィルムの形態は図2に示したものに限定されるものではなく、例えば、ダイシングテープの粘着層3bと接着フィルム1との間に、介在層を有した形態とすることもできる。この場合、ダイシングテープの粘着層は、介在層よりも粘着性が高いものが好ましい。これにより、接着フィルム1に対する介在層の密着力よりも、介在層および基材層に対するダイシングテープの粘着層の密着力が大きくなる。そのため、電子部品の製造工程において、例えば、半導体チップピックアップ工程のような電子部品の製造工程において、剥離を生じさせるべき所望の界面(すなわち介在層と接着フィルムとの界面)で剥離を生じさせることができる。
<ダイシングテープ>
本発明のダイシングテープ一体型接着フィルムに用いられるダイシングテープは、一般的に用いられるどのようなダイシングテープでも用いることができる。
ダイシングテープの基材層3aの構成材料としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン・(メタ)
アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ビニルポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
ダイシングテープの基材層3aの平均厚さは、特に限定されないが、5〜200μmであるのが好ましく、30〜150μm程度であるのがより好ましい。これにより、基材層は、適度な剛性を有するものとなるため、接着フィルムを確実に支持して、ダイシングテープ一体型接着フィルムの取扱いを容易にするとともに、ダイシングテープ一体型接着フィルムが適度に湾曲することで、接着フィルムと電極を有する被接体との密着性を高めることができる。
ダイシングテープの基材層3aの製法としては特に限定されないが、カレンダー法、押出成形法などの一般的な成形方法を用いることができる。基材層3aの表面には、粘着層3bを構成する材料と反応する官能基、例えば、ヒドロキシル基またはアミノ基などが露出していることが好ましい。また、基材層3aと粘着層3bとの密着性を向上するために、基材層3aの表面をコロナ処理またはアンカーコート等で表面処理しておくのが好ましい。
また、ダイシングテープの粘着層3bの構成材料としては特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を含む樹脂組成物で構成されているものを用いることができる。
アクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルで構成される樹脂、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステルと、それらと共重合可能な不飽和単量体(例えば酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等)との共重合体等が用いられる。また、これらの共重合体を2種類以上混合してもよい。
これらの中でも(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、及び、(メタ)アクリル酸ブチルからなる群から選ばれる1種以上と、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、及び、酢酸ビニルの中から選ばれる1種以上との共重合体が好ましい。これにより、ダイシングテープの粘着層が粘着する相手(例えば、上述した介在層、基材層等)との密着性や粘着性の制御が容易になる。
上記ダイシングテープの粘着層3bの平均厚さは、特に限定されないが、1〜100μm程度であるのが好ましく、特に3〜20μm程度であるのがより好ましい。ダイシングテープの粘着層3bの平均厚さが上記範囲内であれば、ダイシングテープの粘着層3bの形状追従性が確保され、半導体ウエハなどの接着フィルムの被接物に対する密着性をより高めることができる。
上記ダイシングテープの製造方法としては特に限定されないが、例えば、バーコート法、ダイコート法、グラビアコート法等により、ダイシングテープの基材層3a上に粘着層3bを塗工することにより製造することができる。また、粘着層3bは別途粘着層3b用基材上に塗工した後に、ダイシングテープの基材層3a上にラミネートするなどの方法により転写して製造することもできる。
介在層を設ける場合は、上記粘着層3b上にさらに介在層を塗工してもよいし、介在層を別途、介在層用基材上に塗工したものをラミネートするなどの方法により製造することもできる。
また、本発明のダイシングテープ一体型接着フィルムは、例えば、基材層3a、粘着層3b、及び、介在層を有するダイシングテープと、本発明の接着シート(接着フィルム+ベースフィルム)とを、上記介在層と接着フィルムとが接するようにラミネートすることにより得ることができる。
<電子部品>
次に、本発明の電子部品について説明する。
本発明の電子部品は、上記本発明の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明の電子部品の一例について、図3、図4を用いて詳細に説明する。
図3は、本発明の接着シートを用いて、回路基板上に半導体チップを搭載する方法の一形態を説明するための斜視図、図4は、本発明の接着シートを用いて、回路基板上に接着シートをラミネートする工程の一形態を説明するための縦断面図である。
[1]まず、接着シート10と、複数の個別回路210が設けられた回路基板200とを用意し、この接着シート10を、接着フィルム1が個別回路210と対向するようにして配置した後、接着シート10を回路基板200に対してラミネートする(図3(a)参照)。
この工程を実施するための方法としては特に限定されないが、一例として、一対の挟圧部材を用いて実施した場合の工程の詳細について、図4を用いて説明する。
図4(a)は、接着シート10と回路基板200とをラミネートする前段階を示したものである。回路基板200は、先端に半田バンプ202を有した電極201を複数備えており、複数の電極間には間隙203が存在する。
この回路基板200の電極201側から、接着シート10を、接着フィルム1が回路基板200の電極201が形成された側に向くようにして重ねる。
図4(b)は、図4(a)で示した構成のものを、挟圧部材51、52により加熱・加圧して、回路基板200と接着シート10とをラミネートし、回路基板200が有する電極201同士の間に形成された間隙203内に、接着フィルム1を均一に充填させた状態を示したものである。
図4(c)は、図4(b)で示した挟圧部材51、52による加熱・加圧を開放した状態を示したものである。
回路基板200上に接着シート10をラミネートする条件は特に限定されないが、接着シート10の貼り付け温度が60〜150℃、接着フィルムに加える圧力が0.2〜1.0MPaであることが好ましい。
また、ラミネートは、雰囲気圧100kPa以下の減圧下で行うのが好ましく、雰囲気圧80kPa以下の減圧下で行うのがより好ましい。
[2]次に、接着シート10からベースフィルム2を剥離して、個別回路210側に接着フィルム1が接合された半導体ウエハ200を得る。(図3(b)参照)。
この状態を縦断面図で表わしたのが図4(d)で、半導体ウエハ200と接着シート10とをラミネートしたものから、ベースフィルム2を除去したものであり、回路基板200が有する電極201間の間隙203に、接着フィルム1が埋め込まれた状態、換言すれば、間隙203が接着フィルム1によって充填されている状態を示したものである。
