JP2009098630A - 電子写真用トナー、該電子写真用トナーの製造方法、該電子写真用トナーを用いた電子写真用現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真用トナー、該電子写真用トナーの製造方法、該電子写真用トナーを用いた電子写真用現像剤及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着が可能で、高光沢で且つ光沢むらのないプリント画像を形成し得る優れた電子写真用トナー、該電子写真用トナーの製造方法、該電子写真用トナーを用いた電子写真用現像剤及び画像形成方法の提供。
【解決手段】60℃における貯蔵弾性率〔G’(60)〕と80℃における貯蔵弾性率〔G’(80)〕の比〔G’(60)〕/〔G’(80)〕の値が1×10〜1×10であり、100℃における貯蔵弾性率〔G’(100)〕と130℃における貯蔵弾性率〔G’(130)〕の比〔G’(100)〕/〔G’(130)〕の値が1〜1×10であり、且つ、100〜130℃における貯蔵弾性率〔G’(100〜130)〕が5×10−3〜1N/cmであることを特徴とする電子写真用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真用トナー、該電子写真用トナーの製造方法、該電子写真用トナーを用いた電子写真用現像剤及び画像形成方法に関する。
近年、電子写真法によるカラー画像形成の高速化が要求されており、この高速化を実現するために、高速でカラー画像を形成した際にも安定してカラー画像が得られるトナーが求められている。
然るに、軽印刷並の高速でカラー画像を形成すると、定着装置における定着ニップ部の通過時間が短くなってトナーに付与される加圧/加熱エネルギーが少なくなるため、得られたプリントの光沢が不足したり、光沢にむらが発生したりして、軽印刷で得られるプリントと比較すると見劣りするものであった。
一方、電子写真法による画像形成装置の省エネルギー化の要求において、当該画像形成装置において電力を最も消費する定着装置における消費エネルギーを少なくするために、低い定着温度で定着させる方法の研究が進められている。低温定着を達成するためには、低い定着温度においてトナー溶融させる必要があり、そのためには、一般に、低いガラス転移点や小さい分子量に設計した樹脂を用いることでトナーの溶融粘度を低下させることが提案されている。
しかしながら、このような低溶融粘度トナーは、定着温度域付近におけるトナー粘弾性の変化が大きいために、形成された定着画像においては、画像光沢が不均一になりやすく、光沢にむらが発生するといった問題がある。
又、低溶融粘度トナーを高速画像形成装置に用いると、定着装置における定着温度が低く、且つ定着ニップ部の通過時間が短くなるため、トナーに付与される加圧/加熱エネルギーが少なくなるため、得られたプリント画像の光沢が不足したり、光沢にむらが発生したりして、軽印刷で得られるプリントと比較すると見劣りするものであった。
上記の問題を解決する手段として、トナーの貯蔵弾性率に着目した改良手段が提案されているが、市場の高い要望レベルに対しては十分に応えられるものに未だ至っていない(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特開2006−84952号公報 特開2006−133451号公報
本発明は、低温定着が可能で、高光沢で且つ光沢むらのないプリント画像を形成し得る優れた電子写真用トナー(以下、単にトナーともいう)、該トナーの製造方法、該トナーを用いた電子写真用現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
本発明に係る上記課題は、下記の手段により解決される。
1.60℃における貯蔵弾性率〔G’(60)〕と80℃における貯蔵弾性率〔G’(80)〕の比〔G’(60)〕/〔G’(80)〕の値が1×10〜1×10であり、100℃における貯蔵弾性率〔G’(100)〕と130℃における貯蔵弾性率〔G’(130)〕の比〔G’(100)〕/〔G’(130)〕の値が1〜1×10であり、
且つ、100〜130℃における貯蔵弾性率〔G’(100〜130)〕が5×10−3〜1N/cmであることを特徴とする電子写真用トナー。
2.前記トナーは、多価カルボン酸を含有していることを特徴とする前記1に記載の電子写真用トナー。
3.前記トナーは、そのガラス転移点が20〜45℃であることを特徴とする前記1又は2に記載の電子写真用トナー。
4.トナーの製造方法であって、乳化重合法により前記1〜3の何れかに記載のトナーを製造することを特徴とする電子写真用フルカラートナーの製造方法。
5.前記1〜3の何れかに記載のトナーと体積基準平均粒径が25〜60μmのキャリアを有することを特徴とする電子写真用現像剤。
6.電子写真感光体上に形成された静電潜像を、トナーを含有する現像剤を用いて顕像化したトナー像を転写材に転写し、転写材に転写されたトナー像を定着する画像形成方法において、該現像剤が前記5に記載の電子写真用現像剤であり、プリント速度が230mm/sec以上であることを特徴とする画像形成方法。
本発明のトナー、該トナーの製造方法、該トナーを用いた電子写真用現像剤及び画像形成方法は、低温定着が可能で、高光沢で且つ光沢むらのないプリント画像が得られる優れた効果を有する。
本願発明者等は、上記問題を解決するため種々検討を行った。
検討の結果、低溶融粘度トナーでもトナーの貯蔵弾性率を特定の値とすることで問題を解決できることを見出した。
本発明で、トナーの貯蔵弾性率を特定の値とするとは、60℃における貯蔵弾性率〔G’(60)〕と80℃における貯蔵弾性率〔G’(80)〕の比〔G’(60)〕/〔G’(80)〕の値が10〜1×10であり、100℃における貯蔵弾性率〔G’(100)〕と130℃における貯蔵弾性率〔G’(130)〕の比〔G’(100)〕/〔G’(130)〕の値が1〜10であり、且つ、100〜130℃における貯蔵弾性率〔G’(100〜130)〕が5×10〜1×10dyn/cm(5×10−3〜1N/cm)である。
