JP3734666B2 - アンテナ装置及びこれを用いたアレーアンテナ - Google Patents
アンテナ装置及びこれを用いたアレーアンテナ Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は交差偏波が小さく対称性のよい放射パターンで広帯域特性を有するアンテナ装置及びこれを用いたアレーアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
移動通信の基地局アンテナでは、通信品質を改善するためにダイバーシチ受信が採用されている。このようなダイバーシチブランチ構成法としては、スペースダイバーシチがよく用いられるが、2つのアンテナをある一定の間隔以上離して設置しなければならず、アンテナ設置空間が大きいという欠点がある。また、設置空間の小さいダイバーシチブランチとしては、異偏波間の多重伝搬特性を利用した偏波ダイバーシチが有効であり、垂直偏波を有するアンテナと水平偏波を有するアンテナをそれぞれ構成することで実現できる。さらに、レーダ用アンテナにおいて両偏波を利用することで、偏波によるレーダ断面積の差から物体を識別するポラリメトリが実現できる。
【0003】
上記のような偏波ダイバーシチ、或いはポラリメトリを実現するためには、交差偏波特性の優れたアンテナが要求される。このようなアンテナ素子としてダイポールアンテナがよく用いられる。図8は基地局アンテナ等に用いられる従来のダイポールアンテナの構成を示す斜視図である。図において、100は誘電体基板400が立設している地導体、200は誘電体基板400上に形成されたダイポールアンテナ、300はダイポールアンテナ200を給電する給電線路、400は誘電体基板である。
【0004】
次に概要について説明する。ダイポールアンテナは比較的広帯域な特性を有しており、その帯域幅は10%以上得られるが、この帯域を得るためには地導体からダイポールアンテナまでの高さを使用波長の約1/4(1/4波長)以上にする必要がある。この地導体からダイポールアンテナまでの高さを低くするとダイポールアンテナは狭帯域になるため、地導体からの間隔は広帯域特性を得る上で重要である。
【0005】
また、一般的にダイポールアンテナを給電する給電線路には平行2線或いは同軸線路が用いられる。このような平行2線は誘電体基板であるプリント基板を用いてダイポールアンテナを構成すると半田付けが不要になり製作しやすいという利点がある。さらに、平行2線までの給電線の構成は同軸コネクタからマイクロストリップ線路に変換され、このマイクロストリップ線路から不平衡平衡変換回路(以下、バランと称する)を介して平行2線に変換される。そして、平行2線からダイポールアンテナが励振される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアンテナ装置は以上のように構成されているので、給電線路からの放射モードの影響で、放射パターンが非対称となったり、交差偏波が増大するという課題があった。
【0007】
上記課題を具体的に説明すると、平行2線にはノーマルモードが通常伝達されるが、不平衡線路であるマイクロストリップ線路からバランを介して平衡線路である平行2線に変換されるが、このバランによってコモンモードが発生する。このようなバランは動作する周波数帯域に制限があり、また、バランの変換性能にも限界がある。特に広帯域化、或いは小型化が要求される場合、バランは理想的な励振ができなくなる。つまり、平行2線に同相の電流が流れるコモンモードが発生する。このようなコモンモードによる電流は伝送されず、放射されるモードであるために給電線路から放射されてしまう。この放射モードはモノポールアンテナと同様な放射パターンになるため、ダイポールアンテナからの放射モードと重畳されると放射パターンが合成されてしまうので、非対称な放射パターンになり、また、主偏波以外の交差偏波が増大する。
【0008】
さらに、従来のアンテナ装置をアンテナ素子として複数個配列して構成したアレーアンテナでは、上記給電線路に流れるコモンモードの電流による放射モードの影響が素子間結合によってさらに大きくなり、放射特性が劣化するという課題があった。
【0009】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、交差偏波が小さく、対称性のよい放射パターン及び広帯域特性を有するアンテナ装置を得ることを目的とする。
【0010】
また、この発明は素子間結合による給電線路からの放射モードの影響を低減したアレーアンテナを得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るアンテナ装置は、地導体と、地導体の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1線状アンテナと、この第1線状アンテナに給電し、地導体の上方に第1線状アンテナまでの長さだけ露出する給電線路と、第1線状アンテナと略同一の共振周波数を有し、この第1線状アンテナと略平行になるようにその上方の地導体から略1/4波長離した位置に設けられ、第1線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第2線状アンテナとを備えるものである。
【0012】
この発明に係るアンテナ装置は、第2線状アンテナの素子長より短く、この第2線状アンテナと略平行になるように略1/8波長から略1/4波長離して設けられ、第2線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第3線状アンテナを少なくとも1つ備えるものである。
【0013】
この発明に係るアンテナ装置は、第2線状アンテナより高い共振周波数を有し、この第2線状アンテナと略平行になるように、その上方の極近傍に設けられ、第2線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第4線状アンテナを少なくとも1つ備えるものである。
【0014】
この発明に係るアンテナ装置は、地導体と、地導体の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1線状アンテナと、この第1線状アンテナに給電し、地導体の上方に第1線状アンテナまでの長さだけ露出する給電線路と、第1線状アンテナと略同一の共振周波数を有し、この第1線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の線状アンテナであって、第1線状アンテナと略平行になるように、その上方の地導体から略1/4波長離した位置で第1線状アンテナに対して略対称となるように、少なくとも2つ設けた第5線状アンテナとを備えるものである。
【0015】
この発明に係るアンテナ装置は、給電を受ける第1線状アンテナより無給電の線状アンテナを太くしたものである。
【0016】
この発明に係るアンテナ装置は、無給電の線状アンテナを、その中心に対して略対称となるように両端を地導体側に折り曲げたものである。
【0017】
この発明に係るアンテナ装置は、線状アンテナ及び給電線路を誘電体基板上に一体形成するものである。
【0018】
この発明に係るアレーアンテナは、請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置を複数個配列してなるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。図において、1は地導体、2は地導体1の上方に略1/8波長若しくはそれ以下だけ離して設けた第1のダイポールアンテナ(第1線状アンテナ)で、誘電体基板4の裏面に形成した第1のダイポールアンテナ2を破線で示している。3は第1のダイポールアンテナ2を給電する給電線路であり、地導体1の上方に第1のダイポールアンテナ2までの長さだけ露出している。4は誘電体基板で、第1のダイポールアンテナ2、第2のダイポールアンテナ5、及び給電線路3が一体に形成されている。5は第1のダイポールアンテナ2と略同一の共振周波数を有し、第1のダイポールアンテナ2と略平行になるように、その上方に地導体1から略1/4波長離れた位置に設けられ、第1のダイポールアンテナ2からの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第2のダイポールアンテナ(第2線状アンテナ)である。
【0020】
