JP2011111970A - 複層管構造、放射音低減構造、管体及び管体成形方法 - Google Patents

複層管構造、放射音低減構造、管体及び管体成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】消音器などの複層管において管体に凹凸領域を形成しても管体間での溶接等による一体化を容易とする。
【解決手段】収納管6の内管14は多面体領域16の周長と平滑領域18の周長とは同一のままとせず、拡径や縮径を実行することにより多面体領域16の頂点16eの接触と共に、平滑領域18の外周面18aを、外管12の内周面12aに全周で面状接触させている。したがって多面体領域16により収納管6の重量化を抑制しつつ高剛性化しても、外管12と内管14との間での溶接による一体化を容易とすることができる。ここでは特にレーザ溶接を実行してキャップ8と共に外管12と内管14とを確実に全周で接合して収納管6及び消音器2として強固に一体化することができる。更に平滑領域18がガイドとなって内管14を外管12に嵌合することが容易となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、外管及び内管の一方の管体が軸方向の一部の領域に凹凸領域を形成し、この凹凸領域の凸部の先端にて他方の管の周面に接触した状態で複層化されている複層管構造、この複層管構造を利用した放射音低減構造、複層管構造に用いることができる管体及び管体成形方法に関する。
内燃機関の排気系において、排気通路に複層管を採用することにより剛性を高めたり、排気振動を層間の摩擦により減衰させたりして放射音を低減するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1では、車両用マフラーにおいて、シェル内を区画する横仕切り板による隔壁を、補強板により2重隔壁として剛性を高めて、区画された隔室間の振動伝達を抑制して放射音を低減している。
特開2007−239465号公報(第8頁、図1)
特許文献1のごとくの2重隔壁化による剛性向上では、更に剛性を高めたい場合には、隔壁を重ねて、3重や4重にしなくてはならない。このような手法では多数の隔壁と補強板とをシェル内に固定しなくてはならず、複雑な構成となり生産性が低い。しかも車両用マフラーの重量化となり、車両の軽量化に不利である。
ところで特許文献1の2重隔壁と同様な思想により、外管と内管との管体を重ねた複層管構造が存在するが、このような複層管においては、層を増加させずに剛性を高める手法として管体の壁部の一部を多面体構造とすることが考えられる。このように多面体化することにより重量を抑制しつつ剛性を高めることが考えられる。
しかし複層管の一部の管体を単に多面体化したのでは、内外に存在する管体の一体化、特に溶接による接合が困難となるおそれがある。
例えば両端部に全周に渡って平滑領域(多面体が形成されていない平滑な円筒部分)を残して、管体の軸方向中央に多面体領域を形成する。この管体を内管として、通常の管体である外管内に挿入して内管と外管とを嵌合し、2重構成の複層管とする。この複層管では内管側の多面体領域に存在する外側に凸状の先端が、外管側の内周面に当接することになる。
しかし内管において多面体化されていない平滑領域は、内管の中心軸線からの距離は多面体領域の凸状先端部分と同じではなく、凸状先端部分よりも中心軸線に近い。このため多面体の凸状先端部分が外管内周面に当接した状態では、平滑領域は外管の内周面から浮いた状態となる。
このため内管の両端にある平滑領域と外管とを溶接などで接合して一体化することが困難となる。特に連続溶接が可能なレーザ溶接などの高エネルギー溶接では、平滑領域は外管に十分に近接あるいは接触している必要があり、接合不能に陥る可能性が高くなる。
したがって多面体化などにより一方の管体に凹凸領域を形成して複層管の重量化を抑制しつつ高剛性化しようとしても、前述したごとく複層管の一体化が困難となるおそれがある。
本発明は、複層管において管体に凹凸領域を形成しても管体間での溶接等による一体化を容易とすることを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の複層管構造は、外管とこの外管の内側に配置された内管とを備え、外管及び内管の一方の管体が軸方向の一部の領域に凹凸領域を形成し、この凹凸領域において外管及び内管の他方の管体に向かって凸部となっている部分の先端にて前記他方の管体の周面に接触した状態で複層化されている複層管構造であって、前記一方の管体において、前記凹凸領域の周長と前記凹凸領域が形成されていない平滑領域の周長とに差を設けたことを特徴とする。
このように管体に単に凹凸領域を形成した状態とは異なり、凹凸領域の周長と平滑領域の周長とに差を設けている。
このように周長に差を設けることにより、一方の管体の平滑領域を他方の管体の周面に近接又は接触させることができるようになる。
このことにより、複層管において管体に凹凸領域を形成して複層管の重量化を抑制しつつ高剛性化しても管体間での溶接等による一体化を容易とすることができる。
請求項2に記載の複層管構造では、請求項1に記載の複層管構造において、前記一方の管体は、筒形材料を加工することにより、加工前に平滑領域である軸方向の一部の領域を加工後に凹凸状に変形させて前記凹凸領域を形成すると共に、加工後に平滑領域である軸方向の他の一部の領域との間に、相対的な周長の差を設けたものであることを特徴とする。
このように筒形材料の加工により管体に凹凸領域を形成する際に、凹凸領域と平滑領域との間で相対的な周長の差を調節でき、このことにより前述した近接又は接触が生じるようにすることができる。
請求項3に記載の複層管構造では、請求項1又は2に記載の複層管構造において、前記一方の管体の平滑領域と前記他方の管体の周面とは、全周での面状接触又は全周での線状接触、あるいは全周での面状近接又は全周の線状近接の状態にあることを特徴とする。
このような接触や近接の状態が全周に渡る構成とすることにより、複層管において管体に凹凸領域を形成して複層管の重量化を抑制しつつ高剛性化しても管体間での溶接等による一体化を容易とすることができる。
