JP2011037763A - 花粉荷を含有する角質層機能保護剤 - Google Patents

花粉荷を含有する角質層機能保護剤 Download PDF

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Abstract

【課題】飲食品、医薬品等の様々な用途に利用することが可能である花粉荷を有効成分として含有する角質層機能保護剤を提供する。
【解決手段】花粉荷、又は花粉荷の溶媒抽出物を有効成分として含有し、経口剤として適用される角質層機能保護剤に関する発明であり、例えば、乾燥性敏感肌の改善剤、乾皮症の治療剤、又は皮脂欠乏性湿疹の治療剤として適用される。
【選択図】なし

Description

本発明は、花粉荷、又は花粉荷の溶媒抽出物を有効成分として含有することを特徴とし、経口剤として用いられる角質層機能保護剤であって、飲食品、医薬品等の様々な用途に利用することが可能である角質層機能保護剤に関する発明である。
一般に、花粉荷は、蜜蜂が植物の雄しべから花粉を得て、蜂蜜や唾液で丸めて団子状に固めたもので、良質なタンパク質、ビタミン及びミネラル等の多種多様な栄養素を含んでいる事から「パーフェクトフード」とも呼ばれている。花粉荷は、専用の採集器等により蜜蜂から容易に回収され、主に栄養補助食品等として摂取されている。
従来より、花粉荷は、いくつかの薬理効果を有することが知られている。花粉荷の薬理効果を利用した発明として、例えば特許文献1〜3に開示される花粉荷を含有する組成物が知られている。特許文献1は、花粉荷を有効成分として含有する骨量増進組成物について開示する。特許文献2は、花粉荷を有効成分として含有する糖尿病性疾患の予防・治療用組成物について開示する。特許文献3は、花粉荷を有効成分として含有するコラーゲンとヒアルロン酸の産生促進剤について開示する。
特開2007−016014号公報 特開2008−105982号公報 特開2008−133270号公報
ところで、皮膚は、外部環境の変化から体を守るために様々な機能を備えている。皮膚は、表皮、真皮、及び皮下組織の3つの組織から構成されるが、特に重要な働きをするのが表皮の一番外側の層を構成する角質層である。角質層は、体内と外部環境を分ける層で、保湿機能とバリア機能の2つの重要な機能を有している。保湿機能とは、適度な水分を保持することにより皮膚に柔軟性を付与する機能である。バリア機能は、体内の水分の蒸散を防いで、体内からの水分の遺失を防止するとともに、外部からの異物の進入を防止する機能である。皮膚の水分は、主として角質層を構成する脂質や天然保湿因子等の保湿成分の働きによって保たれている。
しかしながら、加齢及びホルモンバランスの変化等の内的要因、並びに過度の洗顔、冬場の乾燥した空気、及びエアコンの風等の外的要因によって角質層の保湿成分が減少したり、角質層が損傷を受けると、角質層の機能が低下する。角質層の機能が低下すると、例えば乾燥性敏感肌、乾皮症、又は皮脂欠乏性湿疹の症状を引き起こすことが知られている。
従来のスキンケア剤は、例えば保湿剤を含有する基礎化粧品のように、顔等の皮膚の一部に塗付することにより適用するものが多く知られている。スキンケア剤を塗布剤として適用する方法は、塗布後の剤が衣服に付着することにより有効成分が十分皮膚に浸透しない場合があるという問題があった。また、例えば症状が背中等の塗布しにくい場所や全身の場合、塗布作業を十分に行うことができないという問題があった。
従来、花粉荷の生理作用に関し、例えば特許文献3に開示されるようにヒト正常線維芽細胞におけるコラーゲン又はヒアルロン酸の産生に関する事項が知られている。しかしながら、花粉荷の皮膚に対する直接的な作用効果は、十分に解明されていない。
本発明者らは、上述した花粉荷の新たな生理作用を模索した。その結果、花粉荷を経口摂取することにより角質層機能保護作用を発揮することを発見するに至った。本発明の目的とするところは、飲食品、医薬品等の様々な用途に利用することが可能である花粉荷を有効成分として含有する角質層機能保護剤を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の角質層機能保護剤は、花粉荷、又は花粉荷の溶媒抽出物を有効成分として含有し、経口剤であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の角質層機能保護剤において、前記角質層機能保護剤は、皮膚保湿機能保護剤又は皮膚バリア機能保護剤であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の角質層機能保護剤において、前記角質層機能保護剤は、乾燥性敏感肌の改善剤、乾皮症の治療剤、又は皮脂欠乏性湿疹の治療剤であることを特徴とする。
