JP2011088100A - 描画方法及び液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液滴吐出ヘッドとワークの相対速度を変更するときにも吐出される液滴の量の変動を小さくできる描画方法を提供する。
【解決手段】液滴吐出ヘッドと基板とを相対移動させて液滴吐出ヘッドから基板へ液滴を吐出する描画方法にかかわる。基板へ液滴を吐出して描画するステップS8の描画工程と、描画工程における液滴吐出ヘッドと基板との相対速度を設定するステップS2の速度設定工程と、相対速度を用いて描画工程における液滴吐出ヘッドの温度である描画時ヘッド温度を推定するステップS3のヘッド温度推定工程と、液滴吐出ヘッドの温度を描画時ヘッド温度にするステップS7の第2暖機工程と、を有し、描画工程の前に第2暖機工程が行われる。
【選択図】図4

Description

本発明は、描画方法及び液滴吐出装置にかかわり、特に、吐出量の変動を低減する方法に関するものである。
従来、ワークに対して液滴を吐出する方法として、インクジェット式の液滴吐出装置を用いて吐出する方法が知られている。液滴吐出装置は、基板等のワークを載置してワークを一方向に移動させるステージと、ステージの上方位置においてステージの移動方向と直交する方向に配置されるガイドレールに沿って移動するキャリッジとを備えている。キャリッジにはインクジェットヘッド(以下、液滴吐出ヘッドと称す)が配置され、液滴吐出ヘッドはワークに対して液滴を吐出していた。
液滴吐出ヘッドが吐出する液滴の量を調整する方法が特許文献1に開示されている。それによると、液滴吐出ヘッドは圧電素子を備え、圧電素子を駆動することにより機能液を液滴にしてノズルから吐出する。吐出される液滴の量は電子天秤を用いて測定する。次に、圧電素子に印加する電圧を調整することにより、吐出する液滴の量を調整していた。
ステージを移動しながら液滴を吐出するとき、ステージ速度が速い程液滴が飛行中にステージが移動する距離が長くなる。そして、液滴の飛行時間のばらつきが着弾位置に影響するので、ステージ速度が速い程液滴の着弾位置の精度が悪くなる。そして、着弾位置精度を上げたいときにはステージの速度を遅くしていた。一方、着弾位置精度を上げる必要がないときにはステージの速度を速くして生産性良く描画作業を行っていた。
特開2007−319857号公報
描画するパターンや要求される位置精度によって、液滴吐出ヘッドとワークとの相対速度を変えることがある。このとき、液滴吐出ヘッドはステージや周囲の空気に奪われる熱量が変わるので液滴吐出ヘッドの温度が変わる。ワークに対して液滴にして吐出する機能液は温度により粘度の変わる液体が多い。粘度が変わることにより流体抵抗が変化し、液滴吐出ヘッド内の流路を流れる機能液の流速が変化する。そして、機能液の流速が変化するので1回の吐出で吐出される液滴の量が変化する。
ワークに描画する前に液滴吐出ヘッドを暖機駆動することにより、液滴吐出ヘッドの温度を描画時の温度に上げる方法がある。液滴吐出ヘッドとワークとの相対速度を変えるとき、暖機駆動時と描画時との液滴吐出ヘッドの温度に差が生じることがある。そのため、液滴吐出ヘッドから吐出される液滴の量が変動することがあった。そこで、ステージ速度を変更するときにも吐出される液滴の量の変動を小さくできる描画方法が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかる描画方法は、液滴吐出ヘッドと基材とを相対移動させて前記液滴吐出ヘッドから前記基材へ液滴を吐出する描画方法であって、前記基材へ前記液滴を吐出して描画する描画工程と、前記描画工程における前記液滴吐出ヘッドと前記基材との相対速度を設定する速度設定工程と、前記相対速度を用いて前記描画工程における前記液滴吐出ヘッドの温度である描画時ヘッド温度を推定するヘッド温度推定工程と、前記液滴吐出ヘッドの温度を前記描画時ヘッド温度にする暖機工程と、を有し、前記描画工程の前に前記暖機工程が行われることを特徴とする。
この描画方法によれば、速度設定工程にて液滴吐出ヘッドと基材との相対速度が設定される。そして、ヘッド温度推定工程において描画工程における描画時ヘッド温度が推定される。このとき、相対速度の設定値を用いて描画時ヘッド温度が推定される。相対速度が変わるとき、液滴吐出ヘッドが受ける風の風速や基材に伝熱する熱量が変わる。従って、描画時ヘッド温度は相対速度と関連があるので、相対速度を用いることにより描画時ヘッド温度を精度良く推定することができる。次に、暖機工程において液滴吐出ヘッドの温度が描画時ヘッド温度に調整される。その後、描画工程にて基材へ液滴が吐出される。液滴吐出ヘッドの温度が、精度良く推定された描画時ヘッド温度に暖機工程にて調整される為、描画工程にて吐出を開始した後で時間の経過にともなうヘッド温度の変動を小さくすることができる。ヘッド温度の変動が大きいときには、液滴吐出ヘッドが吐出する液滴の粘度が変動するために液滴の量が変動する。本適用例ではヘッド温度の変動を小さくできる為、基材に吐出される液滴の量の変動を小さくすることができる。
[適用例2]
上記適用例にかかる描画方法において、前記液滴吐出ヘッドが吐出する吐出量を調整する吐出量調整工程をさらに有し、前記吐出量調整工程の前に前記暖機工程が行われることを特徴とする。
この描画方法によれば、暖機工程において液滴吐出ヘッドの温度が描画時ヘッド温度に調整される。その後、吐出量調整工程にて液滴吐出ヘッドの吐出量が調整される。従って、液滴吐出ヘッドの吐出量は描画時ヘッド温度における吐出量に調整される為、描画工程における液滴吐出ヘッドの吐出量を精度良く調整することができる。
[適用例3]
上記適用例にかかる描画方法において、前記ヘッド温度推定工程では、前記相対速度と前記描画時ヘッド温度との関係を示す相対速度ヘッド温度相関データを用いて前記相対速度における前記描画時ヘッド温度を推定することを特徴とする。
この描画方法によれば、相対速度ヘッド温度相関データと相対速度とを用いて描画時ヘッド温度を推定している。描画する装置を変更しないときには相対速度ヘッド温度相関データは変化し難いため、相対速度を変更するときには相対速度ヘッド温度相関データを用いて描画時ヘッド温度を推定することができる。そして、相対速度を変更するとき、簡便に描画時ヘッド温度を推定することができる。
[適用例4]
上記適用例にかかる描画方法において、前記相対速度には前記液滴吐出ヘッドと前記基材とが相対移動するときの速度変化を示す速度パターンを用いることを特徴とする。
この描画方法によれば、描画工程では所定の速度パターンに従って液滴吐出ヘッドと基材とが相対移動する。そして、速度パターンから描画時ヘッド温度を推定している。従って、描画工程で相対速度が複数の速度に切り替わるときにも精度良く描画時ヘッド温度を推定することができる。
[適用例5]
上記適用例にかかる描画方法において、前記液滴吐出ヘッドと前記基材との距離をヘッド間隔とするとき、前記ヘッド温度推定工程において前記ヘッド間隔と前記描画時ヘッド温度との関係を示すヘッド間隔ヘッド温度相関データと前記ヘッド間隔の値とをさらに用いて前記描画時ヘッド温度を推定することを特徴とする。
この描画方法によれば、相対速度に加えてヘッド間隔を用いて描画時ヘッド温度を推定している。液滴吐出ヘッドが基材に近いときには基材に遠い場合に比べて、基材の温度の影響を受けやすい。従って、相対速度に加えてヘッド間隔の値を用いることにより、精度良く描画時ヘッド温度を推定することができる。
[適用例6]
上記適用例にかかる描画方法において、前記基材の温度である基材温度を検出する基材温度検出工程をさらに有し、前記ヘッド温度推定工程では、前記基材温度と前記描画時ヘッド温度との関係を示す基材温度ヘッド温度相関データと前記基材温度の値とをさらに用いて前記描画時ヘッド温度を推定することを特徴とする。
