JP2011068254A - 車両運動制御装置 - Google Patents

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JP2011068254A JP2009220814A JP2009220814A JP2011068254A JP 2011068254 A JP2011068254 A JP 2011068254A JP 2009220814 A JP2009220814 A JP 2009220814A JP 2009220814 A JP2009220814 A JP 2009220814A JP 2011068254 A JP2011068254 A JP 2011068254A
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Abstract

【課題】車両が旋回時にアンダーステア状態になっても、高い応答性でアンダーステアを
解消する車両運動制御装置を提供する。
【解決手段】車両のアンダーステア状態を検出するアンダーステア検出手段27と、アン
ダーステア検出手段によりアンダーステア状態が検出されたときに、 車両の旋回外
輪に対するブレーキ力の付与を開始する外輪ブレーキ力付与開始手段26と、外輪ブレー
キ力付与開始手段による旋回外輪へのブレーキ力の付与の開始後における旋回外向きのモ
ーメントの増加を検出する外向モーメント増加検出手段26と、外向モーメント増加検出
手段により旋回外向きのモーメントの増加が検出されたときに、外輪ブレーキ力付与開始
手段により開始された旋回外輪へのブレーキ力の付与を停止する外輪ブレーキ力付与停止
手段26と、を備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両が旋回して走行する時の運動を制御する装置に関する。
従来、車両走行の安定化を図るため運動を制御する装置が知られており、かかる制御装
置としての特許文献1によると、車両が走行車線から逸脱しそうになることを判断する逸
脱判断手段と、逸脱しそうであると判断された場合に、逸脱を回避する方向のヨーモーメ
ントを左右輪の制動力差により発生させる制駆動力制御手段とを有していることが記載さ
れている。これは、左右輪に制動力に差をつけたブレーキを働かせることで、走行車線か
らの逸脱を回避する方向のヨーモーメントを発生させるものであり、例えば、左方向が車
線の逸脱を回避する方向であるならば、左側の前輪・後輪に右側の前輪・後輪よりも多く
制動力を作用させることで、左向きのヨーモーメントを発生させる。
特開2001−310719号公報
しかし、例えば車両が旋回状態にある場合を考えると、特許文献1のものでは、アンダ
ーステア状態のため走行車線から逸脱しそうになっている場合、旋回の内輪側の前輪・後
輪にブレーキを多く作用させることで、走行車線からの逸脱を回避する旋回の内向きのヨ
ーモーメントを発生させることが予定される。この場合、ブレーキを多く作用させるのは
内輪側の前輪・後輪であるが、旋回時の遠心力により内輪側の前輪・後輪よりも旋回の外
輪側の前輪・後輪に荷重が多く付加され内輪側の前輪・後輪に作用する荷重が小さくなる
。そのため、内輪側の前輪・後輪に予定される制動力が働かず、内向きのヨーモーメント
の発生が遅れてアンダーステアの解消が遅延するおそれがある。
本発明は係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、車両が旋回走行時にアンダー
ステア状態になっても、高い応答性でアンダーステアを解消する車両運動制御装置を提供
するものである。
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、車両のアンダ
ーステア状態を検出するアンダーステア検出手段と、前記アンダーステア検出手段により
アンダーステア状態が検出されたときに、前記車両の旋回外輪に対するブレーキ力の付与
を開始する外輪ブレーキ力付与開始手段と、前記外輪ブレーキ力付与開始手段による旋回
外輪へのブレーキ力の付与の開始後における旋回外向きのモーメントの増加を検出する外
向モーメント増加検出手段と、前記外向モーメント増加検出手段により旋回外向きのモー
メントの増加が検出されたときに、前記外輪ブレーキ力付与開始手段により開始された旋
回外輪へのブレーキ力の付与を停止する外輪ブレーキ力付与停止手段と、を備えているこ
とである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、車両の横加速度を検出する
横加速度検出手段を備え、前記外輪ブレーキ付与開始手段及び前記外輪ブレーキ力付与停
止手段により旋回外輪に付与されるブレーキ力の大きさを、前記横加速度検出手段により
検出された横加速度が大きい程、大きくすることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記外輪ブレーキ力
付与開始手段により旋回外輪へのブレーキ力の付与が開始された後、前記アンダーステア
検出手段により検出されているアンダーステア状態に応じて、前記車両の旋回内輪に対す
るブレーキ力の付与を開始する内輪ブレーキ力付与開始手段を備えていることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3において、前記内輪ブレーキ力付与開
始手段は、前記外輪ブレーキ力付与開始手段及び前記外輪ブレーキ力付与停止手段により
