JP5471948B2 - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

光走査装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5471948B2
JP5471948B2 JP2010174729A JP2010174729A JP5471948B2 JP 5471948 B2 JP5471948 B2 JP 5471948B2 JP 2010174729 A JP2010174729 A JP 2010174729A JP 2010174729 A JP2010174729 A JP 2010174729A JP 5471948 B2 JP5471948 B2 JP 5471948B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
sensor
light beam
optical
signal output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010174729A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012037578A (ja
Inventor
秀典 赤松
真治 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2010174729A priority Critical patent/JP5471948B2/ja
Publication of JP2012037578A publication Critical patent/JP2012037578A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5471948B2 publication Critical patent/JP5471948B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Printer (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Description

本発明は、光源から出射された光ビームを振動ミラーにより偏向走査し、走査結像光学系により被走査面に向かって集光する光走査装置および該光走査装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、光偏向手段としてMEMSミラーなどの振動ミラーを用いた光走査装置や、この光走査装置を装備した画像形成装置が知られている。振動ミラーは、小型で低消費電力という利点があるが、慣性モーメントが小さいために気流などの外乱の影響を受けやすい。このため、振動ミラーによる光ビームの走査領域内に設けられた光センサからのセンサ信号を用い、振動ミラーの振幅補正やオフセット補正、駆動信号と振動ミラーの振れ角が一定の位相となるような位相制御などを高精度に実行して、外乱の影響を抑制するいわゆる低ジッタ動作を行うことが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
上記の低ジッタ動作では振動ミラーが高感度で駆動されることになるが、振動ミラーの駆動初期から制御ゲインが高くなっていると制御系の発振を招く虞がある。このような観点から、振動ミラーの駆動部に可変利得部を設け、振動ミラーの駆動初期には最適ゲインよりも小さいゲインで振動ミラーを駆動させることで制御系の発振を抑制することも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特許文献3に記載の技術は、駆動部の利得を変更することで振動ミラーの駆動感度を可変している。このような駆動部利得の変更は、アナログフィルタやデジタルフィルタを用い、そのフィルタ定数を切り替えることで実現できるが、これには以下のような問題がある。
すなわち、一般的にアナログフィルタを用いてフィルタ定数を切り替える場合、アナログスイッチを用いて複数の抵抗、コンデンサ、インダクタからなるフィルタを切り替えることが考えられる。しかしながら、アナログスイッチはインピーダンスが比較的高く、またインピーダンス値のばらつきも大きく、駆動部利得を変更する用途に向いていない。よって、アナログフィルタを用いて安定して駆動部利得を変更することは困難である。
また、デジタルフィルタを用いてフィルタ定数を切り替える場合、振動ミラーの駆動初期においては発振を抑制し、定常時には気流などの外乱の影響を補正するような低ジッタ動作を実現しようとすると、低感度から高感度の広い範囲の利得を調整する回路規模の大きなフィルタ回路が必要となり、コスト高を招いてしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、振動ミラーの駆動初期から低ジッタ動作を行う定常時まで安定した動作を低コストで実現することができる光走査装置および画像形成装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、光源から出射された光ビームを振動ミラーにより偏向走査し、走査結像光学系により被走査面に向かって集光する光走査装置において、前記光ビームの走査領域内で前記光ビームを検出する光センサと、前記光センサから得られる信号の指定範囲の周波数成分を通過させ、前記指定範囲が変更可能な可変平滑化手段と、前記可変平滑化手段を通過した信号を基準信号と比較する比較手段と、前記比較手段から出力される信号に基づいて前記振動ミラーを駆動する駆動手段と、を備え、前記可変平滑化手段は、該可変平滑化手段を通過した信号が目標値を基準に定められた所定範囲内にない場合は前記光センサから得られる信号の所定周波数以下の低周波成分のみを通過させ、該可変平滑化手段を通過した信号が前記所定範囲内となった場合に前記光センサから得られる信号の前記所定周波数を超える高周波成分も通過させるように、前記指定範囲が変更されることを特徴とする。
また、本発明は、光源から出射された光ビームを振動ミラーにより偏向走査し、走査結像光学系により被走査面に向かって集光する光走査装置において、前記光ビームの走査領域内で前記光ビームを検出する光センサと、前記光センサから出力されるセンサ信号を入力し、該センサ信号の指定範囲の周波数成分を通過させる第1の平滑化手段と、前記第1の平滑化手段を通過した信号を第1の基準信号と比較する第1の比較手段と、前記光センサから出力されるセンサ信号に基づき、偏向走査される前記光ビームが前記光センサの位置を通過する時間差を表す時間差信号を生成する時間差信号生成手段と、前記時間差信号を入力し、該時間差信号の指定範囲の周波数成分を通過させる第2の平滑化手段と、前記第2の平滑化手段を通過した信号を第2の基準信号と比較する第2の比較手段と、前記第1の比較手段から出力される信号と前記第2の比較手段から出力される信号のいずれか一方を選択するセレクタ手段と、前記セレクタ手段により選択された信号に基づいて前記振動ミラーを駆動する駆動手段と、を備え、前記第1の平滑化手段は、前記光センサから出力されるセンサ信号の所定周波数以下の低周波成分のみを通過させ、前記第2の平滑化手段は、前記時間差信号の前記所定周波数を超える高周波成分も通過させ、前記セレクタ手段は、前記第1の比較手段から出力される信号が目標値を基準に定められた所定範囲内にない場合は前記第1の比較手段から出力される信号を選択し、前記第1の比較手段から出力される信号が前記所定範囲内となった場合に前記第2の比較手段から出力される信号を選択することを特徴とする。