この描画方法によれば、相対速度に加えて基材温度を用いて描画時ヘッド温度を推定している。液滴吐出ヘッドの温度と基材の温度との差が小さい場合に比べて、差が大きい場合は基材の影響を受けやすい。従って、相対速度に加えて基材温度の値を用いることにより、精度良く描画時ヘッド温度を推定することができる。
[適用例7]
上記適用例にかかる描画方法において、前記基材の周囲及び前記液滴吐出ヘッドの周囲の温度である周囲温度を検出する周囲温度検出工程をさらに有し、前記ヘッド温度推定工程では、前記周囲温度と前記描画時ヘッド温度との関係を示す周囲温度ヘッド温度相関データと前記周囲温度の値とをさらに用いて前記描画時ヘッド温度を推定することを特徴とする。
この描画方法によれば、相対速度に加えて周囲温度を用いて描画時ヘッド温度を推定している。液滴吐出ヘッドの温度と周囲温度の温度との差が小さい場合に比べて、差が大きい場合は周囲温度の影響を受けやすい。従って、相対速度に加えて周囲温度の値を用いることにより、精度良く描画時ヘッド温度を推定することができる。
[適用例8]
本適用例にかかる液滴吐出装置は、基材に向けて液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置であって、前記液滴吐出ヘッドと前記基材とを相対移動させる移動部と、前記液滴吐出ヘッドと前記基材との相対速度に応じて前記液滴吐出ヘッドの温度を調整する温度調整部と、を備えることを特徴とする。
この液滴吐出装置によれば、移動部が液滴吐出ヘッドと基材とを相対移動させる。液滴吐出ヘッドと基材との相対速度が変わるとき、液滴吐出ヘッドが受ける風の風速や基材から受ける熱量が変わる。そして、温度調整部が相対速度に応じて液滴吐出ヘッドの温度を調整している。従って、液滴吐出ヘッドが移動する前後におけるヘッド温度の変動を小さくすることができる。ヘッド温度の変動が大きいときには、液滴吐出ヘッドが吐出する液滴の粘度が変動するために液滴の量が変動する。従って、本適用例では吐出量の変動を小さくできる為、基材に吐出される液滴の量の変動を小さくすることができる。
液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図。 (a)は、ヘッドユニットを示す模式平面図、(b)は、ヘッドユニットの構造を示す模式側面図、(c)は、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図。 第1の実施形態にかかわる液滴吐出装置の電気制御ブロック図。 基板に液滴を吐出して塗布する製造工程を示すフローチャート。 液滴吐出装置を使った描画方法を説明するための模式図。 液滴吐出装置を使った描画方法を説明するための模式図。 液滴吐出装置を使った描画方法を説明するための模式図。 比較例にかかわり暖機工程が行われないときのヘッド温度の推移を説明するためのグラフ。 第2の実施形態にかかわる描画時ヘッド温度の推定方法を説明するための模式図。 第3の実施形態にかかわる描画時ヘッド温度の推定方法を説明するための模式図。
以下、本発明を具体化した実施例について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本実施形態では、液滴吐出装置と、この液滴吐出装置を用いて液滴を吐出して描画する本発明の特徴的な描画方法の例について、図1〜図7に従って説明する。
(液滴吐出装置)
最初に、ワークに液滴を吐出して塗布する液滴吐出装置1について図1〜図3に従って説明する。液滴吐出装置に関しては様々な種類の装置があるが、インクジェット法を用いた装置が好ましい。インクジェット法は微小な液滴の吐出が可能であるため、微細加工に適している。
図1は、液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図である。液滴吐出装置1により液滴が吐出される。図1に示すように、液滴吐出装置1には、直方体形状に形成された基台2を備えている。本実施形態では、この基台2の長手方向をY方向とし、水平面上でY方向と直交する方向をX方向とする。そして、鉛直方向をZ方向とする。液滴を吐出するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物とが相対移動する方向を主走査方向とする。そして、主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。副走査方向は改行するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物とを相対移動する方向である。本実施形態ではY方向を主走査方向とし、X方向を副走査方向とする。
基台2の上面2aには、Y方向に延在する一対の案内レール3a,3bがY方向全幅にわたり凸設されている。その基台2の上側には、一対の案内レール3a,3bに対応する図示しない直動機構を備えた走査手段を構成する移動部としてのステージ4が取付けられている。そのステージ4の直動機構は、例えば、ネジ式直動機構を用いることができる。このネジ式直動機構は案内レール3a,3bに沿ってY方向に延びる駆動軸であるネジ軸と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えている。その駆動軸が所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転する図示しないY軸モーターに連結されている。所定のステップ数に相対する駆動信号をY軸モーターに入力するとY軸モーターが正転または逆転する。そして、ステージ4が同ステップ数に相当する分だけ、Y方向に沿って所定の速度で往動または復動するようになっている。往動と復動を繰り返すことを走査移動と称す。さらに、基台2の上面2aには、案内レール3a,3bと平行に主走査位置検出装置5が配置され、主走査位置検出装置5がステージ4の位置を検出できるようになっている。
そのステージ4の上面には載置面6が形成され、その載置面6には図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。そして、操作者が載置面6に基材としての基板7を所定位置に位置決めして載置すると、基板チャック機構によってその基板7が固定される。基板7と対向する場所の載置面6には温度センサー8が設置され、温度センサー8は基板7の温度を検出する。温度センサー8は、温度が検出可能な素子であれば良く、熱電対、白金測温抵抗体、水晶振動子、サーミスタ等を使用することができる。例えば、本実施形態ではサーミスタを採用している。
基台2のX方向両側には一対の支持台9a,9bが立設され、その一対の支持台9a,9bにはX方向に延びる案内部材10が架設されている。その案内部材10の上側には吐出する機能液を供給可能に収容する収容タンク11が設置されている。案内部材10の−Y方向の側面には一対の支持部10aが凸設され、支持部10aの先端には温度センサー12が設置されている。そして、温度センサー12は液滴吐出装置1の周囲温度を検出する。温度センサー12には温度センサー8と同様のセンサーを用いることができる。一方、その案内部材10の下側にはX方向に延びる案内レール13がX方向全幅にわたり凸設されている。
案内レール13に沿って移動可能に取り付けられる移動部としてのキャリッジ14は略直方体形状に形成されている。そのキャリッジ14は直動機構を備え、その直動機構は、例えば、ステージ4が備えるネジ式直動機構と同様の機構を用いることができる。そのネジ式直動機構の駆動軸が所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転する図示しないX軸モーターに連結されている。そして、駆動信号がX軸モーターに入力されると、X軸モーターが正転または逆転して、キャリッジ14がX方向に沿って走査移動する。案内部材10とキャリッジ14との間には副走査位置検出装置15が配置され、キャリッジ14の位置が計測される。キャリッジ14の下側にはヘッドユニット16が設置され、ヘッドユニット16のステージ4側の面には図示しない液滴吐出ヘッドが凸設されている。