本発明によれば、飲食品、医薬品等の様々な用途に利用することが可能である花粉荷を有効成分として含有する角質層機能保護剤を提供することができる。
マウスの摂水量を測定した結果を示すグラフ。(a)乾燥肌モデルマウス(HR−AD飼料摂取群)と標準マウス(CE−2飼料摂取群)との対比。(b)0.1%花粉荷エタノールエキス投与群とコントロール(乾燥肌モデルマウス)との対比。 マウスの摂水量を測定した結果を示すグラフ。(a)0.3%花粉荷エタノールエキス投与群とコントロール(乾燥肌モデルマウス)との対比。(b)1.0%花粉荷エタノールエキス投与群とコントロール(乾燥肌モデルマウス)との対比。 マウスの皮膚の水分量を測定した結果を示すグラフ。(a)乾燥肌モデルマウス(HR−AD飼料摂取群)と標準マウス(CE−2飼料摂取群)との対比。(b)0.1%花粉荷エタノールエキス投与群とコントロール(乾燥肌モデルマウス)との対比。 マウスの皮膚の水分量を測定した結果を示すグラフ。(a)0.3%花粉荷エタノールエキス投与群とコントロール(乾燥肌モデルマウス)との対比。(b)1.0%花粉荷エタノールエキス投与群とコントロール(乾燥肌モデルマウス)との対比。 各飼料投与マウスにおける皮膚の硬さを測定した結果を示すグラフ。 各飼料投与マウスにおける皮膚の弾力を測定した結果を示すグラフ。 各飼料投与マウスにおける皮膚の紅斑を測定した結果を示すグラフ。
以下、本発明の角質層機能保護剤を具体化した一実施形態を説明する。
本実施形態の角質層機能保護剤は、花粉荷又は花粉荷から溶媒により抽出処理することにより得られる溶媒抽出物を有効成分として含有する。花粉荷は、上述したように蜜蜂が植物の雄しべから花粉を得て、蜂蜜や唾液で丸めて団子状に固めたもので、ビタミン及びミネラル等の多種多様な栄養素を含んでいる。花粉荷の原産地は、特に限定されず、例えば日本、中国、ブラジル、ヨーロッパ諸国、オセアニア諸国、及びアメリカ等のいずれであってもよい。また、花粉荷の原料となる花粉の起源植物としては、特に限定されず、蜜蜂が採取したものであればいずれも使用することができる。花粉の起源植物としては、例えば、ハンニチバナ科、ツツジ科、シソ科、ムラサキ科、ブナ科、キク科、モクセイ科、アブラナ科、マメ科、バラ科、及びヤナギ科が挙げられる。これらの中で、ハンニチバナ科、及びアブラナ科が入手容易性の観点から好ましい。ハンニチバナ科としては、例えばシスタス属ジャラが挙げられる。アブラナ科としては、例えばアブラナ属ナタネ、及びダイコン属ダイコンが挙げられる。花粉荷の採集方法としては、特に限定されず公知の方法を適宜採用することができる。例えば、巣箱の出入り口に取り付けられ、格子状の剥取多孔板を備えてなる花粉採集器を用いる方法、巣板又は蜜蜂に付着した花粉荷を直接採集する方法等が挙げられる。
本実施形態において、有効成分として花粉荷自体の他、花粉荷から溶媒により抽出処理することにより得られる溶媒抽出物を有効成分として使用してもよい。抽出処理に使用される溶媒としては、例えば水、親水性有機溶媒、及び水/親水性有機溶媒の混合液が挙げられる。親水性有機溶媒としては、水に溶解する性質を有するエタノール、メタノール、イソプロパノール等の低級アルコールのほか、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、ヘキサン、酢酸エチルを適宜選択して使用することができる。これらの親水性有機溶媒を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これら溶媒の中でも、抽出物の角質層機能保護作用がより優れる水又はエタノールを好ましく適用することができる。また、不純物の除去又は有効成分の濃縮を目的として、抽出の前処理又は後処理として、酸・アルカリ処理を施してもよい。
