JP2002164215A - 積層セラミック電子部品及びその製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品及びその製造方法

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JP2002164215A
JP2002164215A JP2000361169A JP2000361169A JP2002164215A JP 2002164215 A JP2002164215 A JP 2002164215A JP 2000361169 A JP2000361169 A JP 2000361169A JP 2000361169 A JP2000361169 A JP 2000361169A JP 2002164215 A JP2002164215 A JP 2002164215A
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ceramic
laminated
electronic component
internal conductor
electrode
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JP2000361169A
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Hisashi Katsurada
寿 桂田
Kazuhiko Takenaka
一彦 竹中
Tatsuya Mizuno
辰哉 水野
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部導体パターンやその周囲に配設されたセ
ラミック層の表面の凹凸に起因する内部クラックの発生
などを防止して、所望の特性を備えた信頼性の高い積層
セラミック電子部品を確実に製造することが可能な積層
セラミック電子部品の製造方法及び該製造方法により製
造される信頼性の高い積層セラミック電子部品を提供す
る。 【解決手段】 磁性体グリーンシート4の表面に内部導
体パターン2aが配設され、かつ、内部導体パターン2
aの周囲に、内部導体パターン2aの厚みと略同等の厚
みを有する磁性体セラミック層6が配設された構造を有
する電極配設シート14を所定の圧力で予備プレスする
ことにより、内部導体パターン2aと磁性体セラミック
層6の表面を平滑化した後、この電極配設シート14を
積層、圧着して積層圧着体1aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、セラミック電子
部品に関し、詳しくは、セラミック中に複数層の内部電
極がセラミック層を介して積層された構造を有する積層
セラミック電子部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】積層セ
ラミック電子部品の一つに、例えば、図6(a),(b)に
示すような積層型インダクタがある。この積層型インダ
クタは、素子(チップ状素子)51中に、複数のコイル
パターン(内部導体パターン)52a(図6(b))を接
続することにより形成された積層型のコイル52(図6
(b))が配設されているとともに、コイル52の両端部
と接続するように外部電極53a,53b(図6(a))
が配設された構造を有している。
【0003】ところで、このような積層型インダクタ
は、例えば、印刷工法により、図6(b)に示すように、
コイルパターン(内部導体パターン)52aが表面に形
成された磁性体グリーンシート(セラミックグリーンシ
ート)54を複数枚積層するとともに、その上下両面側
にコイルパターンの形成されていない磁性体グリーンシ
ート(外層用シート)54aを積層した後、圧着し、各
コイルパターン52aをビアホール55により接続して
コイル52を形成し、積層圧着体(未焼成の素子)を焼
成した後、素子51の両端部に導電ペーストを塗布、焼
付けして、外部電極53a,53b(図6(a))を形成
する工程を経て製造されている。
【0004】ところで、図7に示すように、積層型イン
ダクタの製造に用いられる磁性体グリーンシート54
は、通常、表面にコイルパターン52aが印刷(付与)
されており、その周囲とは段差が存在するため(すなわ
ち、コイルパターン52aが印刷されている部分の厚み
が大きく、印刷されていない部分の厚みが小さいた
め)、磁性体グリーンシート54を複数枚積層し、圧着
したときに、全体を均一に圧着することができず、電気
特性にばらつきが生じたり、層間剥離を生じたりすると
いう問題点がある。
【0005】また、層間に空気層が形成され、各層のコ
イルパターン52a間には空気層を介した分布容量が発
生することになるため、初期の電気特性と、繰返し使用
後の電気特性が異なり、特性の安定性に対する信頼性が
低いという問題点がある。
【0006】そこで、このような問題点を解決するため
