JP2010258129A - 吸引保持装置、吸引保持方法、搬送装置、及び搬送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保持又は搬送する対象物にくらべて小型の吸引保持端末を用いて、対象物を非接触で吸引保持することができる吸引保持装置、吸引保持方法、搬送装置、及び搬送方法を提供する。
【解決手段】吸引保持装置は、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を吸引保持する吸引保持装置であって、旋回流発生室と、旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面と、を有する吸引保持端末と、吸引保持面に略平行な方向の付勢力を、吸引保持端末に吸引保持されることが可能な位置にある保持対象物に印加する付勢手段と、付勢手段による付勢力に抗して保持対象物を係止する係止手段と、を備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、保持対象物を吸引保持する吸引保持装置、保持対象物を吸引保持する吸引保持方法、搬送対象物を吸引保持して搬送する搬送装置、及び搬送対象物を吸引保持して搬送する搬送方法に関する。
従来から、複数の半導体装置が形成された半導体基板のように、脆い材料に微細な構造が精密に形成された被加工物を加工する工程においては、被加工物を搬送する際に被加工物の加工面を損なわないための被加工物のチャッキング方法及びチャッキング装置について様々な工夫がされている。保持するために接触することが可能な面が少ない保持対象物を保持する方法として、ベルヌーイの定理を応用して被加工物などの保持対象物を非接触で保持するベルヌーイチャックを用いる保持方法が用いられている。
特許文献1には、空気の旋回流が発生する旋回室と、旋回室に連通するとともに被搬送物に対向する対向面と、を設けることによって、非接触で被搬送物を吸着する無接触搬送装置が開示されている。
特許文献1に開示されたような装置においては、非接触で被搬送物を吸着ために、被搬送物に対向する対向面に平行な方向の拘束力を被搬送物に加えることはできないことから、対向面に平行な方向の拘束手段を設ける必要がある。
特許文献2には、ワークのスライドを防止するワーク係止片を含むチャック補助部を着脱可能に装着したベルヌーイチャックが開示されている。チャック補助部を着脱可能にすることで、大きさが異なるワークに対応可能にしている。
特許文献3には、吸着されたウェーハが当接する摩擦面を有する摩擦部材を備え、ウェーハが吸着面を移動する、また吸着面から脱落することを防止することができるウェーハ搬送機構が開示されている。
特開平11−254369号公報 特開2007−67054号公報 特開2005−142462号公報
しかしながら、特許文献2に開示されたような装置においては、その目的を達成するためには、ワーク係止片に相当する部材はワークを囲むように配置することが必要であって、ワークを保持する端末は、ワークより大きくなるという課題があった。また、大きさが異なるワークに対応するために、チャック補助部のような部分を交換しなければならないという課題もあった。
特許文献3に開示されたような装置においては、ウェーハなどの被搬送部材が摩擦部材に接触してしまうため、被搬送部材の面に接触することを避けるために実施する非接触チャックの目的が達せられないという課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる吸引保持装置は、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を吸引保持する吸引保持装置であって、前記旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面と、を有する吸引保持端末と、前記吸引保持面に略平行な方向の付勢力を、前記吸引保持端末に吸引保持されることが可能な位置にある前記保持対象物に印加する付勢手段と、前記付勢手段による前記付勢力に抗して前記保持対象物を係止する係止手段と、を備えることを特徴とする。
本適用例の吸引保持装置によれば、吸引保持端末によって、保持対象物を非接触で吸引保持することができる。非接触で吸引保持されるため、吸引保持端末に対向する保持対象物の被吸引保持面が吸引保持端末に接触することなく、保持対象物を吸引保持することができる。
付勢手段によって吸引保持面に略平行な方向の付勢力を保持対象物に印加し、係止手段によって付勢力に抗して保持対象物を係止することができる。これにより、保持対象物の被吸引保持面と略直交する面を、付勢力によって保持対象物が係止手段に当接する力によって、係止手段に固定することができる。保持対象物の一端が係止手段に固定されることによって、吸引保持端末によって非接触で吸引保持された保持対象物の、吸引保持面に略平行な方向の移動を規制して、位置を固定することができる。
一般的に、被吸引保持面は、保持装置などが接触することが好ましくないために非接触で吸引保持される。係止手段に当接する面は被吸引保持面と略直交する面であるため、保持装置などが接触することが好ましくない被吸引保持面に係止手段を接触させることなく、保持対象物を係止手段に当接させることができる。
保持対象物の大きさが一定の範囲内であれば、吸引保持端末と、付勢手段と、係止手段との位置関係は、変えることなく、吸引保持が可能であり、保持対象物の大きさに対応して吸引保持装置の大きさを変えることを必ずしも必要とせずに、保持対象物を吸引保持することができる。
[適用例2]上記適用例にかかる吸引保持装置は、前記付勢手段が、真空吸着装置であることが好ましい。
この吸引保持装置によれば、真空吸着装置によって保持対象物を吸着することで、保持対象物の被吸着部を真空吸着装置に略固定することができる。
[適用例3]上記適用例にかかる吸引保持装置は、前記係止手段が、前記保持対象物の、前記吸引保持面に略垂直な方向への移動を規制する規制部材をさらに備えることが好ましい。
この吸引保持装置によれば、保持対象物は規制部材によって吸引保持面に略垂直な方向への移動が規制されるため、保持対象物が吸着されていない状態でも、保持対象物の吸引保持面に略垂直な方向における位置を、規制部材によって規制できる範囲において、略一定にすることができる。保持対象物が過度に吸引保持端末に接近して、被吸引保持面が吸引保持面に接触することを抑制することができる。
[適用例4]上記適用例にかかる吸引保持装置は、前記規制部材が、前記付勢手段側に臨み、前記吸引保持面に略平行な方向において前記付勢手段側に移動する前記保持対象物を、前記吸引保持面に略垂直な方向において前記付勢手段側に誘導可能に傾斜した付勢案内斜面を備えることが好ましい。