次に概要について説明する。ダイポールアンテナで広帯域な特性を得るためには、地導体からダイポールアンテナまでの距離を約1/4波長以上にする必要がある。このため、ダイポールアンテナに給電する給電線路、例えば平行2線を少なくとも約1/4波長分は地導体上に露出させなければならない。しかしながら、平行2線のコモンモードによる放射は、その長さが長くなるにつれて放射量が大きくなる。このように地導体上に露出させる給電線路はできるだけ短くすることが望ましい。
【0021】
そこで、本願発明のアンテナ装置では地導体1の近傍(多くとも略1/8波長程度)に第1のダイポールアンテナ2を配置することで、地導体1上に露出する給電線路3を短くしている。しかしながら、単に地導体1上に露出する給電線路3を短くするだけでは帯域特性が狭帯域になってしまう。このため、この実施の形態1によるアンテナ装置では給電を受けている第1のダイポールアンテナ2と無給電の第2のダイポールアンテナ5との共振周波数をほぼ一致させて、第1のダイポールアンテナ2の上方に地導体1から約1/4波長離して無給電の第2のダイポールアンテナ5を設置する。このようにすることで、第1のダイポールアンテナ2と第2のダイポールアンテナ5との電磁界的な結合を利用することで広帯域化を図っている。つまり、給電を受ける第1のダイポールアンテナ2からの電磁界的作用により、地導体1の上方に略1/4波長離れた位置に設けた無給電の第2のダイポールアンテナ5が励振して共振状態となるので、給電を受けるダイポールアンテナを地導体1の上方に略1/4波長離れた位置に設けた場合と比較して、広帯域の帯域特性を示すようになる。これを定量的に示したのが図2である。以下、この図2を用いて本願発明の構成とすることによる広帯域化について説明する。
【0022】
図2は本願発明の最も簡略された構成である実施の形態1によるアンテナ装置及びその他の構成における正規化周波数に対する反射減衰量を示すグラフ図であり、実施の形態1によるアンテナ装置の原理を確認するために、無給電のダイポールアンテナ(第2のダイポールアンテナ5)を有するか否かに対する反射減衰量特性を示している。図において、黒塗りの四角記号のプロットで表した曲線は地導体の上方に約1/4波長離れた位置に給電を受けるダイポールアンテナを配置した(従来のアンテナ装置)場合の特性、黒塗りの丸記号のプロットで表した曲線は地導体の上方に約1/8波長離れた位置に給電を受けるダイポールアンテナを配置した場合の特性で、黒塗りの三角記号のプロットで表した曲線は地導体の上方に約1/4波長離れた位置に無給電のダイポールアンテナを配置し、且つ地導体の上方に約1/8波長離れた位置に給電を受けるダイポールアンテナを配置した実施の形態1によるアンテナ装置の特性である。ここで、反射減衰量とはアンテナ装置から放射させずに給電点に反射させた場合の放射量に相当するもので、反射減衰量(絶対値)が大きいほどそのアンテナ装置は放射量が大きくなる。
【0023】
図2に示すように、無給電ダイポールアンテナを設けず、給電を受けるダイポールアンテナが地導体1から約1/8波長分しか離れていない黒塗りの丸記号のプロットで表した曲線は、基準周波数における反射減衰量の値が小さくなり、共振できずに放射効率が落ちていることが分かる。また、黒塗りの四角記号のプロットで表した従来のアンテナ装置による曲線は基準周波数において大きな反射減衰量を示すが、黒塗りの三角記号のプロットで表した実施の形態1によるアンテナ装置の曲線は、基準周波数だけでなく、その周辺の周波数においても高い反射減衰量を示し、無給電のダイポールアンテナとして、第2のダイポールアンテナ5を地導体1の上方に約1/4波長離れた位置に設けることで、大幅な広帯域化が図られていることが分かる。
【0024】
また、上記のようにダイポールアンテナに近接して無給電のダイポールアンテナを配置することで高利得を得る従来のダイポールアンテナとして八木アンテナがある。この八木アンテナは、例えば内田、虫明著、「超短波空中線」、生産技術センターに記載されており、その構成としては給電を受けるダイポールアンテナを地導体等に近接させずに使用することができるため、地導体との距離を適当に設定することで広帯域なダイポールアンテナとして動作させることができる。さらに、上記給電を受けるダイポールアンテナから約1/4波長離して無給電のダイポールアンテナを配置し、給電を受けるダイポールアンテナよりも素子長を短くすることで無給電のダイポールアンテナの位相を遅させる。このようにすることで、無給電のダイポールアンテナの方向で給電を受けるダイポールアンテナの放射界と位相が合い、指向性を持たせている。このように八木アンテナにおける無給電のダイポールアンテナは指向性を持たせるための構成要素として使用される。これに対して本願発明のアンテナ装置は、上述したように通常、地導体と給電ダイポールアンテナとの距離が約1/4波長以下となると共振状態にすることができないにもかかわらず、給電線路からの放射の影響を低減するために多くとも約1/8波長離れた位置に給電ダイポールアンテナを配置し、これと地導体から約1/4波長離れた位置に設けた無給電ダイポールアンテナとの電磁界的な結合を利用することにより共振状態となり、広帯域特性を得るもので、上記のような八木アンテナの構成ではこのような広帯域化を図ることはできない。
【0025】
以上のように、この実施の形態1によれば、地導体1と、地導体1の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1のダイポールアンテナ2と、この第1のダイポールアンテナ2に給電し、地導体1の上方に第1のダイポールアンテナ2までの長さだけ露出する給電線路3と、第1のダイポールアンテナ2と略同一の共振周波数を有し、この第1のダイポールアンテナ2と略平行になるように、その上方の地導体1から略1/4波長離した位置に設けられ、第1のダイポールアンテナ2からの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第2のダイポールアンテナ5とを備えるので、第1のダイポールアンテナ2に給電する給電線路3の長さを短縮しても広帯域特性を得ることができるため、給電線路3から放射量を低減することができる。これにより、対称性のよい放射パターンが得られるようになり、交差偏波を低減することができる。
【0026】
なお、上記実施の形態1では第1のダイポールアンテナ2を地導体1の上方に略1/8波長離して給電する例を示したが、1/20波長程度にしても同様な特性が得られることを実験により確認している。要するに第1のダイポールアンテナ2は極力地導体1付近に設けてもよく、第2のダイポールアンテナ5の位置を調整することで広帯域化を図ることができる。
【0027】
実施の形態2.
この実施の形態2では給電を受ける線状アンテナの上方に配置する無給電の線状アンテナを太くして広帯域特性を向上させたものである。
【0028】
図3はこの発明の実施の形態2によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。図において、5aは第1のダイポールアンテナ2からの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第2のダイポールアンテナ(第2線状アンテナ)で、第1のダイポールアンテナ2の放射素子よりも素子の端部が太くなるように構成されている。なお、図1と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0029】
次に概要について説明する。上記実施の形態1と同様に広帯域特性を得るために第2のダイポールアンテナ5aは第1のダイポールアンテナ2の上方に地導体1から約1/4波長離して配置している。このとき、無給電のダイポールアンテナを太くする(誘電体基板にプリントしたダイポールアンテナでは、その素子幅を大きくする)ことによって、さらに広帯域化できることが実験的にわかっている。そこで、この実施の形態2では第2のダイポールアンテナ5aを太くすることで広帯域化を図っている。特に、図3では第2のダイポールアンテナ5aの素子端部をより太くしてボウタイアンテナ状にした例を示しており、このようにすることで、単に素子を太くする場合より広帯域性を向上させることができる。
【0030】
以上のように、この実施の形態2によれば、給電を受ける第1のダイポールアンテナ2より無給電の第2のダイポールアンテナ5aを太くしたので、上記実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、さらに広帯域特性を向上させることができる。
【0031】
なお、上記実施の形態2では無給電ダイポールアンテナを太くする構成を上記実施の形態1に適用した例を示したが、これに限らず以下の実施の形態に示す構成に適用しても良い。
【0032】
実施の形態3.