[3]次に、接着フィルム1が接合された半導体ウエハ200を、ダイシングソー600を用いて、個別回路210毎に個片化することにより、接着フィルム1が接合された半導体チップ300を得る(図3(c)参照。)。
[4]次に、個別回路410を備える回路基板400を用意し、前工程[3]で得られた半導体チップ300を、フリップチップボンダー500を用いて、回路基板400が備える個別回路410の電極と、半導体チップ300が備える回路基板の電極201とが半田
バンプ202を介して対向するように位置合わせを行い、回路基板400上に載置する(図3(d)参照。)。
[5]次に、フリップチップボンダー500を用いて、回路基板400と半導体チップ300とを、この状態で加圧・加熱した後、冷却する(図3(e)参照。)。
これにより、本発明の電子装置を製造することができる。
本発明の電子部品の形態では、隣接する接合された電極同士間に形成された空隙には、接着フィルム1に由来する封止樹脂が充填される。この空隙に対する封止樹脂の充填では、上記工程[1]において、各間隙203に対して接着フィルム1が均一な厚さ(高さ)で充填されているため、接合された電極同士間に形成された複数の空隙に対して、高い充填率で封止樹脂を充填することができる。
また特に、接着フィルム1がフラックス機能を有するものである場合は、その作用により、半田バンプ202の表面に形成された酸化膜が除去されつつ、半田バンプ202が溶融した後、固化することとなるため、個別回路210の電極201と、個別回路410の電極とが半田接合されて、端子接合が形成される。
[6]次に、接着フィルム1の構成材料に熱硬化性樹脂が含まれる場合は、回路基板400と半導体チップ300とを再度、加熱する(図3(f)参照。)。
これにより、空隙に充填された封止樹脂を確実に硬化させることができる。
このようにして、回路基板400上に半導体チップ300を搭載することができ、本発明の電子部品を得ることができる。
なお、本実施形態では、接着シートを用いて電気的に接続する、電極が形成された電極部材として、半導体チップと回路基板とを用いる場合を例に挙げて説明したが、かかる場合に限定されるものではない。
本願発明の形態の接着シートが適用できる電極部材の具体的な組合せとしては、例えば、半導体ウエハと半導体ウエハとの組合せ、半導体ウエハと半導体チップとの組合せ、半導体チップと半導体チップとの組合せ、フレキシブル回路基板と半導体ウエハとの組合せ、リジッド回路基板と半導体ウエハとの組合せ、フレキシブル回路基板と半導体チップとの組合せ、リジッド回路基板と半導体チップとの組合せ、フレキシブル回路基板とフレキシブル回路基板との組合せ、フレキシブル回路基板とリジッド回路基板との組合せ、および、リジッド回路基板とリジッド回路基板との組合せ、などが挙げられる。
以上、本発明の接着シートおよび電子部品について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−1の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−1(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」)17.6質量部
(B)成分−1:フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、商品名「ミレックスXLC−4L」)5.5質量部
(B)成分−2:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名「P
R−55617」)5.9質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X31」、数平均分子量3800)2.9質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:エポキシ基含有アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−P3」)17.4質量部
(F)成分:トリフェニルホスフィン(北興化学工業株式会社製、商品名「TPP」)0.2質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.5質量部
<接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の製造>
上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−1を、基材ポリエステルフィルム(ベースフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名「ピューレックスA53」)に厚さ50μmとなるように塗布して、100℃で5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルムが形成された接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)を得た。
<ダイシングテープ一体型接着フィルム>
(1)ダイシングテープの介在層の形成
アクリル酸2−エチルヘキシル30質量%と酢酸ビニル70質量%とを共重合して得られた重量平均分子量約300,000の共重合体100質量部と、分子量が約700の5官能アクリレートモノマー45質量部と、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン5質量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートT−100」)3質量部との混合物を、予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、得られた塗布膜に対して紫外線500mJ/cm2を照射
し、ポリエステルフィルム上に介在層を成膜した。
(2)ダイシングテープの粘着層の形成
アクリル酸ブチル70質量%とアクリル酸2−エチルヘキシル30質量%とを共重合して得られた重量平均分子量約500,000の共重合体100質量部と、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「コロネートT−100」)3質量部とを混合したダイシングテープの粘着層用ワニスを調製した。上記ダイシングテープの粘着層用ワニスを予め離型処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム表面に、乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、その後、80℃で5分間乾燥した。そして、ポリエステルフィルム上にダイシングテープの粘着層を成膜した。その後、ダイシングテープの基材層として厚さ100μmのポリエチレンシートを上記ポリエステルフィルムと反対側面の粘着層側にラミネート(積層)して、ダイシングテープを得た。
(3)ダイシングテープ一体型接着フィルムの製造
介在層を成膜したフィルムと、上記で得られたベースフィルム付き接着フィルムとを、介在層と接着フィルムとが接するようにラミネートし、第1積層体を得た。
次に、ロール状の金型を用いて、上記第1積層体を半導体ウエハの外径よりも大きく、かつウエハリングの内径よりも小さく打ち抜き、その後、不要部分を除去して、第2積層体を得た。
