JP2011082951A - 逆l型アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化に適したアンテナ形状で、かつインピーダンス整合が容易で高利得が得られるようにする。
【解決手段】表面又は裏面の接地電位の接地導体面10と、その接地導体面10の所定箇所に基端部21が接続された外導体と、その外導体で囲まれ外導体とは隙間を開けて配置され外導体よりも先端が伸びた内導体24とを備える。そして、外導体及び内導体24を、接地導体面10に接続した箇所から所定距離離れた箇所22で折り曲げ、接地導体面10と近接して平行に配置し、内導体24に給電する構成とした逆L型アンテナとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、逆L型アンテナに関し、詳しくは有限導体板上に配置した高利得でインピーダンス整合可能な超低姿勢逆L型アンテナに関する。
従来、導体板の近傍に水平ダイポールアンテナを配置すれば、導体板によるイメージ素子のため、電磁波は放射されないというのが定説であった。これに対して、非特許文献1に記載された技術では、無限導体板上の高さ1/30波長の位置に置いた半波長ダイポールアンテナを両端から等距離の2点で逆相給電すれば、入力インピーダンスが50Ωとなり,8dB以上の高い指向性利得が得られることが明らかにされている。
図22は、この非特許文献1に記載された技術に基づいたアンテナの構成例である。
図22に示したアンテナ構成について説明すると、導体板4に2本の同軸ケーブル5,6を近接して接続し、その接続点から若干離れた箇所で、導体板4の面方向と平行になるように90°折り曲げてある。この折り曲げる際には、それぞれの同軸ケーブル5,6の先端が反対側を向くように離れた状態で配置し、先端間の長さが送受信する信号の波長の約半波長となるようにする。導体板4から折り曲げる位置までの高さは、例えば約1/30波長の距離とする。
同軸ケーブル5,6は、中心導体と外導体とで構成されて、外導体は接地電位部である導体板4と電気的に接続させてある。中心導体は外導体とは電気的に接続していない。それぞれの同軸ケーブル5,6は、周辺導体を先端からある程度の長さで切り落としてあり、この点が給電点となる。先端部では中心導体5a,6aが露出した状態としてある。
この図22の構成のアンテナの給電構成としては、信号源1の出力(例えば2GHzの周波数の信号)の出力を、カプラ2に供給して、その発振信号そのままの信号(0°の信号)と、位相を90°遅らせた信号(−90°の信号)とを得る。さらに、−90°の信号については、移相器3に供給して、さらに90°遅らせた信号(−180°の信号)とし、相互に位相が反転した0°信号と−180°信号とを得る。
このようにして得た0°信号を、同軸ケーブル5の中心導体に供給し、−180°の信号を、同軸ケーブル6の中心導体に供給し、2本の同軸ケーブルに逆相給電する。
なお、図22に示した水平ダイポールアンテナより簡単な構成のアンテナとしては、例えば図23に示した逆L型アンテナが知られている。この逆L型アンテナは、導体板7の上に、逆L型素子8を取り付けたものである。導体で構成される逆L型素子8は、接続点8aから所定高さhの箇所8bで折り曲げてあり、その折り曲げ箇所8bから先端8cまで、導体板7と平行に配置してある。導体板7は例えば接地電位として、逆L型素子8には、接続点8aで給電する構成とする。
A. Thumvichit, T. Takano and Y. Kamata: "Characteristics verification of a half-wave dipole very close to a conducting plane with excellentimpedance matching", IEEE Trans. on Antennas and Propagat., vol. 55, no.1, pp.53-58, Jan. 2007.
この図22に示したアンテナ構成とすることで、入力インピーダンスが50Ωとなり、8dB以上の高い指向性利得が得られることが、非特許文献1に示されている。この図22に示したアンテナ構成の場合、アンテナの長さが1/2波長必要であり、アンテナの全長が長くなる問題があった。また、図22に示したように、位相が逆の2つの信号を生成させて給電する必要があり、給電のための構成が複雑である問題があった。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、小型化に適したアンテナ形状でかつインピーダンス整合が容易で高利得が得られるようにすることを目的とする。
本発明の逆L型アンテナは、表面接地電位の有限導体板と、その有限導体板の所定箇所に基端部が接続された外導体と、その外導体で囲まれ外導体とは隙間を開けて配置され外導体よりも先端が伸びた内導体とを備える。
そして、外導体及び内導体を、有限導体板に接続した箇所から所定距離離れた箇所で折り曲げ、有限導体板と近接して平行に配置し、内導体に給電する構成とした逆L型アンテナとしたものである。
本発明によると、有限導体板上、あるいは、有限導体板と同一面内に、長さが4分の1波長程度の短い長さの導体を配置することで、単純な構造で小型の逆L型アンテナを構成できる。この構成によると、50Ω給電線とのインピーダンス整合が可能で、高利得のアンテナを実現することができる。