請求項4に記載の複層管構造では、請求項3に記載の複層管構造において、前記一方の管体にて、前記凸部の先端位置と、前記平滑領域が前記他方の管体の周面に接触する部分の位置とは、前記一方の管体の中心軸線からの距離が同一とされていることを特徴とする。
このことにより一方の管体の凸部の先端が他方の管体の周面に接触した状態で、一方の管体の平滑領域についても他方の管体の周面に同様に接触させることができ、複層管において管体に凹凸領域を形成して複層管の重量化を抑制しつつ高剛性化しても管体間での溶接等による一体化を容易とすることができる。
請求項5に記載の複層管構造では、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複層管構造において、前記一方の管体の平滑領域は前記他方の管体の周面に近接又は接触しており、この近接又は接触した位置にて、前記一方の管体と前記他方の管体とが溶接により接合されていることを特徴とする。
このように一方の管体の平滑領域と他方の管体の周面とが近接又は接触していることにより、この位置にて一方の管体と他方の管体とを溶接により容易に接合でき、複層管として強固に一体化することができる。
請求項6に記載の複層管構造では、請求項5に記載の複層管構造において、前記一方の管体の平滑領域を前記他方の管体の周面に近接させた場合には、この近接距離は溶接により全周が接合可能な距離であることを特徴とする。
このように近接状態については、その近接距離を溶接により全周が接合可能な距離とすることにより、一方の管体と他方の管体とを溶接にて容易に接合でき、複層管として強固に一体化することができる。
請求項7に記載の複層管構造では、請求項5又は6に記載の複層管構造において、前記溶接が全周にて実施されて前記一方の管体と前記他方の管体とが接合されていることを特徴とする。
一方の管体の平滑領域と他方の管体の周面とが全周にて近接又は接触していることにより、管体同士を、その全周を溶接により容易に接合することができ、強固な複層管が実現できる。
請求項8に記載の複層管構造では、請求項5〜7のいずれか一項に記載の複層管構造において、前記溶接は、高エネルギー溶接であることを特徴とする。
高エネルギー溶接では特に管体間に距離があると接合が困難となるが、一方の管体の平滑領域と他方の管体の周面とが前述したごとく近接又は接触していることにより、高エネルギー溶接にて容易に接合させることができる。
請求項9に記載の複層管構造では、請求項8に記載の複層管構造において、前記高エネルギー溶接は、レーザ溶接であることを特徴とする。
高エネルギー溶接としては、レーザ溶接を挙げることができ、一方の管体の平滑領域と他方の管体の周面とが前述したごとく近接又は接触していることにより、レーザ溶接にて容易に接合させることができる。
請求項10に記載の複層管構造では、請求項1〜9のいずれか一項に記載の複層管構造において、前記凹凸領域は、多面体が形成されていることにより凹凸状に成形されていることを特徴とする。
このように凹凸領域としては多面体を形成することにより実現できる。
請求項11に記載の複層管構造では、請求項10に記載の複層管構造において、前記多面体は、疑似円筒形凹多面体であることを特徴とする。
特に疑似円筒形凹多面体を凹凸領域に採用することで構成された複層管は、その重量化を抑制しつつ高剛性化する効果が顕著となる。
請求項12に記載の複層管構造では、請求項1〜11のいずれか一項に記載の複層管構造において、前記一方の管体は前記内管であり、前記他方の管体は前記外管であることを特徴とする。
特に一方の管体が内管であり他方の管体が外管である場合、前記相対的な周長の差が存在する内管を用いることになる。このため、この内管を外管内に挿入して、内管における凹凸領域の凸部の先端を外管の内周面に接触した状態とする複層化工程にて、凹凸領域の凸部の先端位置と平滑領域の外周面とを近い位置あるいは同一の位置に配置できるようになる。
このことにより、複層管において内管の管体に凹凸領域を形成して複層管の重量化を抑制しつつ高剛性化しても、内管と外管との管体間での溶接等による一体化を容易とすることができる。
請求項13に記載の放射音低減構造では、内部を気体が通過する管路における放射音低減構造であって、請求項1〜12のいずれか一項に記載の複層管構造を利用して前記管路を形成し、前記内管内を気体通路として、又は前記内管内に設けた通気管を気体通路として気体を通過させる構成としたことを特徴とする。
前述した複層管構造を、放射音低減構造として採用することにより、外管と内管との接合が容易となり、複層管の重量化を抑制しつつ高剛性化できると共に、一方の管体の凹凸領域における凸部が他方の管体の周面に対して摺動することにより、放射音を効果的に吸収することができる。
請求項14に記載の放射音低減構造では、請求項13に記載の放射音低減構造において、前記管路は前記気体通路を内燃機関の排気通路とするものであることを特徴とする。
このように上述した構成を、内燃機関の排気通路に採用することにより、内部を排気が通過する管路の重量化を抑制しつつ高剛性化できると共に、簡易な構成にて十分な放射音低減効果を実現することができ、内燃機関の生産性が向上すると共に、内燃機関の軽量化に貢献できる。
請求項15に記載の管体は、軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体であって、前記凹凸領域にて外側に突出する凸部の頂点と、前記平滑領域の外周面とが、管体の中心軸線からの距離が同一であることを特徴とする。
このような構成の管体は、前述したごとくの複層管構造にて一方の管体、特に内管として用いることができ、前述した作用・効果を有する複層管構造を提供できる。
請求項16に記載の管体は、軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体であって、前記凹凸領域にて内側に突出する凸部の頂点と、前記平滑領域の内周面とが、管体の中心軸線からの距離が同一であることを特徴とする。
このような構成の管体は、前述したごとくの複層管構造にて一方の管体、特に外管として用いることができ、前述した作用・効果を有する複層管構造を提供できる。
請求項17に記載の管体では、請求項15又は16に記載の管体において、前記凹凸領域は、多面体が形成されていることにより凹凸状に成形されていることを特徴とする。
