JP2011033756A - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】消費電力が小さく、走査レンズの温度上昇、光走査装置の温度偏差や振動を低減して画像の経時安定性を確保し、プリント画像の倍率誤差を低減する。
【解決手段】駆動信号とPDaとの位相差は位相比較器とカウンタにより計測し、基準となる共振周波数との差分を演算して、差分が許容値範囲外であれば駆動周波数を変化させ、共振周波数に一致させるように調整する。許容値設定は共振周波数の変動で生じる振幅低下を補正できる限界値から設定される。振幅低下を補正(振幅一定の制御)するために、駆動電圧を上昇させる駆動回路の耐圧、および振動ミラーの許容耐圧のどちらか低い方に差分の許容値を決める。共振周波数と駆動周波数の差異検出は、振動ミラー振幅を一定に制御した状態で行われ、駆動電圧の周波数調整タイミングは、偏向走査ビームの走査特性が変わるため、被走査面領域をレーザビームが走査していない非画像形成中のタイミングで行う。
【選択図】図12

Description

本発明は、レーザラスタ書込光学系を有する光走査装置および画像形成装置に関するものである。
従来、画像形成装置の光走査装置に用いられる光偏向器としては、ポリゴンミラーが広く用いられている。特に、カラー画像形成装置の高速プリント化・高画質化を実現するに当たって、ポリゴンスキャナを25000rpm以上の高速で、かつ高精度に回転させる必要が生じている。一方、レーザビームの小径化による高画質化のため、前述のポリゴンスキャナに使用されるポリゴンミラーの内接円半径や主走査方向の長さが比較的大きく、ポリゴンスキャナとして高負荷化の動向にある。
高負荷化により、ポリゴンスキャナの消費電力は増加し、その発熱が走査レンズなどの光学素子に悪影響を与えることとなる。具体的にはポリゴンスキャナに最も近接する走査レンズの温度上昇である。ポリゴンスキャナからの発熱は光学ハウジングを伝熱して、または輻射により走査レンズの温度が上昇する。実際には、走査レンズを均一に温度上昇させるのではなく、発熱源(ポリゴンスキャナ)からの距離または各々材質の熱膨張率差や気流の影響により、特に長手方向となる主走査方向に対して温度分布をもつことになる。
主走査方向に温度分布をもつと、特に走査レンズの形状精度および屈折率が変化してしまい、レーザビームのスポット位置が変動し、画質が劣化する。この問題は特に熱膨張率の大きいプラスチック材料を用いた場合が顕著となる。
カラー画像形成装置においては、各色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)に応じたレーザビームを各々走査しているので、前述した問題以外に各色に対応する光走査装置間の温度偏差が問題となる。この温度偏差は各色に対応するビームスポットの相対位置関係のずれを発生させ、画像の色ずれとなってしまう。
また、高負荷ポリゴンミラーの発熱による温度上昇が回転体構成部品(特に質量割合の多いポリゴンミラー)の微移動を誘発し、回転体バランスを変化させ、振動を発生させてしまう。回転体を構成している部品(ポリゴンミラー、ロータ磁石が固定されるフランジ、軸等)の熱膨張率が異なっていたり、一致していても部品公差や固定方法などを厳密に管理、検査しないと高温高速回転時に微移動(回転体のバランス変化)が発生し、ひいては振動を増大させる結果となっていた。振動が光走査装置内の光学素子(例えば、折り返しミラー)へ伝達増幅させバンディングを発生させ画像劣化や騒音を引き起こすことになる。
これらの課題を解決するため、ポリゴンミラー偏向器として共振現象を用いた振動ミラーが検討されている。例えば、共振型の振動ミラーを偏向器として用いる画像形成装置において、感光体の回転移動速度を変更したり、画像の解像度を変更する場合には、偏向器の駆動周波数はその稼動条件に応じた駆動周波数Fdに変更設定されるが、そのままの状態では共振周波数Frと駆動周波数Fdとが不一致となり、偏向ミラー面の振幅値は低下することになる。そこで、駆動周波数Fdの変更設定に追随して偏向器の共振特性を駆動周波数側にシフトさせる。これにより、振幅値が最大振幅を示す偏向器の共振周波数Frと駆動周波数Fdとをほぼ一致させるように制御する装置が特許文献1に記載されている。本方式は消費電力が小さく、光走査装置に使用される走査レンズの温度上昇、カラー画像形成装置の光走査装置の温度偏差や振動を低減するというメリットがある。
しかしながら、振動ミラーは共振現象を利用しているため振動ミラー部の反射面形状サイズやその周辺である梁部の形状サイズの寸法誤差が共振周波数を異ならせてしまう。また、寸法誤差は数ミリの反射面形状に対して、μm以下の加工精度が必要となるが達成できていないのが現状である。その結果、量産時に共振周波数のばらつきが発生してしまい画像形成時に画像の倍率誤差を発生させるといった不具合があった。
さらに、環境温度変化に対して梁部の剛性(ヤング率)が変化することによる共振周波数の変動も避けられず、経時変化で倍率誤差が変動するといった不具合も併せもっていた。
また、特許文献1においても、共振周波数と駆動周波数を一致させるために振動ミラーの共振周波数を変化させる方法であり、開示されているような電気抵抗素子でねじりバネの温度変化によって共振周波数を変化させる方法は時間を要するため、その時間は画像形成ができないといった不具合や制約が生じる恐れがある。