旋回外輪に付与されているブレーキ力が残留している間に前記旋回内輪に対するブレーキ
力の付与を開始することである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項2乃至4のいずれか1項において、車輪
と路面との間の摩擦係数を推定する摩擦係数推定手段を備え、前記摩擦係数推定手段によ
り推定される摩擦係数が大きいほど、前記外輪ブレーキ力付与開始手段及び前記外輪ブレ
ーキ力停止手段により旋回外輪に付与されるブレーキ力の大きさを、小さくすることであ
る。
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至5のいずれか1項において、旋回
外輪のスリップ率を算出するスリップ率算出手段を備え、前記外向モーメント増加検出手
段は、前記スリップ率算出手段により算出されたスリップ率が0又はその近傍値である場
合に、旋回外向きのモーメントの増大を検出することである。
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至6のいずれか1項において、前記
外輪ブレーキ力付与開始手段及び前記外輪ブレーキ力付与停止手段によるブレーキ力を、
旋回外側前輪に付与することである。
請求項1に係る発明によると、旋回して走行する車両において、アンダーステア検出手
段によりアンダーステア状態が検出される。アンダーステア状態が検出されると、外輪ブ
レーキ力付与開始手段により旋回の外輪にブレーキ力が付与される。車両が旋回している
場合には、その旋回外輪の荷重が大きくなっている。そのため、この外輪へのブレーキ力
に基づく制動力により車両に前のめりの姿勢となる前傾荷重を生じさせることで、外輪に
作用する荷重を増大させる。これによって、外輪のグリップ力を増大させて、旋回に基づ
いて車両に作用する遠心力より外輪のグリップ力が上回ることでアンダーステア状態の迅
速な解消を図る。そして、このように旋回外輪にブレーキ力を付与し続けると旋回外向き
のモーメントを生じることがあるが、外向モーメント増加検出手段により旋回外向きのモ
ーメントの増加が検出されたときには、外輪ブレーキ力停止手段により旋回外輪へのブレ
ーキ力の付与を停止する。これによって、旋回外向きのモーメントによりアンダーステア
状態となることを防止することができる。
請求項2に係る発明によると、旋回走行中の車両の遠心力により生じる横力の大きさは
、車両の横加速度が大きくなるほど大きくなるので、横加速度センサにより検出された横
加速度が大きくなるほど旋回外輪へのブレーキ力を大きくして、車両を前のめり姿勢にす
る前傾荷重を増大させることで、外輪のグリップ力を大きくして、効率的にアンダーステ
ア状態を解消することができる。
請求項3に係る発明によると、前記外輪にブレーキ力を付与させることで、アンダース
テア状態を抑制するが、尚アンダーステア状態にあるとき、内輪ブレーキ力付与開始手段
により、車両の旋回内輪にブレーキ力を付与することで旋回内向きのモーメントを生じさ
せてアンダーステア状態を解消することができる。
請求項4に係る発明によると、前記外輪にブレーキ力を付与させることで、アンダース
テア状態が抑制されるが、アンダーステア状態が生じたときには、外輪へのブレーキ力が
残留している間に続けて旋回内輪にブレーキ力の付与を行うことで旋回内向きのモーメン
トを生じさせるので、アンダーステア状態を確実に解消することができる。
請求項5に係る発明によると、車両が等速度で走行している場合に、摩擦係数推定手段
によって推定された車輪と路面との摩擦係数が大きいほど、前記外輪に付与されるブレー
キ力を小さくするので、旋回外向きのモーメントの発生を抑制してアンダーステア状態と
なることを防止することができる。
請求項6に係る発明によると、そして、外輪のスリップ率が、0又はその近傍値である
と算出されたときに、外向モーメント増加検出手段は外向きのモーメントの増大を検出し
、前記外輪にブレーキ力を付与することが停止される。
例えば、前輪駆動車の旋回時においても、車両はその前輪と路面との間で所定のスリッ
プ率を有して走行しており、スリップ率が正のときは、左右前輪には駆動力が作用する。
しかし、スリップ率が負となると、外側前輪には路面からの制動力が作用し、旋回外向き
のモーメントが増大してアンダーステア状態が益々増大する。そのため、スリップ率が0
又はその近傍値となったときに、外向モーメント増加検出手段は外向きのモーメントの増
大を検出し、外輪ブレーキ力付与停止手段は外側前輪にブレーキ力を付与することを停止
する。
請求項7に係る発明によると、外輪ブレーキ力付与開始手段及び外輪ブレーキ力付与停
止手段によるブレーキ力を旋回外側前輪に付与することで、車両に前のめりの姿勢となる
前傾荷重をより効果的に生じさせることができる。これによって、旋回外側前輪に作用す
る荷重が増大し、外側前輪のグリップ力を増大して迅速かつ確実にアンダーステア状態を
解消することができる。
本発明に係る実施形態の車両の平面図。 液圧ブレーキ回路図。 運動制御のフローチャート。 外側前輪に付与するブレーキ力と車両の横加速度の関係を示す図。 外側前輪に付与するブレーキ力とESC制御によるブレーキ力を付与するタイミングとを示す図。 車両Mの旋回方向とブレーキ力が付与される車輪の順番を示す図。
以下、本発明に係る車両運動制御装置を使用した車両の実施形態を図面を参照して説明
する。図1はその車両の構成を示す概要図である。この車両Mは、前輪駆動車であり、車
