JP5459603B2 - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディジタル複写機およびページプリンタ等に用いられ、レーザビーム等の光ビームによるラスタ書込光学系を構成する光走査装置に係り、特に、振動ミラーを用いて光ビームの偏向走査を行う光走査装置およびそのような光走査装置を用いる画像形成装置に関するものである。
従来、光ビーム、例えばレーザビーム、の走査により画像形成するディジタル複写機およびページプリンタ等のカラー機におけるプリントの高速化・高画質化を実現するにあたっては、ポリゴンミラーを回転してレーザビーム走査を行うポリゴンスキャナを、25,000rpm以上の高速で、且つ高精度に回転させる必要が生じている。一方、レーザビームの小径化による高画質化のため、上述したポリゴンスキャナに使用されるポリゴンミラーの内接円半径や主走査方向の長さが比較的大きく、ポリゴンスキャナとして高負荷化の動向にある。
この高負荷化により、ポリゴンスキャナの消費電力は増加し、その発熱が走査レンズなどの光学素子に悪影響を与える。具体的には、例えば、ポリゴンスキャナに最も近接する走査レンズの温度上昇である。ポリゴンスキャナにおける発熱は、光学ハウジングによる間接的な熱伝導または直接的な熱輻射により走査レンズの温度が上昇する。しかも、実際には、走査レンズを均一に温度上昇させるのではなく、発熱源であるポリゴンスキャナからの距離または各材質の熱膨張率の差や気流の影響により、特に長手方向となる主走査方向に対して温度分布(温度偏差)を持ってしまう。
走査レンズが、主走査方向に温度分布を持つと、特に、走査レンズの形状精度および屈折率が変化してしまい、レーザビームのスポット位置が変動して、画質が劣化する。この問題は、特に熱膨張率の大きいプラスチックをレンズ材料に用いている場合に顕著となる。
特に、カラー機においては、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック等の各色に対応するレーザビームをそれぞれ走査しているので、上述した問題以外に各色に対応する光走査系相互間の温度偏差が問題となる。このような温度偏差は、各色に対応するビームスポットの相対位置関係のずれを発生させ、画像の色ずれとなってしまう。
また、高負荷ポリゴンミラーの発熱による温度上昇が、回転体構成部品、特に質量割合の大きいポリゴンミラーの微移動を誘発し、回転体バランスを変化させ、無用な振動を発生させてしまう。さらに、回転体を構成している部品、すなわちポリゴンミラーやロータ磁石が固定されるフランジおよび軸等の熱膨張率が異なっている場合、あるいは熱膨張率が一致していても部品公差や固定方法等を厳密に管理および検査していない場合などにおいては、高温高速回転時に回転体のバランス変化による微移動が発生し、ひいては無用な振動を増大させる結果となっていた。このような振動が、光走査装置内の、例えば折り返しミラー等の光学素子へ伝達増幅され、バンディングを発生させて、画像劣化や騒音を引き起こすことになる。
このような問題に対処するために、上述した回転ポリゴンミラー偏向器ではなく、例えば、特許文献1(特開2005−208460号)に開示されているように、共振現象を用いて偏向ミラーを揺動させる方式による振動ミラー偏向器が検討されている。
すなわち、特許文献1(特開2005−208460号)においては、共振周波数の増大にともなって、偏向ミラー面の駆動周波数を増大させるとともに、偏向ミラー面の揺動振幅を減小させることによって(Θ1→Θ2)、光ビーム検出位置Aから光ビーム検出位置Bまで光ビームが走査する時間はPTとなり、共振周波数増大前の走査時間PTとほぼ等しくなる。このように、偏向ミラー面を駆動する駆動信号を効率よく制御することによって省エネルギー化を実現するとともに、安定して光ビームにより被走査面上を走査させることができる。しかしながら、前述したようにして走査時間を等しくしても、走査時間内の走査特性は変化してしまうため、画像の倍率等に関してのリニアリティ誤差が残ってしまい、全体の画像が主走査方向に歪んだものとなり、画像が劣化するという問題がある。
上述したように、振動ミラー偏向器による走査方式は、消費電力が小さく、光走査装置に使用される走査レンズの温度上昇、あるいはカラー機の各色の光走査系毎の温度偏差や振動を低減するというメリットがある。しかし、その反面、共振周波数と駆動周波数の関係により、ジッターまたは振幅等の走査特性が影響を受ける。
したがって、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、消費電力が小さく、光走査に使用される走査レンズの温度上昇、並びにカラー機における各色の光走査系毎の温度偏差や振動を低減して、特に、ジッターが少なく良好な走査特性を得て、画像の経時安定性を確保することを可能とする光走査装置および画像形成装置を提供することを目的としている。
すなわち、本発明の請求項1の目的は、ジッターが少なく、良好な走査特性を得ることを可能とする光走査装置を提供することにある。
また、本発明の請求項2の目的は、特に、共振周波数frと駆動周波数fdとの相違を常時検出することができ、装置の停止を効果的に防止し得る光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項の目的は、特に、共振周波数frと駆動周波数fdの差異に応じて駆動周波数fdを調整して、温度環境の変化するような状況においてもジッターの少ない良好な走査特性を得ることの可能な光走査装置を提供することにある。
本発明の請求項の目的は、特に、共振周波数frと駆動周波数fdとの相違を常時検出して、装置の停止を一層効果的に防止することを可能とする光走査装置を提供することにある
発明の請求項の目的は、特に、光走査装置における消費電力が小さく、光走査に使用される走査レンズの温度上昇、並びに光走査系毎の温度偏差や振動を低減して、画像の経時安定性を確保することを可能とする画像形成装置を提供することにある
発明の請求項の目的は、特に、カラー機における各色の光走査系毎の温度偏差や振動を低減して、画像の経時安定性を確保することを可能とする画像形成装置を提供することにある。
請求項1に記載した本発明に係る光走査装置は、上述した目的を達成するために、
光源装置から射出されるレーザビームを、単一の振動ミラー偏向器によって主走査方向に偏向走査して、複数の被走査面に集光結像する走査結像手段を備える光走査装置であって、
前記振動ミラーは、当該振動ミラーの振幅を制御する振幅制御ループ、当該振動ミラーの理想振幅波形の振幅中心と実際の振幅波形の振幅中心との差を制御するオフセット制御ループ、基準クロックと当該振動ミラーの振れ角との関係を制御する位相制御ループ、で構成された制御手段により駆動制御され、
前記振動ミラーの振幅を一定に制御した状態で、前記振動ミラーの共振周波数frと駆動周波数fdの関係が、条件:
fd<fr
fr−fd≦(fr×0.002)
を満足するように、前記振動ミラーの駆動周波数fdを設定したことを特徴としている。
請求項2に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項1の光走査装置であって、
主走査領域内に配置されて偏向走査された走査ビームを検出するレーザビーム検出器を有し、且つ
前記振動ミラーの共振周波数frと駆動周波数fdの関係は、駆動周波数の電圧波形を基準とし、前記レーザビーム検出器からの出力信号との位相差に基づいて算出することを特徴としている。
求項に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項1または2の光走査装置であって、
前記振動ミラーの共振周波数frと駆動周波数fdの差異を検出し、その検出結果に応じて駆動周波数fdを調整する制御手段を有することを特徴としている。
請求項に記載した本発明に係る光走査装置は、請求項の光走査装置であって、
前記振動ミラーによる偏向走査時は、共振周波数frと駆動周波数fdとの差異を常時検出することを特徴としている