このように凹凸領域としては多面体を形成することにより実現できる。
請求項18に記載の管体では、請求項17に記載の管体において、前記多面体は、疑似円筒形凹多面体であることを特徴とする。
多面体は疑似円筒形凹多面体とすることができる。この疑似円筒形凹多面体が凹凸領域として存在する管体を、一方の管体として用いて複層管として一体化したものは、複層管の重量化を抑制しつつ高剛性化する効果が顕著なものとなる。
請求項19に記載の管体成形方法は、軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体の成形方法であって、筒形材料の一部の壁部を折り曲げることにより前記凹凸領域を形成し、筒形材料の他の一部の壁部における外周面を前記凹凸領域にて外側に突出する凸部の頂点の径方向位置と同じとする拡径を、前記他の一部の壁部に実行して前記平滑領域とすることを特徴とする。
このように拡径により平滑領域を形成した管体は、前述した複層管構造において一方の管体、特に内管として用いることができる管体を実現でき、複層管構造として前述した作用・効果を生じさせることができる。
請求項20に記載の管体成形方法は、軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体の成形方法であって、筒形材料の一部の壁部を折り曲げることにより前記凹凸領域を形成すると共に、この凹凸領域の縮径を実行して、前記凹凸領域にて外側に突出する凸部の頂点を、筒形材料の他の一部である前記平滑領域の外周面の径方向位置と同じとすることを特徴とする。
このように凹凸領域側の縮径によって成形された管体は、前述した複層管構造において一方の管体、特に内管として用いることができる管体を実現でき、複層管構造として前述した作用・効果を生じさせることができる。
請求項21に記載の管体成形方法は、軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体の成形方法であって、筒形材料の一部の壁部を折り曲げることにより前記凹凸領域を形成すると共にこの凹凸領域の縮径を実行し、かつ筒形材料の他の一部の壁部の拡径を実行して前記平滑領域とすることにより、前記凹凸領域にて外側に突出する凸部の頂点と前記平滑領域の外周面とを同一径方向位置とすることを特徴とする。
このように平滑領域の拡径と凹凸領域の縮径との両方を実行して管体を成形しても良く、前述した複層管構造において一方の管体、特に内管として用いることができる管体を実現でき、複層管構造として前述した作用・効果を生じさせることができる。
請求項22に記載の管体成形方法は、軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体の成形方法であって、筒形材料の一部の壁部を折り曲げることにより前記凹凸領域を形成し、筒形材料の他の一部の壁部における内周面を前記凹凸領域にて内側に突出する凸部の頂点の径方向位置と同じとする縮径を、前記他の一部の壁部に実行して前記平滑領域とすることを特徴とする。
このように縮径により平滑領域を形成した管体は、前述した複層管構造において一方の管体、特に外管として用いることができる管体を実現でき、複層管構造として前述した作用・効果を生じさせることができる。
請求項23に記載の管体成形方法は、軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体の成形方法であって、筒形材料の一部の壁部を折り曲げることにより前記凹凸領域を形成すると共に、この凹凸領域の拡径を実行して、前記凹凸領域にて内側に突出する凸部の頂点を、筒形材料の他の一部である前記平滑領域の内周面の径方向位置と同じとすることを特徴とする。
このように凹凸領域側の拡径によって成形された管体は、前述した複層管構造において一方の管体、特に外管として用いることができる管体を実現でき、複層管構造として前述した作用・効果を生じさせることができる。
請求項24に記載の管体成形方法は、軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体の成形方法であって、筒形材料の一部の壁部を折り曲げることにより前記凹凸領域を形成すると共にこの凹凸領域の拡径を実行し、かつ筒形材料の他の一部の壁部の縮径を実行して前記平滑領域とすることにより、前記凹凸領域にて内側に突出する凸部の頂点と前記平滑領域の内周面とを同一径方向位置とすることを特徴とする。
このように平滑領域の縮径と凹凸領域の拡径との両方を実行して管体を成形しても良く、前述した複層管構造において一方の管体、特に外管として用いることができる管体を実現でき、複層管構造として前述した作用・効果を生じさせることができる。
請求項25に記載の管体成形方法では、請求項19〜24のいずれか一項に記載の管体成形方法において、前記凹凸領域は、多面体として形成することを特徴とする。
このように凹凸領域としては多面体として形成することにより実現できる。
請求項26に記載の管体成形方法では、請求項25に記載の管体成形方法において、前記多面体は、疑似円筒形凹多面体として形成することを特徴とする。
このように疑似円筒形凹多面体を凹凸領域に採用した管体を成形し、この管体を用いて前述したごとく構成された複層管は、その重量化を抑制しつつ高剛性化する効果が顕著となる。
実施の形態1の消音器の斜視図。 (a),(b)同消音器の構成説明図。 同消音器の部分拡大図を含む断面図。 同消音器の分解斜視図。 同消音器の分解平面図。 (a),(b)同消音器の収納管の構成説明図。 同収納管の右側面図。 同収納管の部分拡大図を含む断面図。 (a)〜(c)同収納管の外管の構成説明図。 同収納管の内管の部分拡大図を含む斜視図。 同内管の部分拡大図を含む正面図。 同内管の部分拡大図を含む平面図。 同内管の部分拡大図を含む右側面図。 同内管の部分拡大図を含む断面図。 (a),(b)実施の形態1における外管と内管との嵌合工程説明図。 (a),(b)実施の形態1に対する比較例の嵌合状態及び溶接状態を説明する断面図。 (a),(b)実施の形態2の消音器の嵌合状態及び溶接状態を説明する断面図。 実施の形態3の複層管の斜視図。 同複層管の部分拡大図を含む断面図。 同複層管における外管の斜視図。 同外管の部分拡大図を含む断面図。 (a),(b)実施の形態3の外管、及び外管と内管との接合状態を示す断面図。 (a),(b)実施の形態3における外管と内管との嵌合工程説明図。 (a),(b)実施の形態3に対する比較例の嵌合状態及び溶接状態を説明する断面図。