体前部に搭載した駆動源であるエンジン11の駆動力が前輪に伝達される形式のものであ
る。
車両Mは、車両Mを駆動させる駆動系10と車両Mを制動させる制動系20を備えてい
る。
駆動系10は、エンジン11、変速機12、ディファレンシャル13、左右駆動軸14
a,14b、アクセルペダル15およびエンジン制御ECU16を備えている。エンジン
11の駆動力は、変速機12で変速されディファレンシャル13および左右駆動軸14a
,14bを経て駆動輪である左右前輪Wfl,Wfrにそれぞれ伝達されるようになって
いる。エンジン11は、エンジン11の燃焼室内に空気を流入する吸気管(図略)を備え
ており、吸気管内には、吸気管の開閉量を調整して同吸気管を通過する空気量を調整する
スロットルバルブ(図略)が設けられている。
スロットルバルブは、アクセルペダル15の踏込み量が増大すると、開度が増大してエ
ンジン11の出力が増大しこれにより車両Mの駆動力が増大して加速し、また踏込み量が
減少すると、スロットルバルブの開度が減少してエンジン11の出力が減少しこれにより
車両Mの駆動力が減少して加速度は減少する。
制動系20は、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに液圧制動力を付与して車両を
制動させる液圧ブレーキ装置から構成されている。この液圧ブレーキ装置20は、各車輪
Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの回転をそれぞれ規制する各ホイールシリンダWCfl
,WCfr,WCrl,WCrrと、エンジン11の吸気負圧をダイヤフラムに作用させ
てブレーキペダル21の踏み込み操作により生じるブレーキ操作力を助勢して倍力(増大
)する倍力装置である負圧式ブースタ22と、負圧式ブースタ22により倍力されたブレ
ーキ操作力(すなわちブレーキペダル21の操作状態)に応じた基礎液圧である液圧(油
圧)のブレーキ液(油)を生成して各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,
WCrrに供給するマスタシリンダ23と、ブレーキ液を貯蔵してマスタシリンダ23に
そのブレーキ液を補給するリザーバタンク24と、マスタシリンダ23と各ホイールシリ
ンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrとの間に設けられてブレーキペダル21の
踏込状態に関係なく制御液圧を形成して制御対象輪に付与可能であるブレーキ液圧制御装
置25と、ブレーキ液圧制御装置25を制御するブレーキ制御ECU26と、を備えてい
る。
各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrは、各キャリパCLfl
,CLfr,CLrl,CLrrに設けられており、液密に摺動するピストン(図示省略
)を収容している。各ホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに基礎
液圧または制御液圧が供給されると、各ピストンが摩擦部材である一対のブレーキパッド
BPfl,BPfr,BPrl,BPrrを押圧して各車輪Wfl,Wfr,Wrl,W
rrと一体回転する回転部材であるディスクロータDRfl,DRfr,DRrl,DR
rrを両側から挟んでその回転を規制するようになっている。ブレーキパッドBPfl,
BPfr,BPrl,BPrrとディスクロータDRfl,DRfr,DRrl,DRr
rとから摩擦ブレーキが構成されている。
ブレーキ制御ECU26、車輪速度センサSrl,Srr、ヨーレートセンサ(後述)
27及びステアリングセンサ(後述)29aによりアンダーステア検出手段が構成される
なお、本実施形態においては、ディスク式ブレーキを採用するようにしたが、ドラム式
ブレーキを採用するようにしてもよい。この場合、各ホイールシリンダWCfl,WCf
r,WCrl,WCrrに基礎液圧または制御液圧が供給されると、各ピストンが一対の
ブレーキシューを押圧(拡張)して各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrと一体回転す
るブレーキドラムの内周面に当接してその回転を規制するようになっている。
次に、図2を参照してブレーキ液圧制御装置25の構成を詳述する。このブレーキ液圧
制御装置25は、一般的によく知られているものであり、マスタシリンダカット弁である
液圧制御弁41,51、ABS制御弁を構成する電磁弁である増圧弁42,43,52,
53および減圧弁45,46,55,56、調圧リザーバ44,54、ポンプ47,57
、モータ33などから構成されている。
本実施形態の液圧ブレーキ装置20のブレーキ配管系はX配管方式にて構成されており
、ブレーキ液圧制御装置25は図2に示すようにマスタシリンダ23の第1および第2液
圧室23a、23bに接続されている第1および第2油経路LrおよびLfを備えている
。第1油経路Lrは、第1液圧室23aと左後輪Wrl,右前輪Wfrのホイールシリン
ダWCrl,WCfrとをそれぞれ連通するものであり、第2油経路Lfは、第2液圧室
23bと左前輪Wfl,右後輪WrrのホイールシリンダWCfl,WCrrとをそれぞ
れ連通するものである。
ブレーキ液圧制御装置25の第1油経路Lrには、差圧制御弁から構成される液圧制御
弁41が備えられている。この液圧制御弁41は、ブレーキ制御ECU26により連通状
