JP2011145321A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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隼也 大西
Shiro Hirano
史朗 平野
Tatsuya Fujisaki
達矢 藤▲崎▼
Koji Sugama
宏二 須釜
Masahiko Nakamura
正彦 中村
Yasuhiko Muramatsu
靖彦 村松
Masahiro Yasuno
政裕 安野
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Abstract

【課題】低温定着性に優れ、高温高湿環境下においても高い転写効率を維持し、高濃度のプリント画像が得られる静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーとも云う)及びトナーの製造方法の提供。
【解決手段】アニオン性界面活性剤で分散した少なくともビニル系単量体を重合して得られる樹脂を有する樹脂粒子Aと、アニオン性界面活性剤で分散したポリエステル樹脂を有する樹脂粒子Bと、両性界面活性剤で分散した着色剤とを水系媒体中で凝集・融着して得られるものであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
省エネルギーの観点から、少ないエネルギーで定着できる低温定着トナーの開発が進められている。このような低温定着トナーは、トナーを構成するバインダー樹脂の溶融温度/溶融粘度を下げることで実現できるが、樹脂の溶融温度/溶融粘度を下げるため、ガラス転移点(Tg)や分子量を低くすると、トナーの耐熱保管性や定着画像強度の低下といった問題が生じる。一般的に、バインダー樹脂にポリエステル樹脂を用いると、低温定着性と耐熱保管性の両立においてスチレンアクリル系樹脂を用いた場合よりも、優位にあることが知られている。これは、ポリエステル樹脂は、幅広い分子量設計が可能であり、比較的高いTg設計においても溶融温度/溶融粘度を下げることが可能である点や、紙との親和性が高い点などが要因として考えられている。しかし、ポリエステル樹脂は吸湿性が高く、トナーにしたとき、特に高温高湿環境下で、帯電量が低下して転写率の低下や高濃度のプリント画像が得られない等の問題が生じる。
それに対し、スチレンアクリル系樹脂とポリエステル樹脂を併用することで、ポリエステル樹脂単独で用いた場合よりも、吸湿性の増加を抑え、スチレンアクリル樹脂単体で用いた場合よりも低温定着性に優れたトナーを作製する技術が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、乳化会合型重合トナーの場合、表面の物理的/化学的特性が異なる複数種の樹脂を凝集させる場合、それぞれの粒子を均一に凝集させるのが困難で、十分な低温定着性を有するトナーが得られないという問題が発生していた。
又、トナー粒子の表面にポリエステル樹脂が露出することで吸湿性が増すといった問題が発生していた。
又、低温定着性を高めるため、ポリエステル樹脂の比率を上げると吸湿性が高まり、高温高湿環境下において、転写率の低下が発生するといった問題が発生していた。
さらに、トナーには着色剤、離型剤、荷電制御剤なども同時に凝集させ、構造制御をする必要があり、凝集性の制御は非常に困難で、凝集性の制御の不良により着色剤の分散性が悪化して高濃度のプリントが得られないという問題も有った。
特開2004−295105号公報
本発明の目的は、低温定着性に優れ、高温高湿環境下においても高い転写効率を維持し、高濃度のプリント画像が得られる静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーとも云う)及びトナーの製造方法を提供することにある。
本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成される。
1.アニオン性界面活性剤で分散した少なくともビニル系単量体を重合して得られる樹脂を有する樹脂粒子Aと、アニオン性界面活性剤で分散したポリエステル樹脂を有する樹脂粒子Bと、両性界面活性剤で分散した着色剤とを水系媒体中で凝集・融着して得られるものであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
2.前記静電荷像現像用トナーが前記樹脂粒子Bを3〜50質量%含有していることを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナー。
3.前記樹脂粒子Aが、離型剤を含有していることを特徴とする前記1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
4.アニオン性界面活性剤で分散した少なくともビニル系単量体を重合して得られる樹脂を有する樹脂粒子Aを作製する工程と、アニオン性界面活性剤で分散したポリエステル樹脂を有する樹脂粒子Bを作製する工程と、両性界面活性剤で分散した着色剤を作製する工程と、該樹脂粒子Aと樹脂粒子Bと着色剤を水系媒体中で凝集・融着する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
5.前記静電荷像現像用トナーが、前記樹脂粒子Bを3〜50質量%含有していることを特徴とする前記4に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
本発明のトナー及びトナーの製造方法は、低温定着性に優れ、高温高湿環境下においても高い転写効率を維持し、高濃度のプリント画像が得られる優れた効果を有する。
本発明のトナーを用いることが可能な画像形成装置の一例を示す概略図である。
開示された技術を用いて得られるトナーは、凝集に金属塩(例えば、塩化マグネシウム)を使用する凝集スキームであるため吸湿性が高なり、高温高湿環境でプリントすると転写率が悪くなるという問題があった。
又、金属塩を使用する凝集スキームでは低温定着性が悪くなり、低温定着性を確保するためポリエステル樹脂の比率を高く(例えば、トナーに対し51質量%以上)する必要が有る。ポリエステル樹脂の比率を高くすると吸湿性が高くなり、転写率が低下するという問題があった。
さらに、乳化重合凝集型トナーの製造工程において、スチレンアクリル樹脂とポリエステル樹脂は、樹脂の酸価/水酸基価や、その他の官能基、分子量分布等の差異により凝集性が大きく異なる場合が多い。そのため、従来の金属塩を使用した製造方法においては、ポリエステル樹脂をトナー粒子中に均一分散させた状態で存在させることが困難で、特に離型剤や着色剤、荷電制御剤等を同時に凝集させる場合、トナー粒子の構造制御がさらに困難を極める。構造制御ができないと狙いの低温定着性が得られず、高濃度のプリント画像が得られないという問題が有った。
本発明者等は鋭意検討の結果、アニオン性界面活性剤で分散した少なくともビニル系単量体を重合して得られる樹脂を有する樹脂粒子Aと、アニオン性界面活性剤で分散したポリエステル樹脂を有する樹脂粒子Bと、両性界面活性剤で分散した着色剤とを水系媒体中で、酸性下で凝集・融着させて製造して得られたトナーは、トナー粒子中のポリエステル樹脂と着色剤が均一に分散した状態で存在することを見出した。