本発明において、〔G’(60)〕/〔G’(80)〕の値は、低温定着に必要なトナーの溶融性を判断する指標である。この数値が大きいほど低温定着時でも溶融しやすく低温定着性が確保できる。
上述したように、〔G’(60)〕/〔G’(80)〕の値は1×10〜1×10、好ましくは1×10〜1×10の範囲である。
〔G’(100)〕/〔G’(130)〕の値は、低温定着時の貯蔵弾性率の変化を表す指標である。この数値が小さいほど粘弾性の変化が少ないことから画像光沢が均一となりやすいことを意味する。
上述したように、〔G’(60)〕/〔G’(80)〕の値は1〜1×10であるが、好ましくは1〜30の範囲である。
〔G’(60)〕/〔G’(80)〕の値は、結着樹脂が溶融し貯蔵弾性率が低下していく領域である。尚、比〔G’(100)〕/〔G’(130)〕の値が1であるということは130℃においても貯蔵弾性率が低下せずに維持していることを意味し、130℃での貯蔵弾性率〔G’(130)〕が〔G’(100)〕を上回ることは理論上ありえない。
〔G’(100〜130)〕とは、〔G’(100)〕〜〔G’(130)〕までに推移する貯蔵弾性率の領域を示しており、画像光沢度を判断する指標である。
この貯蔵弾性率の数値が小さいほどトナーの溶融性が高いため、高い画像光沢度を得ることが可能となる。
上述したように、〔G’(100〜130)〕の値は5×10〜1×10dyn/cm(5×10−3〜1N/cm)、好ましくは5×10〜5×10dyn/cm2(5×10−3〜5×10−1N/cm)である。
従来においては、〔G’(60)〕/〔G’(80)〕の値を大きくして溶融性を高めると、〔G’(100〜130)〕の値は満足するが、〔G’(100)〕/〔G’(130)〕の値も大きくなってしまっていた。逆に〔G’(100)〕/〔G’(130)〕の値を満足するものは、〔G’(60)〕/〔G’(80)〕の値が小さく、〔G’(100〜130)〕の値が大きくなってしまい、低温時、高温時のG’の両立が図れなかったのである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明ではトナーの動的粘弾性に着目し、特定温度において特定範囲の貯蔵弾性率を発現するトナーにより、本発明の効果をより明確に発現させることができる。
ここで、動的粘弾性は、正弦振動のように時間とともに変化する歪み或いは応力を試料に与えて、それに対する応力や歪みを測定することにより試料の粘弾性を評価するものである。このように、正弦振動を介して得られる粘弾性を動的粘弾性といい、動的粘弾性では正弦振動により得られる弾性率が複素数の形で表されるものである。
下記の式において、弾性率Gは、試料に加えられる応力σと応力σの作用で生ずるひずみγとの比であり、動的粘弾性における弾性率を複素弾性率G*と呼んでいる。すなわち、動的粘弾性における複素弾性率G*は、応力をσ*、ひずみをγ*とすると、
G*=σ*/γ*
で表される。
そして、複素弾性率G*の実数部を貯蔵弾性率、虚数部を損失弾性率という。以下、本発明に使用されるトナーを特定する因子である貯蔵弾性率について説明する。
試料に振幅γ、角振動数ωの正弦的歪みγを試料に与えた場合、正弦的歪みγは次のように表される。
γ=γcosωt
このとき、試料には、同じ角振動数の応力が生ずる。応力σは歪みγより位相がδだけ進むので、以下のように表される。
σ=σcos(ωt+δ)
ここで、オイラーの公式 eiωt=cosωt+isinωtを用いて、これらの式を複素数で表示すると、正弦的歪みγ*は、γ*=γexp(iωt)、これにより生じた応力σ*は、σ*=σexp(i(ωt+δ))と表される。
前述した複素弾性率G*=σ*/γ*に上記式を入れると、
G*=(σ/γ)expδ
=(σ/γ)(cosδ+isinδ)
ここで、G*=G’+iG”とすると、
G’=(σ/γ)cosδ
G”=(σ/γ)sinδ
となる。これは、一周期の間に粘弾性体に貯えられる弾性エネルギーがG’に比例し、粘弾性体が熱として失うエネルギーがG”に比例することを意味するもので、このことから、実数部分であるG’を貯蔵弾性率、虚数部分であるG”を損失弾性率と呼んでいる。
本発明に使用されるトナーの貯蔵弾性率は、以下に示す測定装置、条件、手順により測定することにより算出される。
測定装置 :MR−500ソリキッドメータ((株)レオロジ製)
周波数 :1Hz
測定モード :温度分散
測定治具 :径0.997cmのパラレルプレート。
測定手順
(1)トナーを、圧縮成型器を用いて直径1cm高さ5〜6mmのトナーペレットにし、測定資料を調製する。
(2)トナーペレットを測定装置に装着したパラレルプレートに装填する。
(3)測定部温度をトナー軟化点温度−15℃にした後、パラレルプレートギャップを3mmに調整する。
(4)測定部温度を測定開始温度35℃まで冷却させた後、周波数1Hzの正弦波振動を加えながら、測定部を毎分2℃の昇温速度で200℃まで昇温し、所定の温度の貯蔵弾性率を測定する。歪み角は、トルクの値(R.Tolq)が1%以下にならないように0.02〜5degの範囲で上げていき変化させる。
図1は、貯蔵弾性率と温度との関係を示す図である。
図において、縦軸は貯蔵弾性率G’、横軸は温度を示す。
次に、本発明のトナーの構成について説明する。
本発明のトナーは、トナーの主要結着樹脂(樹脂Aと呼ぶ)中に、多価カルボン酸を含む樹脂(樹脂Bと呼ぶ)を適量導入して作製したものが好ましい。更に、多価カルボン酸を含む樹脂Bは、トナーの主要結着樹脂Aのガラス転移点に対して、高いものが好ましい。このような設計とすることにより、樹脂Aにより、低温定着性を達成しつつ、樹脂Bを導入することにより、樹脂Aと樹脂B中のカルボン酸ユニットが局所的に水素結合を形成し、トナーの内部凝集力を上げて粘弾性を高め、高光沢で光沢むらのないプリント画像を形成することができるのである。