態と差圧状態を切り替え制御されるものである。液圧制御弁41は非通電して通常連通状
態とされているが、通電して差圧状態(閉じる側)にすることによりホイールシリンダW
Crl,WCfr側の油経路Lr2をマスタシリンダ23側の油経路Lr1よりも所定の
制御差圧分高い圧力に保持することができる。この制御差圧はブレーキ制御ECU26に
より制御電流に応じて調圧されるようになっている。
第1油経路Lr2は2つに分岐しており、一方にはABS制御の加圧モード時において
ホイールシリンダWCrlへのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧弁42が備えられ、他
方にはABS制御の加圧モード時においてホイールシリンダWCfrへのブレーキ液圧の
増圧を制御する増圧弁43が備えられている。これら増圧弁42,43は、ブレーキ制御
ECU26により連通・遮断状態を制御できる2位置弁として構成されている。増圧弁4
2,43は、非通電にて連通状態にあり、通電して遮断状態となる常開型開閉電磁弁であ
る。そして、これら増圧弁42,43が連通状態に制御されているときには、マスタシリ
ンダ23の基礎液圧、または/およびポンプ47の駆動と液圧制御弁41の制御によって
形成される制御液圧を各ホイールシリンダWCrl,WCfrに加えることができる。ま
た、増圧弁42,43は減圧弁45,46およびポンプ47とともにABS制御を実行す
ることができる。
なお、ABS制御が実行されていないノーマルブレーキの際には、これら増圧弁42,
43は常時連通状態に制御されている。また、増圧弁42,43には、それぞれ安全弁4
2a,43aが並列に設けられており、ABS制御時において運転者がブレーキペダル2
1から足を離したとき、それに伴ってホイールシリンダWCrl,WCfr側からのブレ
ーキ液をリザーバタンク24に戻すようになっている。
また、増圧弁42,43と各ホイールシリンダWCrl,WCfrとの間における油経
路Lr2は、油経路Lr3を介して調圧リザーバ44に連通されている。油経路Lr3に
は、ブレーキ制御ECU26により連通・遮断状態を制御できる減圧弁45,46がそれ
ぞれ配設されている。減圧弁45,46は、非通電にて遮断状態にあり、通電して連通状
態となる常閉型開閉電磁弁である。これらの減圧弁45,46はノーマルブレーキ状態(
ABS非作動時)では常時遮断状態とされ、また、適宜連通状態として油経路Lf3を通
じて調圧リザーバ44へブレーキ液を逃がすことにより、ホイールシリンダWCrl,W
Cfrにおけるブレーキ液圧を制御し、車輪がロック傾向にいたるのを防止できるように
構成されている。
さらに、液圧制御弁41と増圧弁42,43との間における油経路Lr2と調圧リザー
バ44とを結ぶ油経路Lr4にはポンプ47が安全弁47aと共に配設されている。そし
て、調圧リザーバ44を油経路Lr1を介してマスタシリンダ23と接続するように油経
路Lr5が設けられている。ポンプ47は、ブレーキ制御ECU26の指令によりモータ
33によって駆動されるものである。ポンプ47は、ABS制御の減圧モード時において
は、ホイールシリンダWCrl,WCfr内のブレーキ液または調圧リザーバ44に貯め
られているブレーキ液を吸い込んで連通状態である液圧制御弁41を介してマスタシリン
ダ23に戻している。
また、ポンプ47は、ESC制御等、ホイールシリンダWCfl〜WCrrの何れかに
自動的に液圧を付与する制御を実行する際においては、差圧状態に切り替えられている液
圧制御弁41に制御差圧を発生させるべく、マスタシリンダ23内のブレーキ液を油経路
Lr1,Lr5および調圧リザーバ44を介して吸い込んで油経路Lr4,Lr2および
連通状態である増圧弁42,43を介して各ホイールシリンダWCrl,WCfrに吐出
して制御液圧を付与している。なお、ポンプ47が吐出したブレーキ液の脈動を緩和する
ために、油経路Lr4のポンプ47の上流側にはダンパ48が配設されている。
また、油経路Lr1には、マスタシリンダ23内のブレーキ液圧であるマスタシリンダ
圧を検出する圧力センサPが設けられており、この検出信号はブレーキ制御ECU26に
送信されるようになっている。なお、圧力センサPは油経路Lf1に設けるようにしても
よい。
さらに、ブレーキ液圧制御装置25の第2油経路Lfは第1油経路Lrと同様に油経路
Lf1〜Lf5から構成されている。第2油経路Lfには液圧制御弁41と同様な液圧制
御弁51、および調圧リザーバ44と同様な調圧リザーバ54が備えられている。ホイー
ルシリンダWCfl,WCrrに連通する分岐した油経路Lf2,Lf2には増圧弁42
,43と同様な増圧弁52,53が備えられ、油経路Lf3には減圧弁45,46と同様
な減圧弁55,56が備えられている。油経路Lf4には、ポンプ47、安全弁47aお
よびダンパ48と同様なポンプ57、安全弁57aおよびダンパ58が備えられている。
なお、増圧弁52,53には、それぞれ安全弁42a,43aと同様な安全弁52a,5
3aが並列に設けられている。
このように、ブレーキ液圧制御装置25は、マスタシリンダ23からの基礎液圧をホイ
ールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに直接付与することができる。ま
た、ブレーキ液圧制御装置25は、ポンプ47,57の駆動と液圧制御弁41,51の制