また、本発明は、光走査装置により光ビームを走査して感光体に潜像を形成し、該潜像を可視化して記録画像を得る画像形成装置において、本発明にかかる光走査装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、振動ミラーの駆動初期から低ジッタ動作を行う定常時まで安定した動作を低コストで実現することができるという効果を奏する。
図1は、電子写真方式のフルカラー画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図2は、画像形成装置が備える光走査装置の具体例を示す斜視図である。 図3は、光走査装置が備える振動ミラーの具体例を示す分解斜視図である。 図4は、時間軸に対する振動ミラーの振幅波形の一例を示す図である。 図5は、振動ミラーの揺動ばらつき変動を説明する図である。 図6は、第1実施例の概要を示す概略構成図である。 図7は、振動ミラーの駆動波形と光センサから出力されるセンサ信号および可変平滑化回路を通過した信号との関係を示す図である。 図8は、可変平滑化回路の切り替え動作のフローチャートである。 図9は、可変平滑化回路を通過した信号が目標レベルに達するまでの時間変化の様子を示す図である。 図10は、可変平滑化回路の切り替えを説明する図である。 図11は、第2実施例の概要を示す概略構成図である。 図12は、振動ミラーの駆動波形と2つの光センサから出力されるセンサ信号および可変平滑化回路を通過して加算器で加算された信号との関係を示す図である。 図13は、第3実施例の概要を示す概略構成図である。 図14は、振動ミラーの駆動波形と光センサから出力されるセンサ信号、このセンサ信号に基づいて生成される時間差信号および可変平滑化回路を通過した信号との関係を示す図である。 図15は、第4実施例の概要を示す概略構成図である。 図16は、振動ミラーの駆動波形と2つの光センサのうちの一方から出力されるセンサ信号および他方から出力されるセンサ信号との関係を示す図である。 図17は、第5実施例の概要を示す概略構成図である。 図18は、セレクタによる信号選択の切り替え動作のフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る光走査装置および画像形成装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(画像形成装置の概要)
まず、画像形成装置の一例について説明する。図1は、電子写真方式のフルカラー画像形成装置の一例を示す概略構成図である。この画像形成装置は、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の4色の感光体1Y,1M,1C,1Kをシーケンシャルに並べたタンデム型の画像形成装置として構成されている。なお、符号の添字Y,M,C,Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを示すものである。
各感光体1Y,1M,1C,1Kはドラム型であり、図中の矢印A方向に回転駆動される。各感光体1Y,1M,1C,1Kの周囲には、電子写真プロセスを順に実行するためのプロセス装置が配置され、各色独立の作像ステーションを構成している。イエローの作像ステーションを例に説明すると、感光体1Yの回転方向に沿って、帯電装置2Y、現像装置3Y、クリーニング装置4Y、除電装置5Yが順に配置されている。他の色の作像ステーションも同様である。
各感光体1Y,1M,1C,1Kの上方には、各感光体1Y,1M,1C,1Kの周面を被走査面として光ビームを走査する光走査装置6が配置されている。また、各感光体1Y,1M,1C,1Kの下方には、中間転写ベルト7が配設されている。中間転写ベルト7は、各感光体1Y,1M,1C,1Kの周面と対向する面が水平となるようにローラ8a〜8dにより懸架され、図中B方向に走行するように駆動される。
画像形成装置における画像形成プロセスは以下の通りである。イエローの作像ステーションを例に説明すると、帯電装置2Yにより一様に帯電された感光体1Yに対して光走査装置6からの光ビームが走査され、感光体1Y上に静電潜像が形成される。感光体1Y上の静電潜像は、現像装置3Yからイエローのトナーが供給されることで可視化され、トナー像が形成される。感光体1Y上に形成されたトナー像は、一次転写装置9Yによって中間転写ベルト7上に転写される。また、感光体1Y上に残存したトナーは、クリーニング装置4Yにより除去され、トナー像を転写した後の感光体1Yは除電装置5Yにより除電される。
他の色の作像ステーションにおいても同様のプロセスによりトナー像が形成されて、中間転写ベルト7上に転写される。このとき、各色のトナー像が中間転写ベルト7上で重ね合わされるように転写されることで、中間転写ベルト7上にカラー画像が形成される。中間転写ベルト7上に形成されたカラー画像は、二次転写装置10によって図中C方向に搬送される転写紙P上に転写される。転写紙P上に転写されたカラー画像は、定着装置11によって転写紙Pに定着される。また、中間転写ベルト7上に残存したトナーは、クリーニング装置12によって除去される。
(光走査装置の構成)
次に、画像形成装置が備える光走査装置6の具体的な一例について、さらに詳しく説明する。
図2は、光走査装置6の具体例を示す斜視図である。光走査装置6は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した4つの光源20Y,20M,20C,20Kを有する光源部20と、各光源20Y,20M,20C,20Kから出射された光ビームを偏向走査する振動ミラー21と、振動ミラー21により偏向走査される光ビームを4つの感光体1Y,1M,1C,1Kの被走査面に向かって集光する走査結像光学系を備える。また、振動ミラー21により偏向走査される光ビームの走査領域内(振動ミラー21の最大振れ角よりも小さい振れ角で光ビームを検出可能な位置)には、光ビームを検出する光センサであるPD1,PD2と、光ビームをPD1,PD2の受光面に向かって集光するレンズ25,26が配設されている。これらの光走査装置6の構成部材は、図示しない光学ハウジング内に収納されている。