又、多価カルボン酸成分を有するラジカル重合性単量体を用いるメリットとして、次の様なことも考えられる。すなわち、カルボキシル基は極めて極性の大きい官能基であり、しかも、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有するために、この様なラジカル重合性多価カルボン酸を用いることで、極性の大きい状態とすることができる。その結果、トナーと転写材との間における親和性を増大させることができるので、トナー画像の定着強度を向上させることも実現しているものと推測される。
ここで、多価カルボン酸成分とは、側鎖に少なくとも2つ以上のカルボン酸成分(カルボキシル基)を含有する重合性単量体である。具体的には、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、グルタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられ、中でもイタコン酸、マレイン酸が好ましい。
樹脂Bは、多価カルボン酸成分を有するラジカル重合性単量体を重合して形成されるビニル系重合体で樹脂を形成することが好ましい。
トナーを構成する結着樹脂(樹脂A+樹脂B)中に占める樹脂Bの割合は、樹脂AのTgによるものであり、
樹脂AのTg=20〜24℃であれば10〜30質量%
樹脂AのTg=25〜35℃であれば5〜20質量%
樹脂AのTg=36〜45℃であれば3〜10質量%
が好ましい。
又、トナー中に占める多価カルボン酸の割合は、1〜10質量%が好ましく、2〜6質量%がより好ましい。
樹脂Aのガラス転移点は、20〜45℃が好ましく、25〜35℃がより好ましい。樹脂Aの重量平均分子量は、10,000〜50,000であることが好ましく、15,000〜35,000がより好ましい。
又、本発明に係わる樹脂A中には、離型剤を含有していることが好ましい。
樹脂Bを形成する重合性単量体組成物における多価カルボン酸成分を有するラジカル重合性単量体の含有割合は、3〜20質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。尚、樹脂Bのガラス転移点は40〜70℃、重量平均分子量Mwが10,000〜200,000が好ましく、10,000〜50,000がさらに好ましい。
樹脂Aと樹脂Bの粘弾性を特定の値にするには、樹脂B中の多価カルボン酸の種類、その量、ガラス転移点及び分子量設計の適正化により可能である。
本発明のトナーは、そのガラス転移点が20〜45℃のものが好ましく、25〜35℃のものがより好ましい。
トナーのガラス転移点はトナーを構成する樹脂Aと樹脂Bのガラス転移点に主に左右される。
ガラス転移点は、下記の方法で測定することができる。
本発明に係るガラス転移点(Tg)の測定は、示差走査カロリーメータ「DSC−7」(パーキンエルマー社製)、熱分析装置コントローラ「TAC7/DX」(パーキンエルマー社製)を用いて行うことができる。
操作手順としては、測定サンプル4.5〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パン(KitNo.0219−0041)に封入し、「DSC−7サンプルホルダー」にセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−Cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行う。
ガラス転移点は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間の最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
本発明のトナーの樹脂分子量としては、Mw=10000〜50000が好ましい。
本発明に係る樹脂分子量の測定は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフ)を用いて測定されるものである。
GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフ)による樹脂の分子量の測定方法としては、濃度1mg/mlになるように測定試料をテトラヒドロフランに溶解させる。溶解条件としては、室温にて超音波分散機を用いて5分間行う。次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理した後、GPCへ10μL試料溶解液を注入する。GPCの測定条件の具体例を下記に示す。
装置:HLC−8220(東ソー製)
カラム:TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連(東ソー製)
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.2ml/min
検出器:屈折率検出器(RI検出器)
試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
次に、トナーを構成する化合物(重合性単量体、多価カルボン酸、着色剤、離型剤、荷電制御剤、外部添加剤)について説明する。
(重合性単量体)
樹脂A及び樹脂Bの樹脂を形成する重合性単量体としては、公知のものを使用することができる。具体的には、スチレンとアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体と、イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。
具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用することができる。