請求項に記載した本発明に係る画像形成装置は、
潜像担持体に光走査により潜像を形成し、当該潜像を可視化して所望の記録画像を得る画像形成装置であって、
前記潜像担持体の光走査に前記請求項1〜請求項のいずれか1項の光走査装置を用いることを特徴としている
求項に記載した本発明に係る画像形成装置は、請求項の画像形成装置であって、
前記画像形成装置は、複数の各色毎にカラー画像を形成するカラー画像形成装置であることを特徴としている。
本発明によれば、消費電力が小さく、光走査に使用される走査レンズの温度上昇、並びにカラー機における各色の光走査系毎の温度偏差や振動を低減して、画像の経時安定性を確保することを可能とする光走査装置および画像形成装置を提供することができる。
すなわち本発明の請求項1の光走査装置によれば、
光源装置から射出されるレーザビームを、単一の振動ミラー偏向器によって主走査方向に偏向走査して、複数の被走査面に集光結像する走査結像手段を備える光走査装置であって、
前記振動ミラーは、当該振動ミラーの振幅を制御する振幅制御ループ、当該振動ミラーの理想振幅波形の振幅中心と実際の振幅波形の振幅中心との差を制御するオフセット制御ループ、基準クロックと当該振動ミラーの振れ角との関係を制御する位相制御ループ、で構成された制御手段により駆動制御され、
前記振動ミラーの振幅を一定に制御した状態で、前記振動ミラーの共振周波数frと駆動周波数fdの関係が、条件:
fd<fr
fr−fd≦(fr×0.002)
を満足するように、前記振動ミラーの駆動周波数fdを設定したことにより、
ジッターが少なく、良好な走査特性を得ることが可能となる。
また、本発明の請求項2の光走査装置によれば、請求項1の光走査装置において、
主走査領域内に配置されて偏向走査された走査ビームを検出するレーザビーム検出器を有し、且つ
前記振動ミラーの共振周波数frと駆動周波数fdの関係は、駆動周波数の電圧波形を基準とし、前記レーザビーム検出器からの出力信号との位相差に基づいて算出することにより、
特に、共振周波数frと駆動周波数fdとの相違を常時検出することができ、装置の停止を効果的に防止することが可能となる
また、本発明の請求項の光走査装置によれば、請求項1または2の光走査装置において、
前記振動ミラーの共振周波数frと駆動周波数fdの差異を検出し、その検出結果に応じて駆動周波数fdを調整する制御手段を有することにより、
特に、共振周波数frと駆動周波数fdの差異に応じて駆動周波数fdを調整して、温度環境の変化するような状況においてもジッターの少ない良好な走査特性を得ることが可能となる。
本発明の請求項の光走査装置によれば、請求項の光走査装置において、
前記振動ミラーによる偏向走査時は、共振周波数frと駆動周波数fdとの差異を常時検出することにより、
特に、共振周波数frと駆動周波数fdとの相違を常時検出して、装置の停止を一層効果的に防止することが可能となる
た、本発明の請求項の画像形成装置によれば、
潜像担持体に光走査により潜像を形成し、当該潜像を可視化して所望の記録画像を得る画像形成装置において、
前記潜像担持体の光走査に前記請求項1〜請求項のいずれか1項の光走査装置を用いることにより、
特に、光走査装置における消費電力が小さく、光走査に使用される走査レンズの温度上昇、並びに光走査系毎の温度偏差や振動を低減して、画像の経時安定性を確保することが可能となる
発明の請求項の画像形成装置によれば、請求項の画像形成装置において、
前記画像形成装置は、複数の各色毎にカラー画像を形成するカラー画像形成装置としたことにより、
特に、カラー機における各色の光走査系毎の温度偏差や振動を低減して、画像の経時安定性を確保することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る光走査装置の要部の構成を模式的に示す斜視図である。 図1の光走査装置に用いられる振動ミラー部の正面から見た構成を示す正面図である。 図1の光走査装置に用いられる振動ミラー部の詳細な図であり、(a)は背面から見た構成を示す背面図、そして(b)は、横断面図である。 図1の光走査装置に用いられる振動ミラー部の構成を示す分解斜視図である。 図1の光走査装置に用いられる振動ミラー部の取り付け構成を示す斜視図である。 図1の光走査装置における主走査のビーム走査範囲を説明するための模式図である。 図1の光走査装置における振動ミラーの共振および駆動制御に関する各部の波形を示すタイミングチャートである。 図1の光走査装置における振動ミラーの振幅制御の原理を模式的に説明するための波形図である。 図1の光走査装置における振動ミラーの許容範囲内のオフセットを有する場合のオフセット制御の原理を模式的に説明するための波形図である。 図1の光走査装置における振動ミラーの許容範囲を超えるオフセットを有する場合のオフセット制御の原理を模式的に説明するための波形図である。 図1の光走査装置における振動ミラーの位相制御の原理を模式的に説明するための波形図である。 図1の光走査装置における振動ミラーの駆動周波数と共振周波数を模式的に説明するための波形図である。 図1の光走査装置における振動ミラーの共振駆動制御に関する振幅制御、オフセット制御、位相制御および周波数制御を行う制御系の模式的なブロック図である。 共振周波数と駆動周波数との周波数差とジッターとの関係を示す図である。 振動ミラーの振幅ゲインにおける共振周波数が下降する場合の共振周波数特性と、振動ミラーを駆動する駆動電圧波形との位相差である位相特性を示す図である。 振動ミラーの振幅ゲインにおける共振周波数が上昇する場合の共振周波数特性と、振動ミラーを駆動する駆動電圧波形との位相差である位相特性を示す図である。 受光素子とレーザビーム走査との関係および受光素子の信号波形を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の要部の構成を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の光走査装置を詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明の第1の実施の形態に係る光走査装置の要部の構成を示している。図1は、光走査装置の要部の構成を模式的に示す斜視図、図2は、レーザビームを偏向揺動させる振動ミラーを有する振動ミラー基板の構成を模式的に示す正面図、図3は、振動ミラー基板の振動ミラー部分を詳細に示し、(a)は背面側から見た背面図、(b)はその横断面図、そして図4は、振動ミラー部分をさらに詳細に説明するための分解斜視図である。
図1に示す光学走査装置は、この場合、例えば画像形成装置(図5参照)の作像部の中間転写ベルト2に当接して並設されて作像部を構成する4つの感光体ドラム3Y、3M、3Cおよび3K(これらのいずれか1つまたは全体を、「感光体ドラム3」とする)をレーザビームにて走査する光学走査装置5として構成され、光源部10(光源ユニット10Y、10M、10Cおよび10K)、振動ミラー11、シリンドリカルレンズ12、折り返しミラー13、走査結像光学系における走査レンズ群を構成する第1のレンズ14、結像レンズ15(15−1、15−2)、ミラー16(16Y、16M、16Cおよび16K)、走査結像光学系における走査レンズ群を構成する第2のレンズ17(17Y、17M、17Cおよび17K)、ミラー18(18Y、18Mおよび18C)および受光素子PD(PD1およびPD2)を具備している。感光体ドラム3Y、3M、3Cおよび3Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色に対応している(以下、符号に対する添字Y、M、CおよびKは、それぞれY:イエロー、M:マゼンタ、C:シアンおよびK:ブラックの各色に対応する部分を示すものとする)。