基台2の上側であって、ステージ4の−Y方向には、保守装置17が設置されている。保守装置17は、保守ステージ18と、保守ステージ18の上に配置されている重量測定装置19等により構成されている。重量測定装置19は吐出する液滴の重量を測定する装置である。
保守ステージ18は、案内レール3a,3b上に移動可能に取り付けられ、ステージ4と同様の直動機構を備えている。基台2の上面2aには、案内レール3a,3bと平行に保守ステージ位置検出装置20が配置され、保守ステージ位置検出装置20により保守ステージ18の位置が検出される。保守ステージ位置検出装置20を用いて位置を検出し、直動機構を用いて移動することにより、保守ステージ18は所望の場所に移動し、停止することが可能になっている。
保守ステージ18が案内レール3a,3bに沿って移動して、キャリッジ14が案内レール13に沿って移動する。そして、液滴吐出ヘッドと対向する場所に重量測定装置19が位置した後、重量測定装置19は液滴吐出ヘッドの吐出量を測定する。
液滴吐出装置1は四隅に支柱23を備え、支柱23の図中上側には空気制御装置24が設置されている。空気制御装置24は、ファン、フィルター、冷暖房装置、湿度調整装置等を備えている。ファン(送風機)は、工場内の空気を取り込んでフィルターを通過させることにより、空気内の塵、埃を除去し、清浄化された空気を供給する。
冷暖房装置は、液滴吐出装置1の雰囲気温度を所定の温度範囲に保持するように、供給する空気の温度を制御する装置である。湿度調整装置は除湿または加湿した空気を供給することにより液滴吐出装置1の雰囲気湿度を所定の湿度範囲に維持する装置である。
4本の支柱23の間にはシート25が配置され、シート25は空気の流れを遮断する。空気制御装置24から供給される空気は空気制御装置24から図中下側の床26に向かって流動する。そして、シート25に囲まれる空間内の塵や埃には重力と空気の流れが作用するので、塵や埃は床26に向かって流動する。床26には流動する空気の排出口が設定されている。従って、基板7に塵や埃が付着し難いようになっている。さらに、シート25が空気の流れを制限することにより、シート25に囲まれる空間内の温度及び湿度がシート25の外から影響され難くなっている。そして、空気制御装置24がシート25に囲まれる空間内の温度及び湿度を所定の状態に維持している。
図2(a)は、ヘッドユニットを示す模式平面図である。図2(a)に示すように、ヘッドユニット16には第1ヘッド27a〜第3ヘッド27cの3個の液滴吐出ヘッド27が配置され、液滴吐出ヘッド27の表面にはノズルプレート28が配置されている。ノズルプレート28には複数のノズル29が配列して形成されている。ノズル29及びヘッドの数及び配置は吐出するパターンと基板7の大きさに合わせて設定すればよい。本実施形態においては、例えば、1個のノズルプレート28にはノズル29の配列が1列形成され、各列には15個のノズル29が配置されている。
図2(b)は、ヘッドユニットの構造を示す模式側面図であり、図2(a)に示すヘッドユニット16を−Y方向から見た図である。図2(b)に示すように、ヘッドユニット16はベース板30を備えている。ベース板30の上側にはキャリッジ14が配置されている。ベース板30の下側には支持部31を介して駆動回路基板32が配置されている。そして、駆動回路基板32の下面にはヘッド駆動回路33が配置されている。さらに、ベース板30には支持部34を介してヘッド取付板35が配置され、ヘッド取付板35の下面には液滴吐出ヘッド27が配置されている。ヘッド駆動回路33と液滴吐出ヘッド27とは図示しないケーブルにより接続され、ヘッド駆動回路33から出力された駆動信号が液滴吐出ヘッド27に入力される。
ベース板30の下側には供給装置36が配置され、収容タンク11と供給装置36との間及び供給装置36と液滴吐出ヘッド27との間は図示しないチューブにより接続されている。そして、収容タンク11から供給される機能液が供給装置36により液滴吐出ヘッド27に供給される。
図2(c)は、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図である。図2(c)に示すように、液滴吐出ヘッド27はノズルプレート28を備え、ノズルプレート28にはノズル29が形成されている。ノズルプレート28の上側であってノズル29と相対する位置にはノズル29と連通するキャビティ37が形成されている。そして、液滴吐出ヘッド27のキャビティ37には収容タンク11に貯留されている液状体としての機能液38が供給される。
キャビティ37の上側には上下方向に振動してキャビティ37内の容積を拡大縮小する振動板39が設置されている。振動板39の上側でキャビティ37と対向する場所には上下方向に伸縮して振動板39を振動させる圧電素子40が配設されている。圧電素子40が上下方向に伸縮して振動板39を加圧して振動し、振動板39がキャビティ37内の容積を拡大縮小してキャビティ37を加圧する。それにより、キャビティ37内の圧力が変動し、キャビティ37内に供給された機能液38はノズル29を通って吐出される。
液滴吐出ヘッド27が圧電素子40を制御駆動するためのノズル駆動信号を受けると、圧電素子40が伸張して、振動板39がキャビティ37内の容積を縮小する。その結果、液滴吐出ヘッド27のノズル29からは、縮小した容積分の機能液38が液滴41として吐出される。液滴吐出ヘッド27内にはキャビティ37及び圧電素子40と並んで温度センサー42が配置されている。そして、温度センサー42は液滴吐出ヘッド27の温度を検出する。温度センサー42には温度センサー8と同様のセンサーを用いることができる。
ノズル29から液滴41を吐出するとき液滴吐出ヘッド27に加えられるエネルギーの一部が熱に変換される。そして、液滴吐出ヘッド27は加熱されて、温度が上昇する。また、液滴41の吐出と並行して機能液38が供給される。供給される機能液38により液滴吐出ヘッド27へ熱量が入る。一方、液滴吐出ヘッド27から吐出される液滴41により液滴吐出ヘッド27から熱量が奪われる。また、液滴吐出ヘッド27の周囲を空気が流動し、この空気が液滴吐出ヘッド27の熱量を奪う。他にも液滴吐出ヘッド27からキャリッジ14に熱が伝動することにより、液滴吐出ヘッド27から熱量が奪われる。さらに、液滴吐出ヘッド27の熱が空気を介して基板7やステージ4に伝導する。そして、液滴吐出ヘッド27が液滴41の吐出を継続して行うとき液滴吐出ヘッド27の温度が平衡状態になる。
図3は、液滴吐出装置の電気制御ブロック図である。図3に示すように、液滴吐出装置1は液滴吐出装置1の動作を制御する制御部としての制御装置45を備えている。そして、制御装置45はプロセッサーとして各種の演算処理を行うCPU(中央演算処理装置)46と、各種情報を記憶するメモリー47とを備えている。
主走査駆動装置48、主走査位置検出装置5、副走査駆動装置49、副走査位置検出装置15、基板温度検出装置50は、入出力インターフェイス51及びデータバス52を介してCPU46に接続されている。さらに、液滴吐出ヘッド27を駆動するヘッド駆動回路33、ヘッド温度検出装置53、周囲温度検出装置54、入力装置55、表示装置56、重量測定装置19も入出力インターフェイス51及びデータバス52を介してCPU46に接続されている。同じく、保守ステージ18を駆動する保守ステージ駆動装置57及び、保守ステージ18の位置を検出する保守ステージ位置検出装置20も入出力インターフェイス51及びデータバス52を介してCPU46に接続されている。
主走査駆動装置48はステージ4の移動を制御する装置であり、副走査駆動装置49はキャリッジ14の移動を制御する装置である。主走査位置検出装置5がステージ4の位置を検出し、主走査駆動装置48がステージ4を駆動することにより、ステージ4を所望の位置に移動及び停止することが可能になっている。同じく、副走査位置検出装置15がキャリッジ14の位置を検出し、副走査駆動装置49がキャリッジ14を駆動することにより、キャリッジ14を所望の位置に移動及び停止することが可能となっている。