又、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが更に好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
又、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
(多価カルボン酸)
本発明に用いられる多価カルボン酸は、前記の化合物を用いることができる。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
又、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
又、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
又、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。又、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
(離型剤)
本発明に用いられる離型剤は、公知の化合物を用いることができる。
このようなものとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
トナーに含有される離型剤の量は、トナー全体に対し1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。
(荷電制御剤)
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
(外添剤)
本発明のトナーには、流動性、帯電性の改良及びクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤(「外部添加剤」ともいう。)を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの種々の無機酸化物粒子を使用することが好ましく、更に、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。又、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形のものを使用することができる。この有機微粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などの重合体を使用することができる。
これらの外添剤の添加割合は、トナー全質量に対して0.1〜5.0質量%が好ましく、0.5〜4.0質量%がより好ましい。又、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
次に、トナーの製造法について説明する。
《トナーの製造法》
本発明に係わるトナーの製造方法としては、特に限定されるものではないが、乳化重合凝集法、ミニエマルション重合凝集法、懸濁重合法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融法、混練粉砕法などが挙げられ、これらの中でも、主要結着樹脂Aと多価カルボン酸を含む樹脂Bによる貯蔵弾性率の調整が図りやすいという点より、ミニエマルション重合凝集法、乳化重合凝集法によるトナーの製造方法が好ましい。
ミニエマルション重合凝集法によるトナーの製造方法の具体的な一例を示すと、
(1)必要に応じて離型剤が含有されたラジカル重合性単量体溶液を得る単量体溶液調製工程、
(2)ラジカル重合性単量体溶液を水系媒体中で油滴化し、ミニエマルション重合処理を行って結着樹脂微粒子の分散液を調製する重合工程、
(3)水系媒体中において結着樹脂微粒子を着色剤微粒子などの他のトナー粒子構成成分の微粒子と共に凝集させて会合粒子を得る凝集・融着工程、
(4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成させて形状を調整し、トナー母体粒子を得る熟成工程、
(5)トナー母体粒子の分散液を冷却する冷却工程、
(6)冷却されたトナー母体粒子の分散液からトナー母体粒子を固液分離し、当該トナー母体粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程、
(7)洗浄処理されたトナー母体粒子を乾燥させる乾燥工程、
(8)乾燥処理されたトナー母体粒子に外添剤を添加してトナー粒子を得る外添剤添加工程から構成される。
上記のミニエマルション重合凝集法による結着樹脂(樹脂A+樹脂B)を有するトナーの製造方法において、樹脂A中に樹脂Bは、下記(I)又は(II)の工程で導入することができる。
(I):上記(2)の重合工程において導入する方法
具体的には下記(I−ア)〜(I−ウ)の方法が挙げられる。
(I−ア):上記(2)の重合工程においてミニエマルション重合処理を行う際に、樹脂Aを形成すべきラジカル重合性単量体溶液による油滴に予め重合された樹脂Bの微粒子を添加し、樹脂Aの中央部に樹脂Bを導入する方法。
(I−イ):上記(2)の重合工程において、先ず、樹脂Bを形成すべきラジカル重合性単量体溶液を水系媒体中において油滴化してミニエマルション重合処理を行って樹脂Bの微粒子を得、次いで、樹脂Aを形成すべきラジカル重合性単量体によって乳化重合を行うことにより導入する方法。
(I−ウ):上記(2)の重合工程において樹脂Aについてのミニエマルション重合処理を行った後に、樹脂Bを形成すべきラジカル重合性単量体溶液を用いて乳化重合(多段階重合)を行うことにより樹脂Aの表面近傍に樹脂Bを導入する方法。
(II):上記(3)の凝集・融着工程において導入する方法
具体的には下記(II−ア)及び(II−イ)の方法が挙げられる。