この実施の形態3では無給電の線状アンテナを、その中心に対して略対称となるように両端を地導体側に折り曲げてカット面によるビーム幅の差を低減し、通信方向による利得差の発生を低減するものである。
【0033】
図4はこの発明の実施の形態3によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。図において、5bは中心に対して略対称となるように両端部を地導体1側に折り曲げた第2のダイポールアンテナ(第2線状アンテナ)である。なお、図1と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0034】
次に概要について説明する。ダイポールアンテナの放射パターンはカット面によって異なり、E面は8の字型の指向性、H面は無指向性を示す。つまり、電界ベクトルを含む面であるE面のビーム幅は狭く、磁界ベクトルを含む面であるH面のビーム幅が広い。このようなカット面によるビーム幅の差は、全方向と通信を行うようなアプリケーションの場合、通信方向によって利得が異なってしまう可能性があり問題となる。この問題に対してカット面による指向性の差を低減するために、ダイポールアンテナの放射パターンをよりブロードにすることが要求される場合には、E面のビーム幅を広げる必要がある。そこで、この実施の形態3では、第2のダイポールアンテナ5bの中心に対して略対称となるように両端部を地導体1側に折り曲げる。このようにすることで広角方向にも指向性を有するようになり、ブロードな特性が得られる。また、折り曲げ角度を変えることでE面のビーム幅を調整することもできる。
【0035】
以上のように、この実施の形態3によれば、第2のダイポールアンテナ5bを中心に対して略対称となるように両端部を地導体1側に折り曲げることで、上記実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、E面のビーム幅を広げることができることから、通信方向によって利得差が生じることを抑えることができる。また、傾きの角度を変えることでビーム幅を調整することができることから、アンテナ装置の使用目的にあうように最適化するためのパラメータとして利用することができる。
【0036】
なお、上記実施の形態3では無給電ダイポールアンテナを折り曲げる構成を上記実施の形態1に適用した例を示したが、これに限らず他の実施の形態の構成に適用しても良い。
【0037】
実施の形態4.
この実施の形態4では給電を受ける線状アンテナの上方に無給電の線状アンテナを配置し、そのさらに上方に導波器として動作する無給電の線状アンテナを配置することで指向性を向上させたものである。
【0038】
図5はこの発明の実施の形態4によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。図において、6は第2のダイポールアンテナ5の上方に配置された第3のダイポールアンテナ(第3線状アンテナ)である。なお、図1と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0039】
次に概要について説明する。図5の例では第1のダイポールアンテナ2の上方に地導体1から約1/4波長の位置に第2のダイポールアンテナ5を配置し、その上部に第2のダイポールアンテナ5の素子長よりも短い第3のダイポールアンテナ6を約1/8波長程度離して配置する。このようにすることで、第1のダイポールアンテナ2からの電磁的作用を受けて第2のダイポールアンテナ5が励振し、この第2のダイポールアンテナ5からの電磁的作用を受けて第3のダイポールアンテナ6が励振する。これにより、上記実施の形態1と同様に第1のダイポールアンテナ2に給電する給電線路3を短くしても帯域特性を広帯域にすることができ、さらに、この実施の形態4によるアンテナ装置から放射される電波は第3のダイポールアンテナ6の方向に強められていく指向性を有するようになる。
【0040】
このように第3のダイポールアンテナ6を導波器として動作させるためには、第3のダイポールアンテナ6を第2のダイポールアンテナ5からの距離が略1/8波長から略1/4波長程度の位置に配置し、その素子長を第2のダイポールアンテナ5より短くする。これにより、第3のダイポールアンテナ6の位相が第2のダイポールアンテナ5よりも遅れるようになり、第3のダイポールアンテナ6の方向で第2のダイポールアンテナ5の放射界と位相が合って電波が強められるようになる。従って、実施の形態4のアンテナ装置が八木アンテナと同様な指向性を有するようになり、通信方向に対する利得を高くすることができる。
【0041】
以上のように、この実施の形態4によれば、第2のダイポールアンテナ5の素子長より短く、この第2のダイポールアンテナ5と略平行になるように略1/8波長から略1/4波長離して設けられ、第2のダイポールアンテナ5からの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第3のダイポールアンテナ6を少なくとも1つ備えるので、上記実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、第3のダイポールアンテナ6が導波器として動作することから指向性を持たせることができ、通信方向に対する利得を向上させることができる。
【0042】
なお、上記実施の形態4では第3のダイポールアンテナ6を1つ設けた例について示したが、これに限らず第3のダイポールアンテナ6との距離を略1/8波長から略1/4波長程度離して導波器として動作する無給電のダイポールアンテナを複数配置してもよい。
【0043】
実施の形態5.
この実施の形態5では給電を受ける線状アンテナの上方に無給電の線状アンテナを配置し、その上方の極近傍に上記無給電の線状アンテナより高い共振周波数を有する無給電の線状アンテナを配置することで2共振特性を持たせたものである。
【0044】
図6はこの発明の実施の形態5によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。図において、7は第2のダイポールアンテナ5の極近傍に配置され、第2のダイポールアンテナ5よりも高い共振周波数を有する第4のダイポールアンテナ(第4線状アンテナ)である。なお、図1と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0045】
次に概要について説明する。この実施の形態5によるアンテナ装置は、第1のダイポールアンテナ2からの電磁的作用を受けて第2のダイポールアンテナ5及び第4のダイポールアンテナ7が励振し、給電線路3を短くしたことによる狭帯域化を抑えることができることは上記実施の形態1と同様である。ここでは、特に第4のダイポールアンテナ7を備えることで2共振特性を得ることができる構成を示している。具体的に説明すると、上記実施の形態4に示したように第3のダイポールアンテナを導波器として動作させるには、第2のダイポールアンテナ5から約1/8〜1/4波長離す必要があるが、この実施の形態5では第4のダイポールアンテナ7を第2のダイポールアンテナ5の上方に近接(約1/10から1/20波長程度)して配置して電磁界的な結合をさせる。これにより、第4のダイポールアンテナ7は導波器としては動作しないが、第1のダイポールアンテナ2の共振周波数に加えて第4のダイポールアンテナ7の共振周波数でも整合を取ることができ、2共振特性を得ることができるようになる。
【0046】
また、上記実施の形態5では第4のダイポールアンテナ7を第2のダイポールアンテナ5の近傍に1つ配置することで2共振特性を得る構成を示したが、第4のダイポールアンテナ7の上方にさらに無給電のダイポールアンテナを配置して3つ以上の周波数の共振特性が得られる構成も本願発明の範疇に含まれることはいうまでもない。
【0047】
以上のように、この実施の形態5によれば、第2のダイポールアンテナ5より高い共振周波数を有するダイポールアンテナであって、第2のダイポールアンテナ5と略平行になるように、その上方の極近傍に少なくとも1つ設けられ、この第2のダイポールアンテナ5からの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第4のダイポールアンテナ7を備えるので、複数の周波数に対する共振特性を得ることができ、アンテナ装置の使用目的に応じた最適なアンテナ装置を設計することができる。
【0048】
実施の形態6.