御によって形成された制御液圧を各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrのホイールシリ
ンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに付与することができる。すなわち、ブレ
ーキ液圧制御装置25は、運転者のブレーキペダル21の操作状態(踏込状態)に応じた
液圧をホイールシリンダWCfl,WCfr,WCrl,WCrrに付与することもでき
るし、運転者のブレーキペダル21の操作状態(踏込状態)に関係なくホイールシリンダ
WCfl,WCfr,WCrl,WCrrへの液圧を制御することが可能でもある。本実
施形態における車両運動制御装置は、ブレーキ液圧制御装置25とブレーキ制御ECU2
6を使用して行うもので、ブレーキ液圧制御装置25は車両Mの左右前後輪に独立してブ
レーキ力を付与する。
ブレーキ制御ECU26は、図1に示すように、左右前後輪の車輪速度を検出する車輪
速度センサSfl,Sfr,Srl,Srr、実ヨーレートを検出するヨーレートセンサ
27、車両の前後方向の加速度を検出する加速度センサ28、ステアリングセンサ29a
、車外の気温を検知する温度センサ30、車外の路面の状態を検出するカメラセンサ31
及び車両にかかる横加速度を検出する横加速度センサ34と接続されている。この横加速
度センサ34は、横加速度検出手段に相当する。
車輪速度センサSfl,Sfr,Srl,Srrは、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,
Wrrの付近にそれぞれ設けられており、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの回転
速度(車輪速度)に応じた周波数のパルス信号をブレーキ制御ECU26に出力している
。ヨーレートセンサ27は、車両Mのヨーレートを検出して検出信号をブレーキ制御EC
U26に出力している。加速度センサ28は、車両Mの前後方向や左右方向の加速度を検
出して検出信号をブレーキ制御ECU26に出力している。ステアリングセンサ29aは
、ステアリング29の中立位置からの回転角度を検出し、実ステアリング角度θ(実舵角
対応値)を示す信号をブレーキ制御ECU26に出力するようになっている。
ブレーキ制御ECU26は、マイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイク
ロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、
RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、図3のフローチャー
トに対応したプログラムを実行して、本発明の実施形態となる車両運動制御を実施する。
RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記
プログラムを記憶するものである。
次に、上記のように構成した車両運動制御装置について、図に基づいて以下に説明する
。ブレーキ制御ECU26は、車両Mのイグニションスイッチ(図略)がオン状態になる
と、図3のフローチャートに対応したプログラムを実行する。
ブレーキ制御ECU26は、ステアリングセンサ29aから入力された実ステアリング
角度(ハンドル角)θを示す信号から、実ステアリング角度(ハンドル角)θが閾値RA
以上であるか否かを判断する(ステップ102)。なお、本実施形態においては、図6に
示すように、車両Mが左回りに旋回する状態とする。また、ブレーキ制御ECU26は、
ステップ102において、ハンドル角が閾値RAよりも小さいと判断されたときには、プ
ログラムをステップ138に進めて一端終了する(ステップ138)。
実ステアリング角度θが閾値RA以上であると判断された場合には、旋回状態の演算を
行う。旋回状態の演算は、ヨーレート偏差Δωを求めることで行われる(ステップ104
)。
そのため、ブレーキ制御ECU26は、各車輪速度センサSfl,Sfr,Srl,S
rrからの車輪速度信号に基づき、各車輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrの車輪速度V
Wfl〜VWrrを演算する。ブレーキ制御ECU26は、この演算された車輪速度VW
fl〜VWrrのうち、例えば、後輪Wrr、Wrlが従動輪であるので、外側後輪車輪
速度VWrrと内側後輪車輪速度VWrlの平均値を求めて車速VBを算出する。また、
ブレーキ制御ECU26は、ヨーレートセンサ27からのヨーレートの方向及び大きさを
表わす信号を車両Mに発生する実際のヨーレートである実ヨーレートRωとして取得する
ブレーキ制御ECU26は、目標ヨーレートTωを算出する。具体的には、ブレーキE
CU26は、ステアリングセンサ29aから入力された実ステアリング角度θを示す信号
から、車両Mのステアリング角度θを算出する。そして、その算出したステアリング角度
θから操舵輪の切れ角ξ(車両の操舵角)を下記数1により算出する。
(数1)
操舵輪の切れ角ξ=C×ステアリング角度θ
さらに、ブレーキ制御ECU26は、下記数2によって車両速度VB、車両の操舵角ξ
およびスタビリティファクタAに基づいて目標ヨーレートTωを算出する。
Figure 2011068254
なお、Cはステアリング角度θに対する操舵輪の切れ角ξの比例定数(例えばステアリ
ングギヤ比)である。また、操舵輪の切れ角ξとは、車両Mが直進する方向に対する操舵