(II−ア):上記(3)の凝集・融着工程において、水系媒体中にて樹脂Aを形成すべき結着樹脂微粒子Aの添加と同時に樹脂Bを形成すべき結着樹脂微粒子Bを添加し、これらを凝集させることによって導入する方法。
(II−イ):上記(3)の凝集・融着工程において、水系媒体中にて樹脂Aを形成すべき結着樹脂微粒子Aの凝集を開始した後、凝集が完了する前の凝集工程途中におい樹脂Bを形成すべき結着樹脂微粒子Bを添加し、凝集させることによって導入する方法。
ここで、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
これらの中では、(I−ア)の取り込み方法が好ましい。
以下に前記(1)〜(8)の各工程について説明する。
(1)〔溶解/分散工程〕
この工程は、ラジカル重合性単量体に離型剤を溶解或いは分散させて、当該離型剤のラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
(2)〔重合工程〕
この重合工程の好適な一例においては、界面活性剤を含有した水系媒体中に、前記離型剤を溶解或いは分散したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記水系媒体中に、核粒子として樹脂粒子を添加しておいても良い。
この重合工程により、離型剤と結着樹脂とを含有する樹脂粒子が得られる。かかる樹脂粒子は、着色された粒子であってもよく、着色されていない粒子であってもよい。着色された樹脂粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。又、着色されていない樹脂粒子を使用する場合には、後述する凝集工程において、樹脂粒子の分散液に、着色剤粒子の分散液を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集させることでトナー母体粒子とすることができる。
(3)〔凝集・融着工程〕
凝集工程は、重合工程により得られた樹脂粒子(着色又は非着色の樹脂粒子)と着色剤粒子を用いてトナー母体粒子を形成する工程である。又、当該凝集工程においては、樹脂粒子や着色剤粒子とともに、離型剤粒子や荷電制御剤などの内添剤粒子なども凝集させることができる。
着色剤粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
尚、着色剤粒子は表面改質されていてもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散させ、その分子量液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤(顔料)が得られる。
好ましい凝集方法は、樹脂粒子と着色剤粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂粒子のガラス転移点以上で凝集を行う方法である。
(4)〔熟成工程〕
熟成は、熱エネルギー(加熱)により行う方法が好ましい。
具体的には、会合粒子を含む液を、加熱撹拌することにより、会合粒子の形状を所望の円形度になるまで、加熱温度、撹拌速度、加熱時間により調整し、トナー母体粒子とするものである。
(5)〔冷却工程〕
この工程は、前記トナー母体粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(6)〔洗浄工程〕
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー母体粒子の分散液から当該トナー母体粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウエット状態にあるトナー母体粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。
洗浄処理は、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄する。濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法などがあり、特に限定されるものではない。
(7)〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥されたトナー母体粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー母体粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー母体粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(8)〔外添処理工程〕
この工程は、乾燥されたトナー母体粒子に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
次に現像剤について説明する。
《現像剤》
本発明のトナーは、一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、或いはトナー中に0.1μm〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、何れも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の磁性粒子を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。上記キャリアの体積基準平均粒径は、25〜60μmが好ましく、25〜40μmがより好ましい。
キャリアの体積基準平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂によりコートされているもの、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コート用の樹脂としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。又、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。これらの中では、スチレン−アクリル樹脂でコートしたコートキャリアが外部添加剤の離脱防止や耐久性を確保できより好ましい。