[実施の形態1]
図1は車両用内燃機関の排気系において、その管路の一部に取り付けられる消音器2を示す斜視図、図2の(a)はその正面図、(b)は右側面図であり、上述した複層管構造、放射音低減構造、管体及び管体成形方法の発明が適用されたものである。
消音器2は、金属製の通気管4及び収納管6を備え、収納管6は通気管4の一部を内部に収納している。収納管6の両端はキャップ8,10にて閉塞されている。キャップ8,10の中央部は開口して通気管4が貫通している。したがって収納管6はキャップ8,10と共に通気管4の一部を密閉している。
図3に部分拡大図を含む図2の(b)におけるA−A断面線での断面図、及び図4,5に消音器2の分解図を示す。これらの図に示すごとく通気管4は、収納管6の内部空間6aにおいては貫通孔4aが多数形成されている。このことにより通気管4内の排気通路4bは、貫通孔4aを介して収納管6の内部空間6aに対して連通状態となっている。尚、図4は消音器2を分解して示す斜視図、図5はその平面図である。
収納管6の内部空間6aは、図示しているごとく気体のみ存在する空間としても良いし、ガラスウール、セラミックファイバー、アルミナファイバー、シリカファイバーといった繊維状(繊維の塊、織布、不織布などの形態)の吸音材を充填しても良い。吸音材を配置した場合には、吸音材は収納管6の内周面と通気管4の外周面とにそれぞれ接触した状態とする。尚、吸音材は均質の繊維の塊、織布、不織布などの形態でも良いが、これらの複数を層状に充填したものでも良い。更にこれらの繊維状の材料に液体が含浸されたものでも良い。
これらのことにより消音器2は放射音低減構造として構成されている。
ここで図6の(a)に収納管6の斜視図、(b)に正面図、図7に右側面図、及び図8に部分拡大図を含む図6の(b)におけるB−B断面線での断面図を示す。図示するごとく、収納管6は外管12と内管14とからなり、外管12内に内管14を嵌合した状態にて構成されている。
外管12は、図9に示すごとく円筒形の管体である。ここで図9の(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
内管14は、図10〜14に示すごとく軸方向両端を除いて多面体からなり、全体形状が疑似円筒形に形成されている。この多面体は具体的には疑似円筒形凹多面体(PCCP:Pseudo−Cylindrical Concave Polyhedral Shell)である。このPCCPは凹凸の折線状の稜を境界とする三角形あるいは台形を組み合わせた形状のものが該当する。図10〜14では三角形を組み合わせたものを例示している。ここで図10は部分拡大図を含む斜視図、図11は部分拡大図を含む正面図、図12は部分拡大図を含む平面図、図13は部分拡大図を含む右側面図、図14は部分拡大図を含む図11のC−C断面線での断面図である。
図示するごとく、内管14は、中央の疑似円筒形凹多面体として形成された多面体領域16と、その軸方向の両端側に一体に短円筒形に形成された平滑領域18,20とからなる。多面体領域16と平滑領域18,20とは1つの筒形材料、ここでは全長が一律の径である円筒形材料を加工して形成されたものである。
多面体領域16は前述したごとく疑似円筒形凹多面体として形成されたものであり、円筒形材料に対して、直線状の3種類の稜16a,16b,16cを各種の折り曲げ加工により形成することで、平面状の三角形16dを多数形成し、このことで円筒形材料の全体形状を疑似円筒形に成形したものである。
この3種類の稜16a,16b,16cの内で、稜16a,16bは、内管14の外周面において外側に凸状であり、稜16cは外側に凹状である。そしてこれら3種類の稜16a,16b,16cが集合している頂点16eは、内管14の中心軸線から最も離れた位置となっている。
したがって内管14の外周面は、多面体領域16の全周において、最も中心軸線から離れた位置に多数の頂点16eが分布した状態となっている。
平滑領域18,20には稜16a,16b,16cは形成されておらず、円筒形状である。ただし平滑領域18,20は、加工前の円筒形材料より拡径加工されて平滑領域18,20の周長が多面体領域16側よりも長くされている。あるいは多面体領域16側が縮径加工されて多面体領域16の周長が平滑領域18,20側よりも短くされている。
この拡径加工あるいは縮径加工による周長の差は、内管14の中心軸線からの平滑領域18,20の外周面18a,20aの位置が、図11の正面図に示したごとく多面体領域16の頂点16eと同一となるように調節されている。尚、図12の平面図では、多面体領域16の頂点16eの位相位置が水平方向に対してずれが存在するため、平面視の図上では多面体領域16の頂点16eと平滑領域18,20の外周面18a,20aとは同一距離ではないが、実際には内管14の中心軸線からの距離は同じである。
単に円筒形材料に対して3種類の稜16a,16b,16cを折り曲げて形成することで多面体領域16のみ形成し、平滑領域18,20に該当する端部を拡径せずに、あるいは多面体領域16を縮径せずに、そのままとした場合の平滑領域の外周面は図11にて破線Yにて示すごとく、本実施の形態の場合よりも距離g分、中心軸線に近い位置となる。
本実施の形態の拡径や縮径をしない場合には、平滑領域と多面体領域とは同じ周長となる。このため軸直交方向の断面が多角形(本実施の形態では多面体領域16の頂点16eにおいて13角形)となる多面体領域と、円形となる平滑領域とでは、中心軸線から多角形の頂点までの距離と、円形の半径とを比較すると円形の半径の方が小さくなるからである。
したがって本実施の形態では、平滑領域18,20を拡径加工することにより、あるいは多面体領域16を縮径加工することにより、図11に示すごとく平滑領域18,20の外周面18a,20aを、頂点16eの位置に一致させている。尚、平滑領域18,20の拡径加工と多面体領域16の縮径加工とを共に実施して、平滑領域18,20の外周面18a,20aを頂点16eの位置に一致させても良い。