このトナーを用いてプリントを行うと、低温定着性に優れ、高温高湿環境下においても転写効率の低下が少なく、高濃度のプリント画像を得ることができることを見出した。
一般的に酸価の異なる粒子は、アルカリ性〜中性条件下においては粒子の分散安定性が異なる。これは、粒子表面にあるカルボキシル基の数が異なることによる、静電的安定性の差が要因であると考えられる。そのため、アルカリ〜中性条件下で複数種の粒子を凝集させた場合、各粒子の分散安定性の違いのため、均一に凝集させることが難しい。
一方で、酸性条件下においては、粒子表面にあるカルボキシル基の乖離がなくなり、粒子の分散安定性は使用する界面活性剤の種類と量で制御可能となる。そのため、上記製造方法においては複数種の粒子の均一な凝集が可能となる。
また、上記製造方法により得られたトナーは、金属塩を使用した凝集法により得られたトナーに比べ、トナー粒子中に金属を含まないため、吸湿性が低く、さらに、低温定着性にも優れるという効果も得られている。
低温定着性に優れる理由としては、トナー内に金属が含まれる場合と比較して、金属と酸基/水酸基間に生じるイオン架橋部位がなくなることで、樹脂の溶融温度/溶融粘度が低下したためと推察している。
以下、本発明について説明する。
《トナーの構成》
本発明のトナーは、アニオン性界面活性剤で分散した少なくともビニル系単量体を重合して得られる樹脂を有する樹脂粒子Aと、アニオン性界面活性剤で分散したポリエステル樹脂を有する樹脂粒子Bと、両性界面活性剤で分散した着色剤とを水系媒体中で凝集・融着して得られるものである。
本発明のトナーは、その体積基準におけるメディアン径(D50)が3.0〜8.0μmであるものが好ましい。
本発明において、トナー粒子を形成する樹脂粒子Bの量は、トナー粒子全量の3〜50質量%であることが好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
尚、本発明において、トナーとはトナー粒子の総称である。
〈樹脂粒子A〉
本発明に係る樹脂粒子Aは、少なくともビニル系単量体を重合して得られる樹脂を有する樹脂粒子であり、トナー粒子を構成する主樹脂として用いられる。
ビニル系単量体を重合して得られる樹脂は、そのガラス転移点が30〜60℃のものが好ましい。
ビニル系単量体を重合して得られる樹脂の重量平均分子量は、8,000〜50,000であることが好ましく、さらに好ましくは10,000〜35,000である。
ビニル系単量体を重合して得られる樹脂の重量平均分子量が8,000〜50,000であることにより、当該樹脂がオリゴマー成分の含有率が低いものとなるので、耐熱性への悪影響が少なく、かつ、高分子鎖の絡み合いが形成されずに弾性の大幅な増加を生じることがないので、耐熱性を低下させることなく得られる画像の光沢性及び平滑性を確保することが可能となる。
ガラス転移点は、DSC−7示差走査カロリメーター(パーキンエルマー製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラー(パーキンエルマー製)を用いて行うことができる。
測定手順としては、測定試料4.5mg〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤しアルミニウム製パンに封入し、DSC−7サンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用する。測定条件としては、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行う。
ガラス転移点は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点とする。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。詳細には、装置「HLC−8220」(東ソー社製)及びカラム「TSKguardcolumnSuperHZ−L+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.35ml/minで流し、測定試料を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μlを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
(ビニル系単量体)
本発明で用いられるビニル系単量体としては、例えば、ビニル芳香族系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、オレフィン系単量体などが挙げられる。
ビニル芳香族系単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレンなどのスチレン系単量体及びその誘導体を挙げることができる。
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどを挙げることができる。
ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテルなどを挙げることができる。
オレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどのモノオレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジオレフィン系単量体が挙げることができる。
上記以外の他の重合性単量体としては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステル系単量体;N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミドなどのN−アルキル置換アクリルアミド;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル系単量体;ジビニルベンゼン、エチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
また、単量体成分として、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどの不飽和結合を2個以上有する架橋性のビニル系単量体がさらに含有されていてもよい。
〈樹脂粒子B〉
本発明に係る樹脂粒子Bは、ポリエステル樹脂を有する樹脂粒子である。
ポリエステル樹脂は、低温定着性や定着分離性を確保する為に用いられ、結晶性ポリエステル樹脂でも非結晶性ポリエステル樹脂でも良い。
非結晶性ポリエステル樹脂を用いる場合には、その動的粘弾性測定による100℃時の貯蔵弾性率が10〜10μN/cmであるものが好ましく、10〜10μN/cmであるものがより好ましい。
尚、貯蔵弾性率とは、以下に示す手順で測定を行うことにより算出して得られた値である。
(1)測定試料0.5gを圧縮成型器を用い、直径1cmのペレットにする
(2)ペレットをギャップ6mmに設定した直径1cmのパラレルプレートに装填する
