JP2011150364A - 投射型表示装置 - Google Patents

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JP2011150364A
JP2011150364A JP2011059353A JP2011059353A JP2011150364A JP 2011150364 A JP2011150364 A JP 2011150364A JP 2011059353 A JP2011059353 A JP 2011059353A JP 2011059353 A JP2011059353 A JP 2011059353A JP 2011150364 A JP2011150364 A JP 2011150364A
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Takayuki Okada
隆之 岡田
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Abstract

【課題】高地でも騒音の増大がなく、従来対応できなかった2300m以上の高地であっても使用可能な投射型表示装置を提供する。
【解決手段】超高圧水銀ランプ21への供給電力値を変更するランプ出力制御部13と、投射型表示装置1を設置した周囲の大気圧を検出する大気圧センサ61と、大気圧に対応して設定した光源への供給電力情報を記憶する相関テーブル格納部53を電気回路部40に有し、予め記憶した大気圧に対応して設定した超高圧水銀ランプ21への供給電力情報をもとに、大気圧センサ61で検出した大気圧に応じて、ランプ出力制御部13が超高圧水銀ランプ21への供給電力を制御することにより、大気圧の低い高地ではランプ電力を低減して点灯させ、高地においてはファン速度増加によって生ずる騒音増大を回避して動作させる。
【選択図】図1

Description

本発明は投射型表示装置に関し、特に高地でも使用可能でかつ静音化が図られた投射型
表示装置に関する。
投写画像を明るくするため、投射型表示装置の光源にはメタルハライドランプや超高圧
水銀ランプなど高出力で発熱量の大きい光源が用いられている。発熱量の大きいこれらの
光源は、温度の上昇により周囲の構造部品を熱変形させたり、発光管自身の寿命低下を招
いたりする。特に発光管の寿命と温度との間には強い相関関係があり、最適な温度範囲を
維持するための冷却が要求されている。
光源で発生した光は光学エンジンを介して映像を作成した後、投写レンズで拡大されス
クリーンに投写される。光学エンジンには液晶パネルなどの複数の光学部品が実装されて
いるが、強い光の透過や反射によってこれらの光学部品にも温度上昇が発生する。この温
度上昇は液晶パネルの動作を不安定にしたり、各種の光学部品に特性変化を起こさせて投
写画像を悪化させたり、光学部品の寿命を低下させたりしている。すなわち光学部品の温
度上昇を抑制することが、光学性能を維持し寿命を延命することになるので、光学部品の
冷却が装置の性能や信頼性を高める上で必須となっている。
このような状況の中で、パーソナルコンピュータの普及に伴って投射型表示装置による
プレゼンテーションが広く行われており、投射型表示装置を山間部などの標高の高い場所
で使用する機会が増加している。
しかし、投射型表示装置を標高の高い高地で使用すると、ランプや液晶パネルを初めと
する光学部品の温度上昇は低地に比べて大きくなる。これは、高地では気圧が低いために
空気が薄く、装置で発生した熱の大気への熱移動が抑制されるためである。
この課題を解決する従来技術として、投射型表示装置に圧力センサを設けて大気圧を検
出し、検出した大気圧に応じて空冷ファンの回転数を上昇させる次のような技術が公開さ
れている。
特許文献1には、冷却機構と、使用される場所の高度に応じてこの冷却機構の駆動制御
を選択設定する冷却制御選択手段を備え、高地で使用しても十分な冷却効果を確保するこ
とのできるプロジェクタが開示されている。
特許文献2には、筐体内を冷却するファンを有し、液晶ライトバルブ近傍の温度を検出
する温度検出素子と、温度検出素子で検出した温度を所定の温度補正値により補正し、補
正した温度に基づいてファンの回転数の制御、およびランプの電源のオン/オフを制御す
る制御装置を有し、使用環境の変化によって信頼性が低下しない投射型表示装置が開示さ
れている。
特許文献3には、内部温度を検出するための温度センサ、外気圧を検出するための気圧
センサ、検出された温度と外気圧に基づいて冷却ファンの回転数を制御する制御装置を備
え、使用されている地域の気圧に応じて、適切な冷却ファン制御が自動的に行われる液晶
プロジェクタが開示されている。
特許文献4には、気圧センサが出力する気圧データおよび風量センサが出力する風量デ
ータが入力するシステム制御回路を有し、システム制御回路には気圧値と風量値とによっ
て設定されるファン電源への加算電圧値を規定する制御テーブルが格納されており、フィ
ルタに目詰まりが生じた場合でも、極力最適な冷却制御が行える投写型映像表示装置が開
示されている。
特開2004−157356号公報 特開2000−194072号公報 特開2002−258237号公報 特開2006−91611号公報
しかし、これらの従来技術は、空冷ファンの回転数を上昇させて冷却能力を高め、ラン
プ部や各種光学部品の温度を維持しようとするものであり、二つの大きな課題があった。
第1の課題は、高地における装置の使用は発熱部の温度上昇が大きく、空冷ファンの回
転数を大きく増加させる必要があり、それによって騒音が増大するという課題である。例
えば、投射型表示装置を標高1500mで使用した場合、光学エンジンの光学部品には5
〜15℃、ランプの発光管温度は30℃〜50℃の温度上昇が発生する。この温度上昇を
ファンの回転数上昇によって対応した場合、ファンの回転数は約1.8倍に上昇させる必
要があるが、このとき騒音は約10dB増加する。この値は聴感上2倍の大きさに感じら
れる騒音レベルであり、装置使用上の課題となっていた。