に、図8,9に示すように、磁性体グリーンシート(セ
ラミックグリーンシート)54の表面に印刷されたコイ
ルパターン52aの周囲に、焼成後の厚みがコイルパタ
ーン52aの厚みよりも大きくなるように補助磁性体層
(セラミック層)56を配設するようにした積層型イン
ダクタの製造方法が提案されている(特公平7−123
091号)。
【0007】この方法により製造された積層型インダク
タにおいては、コイルパターン52aと、厚み方向に隣
接する磁性体層(磁性体グリーンシートの焼結体層)5
4との間には空隙57(図9)が介在することになり、
この空隙57が磁性体層54よりも比誘電率が小さいこ
とから、分布容量を少なくして高周波における損失を小
さくすることが可能になるとともに、電気特性の繰返し
使用による変動を抑制することができるとされている。
【0008】しかし、この積層型インダクタのように、
補助磁性体層の厚みを、コイルパターンの厚みよりも大
きくした場合、各磁性体グリーンシートに形成されたコ
イルパターンの、ビアホールを介しての接続状態が不安
定になり、直流抵抗の安定性が不十分になり、信頼性が
低下するという問題点がある。
【0009】また、上記従来の方法では、コイルパター
ンや補助磁性体層を、例えば、スクリーン印刷法により
印刷形成した場合、図10に示すように、コイルパタ
ーン52aや補助磁性体層の表面にスクリーンパターン
によるメッシュ跡などの凹凸が形成されたり、印刷中
央部と端部において厚み差が生じたり、あるいは、表
面形状のうねりなど(以下、単に「凹凸」ともいう)が
生じたりするという問題点が生じる。
【0010】そして、これらの凹凸が磁性体グリーンシ
ート(電極配設シート)を積層して圧着する際に、上下
の電極配設シートに影響を及ぼし、積層圧着体にも、各
電極配設シートの表面の凹凸が再現されてしまい、その
結果として、素子内部の磁性体層やコイルパターンの構
造にひずみが生じ、内部クラックを引き起こして、所望
の特性を得ることができなくなるおそれがある。
【0011】なお、上記問題点は、積層型コイル部品の
場合に限られるものではなく、セラミック中に、セラミ
ック層を介して複数層の内部電極が積層、配設された構
造を有する種々の積層セラミック電子部品にも共通する
ものである。
【0012】本願発明は、上記問題点を解決するもので
あり、内部導体パターンやその周囲に配設されたセラミ
ック層の表面の凹凸に起因する内部クラックの発生など
を防止して、所望の特性を備えた信頼性の高い積層セラ
ミック電子部品を確実に製造することが可能な積層セラ
ミック電子部品の製造方法及び該製造方法により製造さ
れる信頼性の高い積層セラミック電子部品を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本願発明(請求項1)の積層セラミック電子部品
の製造方法は、セラミックグリーンシートの表面に内部
導体パターンが配設され、かつ、内部導体パターンの周
囲に、内部導体パターンの厚みと略同等の厚みを有する
セラミック層が配設された構造を有する電極配設シート
を形成する工程と、前記電極配設シートを所定の圧力で
予備プレスすることにより、前記電極配設シートの内部
導体パターンとセラミック層の表面を平滑化する工程
と、予備プレスされた複数枚の電極配設シートを積層し
た後、圧着して積層圧着体を形成する工程とを具備する
ことを特徴としている。
【0014】セラミックグリーンシートの表面に内部導
体パターンが配設され、かつ、内部導体パターンの周囲
にセラミック層が配設された電極配設シートを予備プレ
スすることにより、内部導体パターン及びセラミック層
の表面が平滑化するため、電極配設シートを積層した
後、圧着して積層圧着体を形成することにより、内部導
体パターンやセラミック層に凹凸や歪みのない積層圧着
体を確実に形成することが可能になる。したがって、内
部クラックの発生を防止して、所望の特性を備えた信頼
性の高い積層セラミック電子部品を確実に製造すること
ができるようになる。
【0015】なお、本願発明において、「内部導体パタ
ーンの厚みと略同等の厚みを有するセラミック層」と
は、セラミック層が、予備プレスされたときに、セラミ
ック層と内部電極パターンの表面が略同一平面となるよ
うな厚みを有していることを意味する広い概念であり、
厚みの絶対値が同一であることを必ずしも意味するもの
ではない。
【0016】また、「予備プレスされた複数枚の電極配
設シートを積層した後、圧着して積層圧着体を形成す
る」とは、電極配設シートのみを積層する場合に限られ
るものではなく、電極配設シートと電極が配設されてい
ない他のセラミックグリーンシートを積層するような場
合も含む広い概念である。
【0017】また、請求項2の積層セラミック電子部品
の製造方法は、前記電極配設シートを予備プレスする際
の圧力を、前記複数枚の電極配設シートを積層して圧着
する際の圧力よりも低い圧力とすることを特徴としてい