上述したように、この場合、光走査装置5は、画像形成装置内のイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4つの感光体ドラム3Y、3M、3Cおよび3Kが並設された作像部の上方に配置されている。光走査装置5は、各色に対応するレーザビームを発生する4つの光源10Y、10M、10Cおよび10Kからなる光源部10と、各光源10Y、10M、10Cおよび10Kからのレーザビームを偏向走査する偏向走査手段である振動ミラー11と、振動ミラー11で反射偏向されたレーザビームをそれぞれ4つの感光体ドラム3Y、3M、3Cおよび3Kの外周の被走査面上に導く走査結像光学系の走査レンズ群を構成する第1のレンズ14および各色に対応する第2のレンズ17Y、17M、17Cおよび17Kとを備えており、これらの構成部材は、光学ハウジング(図示されていない)内に収納されている。
図1に示す光源部10は、各色に対応して4つの光源ユニット10Y、10M、10Cおよび10Kを有しており、光源ユニット10Y、10M、10Cおよび10Kの各々は、半導体レーザとカップリングレンズにより構成されている。光源部10における4つの半導体レーザは、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色成分画像を書込むための光束としてのレーザビームを射出する。
各半導体レーザから射出されるレーザビーム光束は、カップリングレンズにより以後の光学系に適合する光束形態、すなわち平行光束、または弱い発散性あるいは集束性の光束のような光束形態、に変換され、折り返しミラー13を経てシリンドリカルレンズ12により副走査方向に集束されて偏向走査手段である振動ミラー11の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として結像される。
振動ミラー11の入射側には、明確には図示してはいないが、レーザ透過部材が配置されていて、光源部10側の各光源ユニット10Y、10M、10Cおよび10Kからそれぞれ射出される各光束は、レーザ透過部材を介して振動ミラー11に入射して、同一の方向に反射偏向される。振動ミラー11により偏向され、振動ミラー11の揺動により射出方向が揺動される4色分の偏向光束は、走査結像光学系の走査レンズ群を構成する第1のレンズ14を透過する。例えば、走査レンズ群の第1のレンズ14の図示上端の位置を通るブラック(K)成分画像を書込む光束は、ミラー16Kで反射され、走査レンズ群を構成する第2のレンズ17Kを透過して、被走査面となるドラム状の光導電性の感光体である感光体ドラム3Kの円筒状の外周表面上に光スポットとして集光され、この光スポットによって感光体ドラム3Kの外周表面を図示矢印方向に走査する。
走査レンズ群を構成する第1のレンズ14および第2のレンズ17(ここでは17K)の材質としては、非球面形状が容易に且つ低コストに形成することが可能なプラスチック材料が用いられ、より具体的には低吸水性や、高透過率および成形性に優れたポリカーボネートやポリカーボネートを主成分とする合成樹脂材料が好適である。
ブラック(K)以外の、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の各色成分の画像を書込む光束は、それぞれ、ミラー16Y、16Mおよび16Cで反射され、第2のレンズ17Y、17Mおよび17Cを透過し、さらにミラー18Y、18Mおよび18Cで反射されて、感光体ドラム3Y、3Mおよび3Cの各外周面上に光スポットを結像し、各色とも同一の矢印方向に走査する。
これらの光走査により各感光体ドラム3Y、3M、3Cおよび3Kにそれぞれ対応する色成分画像の静電潜像が形成される。これら静電潜像は、現像装置(6)により対応する色のトナーで可視化され、中間転写ベルト2上に転写される。転写の際、各色のトナー画像は互いに重ね合わせられカラー画像を構成する。このカラー画像は、記録用紙等のシート状記録媒体上ヘ転写され、定着される。カラー画像を転写した後の中間転写ベルト2はクリーニング装置(図示せず)によってクリーニングされる。
上述したように、図1に示す光走査装置は、カラー画像を構成する複数の色成分画像にそれぞれ対応する複数の光源装置から放射された各光束を、偏向走査手段の反復揺動する振動ミラー11により同一方向に偏向走査し、各色に対応する偏向光束を各色共通に透過する第1のレンズ14と、各色毎に個別に対応して設けられた第2のレンズ17(17Y、17M、17Cおよび17K)により、各色成分の画像に対応する感光体ドラム3Y、3M、3Cおよび3Kの外周の被走査面に個別的に集光させて光走査を行う。走査結像光学系は、第1のレンズ14と第2のレンズ17(17Y、17M、17Cおよび17K)によって構成される走査レンズ群を有し、各色成分に相当する4つの走査結像手段を構成する。
各色に対応するレーザビームは、副走査方向について所定角度をもって上述した振動ミラー11の反射面に入射して、いわゆる斜入射光学系を構成している。具体的には、入射角度が最大となる色に対応するレーザビームで5°以下となるように設定されている。入射角度が5°以上の場合には、被走査面上での走査線曲がりが大きく発生し、しかもレーザビームが大径化し、結果として画像の劣化を招いてしまう。
一方、各色に対応するレーザビームが、斜入射せずに、副走査方向について斜入射角0°で垂直に入射すると、反射面の副走査方向の幅を多く必要とすることになるため、振動ミラー11自体の寸法が増大化し、振動ミラー11の駆動負荷が大きくなって、振動周波数を高くすることができないという不具合がある。
振動ミラー11の詳細を、図2〜図4に示す。図2は、振動ミラー11全体を反射面側から見た正面図である。図3は、振動ミラー11の主要部分を示しており、(a)は、背面図、そして(b)は、横断面図である。図4は、図2に示した振動ミラー11全体の分解斜視図である。
図2〜図4に示す振動ミラー11は、実装基板40、可動ミラー部41、ねじり梁42(42A、42B)、振動板43、補強梁44(44A、44B)、フレーム46、フレーム47、ヨーク49、永久磁石50(50A、50B)、接続電極52、平面パターンコイル53、端子54(54A、54B)、トリミング用パッチ55および台座56を有している。振動ミラー11は、表面にミラー面を形成し振動子をなす可動ミラー部41と、その可動ミラー部41をねじれ変形により回転可能に支える軸を形成するねじり梁42(42A、42B)と、これらを支持する支持部としてのフレーム46および47を有してなり、これら各部は、基本的にSi(シリコン)基板をエッチングにより切り抜いて形成する。
これらは、実装基板40上に構成されており、具体的には、例えば、SOI基板と称される60μmと140μmの2枚のSi層が酸化膜を挟んであらかじめ接合されたウエハを用いて作製する。ちなみに、SOI(silicon on insulator)基板とは、Si基板と表面Si層の間にSiOを挿入した構造の基板であり、トランジスタの寄生容量を減らせるので、動作速度向上と消費電力削減に効果があるとされている。通常のSi基板を使う場合に比べて、動作速度は20%〜30%の向上、そして消費電力は50%以上の低減が期待できる。
すなわち、第1のSi層を構成する140μmの第1の基板61と、第2のSi層を構成する60μmの第2の基板62とからなるSOI基板を用いる場合を例にとって説明する。まず、背面側の140μmの第1の基板61の表面からプラズマエッチングによるドライプロセスによって、ねじり梁42A、42B、平面パターンコイル53が形成される振動板43、可動ミラー部41の骨格をなす補強梁44A、44Bおよびフレーム46を残して、それら以外の部分を酸化膜まで貫通させて除去する。次に、表面側の60μm基板(第1の基板)62の表面からKOH(水酸化カリウム)等を用いた異方性エッチングによって、可動ミラー部41およびフレーム47を残してそれ以外の部分を、酸化膜まで貫通させて除去する。最後に、可動ミラー部41の周囲の酸化膜を除去して分離し振動ミラー11の構造体を形成する。