第2の課題は、空冷ファンの回転数には上限があるため、たとえ騒音増加を伴っても部
品の望ましい温度を維持できる標高は2300m前後が限界になるという課題である。例
えば、従来の一般的な投射型表示装置では1500m前後が限界であり、ファンの回転数
を上昇させる"高地モード"を備えた装置であっても2300m前後が限界であった。
本発明の目的は、高地でも騒音の増大がなく、従来対応できなかった2300m以上の
高地であっても使用可能な投射型表示装置を提供することにある。
本発明の投射型表示装置は、
投射用光源への供給電力値の変更を行う光源電力変更手段と、外部条件とその外部条件
に対応して設定された光源への供給電力値との相関関係を記憶する外部条件/光源供給電
力相関テーブルを記憶する記憶部と、周囲の外部条件を取得する外部条件情報取得手段と
、外部条件/光源供給電力相関テーブルから、外部条件情報取得手段で取得した外部条件
に対応する光源への供給電力値を取得し、取得した供給電力値となるように光源電力変更
手段を制御する光源電力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
これによって、装置を設置した周囲の大気圧が低いときには光源への供給電力を低減し
て光源を発光させる。これにより光源の発熱量が低下することから送風機の送風量を増加
させる必要が減少して高地でも騒音の増大がなく、従来対応できなかった極めて高い高地
でも使用が可能となる。
さらに、冷却装置への供給電力値の変更を行う冷却装置電力変更手段と、外部条件とそ
の外部条件に対応して設定された冷却装置への供給電力値との相関関係を記憶する外部条
件/冷却装置供給電力相関テーブルを記憶する記憶部と、外部条件/冷却装置供給電力相
関テーブルから、外部条件情報取得手段で取得した外部条件情報に対応する冷却装置への
供給電力値を取得し、取得した供給電力値となるように冷却装置電力変更手段を制御する
冷却装置電力制御手段と、を備えていてもよい。
これによって、標高に対応してファンの回転数を変更することが可能となるため、ラン
プ出力をあまり低減したくない場合にファンの回転数をやや上昇させ、明るさと騒音の最
適化を行うことができる。
外部条件は、周囲の大気圧であってもよく、外部条件情報取得手段は、投射型表示装置
に設けられて周囲の大気圧を検出する大気圧検出部であってもよく、外部条件情報取得手
段は、使用者により大気圧情報が入力される大気圧情報入力部であってもよい。
また、外部条件情報取得手段は、投射型表示装置の使用場所の地理的条件とその地理的
条件に対応して設定された大気圧との相関関係を記憶する地理的条件/大気圧相関テーブ
ルを記憶する記憶部と、使用者により地理的条件が入力される地理的条件入力部と、地理
的条件/大気圧相関テーブルから、地理的条件入力部に入力された地理的条件に対応する
大気圧情報を読み出す大気圧情報読み出し部とから構成されてもよい。地理的条件は標高
であってもよく、地名、緯度経度などの標高に関係する位置情報であってもよい。
検出された大気圧情報の代わりに、入力した標高情報を使用することで大気圧検出部が
不要となって装置の小型化やコストダウンを図ることができる。
また、外部条件は、周囲の環境温度であってもよく、外部条件情報取得手段は、投射型
表示装置に設けられて周囲の環境温度を検出する環境温度検出部であってもよく、外部条
件情報取得手段は、使用者により周囲の環境温度が入力される環境温度情報入力部であっ
てもよい。
本発明においては、周囲の環境温度に応じてファンの回転数制御を行うことにより、環
境温度の変化に対しても最適な騒音を維持することができる。この効果は、大気圧を検出
する手段を用いている場合だけではなく、標高情報を入力する構成においても同様に得ら
れる。
外部条件/光源供給電力相関テーブルと外部条件/冷却装置供給電力相関テーブルとに
おける外部条件が、周囲の大気圧と周囲の環境温度との組み合わせにより構成されていて
もよい。
外部条件/光源供給電力相関テーブルと外部条件/冷却装置供給電力相関テーブルはそ
れぞれ複数設けられており、使用者により選択された使用モードに対応して選択されても
よく、使用モードは、通常モード、静音高地モード、最適高地モードから構成され、通常
モードでは、投射用光源への供給電力値は一定値であり、冷却装置への供給電力値は周囲
の環境温度のみに対応して第1の比率で変更され、静音高地モードでは、投射用光源への
供給電力値のみが大気圧に対応して第2の比率で変更され、冷却装置への供給電力値は周
囲の環境温度のみに対応して第3の比率で変更され、最適高地モードでは、投射用光源へ
の供給電力値は大気圧に対応して第2の比率よりも低い第4の比率で変更され、冷却装置
への供給電力値は大気圧に対応して第5の比率で変更されるとともに周囲の環境温度に対
応して第3の比率よりも高い第6の比率で変更されてもよい。
複数の使用モードを選択可能としたことにより、想定される使用条件に対応する相関テ
ーブルが自動的に選択される。
冷却手段は軸流ファンやシロッコファンを含む空冷ファンであってもよく、ペルチェ素
子を含む電子式固体冷却素子であってもよい。
これらの冷却手段としては、特に排気用ファンや液晶パネル部の冷却用として軸流ファ
ンやシロッコファンがあり、液晶パネル部の冷却用としてはさらにペルチェ素子に代表さ
れる電子式固体冷却素子がある。ペルチェ素子は熱源に接触させて熱を奪う冷却デバイス
であり、光学部品に直接接触させることで効果的に冷却できる。
外部電力を投射型表示装置へ給電する通電スイッチとその投射型表示装置の動作を起動
する起動スイッチとを備え、大気圧検出手段によって大気圧を検出するタイミングは、通
電スイッチがオンされてから起動スイッチがオンされるまでの間に設定されていてもよい
外部電力を装置へ給電する通電スイッチを備えることで、大気圧を検出する手段による
大気圧の検出するタイミングを、通電スイッチがオンされた直後にすることにより、各フ
ァンが回転を始める前に大気圧を検出することが可能となるので、正確な大気圧の検出が