さらに、画像の解像度の変更を行って駆動周波数と共振周波数を一致させても、共振型の振動ミラーは環境温度により共振周波数が変化するため、画像形成装置内の経時的な温度環境変化とともに所望の振幅が得られないといった恐れがある。
本発明は、前記従来技術の課題を解決するものであり、消費電力が小さく、光走査装置に使用される走査レンズの温度上昇、光走査装置の温度偏差や振動を低減して画像の経時安定性を確保するという振動ミラーの本来の効果を有しながら、プリント画像の倍率誤差を低減する光走査装置および画像形成装置を実現することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載した光走査装置は、複数の光源装置から出射されたレーザビームを単一の振動ミラー偏向器により主走査方向に偏向走査し、複数の被走査面に向かって集光する走査結像手段を有する光走査装置において、振動ミラー偏向器の共振周波数と駆動周波数との差異を検出し、差異が所望の範囲外のとき、共振周波数に一致させるように駆動周波数を調整する制御手段を備えたことを特徴とする。
この構成によって、画像品質を劣化させない光走査装置が実現できる。
また、請求項2,3に記載した発明は、請求項1,2の光走査装置であって、振動ミラー偏向器の振幅を一定に制御した状態で駆動周波数の電圧波形を基準として、偏向走査されるレーザビームの走査領域内に配置された受光素子(PDa,PDb)からの出力信号との位相差を計測し、位相差の変動から共振周波数と駆動周波数との差異を検出すること、さらに、振動ミラー偏向器による偏向走査時は、共振周波数と駆動周波数との差異を常時検出することを特徴とする。
この構成によって、装置の停止を伴うことのなく調整可能な光走査装置が実現できる。
また、請求項4,5に記載した発明は、請求項1〜3の光走査装置において、制御手段による駆動周波数の調整は、被走査面領域にレーザビームを走査しているか否かを判断し、非画像形成時のタイミングで行うこと、または、制御手段による駆動周波数の調整は、共振周波数と駆動周波数との差異が所望の範囲外となったタイミングで随時行い、調整は段階的に駆動周波数を変化させて行うことを特徴とする。
この構成によって、装置の停止を伴うことのなく調整可能な光走査装置が実現できる。
また、請求項6に記載した発明は、請求項1〜5の光走査装置において、複数の光源装置から出射されたレーザビームは、振動ミラー偏向器の反射面に対して副走査方向に角度を有して入射するとともに、偏向される複数のレーザビームはすべて同方向に走査することを特徴とする。
この構成によって、光走査装置およびこれを用いる画像形成装置の小型化することができる。
また、請求項7に記載した画像形成装置は、潜像担持体に光走査により潜像を形成し、潜像を可視化して所望の記録画像を得る画像形成装置において、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光走査装置を用いることを特徴とする。
この構成によって、画像品質を劣化させない画像形成装置が実現できる。
本発明によれば、消費電力を抑え、走査レンズの温度上昇、光走査装置の温度偏差や振動を低減して画像の経時安定性を確保する振動ミラーの効果を有しながら、プリント画像の倍率誤差を低減する光走査装置および画像形成装置を実現することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態における光走査装置の概略を示す斜視図 本実施の形態における画像形成装置の概略断面図 本実施の形態における振動ミラーで(a)は第1の基板、(b)は第2の基板の詳細図 本実施の形態における振動ミラーの分解斜視図 本実施の形態における光学ハウジングへ搭載される振動ミラーユニットを示す図 本実施の形態における光走査装置の感光体ドラム要部を概略的に示す図 本実施の形態における時間に対する振動ミラー振幅の波形を示す図 本実施の形態における振動ミラーの揺動ばらつきの振幅変動を説明する図 本実施の形態における振動ミラーの揺動ばらつきの振幅位置変動を説明する図 本実施の形態における振動ミラーの揺動ばらつきの位相変動を説明する図 本実施の形態における振動ミラーの駆動周波数fdと共振周波数frの関係を示す図 本実施の形態における制御手段を示すブロック図 本実施の形態における振動ミラーの共振周波数特性と位相特性で共振周波数の降下変位を示す図 本実施の形態における振動ミラーの共振周波数特性と位相特性で共振周波数が上昇変位を示す図 本実施の形態における受光素子を走査するレーザビームとの関係を示す図
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における光走査装置の概略を示す斜視図であり、図2は画像形成装置の概略断面図である。光走査装置5は、図2に示した画像形成装置1内の4つの感光体ドラム3Y,3M,3C,3K(以下、符号に対する添字Y,M,C,Kを適宜付け、Y:イエロー,M:マゼンタ,C:シアン,K:ブラックの色に対応する部分として区別するものとする。)が並設された作像部の上方に配置されている例である。
光走査装置5は、各色に対応する4つの光源10と、各光源からのレーザビームを偏向走査する光偏向手段(振動ミラー11)と、4つの感光体ドラム3Y、3M、3C、3Kの被走査面上に導く走査結像光学系を備えており、これらの構成部材は図示しない光学ハウジング内に収納されている。