さらに、ダイシングテープの粘着層の一方の面側にあるポリエステルフィルムと、上記第2積層体の一方の面側にあるポリエステルフィルムとを剥離した。そして、上記第2積層体の介在層とダイシングテープの粘着層とが接するように、これらをラミネートした。
これにより、ダイシングテープの基材層、ダイシングテープの粘着層、介在層、接着フィルムおよびベースフィルムの5層がこの順でラミネートされたダイシングテープ一体型接着フィルムを得た。
<電子部品の製造−1>
本発明の電子部品として、上記で得られた本発明の接着シートを用いて、下記の手順で半導体装置(1)を作製した。
表面に低融点の導電性金属として錫、銀を含む合金からなる半田を有する銅電極を有する半導体チップ(サイズ10mm×10mm、厚さ0.3mm、電極の高さ15μm、電極の幅30μm、電極間の距離30μm、)を用意し、上記各実施例および比較例で得られた各接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)の接着フィルム側と半導体チップとが接合するように、真空ラミネーター(名機製作所株式会社製、MVLP)を用い、100℃、0.8MPa、30秒間でラミネートし、接着フィルム付き半導体チップを得た。
次に、上記半導体チップの電極の配列と対応した銅電極を有する回路基板(電極の高さ10μm、配線回路の平均厚さ12μm、隣接する配線回路の間隔30μm)を用意した。
次に、フリップチップボンダー(Panasonic株式会社製、FCB3)を用いて、上記回路基板の銅電極と、半導体チップの半田を有する銅電極とが当接するように位置合わせを行いながら回路基板に半導体チップを150℃、29.4N、3秒間で仮圧着した後に、235℃、29.4N、30秒間加熱して、半田を溶融させて半田接続を行った。
そして、180℃、120分間、0.8MPaの流体圧(空気圧)の雰囲気下で加熱して、接着フィルムを硬化させて、半導体チップと、回路基板とが接着フィルムの硬化物を介して接着された半導体装置(1)を得た。
<電子部品の製造−2>
本発明の電子部品として、上記で得られた本発明のダイシングテープ一体型接着フィルムを用いて、下記の手順で半導体装置(2)を作製した。
半田バンプを有するシリコンウエハ(直径8インチ、厚さ100μm)を用意した。ダイシングテープ一体型接着フィルムからベースフィルムを剥離し、その剥離面と、シリコンウエハの半田バンプを有する面とが接するように、ダイシングテープ一体型接着フィルムとシリコンウエハとを積層した。これをラミネーターで、貼り合わせ温度80℃、接着フィルム(ダイシングテープ一体型接着フィルム)にかける圧力0.8MPa、30秒間の条件でラミネートして、ダイシングテープ一体型接着フィルム付きのシリコンウエハを得た。
次いで、このダイシングテープ一体型接着フィルム付きのシリコンウエハを、シリコンウエハ側から、ダイシングソー(株式会社ディスコ製、DFD6360)を用いて下記の条件でダイシング(切断)した。これにより、シリコンウエハが個片化され、下記のダイシングサイズの半導体チップを得た。なお、このダイシングにより形成された切り込みは、その先端が介在層内に達していた。
<ダイシング条件>
ダイシングサイズ :10mm×10mm角
ダイシング速度 :50mm/sec
スピンドル回転数 :40,000rpm
ダイシング最大深さ :0.130mm(シリコンウエハの表面からの切り込み量)
ダイシングブレードの厚さ:15μm
次いで、半導体チップの1つをダイシングテープ一体型接着フィルムの支持フィルム側(ダイシングテープの基材層側)からニードルで突き上げ、突き上げた半導体チップの表面をダイボンダーのコレットで吸着しつつ上方に引き上げた。これにより、接着フィルム付き半導体チップをピックアップした。
次に、パッドを有する回路基板を用意し、この回路基板のパッドと、上記で得られた接着フィルム付き半導体チップが有する半田バンプとが当接するように位置合わせを行いながら、回路基板に半導体チップを235℃、5秒間の条件で加熱して、半田バンプを溶融させて半田接合を行った。
そして、180℃、60分間、0.8MPaの流体圧(空気圧)の雰囲気下で加熱して、接着フィルムを硬化させて、半導体チップと、回路基板とが接着フィルムの硬化物で接着された半導体装置(2)を得た。
(実施例2)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−2の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−2(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、 商品名「jER 1032H60」)11.7質量部
(A)成分−2:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON HP−4770」)3.7質量部
(B)成分:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7851」)8.3質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X31」、数平均分子量3800)、0.3質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:エポキシ基含有 アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−P3」)15.8質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)0.1質量部
(G)成分:ジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)9.6質量部
その他:シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.5質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−2を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
(実施例3)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−3の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−3(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EXA−830LVP」)27.9質量部
(B)成分:クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、商品名「KA−1160」)10.0質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「CTBN1008SP」、数平均分子量3550)0.7質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YX−6954」)3.6質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)0.1質量部