本発明の第1の実施の形態によるアンテナ構成例を示す斜視図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 本発明の第1の実施の形態によるアンテナの電流発生状態の例を示す説明図である。 アンテナ上の電流、電圧分布を示した特性図である。 本発明の第1の実施の形態によるアンテナの入力インピーダンス特性とリターンロス特性を、従来の逆L型アンテナと比較して示した特性図である。 本発明の第1の実施の形態によるアンテナの放射電界指向性パターン例を示した特性図である。 従来の逆L型アンテナの放射電界指向性パターン例を示した特性図である。 本発明の第2の実施の形態によるアンテナ構成例を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態によるアンテナ構成例を示す斜視図である。 本発明の第4の実施の形態によるアンテナ構成例を示す斜視図である。 本発明の第4の実施の形態によるアンテナ構成例を示す平面図である。 本発明の第5の実施の形態によるアンテナ構成例を示す斜視図である。 本発明の第6の実施の形態によるアンテナ構成例を示す斜視図である。 本発明の第6の実施の形態によるアンテナのリターンロス特性を示した特性図である。 本発明の第7の実施の形態によるアンテナ構成例を示す斜視図である。 本発明の第7の実施の形態によるアンテナの指向性利得(a)とリターンロス特性(b)を示した特性図である。 本発明の第8の実施の形態によるアンテナ構成例を示す斜視図である。 本発明の第8の実施の形態によるアンテナのリターンロス特性と軸比特性を示した特性図である。 本発明の第8の実施の形態によるアンテナの放射電界指向性パターン計算値を示した特性図である。 本発明の各実施の形態によるアンテナの配置例を示す説明図である。 本発明の各実施の形態によるアンテナを飛行機に配置する箇所の例を示す説明図である。 従来の水平ダイポールアンテナの例を示した説明図である。 従来の逆L型アンテナの例を示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態の例を、以下の順序で説明する。
1.第1の実施の形態の例(図1〜図7)
2.第2の実施の形態の例(図8)
3.第3の実施の形態の例(図9)
4.第4の実施の形態の例(図10〜図11)
5.第5の実施の形態の例(図12)
6.第6の実施の形態の例(図13,図14)
7.第7の実施の形態の例(図15,図16)
8.第8の実施の形態の例(図17〜図19)
9. 各実施の形態のアンテナの適用例(図20,図21)
[1.第1の実施の形態の例(図1〜図7)]
図1は、第1の実施の形態の例のアンテナ構成を示した図である。本実施の形態においては、超低姿勢逆L型アンテナとして構成したものである。図1に基づいて構成を説明すると、四角形の所定サイズとされた有限導体としての導体板10を使って、アンテナとして構成してある。導体板10は、少なくとも表面を接地電位部としてある。導体板10のサイズについては後述する。
導体板10の表面の所定箇所には、同軸ケーブル20の一方の端部を接続した接続点21を設けてある。この同軸ケーブル20は、中心導体24と外導体26とを備える。図2に断面で示すように、同軸ケーブル20は、中心に配置された中心導体24の外側を囲むように絶縁体(誘電体)25が配置してあり、その絶縁体25の外側を囲むように外導体26が配置してある。同軸ケーブル20は、導体板10との接続点21で、接地電位部である導体板10の表面と外導体26とを電気的に接続してあり、外導体26が接地電位部となっている。
この接続部21に一方の端部が接続された同軸ケーブル20は、所定距離hだけ導体板10の表面と離れた位置を曲折箇所22として折り曲げて、その折り曲げられた同軸ケーブル20の先端側が、導体板10の表面と平行になるように配置してある。導体板10の表面と同軸ケーブル20の中心とを離す距離hについては、例えば本例のアンテナで送受信する信号の1波長の約1/30とする。
曲折箇所22で折り曲げられて導体板10と平行に伸びた同軸ケーブル20は、中心導体24だけを中心導体端部24aまで長さL0に伸ばしてあり、外導体26については、その長さL0よりも短い長さL1の位置を、外導体端部23としてある。この外導体端部23の位置で、絶縁体25についても端部として、切断してある。この外導体26を切断した位置が、このアンテナの給電点となる。
曲折箇所22から中心導体端部24aまでの長さLについては、例えばこのアンテナで送受信する信号の1波長の約1/4とする。このように伸ばされた中心導体24と長さLの外導体26が、本例の逆L型アンテナのアンテナ素子として機能する。外導体26の長さL1については、アンテナのインピーダンスが所望の値(ここでは50Ω)になるように設定する。これらの値の具体的な例については後述する。
図2に示すように、導体板10の同軸ケーブル接続部21には、表面から裏面まで貫通した孔20aを設けてあり、その孔20aに、同軸ケーブル20の中心導体24を通過させてある。このとき、例えば絶縁体25についても孔20aを貫通させて、中心導体24が導体板10の表面などと電気的に接触しない構成としてある。
この導体板10の裏面側に引き出された外導体26と中心導体24を使って給電する。図1に示した導体板10の裏面側から同軸ケーブル接続部21に向かう破線の矢印は、この裏面側から給電している状態を示しており、送信する場合に送信信号を供給し、受信する場合に受信信号を取り出す。
次に、図3を参照して、本例の逆L型アンテナの放射原理と、導体板10のサイズについて説明する。
図3は、本例の導体板10と同軸ケーブル20を流れる電流の方向を示している。各部の電流位相が一定であれば、導体板10の表面上のアンテナ素子の長手方向と平行な水平
方向(図3中のy軸方向)の電流I2と、中心導体24と外導体26で構成される水平素子の表面の電流I1は逆向きとなり打ち消し合って、放射が小さくなる。