ここで、ねじり梁42Aおよび42B、並びに補強梁44Aおよび44Bのそれぞれの幅は、40〜60μmとする。振動子の慣性モーメントIは、振れ角を大きくとるには小さい方が望ましいが、その反面、慣性力によってミラー面が変形してしまうため、この場合には、可動ミラー部41を肉抜きした構造としている。
さらに、60μmの第2の基板62の表面側にアルミニウム薄膜を蒸着して反射面とし、140μmの第1の基板61の背面側の表面には銅薄膜で平面パターンコイル53と、この平面パターンコイル53にねじり梁42Aおよび42Bを介して配線された端子54Aおよび54Bと、トリミング用のパッチ55とを形成する。当然、これとは逆に、振動板43側に薄膜状の永久磁石を設け、フレーム47側に平面コイルを形成する構成とすることもできる。このようにして、振動ミラー11の本体部となる可動ミラー部41およびその周囲関連部分を構成する。
実装基板40上には、振動ミラー11の上述した本体部を装着する枠状の台座56と、振動ミラー11の本体部を囲むように形成されるヨーク49を配備し、このヨーク49には、可動ミラー部41の両端部にほぼ対応して各々S極とN極とを対峙させ、ねじり梁42Aおよび42Bによって形成される振動板43の回転軸に対して直交する方向に磁界を発生する一対の永久磁石50Aおよび50Bが結合されている。
振動ミラー11の可動ミラー部41は、フレーム46および47部分にて、ミラー面を表側に向けて台座56に装着され、端子54Aと端子54Bとの間に電流を流すことにより平面パターンコイル53の回転軸(ねじり梁42Aおよび42Bによる)に平行な各辺にローレンツ力が生じて、ねじり梁42Aおよび42Bをねじれ変形させて可動ミラー部41を回転させる回転トルクTを発生し、電流を切るとねじり梁42Aおよび42Bの戻り変形力により水平に戻る。
したがって、交流信号によって平面パターンコイル53に流れる電流の方向を交互に切り換えることによって、可動ミラー部41を反復する往復揺動にて振動させることができる。そして、この電流の切り換える周期を、振動ミラー11を構成する構造体のねじり梁42Aおよび42Bを回転軸とする1次振動モードの固有振動数、いわゆる共振振動数f0に近づけると、共振が励起され振幅の大きな振れ角を得ることができる。
一方、平面パターンコイル53に流す電流に直流成分を印加することにより、可動ミラー部41の揺動回転角度を静的に変化させ、振動の振幅中心を変化させることができる。但し、共振現象を利用しているので電流に応じた変化は、角度で±1°以内となる。この直流成分を上述した交流信号に重畳させることにより、振動ミラー11を偏向振動させながら、揺動の振幅中心を変化させることが可能となる。
振動ミラー11は、図5に示すように振動ミラーユニット70という形態で光走査装置の光学ハウジング(図示せず)に搭載される。図5に示す振動ミラーユニット70は、振動ミラー11、ブラケット71、基板72、電極部73および電気コネクタ74等を備えている。振動ミラー11は、基板72上に設けられたブラケット71に、実装基板40の縁部において嵌合して固定され、且つ接続電極52がブラケット71に設けられた電極部73に接触することによって基板72に電気的に接続される。基板72は、図示していない光学ハウジングに設置され、電気コネクタ74を介して接続される。
上述した振動ミラー11は、可動部の質量およびイナーシャ(慣性)が、従来のポリゴンミラーに比べて非常に小さいため駆動部も小型化され、磁気回路の高効率化もあいまって消費電力を、ポリゴンミラーの1/10以下に低く抑えることができる。その結果、発熱が少なくなり書込光学系の光学素子やハウジングの温度上昇も実質的になくすことが可能となる。このため、特に樹脂製の走査レンズが局部的な温度分布を持つことがなくなり、レーザビームの走査位置を変動させることもなくなって、カラー画像形成時等における色ずれの発生を抑制することが可能となる。
さらに、振動ミラー11の可動部の質量およびイナーシャが小さいので、可動部の揺動時に質量アンバランスによって生じて外部へ伝達される振動が、ポリゴンミラーの1/100以下と少なくなる。したがって、書込光学系の光学素子へ伝達される振動が実質的になくなることから、折返しミラーの振動による画像形成時における副走査方向の粗密変動であるバンディングの発生も解消する。
上述した振動ミラー11の利点を活かすためには、次に好適な例を示すような制御が必要となる。
図6は、図1に示したカラー画像形成用の光走査装置のうち、1つの感光体ドラム3に対応する主要な部分を概略的に示している。振動ミラー11によって偏向走査されるレーザビームLBを、走査位置の範囲により区別し、最大振れ角の走査位置範囲に対応するレーザビームをLBa、最大振れ角範囲内に配置される受光素子PD1と受光素子PD2にレーザビームが入射して出力信号を発生させる位置の間の走査位置範囲に対応するレーザビームをLBb、そして感光体ドラム3における画像領域の端部間の走査位置範囲に対応するレーザビームをLBcとした。実際のレーザビームLBは、最大振れ角範囲内に配置される受光素子PD1および受光素子PD2に入射して出力信号が発生するタイミングの間で走査される。
図7には、この場合の時間に対しての振動ミラー11の振幅を示している。振動ミラー11は、共振現象を利用して大きな振幅を発生させるため、振動ミラーの振幅は、図示のように、時間に対して正弦波状の軌跡を描き、走査レンズがない場合には、偏向走査されるレーザビームの走査速度が一定ではなく、走査位置によって異なることになる。このような走査速度でも走査速度が一定となるように、走査レンズ群の第1および第2のレンズ14および17は、f・arcsin特性を有している。図7においては、そのときの振動ミラー振幅の他に、駆動電圧波形、駆動基準信号、受光素子PD1の出力、受光素子PD2の出力および基準位相クロック波形を示している。
上述したような特性の走査レンズを使用したとしても、図8〜図11に示すような振動ミラー11の揺動ばらつき変動が発生するため、このような変動を抑制するように、振幅制御(図8)、オフセット制御(図9および図10)および位相制御(図11)の各制御を行っている。振動ミラー11の共振周波数が一定でも、図8〜図11に示す振幅波形AW1〜AW4のような現象が発生し、いずれも、正弦波形からなる理想振幅波形AW0に対するレーザビームの走査位置変動となり、画像を劣化させることになる。
すなわち、図8は、振幅変動を示しており、振幅波形AW1の振幅が目標とする理想振幅波形AW0よりも大きい場合(小さい場合もほぼ同様)には、理想振幅とするために、矢印で示すような制御を行う。この場合、図7に示すように、受光素子PD1の出力のタイムインターバルA(A1、A2…)と、受光素子PD2出力のタイムインターバルB(B1…)の演算値が一定となるように制御する。具体的には、例えば、(A1+B1)/2、(A2+B2)/2、…、として複数回の平均化を行い、共振周波数から一義的に決まる制御目標値となるように制御を行う。
ここで、図12を参照して、振動ミラー11の駆動周波数fdについて詳述する。駆動周波数fdは、プリント枚数等の画像形成枚数を実現するための周波数であり、これが共振周波数と合致することが、光走査に必要な振幅Y1(図12に実線で示す)を稼ぐことができるので好適であるが、実際には、振動ミラー11の共振周波数の変動(初期のばらつきも含む)により合致しないことがある。そのような場合には、図12に示すように、光走査に必要な振幅Y1とするために、振動ミラー11への入力エネルギー(電圧、電流等)を増加させ、駆動周波数fdで振幅がY2しかない振動ミラー11の振幅を大きくして、図12に破線で示すように振幅Y1まで増幅させるという振動ミラーの振幅制御を行なっている。