次に、画像形成方法、画像形成装置について説明する。
本発明のトナーは、低温定着に適した接触加熱定着装置を備えた画像形成装置に装填して画像形成する方法に用いることが好ましい。
《画像形成装置》
本発明で使用可能な画像形成装置としては、単色の現像剤で画像形成を行うモノクロ画像形成装置や、感光体上のトナー像を中間転写体に順次転写するカラー画像形成装置、各色毎の複数の感光体を中間転写体上に直列配置させたタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。
図2は、本発明のトナーが使用可能な画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
図2において、1Y、1M、1C、1Kは感光体、4Y、4M、4C、4Kは現像手段、5Y、5M、5C、5Kは1次転写手段としての1次転写ローラ、5Aは2次転写手段としての2次転写ローラ、6Y、6M、6C、6Kはクリーニング手段、7は中間転写体ユニット、24は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。又、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。又、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。又、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、1次転写手段としての1次転写ローラ5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、2次転写手段としての2次転写ローラ5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ローラ5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ローラ5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の1次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ローラ5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
又、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とを有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74、76を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、1次転写ローラ5Y、5M、5C、5K及びクリーニング手段6Aとからなる。
筐体8の引き出し操作により、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とは、一体となって、本体Aから引き出される。
このように感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、熱ロール式定着装置24で加圧ローラ270及び加熱ローラ271により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
〈転写材〉
本発明に用いられる転写材としては、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写材、或いは転写紙といわれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。
《トナーの作製》
以下の手順によりトナーを作製した。
〔トナー母体粒子1〜9の作製〕
〈樹脂微粒子Aの作製〉
(樹脂粒子A1の作製)
先ず、以下の手順で「樹脂粒子A1の分散液」を作製した。
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、下記化合物を添加した後、80℃に加温して「単量体混合溶液1」を調製した。
単量体混合溶液1
スチレン 91質量部
n−ブチルアクリレート 73質量部
メタクリル酸 12質量部
n−オクチルメルカプタン 2質量部
パラフィンワックス「HNP−57(日本精蝋(株)製)」 94質量部
一方、アニオン系界面活性剤ポリオキシ(2)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩1.5質量部をイオン交換水650質量部に溶解させて界面活性剤溶液を作製しておき、この界面活性剤溶液を90℃に加温しておく。
上記界面活性剤溶液中に前述の「単量体混合溶液1」を添加し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エム・テクニック社製)」を用いて、前記単量体混合溶液を界面活性剤溶液中に分散させた。3時間の分散処理により、分散粒子径が210nmの乳化粒子を含有してなる分散液が作製され、この分散液中に90℃に加熱したイオン交換水700質量部を添加する。
更に、過硫酸カリウム(KPS)3質量部をイオン交換水120質量部に溶解させてなる開始剤水溶液を上記分散液中に添加し、この系を82℃にした後、3時間にわたり加熱、撹拌処理して重合(第1段重合)を行い、「樹脂粒子分散液A1」を作製した。
(2)第2段重合