図1の光源10は、半導体レーザとカップリングレンズにより構成される「光源装置」を各色に対応するよう4つ有している(10Y,10M,10C,10K)。光源における4つの半導体レーザは、それぞれ、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色成分画像を書込むための光束を放射する。各半導体レーザから放射される光束は、カップリングレンズにより以後の光学系に適合する光束形態(平行光束あるいは弱い発散性もしくは集束性の光束)に変換され、折り返しミラー13を経てシリンドリカルレンズ12により副走査方向に集束されて偏向走査手段である振動ミラー11の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像される。
振動ミラー11に対して入射側には図示しないレーザ透過部材を配置されている。光源10側からの各光束はレーザ透過部材を介して振動ミラー11に入射する。振動ミラー11の揺動により同一方向に偏向された4色分の偏向光束は、走査結像光学系の走査レンズ群を構成する第1のレンズ14を透過する。ブラック成分画像を書込む光束(例えば、レンズの上端の位置)はミラー16Kで反射され、走査レンズ群を構成する第2のレンズ17Kを透過し、被走査面の実態をなすドラム状の光導電性の感光体ドラム3K上に光スポットとして集光し、感光体ドラム3Kの表面を矢印方向Aに光走査する。走査レンズ群の第1,第2のレンズ14,17Kの材質は、非球面形状が容易かつ低コストなプラスチック材質からなり、具体的には低吸水性や高透過率、成形性に優れたポリカーボネートやポリカーボネートを主成分とする合成樹脂が好適である。
イエロー,マゼンタ,シアンの各色成分画像を書込む光束もそれぞれ前記と同様に、ミラーで反射され、レンズを透過、感光体上に光スポットとして結像し、各色とも同一の矢印方向に走査される。この光走査により各感光体に対応する色成分画像の静電潜像が形成される(ブラック以外の各色に相当する光学素子等には番号は付記していないが、ブラックの略意である「K」が番号後に付されている部品はイエロー,マゼンタ,シアンとも光学的な同位置に配置されている)。
これら静電潜像は、現像装置により対応する色のトナーで可視化され、中間転写ベルト2上に転写される。転写の際、各色トナー画像は互いに重ね合わせられカラー画像を構成する。このカラー画像はシート状記録媒体上へ転写され、定着される。カラー画像転写後の中間転写ベルト2はクリーニング装置(図示せず)でクリーニングされる。
以上説明したように図1は、カラー画像を構成する2以上の色成分画像に対応する複数の光源10から放射された各光束を、偏向走査手段の振動ミラー11により同一方向に偏向走査し、各偏向光束を走査結像光学系のうち各色共通に透過する第1のレンズ14と、各々の走査結像手段に設けられた例えばレンズ17K(ブラック)により、各色成分画像に対応する被走査面に向かって個別的に集光させて光走査を行い、各色成分に相当する4つの走査結像手段を有する光走査装置5である。
振動ミラー11の反射面に入射する各色のレーザビームは副走査方向に対して、所望の角度を有している(いわゆる、斜入射光学系)。具体的には最大となる色のレーザビームで5°以下となるように設定されている。入射角度が5°以上の場合、被走査面上での走査線曲がりが大きく発生し、かつレーザビームが太径化し結果として画像の劣化を招く。反面、各色のレーザビームが斜入射せずに水平で入射(斜入射角が0°)する場合、反射面の副走査方向の幅が多く必要となるため、振動ミラーの負荷が大きくなり、振動周波数が高くできないといった不具合がある。
図3は振動ミラーの基板((a)は第1の基板、(b)は第2の基板)の詳細図、図4は振動ミラーの分解斜視図である。振動ミラー11は、表面にミラー面を形成し振動子をなす可動部と、それを支え回転軸をなすねじり梁と、支持部をなすフレームとからなり、Si基板をエッチングにより切り抜いて形成する。
本実施の形態では、SOI基板と呼ばれる60μmと140μmとの2枚の基板が酸化膜を挟んで予め接合されたウェハを用いて作製する。まず、140μm基板(第2の基板)41の表面側からプラズマエッチングによるドライプロセスによって、ねじり梁42、平面コイルが形成される振動板43、可動部の骨格をなす補強梁44と、フレーム46とを残したそれ以外の部分を酸化膜まで貫通し、次に、60μm基板(第1の基板)51の表面側からKOHなどの異方性エッチングによって、可動ミラー部52と、フレーム53とを残したそれ以外の部分を酸化膜まで貫通し、最後に、可動部周囲の酸化膜を除去して分離し振動ミラーの構造体を形成する。
ここで、ねじり梁42、補強梁44の幅は40〜60μmとした。前記したように振動子の慣性モーメントIは振れ角を大きくとるには小さい方が望ましく、反面、慣性力によってミラー面が変形してしまうため、実施の形態では可動部を肉抜きした構造としている。さらに、60μm基板(第1の基板)51の表面側にアルミニウム薄膜を蒸着して反射面となし、140μm基板(第2の基板)41の表面側には銅薄膜でコイルパターン47とねじり梁42を介して配線された端子48、およびトリミング用のパッチ49を形成する。当然、振動板43側に薄膜状の永久磁石を備え、フレーム53側に平面コイルを形成する構成とすることもできる。
実装基板54上には、可動ミラー部52を装着する枠状の台座55と、可動ミラー部52を囲うように形成されたヨーク56が配備され、前記ヨーク56には可動ミラー部52端に対向して各々S極とN極とを向かい合わせ、回転軸と直交する方向に磁界を発生する一対の永久磁石57が接合されている(図4参照)。