(G)成分:トリメリット酸(東京化成工業株式会社製)7.5質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.2質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−3を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
(実施例4)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−4の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−4(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」5.1質量部
(A)成分−2:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」)11.8質量部
(B)成分:フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、商品名「ミレックスXLC−4L」)8.8質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X31」、数平均分子量3800)0.6質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)55.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製、商品名「FX−280S」)8.6質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.1質量部
(G)成分:4−(4−ヒドロキシフェノキシ)安息香酸(東京化成工業株式会社製)7.2質量部
(H)成分:アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンW−450A」、平均粒径0.2μm)2.5質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.3質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−4を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
(実施例5)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−5の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−5(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)17.7質量部
(A)成分−2:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON HP−4770」)4.5質量部
(B)成分:フェノールアラルキル樹脂(三井化学株式会社製、商品名「ミレックスXLC−4L」)12.3質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「CTBN1008SP」、数平均分子量3550)0.8質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:エポキシ基含有 アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−P3」)7.4質量部
(F)成分:2−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2MZ−H」)0.1質量部
(G)成分:フェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)5.6質量部
(H)成分:アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンW−450A」、平均粒径0.2μm)1.3質量部
その他:シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.3質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−5を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
(実施例6)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−6の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−6(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)9.5質量部
(A)成分−2:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」)22.1質量部
(B)成分:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名「PR−55617」)8.4質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「CTBN1008SP」、数平均分子量3550)0.6質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:エポキシ基含有 アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−P3」)8.8質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.1質量部
その他:シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.5質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−6を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
(実施例7)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−7の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−7(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EXA−830LVP」)34.0質量部
(B)成分:クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、商品名「KA−1160」)18.7質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X13」、数平均分子量3150)5.7質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)30.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YX−6954」)5.1質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.1質量部