基板温度検出装置50は、基板7に接触もしくは近接する場所に設置された温度センサー8を駆動して基板7の温度を検出する。同様に、ヘッド温度検出装置53は、液滴吐出ヘッド27に内蔵して設置された温度センサー42を駆動して液滴吐出ヘッド27の温度を検出する。さらに、周囲温度検出装置54は、液滴吐出装置1の周囲に設置された温度センサー12を駆動して液滴吐出装置1の周囲の温度を検出する。そして、各場所の温度検出値をCPU46に出力する。
入力装置55は液滴41を吐出する各種加工条件を入力する装置であり、例えば、基板7に液滴41を吐出する座標を図示しない外部装置から受信して入力する装置である。表示装置56は加工条件や作業状況を表示する装置であり、操作者は表示装置56に表示される情報を基に入力装置55を用いて操作を行う。
重量測定装置19は電子天秤及び受け皿を備え、液滴吐出ヘッド27が吐出する液滴41と液滴41を受ける受け皿との重量を電子天秤が測定する。重量測定装置19は、液滴41が吐出される前後の受け皿の重量を測定した後、測定値をCPU46に送信する。
保守ステージ駆動装置57は保守ステージ18を移動する装置である。そして、保守ステージ位置検出装置20が保守ステージ18の位置を検出した後、保守ステージ駆動装置57が保守ステージ18を移動する。そして、液滴吐出ヘッド27の吐出量を測定するときには保守ステージ駆動装置57が保守ステージ18を移動することにより、重量測定装置19が液滴吐出ヘッド27と対向する場所に配置される。
メモリー47は、RAM、ROM等といった半導体メモリーや、ハードディスク、DVD−ROMといった外部記憶装置を含む概念である。機能的には液滴吐出装置1における動作の制御手順が記述されたプログラムソフト58を記憶する記憶領域が設定される。さらに、基板7内における吐出位置の座標データである吐出位置データ59を記憶するための記憶領域も設定される。
他にも、液滴吐出ヘッド27を暖機駆動するときに液滴吐出ヘッド27を駆動する駆動波形データ等の暖機駆動データ60を記憶するための記憶領域が設定される。さらに、描画時の液滴吐出ヘッド27を算出するときに参照する描画温度算出用データ61を記憶するための記憶領域が設定される。
さらに、基板7を主走査方向へ移動する主走査移動量とキャリッジ14を副走査方向へ移動する副走査移動量とを記憶するための記憶領域やCPU46のためのワークエリアやテンポラリーファイル等として機能する記憶領域やその他各種の記憶領域が設定される。
CPU46は、メモリー47内に記憶されたプログラムソフト58に従って基板7の所定位置に液滴41を吐出するための制御を行うものである。具体的な機能実現部として、液滴吐出ヘッド27から液滴41を吐出して描画するための制御を行う吐出演算部64を有する。吐出演算部64を詳しく分割すれば、吐出演算部64は基板7を主走査方向へ所定の速度で走査移動させるための制御を行う主走査制御部65を有する。他にも、吐出演算部64は液滴吐出ヘッド27を副走査方向へ所定の副走査量で移動させるための制御を行う副走査制御部66を有する。さらに、吐出演算部64は液滴吐出ヘッド27内に複数あるノズルのうち、どのノズルを作動させて機能液を吐出するかを制御する吐出制御部67等といった各種の機能演算部を有する。
他に、吐出する液滴41の重量測定をするための制御を行う重量測定制御部68を有する。さらに、暖機駆動する液滴吐出ヘッド27の選択や暖機駆動時間の制御を行うことにより液滴吐出ヘッド27の温度を調整する温度調整部69や液滴吐出ヘッド27を保守するタイミングや保守装置17の動作を制御する保守装置制御部70を有する。
(描画方法)
次に、上述した液滴吐出装置1を使って、液滴吐出ヘッド27から基板7に吐出して描画する描画方法について図4〜図7にて説明する。図4は、基板に液滴を吐出して塗布する製造工程を示すフローチャートである。図5〜図7は、液滴吐出装置を使った描画方法を説明するための模式図である。
ステップS1は温度特性調査工程に相当する。ステージの移動速度と液滴吐出ヘッドの温度との関係を調査する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は速度設定工程に相当し、描画パターンを参照してステージの移動速度を設定する工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3はヘッド温度推定工程に相当し、描画時のヘッド温度を推定する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は第1暖機工程に相当し、ノズルから液滴が吐出しない程度に圧電素子を駆動することにより、液滴吐出ヘッドを暖機駆動する工程である。次にステップS5に移行する。ステップS5は吐出量調整工程に相当し、ノズルから吐出する吐出量を調整する工程である。次に、ステップS6及びステップS7に移行する。ステップS6とステップS7とは並行して行われる。ステップS6は給材工程に相当し、基板を載置面に配置する工程である。次にステップS8に移行する。ステップS7は第2暖機工程に相当し、ノズルから液滴が吐出しない程度に圧電素子を駆動することにより、液滴吐出ヘッドを暖機駆動する工程である。次にステップS8に移行する。ステップS8は描画工程に相当する。この工程は基板上に液滴を吐出して描画する工程である。次にステップS9及びステップS10に移行する。ステップS9とステップS10とは並行して行われる。ステップS9は除材工程に相当し、基板を載置面から移動する工程である。次にステップS11に移行する。ステップS10は、第3暖機工程に相当し、ノズルから液滴が吐出しない程度に圧電素子を駆動することにより、液滴吐出ヘッドを暖機駆動する工程である。次にステップS11に移行する。ステップS11は終了判断工程に相当する。まだ塗布していない基板があるとき、ステップS7に移行する。予定した総ての基板に機能液を塗布したとき基板に液滴を吐出して塗布する製造工程を終了する。
次に、図5〜図7を用いて図4に示したステップと対応させて、液滴吐出ヘッドから吐出する吐出量の変動を少なくして基板に塗布する製造方法を詳細に説明する。図5は、ステップS1の温度特性調査工程に対応する図である。図5(a)は液滴吐出ヘッドの駆動波形を示すタイムチャートであり、液滴吐出ヘッド27から液滴41を連続吐出するときの一例である。吐出駆動波形73はヘッド駆動回路33が圧電素子40を駆動する波形を3個分表示している。図の横軸は時間の経過を示し、時間は図中左から右へ推移する。縦軸は駆動電圧の変化を示し、図中上側が下側より高い電圧を示す。吐出駆動波形73は略台形の波形形状をしており、吐出時の駆動電圧のピーク値である吐出電圧74及び吐出パルス幅75はそれぞれ所定の電圧及び時間に設定されている。そして、吐出駆動波形73の周期である吐出波形周期76も所定の時間間隔に形成されている。吐出電圧74、吐出パルス幅75及び吐出波形周期76は圧電素子40や振動板39の動特性に合わせて設定する必要がある。従って、実際に液滴41を吐出する予備試験を実施して最適な吐出条件を導くことが望ましい。吐出演算部64は吐出電圧74及び吐出パルス幅75等の波形条件を変更することにより吐出量を変更することができる。そして、ヘッド駆動回路33は吐出駆動波形73の駆動波形を圧電素子40に出力して液滴41を吐出する。
図5(b)は描画時ヘッド温度の測定を説明するための模式図である。図5(b)に示すように、ステップS1において吐出制御部67がヘッド駆動回路33を駆動して液滴吐出ヘッド27に吐出駆動波形73を出力させる。そして、吐出制御部67は液滴吐出ヘッド27に液滴41を吐出させる。液滴41の吐出と並行して主走査制御部65が主走査駆動装置48を駆動することにより、ステージ4を移動させる。このとき、主走査制御部65及び吐出制御部67は実際に基板7に描画するときと同様の描画パターンを描画するようにステージ4及び液滴吐出ヘッド27を駆動する。尚、図を見やすくするために図中各液滴吐出ヘッド27におけるノズル29の数は省略して1つのみ表示してある。