可能となる。
従来はファンの回転数を上昇させることで高地使用における光学部品の温度上昇を抑制
していたが、ファン回転数の増加には限界があり、"高地モード"を有する従来の高地対応
型の投射型表示装置は2300m前後が対応できる標高の限界であった。
一方、本発明の投射型表示装置は、装置を設置した場所の大気圧を検出し、検出した大
気圧が低いときは高地と判断して光源への供給電力を低減するので光源の発熱量が低下し
、ファン回転数の増加を抑制することができ、装置を高地で使用しても騒音の増大なく光
学部品の温度上昇を防止することができ、投写画像の性能を維持し、装置の寿命延命を図
る効果がある。また、これにより従来は対応できなかった2300m以上の極めて高い標
高(9100m)であっても対応できるようになった。
すなわち本発明では、標高に関係なくファンの回転数を一定にすることができるので、
その場合装置の騒音は常に一定であり(静音高地モード)、またファン回転数を上昇させ
る技術を併用することにより、騒音増加への影響を最小限に抑えながら光源への電力低減
の影響を最小限に抑えた動作(最適高地モード)が可能となり、装置使用者による本発明
の投射型表示装置の使用目的に合わせ、適切な動作モードを選択して使用できる。これら
の動作モードの詳細と本発明の定量的な効果は実施の形態にて後述する。
第1の実施の形態における3板式液晶画像表示器を備えた投射型表示装置の構成を示す模式図である。 図1に示した3板式液晶画像表示器を備えた投射型表示装置の液晶パネル部の拡大図である。 本装置において動作モードを選択するときにスクリーンに映し出される投写画面のメニュー画面である。 "通常モード" における、対応可能な標高およびそのランプ出力と、各標高に対する各ファンの回転数と装置騒音を周囲環境温度に対して示した相関テーブルである。 "静音高地モード" における、対応可能な標高およびそのランプ出力と、各標高に対する各ファンの回転数と装置騒音を周囲環境温度に対して示した相関テーブルである。 "最適高地モード"における、対応可能な標高およびそのランプ出力と、各標高に対する各ファンの回転数と装置騒音を周囲環境温度に対して示した相関テーブルである。 標高に対しても常にランプ出力が一定である従来の"高地モード"における各標高に対する各ファンの回転数と装置騒音を環境温度に対して示した相関テーブルである。 第1の実施の形態の投射型表示装置の起動から停止までの動作を示すフローチャートである。 第2の実施の形態の投射型表示装置の起動から停止までの動作を示すフローチャートである。 第3の実施の形態における3板式液晶画像表示器を備えた投射型表示装置の構成を示す模式図である。 本装置において動作モードを選択するときにスクリーンに映し出される投写画面のメニュー画面である。 第4の実施の形態における3板式液晶画像表示器を備えた投射型表示装置の構成を示す模式図である。 第5の実施の形態における3板式液晶画像表示器を備えた投射型表示装置の構成を示す模式図である。
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
<第1の実施の形態>
図1は第1の実施の形態における3板式液晶画像表示器を備えた投射型表示装置の構成
を示す模式図であり、図2は図1に示した3板式液晶画像表示器を備えた投射型表示装置
の液晶パネル部の拡大図である。ここでは、3板式液晶画像表示器を備えた投射型表示装
置を例として説明するが、これに限定されるものではなく、直視型カラー画像表示器や単
板式投写型画像表示器にも同様に適応できる。
図1に示すように、第1の実施の形態の投射型表示装置1は、超高圧水銀ランプ21と
、超高圧水銀ランプ21の発光をもとにRGB3枚の液晶パネル25などで画像を生成す
る光学エンジン20と、生成した画像を拡大する投写レンズ28と、映像信号41からの
信号をもとに液晶パネル25を駆動する液晶パネル駆動回路42および主制御回路部50
を備えた電気回路部40と、電気回路部40および超高圧水銀ランプ21へ電力を供給す
る電源部10と、光学エンジン20に実装した液晶パネル25などの液晶パネル部を冷却
する液晶パネル部冷却用ファン31と、電源部10や電気回路部40や光学エンジン20
を冷却する排気ファン32と、超高圧水銀ランプ21を冷却するランプファン33と、投
射型表示装置1を設置した場所の大気圧を検出する大気圧センサ61と、周囲温度を計測
する温度センサ62と、モード選択スイッチ63とを備えている。
電源部10は、超高圧水銀ランプ21の点灯・消灯や電力を安定して供給するバラスト
12と、電気回路部40やバラスト12へ電力を安定的に供給する電源11とから構成さ
れている。電源部10は、通電スイッチ16を介して外部の交流電力供給源15と電気的
に接続している。
バラスト12には、電気回路部40に設けられた主制御回路部50の制御信号をもとに
超高圧水銀ランプ21へ出力する電力を変更するランプ出力制御部13が設けられている
電気回路部40の主制御回路部50には、大気圧センサ61が接続しているランプ出力
判断部51、温度センサ62が接続しているファン回転数制御回路52、相関テーブル格
納部53、投射型表示装置1を起動・終了するための起動ボタンスイッチ54、および停
止ボタンスイッチ55が設けられている。
相関テーブル格納部53には、予め実験的な評価により求められた大気圧情報および周
囲環境温度とランプへの供給電力値および冷却装置供給電力値との相関テーブルが、モー
ド選択スイッチ63で選択されるモードに分類されて記憶されている。
また、電気回路部40には映像信号41からの信号をもとに液晶パネル25を駆動する
液晶パネル駆動回路42が設けられている。
ランプ出力判断部51は大気圧センサ61からの大気圧情報をもとに、相関テーブル格
納部53に予め記憶されている大気圧情報とランプへの供給電力値との相関テーブルを参
照して、ランプ出力判断部51から電源部10のランプ出力制御部13にランプへの供給
電力値を指示する信号を送る。ランプ出力制御部13はその信号をもとに超高圧水銀ラン