抽出溶媒として例えば水が使用される場合、溶媒の花粉荷に対する添加量は、抽出効率の点から、花粉荷1質量部に対して1〜10質量部が好ましく、4〜8質量部がより好ましく、5〜6質量部が最も好ましい。これらの抽出溶媒は、花粉荷とともに混合及び撹拌される。抽出温度は溶媒の種類等により適宜設定されるが、水の場合、有効成分の抽出効率の観点から温水であることが好ましい。具体的には、30〜80℃が好ましく、55〜65℃がより好ましい。抽出温度が30℃未満の場合には、溶解成分と不溶性成分の分離効率が低下するため好ましくない。逆に抽出温度が80℃を超える場合には、抽出成分の変性を招くおそれがある。抽出の時間は、抽出温度等により適宜設定されるが、例えば2〜48時間程度が好ましく、2〜10時間程度がより好ましい。得られた抽出物は、水に可溶性の画分と沈殿物からなる不溶性の画分から構成される。これらの可溶性画分と不溶性画分は、公知の方法、例えば濾過処理、及び遠心分離を用いることにより、容易に分離することができる。このうち可溶性画分を溶媒抽出物として使用することができる。
抽出溶媒として例えばエタノールが使用される場合、溶媒の花粉荷に対する添加量は、抽出効率の点から、花粉荷1質量部に対して1〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましく、2〜3質量部が最も好ましい。これらの抽出溶媒は、花粉荷とともに混合及び撹拌される。抽出温度は溶媒の種類等により適宜設定されるが、エタノールの場合、有効成分の抽出効率の観点から10〜40℃であることが好ましい。抽出温度が10℃未満の場合には、溶解成分と不溶性成分の分離効率が低下するため好ましくない。逆に抽出温度が40℃を超える場合には、抽出溶媒が蒸発するため抽出効率の低下を招くおそれがある。抽出の時間は、抽出温度等により適宜設定されるが、例えば2〜48時間程度が好ましく、2〜20時間程度がより好ましい。得られた抽出物は、エタノール溶媒に可溶性の画分と沈殿物からなる不溶性の画分から構成される。これらの可溶性画分と不溶性画分は、公知の方法、例えば濾過処理、及び遠心分離を用いることにより、容易に分離することができる。このうち可溶性画分を溶媒抽出物として使用することができる。また、抽出効率を向上させる観点から、エタノール不溶性の画分に再度エタノールを添加し、抽出処理を行ってもよい。
本実施形態の角質層機能保護剤は、経口投与により、優れた角質層機能保護作用を発揮する。角質層機能保護作用として、具体的には皮膚保湿機能保護作用、及び皮膚バリア機能保護作用が挙げられる。したがって、本実施形態の角質層機能保護剤は、例えば皮膚保湿機能保護剤又は皮膚バリア機能保護剤として好ましく適用することができる。角質層の皮膚保湿機能とは、適度な水分を保持することにより皮膚に柔軟性を付与する機能である。角質層の皮膚バリア機能は、体内の水分の蒸散を防いで、体内からの水分の喪失を防止するとともに、外部からの異物の進入を防止する機能である。角質層の機能は、例えば、加齢及びホルモンバランスの変化等の内的要因、並びに過度の洗顔、冬場の乾燥した空気、及びエアコンの風等の外的要因によって角質層の保湿成分が減少したり、角質層自体が損傷を受けた場合に低下する。本実施形態の角質層機能保護剤は、様々な要因により、角質層の機能が低下した場合に好ましく適用される。
さらには、角質層の機能が低下することにより生ずる乾燥性敏感肌の改善剤、乾皮症の治療剤、及び皮脂欠乏性湿疹の治療剤、又はそれらの発症の予防剤として好適に適用される。本実施形態の角質層機能保護剤の具体的な適用形態としては、経口剤として、上記の作用効果を得ることを目的とした飲食品、医薬品等に適用することができる。
本実施形態の角質層機能保護剤を飲食品に適用する場合、種々の食品素材又は飲料品素材に添加することによって使用することができる。飲食品の形態としては、特に限定されず、液状、粉末状、ゲル状、固形状等のいずれであってもよく、また剤形としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、ドリンク剤等のいずれであってもよい。その中でも、吸湿性が抑えられ、保存安定性が良好なカプセル剤であることが好ましい。前記飲食品としては、その他の成分としてゲル化剤含有食品、糖類、香料、甘味料、油脂、基材、賦形剤、食品添加剤、副素材、増量剤等を適宜配合してもよい。
本実施形態の角質層機能保護剤を医薬品として使用する場合は、上述したように、服用(経口摂取)により投与することができる。剤形としては、投与方法に応じ公知の剤形を適宜採用することができる。例えば、液剤、散剤、粉剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤等が挙げられる。また、添加剤として賦形剤、基剤、乳化剤、溶剤、安定剤等を配合してもよい。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態において、花粉荷、又は花粉荷の溶媒抽出物は、経口投与により、高い角質層の機能保護作用を発揮する。したがって、角質層機能保護剤として、角質層の機能保護作用の発揮を目的とした飲食品及び医薬品等に好ましく適用することができる。