この実施の形態6では給電を受ける線状アンテナと略平行になるように、その上方の地導体から略1/4波長離した位置に設けられ、上記線状アンテナに対して略対称となるように少なくとも2つ無給電の線状アンテナを配置することでカット面の違いによるビーム幅の差を低減させたものである。
【0049】
図7はこの発明の実施の形態6によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。図において、4aは第5のダイポールアンテナ8,8が一体に形成された誘電体基板、8は第1のダイポールアンテナ2と略平行になるように、その上方の地導体1から略1/4波長離した位置に設けられ、第1のダイポールアンテナ2に対して略対称となるように配置した無給電の第5のダイポールアンテナ(第5線状アンテナ)である。なお、図1と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0050】
次に概要について説明する。この実施の形態6によるアンテナ装置は、第1のダイポールアンテナ2からの電磁的作用を受けて2つの第5のダイポールアンテナ8,8が励振し、給電線路3を短くしたことによる狭帯域化を抑えることができることは上記実施の形態1と同様である。ここでは、特にH面のビーム幅をシャープにする構成を示している。つまり、第5のダイポールアンテナ8,8を第1のダイポールアンテナ2と略平行になるようにその上方の地導体1から略1/4波長離した位置に第1のダイポールアンテナ2に対して略対称となるように配置することで、第5のダイポールアンテナ8,8が第1のダイポールアンテナ2のH面方向に配列されることになる。このように構成すると、E面方向のビーム幅を狭くすることができることが実験的に分かっている。このとき、第5のダイポールアンテナ8,8の間隔を適宜変更することで、H面のビーム幅をE面ビーム幅とほぼ同じになるまで調整することができる。
【0051】
また、上記では誘電体基板4a上に第5のダイポールアンテナ8,8を配置する例を示したが、スペーサ等を挟んで無給電のダイポールアンテナを配列してもよく、その構成方法を変えてもこの発明は有効である。
【0052】
以上のように、この実施の形態6によれば、地導体1と、地導体1の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1のダイポールアンテナ2と、この第1のダイポールアンテナ2に給電し、地導体1の上方に第1のダイポールアンテナ2までの長さだけ露出する給電線路3と、第1のダイポールアンテナ2と略同一の共振周波数を有し、この第1のダイポールアンテナ2からの電磁界的作用を受けて励振する無給電の線状アンテナであって、第1のダイポールアンテナ2と略平行になるように、その上方の地導体1から略1/4波長離した位置に設けられ、第1のダイポールアンテナ2に対して略対称となるように少なくとも2つ配置した第5のダイポールアンテナ8,8とを備えるので、上記実施の形態1と同様に第1のダイポールアンテナ2に給電する給電線路3の長さを短縮しても広帯域特性を得ることができるため、給電線路3から放射量を低減することができる。これにより、対称性のよい放射パターンが得られるようになり、交差偏波を低減させることができる。
【0053】
また、H面方向に無給電の第5のダイポールアンテナ8,8を配列することでH面のビーム幅を狭くすることができ、通信方向に対する利得を向上させることができる。さらに、第5のダイポールアンテナ8,8の間隔を調整することで、E面ビーム幅とほぼ同じビーム幅を得ることができ、通信方向によって利得差が生じることを抑えることができる。
【0054】
なお、上記実施の形態1から6に示すようにアンテナ装置の構成要素(ダイポールアンテナ2,5,5a,5b,6,7,8、及び給電線路3)を誘電体基板4に一体に形成することで、各構成要素間を接続する工程を省略することできることから、装置の量産性を向上させることができる。これにより、上記実施の形態1から6に示したアンテナ装置を用いて構成するアレーアンテナの量産性も向上させることができる。
【0055】
また、上記の他に、金属棒、同軸線路を用いたダイポールアンテナで本願発明のアンテナ装置を構成しても上記実施の形態1から6と同様な特性を得ることができる。また、給電方法としては平行2線等の他の方法でも基本的な原理は変わらず有効である。
【0056】
さらに、上記実施の形態1から6では片偏波を励振する単一のアンテナ装置の構成を示したが、このアンテナ装置を複数個配列してアレーアンテナを構成してもよい(このときの配列としては三角配列、格子状の四角配列としても良く、配列方式には依存しない)。このように本願発明のアンテナ装置をアンテナ素子として使用することで、個々の素子の給電線路からの放射を抑えられ、従来のアレーアンテナにおいて問題であった素子間結合による給電線路からの放射モードの影響による放射パターンの劣化を抑えることができ、通信方向に対する利得を向上させることができる。また、本願発明のアンテナ装置のダイポールアンテナを直交させて配列すれば両偏波を励振することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、地導体と、地導体の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1線状アンテナと、この第1線状アンテナに給電し、地導体の上方に第1線状アンテナまでの長さだけ露出する給電線路と、第1線状アンテナと略同一の共振周波数を有し、この第1線状アンテナと略平行になるようにその上方の地導体から略1/4波長離した位置に設けられ、第1線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第2線状アンテナとを備えるので、第1線状アンテナに給電する給電線路の長さを短縮しても広帯域特性を得ることができ、給電線路から放射量を低減することができる。これにより、対称性のよい放射パターンが得られるようになり、交差偏波を低減することができる効果がある。
【0058】
この発明によれば、第2線状アンテナの素子長より短く、この第2線状アンテナと略平行になるように略1/8波長から略1/4波長離して設けられ、第2線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第3線状アンテナを少なくとも1つ備えるので、第3線状アンテナが導波器として動作することから指向性を持たせることができ、通信方向に対する利得を向上させることができる効果がある。
【0059】
この発明によれば、第2線状アンテナより高い共振周波数を有し、この第2線状アンテナと略平行になるように、その上方の極近傍に設けられ、第2線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第4線状アンテナを少なくとも1つ備えるので、複数の周波数に対する共振特性を得ることができ、アンテナ装置の使用目的に応じた最適なアンテナ装置を設計することができる効果がある。
【0060】
この発明によれば、地導体と、地導体の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1線状アンテナと、この第1線状アンテナに給電し、地導体の上方に第1線状アンテナまでの長さだけ露出する給電線路と、第1線状アンテナと略同一の共振周波数を有し、この第1線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の線状アンテナであって、第1線状アンテナと略平行になるように、その上方の地導体から略1/4波長離した位置に設けられ、第1線状アンテナに対して略対称となるように少なくとも2つ配置した第5線状アンテナとを備えるので、上記段落0057と同様の効果を奏するとともに、H面方向に無給電の第5線状アンテナを配列することでH面のビーム幅を狭くすることができ、通信方向に対する利得を向上させることができる効果がある。
【0061】
また、第5線状アンテナの間隔を調整することで、E面ビーム幅とほぼ同じビーム幅を得ることができ、通信方向によって利得差が生じることを抑えることができる効果がある。
【0062】
この発明によれば、給電を受ける第1線状アンテナより無給電の線状アンテナを太くしたので、広帯域特性を向上させることができる効果がある。
【0063】
この発明によれば、無給電の線状アンテナを、その中心に対して略対称となるように両端を地導体側に折り曲げたので、E面のビーム幅を広げることができることから、通信方向によって利得差が生じることを抑えることができる効果がある。
【0064】
また、傾きの角度を変えることでビーム幅を調整することができることから、アンテナ装置の使用目的にあうように最適化するためのパラメータとして利用することができる効果がある。
【0065】
この発明によれば、線状アンテナ及び給電線路を誘電体基板上に一体形成するので、各構成要素間を接続する工程を省略することできることから、装置の量産性を向上させることができる効果がある。
【0066】
この発明によれば、請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置を複数個配列してなるので、素子間結合による給電線路からの放射モードの影響による放射パターンの劣化を抑えることができ、通信方向に対する利得を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図2】 実施の形態1によるアンテナ装置及びその他の構成における正規化周波数に対する反射減衰量を示すグラフ図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態3によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態4によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態5によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態6によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図8】 従来のアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 地導体、2 第1のダイポールアンテナ(第1線状アンテナ)、3 給電線路、4,4a 誘電体基板、5,5a,5b 第2のダイポールアンテナ(第2線状アンテナ)、6 第3のダイポールアンテナ(第3線状アンテナ)、7 第4のダイポールアンテナ(第4線状アンテナ)、8 第5のダイポールアンテナ(第5線状アンテナ)。