る。
【0018】電極配設シートを予備プレスする際の圧力
を、複数枚の電極配設シートを積層した積層体を圧着す
る際の圧力よりも低い圧力とすることにより、電極配設
シートの表面、すなわち、コイルパターン及びセラミッ
ク層の表面を平滑化するとともに、その後の積層体の圧
着工程で、層間剥離などを発生させることのない、良好
な圧着状態の積層圧着体を得ることが可能になり、本願
発明をさらに実効あらしめることが可能になる。なお、
電極配設シートの積層体を圧着する際の圧力よりも高い
圧力で電極配設シートを予備プレスした場合には、シー
トが緻密化されてしまい、積層体の圧着を十分に行うこ
とができなくなることから、通常は、予備プレスの際の
圧力を、電極配設シートの積層体を圧着する際の圧力よ
りも低い圧力とすることが好ましい。
【0019】また、請求項3の積層セラミック電子部品
の製造方法は、前記内部導体パターンが、ビアホールを
介して互いに接続されることにより積層型コイルを構成
するコイルパターンであり、かつ、前記内部導体パター
ンが表面に配設されるセラミックグリーンシートが、磁
性体グリーンシートであることを特徴としている。
【0020】内部導体パターンを、互いに接続されて積
層型コイルを構成するコイルパターンとし、かつ、セラ
ミックグリーンシートを、磁性体グリーンシートとした
場合、信頼性の高い積層型コイル部品を効率よく製造す
ることが可能になる。
【0021】また、請求項4の積層セラミック電子部品
の製造方法は、前記内部導体パターン及びセラミック層
をスクリーン印刷法により形成することを特徴としてい
る。
【0022】内部導体パターン及びセラミック層をスク
リーン印刷法により形成するようにした場合、内部導体
パターンやセラミック層の表面にスクリーンパターンに
よるメッシュ跡などの凹凸や、印刷中央部と端部におけ
る厚み差、あるいは表面形状のうねりなど(以下、単に
「凹凸」ともいう)が生じ、これらの凹凸が電極配設シ
ートを積層して圧着する際に、上下の電極配設シートに
影響を及ぼし、圧着後の積層圧着体にも、各電極配設シ
ートの表面の凹凸が再現されてしまうことになるが、請
求項4の積層セラミック電子部品の製造方法のように、
スクリーン印刷法により内部導体パターン及びセラミッ
ク層を配設した電極配設シートを予備プレスすることに
より、内部導体パターン及びセラミック層の表面を確実
に平滑化することが可能になる。したがって、この電極
配設シートを積層した後、圧着して積層圧着体を形成す
ることにより、内部導体パターンやセラミック層に凹凸
や歪みのない積層圧着体を確実に形成することが可能に
なり、所望の特性を備えた信頼性の高い積層セラミック
電子部品を確実に製造することができるようになる。
【0023】また、本願発明(請求項5)の積層セラミ
ック電子部品は、請求項1〜4のいずれかに記載の積層
セラミック電子部品の製造方法により製造された積層セ
ラミック電子部品であって、セラミック焼結体層の表面
に内部導体が配設され、かつ、内部導体の周囲にセラミ
ック焼結体層が配設された、表面が平滑な内部導体配設
セラミック焼結体層が積層された構造を有していること
を特徴としている。
【0024】請求項5の積層セラミック電子部品は、請
求項1〜4のいずれかに記載の積層セラミック電子部品
の製造方法により製造された積層セラミック電子部品で
あって、表面が平滑な内部導体配設セラミック焼結体層
が積層された構造を有しており、素子内部に大きな歪み
がなく、内部クラックの発生などによる特性劣化のな
い、信頼性の高い積層セラミック電子部品を提供するこ
とが可能になる。
【0025】また、請求項6の積層セラミック電子部品
は、前記セラミック焼結体層が磁性体セラミック焼結体
層であって、かつ、前記各内部導体がビアホールを介し
て互いに接続されることによりコイルが形成されてお
り、インダクタとして用いられるように構成されている
ことを特徴としている。
【0026】本願発明を積層型インダクタに適用するこ
とにより、コイルを構成する内部導体やセラミック層に
歪みがなく、内部クラックの発生などによる特性劣化の
ない信頼性の高い積層型インダクタを提供することが可
能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
なお、以下の実施の形態においては、磁性体セラミック
中にコイルを配設してなる積層型インダクタを製造する
場合を例にとって説明する。
【0028】[実施形態1] (1)まず、酸化第二鉄(Fe)49・0mol%、酸
化亜鉛(ZnO)29.0mol%、酸化ニッケル(Ni
O)14.0mol%、酸化銅(CuO)8.0mol%の比
率となるように秤量した各原料をボールミルに仕込み、
15時間湿式混合した後、乾燥、粉砕し、得られた粉末
を750℃で1時間仮焼した後、仮焼粉末をボールミル
にて15時間湿式粉砕し、乾燥した後これを解砕するこ
とにより、磁性体粉末として、フェライト粉末(セラミ