プ21へ出力する供給電力値を制御する。
液晶パネル25の冷却は液晶パネル部冷却用ファン31、電気回路部40と電源部10
および光学エンジン20全体の冷却は排気ファン32、超高圧水銀ランプ21の冷却はラ
ンプファン33がそれぞれ冷却を行っている。
それぞれのファンには電気回路部40の主制御回路部50から給電され、ファン回転数
制御回路52で供給電力が制御されることによりファン回転数が制御されている。ファン
回転数制御回路52では温度センサ62からの環境温度情報をもとに、相関テーブル格納
部53に予め記憶されている環境温度情報と各ファンへの供給電力値との相関テーブルを
参照して、各ファンの回転数を制御する。周囲温度に基づくファン回転数制御を行わない
場合には、温度センサ62は設けられず、ファン回転数制御回路52からは各ファンには
所定の電力が供給される。
本実施の形態では、想定される使用条件に対応して予めモード選択スイッチ63で選択
可能な、通常モード、静音高地モード、最適高地モードが設定されており、相関テーブル
格納部53にはそれぞれのモードに対応した大気圧/光源供給電力相関テーブルと大気圧
/冷却装置供給電力相関テーブルと環境温度/冷却装置供給電力相関テーブルが設けられ
ている。大気圧/冷却装置供給電力相関テーブルと環境温度/冷却装置供給電力相関テー
ブルとは、大気圧と環境温度との組み合わせ/冷却装置供給電力相関テーブルに一体化さ
れていてもよい。この実施の形態では環境温度による光源電力の制御は行わないことにし
ているので環境温度/光源供給電力相関テーブルは設けられていないが、環境温度による
光源電力の制御を行う場合には環境温度/光源供給電力相関テーブルを設けてもよい。
冷却手段としては、液晶パネル部冷却ファン31、排気用ファン32、ランプファン3
3としては通常軸流ファンやシロッコファンを含む空冷ファンが用いられるが、液晶パネ
ル部の冷却用としてはこの他にペルチェ素子に代表される電子式固体冷却素子が用いられ
ることがある。ペルチェ素子は熱源に接触させて熱を奪う冷却デバイスであり、光学部品
に直接接触させることで効果的に冷却することができる。
光学エンジン20内には、光インテグレータ22、偏光変換素子23、ダイクロイック
ミラー24、液晶パネル25などが実装されている。
次に、この投射型表示装置1の具体的な動作に関して説明する。
通電スイッチ16をONにすると電源部10と外部の交流電力供給源15とが通電し、
適正な電圧に変換された電力が超高圧水銀ランプ21を発光させるバラスト12と電気回
路部40に供給され、投射型表示装置1はスタンバイ状態に入る。
電気回路部40に設けられた起動ボタンスイッチ54が押されると、投射型表示装置1
が起動し、大気圧センサ61は投射型表示装置1を設置した場所の大気圧情報を検出する
。ファンが始動すると空気流により大気圧センサ61の計測値に誤差を生ずるおそれがあ
るので、第2の実施の形態では起動ボタンスイッチ54が押される前に大気圧情報を入手
している。
主制御回路部50の相関テーブル格納部53には、開発時における実験的な評価から得
られた大気圧および環境温度とランプへの供給電力値およびファン回転数の適正値との関
係が相関テーブルとして予め記憶されている。
モード選択スイッチ63でモードが選択されると、そのモードに対応した相関テーブル
が取り出し可能の状態となる。本実施の形態では三つの動作モードが設けられており、予
め予想される使用環境をもとにいずれかが選択される。すなわち低地で使用するときの"
通常モード(低地)"、標高の高さに応じてランプの出力を低減する"静音高地モード"、
標高の高さに応じてランプの出力をやや低減し、かつ、ファンの回転数をやや増加させる
"最適高地モード"の三つである。
ランプ出力判断部51は、大気圧センサ61から入手した大気圧情報をもとに、相関テ
ーブル格納部53に格納された相関テーブルの大気圧とランプへの供給電力値との相関関
係からランプへの供給電力の適正値を読み取り、バラスト12に設けられているランプ出
力制御部13にランプへの供給電力値を指示する信号を送り、ランプ出力制御部13では
指示された電力値で電力を超高圧水銀ランプ21に供給する。
超高圧水銀ランプ21から発した光は光学エンジン20内へ進入し、光インテグレータ
22で均質化された後、偏光変換素子23によって光の偏光方向が揃えられる。次に、そ
の光はダイクロイックミラー24で赤、緑、青、の3原色に分光され、図2に示すように
各色光はそれぞれ赤光路26R、緑光路26G、青光路26Bに沿って各色に対応した液
晶パネル25へ送られる。
液晶パネル25は、映像信号41を入力とする液晶パネル駆動回路42によって、各色
に応じた映像を形成し、各映像はクロスダイクロイックプリズム27で合成されて投写レ
ンズ28を経由して不図示のスクリーンへと投写される。
これらのプロセスの中で、超高圧水銀ランプ21や光学エンジン20内に実装された光
学部品では、光の吸収や自己発熱によって温度上昇が発生する。
超高圧水銀ランプ21の発光管には、明るくフリッカのない安定した発光を継続するた
めの最適温度範囲があり、回転数制御されたランプファン33により精度良く冷却されて
いる必要がある。
液晶パネル部では液晶パネル25の冷却が特に重要であり、液晶パネル25の上部に設
けた液晶パネル部冷却用ファン31で強い風速の空気の流れを作り出し、吹き付けにより
液晶パネルを25を冷却している。
図3は本装置において動作モードを選択するときにスクリーンに映し出される投写画面
のメニュー画面である。
通常モード(低地)、静音高地モード、最適高地モードの三種類のモードのいずれかが
選択されることで、外部条件としての標高に対応した光源の出力が選定される。ここでは
外部条件を標高としているが、大気圧でもよく、大気圧と標高とは相関関係があり相互に
換算できる。
通常モードでは、ランプ出力は一定であり、各ファンの回転数が周囲環境温度に対応し
て制御される。
静音高地モードでは、ランプ出力は標高に対応して制御され、各ファンの回転数は周囲