(3)測定部温度を120℃、パラレルプレートギャップを3mmに設定する
(4)測定部温度を液体窒素で−20℃に設定した後、周波数1.0Hzの正弦波振動を加えながら、測定部を毎分5℃の昇温速度で200℃まで昇温し、所定の温度における複素粘弾性率を測定する。ひずみ角は自動ひずみ制御にて行う。自動ひずみ制御は、測定データの読み込み開始後、約2〜4周期ごとに測定状態を確認し、そのときのトルクピーク(0からピークまでのトルク波形の値を平均したもの)によりひずみ角を調整するものである
(5)上記手順をまとめると、測定試料の貯蔵弾性率は以下の条件の下で測定することにより得られる。すなわち、
測定装置:MR−500ソリキッドメータ((株)レオロジ社製)
周波数 :1.0Hz
プレート径 :1.0cm(パラレルプレート)
ギャップ :3.0mm
ひずみ角 :自動ひずみ制御に設定
測定温度範囲:−20℃〜200℃
一方、結晶性ポリエステル樹脂を用いる場合には、その融点が60〜97℃であるものが好ましい。
尚、融点とは、示差走査熱量計(DSC)測定における吸熱曲線において、昇温時の吸熱ピークトップの温度のことである。
(非結晶性ポリエステル樹脂)
非結晶性ポリエステル樹脂は、モノマー成分として多価カルボン酸と多価アルコールを用いて形成することができる。
多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸類、シクロヘキサジカルボン酸等の脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多価カルボン酸類を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好なる定着性を確保するためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用し、架橋構造或いは分岐構造を構成することが好ましい。
多価アルコールとしては、例えば、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリンなどの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオール類、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオール類、これら多価アルコールの1種又は2種以上を用いることができる。これら多価アルコールの中では、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また、良好な定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用しても良い。
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合によって得られた非結晶性ポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸、及び/又はモノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基、及び/又はカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整しても良い。モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
(結晶性ポリエステル樹脂)
本発明において結晶性ポリエステル樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)測定により得られる吸熱曲線において、昇温時に吸熱ピークを有し、降温時に発熱ピークを有するポリエステル樹脂を云う。昇温時に吸熱ピークを有し、そのピーク温度が60〜97℃に存在する結晶性ポリエステルは、低温定着性と耐フィルミングに優れるため好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、モノマー成分として多価カルボン酸、多価アルコールを用いて形成することができる。本発明では、脂肪族ジカルボン酸(酸無水物及び酸塩化物を含む)と脂肪族ジオールを反応させて得られる脂肪族ポリエステル樹脂が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。また、これらの無水物や低級アルキルエステル等も挙げられる。
また、結晶性ポリエステル樹脂に好適に用いられる多価アルコールは、主鎖部分の炭素数が2〜20である直鎖型脂肪族ジオールが好ましい。脂肪族ジオールの分岐型は、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下する。よって、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び低温定着性の観点から直鎖型が好ましい。
そのような脂肪族ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〈着色剤〉
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。好ましい着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
また、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド48;3、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド81;4、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド238等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
また、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。また、着色剤の添加量はトナー全質量に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
《トナーの製造方法》
トナーの製造方法は、アニオン性界面活性剤で分散した少なくともビニル系単量体を重合して得られる樹脂を有する樹脂粒子Aの分散液を作製する工程、アニオン性界面活性剤で分散したポリエステル樹脂を有する樹脂粒子Bの分散液を作製する工程、両性界面活性剤で分散した着色剤の分散液を作製する工程、樹脂粒子Aと樹脂粒子Bと着色剤を水系媒体中で凝集・融着する工程を有する方法が好ましい。
トナーの製造工程は、
(1)必要に応じ離型剤が含有されたビニル系単量体を含む混合溶液を調製し、該混合溶液をアニオン性界面活性剤含有水系媒体中で油滴化し、該油滴中のビニル系単量体をミニエマルション重合処理にて重合を行って樹脂粒子Aの分散液を作製する工程、
(2)少なくとも重合性の多価カルボン酸成分と多価アルコール成分を有する重合性単量体溶液を重合してポリエステル樹脂を作製し、該ポリエステル樹脂をアニオン性界面活性剤水系媒体中に分散してポリエステル樹脂を有する樹脂粒子Bの分散液を作製する工程、