可動ミラー部52は、ミラー面を表に向けて台座55に装着され、端子48間に電流を流すことによりコイルパターン47の回転軸に平行な各辺にローレンツ力が生じ、ねじり梁42をねじって可動ミラー部52を回転する回転トルクTを発生し、電流を切るとねじり梁42の戻り力により水平に戻る。
したがって、コイルパターン47に流れる電流の方向を交互に切り換える(交流信号)ことによって、可動ミラー部52を往復振動させることができる。そして、この電流の切り換える周期を、振動ミラー11を構成する構造体の、ねじり梁42を回転軸とした1次振動モードの固有振動数、いわゆる共振振動数f0に近づけると振幅が励起され大きな振れ角を得ることができる。
一方、コイルパターン47に直流成分の電流を流す(電圧を印加)ことにより、可動ミラー部52を静的に変化(振幅中心を変化)させることができる。ただし、共振現象を利用しているので電流に応じた変化は角度で±1°以内となる。この直流成分を前記交流信号に重畳させることにより、振動ミラーを振幅(偏向)させながら、振幅中心を変化させることが可能となる。
図5は光学ハウジングへ搭載される形態の振動ミラーユニット60を示している。図5に示した振動ミラーユニット60は振動ミラー11と、振動ミラー11の姿勢を固定し、かつ電気接続(電極部64)を行うためのブラケット61と、ブラケット61を固定し、光学ハウジング(図示しない)に載置される基板62(電気コネクタ63)で構成される。
振動ミラー11は可動部の質量、イナーシャが従来のポリゴンミラーに比べて非常に小さいため駆動部も小型化され、磁気回路の高効率化もあいまって消費電力が低く抑えることができる(ポリゴンミラーの1/10以下)。その結果、発熱が少なくなり書込光学系の光学素子やハウジングの温度上昇も実質的になくすことが可能となることから、特に樹脂製の走査レンズ群が局部的な温度分布をもつことなく、カラー画像形成時のレーザビームの走査位置を変動することなく色ずれの発生を抑制することができる。
さらに、可動部の質量、イナーシャが小さいことにより、揺動時にも外部へ伝達する振動(質量アンバランスによる振動)が少なく(ポリゴンミラーの1/100以下)、書込光学系の光学素子へ伝達する振動が実質的になくなることから、折り返しミラーの振動による画像形成時のバンディング(副走査方向の粗密変動)の発生も解消することができる。
また、図2に示す光走査装置5を用いた画像形成装置1は、複数の感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kを並列に配置したタンデム型のカラー画像形成装置である。装置上部から順に光走査装置5、現像器6、感光体ドラム3、中間転写ベルト2、定着器7、給紙カセット4が配置されている。
中間転写ベルト2には各色に対応した感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kが並列順に等間隔で配設されている。感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kは同一径に形成されたもので、その周囲には電子写真プロセスに従い部材が順に配設されている。感光体ドラム3Yを例に説明すると、帯電チャージャ(図示しない)、光走査装置5から出射された画像信号に基づくレーザビームL1、現像器6Y、転写チャージャ(図示しない)、クリーニング装置(図示しない)等が順に配設されている。他の感光体ドラム3M,3C,3Kに対しても同様である。すなわち、本実施の形態では、感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kを色毎に設定された被走査面とするものであり、各々に対して光走査装置5からレーザビームL1,L2,L3,L4が各々に対応するように設けられている。
帯電チャージャにより一様に帯電された感光体ドラム3Yは、矢印AA方向に回転することによってレーザビームL1を副走査し、感光体ドラム3Y上に静電潜像が形成される。また、光走査装置5によるレーザビームL1の照射位置よりも感光体ドラム3の回転方向下流側には、感光体ドラム3Yにトナーを供給する現像器6Yが配設され、イエローのトナーが供給される。現像器6Yから供給されたトナーは、静電潜像が形成された部分に付着し、トナー像が形成される。同様に感光体ドラム3M,3C,3Kには、それぞれM,Y,Kの単色トナー像が形成される。
各感光体ドラム3の現像器6の配設位置よりもさらに回転方向下流側には、中間転写ベルト2が配置されている。中間転写ベルト2は、複数のローラ2a,2b,2cに巻き付けられ、図示しないモータの駆動により矢印BB方向に移動搬送されるようになっている。この搬送により、中間転写ベルト2は順に感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kに移動されるようになっている。中間転写ベルト2は各感光体ドラム3Y,3M,3C,3Kで現像された各々単色画像を順次重ね合わせて転写し、中間転写ベルト2上にカラー画像を形成するようになっている。
その後、給紙トレイ1から転写紙が矢印CC方向に搬送されカラー画像が転写される。カラー画像が形成された転写紙は、定着器7により定着処理後、カラー画像として排紙される。