環境温度に対応して制御される。
最適高地モードでは、ランプ出力は標高に対応して制御され、各ファンの回転数は標高
と周囲環境温度とに対応して制御される。
図3に示したメニュー画面では"静音高地モード"が指定されている。モードの選択は装
置に設けられたモード選択スイッチ63や、投写画像にメニューを表示して矢印キーやリ
モコンの矢印キーで選択を行うことができるが、選択・決定する技術自体は従来の投射型
表示装置で一般的であるのでここでは説明は省略する。
図4は"通常モード"、図5は"静音高地モード"、図6は"最適高地モード"における、対
応可能な標高およびその標高に対応したランプ出力と、各標高に対する各ファンの回転数
と装置騒音とを周囲環境温度に対して示した相関テーブルである。これらは開発段階の実
験的評価によって得られた情報であり、相関テーブルは電気回路部40の主制御回路部5
0の相関テーブル格納部53に記憶されている。
以下に各モードの動作に関して例を挙げて順次具体的に説明する。
図4に示す"通常モード(低地)"は標高(大気圧)とは無関係な動作モードであり、ラ
ンプ出力は通常出力の300Wで一定となっており、ファン回転数は25℃以上では環境
温度に対応して上昇する。ただし、装置の温度上昇の限度があるため対応可能な標高は9
14m(3000ft)までとなる。例えば、環境温度25℃以下では回転数は一定で騒
音35dB、環境温度の上昇に従ってファン回転数も増加し、環境温度35℃では騒音4
5dBとなる。
図5に示す"静音高地モード"は標高が高くなるとランプへの供給電力値を低くして超高
圧水銀ランプ21の発熱を抑える動作モードである。例えば、周囲環境温度25℃におい
て、標高2740m(9000ft)ではランプ出力240W(明るさ3200lm)、
標高5490m(18000ft)ではランプ出力180W(明るさ2400lm)とな
る。本モードでは標高の変化に対してファン回転数は一定であり、環境温度が上がるに従
ってファン回転数は上昇する。環境温度25℃以下では騒音は35dB、環境温度35℃
では騒音は45dBとなる。
図6に示す"最適高地モード"は標高が高くなるとランプへの供給電力値がやや低くなる
が"静音高地モード"よりも低下の度合いが少なく、その代わりに、ファンの回転数を標高
が高くなるとやや上昇させる動作モードである。静音高地モードでは標高8230m−9
140m(27000−30000ft)でランプ出力120w、明るさ1600lmで
あるのに対し、最適高地モードではランプ出力192w、明るさ2580lmであり、明
るさが増加する。
従来の"高地モード"のように標高に対応して若干ではあるがファンの回転数の上昇が伴
うので、ファンの回転数の上限による制約を受け、各標高において対応可能な環境温度が
ある。例えば、標高2740m(9000ft)ではランプ出力264W(明るさ352
0lm)、環境温度25℃で騒音38dB、対応可能な環境温度は32℃までとなる。標
高5490m(18000ft)ではランプ出力228W(明るさ3040lm)、環境
温度25℃で騒音41dB、対応可能な環境温度は29℃までとなる。
本モードは、若干の騒音上昇を許容してランプ出力の低減量を抑制した動作モードであ
り、"静音高地モード"と比較すると騒音は2740m(9000ft)で3dB、640
0m(21000ft)で6dB大きくなるが、反対にランプ電力はそれぞれ24W(明
るさ320lm)、48W(640lm)高くなっている。
図7は標高の変化に対して常にランプ出力が一定である従来の"高地モード"における各
標高に対する各ファンの回転数と装置騒音を環境温度に対して示したものである。
本モードでは高地における装置の温度上昇分だけ冷却性能を高める必要があり、標高が
高くなるにつれて大きな騒音上昇を伴ってしまう。例えば、低地0m−910m(0ft
−3000ft)では環境温度25℃まではファン回転数も騒音も同じであるが、標高9
10−1830m (3000ft−6000ft)では環境温度25℃で騒音39dB、
対応可能な環境温度は31℃まで、標高1830−2290m (6000ft−7500
ft)では環境温度25℃で騒音41dB、対応可能な環境温度は29℃までとなってい
る。
最後に、この従来の”高地モード”を基準として、本発明における"静音高地モード"と
"最適高地モード"による効果を定量的に示す。一般的な室温と考えることができる環境温
度25℃の場合で比較する。
従来の"高地モード"では対応可能な標高は2290m(7500ft)までであり、こ
のとき騒音は低地に比べて6dB上昇し41dB(明るさ4000lm)となる。これに
対して本発明の投射型表示装置では、"静音高地モード"により明るさを1600lmまで
低減させることで騒音は低地と同じ35dB、対応可能な標高は9140m(30000
ft)までとなる。また"最適高地モード"では、明るさを2560lmまでの低減とし、
騒音を44dBまで許容することにより対応可能な標高は"静音高地モード"と同じ914
0m(30000ft)を実現している。
次に、本発明の第1の実施の形態の投射型表示装置の起動から停止までの動作を、フロ
ーチャートを参照して説明する。
図8は、第1の実施の形態の投射型表示装置の起動から停止までの動作を示すフローチ
ャートである。ここから大気圧センサが大気圧を検出するタイミングが読み取れる。
装置の使用者は装置へ給電するために通電スイッチ16をONにする(ステップS11
)。これにより外部の交流電力供給源15より投射型表示装置1(以下装置1と略称)に
電力が供給される。次に、使用者が装置の起動ボタンスイッチ54をONにすると装置1
が稼働し(ステップS12)、大気圧センサ61が装置1を設置した周囲の大気圧を検出
してランプ出力判断部51に出力する(ステップS13)。
主制御回路部50内にあるランプ出力判断部51では、大気圧センサ61が検出した大
気圧に応じて、相関テーブル格納部53に格納されていて選択されたモードの大気圧とそ