(3)両性界面活性剤を含む水系媒体中に着色剤を分散して、着色剤の分散液を作製する工程、
(4)樹脂粒子Aの分散液、樹脂粒子Bの分散液と着色剤の分散液を混合した後、混合液のpHを調整し、樹脂粒子Aと樹脂粒子Bと着色剤とを凝集・融着させて会合粒子の分散液を作製する凝集・融着工程、
(5)会合粒子を熱エネルギーにより熟成させて形状を調整し、トナー母体粒子の分散液を得る工程、
(6)トナー母体粒子の分散液を冷却する冷却工程、
(7)冷却されたトナー母体粒子の分散液からトナー母体粒子を固液分離し、当該トナー母体粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程、
(8)洗浄処理されたトナー母体粒子を乾燥させる乾燥工程、
(9)乾燥処理されたトナー母体粒子に外添剤を添加してトナー粒子を得る外添剤添加工程
から構成される。
以下、各工程について詳細に説明する。
〈樹脂粒子Aの分散液を作製する工程〉
先ず、ビニル系単量体に必要に応じ離型剤などを溶解あるいは分散させて重合性単量体溶液を調製する。
重合性単量体を重合する好適な一例においては、臨界ミセル濃度以下の濃度のアニオン系界面活性剤を含有した水系媒体中に、上記の重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて油滴を形成し、次いで水溶性ラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該油滴中において重合反応が行われる。なお、前記水系媒体中には、核粒子として樹脂粒子が添加してあってもよい。
ここに、「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものを云う。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち、樹脂を溶解しない有機溶媒であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が特に好ましい。
重合性単量体溶液を水系媒体中に分散させる方法としては、特に限定されるものではないが、機械的エネルギーにより分散させる方法が好ましく、機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば「クレアミックス」、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げることができる。又、分散粒子径(油滴径)としては、10〜1000nmが好ましく、30〜300nmがより好ましい。
〈樹脂粒子Bの分散液を作製する工程〉
樹脂粒子Bの分散液は、ポリエステル樹脂を有する分散液である。
先ず、多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを混合し重合単量体溶液を調製する。さらに加熱しながら反応系内を均一撹拌し、触媒を投入することで重縮合反応させ、生成する水を除去しながら加熱を継続することでポリエステル樹脂を合成することができる。
ポリエステル樹脂の水性分散液の製造は、公知の乳化方法を用いることができる。例えば水に混和せず樹脂を溶解する酢酸エチル等の有機溶媒にポリエステル樹脂を溶解した後、界面活性剤水溶液にポリエステル樹脂溶液を加え、機械的手段により微分散した後、溶媒を除去する方法が知られている。機械的手段としては、超音波ホモジナイザー(日本精機株式会社)、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社)、クレアミックス(エムテクニック株式会社)等が挙げられる。
樹脂粒子Bの分散液中のポリエステル樹脂の粒径は、80〜400nmが好ましく、100〜250nmがより好ましい。
〈着色剤の分散液を作製する工程〉
着色剤の分散液を作製する工程は、両性界面活性剤を含む水系媒体中に着色剤粒子を分散する工程である。
着色剤微粒子の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤微粒子の分散処理に使用する分散機としては特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザーなどの加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミルなどの媒体型分散機が挙げられる。
この着色剤微粒子は表面改質されていてもよい。表面改質剤で処理された着色剤微粒子は、着色剤微粒子を分散させた分散液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させ、反応終了後、着色剤微粒子を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより得ることができる。
〈会合粒子を得る凝集・融着工程〉
本法においては、電気的に極性の異なる樹脂粒子及び、着色粒子を混合することにより粒子成長を行う。そして、所望の粒子径まで成長したところで、pH調整を行い粒子成長停止させ、さらに、必要に応じて粒子形状を制御するための加熱を継続して行うものである。
また、この工程では、樹脂粒子や着色剤粒子の他に、ワックスや荷電制御剤などの内添剤も粒子にして凝集、融着させることができる。
凝集・融着法は、塩基性下、樹脂粒子と着色剤粒子が存在している水系媒体に、塩酸等の酸を添加し、pHを酸側(好ましくはpH2〜4)とする。次いで、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱することで凝集を進行させると同時に融着を行う工程である。所望の粒径となった時点で、水酸化ナトリウム等の塩基を添加することで、pHをアルカリ側(好ましくはpH7.5以上)とすることで粒子の成長を停止させる。そして、必要に応じて加熱を継続して行うことにより粒子の形状を制御するものである。
この工程における「水系媒体」とは、前述と同様に主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。
〈冷却工程〉
この工程は前述の工程で作製された着色粒子の分散液を冷却処理する工程で、1〜20℃/分の冷却速度で急冷処理するものである。この工程で用いられる冷却処理方法としては、例えば、反応容器外部より冷媒を投入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法等が挙げられる。
〈洗浄工程〉
この工程は、所定温度まで冷却後、冷却されたトナー母体粒子の分散液からトナー粒子を固液分離し、固液分離して得られたトナーケーキ(ウェット状のトナー粒子をケーキのような円筒形状に整えたもの)を洗浄し、界面活性剤等の付着物を除去する洗浄工程である。
尚、固液分離は、遠心分離の他、ヌッチェ等を用いた減圧濾過、フィルタープレス等を用いた濾過等、何れの方法でもよい。
〈乾燥工程〉
この工程は、洗浄されたトナーケーキを乾燥処理する工程である。乾燥処理には、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機等を用いることができる。乾燥されたトナー母体粒子の水分は、1質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.5質量%以下である。なお、乾燥されたトナー母体粒子同士が弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体をジェットミル、ヘンシェルミキサー等によって解砕処理してもよい。