各色に対応した光源20Y,20M,20C,20Kは、例えば半導体レーザとカップリングレンズにより構成され、半導体レーザが出射するレーザ光を、カップリングレンズにより以後の光学系に適合する光束形態(例えば、平行光束あるいは弱い発散性もしくは集束性の光束)の光ビームに変換する。この光ビームは、ハーフミラー23を経てシリンドリカルレンズ22により副走査方向に集束され、振動ミラー21の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像される。
振動ミラー21に対して入射側には図示しないレーザ透過部材が配置されており、光源20Y,20M,20C,20Kからの各光ビームは、レーザ透過部材を介して振動ミラー21に入射する。振動ミラー21の揺動により同一方向に偏向された4色分の光ビームは、走査結像光学系の走査レンズ群を構成する第1のレンズ24を透過する。ブラック成分画像を書き込む光ビームはミラー26Kで反射され、走査レンズ群を構成する第2のレンズ27Kを透過して、被走査面となる感光体1K上に光スポットとして集光する。この光スポットは、感光体1K の表面を矢印D方向(主走査方向)に走査する。イエロー、マゼンタ、シアンの各色成分画像を書き込む光ビームもそれぞれ上記ブラック成分画像を書き込むための走査光学系と実質的に同様に構成された走査光学系を経てそれぞれに対応する感光体1Y,1M,1C,1Kの表面を走査する。この光走査によって、上述したように各感光体1Y,1M,1C,1K、対応する色成分画像の静電潜像が形成される。なお、ブラック以外の各色に対応する光学素子等には符号を付記していないが、ブラックに対応する光学素子と光学的に等価なイエロー、マゼンタ、シアンに対応する光学素子が等価な位置に配置されている。
(振動ミラーの構成)
次に、光走査装置6が備える振動ミラー21の具体的な一例について、さらに詳しく説明する。
図3は、振動ミラー21の具体例を示す分解斜視図である。振動ミラー21は、表面にミラー面を形成し振動子をなす可動部と、それを支え回転軸をなすねじり梁と、支持部をなすフレームとからなり、シリコン(Si)基板をエッチングにより切り抜くことにより形成される。
具体的には、振動ミラー21は、例えばSOI基板と呼ばれる厚さ60μmと140μmの2枚の基板31,32が酸化膜を挟んであらかじめ接合されたウエハを用いて作製される。まず、140μmの基板32の表面側からプラズマエッチングによるドライプロセスによって、ねじり梁33、平面コイルが形成される振動板34、可動部の骨格をなす補強梁35と、フレーム36とを残したそれ以外の部分を酸化膜まで貫通させる。次に、60μmの基板31の表面側からKOHなどの異方性エッチングによって、可動ミラー部38と、フレーム39とを残したそれ以外の部分を酸化膜まで貫通させる。そして、最後に、可動部周囲の酸化膜を除去して分離し振動ミラー21の構造体を形成する。
振動ミラー21は実装基板40をベースにして組み立てられている。実装基板40上には、振動ミラー21を装着する枠状の台座41と、振動ミラー21を囲うように形成されたヨーク42が配備され、ヨーク42の枠内には可動ミラー端に対向して各々S極とN極とを向かい合わせ、回転軸と直交する方向に磁界を発生する一対の永久磁石43が接合されている。
振動ミラー21は、ミラー面を表に向けて台座41に装着され、端子44間に電流を流すことにより振動板34に形成されたコイルパターンの回転軸に平行な各辺にローレンツ力が生じ、回転トルクTが発生する。この回転トルクTによりねじり梁33をねじって可動ミラー部38を回転させ、上記電流を切ると、ねじり梁33の戻り力により可動ミラー部38が水平に戻る。したがって、コイルパターンに流れる電流の方向を交互に切り換える(交流の駆動信号を流す)ことによって、可動ミラー部38を往復振動させることができる。そして、この電流の切り換える周期を、振動ミラー21を構成する構造体の、ねじり梁33を回転軸とした1次振動モードの固有振動数、いわゆる共振振動数f0に近づけると、振幅が励起され大きな振れ角を得ることができる。
一方、コイルパターンに直流成分の電流を流す(直流電圧を印加する)ことにより、可動ミラー部38を静的に変化(振幅中心を変化)させることができる。ただし、共振現象を利用しているので電流に応じた変化は角度で±1°以内となる。この直流成分を前記交流信号に重畳させることにより、振動ミラー21を振動(偏向)させながら、振幅中心を変化させることが可能となる。
図4は、時間軸に対する振動ミラー21の振幅波形を示している。振動ミラー21は共振現象を利用して大きな振幅を発生させるため、振動ミラー21の振幅波形は時間に対して正弦波状の軌跡を描き、偏向走査される光ビームの走査速度が一定ではなく、走査位置によって異なることになる。そこで、振動ミラー21による上記のような走査速度であっても、被走査面における走査速度は一定となるように、走査結像光学系の走査レンズ群を構成する第1のレンズ24および第2のレンズ(27K)は、f・アークサイン(f・arcsin)特性を有している。
振動ミラー21は、可動部の質量が小さく、慣性力が従来広く使用されているポリゴンミラーに比べて非常に小さいため、駆動部も小型化され、磁気回路の高効率化もあいまって、消費電力を低く抑えることができる。その一方で、振動ミラー21は気流などの外乱の影響を受けやすく、図5(a)〜(c)に示すような振動ミラー21の揺動ばらつき変動が発生しやすい。振動ミラー21を安定的に駆動できていれば、振動ミラー21の振幅波形は図5(a)〜(c)の実線で示すような理想的な波形となるはずであるが、実際の波形は、外乱の影響などにより図5(a)〜(c)の一点鎖線で示すように、理想的な波形からずれた波形となる現象が発生し、いずれの場合も光ビームの走査位置変動となって画像劣化の要因となる。このため、振動ミラー21を駆動するミラー駆動系では、上記のような変動を抑制する制御を行っている。
図5(a)は、振幅変動について示したものである。振幅が目標よりも大きい場合(小さい場合も同じ)、図中矢印で示す方向に修正して理想的な振幅波形とする制御を行う。例えば、図4で示したPD1出力のタイムインターバルAとPD2出力のタイムインターバルBの演算値が一定となるように制御する。
図5(b)は、振動ミラー21の振幅中心と走査領域中央の位置関係について示したものであり、走査領域中央(理想振幅波形)に対して、実際の振幅波形にオフセットがある状態を示した例である。振動波形にオフセットがある場合、図中矢印で示す方向に修正してオフセットを無くすような制御を行う。例えば、図4で示したPD1出力のタイムインターバルAとPD2出力のタイムインターバルBの演算値が一定となるように制御する。
図5(c)は、振動ミラー21の振幅波形の位相変動について示したものである。図に示すような位相変動が生じた場合、図中矢印で示す方向に修正して理想振幅波形の位相とする制御を行う。例えば、図4で示したような振動ミラー21を駆動するための信号を生成する基準位相クロックとPD1出力のタイムインターバルC(位相偏差)が一定となるように制御する。