の大気圧に対応して設定された光源への供給電力値との相関関係のテーブルから、対応す
る光源供給電力値を決定し、バラスト12内のランプ出力制御部13に点灯指示信号と電
力値指示信号を送る(ステップS14)。
大気圧を検出した後に主制御回路部50はファン回転数制御回路52によりランプファ
ン33、排気ファン32、液晶パネル部冷却用ファン31を始動し、ランプ点灯動作に入
る(ステップS15)。
バラスト12は点灯指示信号と電力値指示信号にもとづいて超高圧水銀ランプ21を発
光させる。このときランプの点灯安定性を考慮し、最初は最大出力300Wで発光させて
から指定した電力に変更してもよい(ステップS16)。
一方、映像信号41が入力する液晶パネル駆動回路42はランプ点灯時とほぼ同時に動
作を開始し、液晶パネルで作成された映像が投写レンズ28により不図示のスクリーンへ
画像として投写される。
これら一連の処理が終了し投写が開始された後にファンの回転数制御に入り、主制御回
路部50は温度センサ62により環境温度を検出し(ステップS17)、相関テーブル格納
部53に格納されていて選択されたモードの環境温度とその環境温度に対応して設定され
た冷却ファン31〜33への供給電力値との相関関係のテーブルから、環境温度に対する
各ファンの対応する回転数を決定して制御する(ステップS18)。大気圧によってもフ
ァンの回転数を制御するモードでは、大気圧センサ61の検出した大気圧を参照する。温
度センサによって適正な環境温度が検出できればその値を利用するが、温度センサが装置
内へ設置されていることによって検出した温度と実際の環境温度とに差異が予測されると
きは、予め補正値を記憶させておくことで補正することも容易に可能である。温度センサ
62による環境温度の検出(ステップS17)は10秒程度の間隔で適宜行い、空調など
による設置環境の温度変化に追従できるようにファン回転数制御回路52がファンを回転
制御する(ステップS18)。
装置を停止するとき、使用者は停止ボタンスイッチ55をONして(ステップS19)
、装置1を終了動作へ移行する。装置1は超高圧水銀ランプ21を消灯後(ステップS2
0)、約30秒ファンを駆動してから(ステップS21)、ファンを停止させる(ステッ
プS22)。装置の使用者は最後に通電スイッチ16をOFFにして(ステップS23)
操作を終了する。
なお、本実施の形態では大気圧の検出をランプ点灯前に行っているが、検出のタイミン
グはランプの発光中でもよく、ランプ電力の変更を発光中に行ってもよい。
<第2の実施の形態>
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は第2の実施の形態の投射型表
示装置の起動から停止までの動作を示すフローチャートである。投射型表示装置の構成は
図1の第1の実施の形態における3板式液晶画像表示器を備えた投射型表示装置の構成と
同じである。
本実施の形態は、第1の実施の形態において装置の電気的機能が豊富なため電源部10
や電気回路部40の発熱が大きく、通電状態(通電スイッチ16がONだけのいわゆる待
機モード)でも排気ファン32を常時駆動しておかなければならない場合である。
このような場合、流れる冷却風の影響により大気圧センサ61は正確な大気圧を検出で
きない。
図9は、第2の実施の形態の投射型表示装置の起動から停止までの動作を示すフローチ
ャートである。ここから大気圧センサが大気圧を検出するタイミングが読み取れる。第1
の実施の形態における図8のフローチャートとの差異を中心に説明する。
本実施の形態では、通電スイッチ16がONとなった(待機モード)直後(ステップS3
1)、排気ファンが始動する前に、大気圧センサ61により大気圧を検出して(ステップS
32)、ランプへの供給電力値を決定する(ステップS33)。この後、排気ファンを始動
して電源部10や電気回路部40の冷却を開始する(ステップS34)。
起動ボタンスイッチ54が押されると(ステップS35)、残りのファンが始動する(ス
テップS36)。その後は、基本的に図8の第1の実施の形態のフローチャートと同様で
ある。
バラスト12は点灯指示信号と電力値指示信号にもとづいて超高圧水銀ランプ21を発
光させる (ステップS37)。その後ファンの回転数制御に入り、主制御回路部50は温
度センサ62により環境温度を検出し(ステップS38)、環境温度に対する各ファンの対
応する回転数を決定して制御する(ステップS39)。
一方、映像信号41が入力する液晶パネル駆動回路42はランプ点灯時(ステップS3
7)とほぼ同時に動作を開始し、液晶パネルで作成された映像が投写レンズ28により不
図示のスクリーンへ画像として投写される。
停止ボタンスイッチ55がONされると(ステップS40)、超高圧水銀ランプ21が消
灯し(ステップS41)、主として超高圧水銀ランプ21を冷却するための30秒間のファ
ン継続稼動が終了後(ステップS42)、排気ファン32以外のファンが停止する(ステッ
プS43)。排気ファン32は継続して稼動を続け、通電スイッチ16がOFFされると(
ステップS44)、排気ファン32は停止する(ステップS45)。
<第3の実施の形態>
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。図10は第3の実施の形態における
3板式液晶画像表示器を備えた投射型表示装置の構成を示す模式図であり、図11は本装
置において動作モードを選択するときにスクリーンに映し出される投写画面のメニュー画
面である。
第3の実施の形態では、投射型表示装置2に第1の実施の形態の投射型表示装置1に設
けられていた大気圧センサ61が設けられておらず、代わりに標高入力部56が主制御回
路部50に接続して設けられており、投射型表示装置2の使用者が標高入力部56から主
制御回路部50に標高を直接入力するものである。標高入力部56は、複数の標高の表示
から選択する方式でも、数値を入力する方法でもよい。また、動作モードの選択と同様に
投写画像にメニュー画面を表示して矢印キーやリモコンの矢印キーで選択を行うことがで