したがって、このような内管14を、図15の(a),(b)に示すごとく、外管12の一端から嵌合させて収納管6として一体化させると、図3に示したごとく、多面体領域16の頂点16eと平滑領域18,20とが共に、外管12の内周面12aに当接して固定される。
図16に示す比較例のごとく、前述した拡径や縮径をせずにそのままとした場合の内管Iでは、図16の(a)に示すごとく多面体領域Kの頂点Tのみが外管12の内周面12aに当接することになり、平滑領域Jの外周面は外管12の内周面12aとの間に間隙Dを形成してしまうことになる。
本実施の形態では、このような間隙Dは生ずることはなく、外管12に内管14を嵌合すると、多面体領域16の頂点16eと共に平滑領域18,20の外周面18a,20aは外管12の内周面12aに接触できる。
このように形成した収納管6に対して、中心開口部8a,10aに通気管4を配置した状態で、キャップ8,10が収納管6の両端に嵌合される。このことにより図1〜3に示した組み合わせとなる。
そしてキャップ8,10と通気管4との嵌合部分、及びキャップ8,10と収納管6との嵌合部分に、レーザ溶接Lによる連続溶接が全周に渡ってなされる接合処理が実行される。このことにより図3に示すごとく全周に全ての部材に渡る溶接接合部Fが形成されて強固に一体化されて消音器2が完成する。
レーザ溶接Lは、溶接対象物が十分に接触していることが必要である。特にキャップ8,10と収納管6との間は、キャップ8,10、外管12及び内管14の3層の溶接となるので、この3層の接触状態は重要である。本実施の形態では、図3に示したごとく、単に内管14の多面体領域16に疑似円筒形凹多面体を形成したのみならず、拡径加工や縮径加工により、円筒形の平滑領域18,20を外管12に対して接触させているので、レーザ溶接Lによる3層の連続溶接による接合は阻害されることはない。
図16に示した比較例では、(a)に示すごとくレーザ溶接Lを実行すると、(b)に示すごとく、キャップ8に対して接触している外管12は溶接接合部Vの形成によりキャップ8には全周が十分に接合するが、溶接接合部Vはキャップ8と外管12までであるので、外管12は内管Iの平滑領域Jに対しては十分な接合はできていない。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(1)収納管6において、その内管14は、単に凹凸領域(ここでは多面体領域16)を形成したものとは異なり、多面体領域16の周長と平滑領域18,20の周長とは同一としていない。すなわち、円筒形材料にて、前述した拡径や縮径を実行することにより周長に相対的な差を設け、このことにより多面体領域16の頂点16eと共に平滑領域18,20の外周面18a,20aを、外管12の内周面12aに接触させている。特に本実施の形態では平滑領域18,20の外周面18a,20aと外管12の内周面12aとは、全周の面状接触となっている。
すなわち多面体領域16の外側へ凸部の先端位置である頂点16eと、平滑領域18,20の外周面18a,20aとは、内管14の中心軸線からの距離が同一とされている。
このことにより、複層管である収納管6において、その管体に凹凸領域である多面体領域16を形成することで、この多面体の性質により収納管6の重量化を抑制しつつ高剛性化しても、外管12と内管14との間での溶接による一体化を容易とすることができる。
ここでは特に高エネルギー溶接であるレーザ溶接を実行してキャップ8,10と共に、外管12と内管14とを接合しているが、外管12と内管14との間は、前述したごとく溶接位置が全周に渡って接触状態にあるので、レーザ溶接にて確実に全周を接合して収納管6及び消音器2として強固に一体化することができる。
尚、このように全周を高エネルギー溶接にて連続溶接できるので、スポット溶接などに比較して隙間が少なくなり、隙間腐食にも有利となる。
(2)前述した構成の収納管6を適用している本実施の形態の消音器2は、外管12内に内管14が存在する複層管構造を、放射音低減構造として採用している。このことにより、内管14内を貫通する排気通路としての通気管4からの放射音は、内管14の多面体領域16における頂点16eが外管12の内周面12aに対して摺動することにより、放射音を、熱エネルギーに変換することで効果的に吸収することができる。
このように簡易な構成にて十分な放射音低減効果を実現することができ、内燃機関の生産性が向上すると共に、内燃機関の軽量化に貢献できる。
(3)図15に示したごとく外管12に対して内管14を嵌合する際に、先行して外管12に挿入される内管14の先端の平滑領域20が、外管12の内周面12aに対して摺動しつつ、内管14全体を外管12の軸に沿って誘導する。このため多面体領域16の頂点16eが、外管12の端部や内周面12aに引っかかり難くなり、円滑な嵌合作業となる。したがって嵌合作業が容易となり、生産性が向上する。
[実施の形態2]
本実施の形態の消音器102の断面部分拡大図を図17に示す。この消音器102では、内管114の多面体領域116の形状は前記実施の形態1と同一である。
内管114の軸方向両端にある平滑領域118が拡径加工、あるいは多面体領域116が縮径加工されている点についても前記実施の形態1と同様であるが、図17の(a)に示すごとく前記実施の形態1の場合よりも拡径あるい縮径の程度が少ない。このことにより、多面体領域116の頂点116eは外管112の内周面112aに接触しているが、平滑領域118の外周面118aは外管112の内周面112aに接触せず、間隙Eが存在する。ただしこの間隙Eは、前記図16に示した比較例の場合の間隙Dよりも十分に小さく、レーザ溶接Lによる連続溶接にて、図17の(b)に示すごとくキャップ108共に外管112と、内管114の平滑領域118とは、全周において溶接により十分な接合が可能である。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(1)この収納管106においては、前記実施の形態1と同様に、円筒形材料の両端部の拡径や中央の縮径により、内管114の多面体領域116での周長と平滑領域118の周長との間に相対的な差を設けている。ただし、この差は.比較例(図16)よりも近接させているが、前記実施の形態1の場合よりも少なく、多面体領域116の頂点116eが外管112の内周面112aに接触した状態では、平滑領域118の外周面118aとの間には前述したごとく間隙Eが存在している。ただしこの間隙Eはレーザ溶接にて全周の接合が可能な近接距離である。