以上のように、振動ミラー21を駆動するミラー駆動系では、光センサ(PD1,PD2)からのセンサ信号を用い、振動ミラー21の振幅補正やオフセット補正、駆動信号と振動ミラー21の振れ角が一定の位相となるような位相制御などの少なくともいずれかを実行して、外乱の影響を抑制するいわゆる低ジッタ動作を行う。ここで、以上のような低ジッタ動作では振動ミラー21が高感度で駆動されることになるが、振動ミラー21の駆動初期から制御ゲインが高くなっていると制御系の発振を招く虞がある。また、このような問題を回避するために、ミラー駆動系に特許文献3に記載されているような可変利得部を設け、この可変利得部でのゲイン調整によって振動ミラー21の駆動初期における発振を抑制しながら、定常時での低ジッタ動作を実現しようとすると、回路規模が大型化してコスト高を招いてしまう。
そこで、本実施形態の光走査装置6では、ミラー駆動系に、光センサ(上記の例ではPD1,PD2)から得られる信号の任意の周波数成分を通過させて平滑化し、且つ、その通過させる周波数を変更できる手段を設けることで、振動ミラー21の駆動初期から低ジッタ動作を行う定常時まで安定した動作を低コストで実現できるようにしている。以下、このミラー駆動系に関する個別の具体例を実施例として説明する。
(第1実施例)
図6は、第1実施例の概要を示す概略構成図である。なお、図6では、上記の画像形成装置が備える感光体1Y,1M,1C,1Kのうちの1つ(以下、感光体1と表記する。)のみを図示し、走査結像光学系の各レンズを1つの部材(以下、光学部材50と表記する。)として単純化して図示している。また、光ビームの走査領域内に1つの光センサ51が配置されているものとする。
本実施例のミラー駆動系は、光センサ51と比較器53との間に可変平滑化回路52が設けられ、光センサ51から出力されるセンサ信号が可変平滑化回路52に入力される構成となっている。可変平滑化回路52は、光センサ51から出力されるセンサ信号の指定範囲の周波数成分を通過させて平滑化する回路であり、通過させる周波数(つまり指定範囲)が変更可能なものである。
光ビーム制御部56により光源部20が駆動され、光源部20から光ビームが出射されると、この光ビームが振動ミラー21により偏向走査されて、光学部材50を介して感光体1の被走査面を走査する。振動ミラー21は、駆動部55から出力される駆動信号に従って駆動され、感光体1の被走査面を含む走査領域で光ビームを走査する。このとき、光センサ51が光ビームを検出してセンサ信号を出力し、このセンサ信号が振動ミラー21の駆動にフィードバックされるが、その前段で光センサ51から出力されるセンサ信号が可変平滑化回路52に入力される。なお、光センサ51の位置は、感光体1と光学的に同じ距離に置いた方が光ビームのスポットサイズが同じになるのでより高い精度で制御が可能となる。ただし、光センサ51の位置は感光体1の近傍に必ずしもある必要はなく、精度が許せば振動ミラー21の近傍に配置するなど、任意の位置に配置することが可能である。
可変平滑化回路52は、振動ミラー21の駆動初期においては、入力されるセンサ信号の高周波成分をカットし、低周波成分のみを通過させて比較器53に入力する。一方、低ジッタ動作を行う定常時には、高周波成分も通過させて比較器53に入力する。この可変平滑化回路52の切り替えは、例えば、可変平滑化回路52を通過した信号が目標値を基準に定められた所定範囲内(例えば目標値±1%以内)に入ったか否かを切り替え判定部54で判定し、可変平滑化回路52を通過した信号が所定範囲内にない間は低周波信号のみを通過させる特性とし、可変平滑化回路52を通過した信号が所定範囲内に入ったら高周波成分も通過させる特性となるように切り替える。また、振動ミラー21の駆動開始から予め定められた時間が経過したら高周波成分も通過させる特性となるように切り替えてもよい。
図7は、振動ミラー21の駆動波形と光センサ51から出力されるセンサ信号および可変平滑化回路52を通過した信号との関係を示す図である。振動ミラー21は図7に示すような正弦波の駆動波形で駆動され、その結果、光センサ51から図7に示すようなセンサ信号が出力される。このセンサ信号を可変平滑化回路52に入力して平滑化すると、図7に示すようなアナログのレベル信号となる。このアナログのレベル信号を、比較器53において基準信号のレベルと比較し、比較器53から出力される信号に基づいて駆動部55が振動ミラー21を駆動する。ここで、可変平滑化回路52は、抵抗、コンデンサ、インダクタのようなパッシブ素子を用いても構成してもよいし、オペアンプを用いてアクティブフィルタとして構成してもよい。また、DSPあるいはCPUを用いてデジタルフィルタとして構成するようにしてもよい。また、必要に応じて、可変平滑化回路52を通過した信号をアンプで増幅してから比較器53に入力するようにしてもよい。
図8は、可変平滑化回路52の切り替え動作のフローチャートである。振動ミラー21を駆動する際には、まずステップS101において、光センサ51から出力されるセンサ信号の高周波成分をカットし、低周波成分のみが可変平滑化回路52を通過するように、可変平滑化回路52の特性が設定される。次に、ステップS102において、振動ミラー21の駆動が開始され、その後、ステップS103において、切り替え判定部54により、可変平滑化回路52を通過した信号のレベルが目標値を基準に定められた所定範囲内に入ったか否かが判定される。そして、可変平滑化回路52を通過した信号が所定範囲内に入らない間は(ステップS103:No)、ステップS101で設定した特性が維持され、可変平滑化回路52を通過した信号が所定範囲内に入ると(ステップS103:Yes)、ステップS104において、光センサ51から出力されるセンサ信号の高周波成分も通過させるように、可変平滑化回路52の特性が切り替えられる。
図9は、可変平滑化回路52を通過した信号が目標レベル(目標値)に達するまでの時間変化の様子を示す図である。振動ミラー21の駆動初期ではセンサ信号の高周波成分がカットされるため、可変平滑化回路52を通過した信号のレベルは徐々に上昇して目標レベルに近づいていく。そして、あるタイミングで可変平滑化回路52を通過した信号のレベルが目標レベルを基準とした所定範囲内に入ると、可変平滑化回路52が切り替わって高周波成分も通過させるため、フィードバックのゲインが高められることとなり、可変平滑化回路52を通過した信号のレベルが目標レベル近傍で安定する。
図10は、可変平滑化回路52の切り替えを説明する図である。図中のL1が振動ミラー21の駆動初期に選択される可変平滑化回路52の特性を示し、図中のL2が定常時に選択される可変平滑化回路52の特性を示している。振動ミラー21の駆動初期にはL1の特性が選択されることで周波数f1以下の低周波成分のみが可変平滑化回路52を通過する。そして、定常時には可変平滑化回路52の特性がL1からL2に切り替えられることにより、周波数f1からf2までの高周波成分も可変平滑化回路52を通過することになる。なお、L1からL2への切り替えは急激に行うのではなく、段階的に行うようにしてもよい。これにより、可変平滑化回路52の切り替えに伴う発振を防止することができる。