図5(c)は液滴吐出ヘッドの温度の推移を示すグラフである。図5(c)において図の横軸は時間の経過を示し、時間は図中左から右へ推移する。縦軸はヘッド温度の変化を示し、図中上側が下側より高い温度を示す。ヘッド温度推移線77が示すように時間の経過に従ってヘッド温度の変化が小さくなる。ヘッド温度推移線77はヘッド温度が上昇する例を示したが、ヘッド温度は下降する場合もある。いずれの場合にも時間が経過するとヘッド温度の変化が小さくなる。そして、変化のなくなった時のヘッド温度を描画時ヘッド温度78とする。
図5(d)はステージ速度と描画時ヘッド温度との相関関係を示すグラフである。図5(d)において図の横軸はステージ速度を示し、図中右側が左側より大きな速度を示す。縦軸は描画時ヘッド温度78の変化を示し、図中上側が下側より高い温度を示す。そして、第1相関線79a〜第3相関線79cはそれぞれ第1ヘッド27a〜第3ヘッド27cにおける相対速度ヘッド温度相関データとしての相関線79の例を示している。相関線79はステージ速度を複数の条件に切り替えて各速度における描画時ヘッド温度78を調査することにより作成することができる。相関線79の例ではステージ速度が大きくなるのに伴い描画時ヘッド温度78が小さくなる。この特性は液滴吐出ヘッド27の構成、液滴吐出ヘッド27の周囲の温度、ステージ4及び基板7の温度等により変わるので、液滴吐出装置1の環境が変わる毎に調査する必要がある。
ステップS2の速度設定工程において操作者はステージ4の移動速度を設定する。このとき、操作者は描画パターンに合わせて移動速度を設定する。描画パターンが微細なパターンのとき移動速度を小さくすることにより、液滴吐出装置1は細い線や細い点を描画することができる。描画パターンが微細でないときには移動速度を大きくすることにより、液滴吐出装置1は生産性良く描画パターンを描画することができる。
ステップS3のヘッド温度推定工程において温度調整部69は各液滴吐出ヘッド27の描画時ヘッド温度78を推定する。このとき、温度調整部69は相関線79と設定したステージ速度80とを用いて各液滴吐出ヘッド27における描画時ヘッド温度78を演算する。具体的には、各相関線79を示す式に設定したステージ速度80を代入して各液滴吐出ヘッド27の描画時ヘッド温度78を算出する。
図6(a)及び図6(b)はステップS4の第1暖機工程に対応する図である。図6(a)には暖機駆動するときの一例である非吐出駆動波形81が3個分表示されている。非吐出駆動波形81は液滴吐出ヘッド27から液滴41を吐出せずに駆動するときの波形を示している。非吐出駆動波形81は略台形の波形形状をしており、非吐出時の駆動電圧のピーク値である非吐出電圧82は液滴41を吐出せずに圧電素子40を振動させる範囲に設定される。非吐出電圧82と描画時ヘッド温度78との関係は予め調査しておく。そして、所定の非吐出電圧82にて液滴吐出ヘッド27を続けて駆動することにより液滴吐出ヘッド27の温度が描画時ヘッド温度78になるように非吐出電圧82を設定する。非吐出時のパルス幅である非吐出パルス幅83は、吐出パルス幅75と同じ値を採用している。そして、非吐出駆動波形81の波形周期である非吐出波形周期84は、圧電素子40が振動する間隔に設定する。非吐出波形周期84は、本実施形態では、例えば、吐出波形周期76と同一の時間間隔を採用している。非吐出パルス幅83及び非吐出波形周期84は必ずしも吐出パルス幅75及び吐出波形周期76と同じでなくとも良い。非吐出電圧82、非吐出パルス幅83及び非吐出波形周期84等の波形要素のうち制御しやすい要素を調整しても良い。
図6(b)に示すように、副走査制御部66はキャリッジ14を移動させることにより、第1ヘッド27aを重量測定装置19と対向する場所に移動する。そして、液滴吐出ヘッド27を非吐出駆動波形81にて駆動することにより、液滴吐出ヘッド27の温度を描画時ヘッド温度78に制御する。尚、キャリッジ14を移動する間においても、液滴吐出ヘッド27を非吐出駆動波形81にて駆動しても良い。生産性良く液滴吐出ヘッド27の温度を描画時ヘッド温度78にすることができる。
図6(c)はステップS5の吐出量調整工程に対応する図である。図6(c)に示すように、ステップS5において、第1ヘッド27aが重量測定装置19に液滴41を吐出して、重量測定制御部68が吐出量を検出する。例えば、重量測定制御部68が液滴41を100回吐出させた後、吐出された液滴41の重量を測定する。その後、測定値を吐出回数の100回にて除算することにより単位吐出量を算出する。単位吐出量は1回の吐出で吐出する量を称す。そして、単位吐出量の検出と吐出電圧74の調整とを繰り返すことにより、重量測定制御部68は第1ヘッド27aの単位吐出量を目標とする吐出量に調整する。重量測定制御部68が第1ヘッド27aの単位吐出量を調整する間にも温度調整部69は非吐出駆動波形81にて第2ヘッド27b及び第3ヘッド27cを暖機駆動する。続いて、重量測定制御部68は第2ヘッド27b及び第3ヘッド27cについても同様に単位吐出量を目標とする吐出量に調整する。このとき、各液滴吐出ヘッド27の温度は描画時ヘッド温度78に調整されているので、吐出量は描画時ヘッド温度78における吐出量になっている。
図7(a)はステップS6の給材工程及びステップS7の第2暖機工程に対応する図である。図7(a)に示すように、ステップS6において主走査制御部65は液滴吐出ヘッド27と対向しない場所にステージ4を移動させる。次に、操作者は基板7を移動し、載置面6上に基板7を載置する。基板7が大きい場合には図示しない移動専用ロボット等の装置を用いて基板7を移動しても良い。続いて、操作者は基板7の位置を調整した後、吸引式の基板チャック機構を作動させることにより基板7を載置面6に固定する。
ステップS6と並行してステップS7が行われる。温度調整部69は非吐出駆動波形81にて液滴吐出ヘッド27を駆動する。そして、液滴吐出ヘッド27の温度は描画時ヘッド温度78に調整されている状態にてステップS8へ移行する。
図7(b)はステップS8の描画工程に対応する図である。図7(b)に示すように、ステップS8において、主走査制御部65が主走査駆動装置48を駆動してステージ4を主走査方向に走査移動させる。そして、ノズル29が所定の場所に位置するとき、吐出制御部67がヘッド駆動回路33を駆動してノズル29から液滴41を吐出させる。続いて、液滴吐出装置1は副走査移動と主走査移動とを繰り返して予定した総ての場所に液滴41を吐出する。温度調整部69により液滴吐出ヘッド27の温度は描画前、描画中、描画後において描画時ヘッド温度78に維持される為、温度の変動は小さくなっている。
図7(c)は、ステップS9の除材工程に及びステップS10の第3暖機工程に対応する図である。図7(c)に示すように、ステップS9において、主走査制御部65は液滴吐出ヘッド27と対向しない場所にステージ4を移動させる。次に、吸引式の基板チャック機構の作動を停止させることにより制御装置45は基板7の載置面6への固定を解除する。続いて、操作者は基板7を載置面6上から移動する。ステップS9と並行してステップS10が行われる。温度調整部69は非吐出駆動波形81にて液滴吐出ヘッド27を駆動する。そして、液滴吐出ヘッド27の温度は描画時ヘッド温度78に維持される。ステップS11の終了判断工程において予定した総ての基板7に機能液38を塗布したと判断するとき描画作業を終了する。以上の工程により描画作業を終了する。基板7に着弾した液滴41は次工程にて加熱、乾燥等の処理をすることにより固化及び硬化される。
(比較例)