ック粉末)を得る。
【0029】(2)このフェライト粉末(セラミック粉
末)にバインダー、可塑剤、湿潤材などを添加し、ボー
ルミルで15時間混練した後、減圧して、脱泡を行うこ
とによりフェライトスラリー(セラミックスラリー)を
得る。
【0030】(3)得られたフェライトスラリー(セラミ
ックスラリー)を、例えば、リップコータやマルチコー
タを用いて、厚みが25μmの長尺フェライトグリーン
シート(磁性体グリーンシート)を形成し、これを所定
の寸法に切断する。
【0031】(4)それから、このフェライトグリーンシ
ート(磁性体グリーンシート)の所定の位置に、レーザ
加工法などの方法により、ビアホール用の貫通孔を形成
する。
【0032】(5)次に、図1(a),(b)に示すように、
磁性体グリーンシート4の表面のビアホール5(図3)
を含む領域に、銀粉末10重量部、エチルセルロース
0.4重量部、テルピネオール1.0重量部を配合して
混練してなる電極材料ペースト(銀ペースト)と、上記
(2)の工程で調製した磁性体グリーンシートの製造用の
フェライトスラリーと同じ組成のフェライトスラリー
を、例えば、スクリーン印刷法やフォトリゾグラフィな
どの方法によって印刷することにより、コイルパターン
2a(図1(a))を形成するとともに、コイルパターン
2aの周囲を取り囲む磁性体セラミック層6(図1
(b))を形成した後、加熱乾燥する。これにより、磁性
体グリーンシート4の表面に、厚さ20μm程度のコイ
ルパターン2a及び磁性体セラミック層(以下、単に
「セラミック層」ともいう)6が形成され、かつ、ビア
ホール5内に電極材料ペースト2bが充填された電極配
設シート14が得られる。
【0033】ただし、この電極配設シート14において
は、図2(a)に示すように、コイルパターン2a及びセ
ラミック層6の表面には凹凸が生じており、また、コイ
ルパターン2a及びセラミック層6の厚みも不均一な状
態となっている。
【0034】なお、この実施形態では、上記電極材料ペ
ーストとして、銀ペーストを用いたが、銀以外の金属を
導電成分とする種々の電極材料ペーストを用いることが
可能である。
【0035】(6)次に、得られた電極配設シート14を
20〜200kg/cmの圧力で予備プレス(図2(b))
して、電極配設シート14の表面、すなわち、コイルパ
ターン2a及びセラミック層6の表面を、図2(c)に示
すように平滑化する。なお、この実施形態では、20〜
200kg/cmの範囲で予備プレスするようにしている
が、予備プレスの圧力は、磁性体グリーンシート4、コ
イルパターン2a、磁性体セラミック層6、さらにはそ
れらの構成材料の物理的特性などが、電極配設シート1
4の平滑化に影響するため、個々の条件に応じて、その
圧力を調整することが望ましい。
【0036】(7)それから、図3に示すように、電極配
設シート14を所定枚数(この実施形態では11枚)積
層するとともに、さらにその上下両面側に、コイルパタ
ーン2a及びセラミック層6を配設していないセラミッ
クグリーンシート4aを所定枚数(この実施形態では上
面側と下面側にそれぞれ17枚ずつ)積層し、得られた
積層体を1.0t/cmの圧力で圧着し、所定の寸法に
裁断することにより、積層圧着体1a(図4)を形成す
る。なお、この未焼成の積層圧着体1aの段階におい
て、図4に示すように、各コイルパターン2aが、ビア
ホール5内の電極(電極材料ペースト)2bを介して電
気的に確実に接続され、積層圧着体1a内に所定のコイ
ルが形成されることになる。
【0037】(8)それから、積層圧着体1aを所定の条
件(この実施形態では加熱温度400℃、加熱時間2時
間)で熱処理して脱バインダーを行った後、所定の条件
(この実施形態では900℃で90分)で焼成すること
により、素子(焼成された積層圧着体)1を得る。
【0038】(9)次に、この素子1の両端部に、コイル
パターンの引出部と導通するように、浸漬法により電極
ペーストを塗布し、100℃で10分間乾燥した後、7
80℃にて15分間焼き付けることにより、一対の外部
電極3a,3bを形成する。これにより、表面が平滑な
内部導体配設セラミック焼結体層が積層された構造を有
する積層型インダクタであって、図5(a),(b)に示す
ように、素子1中にコイル2が配設され、かつ、素子1
の両端部に、コイル2と導通するように一対の外部電極
3a,3bが配設された積層型インダクタが得られる。
【0039】この積層型インダクタは、セラミックグリ
ーンシートの表面に内部導体パターンと磁性体セラミッ
ク層が配設された電極配設シートを、所定の圧力で予備
プレスすることにより平滑化した後、積層、圧着して積
層圧着体を形成するようにしているので、内部導体パタ
ーンやセラミック層に凹凸や歪みのない積層圧着体を確
実に形成することが可能になるとともに、これを焼成す
ることにより、表面が平滑な内部導体配設セラミック焼
結体層が積層された構造を有する、所望の特性を備えた