(G)成分:トリメリット酸(東京化成工業株式会社製」)6.0質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.4質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−7を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
(実施例8)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−8の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−8(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)13.5質量部
(A)成分−2:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON HP−4770」)4.8質量部
(B)成分:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名「PR−55617」)8.1質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X13」、数平均分子量3150)0.6質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)55.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YX−6954」)6.3質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.
1質量部
(G)成分:フェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)6.8質量部
(H)成分:アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンW−450A」、平均粒径0.2μm)4.6質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.2質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−8を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
(実施例9)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−9の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−9(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EXA−830LVP」)12.6質量部
(A)成分−2:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」)6.3質量部
(B)成分:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7851」)8.3質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X31」、数平均分子量3800)0.7質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)55.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製、商品名「FX−280S」)3.4質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)0.1質量部
(G)成分:フェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)7.2質量部
(H)成分:アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンW−450A」、平均粒径0.2μm)6.0質量部
その他:シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.4質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−9を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
(実施例10)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−10の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−10(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)14.9質量部
(B)成分:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名「PR−55617」)8.1質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X13」、数平均分子量=3150)4.0質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)55.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YX−6954」)6.3質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.1質量部
(G)成分:フェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)6.8質量部
(H)成分:アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンW−450A」、平均粒径0.2μm)4.6質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.2質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−10を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
(実施例11)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−11の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−11(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)13.9質量部
(A)成分−2:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON HP−4770」)4.8質量部
(B)成分:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名「PR−55617」)8.1質量部