図9および図10は、振動ミラー11の振幅中心と走査中心との位置関係について示したものであり、光走査波形AW0の中心である走査中心に対して、振幅波形AW2およびAW3にオフセット(振動ミラー11の振幅波形AW2またはAW3の中心と光走査波形AW0の中心との差異)がある状態を示している。図9と図10とには、オフセット量にる違いがあり、図9はオフセット量が許容レベル内に入っている場合の例であり、図10はオフセット量が許容レベルを超えている場合の例である。オフセット量は光走査特性におけるリニアリティおよびビーム径に影響を与えるが、画像への影響を考慮すると必ずしもオフセット量がゼロである必要はない。具体的には、リニアリティ誤差分については、画像情報にもとづくレーザビームの点灯タイミングを制御することによってリニアリティの補正を行い、影響を抑制するとともに、ビーム径については影響を抑制するために感光体における静電潜像が同等となるように光量、すなわち積分光量、を制御することによって、オフセットの影響を軽減するようにする。
なお、そもそもオフセット量が許容オフセット以内であれば、そのままでも許容し得ることになる。そこで、オフセット量が許容オフセット以内である場合に、上述した制御を行なわないようにしてもよい。例えば、リニアリティにおける設計値との偏差が1%以下、そしてビーム径における設計値との偏差が10%以下となるように、許容オフセット量を設定することにより、画像への影響を極力抑制することが可能となり、上述のようにオフセットの影響を軽減させるための制御を行なわなくとも問題はない。
図10は、オフセット量が許容オフセットを超えている状態を示したものであり、このような場合には、上述した通り許容範囲内、つまり許容オフセット以内、に補正すべく制御調整する必要がある。調整制御の方法は、振動ミラー11の実質的な駆動電圧である交流成分にオフセット量に応じた直流成分を重畳させることにより、主走査方向についての姿勢を変化させ、振幅中心を許容オフセット以内となるように調整する。また、その他の実施の形態としては、振動ミラー11の姿勢を変化させるような駆動機構により、調整することも可能である。
駆動機構は、例えば基板72の下面にステッピングモータ(図示せず)が配置され、モータの回転軸と振動ミラー11の振動中心軸が一致するように配置される。この駆動機構は、振動ミラーユニット70を振動中心軸を中心として回転させて姿勢を変化させることにより、許容オフセット範囲内となるように調整する。この場合、ステッピングモータの回転ステップ分解能としては、少なくとも許容オフセット量の1/2以下に相当する量が必要である。
この種のオフセット調整自体は、従来より行なわれているが、従来は、上述したような許容オフセットという考え方ではなく、理想的にオフセット量をゼロとすべく制御調整している。
この場合、オフセット調整の際に必要となる直流成分の重畳回路は、図10のオフセット量を全て調整できる出力電圧を有する性能をもたなければならず、回路が大型化し、且つ発熱量が大きくなって光走査装置内の温度が上昇し、光走査特性を劣化させることになる。さらに、この場合、回路の大型化に伴って、コストが増加するという不具合も生じる。また、オフセット調整の際における駆動制御電流または電圧も、振動ミラー11の電流定格の上限によって制限されるから、オフセット量に応じて無制限に駆動することはできない。すなわち、駆動制御電流が電流定格を超えると素子の破壊を招くことになる。特に上述において説明した電磁駆動型の場合には、直流成分の消費電力がはコイルの消費電力(つまり銅損)となるため、オフセット調整量が多くなると発熱し、温度が上昇するという懸念もでてくる。
図10においては、オフセットを許容オフセット範囲内に制御調整するために、図10の矢印方向に示すように)、図7において説明したような、受光素子PD1の出力のタイムインターバルA(A1、A2…)と、受光素子PD2の出力のタイムインターバルB(B1、…)のそれぞれの演算値が一定となるように制御する。具体的にはA1−B1、A2−B2、…で数回の平均化を行い、許容オフセット以内か否かを判断し(詳細は後述する図13の比較部107)、許容オフセット以内であれば制御せず、許容オフセットを超えた場合には、オフセットを許容範囲内とするようにオフセット制御を行う。
図11は、振動ミラー11の振幅波形の位相変動について示しており、図示のように基準位相波形AW0の基準位相クロック(波形は図7を参照)に対して位相変動が生じた振幅波形AW4となっている。このような場合に、図11に矢印に示すように振幅波形AW4の位相を調整するために、図7に示したように、振動ミラー11を駆動するための信号を生成する基準位相クロックと受光素子PD1の出力のタイムインターバルC(C1、C2…)の位相が一定となるように制御を行う。具体的には、タイムインターバルC1、C2…で複数回の平均化を行い、目標値である零となるように制御を行う。タイムインターバルCをカウントする受光素子PD1の出力は、画像形成領域の直前のタイミングに相当する出力(タイムインターバルAの後端側)が好適である。なぜならば、位相を合わせるのは、画像の走査線の書き終わりの直後よりも、画像の走査線の書き始めの直前(すなわち、タイムインターバルAの後端側)のほうが精度が高いからである(走査線の書き終わりの直後、つまりタイムインターバルAの前端側の場合には、タイムインターバルAの時間内における位相変動により画像形成時の位相精度が低下する)。
図8における過大な振幅波形AW1および図10の許容オフセットを超える過大オフセットの振幅波形AW3の場合には、それぞれ理想となる走査速度および走査タイミングと異なる現象であるため、主走査方向の走査位置ずれとなる。例えば、主走査倍率の誤差および主走査方向のジッター(縦線のゆらぎ)という画像劣化を引き起こし、カラー画像に限らずモノクロ(モノクローム)画像においても共通の不具合である。
一方、図11における振幅波形AW4の基準位相クロックに対する位相変動は、カラー画像形成時には、特に重大な問題を生じる。図1に示したように、単一の振動ミラー11が画像信号に応じて各色の光源から射出されるレーザビームで各色毎の感光体ドラム3を走査するわけであるが、位相変動が発生すると各色毎のレーザビームの偏向走査位置が変ってしまうため、中間転写ベルト2の画像上においては、副走査位置の変動となり、色ずれおよび色むらを発生することになる。
図13に、上述した振幅、オフセット、位相制御を実現する振動ミラー11の駆動制御系のブロック図を示している。図13に示す振動ミラー制御系は、カウンタ101、102、103、104、平均演算/差分演算部105、比較部106、107、108、コントローラ109、乗算部110、加算部111、駆動回路112、位相比較器113、114、ローパスフィルタ(LPF)115、積分器116、正弦波信号生成部117および差分演算部118を具備する。
偏向走査されて感光体ドラム3および受光素子PDを走査するレーザビームにより、各受光素子PD1および受光素子PD2からそれぞれ出力される信号を、各々カウンタ101およびカウンタ102で計測して、図7に示したタイムインターバルAおよびタイムインターバルBを求める。平均演算/差分演算部105において、これらタイムインターバルAおよびタイムインターバルBから(A+B)/2の平均を算出して、比較部106にて目標の振幅と比較する。同様に、平均演算/差分演算部105において、A−Bの差分す、なわちオフセット量に対応する値の平均を求めて、比較部107において、許容オフセット内か否かを比較判断する。オフセット量が、許容範囲内であれば補正せずに、そのままコントローラ109へ出力し、許容範囲外であれば許容範囲内との差分量を調整すべく、オフセット補正量を出力し、加算部111を介して駆動回路112に供給する。したがって、調整後はオフセット量をゼロとするのではなく、最大でも許容範囲内となるように、調整残差を抑える。
なお、タイムインターバルAおよびタイムインターバルBに基づく振幅およびオフセット量については、それぞれ平均をとっている。このように平均化処理を行っている理由は、突発的な電気ノイズが混入した場合などに、誤った情報により制御が行われることを防止するためである。なお、平均化の回数は2〜10回の範囲で行われる。10回以上だと補正タイミングが遅くなり、制御偏差が大きくなるためである。