きる。これ以外の構成は、第1の実施の形態の投射型表示装置1と同じなので、同一の符
号を付して説明を省略する。
主制御回路部50の相関テーブル格納部53には予め実験的な評価により求められた標
高とランプへの供給電力値との相関テーブルが記憶されており、主制御回路部50は、標
高入力部56から入力された標高の情報をもとに相関テーブルを参照して、標高に対応す
るランプへの供給電力値を読み出し、ランプ出力判断部51から電源部10のランプ出力
制御部13にランプへの供給電力値を指示する信号を送る。ランプ出力制御部13はその
信号をもとに超高圧水銀ランプ21へ出力する供給電力値を制御する。
図11(第3の実施の形態)における図3(第1の実施の形態)との違いは、投写され
たメニュー画面72上の上側に設けられた投写されたメニュー画面上の動作モード選択ボ
タン73に加えて、投写されたメニュー画面72上の左側に投写されたメニュー画面上の
標高選択ボタン74が設けられていることである。標高入力部56から標高が入力される
場合は、ここに入力された標高が表示されるが、投射型表示装置2を光源電力値の設定な
しに起動でき、起動後に光源電力値を設定する方法とすれば、起動後に図11の投写画面
71を表示させ、表示された投射されたメニュー画面72上の標高選択ボタン74を装置
に設けられた矢印キーやリモコンの矢印キーで指定することでモードの選択を行うことに
より実行できる。
本図の例では標高90000ft(2740m)-12000ft(3660m)が選
択されている。装置の使用者が動作モードの選択と同じように、メニュー画面で標高を直
接入力する方式とすれば、これによって標高入力部56を省くことができるのでコストダ
ウンとなる。
相関テーブルが大気圧と供給電力値との相関関係で構成されているときには、標高と大
気圧との相関テーブルを用意して標高を大気圧に変化して供給電力値を求める。
本実施の形態では、標高を標高入力部56から入力したり、メニュー画面に表示された
標高を直接選択したりすることとしているが、地名や緯度・軽度などの位置情報をメニュ
ー画面に表示して選択したり、または入力したりすることにより、装置2の内部に記憶さ
れた位置情報と標高との相関関係を記録する位置情報/標高相関テーブルから位置情報を
標高に変換して対応することも可能である。パーソナルコンピュータのOSには使用して
いる場所の地名を入力させるものがあるが、このようなOSを流用した場合にはその情報
から標高を推定したり、入力したOSへの位置情報から標高などに変換したりして用いる
ことも可能である。
<第4の実施の形態>
図12は第4の実施の形態における3板式液晶投射型表示装置の構成を示す模式図であ
る。第4の実施の形態は、第1の実施の形態において、ファン回転数制御回路51に対し
温度センサ62を用いない実施の形態である。第1の実施の形態とは、温度センサ62が
設けられていない以外の投射型表示装置の構成は同じなので、同じ構成については同じ符
号を付して説明を省略する。
一般的に投射型表示装置の使用温度範囲は0℃〜40℃であるが、ファンの回転数制御
は室温近傍の25℃から35℃の範囲で行われる。すなわち周囲の環境温度変化幅は10
℃であり、この10℃の温度上昇をファンの回転数増加で抑制するのであるが、高地にお
ける投射型表示装置の使用では、図6の最適高地モードにおける、対応可能な標高および
そのランプ出力と、各標高に対する各ファンの回転数と装置騒音を周囲環境温度に対して
示した相関テーブルに見られるように8230〜9140m(27000〜30000f
t)では周囲環境温度26℃以上ではファン回転数の最高値で変化せずファン回転数制御
は機能しない。このような条件ではファン回転数は標高により変化させるだけで周囲環境
温度による制御は省いても大きな障害は生じない。
そこで、本実施の形態は温度センサによるファン制御を省略し、装置の小型化とコスト
ダウンを図ったものである。
<第5の実施の形態>
図13は第5の実施の形態における3板式液晶投射型表示装置の構成を示す模式図であ
る。第5の実施の形態は、第1の実施の形態において、ランプ出力判断部51に対し大気
圧センサを用いず、ファン回転数制御回路51に対し温度センサ62を用いない実施の形
態である。
第5の実施の形態は、第4の実施の形態(図12)において、第1の実施の形態(図1
)と第3の実施の形態実施例(図10)との関係のように大気圧センサ61を除いて標高
入力部56のような使用者が直接入力できる外部条件入力部を設けたものである。本実施
の形態では温度センサ62によるファン制御を省略し、かつ、大気圧センサ61を削除し
て、装置のさらなる小型化とコストダウンを図ったものであり、その機能の違いについて
は第3と第4の実施の形態で説明しているので、ここでは説明を省略する。
1、2、3 投射型表示装置
10 電源部
11 電源
12 バラスト
13 ランプ出力制御部
15 交流電源
16 通電スイッチ
20 光学エンジン
21 超高圧水銀ランプ
22 光インテグレータ
23 偏光変換光学系
24 ダイクロイックミラー
25 液晶パネル
26R 赤光路
26G 緑光路
26B 青光路
27 クロスダイクロプリズム
28 投写レンズ
31 液晶パネル部冷却用ファン
32 排気ファン
33 ランプファン
40 電気回路部
41 映像信号
42 液晶パネルの駆動回路
50 主制御回路部
51 ランプ出力判断部
52 ファン回転数制御回路
53 相関テーブル格納部
54 起動ボタンスイッチ
55 停止ボタンスイッチ
56 標高入力部
61 大気圧センサ
62 温度センサ
63 モード選択スイッチ
71 投写画像
72 投写されたメニュー画面
73 投写されたメニュー画面上の動作モード選択ボタン
74 投写されたメニュー画面上の標高選択ボタン

Claims (17)

  1. 投射用光源への供給電力値の変更を行う光源電力変更手段と、
    外部条件と該外部条件に対応して設定された前記光源への供給電力値との相関関係を記