この吸引保持装置によれば、付勢案内斜面によって、付勢手段によって付勢されて係止手段側に移動する保持対象物を、吸引保持面に略垂直な方向において係止手段側に誘導することができる。これにより、係止手段における保持対象物が当接する位置を、案内斜面によって誘導される範囲内にすることができる。
[適用例5]上記適用例にかかる吸引保持装置は、前記係止手段が、前記吸引保持面に略平行であって、前記付勢手段による付勢力の方向とは異なる2方向への、前記保持対象物の移動を規制することが好ましい。
この吸引保持装置によれば、係止手段によって、保持対象物の吸引保持面に略平行であって、付勢手段による付勢力の方向とは異なる2方向への移動を規制することができる。これにより、保持対象物の吸引保持面に略平行な方向における位置を実質的に一定の位置にすることができる。
[適用例6]上記適用例にかかる吸引保持装置は、前記吸引保持端末の稼働及び停止と、前記付勢手段の稼働及び停止と、を制御する稼働制御手段をさらに備えることが好ましい。
この吸引保持装置によれば、稼働制御手段によって、吸引保持端末及び付勢手段の稼働及び停止を制御することによって、吸引保持端末及び付勢手段を効率良く協働させて、保持対象物を、好適に吸引保持することができる。
[適用例7]上記適用例にかかる吸引保持装置は、前記稼働制御手段が、前記付勢手段が稼働状態である場合は前記吸引保持端末が稼働状態であるように、前記付勢手段及び前記吸引保持端末の稼働状態を制御することが好ましい。
この吸引保持装置によれば、稼働制御手段は、付勢手段が稼働状態である場合は吸引保持端末が稼働状態であるように、付勢手段及び吸引保持端末の稼働状態を制御する。これにより、付勢手段によって付勢された保持対象物が係止手段に当接される位置の方に移動する際は、保持対象物は非接触で吸引保持されているため、付勢手段の付勢力によって容易に保持対象物を係止手段に当接する位置に移動させることができる。
また、吸引保持を解除された保持対象物が、付勢手段の付勢力のみによって支持されることがない。一般的に、接触して保持することが支障がなければ、接触して保持した方が安定して容易に保持することができる。したがって、吸引保持装置を使用して保持する保持対象物は、主には吸引保持端末による吸引保持力によって保持されており、付勢手段と係止手段の協働によってのみでは充分に安定して保持することが困難である可能性が高い。保持対象物が付勢手段の付勢力のみによって支持されることがないため、充分に安定して保持することが困難である可能性が高い方法のみによって保持対象物が保持されることをなくすることができる。
[適用例8]上記適用例にかかる吸引保持装置は、前記係止手段が、前記吸引保持端末側に臨み、前記吸引保持面に略垂直な方向において前記吸引保持端末側に移動する前記保持対象物の前記係止手段に当接する部分を、前記吸引保持面に略平行な方向において、前記吸引保持端末側に誘導可能に傾斜した吸引案内斜面をさらに備えることが好ましい。
この吸引保持装置によれば、吸引案内斜面によって、吸引保持端末によって吸引力を印加されて吸引保持端末側に移動する保持対象物を、吸引保持面に略平行な方向において、保持対象物の係止手段に当接する部分を、吸引保持端末側に誘導することができる。これにより、吸引保持を開始する際に、吸引保持面に略垂直な方向に移動する保持対象物の係止手段に当接する部分の位置が、吸引保持面に略平行な方向において、吸引保持端末側に誘導されるため、吸引保持面に略平行な方向において、保持対象物の係止手段に当接する部分が係止手段と重なって衝突することを抑制することができる。このため、吸引保持端末によって保持対象物に吸引力を印加する際に、吸引案内斜面がない場合にくらべて、保持対象物の係止手段に当接する部分の、係止手段における保持対象物が当接する部分に対する位置合せの許容誤差を大きくすることができる。
[適用例9]本適用例にかかる吸引保持方法は、保持対象物を吸引保持する吸引保持方法であって、旋回流発生室が開口している吸引保持面を備える吸引保持端末の前記吸引保持面を前記保持対象物の被吸引保持面に接近させる接近工程と、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から前記旋回流発生室の開口に連なる前記吸引保持面の面上に流出する気体とにより、前記吸引保持端末が前記保持対象物を非接触で吸引保持する状態にする吸引保持開始工程と、前記吸引保持端末に吸引保持された前記保持対象物に、前記吸引保持面に略平行な方向の付勢力を印加して、前記付勢力によって前記保持対象物を係止手段に当接させる当接工程と、を有することを特徴とする。
本適用例の吸引保持方法によれば、吸引保持端末によって、保持対象物を非接触で吸引保持することができる。非接触で吸引保持されるため、吸引保持端末に対向する保持対象物の被吸引保持面が吸引保持端末に接触することなく、保持対象物を吸引保持することができる。
当接工程において、吸引保持面に略平行な方向の付勢力を保持対象物に印加し、係止手段に当接させることで、係止手段によって付勢力に抗して保持対象物を係止することができる。これにより、保持対象物の被吸引保持面と略直交する面を、付勢力によって保持対象物が係止手段に当接する力によって、係止手段に固定することができる。保持対象物の一端が係止手段に固定されることによって、吸引保持端末によって非接触で吸引保持された保持対象物の、吸引保持面に略平行な方向の移動を規制して、位置を固定することができる。
一般的に、被吸引保持面は、保持装置などが接触することが好ましくないために非接触で吸引保持される。係止手段に当接する面は被吸引保持面と略直交する面であるため、保持装置などが接触することが好ましくない被吸引保持面に係止手段を接触させることなく、保持対象物を係止手段に当接させることができる。
保持対象物の大きさが一定の範囲内であれば、吸引保持端末と、係止手段との位置関係は、変えることなく、吸引保持が可能であり、保持対象物の大きさに対応して吸引保持端末と係止手段とを含む装置の大きさを変えることを必ずしも必要とせずに、保持対象物を吸引保持することができる。
[適用例10]上記適用例にかかる吸引保持方法は、前記当接工程が、真空吸着装置を用いて実施する真空吸着工程であることが好ましい。
この吸引保持方法によれば、真空吸着装置によって保持対象物を吸着することで、保持対象物の被吸着部を真空吸着装置に略固定することができる。
[適用例11]上記適用例にかかる吸引保持方法は、前記当接工程を、前記保持対象物が吸引保持された状態において実施することが好ましい。
この吸引保持方法によれば、当接工程は、保持対象物が吸引保持された状態において実施される。これにより、当接工程において、付勢された保持対象物が係止手段に当接される位置の方に移動する際は、保持対象物は非接触で吸引保持されているため、付勢力によって容易に保持対象物を係止手段に当接する位置に移動させることができる。