コントローラ109は、上述した比較結果に基づいて振幅およびオフセットの補正量を演算し、振幅の補正量は、正弦波信号生成部117にて発生した正弦波に対して、乗算部110にて乗算され、オフセットの補正量は、乗算部110から出力される正弦波に対して、加算されて、このように補正された正弦波の駆動信号は、増幅器(アンプ)である駆動回路112にて増幅され、振動ミラー11を駆動制御する。
上述した制御系ループが振幅およびオフセット制御ループである。なお、オフセット制御は振幅制御がされた状態で行なわれる。
位相制御ループについては、上述した振幅制御およびオフセット制御が正常に働き、各々目標値に対して所要の範囲に入った制御状態において、位相制御ループを実行し、基準位相クロック信号と振動ミラーの振れ角が所定の位相関係となるようにする。位相制御は、振幅制御およびオフセット制御に比べて、高精度な制御であるため、すべての制御を同時に実行すると、互いに干渉して駆動信号の変動量が大きくなり、全ての制御が制御目標値範囲内に収束するまでに多くの時間を要する。そこで、最優先として振幅制御を行い、次にオフセット制御を行い、そのつぎに微調整として位相制御を行うようにすることによって、制御範囲内へ収束するまでの時間を短縮することが可能となる。
図13において、受光素子PD1からの出力信号と基準位相クロック信号との位相偏差(図7におけるタイムインターバルC)を位相比較器113で検出し、カウンタ103にて計測する。計測結果を、ローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)115および積分器116によって、位相偏差に応じた電圧に直流化し、その電圧量に応じて位相変化させる、いわゆるフェーズロックループ(PLL:Phase Locked Loop)制御である。位相変化に対応する正弦波信号を生成するにあたっては、予め設定された位相変化量のステップ、すなわち分解能、に応じて、最適な位相を得るための正弦波信号を生成する。
このようにして、振動ミラー11を駆動する駆動信号と振動ミラー11の振れ角とが、一定の位相関係となるような制御が行われることになる。なお、位相制御に対応する正弦波信号の生成分解能は、制御の許容範囲以上の高精度することが必要となるが、高精度にとすればするほどメモリが必要となるため高コストとなる。したがって、副走査方向の色ずれとして視覚認知される50μm以下となるように正弦波信号の生成分解能を設定している。
図14は、共振周波数frと駆動周波数fdとの周波数差とジッターとの関係を示したものである。共振周波数frと駆動周波数fdとの周波数差は、(fr−fd)をパーセント(%)表記したものであり、
(fr−fd)/fr×100
なる算出式で求められる。ジッターとは、主走査方向の走査安定性、つまり走査のばらつき、を示す特性であり、ジッターが大きいと画像ゆらぎとして認知されるため、画像特性の重要な項目である。
駆動周波数fdを共振周波数frに一致させた状態を、ジッター比率1.0とし、共振周波数frと駆動周波数fdとの周波数差の相違によりジッターが変化することを示している。例えばジッター比率1.2とは、駆動周波数fdを共振周波数frに一致させたときよりもジッターが20%増大し、またジッター比率0.9とは10%減小することを意味する。
この場合、共振周波数frと駆動周波数fdとの周波数差が正か負かで異なる特性を示しており、周波数差が無い(fr=fd)ときと比較して、周波数差が正の場合(fr>fd)には、ジッターが良くなり、反面、周波数差が負の場合(fr<fd)には、ジッターが悪くなる。但し、正の場合でも、ジッターが良くなるのは、周波数差が計測ばらつきを考慮に入れると、実質的には、fr−fd≦(fr×0.002)なる関係の範囲までである。
例えば、共振周波数fr=3000Hzの振動ミラー11の場合、ジッターが良くなる駆動周波数fdは、
fd<3000Hz
で、且つ、
3000Hz−fd≦(3000Hz×0.002)
すなわち、
→ fd≧2994Hz
の範囲である。
したがって、好適な周波数範囲は、
2994Hz≦fd<3000 Hz
となる。
上述した好適な周波数差を維持するために、共振周波数frと駆動周波数fdの差異を常時検出している(この点については、後に詳述する)。この差異の検出結果に応じて駆動周波数fdを好適な周波数差の範囲に調整する制御手段を有し、常時好適な周波数差を維持している。
なお、上述した周波数差の設定においては、振動ミラー11の振幅(振れ角の範囲)を一定に制御した状態が必須となる。もしも、振幅が一定でない場合には、画像領域の走査特性(走査のリニアリティ)が変動し(例えば図8の振幅波形の傾きが変化する)、主走査画像の倍率が歪むためである。振幅を一定に制御するために、先に述べたように図13に示した制御系を構築して、図8のような制御を行っている。
また、図14のように共振周波数frと駆動周波数fdとの周波数差の相違によりジッターへの影響が変動するのは、図13に示すように、制御系が、振幅制御、オフセット制御および位相制御の3つの制御ループで構成されており、周波数差により振動ミラー11の伝達特性上の位相遅れが変化するためである。特に位相遅れが小さく制御系が安定となるのは、駆動周波数fd<共振周波数frの場合である。なお、駆動周波数fd<共振周波数frの差が大きくなりすぎると駆動電力は多く必要となるためフィードバック(FB〜帰還)ゲインが高くなり発振現象の影響からかえってジッターが悪くなる。
上述した実施の形態においては、共振周波数frと駆動周波数fdとの周波数差の検出結果に応じて駆動周波数fdを調整することについて述べたが、他の好適な実施の形態としては、振動ミラー11が使用される温度範囲の温度上限において、fd<frの関係を満足するような駆動周波数fdを設定し、使用温度範囲内で駆動周波数fdを固定値とするようにしても良い。
使用温度範囲が、(この実施の形態に係る光学走査装置やそれを組み込んだ画像形成装置がさらされる環境温度に機器内の温度上昇分をプラスして)0〜50℃とすると、振動ミラー11は、温度に応じてバネ定数が変化する。例えば、シリコン材料の場合、温度上昇にともなってバネ定数が低下し、共振周波数frが低下する傾向を示す(−0.1Hz/℃)。
このような傾向は、図2〜図4に示したようなねじり梁42(42A、42B)が振動ミラー11の可動ミラー部41等の可動部とフレーム46および47等の固定部とを連結接続するような構造であれば、材料にかかわらず共振周波数は温度上昇とともに低下する傾向を示す。これは、ねじり梁42(42A、42B)の剛性(ヤング率)が温度上昇とともに低下するためである。
具体的には、例えば、予め25℃の環境で共振周波数frを計測し、3000Hzとの結果を得た場合、0℃のときには3002.5Hz(=3000×(−0.1×−25))、50℃のときには2997.5Hz(=3000×(−0.1×25))となる。したがって、50℃のときに駆動周波数fd<共振周波数frの関係を維持するためには、駆動周波数fdは2997.5Hz未満に固定値として設定しておくことが望ましい。
次に、振動ミラー11の共振周波数frと駆動周波数fdとの差異の検出について詳述する。
図15および図16は、振動ミラー11の振幅ゲインにおける共振周波数特性と、振動ミラー11を駆動する駆動電圧波形との位相差である位相特性をあらわしている。太い実線が初期の共振周波数特性および位相特性である。この場合、振幅ゲイン特性Gainおよび位相特性Phaseは、以下の式で表すことができる。
Figure 0005459603
Figure 0005459603
ここで、Qは、共振状態をあらわすQ値であり、この実施の形態においては、200である。
ω(=2πf)[rad/s]は、共振周波数(fr)に対応し、この実施の形態においては、f=3000[Hz]である。
これら、式(1)および式(2)によって、ω(=2πf)なる周波数で駆動したときの振幅ゲイン特性Gainおよび位相特性Phaseが求められる。