以上のように、本実施例では、光センサ51から出力されるセンサ信号を可変平滑化回路52に入力し、振動ミラー21の駆動初期においては低周波成分のみを通過させて比較器53に入力する一方で、低ジッタ動作を行う定常時には、可変平滑化回路52の特性を切り替えて高周波成分も通過させて比較器53に入力するようにしている。したがって、本実施例によれば、振動ミラー21の駆動初期から低ジッタ動作を行う定常時まで安定した動作を低コストで実現することができる。
(第2実施例)
図11は、第2実施例の概要を示す概略構成図である。本実施例は、光ビームの走査領域内の異なる位置に配置された2つの光センサ51a,51bから各々出力されるセンサ信号を可変平滑化回路52a,52bにそれぞれ入力するようにした例である。
可変平滑化回路52a,52bは、第1実施例で説明した可変平滑化回路52と同様に、振動ミラー21の駆動初期においては、入力されるセンサ信号の高周波成分をカットし、低周波成分のみを通過させる。一方、低ジッタ動作を行う定常時には、高周波成分も通過させる。可変平滑化回路52aを通過した信号と可変平滑化回路52bを通過した信号は、加算器57において加算され、比較器53に入力される。
可変平滑化回路52a,52bの切り替えは、例えば、可変平滑化回路52a,52bを通過して加算器57で加算された信号が目標値を基準に定められた所定範囲内(例えば目標値±1%以内)に入ったか否かを切り替え判定部54で判定し、可変平滑化回路52a,52bを通過して加算器57で加算された信号が所定範囲内にない間は低周波成分のみを通過させる特性とし、可変平滑化回路52a,52bを通過して加算器57で加算された信号が所定範囲内に入ったら高周波成分も通過させる特性となるように切り替える。なお、ここでの目標値は、加算器57での加算に対応させて、第1実施例の場合の概ね2倍程度とされる。また、振動ミラー21の駆動開始から予め定められた時間が経過したら高周波成分も通過させる特性となるように切り替えてもよい。
図12は、振動ミラー21の駆動波形と光センサ51a,51bから出力されるセンサ信号および可変平滑化回路52a,52bを通過して加算器57で加算された信号との関係を示す図である。振動ミラー21は図12に示すような正弦波の駆動波形で駆動され、その結果、光センサ51a,51bから図12に示すようなセンサ信号が出力される。このセンサ信号を可変平滑化回路52a,52bに入力して平滑化し、加算器57で加算すると、図12に示すようなアナログのレベル信号となる。このアナログのレベル信号を、比較器53において基準信号のレベルと比較し、比較器53から出力される信号に基づいて駆動部55が振動ミラー21を駆動する。なお、比較器53での比較対象となる基準信号のレベルは、加算器57での加算に対応させて、第1実施例の場合の概ね2倍程度とされる。
以上のように、本実施例では、光センサ51a,51bから出力されるセンサ信号を可変平滑化回路52a,52bに入力し、振動ミラー21の駆動初期においては低周波信号のみを通過させて加算器57で加算した信号を比較器53に入力する一方で、低ジッタ動作を行う定常時には、可変平滑化回路52a,52bの特性を切り替えて高周波成分も通過させて加算器57で加算した信号を比較器53に入力するようにしている。したがって、本実施例によれば、第1実施例と同様に、振動ミラー21の駆動初期から低ジッタ動作を行う定常時まで安定した動作を低コストで実現することができる。
また、本実施例では、光センサ51a,51bから出力されて可変平滑化回路52a,52bで平滑化されたセンサ信号を加算器57で加算して比較器53に入力する構成となっているため、センサ信号のレベルが2倍になる分、センサ信号のS/N比を高められるといった利点がある。
(第3実施例)
図13は、第3実施例の概要を示す概略構成図である。本実施例は、光センサ51から出力されるセンサ信号をもとに生成されるセンサ間信号を可変平滑化回路52に入力するようにした例である。
本実施例では、光センサ51と可変平滑化回路52との間にセンサ間信号生成部58が設けられている。センサ間信号生成部58は、振動ミラー21の駆動波形の山(あるいは谷)の部分で光センサ51から連続的に出力される2つのパルス状のセンサ信号の間でアクティブな状態となるセンサ間信号を生成し、生成したセンサ間信号を可変平滑化回路52に入力する。
可変平滑化回路52は、振動ミラー21の駆動初期においては、入力されるセンサ間信号の高周波成分をカットし、低周波成分のみを通過させて比較器53に入力する。一方、低ジッタ動作を行う定常時には、高周波成分も通過させて比較器53に入力する。この可変平滑化回路52の切り替えは、例えば第1実施例と同様に、可変平滑化回路52を通過した信号が目標値を基準に定められた所定範囲内(例えば目標値±1%以内)に入ったか否かを切り替え判定部54で判定し、可変平滑化回路52を通過した信号が所定範囲内にない間は低周波成分のみを通過させる特性とし、可変平滑化回路52を通過した信号が所定範囲内に入ったら高周波成分も通過させる特性となるように切り替える。また、振動ミラー21の駆動開始から予め定められた時間が経過したら高周波成分も通過させる特性となるように切り替えてもよい。
図14は、振動ミラー21の駆動波形と光センサ51から出力されるセンサ信号、このセンサ信号に基づいて生成されるセンサ間信号および可変平滑化回路52を通過した信号との関係を示す図である。振動ミラー21は図14に示すような正弦波の駆動波形で駆動され、その結果、光センサ51から図14に示すようなセンサ信号が出力され、センサ間信号生成部58において図14に示すようなセンサ間信号が生成される。このセンサ間信号を可変平滑化回路52に入力して平滑化すると、図14に示すようなアナログのレベル信号となる。このアナログのレベル信号を、比較器53において基準信号のレベルと比較し、比較器53から出力される信号に基づいて駆動部55が振動ミラー21を駆動する。
以上のように、本実施例では、光センサ51から出力されるセンサ信号をもとに生成されたセンサ間信号を可変平滑化回路52に入力し、振動ミラー21の駆動初期においては低周波成分のみを通過させて比較器53に入力する一方で、低ジッタ動作を行う定常時には、可変平滑化回路52の特性を切り替えて高周波成分も通過させて比較器53に入力するようにしている。したがって、本実施例によれば、第1,第2実施例と同様に、振動ミラー21の駆動初期から低ジッタ動作を行う定常時まで安定した動作を低コストで実現することができる。