信頼性の高い積層セラミック電子部品を確実に製造する
ことが可能になる。
【0040】なお、上記実施形態においては、積層型イ
ンダクタを例にとって説明したが、本願発明は、積層型
インダクタに限られるものではなく、セラミック中に複
数層の内部電極がセラミック層を介して積層された構造
を有する、積層セラミックコンデンサ、積層型LC複合
部品その他の種々の積層セラミック電子部品に適用する
ことが可能である。
【0041】なお、本願発明は、さらにその他の点にお
いても上記実施形態に限定されるものではなく、セラミ
ックグリーンシートやセラミック層を構成するセラミッ
ク材料の種類、内部導体パターンの構成材料の種類、コ
イルパターンの具体的な形状やコイルのターン数などに
関し、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変形
を加えることが可能である。
【0042】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
積層セラミック電子部品の製造方法は、セラミックグリ
ーンシートの表面に内部導体パターンが配設され、か
つ、内部導体パターンの周囲にセラミック層が配設され
た電極配設シートを予備プレスして、内部導体パターン
及びセラミック層の表面を平滑化するようにしているの
で、電極配設シートを積層した後、圧着して積層圧着体
を形成することにより、内部導体パターンやセラミック
層に凹凸や歪みのない積層圧着体を確実に形成すること
が可能になる。その結果、内部クラックの発生を防止し
て、所望の特性を備えた信頼性の高い積層セラミック電
子部品を確実に製造することが可能になる。
【0043】また、請求項2の積層セラミック電子部品
の製造方法のように、電極配設シートを予備プレスする
際の圧力を、電極配設シートの積層体を圧着する際の圧
力よりも低い圧力とすることにより、電極配設シートの
表面、すなわち、コイルパターン及びセラミック層の表
面を平滑化するとともに、その後の積層体の圧着工程
で、層間剥離などを発生させることのない、良好な圧着
状態の積層圧着体を得ることが可能になり、本願発明を
さらに実効あらしめることが可能になる。
【0044】また、請求項3の積層セラミック電子部品
の製造方法のように、内部導体パターンを、互いに接続
されて積層型コイルを構成するコイルパターンとし、か
つ、セラミックグリーンシートを、磁性体グリーンシー
トとした場合、信頼性の高い積層型コイル部品を効率よ
く製造することが可能になる。
【0045】内部導体パターン及びセラミック層をスク
リーン印刷法により形成するようにした場合、内部導体
パターンやセラミック層の表面にスクリーンパターンに
よるメッシュ跡などの凹凸や、印刷中央部と端部におけ
る厚み差、あるいは表面形状のうねりなど(以下、単に
「凹凸」ともいう)が生じ、これらの凹凸が電極配設シ
ートを積層して圧着する際に、上下の電極配設シートに
影響を及ぼし、圧着後の積層圧着体にも、各電極配設シ
ートの表面の凹凸が再現されてしまうことになるが、請
求項4の積層セラミック電子部品の製造方法のように、
スクリーン印刷法により内部導体パターン及びセラミッ
ク層を配設した電極配設シートを予備プレスすることに
より、内部導体パターン及びセラミック層の表面を確実
に平滑化することが可能になる。したがって、この電極
配設シートを積層した後、圧着して積層圧着体を形成す
ることにより、内部導体パターンやセラミック層に凹凸
や歪みのない積層圧着体を確実に形成することが可能に
なり、所望の特性を備えた信頼性の高い積層セラミック
電子部品を確実に製造することができるようになる。
【0046】また、本願発明(請求項5)の積層セラミ
ック電子部品は、請求項1〜4のいずれかに記載の積層
セラミック電子部品の製造方法により製造された積層セ
ラミック電子部品であって、表面が平滑な内部導体配設
セラミック焼結体層が積層された構造を有しているの
で、素子(焼成後の積層圧着体)の内部に大きな歪みが
なく、内部クラックの発生などによる特性劣化のない信
頼性の高い積層セラミック電子部品を提供することが可
能になる。
【0047】また、請求項6の積層セラミック電子部品
のように、本願発明を積層型インダクタに適用すること
により、コイルを構成する内部導体やセラミック層に歪
みがなく、内部クラックの発生などによる特性劣化のな
い、信頼性の高い積層型インダクタを提供することが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態にかかる積層型コイル部
品(積層型インダクタ)の製造方法の一工程を示す図で
あり、(a)は磁性体グリーンシートにコイルパターンを
形成した状態を示す斜視図、(b)はコイルパターンの周
囲に磁性体セラミック層を形成した状態を示す斜視図で
ある。
【図2】(a)は本願発明の一実施形態にかかる積層型コ
イル部品の製造方法の一工程において磁性体グリーンシ