また、吸引保持を解除された保持対象物が、付勢力のみによって支持されることがない。一般的に、接触して保持することが支障がなければ、接触して保持した方が安定して容易に保持することができる。したがって、非接触の吸引保持方法を用いて保持する保持対象物は、主には吸引保持端末による吸引保持力によって保持されており、付勢力と係止手段の協働によってのみでは充分に安定して保持することが困難である可能性が高い。保持対象物が付勢力のみによって支持されることがないため、充分に安定して保持することが困難である可能性が高い方法のみによって保持対象物が保持されることをなくすることができる。
[適用例12]本適用例にかかる搬送装置は、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、搬送対象物を非接触で吸引保持して搬送する搬送装置であって、前記旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面と、を有する吸引保持端末と、前記吸引保持面に略平行な方向の付勢力を、前記吸引保持端末に吸引保持されることが可能な位置にある前記搬送対象物に印加する付勢手段と、前記付勢手段による前記付勢力に抗して前記搬送対象物を係止する係止手段と、前記吸引保持端末と前記付勢手段と前記係止手段とを移動可能に支持する移動手段と、を備えることを特徴とする。
本適用例の搬送装置によれば、吸引保持端末によって、搬送対象物を非接触で吸引保持することができる。非接触で吸引保持されるため、吸引保持端末に対向する搬送対象物の被吸引保持面が吸引保持端末に接触することなく、搬送対象物を吸引保持することができる。
付勢手段によって吸引保持面に略平行な方向の付勢力を搬送対象物に印加し、係止手段によって付勢力に抗して搬送対象物を係止することができる。これにより、搬送対象物の被吸引保持面と略直交する面を、付勢力によって搬送対象物が係止手段に当接する力によって、係止手段に固定することができる。搬送対象物の一端が係止手段に固定されることによって、吸引保持端末によって非接触で吸引保持された搬送対象物の、吸引保持面に略平行な方向の移動を規制して、位置を固定することができる。
一般的に、被吸引保持面は、保持装置などが接触することが好ましくないために非接触で吸引保持される。係止手段に当接する面は被吸引保持面と略直交する面であるため、保持装置などが接触することが好ましくない被吸引保持面に係止手段を接触させることなく、搬送対象物を係止手段に当接させることができる。
搬送対象物の大きさが一定の範囲内であれば、吸引保持端末と、付勢手段と、係止手段との位置関係は、変えることなく、吸引保持が可能であり、搬送対象物の大きさに対応して吸引保持端末と、付勢手段と、係止手段とを含む装置の大きさを変えることを必ずしも必要とせずに、搬送対象物を吸引保持して搬送することができる。
[適用例13]上記適用例にかかる搬送装置は、前記付勢手段が、真空吸着装置であることが好ましい。
この搬送装置によれば、真空吸着装置によって搬送対象物を吸着することで、搬送対象物の被吸着部を真空吸着装置に略固定することができる。
[適用例14]上記適用例にかかる搬送装置は、前記係止手段が、前記搬送対象物の、前記吸引保持面に略垂直な方向への移動を規制する規制部材をさらに備えることが好ましい。
この搬送装置によれば、搬送対象物は規制部材によって吸引保持面に略垂直な方向への移動が規制されるため、搬送対象物が吸着されていない状態でも、搬送対象物の吸引保持面に略垂直な方向における位置を、規制部材によって規制できる範囲において、略一定にすることができる。搬送対象物が過度に吸引保持端末に接近して、被吸引保持面が吸引保持面に接触することを抑制することができる。
[適用例15]上記適用例にかかる搬送装置は、前記係止手段が、前記搬送対象物の、前記吸引保持面に略平行であって、前記付勢手段による付勢力の方向とは異なる2方向への移動を規制することが好ましい。
この搬送装置によれば、係止手段によって、搬送対象物の吸引保持面に略平行であって、付勢手段による付勢力の方向とは異なる2方向への移動を規制することができる。これにより、搬送対象物の吸引保持面に略平行な方向における位置を実質的に一定の位置にすることができる。
[適用例16]上記適用例にかかる搬送装置は、前記吸引保持端末の稼働及び停止と、前記付勢手段の稼働及び停止とを制御する稼働制御手段をさらに備えることが好ましい。
この搬送装置によれば、稼働制御手段によって、吸引保持端末及び付勢手段の稼働及び停止を制御することによって、吸引保持端末及び付勢手段を効率良く協働させて、搬送対象物を、好適に吸引保持して搬送することができる。
[適用例17]上記適用例にかかる搬送装置は、前記稼働制御手段が、前記付勢手段が稼働状態である場合は前記吸引保持端末が稼働状態であるように、前記付勢手段及び前記吸引保持端末の稼働状態を制御することが好ましい。
この搬送装置によれば、稼働制御手段は、付勢手段が稼働状態である場合は吸引保持端末が稼働状態であるように、付勢手段及び吸引保持端末の稼働状態を制御する。これにより、付勢手段によって付勢された搬送対象物が係止手段に当接される位置の方に移動する際は、搬送対象物は非接触で吸引保持されているため、付勢手段の付勢力によって容易に搬送対象物を係止手段に当接する位置に移動させることができる。
また、吸引保持を解除された搬送対象物が、付勢手段の付勢力のみによって支持されることがない。一般的に、接触して保持することが支障がなければ、接触して保持した方が安定して容易に保持することができる。したがって、非接触で吸引保持する保持方法を使用して保持する搬送対象物は、主には吸引保持端末による吸引保持力によって保持されており、付勢手段と係止手段の協働によってのみでは充分に安定して保持することが困難である可能性が高い。搬送対象物が付勢手段の付勢力のみによって支持されることがないため、充分に安定して保持することが困難である可能性が高い方法のみによって搬送対象物が保持されることをなくすることができる。
[適用例18]本適用例にかかる搬送方法は、第一の位置に在る搬送対象物を吸引保持し、吸引保持した前記搬送対象物を第二の位置に着座させることで、前記搬送対象物を前記第一の位置から前記第二の位置に搬送する搬送方法であって、旋回流発生室と、前記旋回流発生室が開口している吸引保持面と、を備える吸引保持端末の前記吸引保持面を前記搬送対象物の被吸引保持面に接近させる接近工程と、前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から前記旋回流発生室の開口に連なる前記吸引保持面の面上に流出する気体とにより、前記吸引保持端末が前記搬送対象物を非接触で吸引保持する状態にする吸引保持開始工程と、前記吸引保持端末に吸引保持された前記搬送対象物に、前記吸引保持面に略平行な方向の付勢力を印加して、前記付勢力によって前記搬送対象物を係止手段に当接させる当接工程と、前記吸引保持端末を備え前記搬送対象物を吸引保持及び吸着した吸引保持装置を、前記搬送対象物が前記第二の位置に臨む位置に移動させる移動工程と、前記搬送対象物を、前記第二の位置に着座させる着座工程と、を有することを特徴とする。