上記「樹脂粒子分散液A1」に、過硫酸カリウム(KPS)3質量部を、イオン交換水120質量部を溶解させてなる開始剤水溶液を添加し、この系を80℃にした後、下記化合物よりなる「単量体混合溶液2」を1時間かけて滴下した。
単量体混合溶液2
スチレン 183質量部
n−ブチルアクリレート 112質量部
メタクリル酸 3質量部
n−オクチルメルカプタン 5質量部
滴下終了後、3時間にわたり加熱、撹拌処理を行って重合(第2段重合)を行い、その後反応系を28℃まで冷却することにより、2層構造を有する「樹脂粒子A1の分散液」を作製した。尚、「樹脂粒子A1の分散液」を構成する「樹脂粒子A1」の重量平均分子量Mwは19800、粒子径は200nm、ガラス転移点(Tg)は21℃であった。
(樹脂粒子A2〜A6の分散液の作製)
「樹脂粒子A1の分散液」の作製において、第1段重合における各単量体の添加量と化合物の添加量と、ワックスの種類、及び、第2段重合で使用される各化合物の添加量を表1に記載の様に変更した他は同様の手順により、「樹脂粒子A2〜A6の分散液」を作製した。
作製した「樹脂粒子A1〜A6」の重量平均分子量Mw、粒子径、ガラス転移点を表1に示す。
Figure 2009098630
〈樹脂微粒子Bの分散液の作製〉
(樹脂微粒子B1の分散液の作製)
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を付けた反応容器に予めアニオン系活性剤(SDS)0.34質量部をイオン交換水350質量部に溶解させた界面活性剤溶液を投入し、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温した。
一方、
スチレン 5質量部
メチルメタクリレート 71質量部
n−ブチルアクリレート 19質量部
イタコン酸 5質量部
n−オクチルメルカプタン 14質量部
を混合し、78℃に加温して溶解させ、単量体溶液を作製した。ここで循環経路を有する機械式分散機により前記単量体溶液及び上記の加温された界面活性剤溶液を混合・分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。次いで、重合開始剤(KPS)1.38質量部をイオン交換水80質量部に溶解させた溶液を添加し78℃において2時間加熱・撹拌することによって「樹脂微粒子B1の分散液」を得た。
この「樹脂微粒子B1の分散液」を構成する「樹脂微粒子B1」の重量平均分子量Mwは15000、粒子径は150nm、ガラス転移点(Tg)は60℃であった。
(樹脂微粒子B2の分散液の作製)
単量体溶液を構成する単量体の種類及び組成比を表2に示すように変更したことの他は樹脂微粒子B1の分散液の作製と同様にして「樹脂微粒子B2の分散液」を作製した。
作製した「樹脂粒子B1、B2」の重量平均分子量Mw、粒子径、ガラス転移点を表2に示す。
Figure 2009098630
(着色剤分散液C1の作製)
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解させて作製した溶液を撹拌させておき、当該溶液中に、「C.I.ピグメントブルー15:3」210質量部を徐々に添加し着色剤粒子の分散液を調製した。これを、「着色剤分散液C1」とする。この着色剤分散液中の着色剤粒子の平均分散径を動的光散乱式粒度分析計「マイクロトラックUPA150」(日機装(株)製)を用いて測定したところ、150nmであった。
〈トナー母体粒子1の作製〉
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、「樹脂微粒子A1の分散液」を固形分換算で360質量部と、「樹脂微粒子B1の分散液」を固形分換算で40質量部(結着樹脂中の10質量%)と、イオン交換水1100質量部と、「着色剤分散液C1」200質量部を仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で「コールターマルチサイザー3」(コールターベックマン社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径(D50)で6μmになった時点で塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成工程として液温度80℃において加熱・撹拌させ、所望の円形度となった時点で30℃まで冷却し、撹拌を停止した。
生成した融着粒子を濾過し、イオン交換水による洗浄を行い、その後、「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)によって乾燥処理を行い、水分量が1.0質量%以下となるまで乾燥させて「トナー母体粒子1」を得た。得られたトナー母体粒子1の体積基準におけるメディアン径(D50)は6μmであった。
〈トナー母体粒子2〜9の作製〉
トナー母体粒子1の作製において用いた樹脂微粒子A1の分散液と樹脂微粒子B1の分散液を、表3のように種類と添加量を変更した他は同様にして、「トナー母体粒子2〜9」を作製した。
〔トナー1〜9の作製〕
上記で作製したトナー母体粒子の各々100質量部に対し、疎水性シリカ微粒子(数平均一次粒子径=80nm)を3.5質量%、疎水性チタニア微粒子(数平均一次粒子径=10nm)を0.6質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)を用いて、周速35m/secで25分間混合して、「トナー1〜9」を作製した。尚、トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)はトナー母体粒子と同一であった。
表3に、トナーの作製に用いた樹脂微粒子Aと樹脂微粒子B、樹脂微粒子Bの割合、トナーのTg、〔G’(60)〕/〔G’(80)〕、〔G’(100)〕/〔G’(130)〕、100〜130℃における貯蔵弾性率〔G’(100〜130)〕、貯蔵弾性率〔G’(100〜130)〕の最大値〔G’(100)〕と最小値〔G’(130)〕貯蔵弾性率を示す。