また、本例では、導体板10の表面上の、アンテナ素子(中心導体24)の長手方向と直交する方向(図3中のx軸方向)については、同軸ケーブル接続部21から一方の端部までの長さpxmと、同軸ケーブル接続部21から他方の端部までの長さpxpとを、等しくしてある。このようにしたことで、図3に示したx軸方向の電流I3が打ち消し合い、電流I3による放射を抑制する。但し、長さpxmと長さpxpとを等しくするのは1つの例であり、x軸方向を等しくないサイズとして、同様にx軸方向の電流I3が打ち消し合うようにしてもよい。
その上で、導体板10のy軸方向の長さpym,pypの設定で、導体板上のy軸方向の電流が+y軸方向に流れるように調整する。ここでの+y軸方向とは、同軸ケーブル接続部21から中心導体端部24aに向かう方向である。y軸方向の長さpypは、接続点21からアンテナ素子(中心導体24)が伸びた方向の導体板10の端部までの長さであり、y軸方向の長さpymは、接続点21からx軸方向の反対方向の端部までの長さである。
送受信時の電流の向きについて、より詳しく説明すると、同軸ケーブル20の内部では、中心導体24と外導体26とには逆向きの電流が流れる。そして、外導体26が配置された位置の同軸ケーブル20は、その外導体26で遮蔽されているので、電磁波は放射されない。
一方、外導体端部23から中心導体24を外部に延ばすことで、そこから電流が流れ出る。それと等量の電流が外導体26の表面から同軸ケーブル20内部に流れ込む。もし、外導体端部23から中心導体24が延長されていなければ、外導体端部23から放射される電磁界はほぼ零となる。
アンテナで受信する場合には、外導体端部23から延長された中心導体24と同軸ケーブル20の外導体26の表面に電流が誘起する。両者によって、外導体端部23での中心導体24と外導体26の間に電位差(電圧)が生じ、それによって、同軸ケーブル20内部に電流が流れ込み、受信が行われる。
図3によれば、y<0の領域では、電流は導体板の端y=−pymで反射して、+y軸方向の電流と−y軸方向の電流が打ち消し合っている。y>0の領域では、逆Lアンテナの基部から遠ざかるにつれて導体板上の電流が急激に減衰している。なお、水平素子と水平素子直下の導体板上の電流はほぼ逆位相となっている。
ここで、本実施の形態のアンテナの具体的な形状の例と、その形状で計算した特性について、図5〜図7に示す。
アンテナの形状パラメータとして、以下のように設定した。
アンテナ素子を構成する同軸ケーブルの半径として、接続点21から外導体端部23(給電点)までの半径を1.095mmとし、給電点から先端までの中心導体24の半径を0.255mmとする。
また、図1に示したx軸方向の長さとして、pxm=pxp=15mmとし、y軸方向の長さとして、pym=10mm,pyp=50mmとする。
さらに、アンテナ素子の長さ及び高さとして、L0=31.6mm,L1=22.8mm,h=4.0mmとする。
このパラメータを設定した上で、このアンテナが扱う中心周波数を2.45GHzとして、特性を求めた。
得られたアンテナ特性は、リターンロス10dB以上となる周波数帯域幅の計算値、測定値は2.71%,指向性利得の計算値は4.14dBiとなった。
また、上述したアンテナ素子の長さL0及びL1の設定で、本例のアンテナの入力インピーダンスを50Ωとすることができる。この入力インピーダンスの値は、同軸ケーブル20の外導体端部23の位置(即ち給電点の位置)の設定により調整することができる。
この給電点の位置の調整により、入力インピーダンスを調整できる点について説明する。
図4に、一般的な逆L型アンテナの電流・電圧分布を示す。図4に示すように導体板10上に素子24を配置した逆L型アンテナを動作させるためには、アンテナ上に大きい電流を流さなければならない。逆L型アンテナの水平素子長がほぼ4分の1波長のとき、電流は最大となる。アンテナ上のある点で給電するとき、給電点の両端の電圧差電位差は両端の長さが異なれば大きくなる。給電点をアンテナ先端にとれば、電圧は最大となる。給電点での入力インピーダンスは、次式で定義される。
給電点での入力インピーダンス=給電点での電圧/電流
従って、逆L型アンテナの基部で給電すれば、入力抵抗は小さく、先端にいくほど大きくなる。
この特性を利用して、本例ではアンテナ素子の長さL0及びL1の設定で、本例のアンテナの入力インピーダンスを50Ωとした。
次に、本実施の形態の例の超低姿勢逆L型アンテナ(不平衡給電逆L型アンテナ)と、比較例としてアンテナ素子だけを逆L型とした従来の逆L型アンテナ(図23に示したアンテナ)との特性について、以下、説明する。
ここでのそれぞれのアンテナの形状パラメータは、次の通りである。
x軸方向の長さpxm=pxp=15mm、y軸方向の接続点からの一方の端部までの長さpym=10mm、y軸方向の接続点からの他方の端部までの長さpyp=50.0mm、アンテナ素子の曲折位置から先端までの長さL0=31.6mm、不平衡給電逆L型アンテナでの外導体の長さL1=22.8mm、高さh=4.0mmである。
また、本実施の形態の例の不平衡給電逆L型アンテナの素子を構成する同軸ケーブルの半径として、外導体を有する給電点までを1.095mmとし、中心導体だけの給電点から先端までを0.255mmとする。さらに、比較例である従来の逆L型アンテナの放射素子の半径は1.095mmとする。
図5は、このようなパラメータとして、本実施の形態の例の不平衡給電逆L型アンテナと比較例の逆L型アンテナの、入力インピーダンス特性(図5(a))とリターンロス特性計算値(図5(b))を示したものである。
図5(a)及び(b)において、特性aは本実施の形態の例の不平衡給電逆L型アンテナの特性であり、特性bは比較例の逆L型アンテナの特性である。
図5から判るように、通常の逆L型アンテナの入力抵抗は数Ωであるのに対し、不平衡給電逆L型アンテナの入力抵抗は、設計周波数2.45GHzで50Ωとなっている。