図15および図16において、環境温度の変化によって、振動ミラー11のねじり梁42(42A、42B)の剛性が変化するため、共振周波数fr(=ω)が、図示矢印方向(D1およびD2)に変化する。図15には、環境温度が上昇した時の共振周波数frの変動方向D1を示しており、図16には、環境温度が下降した時の共振周波数frの変動方向D2を示している。なお、ここでは、環境温度とは、光走査装置(振動ミラー11)がさらされる環境温度であり、画像形成装置内に設けられるこのような光走査装置を含むユニットの発熱や画像形成装置が置かれる環境温度を含んでいる。
ここで、図15の例について、図7および図13を参照して説明する。共振周波数3000Hzの振動ミラー11に対して、駆動電圧の周波数も3000Hzである場合、駆動電圧信号と振動ミラー11の振動との位相差は−90°となる。駆動電圧の周波数は、一定の状態であって、環境温度の上昇にともなって共振周波数frが、図15の矢印D1方向に下降変動すると、それと連動して位相特性も変動するため、位相差は矢印E1方向に変化する。
また、図16の例については、共振周波数3000Hzの振動ミラー11に対して、駆動電圧の周波数も3000Hzである場合、駆動電圧信号と振動ミラー11の振動との位相差は−90°となる。駆動電圧の周波数は、一定で、環境温度の下降にともなって共振周波数frが、図16の矢印D2方向に上昇変動すると、それと連動して位相特性も変動して、位相差は矢印E2方向に変化する。このような位相差の変化量を検知することによって共振周波数frの変動を把握することができる。
図15に示すように、共振周波数frが10Hz低下すると位相差は−90°から−144°(位相差は、式(2)から求められる)となる。この位相差変動分の−54°を検出するには、図7における駆動電圧信号(駆動基準信号)と受光素子PD1の出力の時間間隔P(P1、P2・・・の複数回平均化処理が好ましい)を計測することによって達成することができる。受光素子PD1が配置されている位置は、走査範囲の中央ではないので先に述べた−90°や−144°を直接検知することはできないが、δを、走査中央からの位相ずれ分とすれば、時間間隔P=(−90°−δ°)であることから、時間間隔Pの変動分を計測すれば位相差の変動を検出することができる。
図13のブロック図においては、加算部111から出力される駆動電圧信号と受光素子PD1の検出信号との位相差は、位相比較器114とカウンタ104により計測され、差分演算部118によって、基準となる共振周波数frとの差分が演算される。その差分が比較部108にて許容値と比較され許容値範囲外であれば、正弦波信号生成部117を制御して駆動周波数fdを変化させ、共振周波数frに一致させるように駆動周波数fdを調整する。許容設定値は、共振周波数frの変動により生じる振幅低下を補正できる限界値から設定されている。振幅低下を補正して、振幅を一定に制御するためには、駆動電圧を上昇させることになるため駆動回路112の耐圧および振動ミラー11の許容耐圧のどちらか低い方となるように差分の許容値を決めている。この実施の形態では、振動ミラー11の許容耐圧を優先し、±10Hz以内としている。
なお、振動ミラー11の共振周波数frと駆動周波数fdとの差異の検出は、振動ミラー11の振幅を一定に制御した状態で行なわれる。振幅が一定でないと受光素子PD1の出力信号のタイミングが変わってしまい時間間隔Pへ影響を及ぼすからである。
駆動電圧の周波数調整タイミングは偏向走査ビームの走査特性が変化することになるため所要の条件が必要である。すなわち、好適な実施の形態においては、画像情報を光走査装置の光源へ入力しているか、すなわち被走査面領域にレーザビームを走査しているか否かを判断する判断手段を用いて、その判断が否となる画像情報のない非画像形成中のタイミングで行なう(このときにも、受光素子PD1およびPD2への走査ビームは偏向されている)ことである。非画像形成中とは、画像プリント時のプリント紙の間隔や、プリントジョブ(プリントJOB)の間隔の間である。
一方、その他の好適な実施の形態においては、上述のように被走査面領域にレーザビームを走査しているか否か関係なく、いつでも(駆動周波数が許容値外となったタイミングで随時)、調整可能とするために調整時の周波数変動を段階的に変化させる。例えば前記差異が10Hzを超え、11Hzとなった場合、直ちに駆動周波数を11Hz変化させるのではなく、例えば0.1Hz単位で110ステップを段階的に変化させる。変化させる時間は、調整タイミングの開始から完了までの時間として、プリント紙1枚を画像形成することができる時間が望ましい(ゆっくり周波数変化をさせることにより、画像劣化の副作用を軽減する)。
従来、共振周波数の計測は、振幅ゲイン特性Gainを計測するため、光走査装置の画像形成を一時的に停止して駆動周波数をスイープ(掃引)変化させたときの振幅を測定し、最も振幅の大きくなるところを共振周波数としていたため、光走査装置、つまりそれが組み込まれた画像形成装置等を使うことができないという不都合があった。本発明の実施の形態においては、振動ミラー11による通常の偏向走査時(少なくとも受光素子PD1および受光素子PD2から出力信号が発生する時〜このとき、画像領域には、レーザビームを偏向走査しなくても受光素子PD1および受光素子PD2をレーザビームが走査すれば良い)に、共振周波数frと駆動周波数fdとの差異を検出できるので、画像形成中でも装置の動作を一旦停止する必要がない。
なお、振動ミラー11の共振周波数frと駆動周波数fdとの差異を検出し、その都度差異に応じて、駆動周波数を調整してしまうと、それによって画像形成時の副走査倍率が変化してしまうため、予め駆動周波数fdの調整は、好適な所定の値を設定している。駆動周波数fdの調整による変動量が所定値以上となった場合に副走査方向の画像倍率を調整することを行っている。ここでいう所定値とは画像倍率が視覚許容できる1%としている。なお、出力画像の対象によっては、1%でも問題となる場合があり、そのような状態を考慮し、所定値については使用者が適宜設定変更できるように所定値設定変更手段を設けている。
副走査位置倍率の補正は画像処理による倍率補正や副走査方向の速度調整(感光体ユニット、中間転写ベルトユニット、給紙ユニットおよび定着ユニットの各ユニットの調整)を行なう必要があり、複雑になるばかりかタイムラグなどを考慮する必要もあって、画像形成を停止しなくてはならない時間が生じる。駆動周波数はできる限り変化させないほうが画像形成装置の画像品質としては好ましい。
図17に、受光素子PD1を例にとって、レーザビーム走査との関係を詳細に説明する。受光素子PD1は、図1に示したように感光体ドラム3の外周面上を走査するレーザビームのビーム径および走査速度と光学的に等価となる(すなわち走査レーザビームスポットが通過する)位置に配置されている。受光素子PD1の配置は、感光体ドラム3の外周面の走査延長上が望ましいが、レイアウトの都合等によっては、折り返しミラーを経由して受光素子PD1をレーザビームで走査する構成としてもよい。受光素子PD1は、基本的にPINフォトダイオードからなる受光部91と、この受光部91からの出力信号を増幅する増幅回路およびその出力信号を波形整形するコンパレータ回路を有する回路部92とを含み、IC(集積回路)として樹脂からなるレーザビーム透過部材に封入され、1パッケージ化されている。受光部91および回路部92に外部から電気的な接続をするためのICリード端子93がパッケージ外に導出されている。受光部91上を、走査ビームスポットが通過することにより、図17に示す受光素子出力信号を発生し、受光素子出力信号をスレッシュホールド電圧と比較して、コンパレータ出力信号を発生させる。