また、本実施例では、振動ミラー21の駆動波形の山(あるいは谷)の部分で光センサ51から連続的に出力される2つのパルス状のセンサ信号の間でアクティブな状態となるセンサ間信号を生成し、このセンサ間信号を可変平滑化回路52で平滑化して比較器53に入力する構成となっているため、センサ信号を平滑化して比較器53に入力する場合と比較してS/N比を高められるといった利点がある。
(第4実施例)
図15は、第4実施例の概要を示す概略構成図である。本実施例は、偏向走査される光ビームが光センサ51a,51bを通過する時間差(図4で示したタイムインターバルAやタイムインターバルB)を計測し、計測した時間差(デジタルデータ)を可変平滑化回路52に入力するようにした例である。なお、時間差を計測する技術の詳細は、特許文献1や特許文献2に記載されている。
本実施例では、光センサ51a,51bと可変平滑化回路52との間に時間差計測部58が設けられている。時間差計測部59は、振動ミラー21の駆動波形の山や谷の部分で光センサ51a,51bからパルス状のセンサ信号が出力される時間差を、決められたクロックによりカウント(計測)し、デジタルデータであるカウント値(計測した時間差)を可変平滑化回路52に入力する。なお、本実施例では可変平滑化回路52に入力される信号が上記のようにデジタルデータであるため、可変平滑化回路52はデジタル回路で構成される。
図16は、振動ミラー21の駆動波形と光センサ51aから出力されるセンサ信号および光センサ51bから出力されるセンサ信号との関係を示す図である。図16のT1−T2間が、振動ミラー21の駆動波形の山の部分で光センサ51aからパルス状のセンサ信号が出力される時間差(図4で示したPD1出力のタイムインターバルA)であり、図16のT3−T4間が、振動ミラー21の駆動波形の山の部分で光センサ51aからパルス状のセンサ信号が出力される時間差(図4で示したPD2出力のタイムインターバルB)である。時間差計測部59は、これらの時間差を計測して可変平滑化回路52に入力する。また、偏向走査される光ビームが光センサ51a,51bを通過する時間差としては、上記のT1−T2間の時間差やT3−T4間の時間差のほか、T2−T3間の時間差や、T4−T1間の時間差もある。時間差計測部59は、これらT2−T3間の時間差やT4−T1間の時間差を計測して可変平滑化回路52に入力するようにしてもよい。この場合、振動ミラー21の理想振幅波形に占める時間差の割合を大きく取ることができる。
可変平滑化回路52は、振動ミラー21の駆動初期においては、時間差計測部59により計測された時間差の高周波成分をカットし、低周波成分のみを通過させて比較器53に入力する。一方、低ジッタ動作を行う定常時には、高周波成分も通過させて比較器53に入力する。この可変平滑化回路52の切り替えは、例えば第1実施例と同様に、可変平滑化回路52を通過した信号が目標値を基準に定められた所定範囲内(例えば目標値±1%以内)に入ったか否かを切り替え判定部54で判定し、可変平滑化回路52を通過した信号が所定範囲内にない間は低周波成分のみを通過させる特性とし、可変平滑化回路52を通過した信号が所定範囲内に入ったら高周波成分も通過させる特性となるように切り替える。また、振動ミラー21の駆動開始から予め定められた時間が経過したら高周波成分も通過させる特性となるように切り替えてもよい。可変平滑化回路52で平滑化された信号は比較器53に入力され、比較器53おいて基準信号と比較される。そして、比較器53から出力される信号に基づいて、駆動部55が振動ミラー21を駆動する。なお、本実施例では比較器53に入力される信号がデジタルデータであるため、比較器53はデジタル回路で構成され、デジタルの基準信号を用いて比較される。
以上のように、本実施例では、偏向走査される光ビームが光センサ51a,51bを通過する時間差を計測して可変平滑化回路52に入力し、振動ミラー21の駆動初期においては低周波成分のみを通過させて比較器53に入力する一方で、低ジッタ動作を行う定常時には、可変平滑化回路52の特性を切り替えて高周波成分も通過させて比較器53に入力するようにしている。したがって、本実施例によれば、第1〜第3実施例と同様に、振動ミラー21の駆動初期から低ジッタ動作を行う定常時まで安定した動作を低コストで実現することができる。
また、本実施例では、偏向走査される光ビームが光センサ51aを通過するタイミングと光センサ51bを通過するタイミングとの時間差(上記のT2−T3間の時間差やT4−T1間の時間差)を計測することで、振動ミラー21の理想振幅波形に占める時間差の割合を大きく取ることができ、フィードバック制御の効率を高めることができる。
(第5実施例)
図17は、第5実施例の概要を示す概略構成図である。本実施例は、光センサ51a,51bから出力されるセンサ信号を平滑化して基準信号と比較した結果と、偏向走査される光ビームが光センサ51a,51bを通過する時間差を平滑化して基準信号と比較した結果とのいずれか一方を選択して、駆動部55に入力するようにした例である。
光センサ51a,51bから出力されるセンサ信号は、バッファ60で分離されて一方は第1の平滑化回路61aに入力され、他方は時間差計測部59に入力される。時間差計測部59は、第4実施例と同様に、振動ミラー21の駆動波形の山や谷の部分で光センサ51a,51bからパルス状のセンサ信号が出力される時間差を、決められたクロックによりカウント(計測)し、デジタルデータであるカウント値(計測した時間差)を第2の平滑化回路61bに入力する。第1の平滑化回路61aおよび第2の平滑化回路61bは、入力された信号の指定範囲の周波数成分を通過させて平滑化するものである。なお、センサ信号の分離には、バッファ60に代えてインピーダンス変換器を用いるようにしてもよい。
第1の平滑化回路61aは、入力されるセンサ信号の高周波成分をカットし、低周波成分のみを通過させて第1の比較器62aに入力する。第1の比較器62aは、第1の平滑化回路61aから入力されるアナログのレベル信号を基準信号のレベルと比較し、比較結果の信号をセレクタ63に入力する。一方、第2の平滑化回路61bは、入力される時間差信号について、第1の平滑化回路61aでカットされる高周波成分も通過させて第2の比較器62bに入力する。第2の比較器62bは、第2の平滑化回路61bで平滑化された信号を基準信号と比較し、比較結果の信号をセレクタ63に入力する。なお、第2の平滑化回路61bは、入力される信号が上記のようにデジタルデータであるため、デジタル回路で構成される。また、第2の比較器62bも入力される信号がデジタルデータであるためデジタル回路で構成され、第2の平滑化回路61bで平滑化された信号をデジタルの基準信号と比較する。
セレクタ63は、第1の比較器62aから出力される信号と第2の比較器62bから出力される信号のいずれか一方を選択して駆動部55に入力する。具体的には、セレクタ63は、振動ミラー21の駆動初期においては第1の比較器62aから出力される信号を選択して駆動部55に入力し、低ジッタ動作を行う定常時には第2の比較器62bから出力される信号を選択して駆動部55に入力する。