図6は、図5と同じパラメータ設定での、不平衡給電逆L型アンテナの放射電界指向性パターン計算値を示す。図7は、同じく図5と同じパラメータ設定での、比較例の逆L型アンテナの放射電界指向性パターン計算値を示す。これら図6及び図7は、xz面で見たパターン(a)及びyz面で見たパターン(b)であり、Eφ,Eθで示してある。
両者の放射電界指向性パターンは、ほぼ同じである。しかしながら、逆L型アンテナでは、給電点での入力インピーダンスが給電線の特性インピーダンスと整合がとれていないため、送信の場合には、アンテナへの供給電力が小さくなり、アンテナからの電磁波の放射が小さくなる。受信の場合には、アンテナから受信電力を取り出せにくくなる。
一方、本実施の形態の例の不平衡給電逆L型アンテナの場合には、給電点での入力インピーダンスが給電線の特性インピーダンスと整合した50Ωであるため、送信時にアンテ
ナへの供給電力が小さくなることがなく、受信時にアンテナから受信電力を効率よく取り出すことができる。
このように本実施の形態の例の逆L型アンテナによると、図22に示した従来の低姿勢水平ダイポールアンテナに比べて小型で、かつ構成が簡単で高効率なものが得られ、また一般的な従来の逆L型アンテナよりも効率のよいもの得られる。即ち、アンテナ素子である中心導体24を水平に配置する長さとしては、1/4波長の長さでよく、図22に示した従来の低姿勢水平ダイポールアンテナの1/2波長の長さに比べて約半分でよい。また、1つの中心導体24に給電するだけでよく、移相器などを必要としない簡単な給電構成とすることができる。
そして、利得についても高利得であり、インピーダンスについても接続されるケーブルに合わせた50Ωなどとすることが可能であり、従来、アンテナを回路に接続させる際に必要であったインピーダンスの整合回路が必要なくなり、それだけ簡単な構成で効率のよいアンテナが得られる。
ここで、本実施の形態の例のアンテナの接地導体の形状とアンテナ素子の高さを変えた場合のアンテナ特性の変化例を、表1及び表2に示す。
Figure 2011082951
この表1は、アンテナ素子と接地電位導体との高さhを変化させた場合の特性例である。この表1では、高さh以外のパラメータとして、pxp=pxm=15mm,pym=10mm,pyp=L0+18.4mmとした例である。
この表1から判るように、アンテナ素子と接地電位導体との高さhを小さくして両者の間隔を狭くすることで、アンテナ素子と接地電位導体との結合が強くなり、無線通信可能な帯域が狭くなるが、利得が高くなる。一方、高さhを大きくして間隔を開けることで結合が弱くなり、無線通信可能な帯域が広くなるが、利得が低くなる。この表1に示したように、1波長λの1/30である4.0mmとした場合には、リターンロス−10dBで、2.71%の帯域幅(Bandwidth)が確保され、指向性利得(Gain)4.14dBiが確
保され、比較的広い帯域と良好な利得が確保されていることが判る。なお、アンテナ素子全体の長さL0と接地素子の長さL1とは、それぞれの値とした場合にインピーダンスが50Ωとなる値を示したものである。
Figure 2011082951
この表2は、アンテナ素子の長手方向と直交する方向の接地導体部の長さであるpxp=pxmを変化させた場合の特性例である。この表2は、高さh以外のパラメータとして、h=4.0mm,pym=10mm,pyp=L0+18.4mmとした例である。
この表2から判るように、pxp及びpxmの値が最も小さい5.0mmのとき、帯域幅が最も広く、利得が低くなり、値が大きくなるに従って、帯域幅が狭くなり、利得が上がっていることが判る。表2においても、アンテナ素子全体の長さL0と接地素子の長さL1とは、それぞれの値とした場合にインピーダンスが50Ωとなる値を示したものである。
ここで、本実施の形態のアンテナが高効率であることについて説明する。
図16に示した従来の低姿勢逆L型アンテナの場合には、アンテナへの供給電力が小さくなるために、結果として、アンテナから放射される電力が小さくなってしまう。アンテナを効率よく使うためには、アンテナを共振させること、つまり電流を大きくすることと、アンテナへの供給電力を大きくすることが重要である。アンテナへの供給電力を大きくするためには、まず、アンテナ給電点での入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンス(本例の場合には50Ω)に近づけることが必要である。入力インピーダンスは、「給電点での線間電圧/給電点電流」で定義される。電流は先端で零、アンテナ素子の中央で最大となるので、入力抵抗(入力インピーダンスの実部)は中央で数オームと低く、給電位置を中央から先端方向に移動すれば、入力抵抗が高くなり、給電線の特性インピーダンスに一致する点で電力を最大供給することができる。
従って、本実施の形態のアンテナのように、給電位置を任意に変えることができれば、インピーダンスを調整することができ、結果として、アンテナに供給する電力を大きくすることができ、高効率のアンテナとすることができる。また従来のインピーダンス整合が必要なアンテナに比べて構成を簡単にすることができる。
[2.第2の実施の形態の例(図8)]
次に、本発明の超低姿勢逆L型アンテナの第2の実施の形態の例について、図8を参照して説明する。
図1〜図3に示した第1の実施の形態の例では、アンテナ素子を構成する同軸ケーブルの中心導体を、導体板10の表面上に、その表面と平行に配置したが、図8の例では、導体板10の端面と平行に、同軸ケーブルの中心導体を配置し、アンテナ素子を構成する導体を導体板と同一面内に配置した例とした。
即ち、図8に示すように、導体板10′の端面11の所定箇所に、同軸ケーブル20の接続点21を設け、その接続点21に取り付けられた同軸ケーブル20を曲折箇所22で90°折り曲げて、中心導体24などを端面11と一定の間隔を開けて平行に配置する。その間隔は、例えば送受信する信号の1波長の約1/30とする。曲折箇所22から中心導体24の先端までの長さpy2については、例えば送受信する信号の1波長の約1/4とする。