このことにより複層管として形成されている収納管106において、凹凸領域である多面体領域116を内管114に形成することで収納管106の重量化を抑制しつつ高剛性化しても、外管112と内管114との間での溶接による一体化を容易とすることができる。
更に、このような平滑領域118についても嵌合作業時に内管114全体を外管112の軸に沿って誘導する作用も或る程度あるので、嵌合作業も容易となる。
このことにより前記実施の形態1のと同様な効果を生じる。
[実施の形態3]
本実施の形態の複層管206を図18の斜視図及び図19の断面図(図18のG−G断面)に示す。この複層管206は、例えば前記実施の形態1に示した消音器の収納管に代えて、消音器に用いることができる。ここで複層管206は、外管212と内管214とから構成されている。
外管212は図20の斜視図及び図21の断面図(図20のH−H断面)に示すごとくであり、多面体領域216と平滑領域218,220とが形成されている。内管214については平滑な円筒形状である。このように外管212と内管214との形状関係が前記実施の形態1とは逆の関係となっている。
多面体領域216は、外管212の軸方向中央にて疑似円筒形凹多面体として形成されている。平滑領域218,220は外管212の軸方向の両端にて凹凸のない平滑な短円筒形に形成されている。これら多面体領域216と平滑領域218,220とは、1つの筒形材料、ここでは全長が一律の径である金属製の円筒形材料を加工して形成されたものである。
多面体領域216は、図22の(a)に示す部分拡大縦断面図のごとく、直線状の3種類の稜216a,216b,216cを、前記実施の形態1に述べたごとく円筒形材料に形成することにより、平面状の三角形216dを多数形成し、このことで、全体形状を疑似円筒形に形成したものである。尚、図22の(a)は疑似円筒形凹多面体を内周面側から見たものである。
この3種類の稜216a,216b,216cの内で、稜216a,216bは、外管212の内周面において内側に凹状であり、稜216cは内側に凸状である。そしてこれら3種類の稜216a,216b,216cが集合している点216eは、外管212の中心軸線から最も離れた位置となるが、図21の断面図に示したごとく、内側に凸状の稜216cの中央位置216fが外管212の中心軸線に最も近い位置となっている。
このことにより外管212の多面体領域216には、3種類の稜216a,216b,216cの内で稜216cのみが外管212の内周面にて内側に突出した状態で全周に分布した状態となっている。
平滑領域218,220には稜は形成されておらず、平滑な円筒形状であるが、この平滑領域218,220における半径は加工前の円筒形材料より小さくなるように縮径加工されている。あるいは多面体領域216側が拡径加工されている。尚、これらの縮径加工と拡径加工との両方が実行されても良い。
この縮径加工や拡径加工では、図21及び図22の(a)に示したごとく、外管212の中心軸線から平滑領域218,220の内周面218a,220aまでの距離が、中心軸線から稜216cの中央位置216fまでの距離と同一となるように調節されている。
比較例として図24の(a)に示しているごとく、円筒形材料に対して3種類の稜を形成することで多面体領域Kのみ形成し、平滑領域Jに該当する端部を縮径せずに、あるいは多面体領域Kを拡径せずに、そのままとした場合には、その平滑領域Jの内周面は、内側に凸状態の稜Uの中央位置よりも中心軸線から遠い位置となる。
これは前記実施の形態1に述べたごとく拡径も縮径もしていない多面体領域Kと平滑領域Jとは同じ周長となるためである。
したがって本実施の形態では、平滑領域218,220を縮径加工することにより、あるいは多面体領域216を拡径加工することにより、平滑領域218,220の内周面218a,220aの径方向位置を、多面体領域216の凸状の稜216cの中央位置216fに一致させている。
このような外管212を、図23の(a),(b)に示すごとく、内管214に被せるように外管212の一端から嵌合させて複層管206として一体化させる。この一体化により、図19,図22の(b)に示したごとく、多面体領域216の稜216cの中央位置216fと平滑領域218,220の内周面218a,220aとが共に、内管214の外周面214aに接触状態となる。
図24の比較例に示すごとく、前述した縮径加工や拡径加工を実施していない外管では、(a)に示すごとく多面体領域Kにおいて内側に凸状の稜Uの中央位置のみが内管214の外周面214aに当接することになり、平滑領域Jの内周面は、内管214の外周面214aとの間に間隙Nを形成してしまうことになる。
本実施の形態では、このような間隙Nは生ずることはなく、内側に凸状の稜216cの中央位置216fと共に、平滑領域218,220の内周面218a,220aは内管214の外周面214aに接触した状態で、外管212に内管214を嵌合できる。
このように嵌合した構成に対して外管212の平滑領域218,220側から接触領域にレーザ溶接Lによる連続溶接にて接合処理を実行する。このことにより図22の(b)に示したごとく、全周にて平滑領域218,220から内管214に渡る溶接接合部Mが形成されて強固に一体化された複層管206が完成する。
本実施の形態では、外管212の平滑領域218,220の縮径処理や多面体領域216の拡径処理により、外管212の平滑領域218,220と内管214とが全周に渡って接触できるので、レーザ溶接Lによる全周での十分な接合を阻害することはない。
図24に示した比較例では、(a)に示すごとくレーザ溶接Lを実行しても、(b)に示すごとくの溶融部分Wは外管の平滑領域Jに生じるが、間隙Nが大きいことにより内管214側には至らない。例え、内管214側も溶融したとしても、外管の平滑領域Jの溶融部分Wと一体化が十分にできない。したがって比較例では外管と内管214とは十分に接合できない。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(1)この複層管206においては、前記実施の形態1とは異なり、外管212側に多面体領域216と平滑領域218,220とが形成されていて、内管214側は平滑な円筒形である。