(2)本実施形態の角質層機能保護剤は、経口摂取により投与される。したがって、角質層の機能保護作用の効果を効果的に発揮することができる。
(3)本実施形態の角質層機能保護剤は、経口剤として構成される。したがって、保湿剤を含有する基礎化粧品のように、塗布作業の必要なく、また塗布剤が衣服に付着するおそれがない。さらに、患部が例えば背中等の塗布しにくい場所や全身の場合、塗布作業の困難性を伴うことがない。よって、簡便に且つ確実に角質層の機能保護作用の発揮を期待することができる。
(4)本実施形態の角質層機能保護剤は、優れた角質層の機能保護作用、例えば皮膚保湿機能保護作用及び皮膚バリア機能保護作用を発揮する。したがって、角質層の機能が低下した場合に生ずる乾燥性敏感肌、乾皮症、及び皮脂欠乏性湿疹に対する改善剤又は治療剤として好ましく適用することができる。
(5)たとえば、乾燥肌(乾燥性敏感肌)発症の機序としては、まず角質層のセラミドが減少により、水分保持能力が低下し、乾燥肌となる。次に、角質層の被薄化により、角質層の機能が低下すると、外部刺激に対し過敏になり、最終的に乾燥性敏感肌となる。本実施形態の角質層機能保護剤は、優れた皮膚の乾燥抑制効果を発揮することから、皮膚の乾燥に伴って生ずる過敏症の症状の緩和を図ることができる。
(6)本実施形態の角質層機能保護剤において、花粉荷の溶媒抽出物を得るために用いられる溶媒は、好ましくは水、親水性有機溶媒、又は水/親水性有機溶媒の混合液である。したがって、有効成分として花粉荷自体を用いるよりも不純物の含有量が少ないため、より効果の高い角質層の機能保護作用の発揮を期待することができる。
(7)本実施形態では、角質層機能保護剤の有効成分として、天然素材である花粉荷又はその溶媒抽出物が用いられる。したがって、副作用を生ずるおそれがなく、安全に各種用途に適用することができる。
(8)本実施形態の角質層機能保護剤は、有効成分として花粉荷が含有される場合、花粉荷には、ビタミン及びミネラル等の多種多様な栄養素を含んでいる事から、摂取により各種栄養成分の補給も行うことができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の角質層機能保護剤は、角質層の機能が低下した場合に生ずる乾燥性敏感肌、乾皮症、及び皮脂欠乏性湿疹に対する改善剤又は治療剤として、好ましく適用される。しかしながら、上記実施形態の角質層機能保護剤は、それらの症状の発症予防剤として適用してもよい。
・上記実施形態の角質層機能保護剤は、ヒト以外に角質層を有する他の動物、例えば家禽、家畜、ペット等の飼養動物に適用してもよい。
以下に試験例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(花粉荷エタノール抽出エキスの調製)
半径数キロ以内の周辺植物としてシスタス属ジャラ等が存在するセイヨウミツバチの巣箱から花粉荷を得た。その花粉荷50gに、抽出溶媒としてのエタノール100gを加えて室温で一晩攪拌して抽出した。そして、前記花粉荷の抽出液を濾紙(アドバンテック東洋株式会社製のNo.2)で濾過して、エタノールに不溶性の残渣と上澄み(抽出液)を分離することによって、抽出液98g(固形分4.8質量%)を得た(一次エタノール抽出エキス)。さらに残渣に、抽出溶媒としてのエタノール100gを加えて室温で4時間攪拌して抽出した。濾過して、エタノールに不溶性の残渣と上澄み(抽出液)を分離することによって、抽出液95g(固形分3.8質量%)を得た(二次エタノール抽出エキス)。一次エタノール抽出エキスと二次エタノール抽出エキスを混合し、これを花粉荷エタノール抽出エキス(花粉荷エタノール抽出物)とした。
(乾燥肌モデルマウスの作製)