Figure 2009098630
尚、トナーのTg、〔G’(60)〕、〔G’(80)〕、〔G’(100)〕、〔G’(130)〕は、前記の方法で測定して求めた。
《現像剤の作製》
上記トナーの各々に対してシリコーン樹脂を被覆した体積基準平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6質量%の「現像剤1〜9」を調製した。
《評価》
〈実写評価〉
評価装置としては、「BizhuB PRO C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の定着装置を改造して定着速度、加熱ローラの定着温度を制御可能にしてシアントナー単色における実写を行った。定着器の仕様は下記に示した。
定着速度:280mm/sec
加熱ロールの表面材質:PTFE
評価は、上記評価装置に上記で作製したトナーを順番に装填し、20℃、50%RHの環境で、以下の評価項目について行った。
プリントは、2cm×5cmのシアン単色べた画像(トナー付着量12.5g/m)を、A4版上質紙(64g/m)に行った。
尚、評価において、◎及び○は問題が無く合格、×は問題が有り不合格とした。
(定着下限温度)
定着下限温度の評価は、常温常湿(20℃、50%RH)の環境で、加熱ローラの表面温度を5℃刻みで任意に変更し、定着画像を作成して行った。具体的には、得られた各定着画像の定着強度を、メンディングテープ剥離法により測定し、定着率が80%以上得られた定着温度を定着可能温度として評価した。以下、メンディングテープ剥離法について説明する。
1)べた画像の絶対反射濃度D0を測定する。
2)「メンディングテープ」(住友3M社製:No.810−3−12)を、べた画像に軽く貼り付ける。
3)1kPaの圧力でテープの上を3.5回往復擦り付ける。
4)180℃の角度、200gの力でテープを剥がす。
5)剥離後の絶対反射濃度D1を測定する。尚、画像濃度の測定には、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用した。
6)定着率を算出する。定着率(%)=D1/D0×100
尚、定着下限温度が100℃以下であれば低温定着性は合格レベルである。
〈光沢むら〉
定着下限温度+20℃の定着温度に設定して、トナー付着量12.5g/mのべた画像をプリントする。プリントしてべた画像の光沢度は、JIS Z 8741に準じて光沢計「GMX−203」(村上色彩技術研究所(株)製)を用い、75°測定角型を選択し測定を行った。光沢むらは、測定画像の中央部及び四隅の5点を測定し、5点のGloss差により光沢のむらを評価した。
評価基準
◎:Gloss差≦6
○:6<Gloss差≦14
×:14<Gloss差。
〈光沢度〉
プリント画像の光沢度は、JIS Z 8741に準じて光沢計「GMX−203」(村上色彩技術研究所(株)製)を用い、75°測定角度を選択し測定を行った。光沢度はプリント画像の中央部及び四隅の5点の平均値とする。
評価基準
◎:27以上の高光沢領域
○:17〜27未満のセミグロス領域
×:17未満の低グロス領域。
表4に評価結果を示す。
Figure 2009098630
表4から明らかなように、本発明に係る実施例1〜6は、何れの評価項目も良好な結果が得られた。一方、本発明外の比較例1〜3はこれらの評価項目の何れかに問題が見られ、本発明の効果が発現されていないことが確認された。
貯蔵弾性率と温度との関係を示す図である。 本発明のトナーが使用可能な画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K 感光体
4Y、4M、4C、4K 現像手段
5Y、5M、5C、5K 1次転写手段としての1次転写ローラ
5A 2次転写手段としての2次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K クリーニング手段
7 無端ベルト状中間転写体ユニット
24 熱ロール式定着装置
270 加圧ローラ
271 加熱ローラ

Claims (6)

  1. 60℃における貯蔵弾性率〔G’(60)〕と80℃における貯蔵弾性率〔G’(80)〕の比〔G’(60)〕/〔G’(80)〕の値が1×10〜1×10であり、
    100℃における貯蔵弾性率〔G’(100)〕と130℃における貯蔵弾性率〔G’(130)〕の比〔G’(100)〕/〔G’(130)〕の値が1〜1×10であり、
    且つ、100〜130℃における貯蔵弾性率〔G’(100〜130)〕が5×10−3〜1N/cmであることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記トナーは、多価カルボン酸を含有していることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 前記トナーは、そのガラス転移点が20〜45℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー。
  4. トナーの製造方法であって、乳化重合法により請求項1〜3の何れかに記載のトナーを製造することを特徴とする電子写真用フルカラートナーの製造方法。
  5. 請求項1〜3の何れかに記載のトナーと体積基準平均粒径が25〜60μmのキャリアを有することを特徴とする電子写真用現像剤。
  6. 電子写真感光体上に形成された静電潜像を、トナーを含有する現像剤を用いて顕像化したトナー像を転写材に転写し、転写材に転写されたトナー像を定着する画像形成方法において、該現像剤が請求項5に記載の電子写真用現像剤であり、プリント速度が230mm/sec以上であることを特徴とする画像形成方法。
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