本適用例の搬送方法によれば、吸引保持端末によって、搬送対象物を非接触で吸引保持することができる。非接触で吸引保持されるため、吸引保持端末に対向する搬送対象物の被吸引保持面が吸引保持端末に接触することなく、搬送対象物を吸引保持することができる。
当接工程において、吸引保持面に略平行な方向の付勢力を搬送対象物に印加し、係止手段に当接させることで、係止手段によって付勢力に抗して搬送対象物を係止することができる。これにより、搬送対象物の被吸引保持面と略直交する面を、付勢力によって搬送対象物が係止手段に当接する力によって、係止手段に固定することができる。搬送対象物の一端が係止手段に固定されることによって、吸引保持端末によって非接触で吸引保持された搬送対象物の、吸引保持面に略平行な方向の移動を規制して、吸引保持端末に対する搬送対象物の位置を固定することができる。
一般的に、被吸引保持面は、保持装置などが接触することが好ましくないために非接触で吸引保持される。係止手段に当接する面は被吸引保持面と略直交する面であるため、保持装置などが接触することが好ましくない被吸引保持面に係止手段を接触させることなく、搬送対象物を係止手段に当接させることができる。
搬送対象物の大きさが一定の範囲内であれば、吸引保持端末と、係止手段との位置関係は、変えることなく、吸引保持が可能であり、搬送対象物の大きさに対応して吸引保持端末と係止手段とを含む装置の大きさを変えることを必ずしも必要とせずに、搬送対象物を吸引保持することができる。
吸引保持端末に対する搬送対象物の位置が固定されているため、吸引保持装置を搬送対象物が第二の位置に臨む位置に移動させることで、搬送対象物を第二の位置に対して位置決めすることを必要とせずに、搬送対象物を第二の位置に着座させることができる。
[適用例19]上記適用例にかかる搬送方法は、前記当接工程が、真空吸着装置を用いて実施する真空吸着工程であることが好ましい。
この搬送方法によれば、真空吸着装置によって搬送対象物を吸着することで、搬送対象物の被吸着部を真空吸着装置に略固定することができる。
[適用例20]上記適用例にかかる搬送方法は、前記当接工程を、前記搬送対象物が吸引保持された状態において実施することが好ましい。
この搬送方法によれば、当接工程は、搬送対象物が吸引保持された状態において実施される。これにより、当接工程において、付勢された搬送対象物が係止手段に当接される位置の方に移動する際は、搬送対象物は非接触で吸引保持されているため、付勢力によって容易に搬送対象物を係止手段に当接する位置に移動させることができる。
[適用例21]上記適用例にかかる搬送方法は、前記着座工程が、前記吸引保持端末が前記搬送対象物を吸引保持した状態で、前記搬送対象物を吸着した状態を解除する吸着解除工程と、前記吸引保持端末が前記搬送対象物を吸引保持した状態を解除する吸引保持解除工程と、を含むことが好ましい。
この搬送方法によれば、吸引保持端末が搬送対象物を吸引保持した状態で、吸着解除工程を実施する。このため、吸引保持を解除された搬送対象物が、付勢力のみによって支持されることがない。一般的に、接触して保持することが支障がなければ、接触して保持した方が安定して容易に保持することができる。したがって、非接触の吸引保持方法を用いて保持する搬送対象物は、主には吸引保持端末による吸引保持力によって保持されており、付勢力と係止手段の協働によってのみでは充分に安定して保持することが困難である可能性が高い。搬送対象物が付勢力のみによって支持されることがないため、充分に安定して保持することが困難である可能性が高い方法のみによって搬送対象物が保持されることをなくすることができる。
(a)は、SAW共振片の一例を示す平面図。(b)は、複数のSAWパターンが形成された共振片ウェハーの平面図。 給除材装置の概略構成を示す外観斜視図。 吸引パットの構造を示す斜視図。 ヘッドケースの構成を示す平面図。 (a)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す断面図。(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図。 吸引保持ハンドの全体構成を示す分解斜視図。 共振片ウェハーの搬送工程の各工程を示すフローチャート。 共振片ウェハーの搬送工程の各工程における吸引パット及び吸着開口と、共振片ウェハーと、の位置関係を示す説明図。 ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図。 ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図。 ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図。 (a)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す部分断面図。(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図。
以下、吸引保持方法、搬送装置、搬送方法、及び吸引保持装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。実施形態は、搬送装置の一例である、給除材装置を例にして説明する。実施形態の給除材装置は、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子の製造工程において、SAW共振片を構成する複数のSAWパターンが区画形成された共振片ウェハーを取扱う給除材装置である。なお、以下の説明において参照する図面では、構成部材をわかり易く表示するために、部材又は部分の縦横の縮尺や部分ごとの縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
<共振片ウェハー>
最初に、給除材装置10(図2参照)が扱う搬送対象物又は保持対象物の一例である、共振片ウェハー1Aについて、図1を参照して説明する。共振片ウェハー1Aは、圧電体ウェハーにSAW共振片1が区画形成されたものであり、SAW共振片1は、SAW共振子を構成する主要要素である。図1(a)は、SAW共振片の一例を示す平面図である。図1(b)は、複数のSAWパターンが形成された共振片ウェハーの平面図である。