この場合の同軸ケーブル20についても、図8に示したように、先端側では中心導体24だけを露出させて、外導体26については途中で切断させてある。同軸ケーブル20の外導体26については、接地電位部である導体板10′の端面11と電気的に接続させてあり、その端面や表面と同様に同軸ケーブル20の外導体を接地電位部としてある。
導体板10′の端面11に取り付けられた同軸ケーブル20は、図1の例と同様に、例えば中心導体24だけを導体板10′の裏面などに引き出して、給電する構成とする。或いは、導体板10′の表面上に、アンテナ接続用の回路部品を配置し、その回路部品を接地電位部とは絶縁された状態で中心導体24と接続させる構成としてもよい。
図8では給電点から中心導体24が引き出される構成については省略してある。
この図8に示した場合の導体板10′のy軸方向の長さpy及びx軸方向の長さpxと、折り曲げ箇所22から中心導体24の先端までの長さpy2についても、図3に示したアンテナの電流特性と同様の特性になるようなサイズで構成する。
図8に示した第2の実施の形態の構成の超低姿勢逆L型アンテナの場合にも、同軸ケーブル20の中心導体24の長さと外導体26の長さの設定でインピーダンス調整が可能であり、通信回路に接続するのに適した50Ωとすることができる。従って、第1の実施の形態のアンテナと同様の良好な特性が得られると共に、整合回路を必要としない簡単な構成が実現できる。
[3.第3の実施の形態の例(図9)]
次に、本発明の超低姿勢逆L型アンテナの第3の実施の形態の例について、図9を参照して説明する。
図9に示した第3の実施の形態の例の超低姿勢逆L型アンテナは、誘電体である基板30の表面31に、接地導体板とアンテナ素子とを平面的に形成し、アンテナ素子として同軸ケーブルを使う代りに、コプレーナ線路を使った例としたものである。
即ち、図9に示すように、基板30の表面31に、比較的大きな面積の接地電位部40を設け、その接地電位部40の一方の端(図9では右端側)に、接地電位部40がない箇所を表面31に設ける。その接地電位部40がない箇所に、接地電位部40と接続箇所40a,40bで接続された導電パターン41,42を平行に配置すると共に、その2本の接地電位の導電パターン41,42の間に、アンテナ素子を構成する導電パターン51を配置する。
各導電パターン41,42,51は、曲折箇所41a,42a,51aで90°曲折させて、接地電位部40の端の面と平行に配置させる。そして、アンテナ素子を構成する導電パターン51の先端部51bを、その両脇の導電パターン41,42の先端部41b,41bよりも長くする。
アンテナ素子を構成する導電パターン51は、接地電位部40と近接した接続箇所51cで、図示しないアンテナ接続回路と接続させてある。例えば、基板30の表面31や裏面に、アンテナ接続回路部を配置し、その回路部と接続箇所51cで導電パターン51と接続させる。
このように構成し、接地電位部40の端の面と、導電パターン51との間隔hを、第1の実施の形態での高さhと同様の値とし、アンテナ素子を構成する導電パターン51を平行に配置する長さL0と、接地電位の導電パターン41,42を平行に配置する長さL1とを、第1の実施の形態での長さL0,L1と同様に調整することで、インピーダンスを50Ωなどに設定することが可能となる。また長さL0は、例えば送受信する信号の1波長の約1/4とする。
なお、導電パターン51の接続箇所51cと接地電位部40の一方の端までの長さpym及び他方の端までの長さpypについても、第1の実施の形態で説明した長さと同様の関係になるようにするのが好ましい。
この第3の実施の形態の構成の場合にも、第1の実施の形態のアンテナと同様の良好な特性が得られると共に、整合回路を必要としない簡単な構成が実現できる。また、第3の実施の形態の構成の場合には、基板30の表面31上の同一面に各導電パターンが構成されるので、比較的簡単に接地電位部40と各導電パターン41,42,51を構成させることができる。例えば、パーソナルコンピュータ装置のカードスロットに装着されるPCカードなどの回路基板上に、良好な特性のアンテナを簡単に配置できるようになる。
[4.第4の実施の形態の例(図10〜図11)]
次に、本発明の超低姿勢逆L型アンテナの第4の実施の形態の例について、図10及び図11を参照して説明する。図10は斜視図で示し、図11は上側から見た平面図で示したものである。
図10及び図11に示した第4の実施の形態の例の超低姿勢逆L型アンテナは、基本的に第3の実施の形態と同様に、基板上の接地導部の脇にアンテナ素子を配置したものであるが、接地電位部を基板の裏面側とし、アンテナ素子側を基板の表面側に配置したものである。
即ち、図10に示すように、基板60の表面61に、所定パターンのマイクロストリップライン70を配置し、そのマイクロストリップライン70を、基板60の端まで伸ばして、アンテナ素子部71としたものである。アンテナ素子部71は、途中に曲折部71aを設けてあり、その曲折部71aで90°曲折させてある。
そして基板60の裏面62側には、破線で示したように比較的大きな面積の接地電位部80が配置してあり、その接地電位部40と接続された導電パターン81,82を平行に配置し、導電パターン81,82についても曲折箇所81a,82aで90°曲折させてある。
そして、図11に平面的に示されるように、接地電位の導電パターン81,82の間に、アンテナ素子を構成する導電パターン71が配置されるようにする。曲折部71aから導電パターン71の先端部71bまでの長さL0は、導電パターン81,82の先端部81b,82bまでの長さL1よりも長くし、その長さの調整でインピーダンスを50Ωなどの決められた値とする。また長さL0は、例えば送受信する信号の1波長の約1/4とする。