【発明の属する技術分野】
この発明は交差偏波が小さく対称性のよい放射パターンで広帯域特性を有するアンテナ装置及びこれを用いたアレーアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
移動通信の基地局アンテナでは、通信品質を改善するためにダイバーシチ受信が採用されている。このようなダイバーシチブランチ構成法としては、スペースダイバーシチがよく用いられるが、2つのアンテナをある一定の間隔以上離して設置しなければならず、アンテナ設置空間が大きいという欠点がある。また、設置空間の小さいダイバーシチブランチとしては、異偏波間の多重伝搬特性を利用した偏波ダイバーシチが有効であり、垂直偏波を有するアンテナと水平偏波を有するアンテナをそれぞれ構成することで実現できる。さらに、レーダ用アンテナにおいて両偏波を利用することで、偏波によるレーダ断面積の差から物体を識別するポラリメトリが実現できる。
【0003】
上記のような偏波ダイバーシチ、或いはポラリメトリを実現するためには、交差偏波特性の優れたアンテナが要求される。このようなアンテナ素子としてダイポールアンテナがよく用いられる。図8は基地局アンテナ等に用いられる従来のダイポールアンテナの構成を示す斜視図である。図において、100は誘電体基板400が立設している地導体、200は誘電体基板400上に形成されたダイポールアンテナ、300はダイポールアンテナ200を給電する給電線路、400は誘電体基板である。
【0004】
次に概要について説明する。ダイポールアンテナは比較的広帯域な特性を有しており、その帯域幅は10%以上得られるが、この帯域を得るためには地導体からダイポールアンテナまでの高さを使用波長の約1/4(1/4波長)以上にする必要がある。この地導体からダイポールアンテナまでの高さを低くするとダイポールアンテナは狭帯域になるため、地導体からの間隔は広帯域特性を得る上で重要である。
【0005】
また、一般的にダイポールアンテナを給電する給電線路には平行2線或いは同軸線路が用いられる。このような平行2線は誘電体基板であるプリント基板を用いてダイポールアンテナを構成すると半田付けが不要になり製作しやすいという利点がある。さらに、平行2線までの給電線の構成は同軸コネクタからマイクロストリップ線路に変換され、このマイクロストリップ線路から不平衡平衡変換回路(以下、バランと称する)を介して平行2線に変換される。そして、平行2線からダイポールアンテナが励振される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアンテナ装置は以上のように構成されているので、給電線路からの放射モードの影響で、放射パターンが非対称となったり、交差偏波が増大するという課題があった。
【0007】
上記課題を具体的に説明すると、平行2線にはノーマルモードが通常伝達されるが、不平衡線路であるマイクロストリップ線路からバランを介して平衡線路である平行2線に変換されるが、このバランによってコモンモードが発生する。このようなバランは動作する周波数帯域に制限があり、また、バランの変換性能にも限界がある。特に広帯域化、或いは小型化が要求される場合、バランは理想的な励振ができなくなる。つまり、平行2線に同相の電流が流れるコモンモードが発生する。このようなコモンモードによる電流は伝送されず、放射されるモードであるために給電線路から放射されてしまう。この放射モードはモノポールアンテナと同様な放射パターンになるため、ダイポールアンテナからの放射モードと重畳されると放射パターンが合成されてしまうので、非対称な放射パターンになり、また、主偏波以外の交差偏波が増大する。
【0008】
さらに、従来のアンテナ装置をアンテナ素子として複数個配列して構成したアレーアンテナでは、上記給電線路に流れるコモンモードの電流による放射モードの影響が素子間結合によってさらに大きくなり、放射特性が劣化するという課題があった。
【0009】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、交差偏波が小さく、対称性のよい放射パターン及び広帯域特性を有するアンテナ装置を得ることを目的とする。
【0010】
また、この発明は素子間結合による給電線路からの放射モードの影響を低減したアレーアンテナを得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るアンテナ装置は、地導体と、地導体の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1線状アンテナと、この第1線状アンテナに給電し、地導体の上方に第1線状アンテナまでの長さだけ露出する給電線路と、第1線状アンテナと略同一の共振周波数を有し、この第1線状アンテナと略平行になるようにその上方の地導体から略1/4波長離した位置に設けられ、第1線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第2線状アンテナとを備えるものである。
【0012】
この発明に係るアンテナ装置は、第2線状アンテナの素子長より短く、この第2線状アンテナと略平行になるように略1/8波長から略1/4波長離して設けられ、第2線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第3線状アンテナを少なくとも1つ備えるものである。
【0013】
この発明に係るアンテナ装置は、第2線状アンテナより高い共振周波数を有し、この第2線状アンテナと略平行になるように、その上方の極近傍に設けられ、第2線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第4線状アンテナを少なくとも1つ備えるものである。
【0014】
この発明に係るアンテナ装置は、地導体と、地導体の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1線状アンテナと、この第1線状アンテナに給電し、地導体の上方に第1線状アンテナまでの長さだけ露出する給電線路と、第1線状アンテナと略同一の共振周波数を有し、この第1線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の線状アンテナであって、第1線状アンテナと略平行になるように、その上方の地導体から略1/4波長離した位置で第1線状アンテナに対して略対称となるように、少なくとも2つ設けた第5線状アンテナとを備えるものである。
【0015】
この発明に係るアンテナ装置は、給電を受ける第1線状アンテナより無給電の線状アンテナを太くしたものである。
【0016】
この発明に係るアンテナ装置は、無給電の線状アンテナを、その中心に対して略対称となるように両端を地導体側に折り曲げたものである。
【0017】
この発明に係るアンテナ装置は、線状アンテナ及び給電線路を誘電体基板上に一体形成するものである。
【0018】
この発明に係るアレーアンテナは、請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置を複数個配列してなるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。図において、1は地導体、2は地導体1の上方に略1/8波長若しくはそれ以下だけ離して設けた第1のダイポールアンテナ(第1線状アンテナ)で、誘電体基板4の裏面に形成した第1のダイポールアンテナ2を破線で示している。3は第1のダイポールアンテナ2を給電する給電線路であり、地導体1の上方に第1のダイポールアンテナ2までの長さだけ露出している。4は誘電体基板で、第1のダイポールアンテナ2、第2のダイポールアンテナ5、及び給電線路3が一体に形成されている。5は第1のダイポールアンテナ2と略同一の共振周波数を有し、第1のダイポールアンテナ2と略平行になるように、その上方に地導体1から略1/4波長離れた位置に設けられ、第1のダイポールアンテナ2からの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第2のダイポールアンテナ(第2線状アンテナ)である。
【0020】
次に概要について説明する。ダイポールアンテナで広帯域な特性を得るためには、地導体からダイポールアンテナまでの距離を約1/4波長以上にする必要がある。このため、ダイポールアンテナに給電する給電線路、例えば平行2線を少なくとも約1/4波長分は地導体上に露出させなければならない。しかしながら、平行2線のコモンモードによる放射は、その長さが長くなるにつれて放射量が大きくなる。このように地導体上に露出させる給電線路はできるだけ短くすることが望ましい。
【0021】
そこで、本願発明のアンテナ装置では地導体1の近傍(多くとも略1/8波長程度)に第1のダイポールアンテナ2を配置することで、地導体1上に露出する給電線路3を短くしている。しかしながら、単に地導体1上に露出する給電線路3を短くするだけでは帯域特性が狭帯域になってしまう。このため、この実施の形態1によるアンテナ装置では給電を受けている第1のダイポールアンテナ2と無給電の第2のダイポールアンテナ5との共振周波数をほぼ一致させて、第1のダイポールアンテナ2の上方に地導体1から約1/4波長離して無給電の第2のダイポールアンテナ5を設置する。このようにすることで、第1のダイポールアンテナ2と第2のダイポールアンテナ5との電磁界的な結合を利用することで広帯域化を図っている。つまり、給電を受ける第1のダイポールアンテナ2からの電磁界的作用により、地導体1の上方に略1/4波長離れた位置に設けた無給電の第2のダイポールアンテナ5が励振して共振状態となるので、給電を受けるダイポールアンテナを地導体1の上方に略1/4波長離れた位置に設けた場合と比較して、広帯域の帯域特性を示すようになる。これを定量的に示したのが図2である。以下、この図2を用いて本願発明の構成とすることによる広帯域化について説明する。