輪の操舵方向の角度のことをいう。また、Lは車両Mのホイールベースである。
ブレーキECU26は、先に取得された実ヨーレートRωと、算出された目標ヨーレー
トTωとを減算してヨーレート偏差Δω(Δω=Tω−Rω)を算出する。
そして、ブレーキ制御ECU26は、例えば予め設定された閾値Tusと算出されたヨ
ーレート偏差Δωを比較して、アンダーステア状態か否かを判断する(ステップ106)
。ヨーレート偏差Δωが閾値Tusより大きい場合には、車両Mはアンダーステア状態に
あり、閾値Tusより小さいときには、アンダーステア状態にない。ブレーキ制御ECU
26は、ステップ106において、アンダーステア状態にないと判断したときは、プログ
ラムをステップ138に進めて一端終了する。アンダーステア状態にあると判断された場
合には、車両Mが加速中か否かが判断される(ステップ108)。車両Mが加速中か否か
は、車速VBの微分演算により算出される。
dVB/dtがプラスであれば、車両Mは加速中であり、この場合ブレーキ制御ECU
26は、ブレーキ液圧制御装置25に外側前輪(右側前輪)Wfrにブレーキ力Aを付与
させる(ステップ110)。この場合、電動モータ33によって、ポンプ47を駆動させ
、マスタシリンダ23とホイールシリンダWCfrの側に所定の流量のブレーキ液を流出
させてホイールシリンダWCfrに液圧を付与する。
具体的には、液圧制御弁41,51は励磁されて差圧状態とされる。右側前輪Wfrに
対応した増圧弁43および減圧弁46が非励磁されてそれぞれ開状態・閉状態とされる。
これによって、所定の流量のブレーキ液を流出させてホイールシリンダWCfrに液圧を
付与して、外側前輪(右側前輪)Wfrにブレーキ力Aを付与する。ブレーキ力Aを付与
する大きさは、横加速度が大きい程大きくされるもので、液圧制御弁41に設けられたリ
ニアソレノイド41aで印加する電流を変化させることで実行される。その大きさは予め
作成されたマップAに基づいて決められる(図4参照)。右側後輪Wrrには液圧を付与
しないように、その車輪に対応した増圧弁53が励磁されて閉状態とされるとともに減圧
弁56が励磁されて開状態とされ、ホイールシリンダWCrrがリザーバ54に連通され
る。左側前輪Wfl,右側後輪Wrlにも同様に液圧を付与しないように、それぞれの車
輪に対応した増圧弁52,42が励磁されて閉状態とされるとともに減圧弁55,45が
励磁されて開状態とされる。
次に、ブレーキ制御ECU26は、外側前輪(右側前輪)Wfrのスリップ率を演算す
る(ステップ112)。右側前輪Wfrのスリップ率Sfoを、右側前輪Wfrの車輪速
度VWfrおよび車速VBに基づき以下の数3により算出する。
Figure 2011068254
次に、ブレーキ制御ECU26は、算出されたスリップ率Sfoが0又はその近傍値に
あるか否かを判断する(ステップ114)。このステップ114が、外向モーメント増加
検出手段を構成する。スリップ率Sfoが0又はその近傍値であると判断されたときには
、ブレーキ制御ECU26は、ブレーキ液圧制御装置25に右側前輪Wfrに付与させた
ブレーキ力Aの停止を行うべく、ホイールシリンダWCfrの液圧を下げる作動をおこな
う(ステップ116)。
ブレーキ制御ECU26は、続いて、内輪にブレーキ力を付与するESC(Elect
ronic Stability Control)に移行し、横滑り防止装置による制
御を開始する(ステップ118)。具体的には、例えば、ブレーキ制御ECU26は、ア
ンダーステア状態が発生した場合に、ブレーキ液圧制御装置25に内側後輪(左側後輪)
Wrlにブレーキ力を付与させて、旋回内向きのモーメントを車両に発生させる。この場
合、図5に示すように、ブレーキ力Aによる車両Mに前傾荷重を生じさせる効果が消失す
る前に内側後輪(左側後輪)Wrlにブレーキ力を付与する。右側前輪Wfrに対するブ
レーキ力Aが付与されても、まだアンダーステア状態のときに、外側前輪Wfrへのブレ
ーキ力Aが残留している間に続けて内輪Wrlにブレーキ力を付与するESC制御をおこ
なうので、旋回内向きのモーメントを車両Mに発生させてアンダーステア状態を解消する
そして、ESCによる制御により、プログラムをステップ120に進めて一端終了する
(ステップ120)。
ブレーキ制御ECU26は、ステップ108において、加速中でないと判断したときは
、ステップ122に移行し、減速中であるか否かを判断する。dVB/dtがマイナスで
あれば、車両Mは減速中であり、dVB/dtが0であれば、等速度で旋回中である。車
両Mが減速中であると判断された場合には、プログラムをステップ138に進めて一端終
了する。
dVB/dtが0である場合、即ち、等速度で旋回走行している場合、ブレーキ制御E
CU26は、車輪と路面との摩擦係数μが低いか否かを推定する(ステップ124)。こ
れは、温度センサ30、カメラセンサ31等により、路面と車輪との間の摩擦係数μを推
定する。例えば、温度センサ30よりが0℃以下であることが検出され、カメラセンサ3
1により路面が凍っていると判断される場合には摩擦係数μは小さいと推定され、反対に
温度センサ30により気温が20℃であり、カメラセンサ31により路面も乾いていると
判断される場合には、摩擦係数μは大きいと推定される。このステップ124が、摩擦係
数推定手段を構成する。摩擦係数μが大きいと推定された場合には、ブレーキ制御ECU
26は、ブレーキ液圧制御装置25に外側前輪(右側前輪)Wfrにブレーキ力Bを付与
