JP2011031695A - 車両存在報知装置 - Google Patents

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俊男 林
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Abstract

【課題】危険を知らせる必要のある歩行者等のみに車両2の存在を知らせる報知音を伝えることにより、危険位置にいない歩行者等や車室内にいる人に対して報知音による不快感を与えないようにする車両存在報知装置1を提供することにある。
【解決手段】車両存在報知装置1では、超音波を搬送波とし、可聴音に応じて超音波を変調し、変調された超音波を空中に放射することで報知音を発生させる。変調された超音波が空中を進む内に自己復調されて可聴音となるが、この自己復調された可聴音は超音波と同様に指向性がよく、危険を知らせる必要のある範囲にいる歩行者のみに報知音を伝えることができる。また、超音波スピーカ6がドアミラー9に内蔵されている。ドアミラー9は車両側面から側方に突出しているので、複雑な構造をとらなくても、簡易な構造で車両前後方に向かって音波を放射することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の存在を、歩行者や自動車運転者など車両の外部の人に知らせるための車両存在報知装置に関する。
従来より、電気自動車の走行時やハイブリッドカーのモータ駆動走行時に、車両が近づいていることを車両外の人に認識させるために、車両の外部にスピーカを設置して、そのスピーカから車両の存在を知らせる報知音(擬似エンジン音や擬似走行音等)を発生させる技術がある(特許文献1、2参照)。
しかし、スピーカから発せられる音は周囲に拡散するため、危険位置にいない歩行者(例えば、前進走行中の後方にいる歩行者等)や車室内にいる人にまで報知音が聞こえてしまい、危険位置にいる歩行者以外にとっては不快感を与える。
特開2006−199110号公報 特開平10−201001号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、危険を知らせる必要のある歩行者等のみに車両の存在を知らせる報知音を伝えることにより、危険位置にいない歩行者等や車室内にいる人に対して報知音による不快感を与えないようにすることにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の車両存在報知装置は、車両の存在を車両の外部に報知するものであって、超音波を搬送波とし、可聴音に応じて超音波を変調する変調手段と、変調された超音波を空中に放射することで報知音を発生させるスピーカとを備える。
これによれば、変調された超音波が空中を進む内に自己復調されて可聴音となるが、この自己復調された可聴音は超音波と同様に指向性がよく、危険を知らせる必要のある範囲にいる歩行者のみに報知音を伝えることができ、危険位置にいない歩行者等や車室内にいる人に対して報知音による不快感を与えない。また、指向性がよいために、危険を知らせたい範囲には確実に音を伝えることができるので、小型のスピーカでも車両の存在を報知する機能を十分果たすことができる。
また、超音波は減衰しやすい性質をもつため、自己復調された可聴音も同様に減衰しやすく、車両から遠く離れた歩行者や他の車両にまで報知音が届くことがなく、騒音とならない。
また、請求項1の車両存在報知装置は、スピーカがドアミラーに内蔵されていることを特徴とする。
ドアミラーは、車両の側面から側方に突出しているので、ドアミラーに前後方向に音波放射可能にスピーカを内蔵すれば、ドアミラーから車両の前後方向に向けて報知音を発生させることができる。
また、既に市販されている車両に後付けで車両存在報知装置を装着する場合でも、ドアミラーのみを改造すればよく、改造コストが少なくてすむ。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の車両存在報知装置によれば、スピーカが、車両の前方と車両の後方とに向かって音波を放射可能にドアミラーに内蔵されている。
この場合、車両の前方及び後方にいる歩行者に車両の存在を報知音により認知させることができる。また、上述のように、ドアミラーは車両の側面から側方に突出しているので、スピーカを1箇所に設けるだけで車両の前方と車両の後方とに向かって音波を放射することが容易にできる。すなわち、車両前方用と車両後方用のスピーカをそれぞれ別の場所(例えば、フェンダーとリアバンパーの2箇所)に設ける必要がなく、複雑な構造にならない。
〔請求項3の手段〕
請求項4に記載の車両存在報知装置によれば、スピーカから放射される音波の進路を屈曲させるための反射板を設け、反射板により、車両の前方及び車両の後方に向かって音波を放射するようにした。
これによれば、ドアミラー内という限られたスペースにスピーカを配置する際の設計自由度が広がる。
また、反射板を設けることによって、音波の反射を用いて1つのスピーカからさまざまな方向へ音を放射することができる。例えば、1つのスピーカから放射される音波を反射板で反射させることにより、車両の前後両方向に向かって放射させるようにも設計できる。
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の車両存在報知装置によれば、スピーカは、複数個の超音波スピーカを並べて構成されるスピーカアレイである。
これにより、超音波スピーカ単体でスピーカを構成するよりも、指向性をさらに高めることができる。
〔請求項5の手段〕
請求項5に記載の車両存在報知装置によれば、超音波スピーカから放射される音波の位相を変化させる位相制御手段を備える。
これによれば、位相制御手段により、並べられた複数個の超音波スピーカから放射される音波の位相を互いに異ならせることで、報知音を指向させたい方向を変えることができる。
すなわち、例えば、報知音を指向させたい方向において、隣り合う2つのスピーカから放射される音波のそれぞれの山が一致するように、かつ、それぞれの谷が一致するように、それぞれの音波の位相を制御する。これにより、様々な方向に報知音を放射して車両の存在を報知することができる。
〔請求項6の手段〕
請求項6に記載の車両存在報知装置によれば、スピーカの超音波周波数を変化させる搬送波周波数切替手段を備える。
スピーカから放射された超音波が自己復調し報知音として聞こえるようになる位置は、搬送波の周波数に依存するので、超音波の自己復調により生じた報知音が減衰して聞こえなくなる位置も、搬送波の周波数に依存する(なお、搬送波の周波数が低いほど、自己復調する位置がスピーカから遠くなるので、搬送波の周波数が低いほど、自己復調により生じた報知音が聞こえなくなる位置もスピーカから遠くなる)。
このため、搬送波の周波数を切り替えることにより、スピーカからの距離に応じて報知音の聞こえ方を異ならせることができる。
(a)は、車両存在報知装置を取り付けた車両の図であり、(b)は車両左方から見たドアミラー及び車両存在報知装置の図、(c)は車両前方から見たドアミラー及び車両存在報知装置の図、(d)は(b)のA−A断面図である(実施例1)。 (a)〜(e)は車両存在報知装置の可聴音放射原理を示す図である(実施例1)。 (a)は車両左方から見たドアミラー内の車両存在報知装置の断面図、(b)はドアミラーを車両前方から見た図、(c)は車両後方からドアミラーを見た図、(d)は車両上方から見たドアミラー及び車両存在報知装置の図である(実施例2)。 (a)は車両存在報知装置の構成図、(b)は(a)のB−B断面図である(実施例2)。 (a)は車両左方から見たドアミラー及び車両存在報知装置の図、(b)は車両前方から見たドアミラー及び車両存在報知装置の図、(c)は車両後方からドアミラーを見た図、(d)は(a)のD―D断面図である(実施例3)。 (a)は、車両前方からみた車両存在報知装置の図、(b)、(c)は、(a)のE−E断面図である(実施例3)。 (a)は、隣合う超音波スピーカから放射される音波の位相を同一にした場合の音波の増幅状態を示す図であり、(b)は、隣合う超音波スピーカから放射される音波の位相を異ならせた場合の音波の増幅状態を示す図である(実施例3)。 (a)は、隣合う超音波スピーカから放射される音波の位相を同一にした場合の報知音の指向方向を示す図であり、(b)は、隣合う超音波スピーカから放射される音波の位相を異ならせた場合の報知音の指向方向を示す図である(実施例3)。
本発明を実施するための形態1の車両存在報知装置は、車両の存在を車両の外部に報知するものであって、超音波を搬送波とし、可聴音に応じて超音波を変調する変調手段と、変調された超音波を空中に放射することで報知音を発生させるスピーカとを備える。
そして、スピーカがドアミラーに内蔵されている。
本発明を実施するための形態2の車両存在報知装置は、スピーカは、車両の前方と車両の後方とに向かって音波を放射可能にドアミラーに内蔵されている。
また、スピーカから放射される音波の進路を屈曲させるための反射板を設け、反射板により、車両の前方及び車両の後方に向かって音波を放射するようにした。
また、スピーカは、複数個の超音波スピーカを並べて構成されるスピーカアレイである。
本発明を実施するための形態3の車両存在報知装置は、超音波スピーカから放射される音波の位相を変化させる位相制御手段を備える。
本発明を実施するための形態4の車両存在報知装置は、スピーカの超音波周波数を変化させる搬送波周波数切替手段を備える。
〔実施例1の構成〕
実施例1の車両存在報知装置1の構成を、図1、2を用いて説明する。
車両存在報知装置1は、例えば、電気自動車の走行時やハイブリッドカーのモータ駆動走行時に、車両2が近づいていることを車両2外の人に認識させるために、車両2の存在を知らせる報知音(擬似エンジン音や擬似走行音等)を発生させるものである。
車両存在報知装置1は、超音波を搬送波とし、可聴音に応じて超音波を変調する変調手段3と、変調された超音波を空中に放射することで報知音を発生させるスピーカ(後に詳述する)と、変調手段3及びスピーカを通電制御するECU5とを備える。
本実施例のスピーカは、1つの超音波スピーカ6からなる。超音波スピーカ6は、振動子(図示せず)に入力される電圧などの電気信号を機械的な振動に変換するとともに、この機械的な振動により、超音波領域の周波数で振動する音波を発生するものである。
ECU5は、再生したい可聴音の可聴音波信号(図2(a)参照)を出力する可聴音波信号発生手段、搬送波信号である超音波信号(図2(b)参照)を出力する超音波信号発生手段としての機能を有する。
そして、ECU5からの可聴音波信号及び超音波信号を変調/増幅回路7へ入力し、変調/増幅回路7の変調回路において、可聴音波信号に応じて超音波信号が変調される(図2(c)参照)。変調/増幅回路7は、変調回路と増幅回路とを有し、変調回路が変調手段3として機能する。
変調された超音波(被変調波)信号に基づいて超音波スピーカ6の振動子が振動することで、超音波スピーカ6から被変調波が空気中に放射される。
空気中に放射された被変調波は、空気中を進行するにつれて、空気の非線形特性により波形がひずみ(図2(d)参照)、元の可聴音波信号に基づく可聴音(図2(e)参照)が自己復調され、報知音として歩行者等に認識される。
そして、超音波スピーカ6は、車両左側のドアミラー9に内蔵されている(図1参照)。すなわち、ドアミラー9のハウジング10内に、ミラー11と干渉しないように、車両前方に向かって音波を放射できるように配置され、ハウジング10の車両前方壁には超音波スピーカ6からの音波が通過できるように発音口12が設けられている(図1(c)参照)。尚、発音口12は音波が通過できる程度に開口していればよく、多数の小孔等でもよい。
〔実施例1の効果〕
本実施例の車両存在報知装置1は、超音波を搬送波とし、可聴音に応じて超音波を変調する変調手段3と、変調された超音波を空中に放射することで報知音を発生させるスピーカとを備える。
これによれば、上述のように、変調された超音波が空中を進む内に自己復調されて可聴音となるが、この自己復調された可聴音は超音波と同様に指向性がよく、危険を知らせる必要のある範囲にいる歩行者のみに報知音を伝えることができる。
このため、危険位置にいない歩行者等や車室内にいる人に対して報知音による不快感を与えない。また、指向性がよいために、危険を知らせたい範囲には確実に音を伝えることができるので、小型の超音波スピーカ6でも車両2の存在を報知する機能を十分果たすことができる。
また、超音波は減衰しやすい性質をもつため、自己復調された可聴音も同様に減衰しやすく、車両から遠く離れた歩行者や他の車両2にまで報知音が届くことがないので、騒音とならない。
また、超音波スピーカ6は、ドアミラー9に内蔵されているため、既に市販されている車両に後付けで車両存在報知装置1を装着する場合に、ドアミラー9のみを改造すればよく、改造コストが少なくてすむ。
〔実施例2の構成〕
実施例2の車両存在報知装置1の構成を、実施例1とは異なる点を中心に、図3、4を用いて説明する。
本実施例のスピーカは、超音波スピーカ6を複数個並べて構成されるスピーカアレイ13である。
スピーカアレイ13は、例えば、7つの超音波スピーカ6の各音波放射面が車両下方を向くように平面状に並べられている。7つの超音波スピーカ6は、1つの超音波スピーカ6を他の6つの超音波スピーカ6が取り囲むように略円形状に配置されている(図4(b)参照)。
スピーカアレイ13の放射面の正面(下方)には、スピーカアレイ13からの音波の進路を車両前後方向に変えるための第1反射板15と第2反射板16とが設けられている。
スピーカアレイ13の車両前後方向の中心Mを境に車両前側を放射面19、車両後ろ側を放射面20とすると、第1反射板15は、放射面19に対して反時計回りに45°傾いて設けられ、第2反射板16は放射面20に対して時計回りに45°傾いて設けられている(図4(a)、(b)参照)。
第1反射板15と第2反射板16とは、スピーカアレイ13の車両前後方向の中心Mを対称軸として左右(車両前後方向)対称に設けられている。尚、第1反射板15と第2反射板16はミラー11の下方に設けられている。
そして、放射面19から垂直下方に放射される音波は第1反射板15で反射して車両前方に進行し、放射面20から垂直下方に放射される音波は第2反射板16で車両2の車両後方に進行する(図4(a)参照)。
また、車両存在報知装置1には、第1反射板15および第2反射板16で反射した後の音波の進路の周囲を囲む周壁21、22が設けられている。周壁21、22は、それぞれ音波の進路の車両上下方向を囲む上下壁23、24と、車両左右方向を囲む左右壁26、27からなっており、上下壁23、24は車両上下方向に平行に設けられている(図4(a)参照)。また左右壁26、27は、周壁21では車両前方に向かうほど左右に拡開するように設けられ、周壁22では車両後方に向かうほど左右に拡開するように設けられている(図4(b)参照)。
尚、変調/増幅回路7はスピーカアレイ13の上方に設置され、スピーカアレイ13と変調/増幅回路7とが1つのハウジング29内に収容されている。そして、第1反射板15、第2反射板16、周壁21、22がハウジング29と一体的に形成されている。
また、ドアミラー9のハウジング10の車両前方壁には、車両前方に進行する音波が通過可能に発音口30が開口し、ハウジング10の車両後方壁のミラー11の下方には、車両後方に進行する音波が通過可能に発音口31が開口している(図3(b)、(c)参照)。
〔実施例2の作用効果〕
本実施例の車両存在報知装置1では、スピーカが車両前方と車両後方とに向かって音波を放射可能なようにドアミラー9に内蔵されている。
この場合、車両前方及び後方にいる歩行者に車両2の存在を報知音により認知させることができる。また、ドアミラー9は車両側面から側方に突出しているので、スピーカを1箇所に設けるだけで車両前方と車両後方とに向かって音波を放射することが容易にできる。すなわち、車両前方用と車両後方用のスピーカをそれぞれ別の場所(例えば、フェンダーとリアバンパーの2箇所)に設ける必要がなく、複雑な構造にならない。
また、スピーカは、複数個の超音波スピーカ6を並べて構成されるスピーカアレイ13である。
これにより、超音波スピーカ6単体でスピーカを構成するよりも、指向性をさらに高めることができる。
また、スピーカアレイ13から放射される音波の進路を屈曲させるための第1反射板15および第2反射板16を設け、第1反射板15および第2反射板16により、車両前方及び車両後方に向かって音波を放射するようにした。
これによれば、ドアミラー9内という限られたスペースにスピーカアレイ13を配置する際の設計自由度が広がる。
また、第1反射板15および第2反射板16を設けることによって、音波の反射を用いて1つのスピーカアレイ13から車両前後両方向に向かって報知音を発生させることができる。
このため、車両前方に報知音を発生させるためのスピーカアレイ13とは別に、車両後方に報知音を発生させるためのスピーカアレイ13を設ける必要がなく、コストを削減できる。
〔実施例3の構成〕
実施例3の車両存在報知装置1の構成を、実施例1とは異なる点を中心に、図5〜8を用いて説明する。
本実施例のスピーカは、超音波スピーカ6を複数個並べて構成されるスピーカアレイ13である。
スピーカアレイ13は、10個の超音波スピーカ6の各音波放射面が車両前方を向くように平面状に並べられている。具体的には、3つの超音波スピーカ6を車両左右方向に並べ、その下に4つの超音波スピーカ6を並べ、さらにその下に3つの超音波スピーカ6を並べてなる(図6(b)参照)。
また、車両存在報知装置1は、超音波スピーカ6から放射される音波の位相を変化させる位相制御手段を備え、ECU5が位相制御手段としての機能を果たす。
位相制御手段は、例えば車両左右方向で隣合う超音波スピーカ6間で放射される音波の位相を互いに異ならせることで報知音の指向性を変化させる。ここで、位相を変えることにより、報知音の指向方向が変わる原理について、隣合うように配置された3つの超音波スピーカ6a〜6cを用いて説明する(図7、図8参照)。
放射される音波の位相が超音波スピーカ6a〜6c間で同一である場合、図7(a)に示すように、超音波スピーカ6a〜6cのそれぞれの振動子が振動する方向、つまり、スピーカアレイ13の正面に向かう方向において、超音波スピーカ6a〜6cのそれぞれから放射される音波の山が一致し、かつ、それぞれから放射される音波の谷が一致する。この結果、スピーカアレイ13の正面に向かう方向において、音波が増幅され、自己復調した報知音が大きく聞こえるので、報知音は、スピーカアレイ13の正面に向かう方向に指向される。
そして、放射される音波の位相が、超音波スピーカ6a、6b間で、また超音波スピーカ6b、6c間で180°異なる場合、図7(b)の太い破線に示すように、スピーカアレイ13の正面に向かう方向において、超音波スピーカ6aから放射される音波の山と超音波スピーカ6bから放射される音波の谷とが一致し、超音波スピーカ6bから放射される音波の谷と超音波スピーカ6cから放射される音波の山とが一致する。この結果、スピーカアレイ13の正面に向かう方向において、音波は増幅されることなく打ち消しあう。
これに対し、例えば、スピーカアレイ13の正面に向かう方向からθだけ傾斜した方向において、超音波スピーカ6a〜6cのそれぞれから放射される音波の山が一致し、かつ、それぞれから放射される音波の谷が一致する。
ここで、θは、超音波スピーカ6a、6bのそれぞれの振動子間の距離(超音波スピーカ6b、6cのそれぞれの振動子間の距離)をd、音波の波長をλとすれば、下記の数式1の関係を満たす。
〔数式1〕d・sinθ=λ/2
この結果、スピーカアレイ13の正面に向かう方向からθだけ傾斜した方向において、自己復調した報知音が大きく聞こえ、報知音は、スピーカアレイ13の正面に向かう方向からθだけ傾斜した方向に指向される。
尚、スピーカアレイ13の正面に向かう方向からθだけ傾斜した方向は、図8(b)に示すように、スピーカアレイ13の正面に向かう方向を対称軸として、この対称軸から時計回りにθだけ傾斜した方向と、反時計回りにθだけ傾斜した方向の2方向が存在する。
このため、報知音の指向方向は、超音波スピーカ6a〜6cから放射される音波の位相を切り替えることで、スピーカアレイ13の正面に向かう方向のみの1方向(図8(a)参照)と、スピーカアレイ13の正面に向かう方向から時計回りにθだけ傾斜した方向、および、反時計回りにθだけ傾斜した方向の2方向(図8(b)参照)との間で切り替わる。
尚、この位相の切替は、ECUからの指令によって、特定時間ごとに、超音波スピーカ6bの振動子に電力を供給するための正極端子と負極端子とをリレーにより切り替えることによって実施可能である。
超音波スピーカ6bにおいて正極端子と負極端子とが切り替わった後では、超音波スピーカ6bの振動子の振動が超音波スピーカ6a、6cのそれぞれの振動子の振動に対して位相が180°だけ遅れるので、放射される音波の位相は超音波スピーカ6a、6b間で180°だけ異なり、超音波スピーカ6b、6c間でも180°だけ異なる。
本実施例では、上述の原理を用いて、車両左右方向に隣合う超音波スピーカ6との間で、放射される音波の位相を交互に180度異ならせることにより、スピーカアレイ13の正面に向かう方向からθだけ傾斜した方向に音波を指向させることができる(図6(c)参照)。
そして、θだけ傾斜した方向に進む音波を反射して車両後方に放射させるための反射板33をスピーカアレイ13の左側前方に設ける(図6(c)参照)。
すなわち、スピーカアレイ13を構成する超音波スピーカ6から放射される音波の位相を同一にしている場合には、車両前方(スピーカアレイ13の正面に向かう方向)のみに報知音が発生する(図6(b)参照)。そして、車両左右方向に隣合う超音波スピーカ6から放射される音波の位相を交互に180度異ならせている場合には、車両前方からθだけ傾斜した2方向と車両後方とに向かって報知音が発生する(図6(c)参照)。
また、車両存在報知装置1には、スピーカアレイ13から放射される音波の進路の周囲を囲む周壁35が設けられている。周壁35は、音波の進路の車両上下方向を囲む上下壁36、37と、車両右方向を遮る右壁39からなっており、上下壁36、37は車両上下方向に平行に設けられている。また右壁39は車両前方に向かうほど右に広がるように設けられている。
尚、スピーカアレイ13の左側は、スピーカアレイ13の車両左側前方に設けられた反射板33で反射する音波を後方に発生させるために遮られていない。
尚、変調/増幅回路7はスピーカアレイ13の上方に設置され、スピーカアレイ13と変調/増幅回路7とが1つのハウジング29内に収容されている。そして、反射板33、周壁35がハウジング29と一体的に形成されている。
また、ドアミラー9のハウジング10の車両前方壁には、車両前方に進行する音波が通過可能に発音口40が開口し、ハウジング10の車両後方壁のミラー11の左側には、車両後方に進行する音波が通過可能に発音口41が開口している。
〔実施例3の作用効果〕
本実施例の車両存在報知装置1では、位相制御手段により、並べられた複数個の超音波スピーカ6から放射される音波の位相を互いに異ならせることで、報知音を指向させたい方向を変えることができる。これにより、様々な方向に報知音を放射して車両の存在を報知することができる。
また、反射板33による音波の反射と位相制御手段による指向方向の設定とを組み合わせることで、ドアミラー9内という限られたスペースを利用して、1つのスピーカアレイ13から車両前方と車両後方との両方向に向かって報知音を発生させることができる。
〔実施例4の構成〕
実施例4の車両存在報知装置1は、実施例1の車両存在報知装置1において、超音波スピーカ6の超音波周波数を変化させる搬送波周波数切替手段を備え、ECU5が搬送波周波数切替としての機能を果たす。すなわち、搬送波信号である超音波信号(図2(b)参照)を出力する際に、超音波周波数を変化させる。
〔実施例4の作用効果〕
超音波スピーカ6から放射された超音波が自己復調し報知音として聞こえるようになる位置は、搬送波の周波数に依存するので、超音波の自己復調により生じた報知音が減衰して聞こえなくなる位置も、搬送波の周波数に依存する(なお、搬送波の周波数が低いほど、自己復調する位置が超音波スピーカ6から遠くなるので、搬送波の周波数が低いほど、自己復調により生じた報知音が聞こえなくなる位置も超音波スピーカ6から遠くなる)。
このため、搬送波の周波数を切り替えることにより、超音波スピーカ6からの距離に応じて報知音の聞こえ方を異ならせることができる。
〔変形例〕
実施例1の車両存在報知装置1において、スピーカを複数の超音波スピーカ6からなるスピーカアレイ13としてもよい。
実施例2の車両存在報知装置1において、超音波スピーカ6から放射される音波の位相を変化させる位相制御手段を備えてもよい。
実施例2では、スピーカアレイ13から垂直下方に放射される音波を、第1反射板15と第2反射板16とを用いて車両前後方向に向かわせたが、この態様に限らず、ドアミラー9のスペースにあわせて、反射板とスピーカアレイの位置を車両前方と車両後方とに向かって音波を放射可能なように設定することができる。
実施例4では、実施例1の車両存在報知装置1に搬送波周波数切替手段を備えたが、実施例2、3の車両存在報知装置1に搬送波周波数切替手段を備えてもよい。
実施例1では車両左側のドアミラー9にスピーカを内蔵した例を記載したが、スピーカは車両左右のドアミラー9に設けてもよく、車両右側のドアミラー9に設けてもよい。
また、実施例1〜4では、報知音は、電気自動車の走行時やハイブリッドカーのモータ駆動走行時に車両2が近づいていることを車両2外の人に認識させるための擬似エンジン音や擬似走行音等として説明したが、報知音は電気自動車等に限らず用いられる車両2の存在を知らせる警笛音であってもよい。
1 車両存在報知装置
2 車両
3 変調手段
5 ECU(位相制御手段、搬送波周波数切替手段)
6 超音波スピーカ(スピーカ)
9 ドアミラー
13 スピーカアレイ(スピーカ)
15 第1反射板
16 第2反射板

Claims (6)

  1. 車両の存在を車両の外部に報知する車両存在報知装置において、
    超音波を搬送波とし、可聴音に応じて超音波を変調する変調手段と、
    前記変調された超音波を空中に放射することで報知音を発生させるスピーカとを備え、
    前記スピーカがドアミラーに内蔵されていることを特徴とする車両存在報知装置。
  2. 請求項1に記載の車両存在報知装置において、
    前記スピーカが、前記車両の前方と前記車両の後方とに向かって音波を放射可能に前記ドアミラーに内蔵されていることを特徴とする車両存在報知装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両存在報知装置において、
    前記スピーカから放射される音波の進路を屈曲させるための反射板を設け、
    該反射板により、前記車両の前方及び前記車両の後方に向かって音波を放射するようにしたことを特徴とする車両存在報知装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両存在報知装置において、
    前記スピーカは、複数個の超音波スピーカを並べて構成されるスピーカアレイであることを特徴とする車両存在報知装置。
  5. 請求項4に記載の車両存在報知装置において、
    前記超音波スピーカから放射される音波の位相を変化させる位相制御手段を備えることを特徴とする車両存在報知装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の車両存在報知装置において、
    前記スピーカの超音波周波数を変化させる搬送波周波数切替手段を備えることを特徴とする車両存在報知装置。
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