前述した光走査装置の振動ミラーのメリットを活かすためには以下の制御が必須であり、好適な例を示す。図6は図1に示したカラー画像形成用の光走査装置のうち、ひとつの感光体ドラムに相当する要部を概略的に示したものである。振動ミラー11によって偏向走査されるレーザビーム20を走査位置により、最大振れ角の走査位置のレーザビームを20a、最大振れ角以内に配置される受光素子へ入射して出力信号がでるタイミングに走査される位置のレーザビームを20b、感光体ドラム3への画像領域の端部を走査する位置のレーザビームを20cとした。
時間に対する振動ミラー振幅を示したものが図7である。振動ミラー11は共振現象を利用して大きな振幅を発生させるため、振動ミラー11の振幅は時間に対して正弦波状の軌跡を描き、偏向走査されるレーザビームの走査速度が一定ではなく走査位置によって異なることになる(走査レンズがない場合)。このような走査速度でも一定となるように走査レンズ群(第1のレンズ14,第2のレンズ17)はf・arcsin特性を有している。
前記特性の走査レンズ群を使用したとしても、図8〜10に示すような振動ミラー11の揺動ばらつき変動が発生するため、変動を抑制するように各々制御を行っている。振動ミラー11の共振周波数が一定でも、図8〜10のような現象が発生し、理想振幅波形(破線で示した正弦波形)いずれもレーザビームの走査位置変動となり、画像劣化を発生させることになる。
図8は振幅変動について示したものであり、振幅が目標よりも大きい場合(小さい場合も同じ)矢印方向に示すような振幅とするために、図7で示したようなPDa出力の時間間隔AとPDb出力の時間間隔Bの演算値が一定となるように制御を行う。具体的には(A+B)/2、(A+B)/2、…で複数回の平均化を行い、共振周波数から一義的に決まる制御目標値となるように制御を行う。
ここで、振動ミラーの駆動周波数fdについて、図11を用いて詳述する。駆動周波数はプリント枚数を実現するための周波数であり、共振周波数frと合致することが光走査に必要な振幅量Yを稼ぐことができるので好適である(図11の実線)が、実際は振動ミラーの共振周波数変動(初期のばらつきも含む)により合致しないことがある。その際には図11で示したように、光走査に必要な振幅量Yとするために、振動ミラーへの入力エネルギー(電圧、電流)を増加させ、駆動周波数fdで振幅量Yしか振幅していない振動ミラーの振幅を大きくし、振幅量Yまで(図11の破線)振幅させるという振動ミラーの振幅制御を行っている。
図9は振動ミラー11の振幅中心と走査中心の位置関係について示したものであり、走査中心に対して、振幅波形にオフセット(振動ミラーの振幅中心と光走査中心との差異)がある状態を示した例である。図9(a)と図9(b)はオフセット量による違いであり、図9(a)はオフセット量が許容レベルである例を示す。オフセット量は光走査特性であるリニアリティおよびビーム径に影響を与えるが、画像への影響を考慮すると必ずしもオフセット量が「0」である必要はない。
具体的にはリニアリティ誤差分は画像情報に基づくレーザビームの点灯タイミングを制御することによりリニアリティの補正を行い、影響を抑制するとともに、ビーム径については影響を抑制するために感光体への静電潜像が同等になるように光量(積分光量)を制御することで、前記オフセットの影響を軽減している。
なお、許容オフセット以内であれば前記制御を行わないことも可能である。リニアリティの設計値との偏差1%以下、ビーム径で設計値との偏差10%以下となるように許容オフセット量を設定することにより、画像への影響を極力抑制し前記制御を行わなくとも問題とならないようにすることが可能である。
図9(b)は許容オフセットを超えている状態を示したものであり、この場合には前記のとおり許容内に調整(補正)する必要がある。調整する方法は、振動ミラーの駆動電圧(交流成分)にオフセット量に応じた直流成分を重畳させることにより、主走査方向の姿勢を変化させ、振幅中心を許容オフセット内となるように調整している。
また、他の例として振動ミラー11の姿勢を変化させる駆動機構により調整することも可能である。駆動機構として、例えば図5の基板62の下面にステッピングモータを配置(図示しない)し、ステッピングモータの回転軸と振動ミラー11の振動軸が一致するように配置する。振動ミラーユニット60が振動軸中心に姿勢(回転)変化することにより許容オフセット内に調整する。ステッピングモータの回転ステップ分解能は少なくとも許容オフセット量の1/2以下に相当する量が必要である。
オフセット調整自体は、以前より行われているが、前記のような許容オフセットということでなく、理想的にオフセット量を「0」としている。この場合、オフセット調整の際に必要となる直流成分の重畳回路は図9(b)のオフセット量をすべて調整できる出力電圧を有する性能をもたなければならず、回路が大型化かつ発熱量が大きく光走査装置内の温度が上昇し、光走査特性を劣化させる。さらに回路大型化に伴うコスト増加の不具合ともなる。
また、オフセット調整の際に駆動する電流(電圧)も振動ミラーの電流定格の上限から、オフセット量に応じて無制限に駆動することはできない(電流定格を超えると素子の破壊となる)。特に、本実施の形態で示した電磁駆動型は直流成分の消費電力はコイルの消費電力(銅損)となるためオフセット調整量が多くなると発熱(温度)が上昇するという懸念もでてくる。