〈外添剤添加工程〉
この工程は、乾燥によって得られたトナー母体粒子に外添剤を混合する工程である。トナー母体粒子に外添剤を混合することで静電荷像現像用トナーが得られる。
尚、外添剤の添加が必要ない場合には、トナー母体粒子をそのままトナーとして用いることができる。
次に、トナーの製造工程で用いられる部材について説明する。
《部材》
(アニオン性界面活性剤)
樹脂粒子Aの分散液、及び樹脂粒子Bの分散液の調製時に用いるアニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪族石鹸や、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げることができる。
(両性界面活性剤)
着色剤の分散液の調製時に用いる両性界面活性剤としては、例えば、N−アルキルニトリロトリ酢酸、N−アルキルジメチルNオキサイド、α−トリメチルアンモニオ脂肪酸、N−アルキル−β−アミノプロピオン酸塩、N−アルキル−β−イミノプロピオン酸塩、N−アルキル−オキシメチル−N,N−ジエチルNオキサイド、N−アルキル−N,N−ジアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキルイミダゾリン誘導体、アミノエチルイミダゾリン有機酸塩、N−アルキルスルホNオキサイド、N−アルキルタウリン塩、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等を挙げることができる。
(離型剤)
本発明のトナーには必要に応じて離型剤を含有させることができる。離型剤は、樹脂粒子Aに含有させるか、または離型剤粒子として凝集・融着工程で樹脂粒子や着色剤粒子と同時に添加させることができる。
離型剤としては、例えばポリオレフィンワックスとしてポリプロピレン、ポリエチレン、製造法にちなんだ慣用名としては、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、メタロセンワックスが好ましい。また、その他、炭素数12〜24の脂肪酸ワックス、及びそのエステル化合物、高級アルコールワックス、ラノリンワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、蜜蝋、カイガラムシワックス、モンタンワックスなどを挙げることができる。
樹脂粒子A中に離型剤を含有させる方法としては、離型剤微粒子の分散液(ワックスエマルジョン)を重合性単量体溶液中に予め含有させた分散液を重合する方法を挙げることができる。
トナー粒子中における離型剤の含有割合としては、トナー全質量に対して5〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。
(連鎖移動剤)
重合工程において、樹脂粒子Aの分子量を調整することを目的として、一般的な連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン及びスチレンダイマーなどを挙げることができる。
(重合開始剤)
重合工程において、樹脂粒子Aを得るための重合開始剤は、水溶性の重合開始剤であれば適宜のものを使用することができる。重合開始剤としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
(荷電制御剤)
本発明のトナーを構成する樹脂粒子Aや樹脂粒子Bには、必要に応じて荷電制御剤が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
(触媒)
ポリエステル樹脂合成時の触媒としては以下のものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。チタン触媒としては、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド等が挙げられる。
その他の触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物及びアミン化合物等が挙げられる。
《現像剤》
本発明のトナーは、キャリアとトナーより構成される二成分現像剤として、又、トナーのみから構成される非磁性一成分現像剤として使用することが可能である。
二成分現像剤として使用する際に用いられる磁性粒子であるキャリアは、例えば、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を使用することが可能である。これらの中ではフェライト粒子が好ましい。又、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる樹脂分散型キャリアなどを用いてもよい。キャリアの体積平均粒径は15〜100μmのものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。
次に、本発明のトナーを用いることができる画像形成方法、画像形成装置について説明する。
《画像形成方法》
本発明のトナーは、電子写真方式の公知の種々の画像形成方法において用いることができる。例えば、モノクロの画像形成方法やフルカラーの画像形成方法に用いることができ、フルカラーの画像形成方法では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各々に係る4種類のカラー現像装置と、1つの静電潜像担持体(以下、単に像担持体とも云う)とにより構成される4サイクル方式の画像形成方法や、各色に係るカラー現像装置および静電潜像担持体を有する画像形成ユニットを、それぞれ色別に搭載するタンデム方式の画像形成方法など、いずれの画像形成方法にも用いることができる。
図1は、本発明のトナーを用いた画像形成装置の一例を示す概略図である。