セレクタ63による信号選択の切り替えは、例えば、第1の比較器62aから出力される信号が目標値を基準に定められた所定範囲内(例えば目標値±1%以内)に入ったか否かを選択判定部64で判定し、第1の比較器62aから出力される信号が所定範囲内にない間は第1の比較器62aから出力される信号を駆動部55に入力する信号として選択し、第1の比較器62aから出力される信号が所定範囲内に入ったら第2の比較器62bから出力される信号を駆動部55に入力する信号として選択するといった方法で行う。また、振動ミラー21の駆動開始から予め定められた所定時間が経過するまでは第1の比較器62aから出力される信号を選択し、所定時間が経過したら第2の比較器62bから出力される信号を選択するように切り替えてもよい。
図18は、セレクタ63による信号選択の切り替え動作のフローチャートである。振動ミラー21を駆動する際には、まずステップS201において、セレクタ63が第1の比較器62aから出力される信号を選択して駆動部55に入力するように設定される。次に、ステップS202において、振動ミラー21の駆動が開始され、その後、ステップS203において、選択判定部64により、第1の比較器62aから出力される信号が目標値を基準に定められた所定範囲内に入ったか否かが判定される。そして、第1の比較器62aから出力される信号が所定範囲内に入らない間は(ステップS203:No)、ステップS201で設定した特性が維持され、第1の比較器62aから出力される信号が所定範囲内に入ると(ステップS203:Yes)、ステップS204において、セレクタ63が第2の比較器62bから出力される信号を選択して駆動部55に入力するように、セレクタ63の設定が切り替えられる。
以上のように、本実施例では、振動ミラー21の駆動初期においては、第1の平滑化回路61aを通過した低周波信号を第1の比較器62aで基準信号と比較した結果の信号をセレクタ63で選択して駆動部55に入力する一方で、低ジッタ動作を行う定常時には、第2の平滑化回路61bを通過した高周波成分を含む信号を第2の比較器62bで基準信号と比較した結果の信号をセレクタ63で選択して駆動部55に入力するようにしている。したがって、本実施例によれば、第1〜第4実施例と同様に、振動ミラー21の駆動初期から低ジッタ動作を行う定常時まで安定した動作を低コストで実現することができる。
以上、本発明の実施形態および具体的な実施例について説明したが、本発明は、上述した実施形態や実施例として開示した内容そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。つまり、本発明の技術範囲は、上述した実施形態や実施例として開示した内容に技術常識を加味して容易に導かれる変形例、代替手段なども含むものである。
1(1Y,1M,1C,1K) 感光体
6 光走査装置
20 光源部
21 振動ミラー
50 光学部材
51(51a,51b) 光センサ
52(52a,52b) 可変平滑化回路
53 比較器
54 切り替え判定部
55 駆動部
58 センサ間信号生成部
59 時間差計測部
61a 第1の平滑化回路
61b 第2の平滑化回路
62a 第1の比較器
62b 第2の比較器
63 セレクタ
64 選択判定部
特開2009−145515号公報 特開2010−49155号公報 特開2010−48928号公報

Claims (6)

  1. 光源から出射された光ビームを振動ミラーにより偏向走査し、走査結像光学系により被走査面に向かって集光する光走査装置において、
    前記光ビームの走査領域内で前記光ビームを検出する光センサと、
    前記光センサから得られる信号の指定範囲の周波数成分を通過させ、前記指定範囲が変更可能な可変平滑化手段と、
    前記可変平滑化手段を通過した信号を基準信号と比較する比較手段と、
    前記比較手段から出力される信号に基づいて前記振動ミラーを駆動する駆動手段と、を備え
    前記可変平滑化手段は、該可変平滑化手段を通過した信号が目標値を基準に定められた所定範囲内にない場合は前記光センサから得られる信号の所定周波数以下の低周波成分のみを通過させ、該可変平滑化手段を通過した信号が前記所定範囲内となった場合に前記光センサから得られる信号の前記所定周波数を超える高周波成分も通過させるように、前記指定範囲が変更されることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記可変平滑化手段は、通過させる周波数が段階的に高められるように前記指定範囲が変更されることを特徴とする請求項に記載の光走査装置。
  3. 前記可変平滑化手段は、前記光センサから出力されるセンサ信号を入力し、該センサ信号の指定範囲の周波数成分を通過させることを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
  4. 前記光センサから出力されるセンサ信号に基づき、偏向走査される前記光ビームが前記光センサの位置を通過する時間差を計測する時間差計測手段をさらに備え、
    前記可変平滑化手段は、前記時間差のデータを入力し、該時間差のデータの指定範囲の周波数成分を通過させることを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
  5. 光源から出射された光ビームを振動ミラーにより偏向走査し、走査結像光学系により被走査面に向かって集光する光走査装置において、
    前記光ビームの走査領域内で前記光ビームを検出する光センサと、
    前記光センサから出力されるセンサ信号を入力し、該センサ信号の指定範囲の周波数成分を通過させる第1の平滑化手段と、
    前記第1の平滑化手段を通過した信号を第1の基準信号と比較する第1の比較手段と、
    前記光センサから出力されるセンサ信号に基づき、偏向走査される前記光ビームが前記光センサの位置を通過する時間差を計測する時間差計測手段と、
    前記時間差のデータを入力し、該時間差のデータの指定範囲の周波数成分を通過させる第2の平滑化手段と、
    前記第2の平滑化手段を通過した信号を第2の基準信号と比較する第2の比較手段と、
    前記第1の比較手段から出力される信号と前記第2の比較手段から出力される信号のいずれか一方を選択するセレクタ手段と、
    前記セレクタ手段により選択された信号に基づいて前記振動ミラーを駆動する駆動手段と、を備え
    前記第1の平滑化手段は、前記光センサから出力されるセンサ信号の所定周波数以下の低周波成分のみを通過させ、
    前記第2の平滑化手段は、前記時間差信号の前記所定周波数を超える高周波成分も通過させ、
    前記セレクタ手段は、前記第1の比較手段から出力される信号が目標値を基準に定められた所定範囲内にない場合は前記第1の比較手段から出力される信号を選択し、前記第1の比較手段から出力される信号が前記所定範囲内となった場合に前記第2の比較手段から出力される信号を選択することを特徴とする光走査装置。