図9(b)においてはオフセットを許容オフセット内へ調整するために(矢印方向に示すように)、図7で示したようなPDa出力の時間間隔AとPDb出力の時間間隔Bの演算値が一定となるように制御を行う。具体的にはA−B、A−B、…で数回の平均化を行い、後述する図12の比較手段71により許容オフセット以内か否かを判断し、許容以内であれば制御せず、許容オフセットを超えた場合はオフセット制御を行う。
図10は振動ミラー11の振幅波形の位相変動について示したものであり、図10に示すような基準位相クロック信号(波形は図示しない)との位相変動が生じても矢印方向に示すような位相とするために、図7で示したような振動ミラー11を駆動するための信号を生成する基準位相クロックとPDa出力の時間間隔Cの位相が一定となるように制御を行う。具体的にはC、C、…で複数回の平均化を行い、目標値である「0」となるように制御を行う。時間間隔をカウントするPDa出力は画像形成領域の直前のタイミングである出力(Aの後端側)が好適である。位相を合わせるのは画像の書き始め側直前の方(Aの後端側)が精度が高い(Aの前端側の場合、Aの時間内の位相変動により画像形成時の位相精度が低下する)。
図8、図9(b)の振幅または許容オフセットを超える(実際の振幅状態:実線で表現)と理想となる走査速度と異なる現象であるため、主走査方向の走査位置ずれとなる。例えば主走査方向のジター(縦線ゆらぎ)、主走査倍率誤差という画像劣化を引き起こし、これはカラー画像に限らずモノクロ画像でも共通の課題である。
一方、図10の基準位相クロックからの位相変動はカラー画像形成時には特有の問題となる。図1に示したように、単一の振動ミラー11が画像信号に応じて各色の光源から出射されるレーザビームを各色の感光体ドラムへ走査するわけであるが、位相変動が発生すると各色のレーザビームの偏向走査位置が変わってしまうため画像上(中間転写ベルト上)は副走査位置の変動となり色ずれ、色むらの発生となる。
図12に振動ミラーの制御手段のブロック図を示し、振幅、オフセット、位相制御を実現する振動ミラー制御系について詳述する。偏向走査されてPDa、PDbを走査するレーザビームにより出力される信号を各々カウンタで時間間隔A、Bを計測し、(A+B)/2の平均を目標の振幅と比較し、同様にA−Bの差分の平均を許容オフセット内か否かをと比較判断し、許容内であれば補正せずにコントローラへ出力し、許容外であれば許容内との差分量を調整する。したがって、調整後はオフセット量が「0」ではなく最大でも許容内に調整残差を抑えることとする。
なお、各々平均をとる理由は突発的な電気ノイズが混入した場合など誤った情報により制御を行うことを防止するため平均化処理を行っている。なお、平均化の回数は2〜10回の範囲で行われる。10回以上だと補正タイミングが遅くなり、制御偏差が大きくなるためである。
コントローラは前記比較結果に応じて振幅およびオフセットの補正量を演算し、補正された正弦波の駆動信号を振動ミラーの駆動回路(アンプ)にて増幅し振動ミラーを駆動制御する。前述の制御系ループが振幅およびオフセット制御ループである。なおオフセット制御は振幅制御がされた状態で行われる。
位相制御ループは前記の振幅,オフセット制御が正常にはたらき各々目標値に対して所望の範囲に入った制御状態において、基準位相クロック信号と振動ミラーの振れ角が一定の位相となるように位相制御ループを実行する。
位相制御は振幅およびオフセット制御に対して、高精度な制御であるためすべての制御を同時に実行すると、互いに干渉し駆動信号の変動量が大きくなりすべてが制御目標値範囲内に収束するまでに時間を要する。そこで、第一優先に振幅制御を行い、次にオフセット制御を行って、その後に微調整として位相制御を行うことで、制御範囲内へ収束するまでの時間を短縮することが可能となる。
PDaからの出力信号と基準位相クロックの位相偏差を位相比較器で検出し(図7のC)、カウンタにて計測する。計測結果をLPF(Low Pass Filter)、積分器で位相偏差に応じた電圧に直流化し、その電圧量に応じて位相変化させるいわゆるPLL(Phase Locked Loop)制御である。位相変化に対する正弦波信号の生成は予め用意された位相変化量(分解能)の刻みに応じて最適な位相となる正弦波信号が生成される。これにより、振動ミラーの駆動信号と振動ミラーの振れ角が一定の位相となるような制御が行われることになる。
なお、位相制御に対応する正弦波信号の生成分解能は制御の許容範囲内以上の高精度が必要となるが、高精度にするほどメモリーが必要となるため高コストとなる。したがって、副走査方向の色ずれとして視覚認知される50μm以下となるように正弦波信号の生成分解能を設定している。
次に、振動ミラーの共振周波数と駆動周波数との差異の検出について詳述する。図13,図14は振動ミラー11の共振周波数特性(振幅ゲイン)と位相特性(振動ミラーを駆動する駆動電圧波形との位相差)を表している。太い実線(太い破線)が初期の共振周波数特性(位相特性)である。振幅ゲインGain、および位相特性Phaseは以下の(数1),(数2)で表すことができる。
Figure 2011033756
Figure 2011033756
ここで、Qは共振状態を表すQ値で実施の形態では200である。
ω(=2πf)[rad/s]は共振周波数で実施の形態はf=3000[Hz]である。
ω(=2πf)の周波数で駆動したときのGain、Phaseが求まる。
環境温度変化で振動ミラー11の梁の剛性が変化するため共振周波数が矢印方向(太い青矢印)に変化する。図13は環境温度が上昇したときの共振周波数の変動方向を表し、図14は環境温度が下降したときの共振周波数の変動方向を表している(ここでいう、環境温度とは光走査装置(振動ミラー)が曝される環境温度であり、画像形成装置内のユニットの発熱や画像形成装置が置かれる環境温度を含む)。