図1において、1Y、1M、1C、1Kは感光体、4Y、4M、4C、4Kは現像装置、5Y、5M、5C、5Kは1次転写手段としての1次転写ロール、5Aは2次転写手段としての2次転写ロール、6Y、6M、6C、6Kはクリーニング装置、7は中間転写体ユニット、24は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ロール5Y、クリーニング手段6Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ロール5M、クリーニング手段6Mを有する。また、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ロール5C、クリーニング手段6Cを有する。また、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、1次転写手段としての1次転写ロール5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ロール22A、22B、22C、22D、レジストロール23を経て、2次転写手段としての2次転写ロール5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置24により定着処理され、排紙ロール25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ロール5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ロール5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の1次転写ロール5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ロール5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とを有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ロール71、72、73、74、76を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、1次転写ロール5Y、5M、5C、5K及びクリーニング手段6Aとからなる。
筐体8の引き出し操作により、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とは、一体となって、本体Aから引き出される。
このように感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング装置6Y、6M、6C、6Kで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
本発明の実施態様を具体的に述べるが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
本発明のトナーは、以下のようにして作製した。
《樹脂粒子Aの分散液》
〈樹脂粒子A1の分散液〉
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサ、温度制御装置、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に予めアニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」2.0質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させたアニオン性界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に重合開始剤「過硫酸カリウム:KPS」9.0質量部を添加し、内温を78℃とさせた後、
溶液(1)
スチレン 540質量部
n−ブチルアクリレート 270質量部
メタクリル酸 65質量部
n−オクチルメルカプタン 17質量部
からなる溶液(1)を3時間かけて滴下し、滴下終了後、78℃において1時間にわたって加熱・撹拌することで重合(第1段重合)を行い「樹脂微粒子(a1)」の分散液を調製した。
(2)第2段重合:中間層の形成
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、
溶液(2)
スチレン 94質量部
n−ブチルアクリレート 60質量部
メタクリル酸 11質量部
n−オクチルメルカプタン 5質量部
からなる溶液(2)に、離型剤としてパラフィンワックス(融点:73℃)51質量部を添加し、85℃に加温して溶解させて単量体溶液(2)を調製した。
一方、アニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」2質量部をイオン交換水1100質量部に溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温し、この界面活性剤溶液に「樹脂微粒子(a1)」の分散液を、樹脂微粒子(a1)の固形分換算で28質量部添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記単量体溶液(2)を4時間混合・分散させ、分散粒子径350nmの乳化粒子を含有する分散液を調製し、この分散液に重合開始剤「KPS」2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を90℃において2時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第2段重合)を行って「樹脂微粒子(a11)」の分散液を調製した。
(3)第3段重合:外層の形成
上記の「樹脂微粒子(a11)」の分散液に、重合開始剤「KPS」2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
溶液(3)
スチレン 230質量部
n−ブチルアクリレート 100質量部
n−オクチルメルカプタン 5.2質量部
からなる溶液(3)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第3段重合)を行った。その後、28℃まで冷却し、アニオン性界面活性剤溶液中に樹脂粒子A1が分散した「樹脂粒子A1の分散液」を作製した。
〈樹脂粒子A2の作製〉(比較用)
樹脂粒子A1の分散液の作製で用いたアニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」を両性界面活性剤である「ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン」に変更した以外は、同様にして比較用の「樹脂粒子A2の分散液」を作製した。
《樹脂粒子Bの分散液》
〈樹脂粒子B1の分散液〉
(非結晶性ポリエステル樹脂の合成)
攪拌装置、窒素導入管、温度制御装置、精留塔を備えたフラスコに、下記多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを合計3質量部混合し、反応液を調製した。この反応液を1時間かけて190℃まで昇温し、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、触媒Ti(OBu)(非結晶性ポリエステル樹脂のカルボン酸成分の全量に対し、0.003質量%分)を投入した。
反応液
(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸 12.50質量部
フマル酸 13.90質量部
イソフタル酸 0.55質量部
トリメリット酸 5.20質量部
(多価アルコールモノマー)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
76質量部
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
24質量部
生成される水を留去しながら、同温度から6時間を要して240℃まで昇温し、240℃でさらに6時間、脱水縮合反応を継続して重合を行って、「非結晶性ポリエステル樹脂」を得た。