図17に破線にて示す領域は、レーザビーム光源が消灯するか、またはフレア光が受光素子PD1、PD2に受光されたり、感光体ドラム3の外周面上に潜像を形成するレベルの光量とならない程度に減光されたりしているものとする。振動ミラー11の最大振れ角と受光素子PD1近傍の間の領域内でレーザビーム光源が発光していると光走査装置内に配置された光学部品の乱反射に起因するゴースト光を発生させ、受光素子PD1や、受光素子PD2の受光信号にノイズを混入させるため、先に述べたタイムインターバルA、BおよびCが乱れ、制御上の誤動作または不安定となってしまう。このような問題が起きないように、予め前述のタイミングにて消灯するか、またはゴースト光が受光素子PD1、PD2に受光されたり、感光体ドラム3の外周面上に潜像を形成するレベルの光量となったりしない程度に減光するように設定されている。この消灯または減光は半導体レーザからなるレーザ光源を長寿命化する効果およびレーザ光源の温度上昇を抑制する効果も奏する。上述した受光素子近傍とは、回路部92のコンパレータ回路の出力に影響を与えずに、上述のタイムインターバルA、BおよびCが、各々正常に計測できる発光タイミングとなる走査位置を意図している。
なお、光学素子の経時劣化による反射率や透過率の低下によって光量が低下するとコンパレータ出力を決定するスレッシュホールド電圧への立ち上がりの方向きが緩くなり、立ち上がりに要する時間が長くなるため、誤った検出を行ってしまう。そこで、受光素子PD1、PD2を走査する際に、常に一定の光量となるようにレーザ光源を制御することによって上述の問題を解決している。
図18は、上述した光走査装置を組み込んだ本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の要部の構成を示している。図18に示す画像形成装置は、カラー画像形成装置であり、給紙カセット1、中間転写ベルト2、感光体ドラム3(3Y、3M、3C、3K)、上述した光走査装置5、現像装置6(6Y、6M、6C、6K)および定着装置7を具備する。
カラー画像形成装置は、複数、この場合イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色の感光体ドラム3(3Y、3M、3C、3K)を並列に配置したタンデム型のカラー画像形成装置として構成されている。装置の上部から順に、光走査装置5、現像装置6(6Y、6M、6C、6K)、感光体ドラム3(3Y、3M、3C、3K)、中間転写ベルト2、定着装置7および給紙カセット1がレイアウトされている。中間転写ベルト2上には、各色に対応した感光体ドラム3Y、3M、3Cおよび3Kが、互いに平行に等間隔で並列に配設されている。
感光体ドラム3Y、3M、3Cおよび3Kは、互いに同一径に形成されており、それぞれの周囲には、電子写真プロセスを実行するための部材が順次配設されている。感光体3Yを例にとって説明すると、帯電チャージャ(図示せず)、光走査装置5から射出された画像信号に基づくレーザビームL1、現像装置6Y、転写チャージャ(図示せず)、クリーニング装置(図示せず)等が順次配置される。他の感光体ドラム3M、3Cおよび3Kに対しても同様である。すなわち、この実施の形態においては、感光体ドラム3Y、3M、3Cおよび3Kを各色毎に設定された被走査面としており、各々に対して光走査装置5からレーザビームL1、L2、L3およびL4が各々に対応するように射出される。
帯電チャージャにより一様に帯電された感光体ドラム3Yは、図示矢印A方向に回転することによってレーザビームL1を副走査し、感光体ドラム3Y上に静電潜像が形成される。また、光走査装置5によるレーザビームL1の照射位置よりも感光体ドラム3の回転方向下流側には、感光体ドラム3Yにトナーを供給する現像器6Yが配設され、イエローのトナーが供給される。現像器6Yから供給されたトナーは、静電潜像が形成された部分に付着し、トナー像が形成される。同様に感光体3M、3Cおよび3Kには、それぞれマゼンタM、イエローYおよびブラックKの単色トナー像が形成される。
感光体ドラム3Yの現像器6Yの配設位置よりもさらに回転方向下流側には、中間転写ベルト2が配置されている。中間転写ベルト2は、複数のローラ2a、2bおよび2cに巻付けられて、張設されており、図示していないモータにより駆動されて矢印B方向に移動搬送される。この搬送により、中間転写ベルト2は順に感光体3Y、3M、3Cおよび3Kに移動されるようになっている。中間転写ベルト2は各感光体3Y、3M、3Cおよび3Kでそれぞれ現像された各単色画像を順次重ねあわせて転写し、中間転写ベルト2上にカラー画像を形成する。その後、給紙トレイ1から転写紙が、図示矢印C方向に搬送されカラー画像が転写される。カラー画像が形成された転写紙は、定着装置7により定着処理後、カラー画像として排紙される。
1 給紙カセット
2 中間転写ベルト
3(3Y、3M、3C、3K) 感光体ドラム
5 光走査装置
6、(6Y、6M、6C、6K) 現像装置
7 定着装置
10 光源部
10Y、10M、10C、10K 光源ユニット
11 振動ミラー
12 シリンドリカルレンズ
13 折り返しミラー
14 走査レンズ群を構成する第1のレンズ
15、(15−1、15−2) 結像レンズ
16、(16Y、16M、16C、16K) ミラー
17、(17Y、17M、17C、17K) 走査レンズ群を構成する第2のレンズ
18、(18Y、18M、18C) ミラー
40 実装基板
41 可動ミラー部
42(42A、42B) ねじり梁、
43 振動板
44、(44A、44B)補強梁
46、47 フレーム
49 ヨーク
50、(50A、50B)永久磁石
52 接続電極
53 平面パターンコイル
54(54A、54B) 端子
55 トリミング用パッチ
56 台座
91 受光部
92 回路部
93 ICリード端子
101、102、103、104 カウンタ
105 平均演算/差分演算部
106、107、108 比較部
109 コントローラ
110 乗算部
111 加算部
112 駆動回路
113、114 位相比較器
115 ローパスフィルタ(LPF)
116 積分器
117 正弦波信号生成部
118 差分演算部
PD、(PD1、PD2) 受光素子
特開2005−208460号公報

Claims (6)

  1. 光源装置から射出されるレーザビームを、単一の振動ミラー偏向器によって主走査方向に偏向走査して、複数の被走査面に集光結像する走査結像手段を備える光走査装置において、
    前記振動ミラーは、当該振動ミラーの振幅を制御する振幅制御ループ、当該振動ミラーの理想振幅波形の振幅中心と実際の振幅波形の振幅中心との差を制御するオフセット制御ループ、基準クロックと当該振動ミラーの振れ角との関係を制御する位相制御ループ、で構成された制御手段により駆動制御され、
    前記振動ミラーの振幅を一定に制御した状態で、前記振動ミラーの共振周波数frと駆動周波数fdの関係が、条件:
    fd<fr
    fr−fd≦(fr×0.002)
    を満足するように、前記振動ミラーの駆動周波数fdを設定したことを特徴とする光走査装置。
  2. 主走査領域内に配置されて偏向走査された走査ビームを検出するレーザビーム検出器を有し、且つ
    前記振動ミラーの共振周波数frと駆動周波数fdの関係は、駆動周波数の電圧波形を基準とし、前記レーザビーム検出器からの出力信号との位相差に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記制御手段は、前記振動ミラーの共振周波数frと駆動周波数fdの差異を検出し、その検出結果に応じて駆動周波数fdを調整することを特徴とする請求項1または2に記載の光走査装置。
  4. 前記振動ミラーによる偏向走査時は、共振周波数frと駆動周波数fdとの差異を常時検出することを特徴とする請求項に記載の光走査装置。
  5. 潜像担持体に光走査により潜像を形成し、当該潜像を可視化して所望の記録画像を得る画像形成装置において、
    前記潜像担持体の光走査に前記請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の光走査装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記画像形成装置は、カラー画像形成装置であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
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