図8は、暖機工程が行われないときのヘッド温度の推移を説明するためのグラフである。図8において図の横軸は時間の経過を示し、時間は図中左から右へ推移する。縦軸はヘッド温度の変化を示し図中上側が下側より高い温度を示す。ヘッド温度推移線85はヘッド温度が描画時ヘッド温度78より低い状態から吐出を開始して、描画時ヘッド温度78に接近する様子を示している。尚、液滴吐出ヘッド27が液滴41を吐出する毎に液滴吐出ヘッド27温度が上昇する例を示す。このとき、液滴吐出ヘッド27が液滴41を吐出するときにはヘッド温度が上昇する。そして、ステップS6の給材工程及びステップS9の除材工程では液滴吐出ヘッド27が液滴41を吐出せずに待機するのでヘッド温度が下降する。従って、ヘッド温度推移線85は三角波状に変動しながら描画時ヘッド温度78に接近する。このとき、ヘッド温度と単位吐出量とは比例するので、ヘッド温度の変動に伴い吐出量も変動する。暖機工程が行なわれる場合であってもステップS8の描画工程に移行する前のヘッド温度が描画時ヘッド温度78と差がある場合にはヘッド温度推移線85と同様な推移をする。従って、ヘッド温度の変動に伴い吐出量が変動する。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ステップS3のヘッド温度推定工程において描画時ヘッド温度78が推定される。このとき、ステージ4の速度の設定値を用いて描画時ヘッド温度78が推定される。ステージ4の速度が変わるとき、液滴吐出ヘッドが受ける風の風速や基板7に伝導する熱量が変わる。従って、描画時ヘッド温度78はステージ4の速度と相関があるので、ステージ4の速度を用いることにより描画時ヘッド温度78を精度良く推定することができる。次に、ステップS7の第2暖機工程において液滴吐出ヘッド27の温度が描画時ヘッド温度78に暖機される。その後、ステップS8の描画工程にて基板7へ液滴41が吐出される。精度良く推定された描画時ヘッド温度78に第2暖機工程にて調整されている為、描画工程にて吐出を開始した後で時間の経過にともなうヘッド温度の変動を小さくすることができる。ヘッド温度の変動が大きいときには、液滴吐出ヘッド27が吐出する液滴41の粘度が変動するために液滴41の量が変動する。本実施形態ではヘッド温度の変動を小さくできる為、基板7に吐出される液滴41の量の変動を小さくすることができる。
(2)本実施形態によれば、ステップS4の第1暖機工程において液滴吐出ヘッド27の温度が描画時ヘッド温度78に調整される。その後、ステップS5の吐出量調整工程にて液滴吐出ヘッド27の吐出量が調整される。従って、液滴吐出ヘッド27の吐出量は描画時ヘッド温度78における吐出量に調整される為、ステップS8の描画工程における液滴吐出ヘッド27の吐出量を精度良く調整することができる。
(3)本実施形態によれば、相関線79とステージ速度とを用いて描画時ヘッド温度78を推定している。描画する装置を変更しないときには相関線79は変化し難いため、ステージ速度を変更するときには相関線79を用いて描画時ヘッド温度78を推定することができる。そして、ステージ速度を変更するとき、簡便に描画時ヘッド温度78を推定することができる。
(4)本実施形態によれば、温度調整部69がステージ速度に応じて液滴吐出ヘッド27の温度を調整している。従って、液滴吐出ヘッド27はヘッド温度の変動を小さくすることができる。ヘッド温度の変動が大きいときには、液滴吐出ヘッド27が吐出する液滴41の粘度が変動するために液滴41の量が変動する。従って、吐出量の変動を小さくできる為、基板7に吐出される液滴41の量の変動を小さくすることができる。
(5)本実施形態によれば、ステップS9の除材工程と並行してステップS10の第3暖機工程が行われる。従って、ステップS9の後、ステップS11を経てステップS7の第2暖機工程に移行するとき、液滴吐出ヘッド27がすでに暖機されているので短時間でヘッド温度を描画時ヘッド温度78に暖機することができる。
(第2の実施形態)
次に、液滴吐出装置の一実施形態について図9の描画時ヘッド温度の推定方法を説明するための模式図を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、ステージ速度パターン毎の描画時ヘッド温度のデータ表を用いて描画時ヘッド温度を推定する点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、本実施形態では基準となる液滴吐出ヘッド27を1つ設定してその液滴吐出ヘッド27がステージ速度パターンでステージ4を移動させて液滴41を吐出するときの温度特性を調査する。図9(a)において、描画パターン88は液滴吐出装置1を用いて基板7に描画するパターンの1例を示す。描画パターン88にはバンクに囲まれた長方形の第1塗布領域88aと第2塗布領域88bとが設定されている。第1塗布領域88aは4行4列のマトリクス状に配置され、第2塗布領域88bは5行6列のマトリクス状に配置されている。そして、第2塗布領域88bの主走査方向であるY方向の長さは第1塗布領域88aより短い形状となっている。従って、第2塗布領域88bでは第1塗布領域88aより液滴41を位置精度良く着弾させる必要がある。描画パターン88のうちY方向で第1塗布領域88aが配置されている区間を第1区間88cとし、第2塗布領域88bが配置されている区間を第2区間88dとする。
液滴吐出装置1は描画するときにステージ4の速度が早いときより遅いときの方が液滴41の着弾位置の精度を良くすることができる。一方、液滴吐出装置1は描画するときにステージ4の速度が早いときより遅いときの方が生産性良く液滴41を吐出することができる。従って、第1塗布領域88aではステージ4を早く移動させて、第2塗布領域88bではステージ4を遅く移動することにより、生産性良くしかも品質良く描画することができる。
図9(b)はステ−ジの移動速度の推移を示すタイムチャートである。図9(b)において、図の横軸は時間の経過を示し、時間は図中左から右へ推移する。縦軸はステージ速度を示し、図中中央では速度が0である。そして、図中上側はY方向に移動する速度であり、下側は−Y方向に移動する速度を示す。縦軸は中央から離れるほど大きな速度を示す。速度推移線89は、ステージ4が移動する推移の1例を示す。速度推移線89が示すようにまずステージ速度は0となっている。そして、ステージ4はY方向に加速して第1区間88cでは高速移動する。次に、ステージ4は減速して第2区間88dでは低速移動し、第2区間88dを通過した後反転して−Y方向に移動する。続いて、ステージ4は第2区間88dでは低速移動し、次に加速して第1区間88cでは高速移動する。次に、ステージ4は第1区間88cを通過した後反転してY方向に移動し、走査移動する。ステップS1の温度特性調査工程において以上の様な速度推移線89に従ってステージ4を移動させながら、液滴吐出ヘッド27から液滴41を吐出して描画する。このときの描画時ヘッド温度78を計測する。
図9(c)は各種ステージ速度パターンにおける描画時ヘッド温度を示す対応表である。この対応表は描画温度算出用データ61の1つである相対速度ヘッド温度相関データとなっている。図9(c)において、パターンAは第1の実施形態におけるステージ速度パターンである。そして、第1ヘッド27aがパターンAのステージ速度パターンにて描画するときの描画時ヘッド温度78を、例えば、28.2度とする。パターンBは速度推移線89のステージ速度パターンである。パターンAやパターンB以外にも各種の描画パターン88における描画時ヘッド温度78を計測したデータを描画温度算出用データ61として記憶しておく。そして、第1ヘッド27aがパターンBのステージ速度パターンにて描画するときの描画時ヘッド温度78を、例えば、27.7度とする。このとき、2つのステージ速度パターンにおける描画時ヘッド温度78の差が0.5度である。この値を第2ヘッド27b及び第3ヘッド27cにおける描画時ヘッド温度78から引き算することにより、パターンBにおける第2ヘッド27b及び第3ヘッド27cにおける描画時ヘッド温度78を算出する。