    憶する外部条件/光源供給電力相関テーブルを記憶する記憶部と、
    周囲の外部条件を取得する外部条件情報取得手段と、
    前記外部条件/光源供給電力相関テーブルから、前記外部条件情報取得手段で取得した
    外部条件に対応する光源への供給電力値を取得し、取得した供給電力値となるように前記
    光源電力変更手段を制御する光源電力制御手段と、を備えたことを特徴とする投射型表示
    装置。
  2. 請求項1に記載の投射型表示装置において、
    冷却装置への供給電力値の変更を行う冷却装置電力変更手段と、
    外部条件と該外部条件に対応して設定された前記冷却装置への供給電力値との相関関係
    を記憶する外部条件/冷却装置供給電力相関テーブルを記憶する記憶部と、
    前記外部条件/冷却装置供給電力相関テーブルから、前記外部条件情報取得手段で取得
    した外部条件情報に対応する冷却装置への供給電力値を取得し、取得した供給電力値とな
    るように前記冷却装置電力変更手段を制御する冷却装置電力制御手段と、を備えた投射型
    表示装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置において、
    前記外部条件は、周囲の大気圧である、投射型表示装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置において、
    前記外部条件情報取得手段は、前記投射型表示装置に設けられて周囲の大気圧を検出す
    る大気圧検出部である、投射型表示装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置において、
    前記外部条件情報取得手段は、使用者により大気圧情報が入力される大気圧情報入力部
    である、投射型表示装置。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の投射型表示装置において、
    前記外部条件情報取得手段は、
    前記投射型表示装置の使用場所の地理的条件とその地理的条件に対応して設定された大
    気圧との相関関係を記憶する地理的条件/大気圧相関テーブルを記憶する記憶部と、
    使用者により地理的条件が入力される地理的条件入力部と、
    前記地理的条件/大気圧相関テーブルから、前記地理的条件入力部に入力された前記地
    理的条件に対応する大気圧情報を読み出す大気圧情報読み出し部とから構成される、投射
    型表示装置。
  7. 請求項6に記載の投射型表示装置において、
    前記地理的条件は標高である、投射型表示装置。
  8. 請求項6に記載の投射型表示装置において、
    前記地理的条件は地名、緯度経度などの標高に関係する位置情報である、投射型表示装
    置。
  9. 請求項1または請求項2に記載の投射型表示装置において、
    前記外部条件は、周囲の環境温度である、投射型表示装置。
  10. 請求項9に記載の投射型表示装置において、
    前記外部条件情報取得手段は、前記投射型表示装置に設けられて周囲の環境温度を検出
    する環境温度検出部である、投射型表示装置。
  11. 請求項9に記載の投射型表示装置において、
    前記外部条件情報取得手段は、使用者により周囲の環境温度が入力される環境温度情報
    入力部である、投射型表示装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の投射型表示装置において、
    前記外部条件/光源供給電力相関テーブルと前記外部条件/冷却装置供給電力相関テー
    ブルとにおける外部条件が、周囲の大気圧と周囲の環境温度との組み合わせにより構成さ
    れている、投射型表示装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の投射型表示装置において、
    前記外部条件/光源供給電力相関テーブルと前記外部条件/冷却装置供給電力相関テー
    ブルはそれぞれ複数設けられており、使用者により選択された使用モードに対応して選択
    される、投射型表示装置。
  14. 請求項13に記載の投射型表示装置において、
    使用モードは、通常モード、静音高地モード、最適高地モードから構成され、
    前記通常モードでは、前記投射用光源への供給電力値は一定値であり、前記冷却装置へ
    の供給電力値は周囲の環境温度のみに対応して第1の比率で変更され、
    前記静音高地モードでは、前記投射用光源への供給電力値のみが大気圧に対応して第2
    の比率で変更され、前記冷却装置への供給電力値は周囲の環境温度のみに対応して第3の
    比率で変更され、
    前記最適高地モードでは、前記投射用光源への供給電力値は大気圧に対応して前記第2
    の比率よりも低い第4の比率で変更され、前記冷却装置への供給電力値は大気圧に対応し
    て第5の比率で変更されるとともに周囲の環境温度に対応して前記第3の比率よりも高い
    第6の比率で変更される、投射型表示装置。
  15. 請求項2から請求項11のいずれか1項に記載の投射型表示装置において、
    前記冷却手段は軸流ファンやシロッコファンを含む空冷ファンである、投射型表示装置
  16. 請求項2から請求項11のいずれか1項に記載の投射型表示装置において、
    前記冷却手段はペルチェ素子を含む電子式固体冷却素子である、投射型表示装置。
  17. 請求項4に記載の投射型表示装置において、
    外部電力を前記投射型表示装置へ給電する通電スイッチと該投射型表示装置の動作を起
    動する起動スイッチとを備え、
    前記大気圧検出手段によって大気圧を検出するタイミングは、前記通電スイッチがオン
    されてから前記起動スイッチがオンされるまでの間に設定されている、投射型表示装置。
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