このような外管212と内管214との関係であっても、外管212の平滑領域218,220の縮径や多面体領域216の拡径により、外管212にて多面体領域216と平滑領域218,220との間で周長に相対的な差を設けられる。このことにより多面体領域216において最も内側に突出している稜216cの中央位置216fと、平滑領域218,220の内周面218a,220aとを、外管212の中心軸線からの距離を同一にできる。そしてこのことで稜216cの中央位置216fと、平滑領域218,220の内周面218a,220aとを共に、嵌合される内管214の外周面214aに接触できる。
したがって、複層管206において、凹凸領域である多面体領域216を外管212に形成することで複層管206の重量化を抑制しつつ高剛性化しても、外管212と内管214との間での溶接による一体化を容易にすることができる。
更に図23に示したごとく外管212に対して内管214を嵌合する際には、外管212の嵌合が開始される側の端部の平滑領域218が、内管214の外周面214aに摺動しつつ、内管214全体を外管212の軸に沿って誘導する。このため多面体領域216にて内側に突出している稜216cが、内管214の先端や外周面214aに引っかかり難くなり、円滑な嵌合作業となる。したがって嵌合工程が容易となり、生産性が向上する。
このことにより前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態3についても、前記実施の形態2と同様に、平滑領域218,220の内周面218a,220aの径方向位置を、多面体領域216の稜216cの中央位置216fと同一とするのではなく溶接可能に近接させたものでも良い。
・前記各実施の形態においては、収納管及び複層管は、内燃機関の消音器に用いた例を示したが、他の用途における消音器としても用いることもできる。更に、2重管として必要な他の用途にも用いることができる。
・前記各実施の形態の複層管は、収納管として通気管を内部に収納するタイプの消音器であったが、内部に通気管を収納せずに複層管のみを通気管兼用とした消音器としても良い。すなわち内管に気体を直接通過させるようにしても良い。
・前記各実施の形態では、高エネルギー溶接の1種であるレーザ溶接により連続溶接を実行していたが、これ以外の高エネルギー溶接で連続溶接しても良い。例えばプラズマ溶接や電子ビーム溶接でも良い。
・前記実施の形態1,2では3層のレーザ溶接、前記実施の形態3では2層のレーザ溶接を示した。
特に前記実施の形態1,2では先に外管と内管との2層にてレーザ溶接し、キャップについては外管と内管とのいずれかにレーザ溶接にて接合しても良い。
・前記各実施の形態では全周の面状接触又は面状近接の状態での溶接接合としていたが、全周の線状接触、又は線状近接の状態での溶接接合としても良く、同様な効果を生じる。
・前記各実施の形態にて多面体領域は管体の軸方向中央に形成され、平滑領域は管体の軸方向の両端部にそれぞれ形成されていた。このような配置以外に、管体の両端と中央との3ヶ所に平滑領域を形成し、これらの平滑領域間において2ヶ所の多面体領域を形成しても良い。
更に中央の平滑領域も複数箇所に設けて、その間を多面体領域としても良い。
・前記各実施の形態では、収納管に対して通気管は1本が通過している構成であったが、これ以外の消音器の構成として、収納管内部にインレットパイプ、アウトレットパイプ、インナーパイプ、仕切り板、レゾネスカバーなどを配置した消音器として形成しても良い。あるいはレゾネスカバー自体に前記各実施の形態の収納管を適用しても良い。
・前記各実施の形態において、外管、内管は断面円形の円筒形材料から形成したが、他の形状の筒形材料を用いて形成しても良い。例えば断面楕円状の筒形材料でも良い。あるいは、断面が径の異なる円弧を周方向に接続して環状にしている形状の筒形材料を用いて形成しても良い。
2…消音器、4…通気管、4a…貫通孔、4b…排気通路、6…収納管、6a…内部空間、8,10…キャップ、8a,10a…中心開口部、12…外管、12a…内周面、14…内管、16…多面体領域、16a,16b,16c…稜、16d…三角形、16e…頂点、18,20…平滑領域、18a,20a…外周面、102…消音器、106…収納管、108…キャップ、112…外管、112a…内周面、114…内管、116…多面体領域、116e…頂点、118…平滑領域、118a…外周面、206…複層管、212…外管、214…内管、214a…外周面、216…多面体領域、216a,216b,216c…稜、216d…三角形、216e…点、216f…中央位置、218,220…平滑領域、218a,220a…内周面、E…間隙、F…溶接接合部、g…距離、L…レーザ溶接、M…溶接接合部。

Claims (26)

  1. 外管とこの外管の内側に配置された内管とを備え、外管及び内管の一方の管体が軸方向の一部の領域に凹凸領域を形成し、この凹凸領域において外管及び内管の他方の管体に向かって凸部となっている部分の先端にて前記他方の管体の周面に接触した状態で複層化されている複層管構造であって、
    前記一方の管体において、前記凹凸領域の周長と前記凹凸領域が形成されていない平滑領域の周長とに差を設けたことを特徴とする複層管構造。
  2. 請求項1に記載の複層管構造において、前記一方の管体は、筒形材料を加工することにより、加工前に平滑領域である軸方向の一部の領域を加工後に凹凸状に変形させて前記凹凸領域を形成すると共に、加工後に平滑領域である軸方向の他の一部の領域との間に、相対的な周長の差を設けたものであることを特徴とする複層管構造。
  3. 請求項1又は2に記載の複層管構造において、前記一方の管体の平滑領域と前記他方の管体の周面とは、全周での面状接触又は全周での線状接触、あるいは全周での面状近接又は全周の線状近接の状態にあることを特徴とする複層管構造。
  4. 請求項3に記載の複層管構造において、前記一方の管体にて、前記凸部の先端位置と、前記平滑領域が前記他方の管体の周面に接触する部分の位置とは、前記一方の管体の中心軸線からの距離が同一とされていることを特徴とする複層管構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の複層管構造において、前記一方の管体の平滑領域は前記他方の管体の周面に近接又は接触しており、この近接又は接触した位置にて、前記一方の管体と前記他方の管体とが溶接により接合されていることを特徴とする複層管構造。