(C)成分:カルボキシル基を両末端に有するアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を主成分とする化合物(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X13」、数平均分子量=3150)0.2質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)55.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YX−6954」)6.3質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.1質量部
(G)成分:フェノールフタリン(東京化成工業株式会社製)6.8質量部
(H)成分:アクリル系ゴム粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンW−450A」、平均粒径0.2μm)4.6質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.2質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−11を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
(比較例1)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−21の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−21(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)7.7質量部
(A)成分−2:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」)7.7質量部
(B)成分:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7851」)8.6質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:エポキシ基含有 アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−P3」)18.8質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)0.1質量部
(G)成分:ジフェノール酸(東京化成工業株式会社製)6.6質量部
その他:シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.5質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−21を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
(比較例2)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−22の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−22(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EPICLON 840−S」)11.5質量部
(A)成分−2:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「jER 1032H60」)11.5質量部
(B)成分:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、商品名「PR−55617」)11.4質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:エポキシ基含有 アクリル酸エステル共重合体(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「SG−P3」)14.2質量部
(F)成分:2−フェニルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2PZ」)0.1質量部
その他:シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBE−503」)0.5質量部
その他:アクリロニトリル・ブタジエン共重合体:(ピイ・ティ・アイ・ジャパン株式会社製、商品名「Hypro 1300X33」、重量平均分子量3900)0.8質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−22を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
(比較例3)
<接着フィルム形成用樹脂組成物−23の製造>
下記の成分をメチルエチルケトンに溶解・分散し、固形分濃度50質量%の接着フィルム形成用樹脂組成物−23(樹脂ワニス)を調製した。
(A)成分:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名「EXA−830LVP」)21.9質量部
(B)成分:クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、商品名「KA−1160」)7.8質量部
(D)成分:球状シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SC1050」、平均粒径0.25μm)50.0質量部
(E)成分:フェノキシ樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YX−6954」)2.8質量部
(F)成分:2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製、商品名「2P4MZ」)0.1質量部
(G)成分:トリメリット酸(東京化成工業株式会社製)5.9質量部
その他:シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名「KBM−403」)0.2質量部
その他:カルボキシル基を有する固形アクリロニトリル・ブタジエン共重合体:(日本ゼオン株式会社製、商品名「Nipol 1072」)11.3質量部
接着フィルム形成用樹脂組成物−1のかわりに、上記で得られた接着フィルム形成用樹脂組成物−23を用いた以外は、実施例1と同様の手順により、接着シート(ベースフィルム付き接着フィルム)、ダイシングテープ一体型接着フィルム、半導体装置(1)、及び、半導体装置(2)を得た。
<物性評価>
上記実施例、比較例にて製造した接着フィルム形成用樹脂組成物、ならびに、これらの接着フィルム形成用樹脂組成物を用いて製造した接着シートの特性評価結果について、表1に示した。特性評価は以下に記載した手法により実施した。
Figure 0006155931
<接着フィルムの可撓性評価>
各実施例および比較例で得られた接着フィルムについて、25℃雰囲気下、4mm径の円柱に接着フィルム面を外側(基材面を内側)にして巻きつけ、接着フィルムの割れ、欠
けを確認した。
○:接着フィルムに割れ、欠けが全く発生しない。
×:接着フィルムの一部に割れ、欠けが発生している。
<ガラス転移温度>