接地電位部80の端の面と、導電パターン71との間隔hを、第3の実施の形態での間隔hと同様の値とし、導電パターン71の曲折部71aと接地電位部80の一方の端までの長さpym及び他方の端までの長さpypについても、第1の実施の形態で説明した長さと同様の関係になるようにするのが好ましい。
この第4の実施の形態の構成の場合にも、第3の実施の形態のアンテナとほぼ同様の良好な特性が得られると共に、整合回路を必要としない簡単な構成が実現できる。なお、図10に示した導電パターン71に接続されるマイクロストリップライン70の配置状態は一例であり、接続させる回路部品の配置状態に対応して、様々の配置状態が考えられる。
[5.第5の実施の形態の例(図12)]
次に、本発明の超低姿勢逆L型アンテナの第5の実施の形態の例について、図12を参照して説明する。
図12に示した第5の実施の形態の例の超低姿勢逆L型アンテナは、誘電体である基板90の表面31に、接地導体板を配置し、その接地導体板から高さhだけ基板の厚さ方向に離れた位置に、導電パターンを配置した例としたものである。
即ち、図12に示すように、基板90の表面91のほぼ全面に比較的大きな面積の接地電位部92を設け、その接地電位部92の所定箇所に、接地電位部92に導通した2本の導電パターン94,95を直立した状態で平行に配置すると共に、その2本の接地電位の導電パターン94,95の間に、アンテナ素子を構成する導電パターン93を直立した状態で配置する。
導電パターン94,95は、接続箇所94c,95cで接地電位部92と直接接続させてある。また導電パターン93の接続箇所93cは、接地電位部92とは接続させず、図示しないマイクロストリップラインなどで、通信回路部などと接続させてある。
そして、各導電パターン93,94,95は、曲折部93a,94a,95aで、接地電位部92の面方向と高さhで平行になるように曲折させてある。さらに、導電パターン94,95の先端部94b,95bは、導電パターン93の先端部93bよりも短くしてある。
このように構成したことで、図12に示すように、導電パターン93の接続箇所93cから導電パターン93の先端部93bまでの長さL0と、導電パターン94,95の先端94b,95bまでの長さL1とを調整して、インピーダンスを50Ωなど調整できる。また長さL0は、例えば送受信する信号の1波長の約1/4とする。また、接地電位部92の各サイズpym,pyp,pxm,pxpの設定で、良好な特性とすることができる。但し本例の場合には、導電パターン93の長手方向と直交するx軸方向の長さpxm,pxpが等しくなく、そのx軸方向の長さが均等でないことによる特性の劣化がないように、各パラメータを適切に選定する必要がある。
なお、ここまで説明したそれぞれの実施の形態の例において、例えば接地電位の導体板の表面にスリットを設ける等して、導体板上の電流を制御することで、アンテナ特性を改善するようにしてもよい。
[6.第6の実施の形態の例(図13,図14)]
次に、本発明の超低姿勢逆L型アンテナの第6の実施の形態の例について、図13及び図14を参照して説明する。第6の実施の形態では、接地電位部を平板状とせず、導体棒を組み立てた構造としたものであり、同軸ケーブルの構成は図1の例と同様である。
即ち、図13に示すように、3本平行に配置された接地導体棒311,312,313と直交する接地導体棒314とで、平行導線フレーム310を構成する。3本の接地導体棒311,312,313は、同じ長さとしてある。そして、その平行導体フレーム310の接地導体棒311と接地導体棒314との交点を接続箇所315として、同軸ケーブル320の一端を接続してある。同軸ケーブルは接続箇所315で貫通させ、さらに下方に延長し(図示せず)、送受信回路(図示せず)を接続する。この接続箇所315で、同軸ケーブル320の外導体324を接地導体棒311側と接続させて、接地電位としてある。中心導体322は、送受信回路(図示せず)の給電部と接続してある。
同軸ケーブル320は、曲折箇所323で90°曲折させて、先端側が接地導体棒311と平行になるようにしてある。そして、接地導体棒311と平行になった同軸ケーブル320は、外導体324の端部321から中心導体322を伸ばした構成としてある。
なお、図13例のアンテナは、同軸ケーブル320の中心導体322と接地導体棒311との間隔(高さ)hや、各長さL,L,pyp,pym,pxp,pxmについては、図1と同様の条件で設定する。2aは、各導体棒311〜314の直径(aは半径)である。
図13例のアンテナの各長さの一例を示すと、pxp=pxm=35.0mm、pyp=115.0mm、pym=23.0mm、h=9.0mm、L=72.2mm、L=39.3mm、a=1.5mm、外導体324の半径1.095mm、中心導体322の半径0.255mmとする。
このサイズで製作した図13に示したアンテナのリターンロス特性の例を示したのが、図14である。横軸が周波数(GHz)で、縦軸がリターンロス特性(dB)である。この図14の例では、1.06GHz付近を中心周波数とした特性を有するアンテナとして構成させた場合の例である。
この図13例のアンテナのように、接地電位部を平板状とせず、導体棒を組み立てた構造とすることでも、良好な特性とすることができる。
[7.第7の実施の形態の例(図15,図16)]
次に、本発明の超低姿勢逆L型アンテナの第7の実施の形態の例について、図15及び図16を参照して説明する。第7の実施の形態では、第6の実施の形態のアンテナを、さらに地上デジタルテレビジョン放送受信用のアンテナとして発展させた例である。