得られた非結晶性ポリエステル樹脂を示差走査熱量計「DSC−7」(島津製作所製)を用い、昇温速度3℃/minにて得られた樹脂の熱特性を測定した結果、2次転移温度Tgは64℃であった。
得られた「非結晶性ポリエステル樹脂」100質量部を、400質量部の酢酸エチル(関東化学社製)に溶解し、予め作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所製)でV−LEVEL 300μA で30分間超音波分散した後、40℃に加温した状態でダイヤフラム真空ポンプV−700(BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去して、平均粒径(体積基準におけるメディアン径(D50))が160nm、固形分量が13.5質量部の結晶性の「樹脂粒子B1の分散液」を得た。
(樹脂粒子B2の分散液)
(結晶性ポリエステル樹脂の合成)
三ツ口フラスコに、1,9−ノナンジオール10質量部及び1,10−ドデカン二酸10質量部と、触媒Ti(OBu)(結晶性ポリエステル樹脂のカルボン酸成分に対し、0.014質量%)とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧した。
さらに、窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて未反応のモノマー成分を除去し、220℃まで徐々に昇温を行って12時間攪拌する。粘稠な状態となったところでサンプリングし、「結晶性ポリエステル樹脂」を得た。
得られた結晶性ポリエステル樹脂を示差走査熱量計「DSC−7」(島津製作所製)にて昇温速度3℃/minで熱特性を測定したところ、最大吸熱ピーク温度すなわち融点は75℃であった。
得られた「結晶性ポリエステル樹脂」を用い、樹脂粒子B1の分散液の作製と同様にして「樹脂粒子B2の分散液」を作製した。
〈樹脂粒子B3の分散液の作製〉
上記で作製した「樹脂粒子B1の分散液」50質量部と「樹脂粒子B2の分散液」50質量部とを混合し、「樹脂粒子B3の分散液」を作製した。
〈樹脂粒子B4の分散液の作製〉(比較用)
樹脂粒子B1の分散液の作製で用いたアニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」を両性界面活性剤である「ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン」に変更した以外は、同様にして「樹脂粒子B4の分散液」を作製した。
《着色剤分散液の作製》
〈着色剤分散液1の作製〉
両性界面活性剤である「ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン」90質量部をイオン交換水1600質量部に投入して撹拌溶解させ、さらに5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。この両性界面活性剤溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、着色剤分散液を調製した。これを「着色剤分散液1」とする。「着色剤分散液A」における着色剤の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子株式会社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
〈着色剤分散液2の作製〉(比較用)
アニオン性界面活性剤である「ラウリル硫酸ナトリウム」90質量部をイオン交換水1600質量部に投入して撹拌溶解させた。この液を撹拌しながら、カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、着色剤分散液を調製した。これを「着色剤分散液B」とする。「着色剤分散液2」における着色剤の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子株式会社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
《トナーの作製》
〈トナー1の作製〉
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサ、冷却管、温度制御装置、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、「樹脂粒子A1」の分散液を固形分換算で348質量部、「樹脂粒子B1」の分散液を固形分換算で12質量部、イオン交換水2000質量部を投入後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。その後、「着色剤分散液1」を固形分換算で40質量部投入し、5モル/リットルの塩酸水溶液を添加してpHを3に調整した。
その後、昇温を行うことで凝集・融着を行った。この状態で「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて凝集粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径(D50)が6.6μmになった時点で5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8に調整して、粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着をさらに進行させ、トナーの平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)平均円形度が0.945になった時点で30℃に冷却し、「トナー母体粒子1の分散液」を作製した。
(洗浄・乾燥工程)
凝集・融着工程にて生成したトナー母体粒子1の分散液を、バスケット型遠心分離機を用いて固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー母体粒子1」を作製した。
(外添剤処理工程)
上記の「トナー母体粒子1」に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)1質量%及び疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)0.3質量%を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、「トナー1」を作製した。
〈トナー2〜7の作製〉
トナー1の作製で用いた「樹脂粒子A」と「樹脂粒子B」の種類と質量部を、表1のように変更した以外は同様にして「トナー2〜7」を作製した。
〈トナー8〜9の作製〉(比較例)
トナー1の作製で用いた「樹脂粒子A」と「樹脂粒子B」の種類と質量部を、表1のように変更した以外は同様にして「トナー8〜9」を作製した。
〈トナー10の作製〉(比較例)
トナー3の作製で用いた「着色剤分散液1」を、「着色剤分散液2」に変更した以外は同様にして「トナー10」の作製を試みたが、トナーが合成できなかった。
〈トナー11の作製〉(比較例)