SAW共振子は、ハウジングにSAW共振片1を封入し、接着剤で接着し、ボンディングワイヤによってSAW共振片1とハウジング端子とを導通させて形成される。
図1(a)に示したように、SAW共振片1は、水晶、リチウムタンクレート、リチウムニオブベートなどの圧電体を矩形にカットしたものを基体(チップ)として構成されている。本実施形態の圧電体のチップ3は、平らな略長方形にカットされており、その表面(主面)3aの中央に、1組の電極4a及び電極4bからなる交叉指電極(IDT:Inter Digital Transducer)4が形成されている。IDT4の長手方向の両側には、格子状の反射器6が、それぞれ形成されている。チップ3の長手方向の縁に沿って、IDT4を形成する電極4a又は電極4bとそれぞれ繋がった導通用のボンディングランド5a及びボンディングランド5bが、形成されている。ボンディングランド5a及びボンディングランド5bは、電極4a及び電極4bと同じ素材を用いて形成されており、このボンディングランド5a及びボンディングランド5bにワイヤーボンディングすることによって電気的な接続が得られる。交叉指電極4と、反射器6と、ボンディングランド5a及びボンディングランド5bと、の組をSAWパターン2と表記する。
図1(a)に破線で示した領域7a及び領域7bは、陽極酸化レジスト膜を形成する領域である。陽極酸化膜は、電極の表面を陽極酸化することによって、酸化膜を電極の表面に形成し、SAW共振片の特性にほとんど影響を与えることなく、電極を保護することで、電極に異物が付着することによるトラブルを防止するものである。陽極酸化レジスト膜は、ボンディングランド5a及びボンディングランド5bに陽極酸化膜が形成されないようにするためのレジスト膜である。
図1(b)に示すように、共振片ウェハー1Aは、圧電体のウェハー3Aに複数のSAWパターン2が形成されている。共振片ウェハー1Aは、複数のSAWパターン2が形成された状態で陽極酸化が行われる。なお、本実施形態では、共振片ウェハー1Aは、陽極酸化が行われる前も、陽極酸化が行われた後も、共振片ウェハー1Aと表記する。陽極酸化を実施する装置に共振片ウェハー1Aを給材したり、陽極酸化膜が形成された共振片ウェハー1Aを除材したりする際は、SAWパターン2が形成された面や、陽極酸化膜の面を保持することで共振片ウェハー1Aを保持することが多いため、SAWパターン2や陽極酸化膜に影響を与えない保持方法を用いることが必要である。
<給除材装置>
次に、給除材装置10について、図2を参照して説明する。図2は、給除材装置の概略構成を示す外観斜視図である。
図2に示すように、給除材装置10は、吸引保持ハンド20と、給除材腕31と機台38とを備えるロボット機構30と、給除材装置制御部39とを備えている。
給除材腕31は、腕部32aと、腕部32bと、腕関節部33と、方向変換機構35と、ハンド保持機構34と、腕軸部36とを備えている。腕部32aの一端と腕部32bの一端とは、腕関節部33で接続されている。腕部32bの腕関節部33に接続された一端の反対側の一端は、腕軸部36に接続されている。腕軸部36は、腕部32bを腕軸部36の回動軸を中心に回動可能に支持している。腕部32bは、腕部32aを、腕関節部33を介して、腕関節部33の回動軸を中心に回動可能に支持している。腕部32aと腕部32bとは、腕関節部33において互いのなす角度を調整可能である。即ち、給除材腕31は、腕関節部33において屈伸可能である。腕軸部36の回動軸の軸方向と、腕関節部33の回動軸の軸方向とは、互いに略平行である。機台38は、内蔵する摺動支持機構(図示省略)を介して、腕軸部36を腕軸部36の回動軸の軸方向に摺動自在に、且つ精密に位置決め固定可能に支持している。
腕部32aの腕関節部33に接続された一端の反対側の一端には、方向変換機構35の固定部35aが固定されている。方向変換機構35は、固定部35aと回動部35bとを備えている。回動部35bは、腕部32aに固定された固定部35aに、回動自在、且つ固定可能に支持されている。腕部32aは、腕関節部33の回動軸と交差する軸であって、軸方向が水平方向である軸に沿うように形成されており、回動部35bの回動軸は、当該軸と略一致する水平方向に延在する軸である。
回動部35bには、ハンド保持機構34が固定されている。ハンド保持機構34は、保持機構軸34aと、ハンド支持部34bとを備えている。保持機構軸34aは、保持機構軸34aの軸が回動部35bの回動軸に略直交する方向で、回動部35bに立設されている。ハンド支持部34bは、保持機構軸34aに、保持機構軸34aの軸回りに回動自在且つ固定可能に支持されている。ハンド支持部34bの回動軸は、腕軸部36の回動軸の軸方向及び腕関節部33の回動軸の軸方向と平行な面内にあり、回動部35bが固定部35aに対して回動することで、当該面内において、方向を変えることができる。
ハンド保持機構34のハンド支持部34bには、吸引保持ハンド20が固定されている。吸引保持ハンド20は、後述する吸引パット21(図3参照)を4個備えており、吸引保持ハンド20の吸引保持面182A(図5参照)は、4個の吸引パット21が備える4個の吸引保持面182(図3参照)で構成されている。吸引保持ハンド20の吸引保持面182Aは、ハンド保持機構34の回動軸と略垂直である。ハンド保持機構34によって吸引保持ハンド20を回動させることで、吸引保持面182Aに平行な平面方向において、吸引保持面182Aを回動させて吸引保持面182Aの向きを変えることができる。方向変換機構35によって、ハンド保持機構34の回動軸の軸方向を変えることで、吸引保持面182Aの方向(吸引保持面182Aが面する方向)を変えることができる。
給除材装置制御部39は、情報入出力装置(図示省略)を介して予め入力された制御プログラムに基づいて、給除材装置10の各部の動作を統括制御する。
次に、給除材装置10によってワークを搬送する際の給除材装置10の動作について説明する。
最初に、腕軸部36によって、給除材腕31を回動させて任意の方向に向け、腕関節部33において給除材腕31を屈伸させることによって、吸引保持ハンド20を任意の位置、例えば、ワークを吸引保持可能な位置に位置させる。このとき、ハンド保持機構34及び方向変換機構35によって、吸引保持面182Aの面方向及び面方向に平行な方向における吸引保持面182Aの向きをかえて、ワークを吸引保持可能な方向に、吸引保持面182Aの向きを調整する。
次に、機台38の摺動支持機構によって、腕軸部36を腕軸部36の回動軸の軸方向に摺動させることによって、吸引保持ハンド20の吸引保持面をワークを吸引保持可能な距離まで接近させ、当該位置でワークを吸引保持する。次に、機台38の摺動支持機構によって腕軸部36を摺動させて、吸引保持ハンド20を移動させ、ワークを持ち上げる。