【0022】
図2は本願発明の最も簡略された構成である実施の形態1によるアンテナ装置及びその他の構成における正規化周波数に対する反射減衰量を示すグラフ図であり、実施の形態1によるアンテナ装置の原理を確認するために、無給電のダイポールアンテナ(第2のダイポールアンテナ5)を有するか否かに対する反射減衰量特性を示している。図において、黒塗りの四角記号のプロットで表した曲線は地導体の上方に約1/4波長離れた位置に給電を受けるダイポールアンテナを配置した(従来のアンテナ装置)場合の特性、黒塗りの丸記号のプロットで表した曲線は地導体の上方に約1/8波長離れた位置に給電を受けるダイポールアンテナを配置した場合の特性で、黒塗りの三角記号のプロットで表した曲線は地導体の上方に約1/4波長離れた位置に無給電のダイポールアンテナを配置し、且つ地導体の上方に約1/8波長離れた位置に給電を受けるダイポールアンテナを配置した実施の形態1によるアンテナ装置の特性である。ここで、反射減衰量とはアンテナ装置から放射させずに給電点に反射させた場合の放射量に相当するもので、反射減衰量(絶対値)が大きいほどそのアンテナ装置は放射量が大きくなる。
【0023】
図2に示すように、無給電ダイポールアンテナを設けず、給電を受けるダイポールアンテナが地導体1から約1/8波長分しか離れていない黒塗りの丸記号のプロットで表した曲線は、基準周波数における反射減衰量の値が小さくなり、共振できずに放射効率が落ちていることが分かる。また、黒塗りの四角記号のプロットで表した従来のアンテナ装置による曲線は基準周波数において大きな反射減衰量を示すが、黒塗りの三角記号のプロットで表した実施の形態1によるアンテナ装置の曲線は、基準周波数だけでなく、その周辺の周波数においても高い反射減衰量を示し、無給電のダイポールアンテナとして、第2のダイポールアンテナ5を地導体1の上方に約1/4波長離れた位置に設けることで、大幅な広帯域化が図られていることが分かる。
【0024】
また、上記のようにダイポールアンテナに近接して無給電のダイポールアンテナを配置することで高利得を得る従来のダイポールアンテナとして八木アンテナがある。この八木アンテナは、例えば内田、虫明著、「超短波空中線」、生産技術センターに記載されており、その構成としては給電を受けるダイポールアンテナを地導体等に近接させずに使用することができるため、地導体との距離を適当に設定することで広帯域なダイポールアンテナとして動作させることができる。さらに、上記給電を受けるダイポールアンテナから約1/4波長離して無給電のダイポールアンテナを配置し、給電を受けるダイポールアンテナよりも素子長を短くすることで無給電のダイポールアンテナの位相を遅させる。このようにすることで、無給電のダイポールアンテナの方向で給電を受けるダイポールアンテナの放射界と位相が合い、指向性を持たせている。このように八木アンテナにおける無給電のダイポールアンテナは指向性を持たせるための構成要素として使用される。これに対して本願発明のアンテナ装置は、上述したように通常、地導体と給電ダイポールアンテナとの距離が約1/4波長以下となると共振状態にすることができないにもかかわらず、給電線路からの放射の影響を低減するために多くとも約1/8波長離れた位置に給電ダイポールアンテナを配置し、これと地導体から約1/4波長離れた位置に設けた無給電ダイポールアンテナとの電磁界的な結合を利用することにより共振状態となり、広帯域特性を得るもので、上記のような八木アンテナの構成ではこのような広帯域化を図ることはできない。
【0025】
以上のように、この実施の形態1によれば、地導体1と、地導体1の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1のダイポールアンテナ2と、この第1のダイポールアンテナ2に給電し、地導体1の上方に第1のダイポールアンテナ2までの長さだけ露出する給電線路3と、第1のダイポールアンテナ2と略同一の共振周波数を有し、この第1のダイポールアンテナ2と略平行になるように、その上方の地導体1から略1/4波長離した位置に設けられ、第1のダイポールアンテナ2からの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第2のダイポールアンテナ5とを備えるので、第1のダイポールアンテナ2に給電する給電線路3の長さを短縮しても広帯域特性を得ることができるため、給電線路3から放射量を低減することができる。これにより、対称性のよい放射パターンが得られるようになり、交差偏波を低減することができる。
【0026】
なお、上記実施の形態1では第1のダイポールアンテナ2を地導体1の上方に略1/8波長離して給電する例を示したが、1/20波長程度にしても同様な特性が得られることを実験により確認している。要するに第1のダイポールアンテナ2は極力地導体1付近に設けてもよく、第2のダイポールアンテナ5の位置を調整することで広帯域化を図ることができる。
【0027】
実施の形態2.
この実施の形態2では給電を受ける線状アンテナの上方に配置する無給電の線状アンテナを太くして広帯域特性を向上させたものである。
【0028】
図3はこの発明の実施の形態2によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。図において、5aは第1のダイポールアンテナ2からの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第2のダイポールアンテナ(第2線状アンテナ)で、第1のダイポールアンテナ2の放射素子よりも素子の端部が太くなるように構成されている。なお、図1と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0029】
次に概要について説明する。上記実施の形態1と同様に広帯域特性を得るために第2のダイポールアンテナ5aは第1のダイポールアンテナ2の上方に地導体1から約1/4波長離して配置している。このとき、無給電のダイポールアンテナを太くする(誘電体基板にプリントしたダイポールアンテナでは、その素子幅を大きくする)ことによって、さらに広帯域化できることが実験的にわかっている。そこで、この実施の形態2では第2のダイポールアンテナ5aを太くすることで広帯域化を図っている。特に、図3では第2のダイポールアンテナ5aの素子端部をより太くしてボウタイアンテナ状にした例を示しており、このようにすることで、単に素子を太くする場合より広帯域性を向上させることができる。
【0030】
以上のように、この実施の形態2によれば、給電を受ける第1のダイポールアンテナ2より無給電の第2のダイポールアンテナ5aを太くしたので、上記実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、さらに広帯域特性を向上させることができる。
【0031】
なお、上記実施の形態2では無給電ダイポールアンテナを太くする構成を上記実施の形態1に適用した例を示したが、これに限らず以下の実施の形態に示す構成に適用しても良い。
【0032】
実施の形態3.
この実施の形態3では無給電の線状アンテナを、その中心に対して略対称となるように両端を地導体側に折り曲げてカット面によるビーム幅の差を低減し、通信方向による利得差の発生を低減するものである。
【0033】
図4はこの発明の実施の形態3によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。図において、5bは中心に対して略対称となるように両端部を地導体1側に折り曲げた第2のダイポールアンテナ(第2線状アンテナ)である。なお、図1と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0034】
次に概要について説明する。ダイポールアンテナの放射パターンはカット面によって異なり、E面は8の字型の指向性、H面は無指向性を示す。つまり、電界ベクトルを含む面であるE面のビーム幅は狭く、磁界ベクトルを含む面であるH面のビーム幅が広い。このようなカット面によるビーム幅の差は、全方向と通信を行うようなアプリケーションの場合、通信方向によって利得が異なってしまう可能性があり問題となる。この問題に対してカット面による指向性の差を低減するために、ダイポールアンテナの放射パターンをよりブロードにすることが要求される場合には、E面のビーム幅を広げる必要がある。そこで、この実施の形態3では、第2のダイポールアンテナ5bの中心に対して略対称となるように両端部を地導体1側に折り曲げる。このようにすることで広角方向にも指向性を有するようになり、ブロードな特性が得られる。また、折り曲げ角度を変えることでE面のビーム幅を調整することもできる。
【0035】
以上のように、この実施の形態3によれば、第2のダイポールアンテナ5bを中心に対して略対称となるように両端部を地導体1側に折り曲げることで、上記実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、E面のビーム幅を広げることができることから、通信方向によって利得差が生じることを抑えることができる。また、傾きの角度を変えることでビーム幅を調整することができることから、アンテナ装置の使用目的にあうように最適化するためのパラメータとして利用することができる。
【0036】
なお、上記実施の形態3では無給電ダイポールアンテナを折り曲げる構成を上記実施の形態1に適用した例を示したが、これに限らず他の実施の形態の構成に適用しても良い。
【0037】
実施の形態4.