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、「樹脂粒子A1」の分散液を固形分換算で280質量部、「樹脂粒子B1」の分散液を固形分換算で80質量部、イオン交換水2000質量部を投入後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
その後、「着色剤分散液2」を固形分換算で40質量部投入した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で「コールターマルチサイザー3」(コールターベックマン社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径(D50)が6.6μmになった時点で塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、トナーの平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)平均円形度が0.945になった時点で30℃に冷却し、「トナー母体粒子11の分散液」を作製した。
洗浄・乾燥工程以降はトナー1と同様にして、「トナー11」を作製した。
〈トナー12の作製〉(比較例)
トナー1の作製において、「樹脂粒子B」を用いなかったことと、「樹脂粒子A」の質量部を表1のように変更した以外は同様にして「トナー12」を作製した。
表1に、トナーの作製で用いた「樹脂粒子A」、「樹脂粒子B」、「着色剤」の種類と質量部を示す。
Figure 2011145321
《現像剤の作製》
フェライトコア100質量部とシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂粒子を5質量部とを、撹拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で30分間撹拌混合して機械的衝撃力の作用でフェライトコアの表面に樹脂コート層を形成し、体積基準メディアン径40μmのキャリアを作製した。
キャリアの体積基準メディアン径は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック社製)により測定した。
上記キャリアに、上記で作製した「トナー1〜12」をそれぞれトナー濃度が6質量%になるように添加し、「ミクロ型V型混合機」(筒井理化学器株式会社)に投入し、回転速度45rpmで30分間混合し、「現像剤1〜12」を作製した。
《評価》
評価用の画像形成装置としては、複写機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を用いた。
尚、定着装置は、加熱ローラの表面温度を120〜170℃の範囲で、10℃刻みで変更できるように改造したものを用いた。
この画像形成装置に上記で作製した各トナーと現像剤を順次装填し、A4サイズの上質紙(64g/m)にプリントを行った。
〈低温定着性〉
低温定着性は、常温常湿環境(20度、50%RH)下で、定着装置の加熱ローラの表面温度が120〜170℃の範囲で、10℃刻みで定着して作成した1cm角のベタ画像(中央部に1ヶ所)のプリントを行い評価した。評価は、1cm角のベタ画像部を「JKワイパー」(株式会社クレシア製)で10kPaの圧力をかけて3回こすり、JKワイパー表面の汚れと、ベタ画像の濃度低下率で行った。尚、ベタ画像の濃度低下率とは、プリント後のベタ画像とこすった後のベタ画像の濃度を反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)で測定し、プリント後のベタ画像濃度からこすり後のベタ画像濃度を引いた値をプリント後のベタ画像濃度で割った値を%で表した数値である。尚、評価基準が◎、○を合格とする。
評価基準
◎:JKワイパー表面の汚れが無く、且つベタ画像の濃度低下が5%未満で良好
○:JKワイパー表面の汚れがやや認められ、且つベタ画像の濃度低下が5%以上、10%未満で実用上問題なし
×:JKワイパー表面の汚れが認められ、ベタ画像の濃度低下が10%以上で問題有り。
〈転写効率〉
転写効率は、高温高湿環境(30℃、80%RH)下で、10cm角のベタ画像をプリントし、像担持体(感光体)上に現像されて付着した黒トナーの質量と、上質紙上に転写されて付着した黒トナーの質量を測定し、下記式で定義される転写効率を算出して評価した。尚、転写効率は、80%以上を合格とする。
転写効率=上質紙上の黒トナー付着量/感光体上の黒トナー付着量×100(%)
〈画像濃度〉
画像濃度は、常温常湿(20℃、50%RH)下で、10cm角のべた画像をプリントし、ベタ黒画像部の濃度を反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて12点測定してその平均濃度で評価した。尚、画像濃度は1.40以上を合格とする。
表2に、評価結果を示す。
Figure 2011145321
表2の評価結果から、本発明の「実施例1〜7」の「トナー1〜7」は全ての評価項目で問題無いことが判る。一方本発明の「比較例1〜5」の「トナー8〜12」は評価項目の何れかに問題が有り、本発明の目的を達成できていないことが判る。
1Y、1M、1C、1K 感光体
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K 1次転写手段としての1次転写ロール
5A 2次転写手段としての2次転写ロール
6Y、6M、6C、6K クリーニング装置
7 中間転写体ユニット
10Y、10M、10C、10K 画像形成部
21 無端ベルト状の給紙搬送手段
24 熱ロール式定着装置
70 中間転写体
P 記録部材

Claims (5)

  1. アニオン性界面活性剤で分散した少なくともビニル系単量体を重合して得られる樹脂を有する樹脂粒子Aと、アニオン性界面活性剤で分散したポリエステル樹脂を有する樹脂粒子Bと、両性界面活性剤で分散した着色剤とを水系媒体中で凝集・融着して得られるものであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記静電荷像現像用トナーが前記樹脂粒子Bを3〜50質量%含有していることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記樹脂粒子Aが、離型剤を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. アニオン性界面活性剤で分散した少なくともビニル系単量体を重合して得られる樹脂を有する樹脂粒子Aを作製する工程と、アニオン性界面活性剤で分散したポリエステル樹脂を有する樹脂粒子Bを作製する工程と、両性界面活性剤で分散した着色剤を作製する工程と、該樹脂粒子Aと樹脂粒子Bと着色剤を水系媒体中で凝集・融着する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 前記静電荷像現像用トナーが、前記樹脂粒子Bを3〜50質量%含有していることを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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