次に、腕軸部36によって、給除材腕31を回動させて、給除材腕31をワークを載置する方向に向け、腕関節部33において給除材腕31を屈伸させることによって、ワークを吸引保持した吸引保持ハンド20を、ワークが載置位置に臨む位置に位置させる。このとき、ハンド保持機構34及び方向変換機構35によって、吸引保持面182Aの面方向及び面方向に平行な方向における吸引保持面182Aの向きをかえて、ワークが載置位置に臨む方向に、吸引保持面182Aの向きを調整する。
次に、機台38の摺動支持機構によって、腕軸部36を腕軸部36の回動軸の軸方向に摺動させることによって、吸引保持ハンド20が吸引保持したワークを載置面に載置可能な距離まで接近させ、当該位置でワークの吸引保持を解除し、ワークを載置面に落下させる。給除材装置10によって搬送される共振片ウェハー1Aなどのワークが、保持対象物又は搬送対象物に相当する。ロボット機構30が、移動手段に相当する。
<吸引パット>
次に、吸引保持ハンド20が備える吸引パット21について、図3を参照して説明する。吸引パット21は、ベルヌーイの定理を応用して、吸引保持する部材を吸引すると共に、流出する気体によって部材に押し力を加えることによって、部材と吸引パットとの非接触状態を維持して、非接触で部材を保持するものである。図3は、吸引パットの構造を示す斜視図である。
図3に示すように、吸引パット21は、旋回流発生室181と、吸引保持面182と、一対の気体噴出流路183,183と、一対のチャンバ流路185,185と、を備えている。旋回流発生室181は、円柱状の凹部である。吸引保持面182は、吸引パット21における旋回流発生室181が開口する端面であり、旋回流発生室181の開口側の端に連なり、吸引保持された状態の被吸引部材の被吸引保持面が臨む面である。気体噴出流路183は、一端が旋回流発生室181の内周面184に開口しており、旋回流発生室181に圧縮空気を噴出させて、旋回流発生室181に旋回流を発生させる。チャンバ流路185は、各気体噴出流路183の上流端に連通し、吸引気体供給部100(図6参照)からの圧縮空気を供給する。吸引気体供給部100から供給された圧縮空気は、一対のチャンバ流路185に同時に流入し、それぞれ気体噴出流路183を通って旋回流発生室181に噴出される。
吸引パット21の外形は、略円形の吸引保持面182を端面とする略円筒形状であり、円筒の途中から吸引保持面182の反対側の端面までは、一部が切り欠かれた形状をしている。切り欠かれた部分は、平坦な面であって、互いに平行な一対の面186,186で構成されている。チャンバ流路185の気体噴出流路183に連通する側の反対側は、面186に開口している。
旋回流発生室181は、その内周面184の一端が閉塞された円柱状に形成されており、旋回流発生室181の閉塞側には、一対の気体噴出流路183が形成されている。旋回流発生室181に流入した圧縮空気は、その内周面184に沿うように流れ、強い旋回流となってやがて開放端から側方に流出する。旋回流の中心部には、ベルヌーイの定理に従って負圧が生じ、この負圧により共振片ウェハー1Aなどを吸引する。
吸引保持面182は、旋回流発生室181の開口側の端に連なり、旋回流の旋回軸に対して略直交する形状に形成されている。旋回流発生室181で発生した旋回流は、旋回流発生室181の開放端に達すると、その遠心力により吸引保持面182に沿って内周側から外周側に向って渦流となって流れ出す。旋回流発生室181から流出して、吸引保持面182上を流れ出す空気により、共振片ウェハー1Aなどの被吸引部材の被吸引保持面と吸引保持面182との間隙が維持される。
図3に示した吸引パット21では、旋回流発生室181に発生する旋回流は、吸引保持面182側から見て、時計まわりに旋回する。気体噴出流路183の位置を、旋回流発生室181の中心軸を含む面に関して面対称の位置にすると、旋回流発生室181に発生する旋回流は、吸引保持面182側から見て、反時計まわりに旋回する。本実施形態では、旋回方向に関わらず、いずれの旋回方向の旋回流を発生するものも、吸引パット21と表記する。
なお、吸引パット21の形状は、旋回流発生室181の開口端が徐々に広がるようにベルマウス形状としてもよいし、吸引保持面182に渦流を維持する渦形の溝を形成するようにしてもよい。吸引パット21が、吸引保持端末に相当する。
<ヘッドケース>
次に、吸引パット21が固定されており、吸引保持ヘッド25(図6参照)を構成するヘッドケース51について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、ヘッドケースの構成を示す平面図である。図5は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す図である。図5(a)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す断面図であり、図5(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図である。図5(a)は、当接面81及び吸引保持枠51aに固定された吸引パット21の吸引保持面182に略垂直な断面、及び当接面81に平行であって吸引保持面182に略垂直な断面を組み合わせた図である。
図4及び図5に示すように、ヘッドケース51は、平面視略正方形の吸引保持枠51aと、平面視略長方形であって、吸引保持枠51aより厚い吸着保持枠51bと、が一体に形成されている。ヘッドケース51は、吸引保持枠51aと吸着保持枠51bと、が並んで平面視略長方形形状を有し、吸着保持枠51bが吸引保持枠51aより厚い分だけ突出して、側面視略L字形状を有している。
吸引保持枠51aは、4個の吸引パット21を下方に突出させ、且つそれぞれの旋回流発生室181の端が同一平面内に位置するように保持している。具体的には、吸引保持枠51aには、4個の固定装着穴がマトリクス状に形成されている。固定装着穴は、上述した吸引パット21の一対の面186,186と隙間なく嵌合できる平坦面を備えている。各吸引パット21は、面186が形成された部分が固定装着穴に嵌合されて、接着固定されている。吸引パット21で発生する旋回流の旋回方向は、4個の吸引パット21の中で対角に位置する2個の吸引パット21が時計まわりに旋回する旋回流を発生し、他方の対角に位置する2個の吸引パット21が反時計まわりに旋回する旋回流を発生するように、4個の吸引パット21が配置されている。
4個の吸引パット21の4個の吸引保持面182が構成する面を吸引保持面182Aと表記する。
図4に示すように、吸引保持枠51aに形成した圧空溝88は、4個の吸引パット21を二分する位置に配設した幅広の主圧空溝84と、主圧空溝84から各吸引パット21に向って垂直に分岐した各吸引パット21ごとに1組、計4組の幅狭の副圧空溝85と、から形成されている。