  6. 請求項5に記載の複層管構造において、前記一方の管体の平滑領域を前記他方の管体の周面に近接させた場合には、この近接距離は溶接により全周が接合可能な距離であることを特徴とする複層管構造。
  7. 請求項5又は6に記載の複層管構造において、前記溶接が全周にて実施されて前記一方の管体と前記他方の管体とが接合されていることを特徴とする複層管構造。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の複層管構造において、前記溶接は、高エネルギー溶接であることを特徴とする複層管構造。
  9. 請求項8に記載の複層管構造において、前記高エネルギー溶接は、レーザ溶接であることを特徴とする複層管構造。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の複層管構造において、前記凹凸領域は、多面体が形成されていることにより凹凸状に成形されていることを特徴とする複層管構造。
  11. 請求項10に記載の複層管構造において、前記多面体は、疑似円筒形凹多面体であることを特徴とする複層管構造。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の複層管構造において、前記一方の管体は前記内管であり、前記他方の管体は前記外管であることを特徴とする複層管構造。
  13. 内部を気体が通過する管路における放射音低減構造であって、請求項1〜12のいずれか一項に記載の複層管構造を利用して前記管路を形成し、前記内管内を気体通路として、又は前記内管内に設けた通気管を気体通路として気体を通過させる構成としたことを特徴とする放射音低減構造。
  14. 請求項13に記載の放射音低減構造において、前記管路は前記気体通路を内燃機関の排気通路とするものであることを特徴とする放射音低減構造。
  15. 軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体であって、前記凹凸領域にて外側に突出する凸部の頂点と、前記平滑領域の外周面とが、管体の中心軸線からの距離が同一であることを特徴とする管体。
  16. 軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体であって、前記凹凸領域にて内側に突出する凸部の頂点と、前記平滑領域の内周面とが、管体の中心軸線からの距離が同一であることを特徴とする管体。
  17. 請求項15又は16に記載の管体において、前記凹凸領域は、多面体が形成されていることにより凹凸状に成形されていることを特徴とする管体。
  18. 請求項17に記載の管体において、前記多面体は、疑似円筒形凹多面体であることを特徴とする管体。
  19. 軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体の成形方法であって、
    筒形材料の一部の壁部を折り曲げることにより前記凹凸領域を形成し、筒形材料の他の一部の壁部における外周面を前記凹凸領域にて外側に突出する凸部の頂点の径方向位置と同じとする拡径を、前記他の一部の壁部に実行して前記平滑領域とすることを特徴とする管体成形方法。
  20. 軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体の成形方法であって、
    筒形材料の一部の壁部を折り曲げることにより前記凹凸領域を形成すると共に、この凹凸領域の縮径を実行して、前記凹凸領域にて外側に突出する凸部の頂点を、筒形材料の他の一部である前記平滑領域の外周面の径方向位置と同じとすることを特徴とする管体成形方法。
  21. 軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体の成形方法であって、
    筒形材料の一部の壁部を折り曲げることにより前記凹凸領域を形成すると共にこの凹凸領域の縮径を実行し、かつ筒形材料の他の一部の壁部の拡径を実行して前記平滑領域とすることにより、前記凹凸領域にて外側に突出する凸部の頂点と前記平滑領域の外周面とを同一径方向位置とすることを特徴とする管体成形方法。
  22. 軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体の成形方法であって、
    筒形材料の一部の壁部を折り曲げることにより前記凹凸領域を形成し、筒形材料の他の一部の壁部における内周面を前記凹凸領域にて内側に突出する凸部の頂点の径方向位置と同じとする縮径を、前記他の一部の壁部に実行して前記平滑領域とすることを特徴とする管体成形方法。
  23. 軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体の成形方法であって、
    筒形材料の一部の壁部を折り曲げることにより前記凹凸領域を形成すると共に、この凹凸領域の拡径を実行して、前記凹凸領域にて内側に突出する凸部の頂点を、筒形材料の他の一部である前記平滑領域の内周面の径方向位置と同じとすることを特徴とする管体成形方法。
  24. 軸方向に、凹凸領域とこの凹凸領域が形成されていない平滑領域とを有する管体の成形方法であって、
    筒形材料の一部の壁部を折り曲げることにより前記凹凸領域を形成すると共にこの凹凸領域の拡径を実行し、かつ筒形材料の他の一部の壁部の縮径を実行して前記平滑領域とすることにより、前記凹凸領域にて内側に突出する凸部の頂点と前記平滑領域の内周面とを同一径方向位置とすることを特徴とする管体成形方法。
  25. 請求項19〜24のいずれか一項に記載の管体成形方法において、前記凹凸領域は、多面体として形成することを特徴とする管体成形方法。
  26. 請求項25に記載の管体成形方法において、前記多面体は、疑似円筒形凹多面体として形成することを特徴とする管体成形方法。
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