ステップS4の第1暖機工程、ステップS7の第2暖機工程、ステップS10の第3暖機工程の各工程において暖機駆動することにより、算出した描画時ヘッド温度78に液滴吐出ヘッド27を調整する。そして、暖機駆動した後でステップS5の吐出量調整工程、ステップS8の描画工程を行う。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ステージ速度パターンから描画時ヘッド温度78を推定している。従って、ステップS8の描画工程でステージ速度が複数の速度に切り替わるときにも精度良く描画時ヘッド温度78を推定することができる。
(第3の実施形態)
次に、液滴吐出装置の一実施形態について図10の描画時ヘッド温度の推定方法を説明するための模式図を用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、ヘッド間隔、基板温度、周囲温度と描画時ヘッド温度78の相関データを用いて描画時ヘッド温度を推定する点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
すなわち、図10(a)に示すように液滴吐出ヘッド27から基板7に液滴41を吐出するときの液滴吐出ヘッド27と基板7との距離をヘッド間隔90とする。このとき、ヘッド間隔90が小さいとき描画時ヘッド温度78は基板7の影響を受けやすくなる。一方、ヘッド間隔90が大きいとき液滴吐出ヘッド27と基板7との間に空気が通過し易くなるので、周囲温度の影響を受けやすくなる。
ステップS1の温度特性調査工程では操作者がヘッド間隔と描画時ヘッド温度78との関係を調査する。図10(b)はヘッド間隔と描画時ヘッド温度との相関関係を示すグラフである。図10(b)において、横軸はヘッド間隔90を示し図中右側は左側より大きな間隔を示す。縦軸は描画時ヘッド温度78を示し、図中上側は下側より高い温度を示す。ステップS1においてヘッド間隔ヘッド温度相関線91を算出する。ヘッド間隔ヘッド温度相関線91はヘッド間隔90と描画時ヘッド温度78との相関関係の1例を示す。ヘッド間隔90の複数の値における描画時ヘッド温度78を検出することによりヘッド間隔ヘッド温度相関線91を調査することができる。
ステップS3のヘッド温度推定工程では描画時ヘッド温度78を推定する対象の液滴吐出ヘッド27のヘッド間隔90を測定する。そして、測定したヘッド間隔90を第2ヘッド間隔90bとする。そして、第1の実施形態における第1ヘッド27aのヘッド間隔90を第1ヘッド間隔90aとし、このときの描画時ヘッド温度78を第1ヘッド温度78aとする。第1ヘッド間隔90aと第2ヘッド間隔90bとをヘッド間隔ヘッド温度相関線91に適用する。そして、第2ヘッド間隔90bにおける描画時ヘッド温度78と第1ヘッド温度78aとの差である第1ヘッド温度影響量91aを算出する。第1ヘッド温度影響量91aはヘッド間隔90の差が描画時ヘッド温度78に及ぼす影響を示す。
基板7の温度である基板温度を用いた補正を行う場合にも同様の方法を用いる。液滴吐出ヘッド27は基板7と近い場所を通過するので基板温度の影響を受け易い。ステップS1の温度特性調査工程では、基板温度と描画時ヘッド温度78との関係を調査する。図10(c)は基板温度と描画時ヘッド温度78との相関関係を示すグラフである。図10(c)において、横軸は基板温度を示し図中右側は左側より高い温度を示す。縦軸は描画時ヘッド温度78を示し、図中上側は下側より高い温度を示す。ステップS1において、温度調整部69は基板温度ヘッド温度相関線92を算出する。基板温度は、基板温度検出装置50が温度センサー8を駆動することにより検出される。基板温度ヘッド温度相関線92は基板温度と描画時ヘッド温度78との相関関係の1例を示す。基板温度の複数の値における描画時ヘッド温度78を検出することにより基板温度ヘッド温度相関線92を調査することができる。
ステップS2の速度設定工程とステップS3のヘッド温度推定工程との間に基材温度検出工程が行われる。この工程ではステージ4上に基板7を搭載して基板温度検出装置50が温度センサー8を駆動して基板7の温度を検出する。その後、ステージ4上から基板7を除去する。ステップS3のヘッド温度推定工程では、液滴吐出ヘッド27の温度が描画時ヘッド温度78となるときの基板温度を測定し基材温度としての第2基板温度93bとする。そして、第1の実施形態における基板温度を基材温度としての第1基板温度93aとし、このときの描画時ヘッド温度78を第1ヘッド温度78aとする。第1基板温度93aと第2基板温度93bとを基板温度ヘッド温度相関線92に適用する。そして、第2基板温度93bにおける描画時ヘッド温度78と第1ヘッド温度78aとの差である第2ヘッド温度影響量92aを算出する。第2ヘッド温度影響量92aは基板温度の差が描画時ヘッド温度78に及ぼす影響を示している。
液滴吐出ヘッド27や基板7の周囲の温度である周囲温度を用いた補正を行う場合にても同様の方法を用いる。液滴吐出ヘッド27へは周囲の空気が接して流動するので周囲温度の影響を受け易い。ステップS1の温度特性調査工程では、周囲温度と描画時ヘッド温度78との関係を調査する。図10(d)は周囲温度と描画時ヘッド温度78との相関関係を示すグラフである。図10(d)において、横軸は周囲温度を示し図中右側は左側より高い温度を示す。縦軸は描画時ヘッド温度78を示し、図中上側は下側より高い温度を示す。ステップS1において、周囲温度ヘッド温度相関線94を算出する。周囲温度は、周囲温度検出装置54が温度センサー12を駆動することにより検出される。周囲温度ヘッド温度相関線94は周囲温度と描画時ヘッド温度78との相関関係の1例を示す。周囲温度の複数の値における描画時ヘッド温度78を検出することにより周囲温度ヘッド温度相関線94を調査することができる。
ステップS2の速度設定工程とステップS3のヘッド温度推定工程との間に周囲温度検出工程が行われる。この工程では周囲温度検出装置54が温度センサー12を駆動して周囲温度を検出する。ステップS3のヘッド温度推定工程では、測定した周囲温度を第2周囲温度95bとする。そして、第1の実施形態における周囲温度を第1周囲温度95aとし、このときの描画時ヘッド温度78を第1ヘッド温度78aとする。第1周囲温度95aと第2周囲温度95bとを周囲温度ヘッド温度相関線94に適用する。そして、第2周囲温度95bにおける描画時ヘッド温度78と第1ヘッド温度78aとの差である第3ヘッド温度影響量94aを算出する。第3ヘッド温度影響量94aは周囲温度の差が描画時ヘッド温度78に及ぼす影響を示している。
ステップS3のヘッド温度推定工程において、温度調整部69は第1ヘッド温度78aに第1ヘッド温度影響量91a、第2ヘッド温度影響量92a、第3ヘッド温度影響量94aを加減算することにより描画時ヘッド温度の推定値を算出する。このとき、温度調整部69は第1ヘッド温度影響量91a〜第3ヘッド温度影響量94aの中で、温度上昇させる要因を加算して温度下降させる要因を減算する。そして、ステップS4、ステップS7、ステップS10の各暖機工程では液滴吐出ヘッド27の温度が算出した描画時ヘッド温度78になるように温度調整部69が暖機駆動を行う。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ステージ速度に加えてヘッド間隔90を用いて描画時ヘッド温度78を推定している。液滴吐出ヘッド27が基板7に近いときには基板7に遠い場合に比べて、基板7の温度や風の影響を受けやすい。従って、ステージ速度に加えてヘッド間隔90の値を用いることにより、精度良く描画時ヘッド温度78を推定することができる。
(2)本実施形態によれば、ステージ速度に加えて基板7の温度を用いて描画時ヘッド温度78を推定している。液滴吐出ヘッド27の温度と基板7の温度との差が小さい場合に比べて、差が大きい場合は基板7の影響を受けやすい。従って、ステージ速度に加えて基板7の温度の値を用いることにより、精度良く描画時ヘッド温度78を推定することができる。