各副圧空溝85は、長い長尺副圧空溝85aと短い短尺副圧空溝85bとから成り、取り付けられた吸引パット21を挟み込む位置に配設されている。吸引パット21がヘッドケース51に取り付けられた状態で、長尺副圧空溝85a及び短尺副圧空溝85bは、吸引パット21の面186に開口しているチャンバ流路185にそれぞれ連通している。後述する吸引気体供給部100(図6参照)から供給される圧縮空気が、後述する蓋ケース52(図6参照)の吸引気体孔54から流入し、主圧空溝84及び各副圧空溝85を介して、各吸引パット21に流入する。吸引パット21に流入した圧縮空気は、旋回流発生室181に噴出され、図5に示した矢印aのように旋回する旋回流が発生する。蓋ケース52は、ヘッドケース51の周縁に形成された突設枠部87の内側に嵌合することで、ヘッドケース51に対して位置決めされる。
図4及び図5に示すように、吸着保持枠51bは、吸引保持枠51aの一辺に沿って吸引保持枠51aと一体に形成されており、吸引保持枠51aの吸引パット21が突出している側が、吸引保持枠51aより突出している。吸着保持枠51bの吸引パット21に臨む面である当接面81は、吸引保持枠51aに固定された吸引パット21の吸引保持面182に略垂直に形成されている。
当接面81には、吸着開口82が4個所開口している。吸着開口82は、吸引パット21に吸引保持された状態の共振片ウェハー1Aなどのワークの端面に臨む位置に形成されている。吸着開口82の当接面81に開口している端の反対側の端は、吸着圧力室83に開口している。吸着圧力室83は、当接面81及び吸引保持面182Aに略平行に形成された円柱状の空間である。吸着圧力室83には、蓋ケース52が当接する面に連通する吸着圧力孔86の一端が開口している。吸着圧力孔86の蓋ケース52が当接する面における開口端は、蓋ケース52の吸着圧力孔56(図6参照)に接続している。吸着圧力孔56は、後述する吸着圧力発生部120に連通しており、吸着圧力発生部120によって形成される負圧によって、吸着開口82から大気が吸い込まれて、吸着力が発生する。当該吸着力が、付勢力に相当する。吸着開口82、吸着圧力発生部120、及び吸着圧力発生部120から吸着開口82に到る経路が、付勢手段に相当する。当接面81が、係止手段に相当する。
<吸引保持ハンド>
次に、吸引保持ハンド20の全体構成について、図6を参照して説明する。図6は、吸引保持ハンドの全体構成を示す分解斜視図である。吸引保持ハンド20が、吸引保持装置に相当する。
図6に示すように、吸引保持ハンド20は、共振片ウェハー1Aなどのワークを吸引保持する複数(図示のものは、4個)の吸引パット21と、吸引パット21を保持するパットホルダー23と、パットホルダー23を支持する装置取付部24と、を備えている。また、吸引保持ハンド20は、非接触保持用の圧縮空気を供給する吸引気体供給部100及び吸着用の負圧を形成する吸着圧力発生部120と、吸引気体供給部100及び吸着圧力発生部120を制御すると共に給除材装置制御部39とリンクする吸引保持制御部110と、を備えている。
パットホルダー23は、上述したヘッドケース51を有する吸引保持ヘッド25と、吸引保持ヘッド25を垂設支持するケースホルダー26と、ケースホルダー26を垂設支持するジョイント部材27と、を同軸上に重ねる状態に構成されている。
吸引保持ヘッド25は、上述したヘッドケース51と蓋ケース52とを備え、蓋ケース52がヘッドケース51の周縁に形成された突設枠部87の内側に嵌合して、隙間なく固定されている。蓋ケース52がヘッドケース51に固定されることで、ヘッドケース51に形成された主圧空溝84及び各副圧空溝85が、蓋ケース52に形成された吸引気体孔54、及び吸引パット21に形成されたチャンバ流路185に連通する気体流路となっている。蓋ケース52に形成された吸着圧力孔56は、ヘッドケース51に形成された吸着圧力孔86に連通する負圧伝達経路となっている。
吸引気体供給部100は、吸引気体供給源101と、吸引給気管102と、吸引流量調整弁105と、吸引給気管103とを備えている。吸引気体供給源101は例えば圧空ポンプのような、圧縮空気を送出する装置である。吸引流量調整弁105は、圧縮空気の流路と、流路の中間に形成されており、当該流路の開閉及び圧縮空気の流量の調整が可能な弁部とを備えている。吸引気体供給源101には吸引給気管102の一端が接続されており、吸引給気管102の他端には吸引流量調整弁105の流路の一方が接続されており、当該流路と弁部によって連通又は遮断されるもう一方の流路には、吸引給気管103の一端が接続されている。吸引給気管103のもう一端は、パットホルダー23のジョイント部材27に形成された吸引給気流路73に接続されている。
吸引流量調整弁105の開閉駆動源は、吸引保持制御部110と電気的に接続されており、吸引保持制御部110は、給除材装置制御部39と電気的に接続されている。吸引保持制御部110は、給除材装置制御部39からの制御信号に従って、開閉駆動源を制御して吸引流量調整弁105による吸引用気体の供給、遮断、及び供給量の調整を実施する。
吸着圧力発生部120は、吸着圧力発生源121と、吸着圧力管122と、吸着圧力調整弁125と、吸着圧力管123とを備えている。吸着圧力発生源121は例えば真空ポンプのような、容器中の空気を吸引して容器内を負圧にする装置である。吸着圧力調整弁125は、空気が移動することで負圧を伝達する気体経路と、負圧を伝達する気体流路の中間に形成されており、当該気体流路の開閉及び吸着圧力発生源121が発生させた負圧によって流動する空気の流量の調整が可能な弁部と、を備えている。
吸着圧力発生源121には吸着圧力管122の一端が接続されており、吸着圧力管122の他端には吸着圧力調整弁125の気体経路の一方が接続されており、当該気体経路と弁部によって連通又は遮断されるもう一方の気体経路には、吸着圧力管123の一端が接続されている。吸着圧力管123のもう一端は、パットホルダー23のジョイント部材27に形成された吸着圧力路76に接続されている。吸着圧力発生部120は、ヘッドケース51に形成された吸着圧力孔86と接続されている。
吸着圧力調整弁125の開閉駆動源は、吸引保持制御部110と電気的に接続されており、吸引保持制御部110は、給除材装置制御部39と電気的に接続されている。吸引保持制御部110は、給除材装置制御部39からの制御信号に従って、開閉駆動源を制御して、吸着圧力調整弁125による負圧の伝達、遮断、及び負圧によって生ずる空気の流量の調整を実施する。吸引保持制御部110が、稼働制御手段に相当する。