させる(ステップ126)。このブレーキ力Bの付与は、図5に示される前述のブレーキ
力Aに付与したときに準じて行われ、摩擦係数μが大きいため、アンダーステア状態が増
大するのを抑制するためブレーキ力Aよりも比較的小さい値のブレーキ力が付与される。
なお、ブレーキ力Bを付与するポンプ47や増圧弁43等の作動については、ブレーキ力
Aを付与したときと同様であるので、説明を省略する。
なお、摩擦係数μが低いと判断された場合には、ステップ134に移行し、横滑り防止
装置(ESC)による制御が行われる。
次に、ブレーキ制御ECU26は、外側前輪(右側前輪)Wfrのスリップ率を演算す
る(ステップ128)。右側前輪Wfrのスリップ率Sfoを、右側前輪Wfrの車輪速
度VWfrおよび車速VBに基づきステップ112と同様にして算出する。
次に、ブレーキ制御ECU26は、スリップ率Sfoが0又はその近傍値であるか否か
を判断する(ステップ130)。スリップ率Sfoが0又はその近傍値であると判断され
たときには、ブレーキ制御ECU26は、ブレーキ液圧制御装置25に右側前輪Wfrに
付与させたブレーキ力Bの停止を行うべく、ホイールシリンダWCfrの液圧を低下させ
る作動をおこなう(ステップ132)。
ブレーキ制御ECU26は、続いて、ESCに移行し、横滑り防止装置による制御を開
始する(ステップ134)。具体的には、前述のブレーキ力Bによる車両に前傾荷重を生
じさせる効果が消失する前に内側後輪(左側後輪)Wrlにブレーキ力を付与する。この
ように右側前輪(外側前輪)Wfrに加えられたブレーキ力の作用が残留している間に連
続して内輪Wrlにブレーキ力を付与するESCによる制御をおこなうので、旋回内向き
のモーメントを車両に発生させてアンダーステア状態の解消を図る。
そして、ESCによる制御により、プログラムをステップ136に進めて一端終了する
(ステップ136)。
ブレーキ制御ECU26により、プログラムのステップ110において、車両Mの外輪
Wrr(例えば左旋回の場合)にブレーキ液圧制御装置25にブレーキ力を付与させる外
輪ブレーキ付与開始手段が構成され、プログラムのステップ116おいて、ブレーキ液圧
制御装置25による外側前輪Wrrのブレーキ力の付与を停止させる外輪ブレーキ力付与
停止手段が構成される。
ブレーキ制御ECU26と車輪速度センサSfr,Srl,Srrとにより、プログラ
ムのステップ112及びステップ128において、外側前輪Wrrのスリップ率を求める
スリップ率算出手段が構成される。ブレーキ制御ECU26により、プログラムのステッ
プ118とステップ134において内輪ブレーキ力付与開始手段が構成される。
上記の車両運動制御装置によると、旋回して走行する車両Mにおいて、アンダーステア
検出手段(車輪速度センサSrr,Srl,ブレーキ制御ECU26、ステアリングセン
サ29a、ヨーレートセンサ27)によりアンダーステア状態が検出される。アンダース
テア状態が検出されると、ブレーキ制御ECU26により旋回の外側前輪Wfrにブレー
キ力が付与される。この外側前輪Wrrへのブレーキ力に基づく制動力により車両Mに前
のめりの姿勢となる前傾荷重を生じさせ、外側前輪Wfrに作用する荷重が増大し、外側
前輪Wfrのグリップ力を増大し、旋回に基づいて車両に作用する遠心力よりグリップ力
が上回ることでアンダーステア状態の迅速な解消を図る。
そして、外側前輪Wflのスリップ率が、0又はその近傍値であると求められたときに
、外側前輪Wfrにブレーキ力を付与することが停止される。
前輪駆動車の旋回時においても、車両Mはその前輪と路面との間で所定のスリップ率を
有して走行しており、スリップ率が正のときは、左右前輪には駆動力が作用する。しかし
、スリップ率が負となると、外側前輪Wfrには路面からの制動力が作用し、旋回外向き
のモーメントが増大してアンダーステア状態が益々増大する。そのため、スリップ率が0
近辺となったときに、外側前輪Wfrにブレーキ力を付与することを停止する。
また、旋回走行中の車両Mの遠心力により生じる横力の大きさは、車両Mの横加速度が
大きくなるほど大きくなるので、ブレーキ力を横加速度が大きくなるほど大きくして、車
両Mを前のめり姿勢にする前傾荷重を増大させることで、外側前輪Wfrのグリップ力を
大きくして、効率的にアンダーステア状態を解消することができる。
また、ブレーキ制御ECU26にブレーキ液圧制御装置25に外側前輪Wfrにブレー
キ力を付与させることで、アンダーステア状態を抑制する。それでも、尚アンダーステア
状態にあるときESC制御を作動させることで、アンダーステア状態を解消することがで
きる。
ブレーキ制御ECU26にブレーキ液圧制御装置25に外側前輪Wfrにブレーキ力A
を付与させることで、アンダーステア状態が抑制される。しかし、アンダーステア状態が
生じたときには、外側前輪Wfrへのブレーキ力Aが残留している間に続けて内輪Wrl
にブレーキ力付与を開始するESC制御をおこなうので、アンダーステア状態を確実に解
消することができる。
また、車両Mが等速度で走行している場合に、ブレーキ制御ECU26,温度センサ3
0およびカメラセンサ31によって推定された車輪と路面との摩擦係数が大きい場合、外
側前輪Wfrに付与するブレーキ力を小さくするので、旋回の外向きのモーメントの発生
を抑制してアンダーステア状態となることを防止することができる。
なお、上記実施形態において、横加速度の検出を横加速度センサ34によるものとした
が、これに限定されず、例えば、車輪速度センサより求める車両速度、ステアリングセン