接着フィルムの硬化物のガラス転移温度Tgについて、測定方法を以下のように示す。各実施例および比較例で得られた厚み25μmの接着フィルムを4枚積層することによって厚み100μmのサンプルを作製し、180℃、2時間熱処理することによって接着フィルムの硬化物サンプルを得た。この硬化物サンプルを25mm×3mmに切って試験片とし、試験片の測定面の平行度を高めるために、♯1500またはそれより粗さが細かいサンドペーパーで研磨した。その後、セイコーインスツルメンツ社製、Thermal Mechanial Analysis、TMA/SS 6000を用いてTMA(引張法)にて測定した。測定条件は昇温5℃/分で30℃から330℃まで昇温し、荷重30mNで測定した。ガラス転移温度の算出は、最終昇温時のデータより求め、50℃と150℃の最小二乗法より求めた接線の交点より算出した。
<接続部の半田濡れ性>
上記各実施例および比較例の接着フィルムを用いて得られた電子部品(半導体装置(1))について、断面を切断し、SEMによりバンプ接続部を20箇所確認し、接続部において回路基板の銅電極の上面および側面への半田の濡れ状態について評価した。各符号の意味は以下の通りである。
○:20箇所全ての接続部において、回路基板の銅電極の上面および側面に半田が濡れている。
△:20箇所の接続部において、回路基板の銅電極の上面および側面に半田が濡れている
箇所と、上面のみに半田が濡れている箇所が混在している。
×:20箇所の接続部において、回路基板の銅電極に半田が濡れていない箇所がある。
<反りの評価>
上記各実施例および比較例の接着フィルムを用いて得られた電子部品(半導体装置)について反り量を測定した。半導体装置の反り量は、半導体装置の中心における回路基板の下面の高さを0としたときの、半導体装置の中心から対角線上に7mm離れた位置までの回路基板の下面の高さのうちの最も大きい値とした。反りの評価は、この反り量の値を指標として用い、値が小さいほど反りが小さいことを示す。
上記評価の結果、実施例1〜11はいずれも、(A)成分〜(D)成分を含有する本発明の樹脂組成物から形成された本発明の接着フィルムであり、可撓性、ガラス転移温度、接続部の半田濡れ性に優れ、応力緩和性(反り量)においても良好な結果が得られた。
一方、比較例1は(C)成分を配合しない樹脂組成物から形成された接着フィルムであるが、可撓性が低下し、応力緩和性(反り量)においても大きく劣るという結果となった。さらに、接続部の半田濡れ性も低下した。また、比較例2は、(C)成分の代わりに、カルボキシル基を備えないアクリロニトリル・ブタジエン共重合体を用いた樹脂組成物から形成された接着フィルムであるが、接続部の半田濡れ性が低下した。そして、比較例3は、(C)成分の代わりに、カルボキシル基を有する固形アクリロニトリル・ブタジエン共重合体を用いた樹脂組成物から形成された接着フィルムであるが、固形物で分子量が大きく分散性が低いため、配合量を多くしないと可撓性を確保することができず、ガラス転移温度が大きく低下するという結果になった。また、接続部の半田濡れ性も低下した。
1 接着フィルム
2 ベースフィルム
3 ダイシングテープ
3a ダイシングテープ基材層
3b ダイシングテープ粘着層
10 接着シート
11 ダイシングテープ一体型接着フィルム
51 挟圧部材
52 挟圧部材
200 回路基板(半導体ウエハ)
201 電極
202 半田バンプ
203 間隙
210 個別回路
300 半導体チップ
400 回路基板
410 個別回路
500 フリップチップボンダー
600 ダイシングソー

Claims (15)

  1. 相対向する電極間に介在され、前記相対向する電極を電気的に接続するフィルム状の樹
    脂組成物であって、
    前記樹脂組成物は、
    (A)エポキシ樹脂と、
    (B)硬化剤と、
    (C)分子中にカルボキシル基を有し、25℃で液状であるアクリロニトリル・ブタジエン共重合体と、
    (D)充填材と、
    (G)フラックス機能を有する化合物と、
    を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記請求項1に記載の樹脂組成物において、
    前記(C)成分は、GPC測定法による数平均分子量が、1000以上、6500以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  3. 前記請求項1又は2に記載の樹脂組成物において、
    前記(C)成分は、カルボキシル基を分子の片末端あるいは分子の両末端に有するものであることを特徴とする樹脂組成物。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂組成物において、
    前記樹脂組成物全体に対して、前記(A)成分の含有量が10質量%以上、50質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂組成物において、
    前記樹脂組成物全体に対して、前記(B)成分の含有量が3質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  6. 前記請求項1ないし5のいずれか1項に記載の樹脂組成物において、
    前記樹脂組成物全体に対して、前記(C)成分の含有量が0.1質量%以上、6質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  7. 前記請求項1ないし6のいずれか1項に記載の樹脂組成物において、
    前記樹脂組成物全体に対して、前記(D)成分の含有量が20質量%以上、70質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  8. 前記請求項1ないし7のいずれか1項に記載の樹脂組成物において、
    前記(A)成分と前記(C)成分との含有量の質量比率[(A)成分/(C)成分]が、5.9以上、60以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  9. 前記請求項1ないし8のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
    さらに、(E)成膜性樹脂、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  10. 前記請求項1ないし9のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
    さらに、(F)硬化促進剤、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  11. 前記請求項1ないし1のいずれか一項に記載の樹脂組成物において、
    さらに、(H) 有機微粒子、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  12. 前記請求項1ないし1のいずれか一項に記載の樹脂組成物から形成されるものであることを特徴とする、接着フィルム。
  13. 前記請求項1に記載の接着フィルムと、ベースフィルムとを有することを特徴とする、接着シート。
  14. 前記請求項1に記載の接着フィルムと、ダイシングテープとを有することを特徴とする、ダイシングテープ一体型接着フィルム。
  15. 前記請求項1ないし1のいずれか一項に記載の接着フィルムの硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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