この実施の形態4では給電を受ける線状アンテナの上方に無給電の線状アンテナを配置し、そのさらに上方に導波器として動作する無給電の線状アンテナを配置することで指向性を向上させたものである。
【0038】
図5はこの発明の実施の形態4によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。図において、6は第2のダイポールアンテナ5の上方に配置された第3のダイポールアンテナ(第3線状アンテナ)である。なお、図1と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0039】
次に概要について説明する。図5の例では第1のダイポールアンテナ2の上方に地導体1から約1/4波長の位置に第2のダイポールアンテナ5を配置し、その上部に第2のダイポールアンテナ5の素子長よりも短い第3のダイポールアンテナ6を約1/8波長程度離して配置する。このようにすることで、第1のダイポールアンテナ2からの電磁的作用を受けて第2のダイポールアンテナ5が励振し、この第2のダイポールアンテナ5からの電磁的作用を受けて第3のダイポールアンテナ6が励振する。これにより、上記実施の形態1と同様に第1のダイポールアンテナ2に給電する給電線路3を短くしても帯域特性を広帯域にすることができ、さらに、この実施の形態4によるアンテナ装置から放射される電波は第3のダイポールアンテナ6の方向に強められていく指向性を有するようになる。
【0040】
このように第3のダイポールアンテナ6を導波器として動作させるためには、第3のダイポールアンテナ6を第2のダイポールアンテナ5からの距離が略1/8波長から略1/4波長程度の位置に配置し、その素子長を第2のダイポールアンテナ5より短くする。これにより、第3のダイポールアンテナ6の位相が第2のダイポールアンテナ5よりも遅れるようになり、第3のダイポールアンテナ6の方向で第2のダイポールアンテナ5の放射界と位相が合って電波が強められるようになる。従って、実施の形態4のアンテナ装置が八木アンテナと同様な指向性を有するようになり、通信方向に対する利得を高くすることができる。
【0041】
以上のように、この実施の形態4によれば、第2のダイポールアンテナ5の素子長より短く、この第2のダイポールアンテナ5と略平行になるように略1/8波長から略1/4波長離して設けられ、第2のダイポールアンテナ5からの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第3のダイポールアンテナ6を少なくとも1つ備えるので、上記実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、第3のダイポールアンテナ6が導波器として動作することから指向性を持たせることができ、通信方向に対する利得を向上させることができる。
【0042】
なお、上記実施の形態4では第3のダイポールアンテナ6を1つ設けた例について示したが、これに限らず第3のダイポールアンテナ6との距離を略1/8波長から略1/4波長程度離して導波器として動作する無給電のダイポールアンテナを複数配置してもよい。
【0043】
実施の形態5.
この実施の形態5では給電を受ける線状アンテナの上方に無給電の線状アンテナを配置し、その上方の極近傍に上記無給電の線状アンテナより高い共振周波数を有する無給電の線状アンテナを配置することで2共振特性を持たせたものである。
【0044】
図6はこの発明の実施の形態5によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。図において、7は第2のダイポールアンテナ5の極近傍に配置され、第2のダイポールアンテナ5よりも高い共振周波数を有する第4のダイポールアンテナ(第4線状アンテナ)である。なお、図1と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0045】
次に概要について説明する。この実施の形態5によるアンテナ装置は、第1のダイポールアンテナ2からの電磁的作用を受けて第2のダイポールアンテナ5及び第4のダイポールアンテナ7が励振し、給電線路3を短くしたことによる狭帯域化を抑えることができることは上記実施の形態1と同様である。ここでは、特に第4のダイポールアンテナ7を備えることで2共振特性を得ることができる構成を示している。具体的に説明すると、上記実施の形態4に示したように第3のダイポールアンテナを導波器として動作させるには、第2のダイポールアンテナ5から約1/8〜1/4波長離す必要があるが、この実施の形態5では第4のダイポールアンテナ7を第2のダイポールアンテナ5の上方に近接(約1/10から1/20波長程度)して配置して電磁界的な結合をさせる。これにより、第4のダイポールアンテナ7は導波器としては動作しないが、第1のダイポールアンテナ2の共振周波数に加えて第4のダイポールアンテナ7の共振周波数でも整合を取ることができ、2共振特性を得ることができるようになる。
【0046】
また、上記実施の形態5では第4のダイポールアンテナ7を第2のダイポールアンテナ5の近傍に1つ配置することで2共振特性を得る構成を示したが、第4のダイポールアンテナ7の上方にさらに無給電のダイポールアンテナを配置して3つ以上の周波数の共振特性が得られる構成も本願発明の範疇に含まれることはいうまでもない。
【0047】
以上のように、この実施の形態5によれば、第2のダイポールアンテナ5より高い共振周波数を有するダイポールアンテナであって、第2のダイポールアンテナ5と略平行になるように、その上方の極近傍に少なくとも1つ設けられ、この第2のダイポールアンテナ5からの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第4のダイポールアンテナ7を備えるので、複数の周波数に対する共振特性を得ることができ、アンテナ装置の使用目的に応じた最適なアンテナ装置を設計することができる。
【0048】
実施の形態6.
この実施の形態6では給電を受ける線状アンテナと略平行になるように、その上方の地導体から略1/4波長離した位置に設けられ、上記線状アンテナに対して略対称となるように少なくとも2つ無給電の線状アンテナを配置することでカット面の違いによるビーム幅の差を低減させたものである。
【0049】
図7はこの発明の実施の形態6によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。図において、4aは第5のダイポールアンテナ8,8が一体に形成された誘電体基板、8は第1のダイポールアンテナ2と略平行になるように、その上方の地導体1から略1/4波長離した位置に設けられ、第1のダイポールアンテナ2に対して略対称となるように配置した無給電の第5のダイポールアンテナ(第5線状アンテナ)である。なお、図1と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0050】
次に概要について説明する。この実施の形態6によるアンテナ装置は、第1のダイポールアンテナ2からの電磁的作用を受けて2つの第5のダイポールアンテナ8,8が励振し、給電線路3を短くしたことによる狭帯域化を抑えることができることは上記実施の形態1と同様である。ここでは、特にH面のビーム幅をシャープにする構成を示している。つまり、第5のダイポールアンテナ8,8を第1のダイポールアンテナ2と略平行になるようにその上方の地導体1から略1/4波長離した位置に第1のダイポールアンテナ2に対して略対称となるように配置することで、第5のダイポールアンテナ8,8が第1のダイポールアンテナ2のH面方向に配列されることになる。このように構成すると、E面方向のビーム幅を狭くすることができることが実験的に分かっている。このとき、第5のダイポールアンテナ8,8の間隔を適宜変更することで、H面のビーム幅をE面ビーム幅とほぼ同じになるまで調整することができる。
【0051】
また、上記では誘電体基板4a上に第5のダイポールアンテナ8,8を配置する例を示したが、スペーサ等を挟んで無給電のダイポールアンテナを配列してもよく、その構成方法を変えてもこの発明は有効である。
【0052】
以上のように、この実施の形態6によれば、地導体1と、地導体1の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1のダイポールアンテナ2と、この第1のダイポールアンテナ2に給電し、地導体1の上方に第1のダイポールアンテナ2までの長さだけ露出する給電線路3と、第1のダイポールアンテナ2と略同一の共振周波数を有し、この第1のダイポールアンテナ2からの電磁界的作用を受けて励振する無給電の線状アンテナであって、第1のダイポールアンテナ2と略平行になるように、その上方の地導体1から略1/4波長離した位置に設けられ、第1のダイポールアンテナ2に対して略対称となるように少なくとも2つ配置した第5のダイポールアンテナ8,8とを備えるので、上記実施の形態1と同様に第1のダイポールアンテナ2に給電する給電線路3の長さを短縮しても広帯域特性を得ることができるため、給電線路3から放射量を低減することができる。これにより、対称性のよい放射パターンが得られるようになり、交差偏波を低減させることができる。
【0053】
また、H面方向に無給電の第5のダイポールアンテナ8,8を配列することでH面のビーム幅を狭くすることができ、通信方向に対する利得を向上させることができる。さらに、第5のダイポールアンテナ8,8の間隔を調整することで、E面ビーム幅とほぼ同じビーム幅を得ることができ、通信方向によって利得差が生じることを抑えることができる。
【0054】
なお、上記実施の形態1から6に示すようにアンテナ装置の構成要素(ダイポールアンテナ2,5,5a,5b,6,7,8、及び給電線路3)を誘電体基板4に一体に形成することで、各構成要素間を接続する工程を省略することできることから、装置の量産性を向上させることができる。これにより、上記実施の形態1から6に示したアンテナ装置を用いて構成するアレーアンテナの量産性も向上させることができる。