図13の例を図7、図12を参照しながら説明する。共振周波数3000Hzの振動ミラーに対して、駆動電圧の周波数も3000Hzの場合、駆動電圧信号と振動ミラーの位相差は−90°となる。図13に示す駆動電圧の周波数は一定の状態で環境温度上昇とともに共振周波数が黒矢印方向に下降変動すると、連動して位相特性も変わるため位相差は白矢印方向に変化する。この位相差の変化量を捉えることにより共振周波数の変動を掴むことができる。
本実施の形態のように、共振周波数が10Hz低下する(図13の太い実線から細い実線へ移動)と位相差は−90°から−144°となる((数2)より位相差が得られる)。この位相差変動分の−54°を検出するには、図7の駆動電圧信号とPDaの出力の時間間隔P(P、P、…の複数回平均化処理が好適)を計測することで達成できる。PDaの配置されている位置は走査中央ではないので前記−90°や−144°を直接捉えることはできないが、P=(−90°−δ°)[δ:走査中央からの位相ずれ分]であることからPの変動分を計測すれば位相差の変動を検出することができる。
図12のブロック図では破線で囲んだ部分(駆動周波数調整手段)で示した。駆動信号とPDaとの位相差は位相比較器とカウンタにより計測し、基準となる共振周波数との差分を演算して、その差分が許容値範囲外であれば駆動周波数を変化させ、共振周波数に一致させるように駆動周波数を調整する。許容値の設定は共振周波数の変動により生じる振幅低下を補正できる限界値から設定されている。振幅低下を補正(振幅一定の制御)するためには、駆動電圧を上昇させることになるため駆動回路の耐圧、および振動ミラーの許容耐圧のどちらか低い方となるように差分の許容値を決めている。本実施の形態では振動ミラーの許容耐圧を優先し、±10Hz以内としている。
なお、振動ミラーの共振周波数と駆動周波数との差異の検出は前記振動ミラーの振幅を一定に制御した状態で行われる。振幅が一定でないとPDaの出力信号タイミングが変わってしまい時間間隔Pへ影響を及ぼすからである。
駆動電圧の周波数調整タイミングは、偏向走査ビームの走査特性が変わることになるため好適な条件が必要である。好適な例としては、画像情報を光走査装置の光源へ入力しているか、すなわち被走査面領域にレーザビームを走査しているか否かを判断する判断手段を用いて、その判断が否となる画像情報のない非画像形成中のタイミングで行う(このときでもPDa,PDbへの走査ビームは偏向されている)ことである。非画像形成中とは、画像プリント時のプリント紙の間隔中か、プリントジョブの間隔中である。
一方、その他の好適な例では、前記のように被走査面領域にレーザビームを走査しているか否かに関係なく、いつでも(所望値外となったタイミングで随時)調整可能とするために、調整時の周波数変動を段階的に変化させることである。例えば、前記差異が10Hzを超え、11Hzとなった場合、直ちに駆動周波数を11Hz変化させるのではなく、0.1Hz単位で110ステップを段階的に変化させる。変化させる時間は、調整タイミング開始から完了までの時間としてプリント紙1枚を画像形成できる時間が望ましい(周波数変化をゆっくりとすることにより画像劣化の副作用を軽減する)。
従来の共振周波数の計測はGain特性を計測するために、光走査装置の画像形成を一時的に停止して駆動周波数をスイープ変化させたときの振幅を測定し、最も振幅の大きくなるところを共振周波数としていたため、画像形成装置(光走査装置)を使用することができないという不具合があった。本発明では振動ミラーによる偏向走査時(少なくともPDa、PDbから出力信号が発生するとき画像領域にレーザビームを偏向走査しなくてもPDa、PDb内をレーザビームが走査すれば可)の常時で共振周波数と駆動周波数との差異を検出できるので、画像形成中でも装置を一時停止する必要がない。
なお、振動ミラーの共振周波数と駆動周波数との差異を検出し、その都度(差異が所望の範囲内でも)駆動周波数を調整してしまうと、画像形成時の副走査倍率が変化するため、その補正を行う必要がある。副走査位置倍率の補正は画像処理による倍率補正や副走査方向の速度調整(感光体、中間転写ベルト、給紙、定着の各ユニットの調整)を行う必要があり、複雑になるばかりかタイムラグなどを考慮する必要があり画像形成を停止しなくてはならない時間が生じる。このため、駆動周波数はできる限り変化させない方が画像形成装置の画像品質としては好適である。
これまで、実施の形態では駆動電圧波形が正弦波のときについて示したが、正弦波に限定されることなく矩形波、三角波についても本発明の効果を得ることができる。
図15に受光素子PDaを例に走査されるレーザビームとの関係を示す。受光素子PDaは、図1に示したように感光体ドラム面上を走査されるレーザビームと光学的に等価(ビーム径および走査速度)となる位置に配置されている。感光体ドラム面の走査延長上が好適であるが、レイアウトの都合上、折り返しミラーを経由して受光素子内をレーザビームが走査する構成としてもよい。受光素子PDaはPINフォトダイオードからなる受光部からの出力信号を増幅する増幅回路と、波形整形するコンパレータ回路からなり、ICとして樹脂からなるレーザビーム透過部材にて1パッケージ化されている(22a:受光部、22b:回路部、22c:ICリード)。受光部22aを走査ビームが通過することにより、図15に示すコンパレータ出力信号を発生させる。