ートの表面にコイルパターン及び磁性体セラミック層を
形成した状態を示す断面図、(b)はコイルパターン及び
磁性体セラミック層の表面を予備プレスしている状態を
示す断面図、(c)は予備プレス後の電極配設シートを示
す図であって、コイルパターン及び磁性体セラミック層
の表面が平滑化された状態を示す断面図である。
【図3】本願発明の一実施形態にかかる積層型コイル部
品の製造方法の一工程において形成した積層圧着体の構
成を示す分解斜視図である。
【図4】本願発明の一実施形態にかかる積層型コイル部
品の製造方法の一工程において形成した積層圧着体を模
式的に示す断面図である。
【図5】本願発明の一実施形態にかかる方法により製造
した積層型インダクタを示す図であり、(a)は斜視図、
(b)は断面図である。
【図6】従来の積層型インダクタを示す図であり、(a)
は斜視図、(b)は内部構造を示す分解斜視図である。
【図7】従来の積層型インダクタの要部断面図である。
【図8】従来の他の積層型インダクタを示す分解斜視図
である。
【図9】従来の他の積層型インダクタの要部断面図であ
る。
【図10】従来の積層型コイル部品の製造方法の一工程
において形成した積層圧着体を模式的に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 素子(焼成された積層圧着体) 1a 積層圧着体 2 コイル 2a コイルパターン(コイルパターンを構成
する電極材料) 2b ビアホール内に充填された電極材料 3a,3b 外部電極 4 磁性体グリーンシート 4a コイルパターンが配設されていない磁性
体グリーンシート 5 ビアホール 6 セラミック層(磁性体セラミック層) 14 電極配設シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 辰哉 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5E062 DD04 5E070 AA01 AB02 BA12 CB03 CB13 CC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックグリーンシートの表面に内部導
    体パターンが配設され、かつ、内部導体パターンの周囲
    に、内部導体パターンの厚みと略同等の厚みを有するセ
    ラミック層が配設された構造を有する電極配設シートを
    形成する工程と、 前記電極配設シートを所定の圧力で予備プレスすること
    により、前記電極配設シートの内部導体パターンとセラ
    ミック層の表面を平滑化する工程と、 予備プレスされた複数枚の電極配設シートを積層した
    後、圧着して積層圧着体を形成する工程とを具備するこ
    とを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記電極配設シートを予備プレスする際の
    圧力を、前記複数枚の電極配設シートを積層して圧着す
    る際の圧力よりも低い圧力とすることを特徴とする請求
    項1記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】前記内部導体パターンが、ビアホールを介
    して互いに接続されることにより積層型コイルを構成す
    るコイルパターンであり、かつ、 前記内部導体パターンが表面に配設されるセラミックグ
    リーンシートが、磁性体グリーンシートであることを特
    徴とする請求項1又は2記載の積層セラミック電子部品
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記内部導体パターン及びセラミック層を
    スクリーン印刷法により形成することを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品の
    製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の積層セラ
    ミック電子部品の製造方法により製造された積層セラミ
    ック電子部品であって、 セラミック焼結体層の表面に内部導体が配設され、か
    つ、内部導体の周囲にセラミック焼結体層が配設され
    た、表面が平滑な内部導体配設セラミック焼結体層が積
    層された構造を有していることを特徴とする積層セラミ
    ック電子部品。
  6. 【請求項6】前記セラミック焼結体層が磁性体セラミッ
    ク焼結体層であって、かつ、前記各内部導体がビアホー
    ルを介して互いに接続されることによりコイルが形成さ
    れており、インダクタとして用いられるように構成され
    ていることを特徴とする請求項5記載の積層セラミック
    電子部品。
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