サから求める操舵角等より車両が走行する遠心力を演算して横加速度を求めてもよい。
また、車両の加速中、減速中を、車速VBの微分値dVB/dtで算出したが、これに
限定されず、例えば加速度センサの検出に基づいて判断してもよい。
また、旋回外側前輪にブレーキ力を付与することにより、車両を前輪荷重としたが、旋
回外側の後輪にブレーキ力を付与することや、旋回外側の前後輪にブレーキ力を付与する
ことにより、車両を前輪荷重としてもよい。
また、旋回外輪へのブレーキ力の付与の開始後における旋回外向きのモーメントの増加
をスリップ率に基づいて検出したが、当該旋回外向きのモーメントの増加の検出方法はこ
れに限定されない。例えば、車両の左右各輪に加わる荷重を検出する荷重センサを備え、
旋回外輪へのブレーキ力の付与の開始後に、荷重センサにより検出される旋回内輪の荷重
が増加した場合に、旋回外向きのモーメントの増加を検出するようにしてもよい。また、
車両の左右各輪のばね上及びばね下間の距離を検出するハイトセンサを備え、旋回外輪へ
のブレーキ力の付与の開始後に、ハイトセンサにより検出される旋回内輪のばね上及びば
ね下間の距離が減少した場合に、旋回外向きのモーメントの増加を検出するようにしても
よい。
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎ
ず、本発明はそのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範
囲で種々の態様を採り得るものである。
26…外輪ブレーキ力付与開始手段・スリップ率算出手段・外輪ブレーキ力付与停止手
段・内輪ブレーキ力付与開始手段・摩擦係数推定手段(ブレーキ制御ECU)、27…ア
ンダーステア検出手段(ヨーレートセンサ)、29a…アンダーステア検出手段(ステア
リングセンサ)、30…摩擦係数推定手段(温度センサ)、31…摩擦係数推定手段(カ
メラセンサ)、34…横加速度検出手段(横加速度センサ)、Sfl,Sfr,Srl,
Srr…アンダーステア検出手段・スリップ率算出手段(車輪速度センサ)。

Claims (7)

  1. 車両のアンダーステア状態を検出するアンダーステア検出手段と、
    前記アンダーステア検出手段によりアンダーステア状態が検出されたときに、
    前記車両の旋回外輪に対するブレーキ力の付与を開始する外輪ブレーキ力付与開始手段
    と、
    前記外輪ブレーキ力付与開始手段による旋回外輪へのブレーキ力の付与の開始後におけ
    る旋回外向きのモーメントの増加を検出する外向モーメント増加検出手段と、
    前記外向モーメント増加検出手段により旋回外向きのモーメントの増加が検出されたと
    きに、前記外輪ブレーキ力付与開始手段により開始された旋回外輪へのブレーキ力の付与
    を停止する外輪ブレーキ力付与停止手段と、
    を備えていることを特徴とする車両運動制御装置。
  2. 請求項1において、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段を備え、
    前記外輪ブレーキ付与開始手段及び前記外輪ブレーキ力付与停止手段により旋回外輪に
    付与されるブレーキ力の大きさを、前記横加速度検出手段により検出された横加速度が大
    きい程、大きくすることを特徴とする車両運動制御装置。
  3. 請求項1又は2において、前記外輪ブレーキ力付与開始手段により旋回外輪へのブレー
    キ力の付与が開始された後、前記アンダーステア検出手段により検出されているアンダー
    ステア状態に応じて、前記車両の旋回内輪に対するブレーキ力の付与を開始する内輪ブレ
    ーキ力付与開始手段を備えていることを特徴とする車両運動制御装置。
  4. 請求項3において、前記内輪ブレーキ力付与開始手段は、前記外輪ブレーキ力付与開始
    手段及び前記外輪ブレーキ力付与停止手段により旋回外輪に付与されているブレーキ力が
    残留している間に前記旋回内輪に対するブレーキ力の付与を開始することを特徴とする車
    両運動制御装置。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1項において、車輪と路面との間の摩擦係数を推定する摩擦
    係数推定手段を備え、
    前記摩擦係数推定手段により推定される摩擦係数が大きいほど、前記外輪ブレーキ力付
    与開始手段及び前記外輪ブレーキ力停止手段により旋回外輪に付与されるブレーキ力の大
    きさを、小さくすることを特徴とする車両運動制御装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、旋回外輪のスリップ率を算出するスリップ率
    算出手段を備え、前記外向モーメント増加検出手段は、前記スリップ率算出手段により算
    出されたスリップ率が0又はその近傍値である場合に、旋回外向きのモーメントの増大を
    検出することを特徴とする車両運動制御装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項において、前記外輪ブレーキ力付与開始手段及び前記外
    輪ブレーキ力付与停止手段によるブレーキ力を、旋回外側前輪に付与することを特徴とす
    る車両運動制御装置。
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