即ち、図15に示したように、3本平行に配置された接地導体棒411,412,413と直交する接地導体棒414とで、平行導線フレーム410を構成する。3本の接地導体棒411,412,413は、同じ長さとしてある。そして、その平行導体フレーム410の接地導体棒411と接地導体棒414との交点を接続箇所415として、同軸ケーブル420の一端を接続してある。この接続箇所415で、同軸ケーブル420の外導体424を接地導体棒411側と接続させて、接地電位としてある。中心導体422は、受信回路(図示せず)の給電部と接続してある。
同軸ケーブル420は、曲折箇所423で90°曲折させて、先端側が接地導体棒411と平行になるようにしてある。そして、接地導体棒411と平行になった同軸ケーブル420は、外導体の端部421から中心導体422を伸ばした構成としてある。
ここまでは、図13に示したアンテナと同様の構成であるが、さらに本実施の形態においては、導波器431と反射器432を前後に配置してある。即ち、図15に示したz軸方向に、接地導体棒411と間隔Dzで導波器431を配置し、z軸方向の反対方向に、接地導体棒411と間隔Rzで反射器432を配置してある。導波器431と反射器432は、図示しない支持体により平行導線フレーム410側と固定させる。接地導体棒411を配置した位置から見て、導波器431を配置した側が、地上デジタルテレビジョン放送の送信局側である。
図15では、導波器431の長さをDy、反射器432の長さをRyとしてある。
図15例のアンテナの各長さの一例を示すと、放送周波数470MHz〜710MHzの信号を受信する場合の例として、pxp=pxm=40mm、pyp=210mm、pym=44mm、h=24.5mm、L=130mm、L=41mm、a=1.5mm、Dy=208mm、Dz=80mm、Ry=320mm、Rz=82mmとする。
この図15のアンテナの指向性特性を示したのが図16(a)で、リターンロス特性の計算値を示したのが図16(b)である。
これらの図16の特性から判るように、地上デジタルテレビジョン放送の送信周波数帯域である470MHz〜710MHzで、十分な利得が得られている。
なお、図15の例では、導波器431と反射器432とを、それぞれ1本ずつ配置した例としたが、例えば導波器431を、一定の間隔を開けて複数本配置してもよい。あるいは反射器432を複数本配置してもよい。
[8.第8の実施の形態の例(図17〜図19)]
次に、本発明の超低姿勢逆L型アンテナの第8の実施の形態の例について、図17〜図19を参照して説明する。第8の実施の形態では、RFID(Radio Frequency IDentification)用の円偏波アンテナとした例で、例えば2.4GHz帯の円偏波信号を扱うアンテナとした例である。
表面が接地電位部の導体板510を用意し、導体板510の表面の所定箇所に、同軸ケーブル520の一方の端部を接続した接続点521を設けてある。この同軸ケーブル520は、中心導体524と外導体527とを備え、外導体527を接地電位部と電気的に接続させてある。
この接続部521に一方の端部が接続された同軸ケーブル520は、所定距離hだけ導体板510の表面と離れた位置を曲折箇所522として90°折り曲げて、その折り曲げられた同軸ケーブル520の先端側が、導体板510の表面と平行になるように配置してある。
曲折箇所522で折り曲げられて導体板510と平行に伸びた同軸ケーブル520は、中心導体524だけを外導体端部523から引き出して伸ばし、さらに、その引き出された中心導体524の途中の曲折箇所525で90°水平に曲折させて、中心導体先端部526を曲げた位置としてある。水平に曲折させてあることで、外導体端部523から先の中心導体524は、導体板510との平行は維持された状態である。図17では、曲折箇所525から中心導体先端部526までの長さをaとしてある。
そして、この同軸ケーブル520とは別に、導体板510の接続箇所531に、導体棒530の一端を接続してある。導体棒530は、導体板510の表面の接地電位部と電気的に接続させてある。
この導体棒530は、曲折箇所532で水平に90°曲折させてあり、曲折箇所532より先を平行部533として、中心導体524の先端部526と平行になるようにしてある。導体棒530を曲折箇所532で曲折させる高さは、例えば同軸ケーブル520の高さhと等しくする。曲折箇所532から平行部533の先端までの長さをLとし、平行部533と、中心導体524の先端部526との間隔をCとする。
図17例のアンテナの各長さの一例を示すと、pxp=23.0mm、pxm=31.2mm、pyp=46.0mm、pym=6.0mm、h=5.5mm、L=27.5mm、L=19.5mm、L=25.2mm、a=3.5mm、C=12.5mmとする。
このサイズで製作した図17に示したアンテナのリターンロス特性と軸比特性の例を示したのが、図18である。横軸が周波数(GHz)で、縦軸の左側がリターンロス特性(dB)で、縦軸の右側が軸比特性(dB)である。図中の細い実線は計算で得たリターンロス特性を示し、太い実線は計測したリターンロス特性を示し、破線は軸比特性計算値を示す。
図19は、2.45GHzでの放射電界指向性パターン計算値を示す。RHCPは右旋円偏波を、LHCPは左旋円偏波を表す。これらの特性から判るように、円偏波アンテナとして良好な特性のものが得られる。
[6.各実施の形態のアンテナの適用例(図20,図21)]
図20及び図21は、本実施の形態の各例の低姿勢逆L型アンテナの配置状態を示した図である。
図20は、無線LAN用基地局が備えるアンテナ装置に適用した例である。
この図20の例の場合には、無線LAN用基地局アンテナ100として、円筒部110と、その円筒部110の周囲に配置した複数の突起状板部120とで構成されるとする。このとき、円筒部110の周囲に、同軸ケーブル111を図1などに示した状態で配置して、中心導体112を露出させて、円筒部110の周囲と平行に配置させる。この配置状態は、例えば図1に示した配置状態である。