(3)本実施形態によれば、ステージ速度に加えて周囲温度を用いて描画時ヘッド温度78を推定している。液滴吐出ヘッドの温度と周囲温度の温度との差が小さい場合に比べて、差が大きい場合は周囲温度の影響を受けやすい。従って、ステージ速度に加えて周囲温度の値を用いることにより、精度良く描画時ヘッド温度78を推定することができる。
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
第1の実施形態において、ノズル29から吐出する液滴41の重量を測定して、吐出量を推定したが、吐出量の体積を測定して、吐出量を測定しても良い。例えば、断面積が一定の管に吐出する液滴41を溜めて、管内における液体の長さを測定することにより体積を計測し、吐出量を推定しても良い。機能液38の溶媒が揮発性の高い液体の場合には溶媒が揮発し難い状態で計測することができる。
(変形例2)
前記第1の実施形態では、基板7に液滴41を吐出して描画したが、基板7以外の物でもよい。例えば、円筒、球体、紡錘状の構造物、直方体、基板7に電子素子を実装した電子基板でもよい。他にも金属、樹脂等のシートでも良い。これらの描画に応用することができる。いずれの場合においても、精度の良い吐出量にて描画することができる。
(変形例3)
前記第1の実施形態では、キャビティ37を加圧する加圧手段に、圧電素子40を用いたが、他の方法でも良い。例えば、コイルと磁石とを用いて、加圧しても良い。他に、キャビティ37内にヒーター配線を配置して、機能液38に含む気体を膨張して加圧しても良い。さらに、静電気の引力及び斥力を用いて振動板39を変形させて、加圧しても良い。いずれの場合にも、前記第1の実施形態と同様の方法を用いることにより吐出する量の変動を小さくすることができる。
(変形例4)
前記第1の実施形態では、ステージ4が主走査移動を行い、キャリッジ14が副走査移動をした。逆でも良い。つまり、ステージ4が副走査移動を行い、キャリッジ14が主走査移動をしても良い。他にも、キャリッジ14が液滴吐出ヘッド27を主走査方向及び副走査方向に移動させる構造にしても良い。そして、基板7をベルトコンベア等の移動装置に配置した状態においてノズル29から液滴41を基板7に吐出しても良い。基板7の給材及び除材をし易くできる。このとき、キャリッジ14の移動速度から描画時ヘッド温度78を推定しても良い。この場合にも、前記第1の実施形態と同様の方法を用いることにより吐出する量の変動を小さくすることができる。
(変形例5)
前記第1の実施形態では、ステージ4を用いて基板7を主走査方向に移動した。基板7の代わりにシート状のワークをもちいるときには、主走査方向にキャリッジ14を移動して、ステージ4の代わりにプラテンとローラーとを用いてシートを副走査方向に移動しても良い。長尺のシートに長いパターンを描画することができる。この場合にも、前記第1の実施形態と同様の方法を用いることにより吐出する量の変動を小さくすることができる。
(変形例6)
前記第1の実施形態では、圧電素子40を振動させることにより暖機駆動した。暖機駆動する方法はこれに限らない。液滴吐出ヘッド27に発熱源を配置して暖機してもよい。この場合にも、前記第1の実施形態と同様の方法を用いることにより吐出する量の変動を小さくすることができる。尚、変形例1〜変形例6の内容は前記第2の実施形態にも適用できる。
(変形例7)
前記第3の実施形態では、ステップS3のヘッド温度推定工程がステップS2の速度設定工程の次に行われた。基板温度を参照する場合には、ヘッド温度推定工程をステップS6の給材工程の後に行っても良い。その後、ステップS7の第2暖機工程を継続して行い、液滴吐出ヘッド27の温度が算出した描画時ヘッド温度78になるまで暖機しても良い。液滴吐出ヘッド27の温度変動を小さくできるので、品質良く吐出することができる。
(変形例8)
前記第3の実施形態では、ヘッド間隔90、基板温度、周囲温度を用いて描画時ヘッド温度78を推定した。これら総ての特性を必ずしも使わなくとも良い。これらの特性のうち少なくとも1つの特性を用いて描画時ヘッド温度78を推定しても良い。特に影響の大きな要素を用いて推定しても良い。簡便に描画時ヘッド温度78を推定することができる。
4…移動部としてのステージ、7…基材としての基板、14…移動部としてのキャリッジ、27…液滴吐出ヘッド、41…液滴、78…描画時ヘッド温度、79…相対速度ヘッド温度相関データとしての相関線、90…ヘッド間隔、93a…基材温度としての第1基板温度、93b…基材温度としての第2基板温度、95a…周囲温度としての第1周囲温度、95b…周囲温度としての第2周囲温度。

Claims (8)

  1. 液滴吐出ヘッドと基材とを相対移動させて前記液滴吐出ヘッドから前記基材へ液滴を吐出する描画方法であって、
    前記基材へ前記液滴を吐出して描画する描画工程と、
    前記描画工程における前記液滴吐出ヘッドと前記基材との相対速度を設定する速度設定工程と、
    前記相対速度を用いて前記描画工程における前記液滴吐出ヘッドの温度である描画時ヘッド温度を推定するヘッド温度推定工程と、
    前記液滴吐出ヘッドの温度を前記描画時ヘッド温度にする暖機工程と、を有し、前記描画工程の前に前記暖機工程が行われることを特徴とする描画方法。
  2. 請求項1に記載の描画方法であって、
    前記液滴吐出ヘッドが吐出する吐出量を調整する吐出量調整工程をさらに有し、前記吐出量調整工程の前に前記暖機工程が行われることを特徴とする描画方法。
  3. 請求項2に記載の描画方法であって、
    前記ヘッド温度推定工程では、前記相対速度と前記描画時ヘッド温度との関係を示す相対速度ヘッド温度相関データを用いて前記相対速度における前記描画時ヘッド温度を推定することを特徴とする描画方法。
  4. 請求項3に記載の描画方法であって、
    前記相対速度には前記液滴吐出ヘッドと前記基材とが相対移動するときの速度変化を示す速度パターンを用いることを特徴とする描画方法。
  5. 請求項3に記載の描画方法であって、
    前記液滴吐出ヘッドと前記基材との距離をヘッド間隔とするとき、前記ヘッド温度推定工程において前記ヘッド間隔と前記描画時ヘッド温度との関係を示すヘッド間隔ヘッド温度相関データと前記ヘッド間隔の値とをさらに用いて前記描画時ヘッド温度を推定することを特徴とする描画方法。
  6. 請求項3に記載の描画方法であって、
    前記基材の温度である基材温度を検出する基材温度検出工程をさらに有し、前記ヘッド温度推定工程では、前記基材温度と前記描画時ヘッド温度との関係を示す基材温度ヘッド温度相関データと前記基材温度の値とをさらに用いて前記描画時ヘッド温度を推定することを特徴とする描画方法。
  7. 請求項3に記載の描画方法であって、
    前記基材の周囲及び前記液滴吐出ヘッドの周囲の温度である周囲温度を検出する周囲温度検出工程をさらに有し、前記ヘッド温度推定工程では、前記周囲温度と前記描画時ヘッド温度との関係を示す周囲温度ヘッド温度相関データと前記周囲温度の値とをさらに用いて前記描画時ヘッド温度を推定することを特徴とする描画方法。
  8. 基材に向けて液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置であって、
    前記液滴吐出ヘッドと前記基材とを相対移動させる移動部と、
    前記液滴吐出ヘッドと前記基材との相対速度に応じて前記液滴吐出ヘッドの温度を調整する温度調整部と、を備えることを特徴とする液滴吐出装置。
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JP2011092807A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Seiko Epson Corp 吐出方法

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