【0055】
また、上記の他に、金属棒、同軸線路を用いたダイポールアンテナで本願発明のアンテナ装置を構成しても上記実施の形態1から6と同様な特性を得ることができる。また、給電方法としては平行2線等の他の方法でも基本的な原理は変わらず有効である。
【0056】
さらに、上記実施の形態1から6では片偏波を励振する単一のアンテナ装置の構成を示したが、このアンテナ装置を複数個配列してアレーアンテナを構成してもよい(このときの配列としては三角配列、格子状の四角配列としても良く、配列方式には依存しない)。このように本願発明のアンテナ装置をアンテナ素子として使用することで、個々の素子の給電線路からの放射を抑えられ、従来のアレーアンテナにおいて問題であった素子間結合による給電線路からの放射モードの影響による放射パターンの劣化を抑えることができ、通信方向に対する利得を向上させることができる。また、本願発明のアンテナ装置のダイポールアンテナを直交させて配列すれば両偏波を励振することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、地導体と、地導体の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1線状アンテナと、この第1線状アンテナに給電し、地導体の上方に第1線状アンテナまでの長さだけ露出する給電線路と、第1線状アンテナと略同一の共振周波数を有し、この第1線状アンテナと略平行になるようにその上方の地導体から略1/4波長離した位置に設けられ、第1線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第2線状アンテナとを備えるので、第1線状アンテナに給電する給電線路の長さを短縮しても広帯域特性を得ることができ、給電線路から放射量を低減することができる。これにより、対称性のよい放射パターンが得られるようになり、交差偏波を低減することができる効果がある。
【0058】
この発明によれば、第2線状アンテナの素子長より短く、この第2線状アンテナと略平行になるように略1/8波長から略1/4波長離して設けられ、第2線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第3線状アンテナを少なくとも1つ備えるので、第3線状アンテナが導波器として動作することから指向性を持たせることができ、通信方向に対する利得を向上させることができる効果がある。
【0059】
この発明によれば、第2線状アンテナより高い共振周波数を有し、この第2線状アンテナと略平行になるように、その上方の極近傍に設けられ、第2線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第4線状アンテナを少なくとも1つ備えるので、複数の周波数に対する共振特性を得ることができ、アンテナ装置の使用目的に応じた最適なアンテナ装置を設計することができる効果がある。
【0060】
この発明によれば、地導体と、地導体の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1線状アンテナと、この第1線状アンテナに給電し、地導体の上方に第1線状アンテナまでの長さだけ露出する給電線路と、第1線状アンテナと略同一の共振周波数を有し、この第1線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の線状アンテナであって、第1線状アンテナと略平行になるように、その上方の地導体から略1/4波長離した位置に設けられ、第1線状アンテナに対して略対称となるように少なくとも2つ配置した第5線状アンテナとを備えるので、上記段落0057と同様の効果を奏するとともに、H面方向に無給電の第5線状アンテナを配列することでH面のビーム幅を狭くすることができ、通信方向に対する利得を向上させることができる効果がある。
【0061】
また、第5線状アンテナの間隔を調整することで、E面ビーム幅とほぼ同じビーム幅を得ることができ、通信方向によって利得差が生じることを抑えることができる効果がある。
【0062】
この発明によれば、給電を受ける第1線状アンテナより無給電の線状アンテナを太くしたので、広帯域特性を向上させることができる効果がある。
【0063】
この発明によれば、無給電の線状アンテナを、その中心に対して略対称となるように両端を地導体側に折り曲げたので、E面のビーム幅を広げることができることから、通信方向によって利得差が生じることを抑えることができる効果がある。
【0064】
また、傾きの角度を変えることでビーム幅を調整することができることから、アンテナ装置の使用目的にあうように最適化するためのパラメータとして利用することができる効果がある。
【0065】
この発明によれば、線状アンテナ及び給電線路を誘電体基板上に一体形成するので、各構成要素間を接続する工程を省略することできることから、装置の量産性を向上させることができる効果がある。
【0066】
この発明によれば、請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置を複数個配列してなるので、素子間結合による給電線路からの放射モードの影響による放射パターンの劣化を抑えることができ、通信方向に対する利得を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図2】 実施の形態1によるアンテナ装置及びその他の構成における正規化周波数に対する反射減衰量を示すグラフ図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態3によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態4によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態5によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態6によるアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【図8】 従来のアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 地導体、2 第1のダイポールアンテナ(第1線状アンテナ)、3 給電線路、4,4a 誘電体基板、5,5a,5b 第2のダイポールアンテナ(第2線状アンテナ)、6 第3のダイポールアンテナ(第3線状アンテナ)、7 第4のダイポールアンテナ(第4線状アンテナ)、8 第5のダイポールアンテナ(第5線状アンテナ)。
Claims (8)
- 地導体と、
上記地導体の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1線状アンテナと、
この第1線状アンテナに給電し、上記地導体の上方に上記第1線状アンテナまでの長さだけ露出する給電線路と、
上記第1線状アンテナと略同一の共振周波数を有し、この第1線状アンテナと略平行になるように、その上方の上記地導体から略1/4波長離した位置に設けられ、上記第1線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第2線状アンテナと
を備えたアンテナ装置。 - 第2線状アンテナの素子長より短く、この第2線状アンテナと略平行になるように略1/8波長から略1/4波長離して設けられ、上記第2線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第3線状アンテナを少なくとも1つ備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
- 第2線状アンテナより高い共振周波数を有し、この第2線状アンテナと略平行になるように、その上方の極近傍に設けられ、上記第2線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の第4線状アンテナを少なくとも1つ備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
- 地導体と、
上記地導体の上方に多くとも略1/8波長離して設けた第1線状アンテナと、
この第1線状アンテナに給電し、上記地導体の上方に上記第1線状アンテナまでの長さだけ露出する給電線路と、
上記第1線状アンテナと略同一の共振周波数を有し、この第1線状アンテナからの電磁界的作用を受けて励振する無給電の線状アンテナであって、上記第1線状アンテナと略平行になるように、その上方の上記地導体から略1/4波長離した位置で上記第1線状アンテナに対して略対称となるように、少なくとも2つ設けた第5線状アンテナと
を備えたアンテナ装置。 - 無給電の線状アンテナを、給電を受ける第1線状アンテナより太くしたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置。
- 無給電の線状アンテナを、その中心に対して略対称となるように両端を地導体側に折り曲げたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置。
- 線状アンテナ及び給電線路は、誘電体基板上に一体形成されることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置。
- 請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置を複数個配列してなるアレーアンテナ。
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