  6. 光走査装置により光ビームを走査して感光体に潜像を形成し、該潜像を可視化して記録画像を得る画像形成装置において、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の光走査装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
JP2010174729A 2010-08-03 2010-08-03 光走査装置および画像形成装置 Expired - Fee Related JP5471948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010174729A JP5471948B2 (ja) 2010-08-03 2010-08-03 光走査装置および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010174729A JP5471948B2 (ja) 2010-08-03 2010-08-03 光走査装置および画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012037578A JP2012037578A (ja) 2012-02-23
JP5471948B2 true JP5471948B2 (ja) 2014-04-16

Family

ID=45849663

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010174729A Expired - Fee Related JP5471948B2 (ja) 2010-08-03 2010-08-03 光走査装置および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5471948B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112020001781T5 (de) 2019-12-18 2021-12-30 Ngk Insulators, Ltd. Vibrationsplatte-Verbundkörper

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008134601A (ja) * 2006-11-01 2008-06-12 Canon Inc 画像形成装置
JP5114178B2 (ja) * 2007-12-13 2013-01-09 株式会社リコー 光走査装置の調整方法
JP2009186779A (ja) * 2008-02-06 2009-08-20 Kyocera Mita Corp 光走査装置、及びこれを用いた画像形成装置
JP2010048928A (ja) * 2008-08-20 2010-03-04 Canon Inc 揺動体装置、及びそれを用いた光偏向装置
JP2010049155A (ja) * 2008-08-25 2010-03-04 Ricoh Co Ltd 光走査装置および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012037578A (ja) 2012-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5114175B2 (ja) 光走査装置及びカラー画像形成装置
JP5064864B2 (ja) 光偏向装置、画像形成装置、及び光偏向装置の駆動方法
JP5114178B2 (ja) 光走査装置の調整方法
US8111276B2 (en) Optical scanning device and image forming apparatus with a center adjusting mechanism
JP2008197336A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
US8451308B2 (en) Image forming apparatus
JP2009134243A (ja) 揺動体装置の製造方法、該製造方法により製造された揺動体装置によって構成される光偏向器及び光学機器
US8531499B2 (en) Optical scanner and image forming apparatus including same
JP4701907B2 (ja) 光走査装置および該装置の制御方法
JP5353739B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP5471948B2 (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP5459603B2 (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP2011180179A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP4447963B2 (ja) 光偏向器制御装置
JP2011095561A (ja) 光走査装置及びこれを備えた画像形成装置
US8829422B2 (en) Optical scanning apparatus using MEMS mirror and image forming apparatus provided with the same
JP5341372B2 (ja) 揺動体装置、揺動体装置を用いた画像形成装置
JP5450496B2 (ja) 光走査装置及びこれを備えた画像形成装置
JP2011033755A (ja) 画像形成装置
JP2011237666A (ja) 光走査装置及びカラー画像形成装置
JP2012008244A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2007057695A (ja) 光走査装置および該装置の制御方法
JP5572584B2 (ja) 光走査装置及びこれを備えた画像形成装置
JP2011033756A (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP5408887B2 (ja) 揺動体装置、揺動体装置を用いた画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140120

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5471948

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees