JP2011023446A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼成後の積層体の上面又は下面に凹凸が発生することを低減できる電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁体層19のそれぞれの主面上に、z軸方向から平面視したときに環状の領域において螺旋状のコイルLの一部となるコイル導体18を形成する。絶縁体層19上であって、コイル導体18が形成された領域以外の領域に、絶縁体層17を形成する。z軸方向から平面視したときに、絶縁体層15の主面上において環状の領域と重なる領域R1以外の領域R2に、絶縁体層16を形成する。絶縁体層15が絶縁体層16よりもz軸方向の正方向側及び負方向側に積層されるように、絶縁体層15及び絶縁体層16を積層して積層体12を得る。積層体12を焼成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子部品の製造方法に関し、より特定的には、コイルを内蔵している電子部品の製造方法に関する。
従来の電子部品の製造方法としては、例えば、特許文献1に記載の積層型コイル部品の製造方法が知られている。該積層型コイル部品の製造方法では、磁性体グリーンシート上にコイルパターンを形成し、磁性体グリーンシートのコイルパターン以外の領域に磁性体材料を塗布している。そして、磁性体グリーンシートを積層して未焼成の積層体を形成し、その後、未焼成の積層体を焼成している。
特許文献1に記載の積層型コイル部品の製造方法では、以下に説明するように、層間剥離(デラミネーション)の発生が抑制される。磁性体グリーンシートを積層して得られる未焼成の積層体においてコイルパターン以外の領域に磁性体材料を塗布しない場合には、コイルパターンの厚みの分だけ、コイルパターンが形成された領域(以下、コイルパターン形成領域と称す)の積層体の積層方向の厚みは、コイルパターン以外の領域(以下、コイルパターン未形成領域と称す)の積層体の積層方向の厚みより大きくなる。この場合、積層体の圧着時に、コイルパターン形成領域には十分に大きな圧力が加わる一方、コイルパターン未形成領域には十分に大きな圧力が加わらない。その結果、積層体において、圧着不足による層間剥離が発生するおそれがある。
そこで、特許文献1に記載の積層型コイル部品の製造方法では、磁性体グリーンシートのコイルパターン未形成領域に磁性体材料を塗布している。これにより、未焼成の積層体において、コイルパターン形成領域の積層体の積層方向の厚みと、コイルパターン未形成領域の積層体の積層方向の厚みとの差が小さくなる。そのため、圧着時において、コイルパターン形成領域にかかる圧力と、コイルパターン未形成領域にかかる圧力との差が小さくなる。その結果、積層体において、圧着不足による層間剥離(デラミネーション)の発生が低減される。
しかしながら、特許文献1に記載の積層型コイル部品の製造方法は、焼成後の積層体の上面及び下面に凹凸が発生するという問題を有する。より詳細には、焼成時には、コイルパターン、磁性体グリーンシート及び絶縁体材料は、収縮する。このとき、コイルパターンは、相対的に小さな収縮率で収縮するのに対して、磁性体グリーンシート及び絶縁体材料は、相対的に大きな収縮率で収縮する。そのため、コイルパターン形成領域の積層体の積層方向の厚みは、コイルパターン未形成領域の積層体の積層方向の厚みよりも大きくなる。その結果、焼成後の積層体の上面及び下面に凹凸が発生してしまう。
特開2001−76953号公報
そこで、本発明の目的は、焼成後の積層体の上面及び下面に凹凸が発生することを低減できる電子部品の製造方法を提供する。
本発明の第1の形態に係る電子部品の製造方法は、複数の第1の絶縁体層及び第2の絶縁体層を準備する工程と、前記複数の第1の絶縁体層のそれぞれの主面上に、積層方向から平面視したときに環状の領域において旋廻している螺旋状のコイルの一部となるコイル導体を形成する工程と、前記複数の第1の絶縁体層上であって、前記コイル導体が形成された領域以外の領域に、絶縁ペーストを塗布する工程と、積層方向から平面視したときに、前記第2の絶縁体層の主面上において前記環状の領域と重なる領域以外の領域の少なくとも一部に、絶縁ペーストを塗布する工程と、前記第2の絶縁体層が前記複数の第1の絶縁体層よりも積層方向の上側又は下側に積層されるように、該複数の第1の絶縁体層及び該第2の絶縁体層を積層して積層体を得る工程と、前記積層体を焼成する工程と、を備えていること、を特徴とする。
本発明によれば、焼成後の積層体の上面及び下面に凹凸が発生することを低減できる。
本発明の一実施形態に係る電子部品の製造方法にて作製される電子部品の斜視図である。 図1の電子部品の積層体の分解斜視図である。 マザー積層体の断面構造図である。 電子部品の断面構造図である。 変形例に係る絶縁体層の外観斜視図である。
以下に、本発明の実施形態に係る電子部品の製造方法について説明する。
(電子部品の構成)
以下に、本発明の一実施形態に係る電子部品の製造方法にて作製される電子部品の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子部品の製造方法にて作製される電子部品10の斜視図である。図2は、図1の電子部品10の積層体12の分解斜視図である。以下、電子部品10の積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10の長辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10の短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。x軸、y軸及びz軸は互いに直交している。
電子部品10は、図1及び図2に示すように、積層体12及び外部電極14(14a,14b)、引き出し導体20(20a,20b)及びコイルLを備えている。積層体12は、直方体状をなしており、図2に示すように、コイルL及び引き出し導体20を内蔵している。コイルLは、コイル導体18(18a〜18g)及びビアホール導体b1〜b6により構成されている。外部電極14a,14bはそれぞれ、図1及び図2に示すように、引き出し導体20a,20bを介してコイルLに電気的に接続されており、x軸方向の両端に位置する積層体12の2つの側面に設けられている。
積層体12は、図2に示すように、絶縁体層15(15a〜15e),16(16a〜16e),17(17a〜17g),19(19a〜19g)により構成されている。以下では、絶縁体層15〜17,19において、z軸方向の正方向側の主面を表面と称し、z軸方向の負方向側の主面を裏面と称す。
絶縁体層15a〜15eはそれぞれ、長方形状をなしており、Ni−Cu−Zn系フェライトからなる1枚のシート状の磁性体層である。絶縁体層16a〜16eはそれぞれ、絶縁体層15a〜15eの表面上にNi−Cu−Zn系フェライトペースト(絶縁ペースト)が塗布されることにより形成された絶縁体層である。絶縁体層15a〜15cは、コイル導体18a〜18gが設けられている絶縁体層19a〜19gよりもz軸方向の正方向側においてこの順に積層され、外層を構成している。また、絶縁体層15d,15eは、コイル導体18a〜18gが設けられている絶縁体層19a〜19gよりもz軸方向の負方向側にこの順に積層され、外層を構成している。なお、絶縁体層16a〜16eの形状については、後述する。
絶縁体層19a〜19gは、図2に示すように、長方形状をなしており、Ni−Cu−Zn系フェライトからなる1枚のシート状の磁性体層である。
コイル導体18は、Agからなる導電性材料からなり、螺旋状のコイルLの一部を構成している。具体的には、コイル導体18a〜18gはそれぞれ、図2に示すように、絶縁体層19a〜19gの表面上に設けられ、3/4ターンの長さを有する線状導体である。コイル導体18は、例えば、200μm線幅を有し、50μmの厚みを有している。コイル導体18a〜18gは、z軸方向から平面視したときに、互いに重なり合うことにより長方形状の環状の領域を形成している。したがって、コイル導体18a〜18gは、長方形の一辺が切り欠かれたコ字型をなしている。以下では、z軸方向の正方向側から平面視したときに、コイル導体18a〜18gの時計回りの上流側の端部をコイル導体18a〜18gの上流端と呼び、コイル導体18a〜18gの時計回りの下流側の端部をコイル導体18a〜18gの下流端と呼ぶ。
ビアホール導体b1〜b6は、図2に示すように、絶縁体層19a〜19fをz軸方向に貫通しており、z軸方向に隣り合っているコイル導体18a〜18gを接続している。具体的には、ビアホール導体b1は、コイル導体18aの下流端とコイル導体18bの上流端とを接続している。ビアホール導体b2は、コイル導体18bの下流端とコイル導体18cの上流端とを接続している。ビアホール導体b3は、コイル導体18cの下流端とコイル導体18dの上流端とを接続している。ビアホール導体b4は、コイル導体18dの下流端とコイル導体18eの上流端とを接続している。ビアホール導体b5は、コイル導体18eの下流端とコイル導体18fの上流端とを接続している。ビアホール導体b6は、コイル導体18fの下流端とコイル導体18gの上流端とを接続している。以上のように、コイル導体18a〜18g及びビアホール導体b1〜b6は、z軸方向に延在するコイル軸を有する螺旋状のコイルLを構成している。そして、コイルLは、z軸方向から平面視したときに、長方形状の環状の領域において旋廻している。
引き出し導体20aは、絶縁体層19a上に設けられており、コイル導体18aの上流端に接続されていると共に、絶縁体層19aのx軸方向の負方向側の短辺に引き出されている。すなわち、引き出し導体20aは、コイルLのz軸方向の正方向側に位置する端部と外部電極14aとを電気的に接続している。
引き出し導体20bは、絶縁体層19g上に設けられており、コイル導体18gの下流端に接続されていると共に、絶縁体層19gのx軸方向の正方向側の短辺に引き出されている。すなわち、引き出し導体20bは、コイルLのz軸方向の負方向側に位置する端部と外部電極14bとを電気的に接続している。
絶縁体層17a〜17gはそれぞれ、図2に示すように、絶縁体層19a〜19gの表面上にNi−Cu−Zn系フェライトペースト(絶縁ペースト)が塗布されることにより形成された絶縁体層である。具体的には、絶縁体層17a〜17gはそれぞれ、絶縁体層19a〜19g上においてコイル導体18a〜18gが設けられている領域以外の領域に設けられている。これにより、絶縁体層19a〜19gの表面は、絶縁体層17a〜17g及びコイル導体18a〜18gにより覆い隠されている。更に、絶縁体層17a〜17g及びコイル導体18a〜18gの表面はそれぞれ、一つの平面を構成しており、面一となっている。
ここで、絶縁体層16a〜16eの形状について説明する。コイルLは、z軸方向から平面視したときに、長方形状の環状の領域において旋廻している。そして、絶縁体層16a〜16eは、z軸方向から平面視したときに、絶縁体層15a〜15e上において環状の領域と重なる領域R1以外の領域R2に設けられている。すなわち、絶縁体層16a〜16eは、領域R1にフェライトペーストが塗布されていない空白部22a〜22e(図2では、空白部22a,22dのみ記載)が設けられた長方形状の絶縁体層である。なお、図2では、絶縁体層16a,16dのみの構成が明示されており、絶縁体層16b,16c,16eの構成は他の構成の陰に隠れている。しかしながら、絶縁体層16b,16c,16eの構成は、絶縁体層16a,16dの構成と同じである。
以上のような絶縁体層16a,15a,16b,15b,16c,15c,17a,19a,17b、19b、17c,19c,17d,19d,17e,19e,17f,19f,17g,19g,16d,15d,16e,15eが、この順にz軸方向の正方向側から負方向側へと積層されることにより、積層体12が構成されている。そして、積層体12の側面には、外部電極14a,14bが設けられている。
(電子部品の製造方法)
以下に、電子部品10の製造方法について図2ないし図4を参照しながら説明する。なお、以下では、複数の電子部品10を同時に作成する際の電子部品10の製造方法について説明する。図3は、マザー積層体112の断面構造図である。図4は、電子部品10の断面構造図である。
まず、図2の絶縁体層15,19となるべきセラミックグリーンシートを準備する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、絶縁体層15,19となるべきセラミックグリーンシートを作製する。
次に、図2の絶縁体層16,17となるべきセラミック層のフェライトペースト(絶縁ペースト)を準備する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行って、絶縁体層16,17となるべきセラミック層のフェライトペーストを得る。
次に、図2に示すように、絶縁体層19a〜19fとなるべきセラミックグリーンシートのそれぞれに、ビアホール導体b1〜b6を形成する。具体的には、絶縁体層19a〜19fとなるべきセラミックグリーンシートにレーザビームを照射してビアホールを形成する。次に、このビアホールに対して、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性ペーストを印刷塗布などの方法により充填する。
次に、図2に示すように、絶縁体層19a〜19gとなるべきセラミックグリーンシートのそれぞれの表面上に、コイル導体18a〜18gを形成する。具体的には、絶縁体層19a〜19gとなるべきセラミックグリーンシートの表面上に、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、コイル導体18a〜18gを形成する。なお、コイル導体18a〜18gを形成する工程とビアホールに対して導電性ペーストを充填する工程とは、同じ工程において行われてもよい。
次に、図2に示すように、絶縁体層19a〜19gとなるべきセラミックグリーンシートの表面上であって、コイル導体18a〜18gが形成された領域以外の領域に絶縁体層17a〜17gとなるセラミックグリーン層を形成する。具体的には、フェライトペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、絶縁体層17a〜17gとなるべきセラミックグリーン層を形成する。
次に、図2に示すように、z軸方向から平面視したときに、絶縁体層15a〜15eとなるべきセラミックグリーンシートの表面上において環状の領域と重なる領域R1以外の領域R2全面に絶縁体層16a〜16eとなるセラミックグリーン層を形成する。具体的には、フェライトペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、絶縁体層16a〜16eとなるべきセラミックグリーン層を形成する。
次に、図2に示すように、絶縁体層15a〜15cとなるべきセラミックグリーンシートが絶縁体層19a〜19gとなるべきセラミックグリーンシートよりもz軸方向の正方向側に積層され、かつ、絶縁体層15d,15eとなるべきセラミックグリーンシートが絶縁体層19a〜19gとなるべきセラミックグリーンシートよりもz軸方向の負方向側に積層されるように、絶縁体層15a〜15eとなるべきセラミックグリーンシート及び絶縁体層19a〜19gとなるべきセラミックグリーンシートを積層及び圧着して、図3に示す未焼成のマザー積層体112を得る。具体的には、絶縁体層15e,15d,19g、19f,19e,19d,19c,19b,19a,15c,15b,15aとなるべきセラミックグリーンシートを、この順にz軸方向の負方向側から正方向側へと並ぶように、1枚ずつ積層及び仮圧着を行う。この際、図3に示すように、仮圧着済みのセラミックグリーンシート上に新たなセラミックグリーンシートを1枚セットし、圧着ツールTをz軸方向の正方向側から台Sに対して押え付ける工程を繰り返す。
ここで、領域R2におけるマザー積層体112のz軸方向の厚みは、領域R1におけるマザー積層体のz軸方向の厚みよりも、絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層の厚みの分だけ大きい。したがって、圧着時には、図3に示すように、マザー積層体112の上面(z軸方向の正方向側の面)の領域R2は、マザー積層体112の上面の領域R1よりもz軸方向に突出する。なお、図3では、マザー積層体112の下面は、台Sに押え付けられているので平坦であるが、実際には、マザー積層体112の下面には、マザー積層体112の上面と同様に凹凸が発生している。
この後、図3に示すように、z軸方向の正方向側から未焼成のマザー積層体112を静水圧プレスより加圧して本圧着を行う。静水圧プレスの条件は、例えば、100MPaの圧力及び45℃の温度である。
次に、マザー積層体112をカット刃により所定寸法(2.5mm×2.0mm×1.0mm)の積層体12にカットする。これにより未焼成の積層体12が得られる。この未焼成の積層体12に、脱バインダー処理及び焼成を行う。脱バインダー処理は、例えば、低酸素雰囲気中において500℃で2時間の条件で行われる。焼成は、例えば、900℃で2.5時間の条件で行われる。
焼成の際に、積層体12の上面及び下面は、以下に説明するように、平坦化される。より詳細には、図3に示すように、積層体12の領域R1では、絶縁体層15,19及びコイル導体18が積層されているのに対して、積層体12の領域R2では、絶縁体層15,16,17,19が積層されている。したがって、積層体12の領域R2の方が、積層体12の領域R1よりも、絶縁体層の割合が高く、更に、z軸方向の厚みも大きい。ここで、焼成時には、絶縁体層15,16,17,19及びコイル導体18が収縮する。ただし、絶縁体層15,16,17,19の収縮率(約20%)は、コイル導体18の収縮率(約10%)よりも大きい。よって、領域R2における積層体12のz軸方向の収縮量は、領域R1における積層体12のz軸方向の収縮量よりも大きくなる。その結果、領域R1における積層体12のz軸方向の厚みと領域R2における積層体12のz軸方向の厚みとの差が小さくなる。すなわち、積層体12の上面及び下面が、図4に示すように、平坦化される。
以上の工程により、焼成された積層体12が得られる。積層体12にバレル加工を施して、面取りを行う。その後、積層体12の表面に、例えば、浸漬法等の方法により主成分が銀である電極ペーストを塗布及び焼き付けすることにより、外部電極14a,14bとなるべき銀電極を形成する。銀電極の焼き付けは、800℃で1時間行われる。
最後に、銀電極の表面に、Niめっき/Snめっきを施すことにより、外部電極14a,14bを形成する。以上の工程を経て、図1及び図4に示すような電子部品10が完成する。
(効果)
以上の電子部品10の製造方法によれば、以下に説明するように、焼成後の積層体12の上面及び下面に凹凸が発生することを低減できる。より詳細には、特許文献1に記載の積層型コイル部品の製造方法では、焼成時には、コイルパターン、磁性体グリーンシート及び絶縁体材料は、収縮する。このとき、コイルパターンは、相対的に小さな収縮率で収縮するのに対して、磁性体グリーンシート及び絶縁体材料は、相対的に大きな収縮率で収縮する。そのため、コイルパターン形成領域の積層体の積層方向の厚みは、コイルパターン未形成領域の積層体の積層方向の厚みよりも大きくなる。その結果、焼成後の積層体の上面及び下面に凹凸が発生してしまう。
そこで、電子部品10では、図3に示すように、未焼成の積層体12において、コイルパターン非形成領域に相当する領域R2における積層体12のz軸方向の厚みを、コイルパターン形成領域に相当する領域R1における積層体12のz軸方向の厚みよりも大きくしている。具体的には、図2に示すように、z軸方向から平面視したときに、絶縁体層15a〜15eとなるべきセラミックグリーンシートの表面上の領域R2全面に絶縁体層16a〜16eとなるセラミックグリーン層を形成している。これにより、図3に示すように、積層体12の領域R1では、絶縁体層15,19及びコイル導体18が積層されているのに対して、積層体12の領域R2では、絶縁体層15,16,17,19が積層されている。したがって、積層体12の領域R2の方が、積層体12の領域R1よりも、絶縁体層の割合が高く、更に、z軸方向の厚みも大きい。ここで、焼成時には、絶縁体層15,16,17,19及びコイル導体18が収縮する。ただし、絶縁体層15,16,17,19は、コイル導体18よりも大きな収縮率で収縮する。よって、領域R2における積層体12のz軸方向の収縮量は、領域R1における積層体12のz軸方向の収縮量よりも大きくなる。その結果、領域R1における積層体12のz軸方向の厚みと領域R2における積層体12のz軸方向の厚みとの差が小さくなる。よって、焼成後の積層体12の上面及び下面に凹凸が発生することを低減できる。
また、電子部品10では、以下に説明するように、層間剥離が発生することを抑制できる。より詳細には、図3に示すように、圧着時には、積層体12の上面の領域R1には、窪みCが形成される。窪みCが形成されることにより、未焼成の積層体12において、領域R1における積層体12のz軸方向の厚みと領域R2における積層体12のz軸方向の厚みとに差が発生し、電子部品10の上面に凹凸が発生することが低減されている。よって、窪みCは、十分な深さを必要としている。
ところで、窪みCでは、絶縁体層15となるべきセラミックグリーンシート及び絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層は、z軸方向の負方向側に突出するV字型に湾曲してしまう。そのため、絶縁体層15となるべきセラミックグリーンシート及び絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層の復元力により、絶縁体層15となるべきセラミックグリーンシートと絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層とが層間剥離しようとする。特に、コイルLよりもz軸方向の正方向側のみに、絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層が形成された絶縁体層15となるべきセラミックグリーンシートが積層された場合には、積層体12の上面の領域R1のみに窪みCが形成される。そのため、十分な深さの窪みCが形成されるためには、絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層が形成された絶縁体層15となるべきセラミックグリーンシートを、コイルLよりもz軸方向の正方向側に数多く積層する必要がある。この場合、絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層が形成された絶縁体層15となるべきセラミックグリーンシートが、z軸方向の負方向側に突出するV字型に大きく湾曲してしまう。よって、コイルLよりもz軸方向の正方向側のみに、絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層が形成された絶縁体層15となるべきセラミックグリーンシートが積層された場合には、層間剥離が発生しやすい。
そこで、電子部品10では、図2に示すように、コイルLよりもz軸方向の正方向側及び負方向側の両方に、絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層が形成された絶縁体層15となるべきセラミックグリーンシートが積層されている。これにより、積層体12の上面及び下面の領域R1に、窪みCが形成される。その結果、コイルLよりもz軸方向の正方向側及び負方向側の両方に、絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層が形成された絶縁体層15となるべきセラミックグリーンシートが積層されている場合の窪みCの深さは、コイルLよりもz軸方向の正方向側のみに、絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層が形成された絶縁体層15となるべきセラミックグリーンシートが積層されている場合の窪みCの深さの半分で済む。そのため、電子部品10では、絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層が形成された絶縁体層15となるべきセラミックグリーンシートが、V字型に大きく湾曲する必要がない。その結果、電子部品10では、層間剥離の発生が低減されるようになる。ただし、このことは、電子部品10において、コイルLよりもz軸方向の正方向側又は負方向側のみに、絶縁体層16となるべきセラミックグリーン層が形成された絶縁体層15となるべきセラミックグリーンシートが積層されていることを妨げない。
(変形例)
以下に、変形例に係る絶縁体層16'c,16'dについて説明する。図5は、変形例に係る絶縁体層16'c,16'dの外観斜視図である。絶縁体層16'cは、z軸方向から平面視したときに、絶縁体層15cにおいて引き出し導体20aと重なる領域R3には設けられていない。同様に、絶縁体層16'dは、z軸方向から平面視したときに、絶縁体層15dにおいて引き出し導体20bと重なる領域R4には設けられていない。これにより、引き出し導体20a,20bの収縮率と絶縁体層17,19の収縮率との差によって、積層体12の上面に凹凸が発生することが低減される。
なお、絶縁体層16a,16bも、絶縁体層16'cと同じ構造をとっていてもよい。同様に、絶縁体層16eも、絶縁体層16'dと同じ構造をとっていてもよい。
また、電子部品10では、絶縁体層15a〜15eの全てに絶縁体層16a〜16eが設けられている。しかしながら、絶縁体層16は、絶縁体層15a〜15eの一部にのみ設けられていてもよい。
また、電子部品10では、絶縁体層16は、領域R2全面に設けられているが、領域R2の一部にのみ設けられていてもよい。この場合、z軸方向から平面視したときに、絶縁体層16a〜16eが重なり合うことにより、領域R2全面が覆われていることが望ましい。
本発明は、電子部品の製造方法に有用であり、特に、焼成後の積層体の上面及び下面に凹凸が発生することを低減できる点において優れている。
L コイル
R1〜R4 領域
b1〜b6 ビアホール導体
10 電子部品
12 積層体
14a,14b 外部電極
15a〜15e,16a〜16e,16'c,16'd,17a〜17g,19a〜19g 絶縁体層
18a〜18g コイル導体
20a,20b 引き出し導体

Claims (3)

  1. 複数の第1の絶縁体層及び第2の絶縁体層を準備する工程と、
    前記複数の第1の絶縁体層のそれぞれの主面上に、積層方向から平面視したときに環状の領域において旋廻している螺旋状のコイルの一部となるコイル導体を形成する工程と、
    前記複数の第1の絶縁体層上であって、前記コイル導体が形成された領域以外の領域に、絶縁ペーストを塗布する工程と、
    積層方向から平面視したときに、前記第2の絶縁体層の主面上において前記環状の領域と重なる領域以外の領域の少なくとも一部に、絶縁ペーストを塗布する工程と、
    前記第2の絶縁体層が前記複数の第1の絶縁体層よりも積層方向の上側又は下側に積層されるように、該複数の第1の絶縁体層及び該第2の絶縁体層を積層して積層体を得る工程と、
    前記積層体を焼成する工程と、
    を備えていること、
    を特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 前記第2の絶縁体層に前記絶縁ペーストを塗布する工程では、該第2の絶縁体層の主面上において前記環状の領域と重なる領域以外の領域全てに該絶縁ペーストを塗布すること、
    を特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記積層体を得る工程では、前記第2の絶縁体層を前記複数の第1の絶縁体層よりも積層方向の上側及び下側に積層すること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
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