また、突起状板部120の端面に、同軸ケーブル121を配置し、中心導体122を露出させて、突起状板部120の端面と平行に配置させる。この配置状態は、例えば図4に示した配置状態である。
このように構成して、無線LAN用基地局アンテナ100の周囲に複数のアンテナを配置することが可能である。なお、図20の例の場合にも、それぞれの同軸ケーブルの代りに、コプナール線路やマイクロストリップラインで同様の構成としてもよい。
図21は、飛行機200に本実施の形態の各例のアンテナを配置する位置の例を示したものである。
図21に示した例では、飛行機200の胴体の上部や下部のアンテナ取り付け位置201、202や、主翼又は尾翼の先端のアンテナ取り付け位置203,204としてもよい。或いは、その他の位置に設置してもよい。
図20や図21は、適用例の好適な例を示したものであり、その他の各種無線通信用アンテナに、本実施の形態の例のアンテナを適用できることは勿論である。
1…信号源、2…カプラ、3…移相器、4…導体板、5,6…同軸ケーブル、5a,6a…中心導体、7…導体板、8…逆L型素子、10…導体板、11…導体板端面、20…同軸ケーブル、20a…孔、21…接続点、22…曲折箇所、23…外導体端部、24…中心導体、24a…中心導体先端部、25…絶縁体、26…外導体、30…基板(誘電体)、31…表面、40…接地電位部、40a,40b…接続箇所、41,42…導電パターン(接地電位部)、41a,42a…曲折箇所、41b,41b…先端部、51…導電パターン、51a…曲折箇所、51b…先端部、51c…接続箇所、60…基板、61…表面、62…裏面、70…マイクロストリップライン、71…アンテナ素子部、71a…曲折部、71b…先端部、80…接地電位部、80a,80b…接続箇所、81,82…導電パターン(接地電位部)、81a,82a…曲折箇所、81b,82b…先端部、90…基板、91…表面、92…接地電位部、93,94,95…導電パターン、93a,94a,95a…曲折部、93b,94b,95b…先端部、93c,94c,95c…接続箇所、100…無線LAN用基地局アンテナ、110…円筒部、111…同軸ケーブル、112…中心導体、120…突起状板部、121…同軸ケーブル、122…中心導体、200…飛行機、201,202,203,204…アンテナ取り付け位置、310…平行導線フレーム、311,312,313,314…接地導体棒、315…接続箇所、320…同軸ケーブル、321…外導体端部、322…中心導体、323…曲折箇所、324…外導体、410…平行導線フレーム、411,412,413,414…接地導体棒、415…接続箇所、420…同軸ケーブル、421…外導体端部、422…中心導体、423…曲折箇所、424…外導体、431…導波器、432…反射器、510…導体板、520…同軸ケーブル、521…接続箇所、522…曲折箇所、523…外導体端部、524…中心導体、525…曲折箇所、526…先端部、530…導体棒、531…接続箇所、532…曲折箇所、533…平行部

Claims (9)

  1. 表面又は裏面に設けた接地導体面と、
    前記接地導体面の所定箇所に基端部が接続された外導体と、前記外導体で挟まれ前記外導体とは隙間を開けて配置され前記外導体よりも先端が伸びた内導体とを備え、
    前記外導体及び内導体を、前記接地導体面の所定箇所から所定距離離れた箇所で折り曲げて、前記接地導体面と近接して平行に配置し、
    前記内導体に給電する構成とした逆L型アンテナ。
  2. 請求項1記載の逆L型アンテナにおいて、
    前記外導体と前記内導体は、内導体と外導体とを所定の間隔を開けて配置したコプレーナ線路あるいはマイクロストリップラインで構成した逆L型アンテナ。
  3. 請求項1記載の逆L型アンテナにおいて、
    前記外導体と前記内導体は、同軸ケーブルの外導体及び内導体で構成した逆L型アンテナ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の逆L型アンテナにおいて、
    前記接地導体面と前記外導体とを接続する所定箇所は、前記接地導体面の端面とした逆L型アンテナ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の逆L型アンテナにおいて、
    前記内導体の折り曲げ位置から先端までの長さは、送信又は受信する信号の1波長の約1/4の長さとし、
    前記接地導体面は、前記内導体の長手方向と平行な方向の長さとして、前記所定箇所から前記内導体の先端側に向かう一方の端部までの長さと、前記所定箇所から前記内導体の先端側に向かう側と反対側の他方の端部までの長さを、前記内導体の折り曲げた箇所から先端に向かう方向に電流が流れるように設定した逆L型アンテナ。
  6. 請求項5記載の逆L型アンテナにおいて、
    前記内導体の長手方向と直交する方向の前記接地導体面の長さとして、前記所定箇所から一方の端部及び他方の端部までの長さを等しくした逆L型アンテナ。
  7. 請求項1記載の逆L型アンテナにおいて、
    前記接地導体面として、複数の導体棒を組み合わせて構成した逆L型アンテナ。
  8. 請求項7記載の逆L型アンテナにおいて、
    複数の導体棒を組み合わせて構成した接地導体面に対して前後となる位置に導波器及び反射器を配置した逆L型アンテナ。
  9. 請求項1記載の逆L型アンテナにおいて、
    前記内導体の先端を水平に曲折させ、その曲折した内導体と平行に、前記外導体及び前記内導体とは別の導体を配置した逆L型アンテナ。
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