被検動物として、4週齢の雄性Hos:HR−1系ヘアレスマウス(星野実験動物社製)を用いた。乾燥肌モデルマウスは、Hos:HR−1系ヘアレスマウスをマグネシウム及び必須脂肪酸を制限した特殊精製飼料(HR−AD飼料、日本農産工業社製)にて10週間飼育し、乾燥肌モデルマウスを作製した(Fujii M, et al. Exp Dermatol, 2005, 14, 460-468.)。乾燥肌モデルマウスのうち、花粉荷エタノール抽出エキス投与群には、上記花粉荷エタノール抽出エキスを0.1、0.3、及び1.0質量%の割合で混合したHR−AD飼料を用い、それぞれ同様に飼育した。比較対象の標準マウスは、飼料として一般飼育用飼料(CE−2飼料、日本クレア社製)を使用した。CE−2飼料及びHR−AD飼料の成分組成を表1に示す。
Figure 2011037763
マウスは、入手後約1週間の馴化期間を設けた後、体重を基準として群分けした。
<動物の飼育条件>
ケージ:滅菌チップを入れたプラスチックケージを用い、1ケージあたり4匹までの群飼育とした。
室 温:23±1℃
湿 度:55±10%
照 明:明暗各12時間
(摂水量、並びに皮膚の水分量、粘弾性及び紅斑の測定試験)
<測定方法>
摂水量は、花粉荷エタノール抽出エキスの投与開始日を基準として、6週後、8週後、及び10週後に1日の摂水量について、それぞれ計量した。結果を図1,2に示す。
皮膚の各パラメータの測定は、キュートメーター(Cutometer MPA580、Courage + Khazaha electronic Gmbh社製)を用いた。
皮膚水分量の測定は、花粉荷エタノール抽出エキスの投与開始前、投与2週後、4週後、6週後、8週後、及び10週後にそれぞれ実施した。マウスの左右腹部・背側の各3箇所(計6箇所)を測定した平均値を、各個体の皮膚水分量とした。結果を図3,4に示す。
皮膚の粘弾性及び紅斑の測定は、花粉荷エタノール抽出エキス投与の10週後にそれぞれ実施した。マウスの左右腹部・背側の各3箇所(計6箇所)を測定した平均を、各個体の粘弾性及び紅斑とした。
皮膚粘弾性の測定条件:
吸引圧:450mbar
プローブ開口径:2mm
吸引時間:5秒
吸引解放後の時間:3秒
吸引及び開放の繰り返し回数:3回
皮膚の粘弾性評価は、皮膚の硬さと関連するR0、皮膚の弾性及び加齢と関連するR7を指標として評価した。
R0:最初の波形の振幅最大値(R0=Uf)
R7:弾力性の部分を完全な波形(弾力性100%)と比較した値(R7=Ur/Uf、Urは開放時の弾性伸びの高さ)
皮膚の硬さ、弾力、及び紅斑の測定結果をそれぞれ図5〜7に示す。
<結果及び考察>
図1,3に示されるように、HR−1系ヘアレスマウスをHR−AD飼料で飼育することによって、継時的な皮膚水分量の減少、及び体表面からの水分蒸散に起因すると考えられる摂水量の増加が観察された。
図3(b)、図4に示されるように、花粉荷エタノール抽出エキス投与群では、皮膚水分量の減少が投与量(濃度)依存的に抑えられることが観察された。また、図1(b)、図2に示されるように、花粉荷エタノール抽出エキスの0.3質量%及び1.0質量%投与群では、摂水量増加も抑制されることが観察された。以上により、花粉荷の摂取により、皮膚の保湿性が向上することが確認された。
図5,6に示されるように、皮膚の硬さ及び弾力試験においては、花粉荷エタノール抽出エキスの0.3質量%及び1.0質量%投与群で有意な抑制効果又は抑制傾向がみられた。また、図7に示されるように、角質層の機能低下による炎症性反応に起因すると考えられる皮膚の紅斑試験においては、花粉荷エタノール抽出エキス投与群で投与量(濃度)依存的な抑制がみられ、花粉荷エタノール抽出エキスの1.0質量%投与群の紅斑の程度は標準マウス(CE−2飼料摂取群)と同程度にまで抑制されることが観察された。
以上により、花粉荷の摂取により、マグネシウム及び必須脂肪酸制限飼料による角質層の機能の低下が改善又は抑制されることが確認された。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。(a)前記角質層機能保護剤を含有する飲食品又は医薬品。(b)前記親水性有機溶媒は、エタノールである前記角質層機能保護剤。

Claims (3)

  1. 花粉荷、又は花粉荷の溶媒抽出物を有効成分として含有し、経口剤であることを特徴とする角質層機能保護剤。
  2. 前記角質層機能保護剤は、皮膚保湿機能保護剤又は皮膚バリア機能保護剤であることを特徴とする請求項1に記載の角質層機能保護剤。
  3. 前記角質層機能保護剤は、乾燥性敏感肌の改善剤、乾皮症の治療剤、又は皮脂欠乏性湿疹の治療剤であることを特徴とする請求項1に記載の角質層機能保護剤。
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