図15の走査ビームの破線の領域は光源が消灯(またはフレア光が受光素子内、感光体面上の潜像を形成するレベルの光量とならない程度に減光)されている様を描画している。振動ミラーの最大振れ角と受光素子PDa近傍の間の領域内で光源が発光していると光走査装置内に配置された光学部品の乱反射に起因するゴースト光を発生させ、受光素子PDa,PDbへの信号にノイズとなるため前記図7のA,B,Cの時間間隔が乱れ、制御上の誤動作、不安定となってしまう。この問題が起きないように、予め前記タイミングにて消灯(またはゴースト光が受光素子内、感光体面上の潜像を形成するレベルの光量とならない程度に減光)するように設定されている。消灯または減光は半導体レーザからなる光源を長寿命化すること、光源の温度上昇を低減する効果も合わせて奏することができる。ここでいう、受光素子近傍とは、前記コンパレータ出力に影響を与えずに、図7の時間間隔A,B,Cが各々正常に計測できる発光タイミングとなる走査位置のことである。
なお、光学素子の反射率や透過率の低下(経時劣化)の際に光量が低下するとコンパレータ出力を決定するスレッシュ電圧への立上時間が長くなる(傾きが緩くなる)ため、誤った検出を行ってしまう。そこで、受光素子を走査する際に常に一定の光量となるように光源を制御することにより前記問題を解決している。
以上のように、振動ミラーを有することで消費電力を抑え、光走査装置用いられる走査レンズの温度上昇や、光走査装置の温度偏差や振動を低減して画像の経時安定性を確保し、駆動周波数を変化させて共振周波数に一致させるように調整し、プリント画像の倍率誤差を低減することができる。
本発明に係る光走査装置および画像形成装置は、消費電力を抑え、走査レンズの温度上昇、光走査装置の温度偏差や振動を低減して画像の経時安定性を確保する振動ミラーの効果を有しながら、プリント画像の倍率誤差を低減する光走査装置および画像形成装置を実現することができ、レーザラスタ書込光学系を有する装置として有用である。
1 画像形成装置
2 中間転写ベルト
3 感光体ドラム
4 給紙カセット
5 光走査装置
6 現像器
7 定着器
10 光源
11 振動ミラー
12 シリンドリカルレンズ
13 折り返しミラー
14 第1のレンズ
15 集束レンズ
16 ミラー
17 第2のレンズ
20 レーザビーム
22a 受光部
22b 回路部
22c ICリード
41 第2の基板
42 ねじり梁
43 振動板
44 補強梁
46 フレーム
47 コイルパターン
48 端子
49 パッチ
51 第1の基板
52 可動ミラー部
53 フレーム
54 実装基板
55 台座
56 ヨーク
57 永久磁石
58 電極端子
60 振動ミラーユニット
61 ブラケット
62 基板
63 電気コネクタ
64 電極部
71 比較手段
特開2005−305771号公報

Claims (7)

  1. 複数の光源装置から出射されたレーザビームを単一の振動ミラー偏向器により主走査方向に偏向走査し、複数の被走査面に向かって集光する走査結像手段を有する光走査装置において、
    前記振動ミラー偏向器の共振周波数と駆動周波数との差異を検出し、前記差異が所望の範囲外のとき、共振周波数に一致させるように前記駆動周波数を調整する制御手段を備えたことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記振動ミラー偏向器の振幅を一定に制御した状態で駆動周波数の電圧波形を基準として、偏向走査されるレーザビームの走査領域内に配置された受光素子からの出力信号との位相差を計測し、前記位相差の変動から共振周波数と駆動周波数との差異を検出することを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  3. 前記振動ミラー偏向器による偏向走査時は、共振周波数と駆動周波数との差異を常時検出することを特徴とする請求項1または2記載の光走査装置。
  4. 前記制御手段による駆動周波数の調整は、被走査面領域にレーザビームを走査しているか否かを判断し、非画像形成時のタイミングで行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光走査装置。
  5. 前記制御手段による駆動周波数の調整は、共振周波数と駆動周波数との差異が所望の範囲外となったタイミングで随時行い、前記調整は段階的に駆動周波数を変化させて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光走査装置。
  6. 前記複数の光源装置から出射されたレーザビームは、振動ミラー偏向器の反射面に対して副走査方向に角度を有して入射するとともに、偏向される複数のレーザビームはすべて同方向に走査することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光走査装置。
  7. 潜像担持体に光走査により潜像を形成し、前記潜像を可視化して所望の記録画像を得る画像形成装置において、前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の光走査装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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