吸引保持ハンド20の装置取付部24は、略円筒形状に形成され、上半部の内部には太径の取付孔41が、下半部の内部には細径の装着孔42がそれぞれ形成されている。取付孔41と装着孔42とは同軸上に配設されており、取付孔41は、吸引保持ハンド20をロボット機構30のハンド保持機構34に取り付けるための部位として機能し、装着孔42には、ジョイント部材27の装着部72が差し込み装着される。
ハンド保持機構34と装置取付部24とは、取付孔41に嵌入したハンド保持機構34の部分を、上ネジ孔43に螺合した止めネジで固定することによって、互いに固定される。装置取付部24とジョイント部材27とは、装着孔42に嵌入したジョイント部材27の装着部72を、下ネジ孔44に螺合した止めネジで固定することによって、互いに固定される。
パットホルダー23のジョイント部材27は、装着部72及び垂設部71を備えている。略角柱形状を有する垂設部71の一端の頂面に、垂設部71の略角柱形状の中心軸の方向と中心軸の方向が略一致する円柱形状の装着部72が立設されている。略円柱形状の装着部72の側面の一部が切り欠かれて、上述した下ネジ孔44に螺合した止めネジが突き当てられる平坦部72aが形成されている。装着部72を装置取付部24の装着孔42に嵌合し、止めネジを下ネジ孔44に螺合することにより、ジョイント部材27が装置取付部24に装着される。垂設部71の装着部72が突設された端面の反対側の端面には、略長方形の角を面取りした形状の台座79が突設されている。この台座79にケースホルダー26の凹部が嵌合して、位置決め固定される。
垂設部71の内部には、吸引給気流路73と、吸着圧力路76とが形成されている。吸引給気流路73は、吸引給気管103が接続されると共に、吸引パット21の旋回流発生室181に連なる略「L」字状の流路である。吸引給気流路73は、横流路74と、縦流路75とを有している。横流路74は、略角柱形状の垂設部71の側面に開口し、当該側面に略垂直に形成されており、当該開口に、継手を介して吸引給気管103が接続されている。縦流路75は、一端が台座79の面の中央側の位置に開口し、当該面に略垂直に形成されており、当該開口は、台座79に嵌合したケースホルダー26の吸引気体孔64に接続されている。横流路74及び縦流路75における開口端と反対側の端は、互いに接合して、略「L」字状の吸引給気流路73を形成している。
吸着圧力路76は、吸着圧力管123が接続されると共に、ヘッドケース51の吸着開口82に連なる略「L」字状の圧力伝達路である。吸着圧力路76は、横圧力路77と、縦圧力路78とを有している。横圧力路77は、略角柱形状の垂設部71の側面に開口し、当該側面に略垂直に形成されており、当該開口に吸着圧力管123が接続されている。縦圧力路78は、一端が台座79の略長方形の面の一方の短辺の付近に開口して形成されており、当該開口は、台座79に嵌合したケースホルダー26の吸着圧力孔66に接続されている。横圧力路77及び縦圧力路78における開口端と反対側の端は、互いに接合して、略「L」字状の吸着圧力路76を形成している。
ケースホルダー26は、略方形の厚板の4角が面取りされた形状に形成されたホルダー本体61に、垂設部71の台座79が嵌入する着座部が窪入形成されている。垂設部71(ジョイント部材27)の端面に形成された台座79が着座部に係合して固定されることで、ケースホルダー26が、垂設部71に懸吊支持されている。ケースホルダー26が垂設部71に懸吊支持された状態で、吸引給気流路73の開口、又は吸着圧力路76の開口に対応するホルダー本体61の部分には、吸引気体孔64又は吸着圧力孔66が形成されている。
上述した吸引保持ヘッド25は、ケースホルダー26に釣支支持されている。吸引保持ヘッド25がケースホルダー26に釣支支持されている状態で、ケースホルダー26の中央側に形成された吸引気体孔64は、蓋ケース52の中央側に形成された吸引気体孔54と連通している。ケースホルダー26の一方の短辺の近くに形成された吸着圧力孔66は、蓋ケース52の吸着圧力孔56と連通している。
<搬送>
次に、給除材装置10の吸引保持ハンド20によって、搬送用パレット106に置かれた共振片ウェハー1Aを吸引保持し、加工用パレット126に着座させて整列させる搬送整列工程について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、共振片ウェハーの搬送工程の各工程を示すフローチャートである。図8は、共振片ウェハーの搬送工程の各工程における吸引パット及び吸着開口と、共振片ウェハーと、の位置関係を示す説明図である。搬送用パレット106における共振片ウェハー1Aの載置位置が第一の位置に相当する。加工用パレット126における所定の着座位置が第二の位置に相当する。
最初に、図7のステップS1では、図8(a)に示すように、ロボット機構30によって吸引保持ハンド20を移動させて、吸引保持ハンド20の吸引保持ヘッド25が搬送用パレット106に置かれた共振片ウェハー1Aを吸引保持できる吸引位置に移動させる。
後述するように、後工程で、吸引保持ヘッド25に対する共振片ウェハー1Aの実質的な位置あわせが実施される。このため、ステップS1における共振片ウェハー1Aの位置に対する吸引保持ヘッド25の位置精度は、4個の吸引パット21によって共振片ウェハー1Aを吸引保持状態にできる範囲であればよい。
次に、図7のステップS2では、図8(b)に示すように、吸引保持ハンド20によって共振片ウェハー1Aを、非接触で吸引保持する。この工程は、吸引流量調整弁105を開放して、吸引気体供給源101から吸引パット21に圧縮空気を送り、旋回流発生室181に負圧を発生させることで、実施する。
次に、図7のステップS3では、図8(c)に示すように、吸引パット21に吸引保持されている共振片ウェハー1Aの端面を、吸着開口82に、吸着させる。
より詳細には、最初に、吸着圧力発生源121によって、吸着圧力発生源121に接続された吸着圧力管122の中を負圧にする。次に、吸着圧力調整弁125を開放して、吸着圧力発生源121に接続された吸着圧力管122、吸着圧力調整弁125、吸着圧力管123、ジョイント部材27の吸着圧力路76、ケースホルダー26の吸着圧力孔66、蓋ケース52の吸着圧力孔56、ヘッドケース51の吸着圧力孔86と吸着圧力室83と、及びヘッドケース51の吸着開口82を連通した空間にする。吸着圧力発生源121によって吸着圧力管122の中が負圧になっていることで、連通した空間が負圧となり、当該空間に開放端の吸着開口82から大気が流入するとともに、共振片ウェハー1Aが吸着される。
吸着開口82に吸着された共振片ウェハー1Aの端面は、当接面81に当接して、吸着開口82による吸着力によって、当接面81に係止される。共振片ウェハー1Aは、端面を当接面81に当接させることで、吸引保持ハンド20(吸引保持ヘッド25)に対して、端面が当接面81に当接する位置に位置決めされる。共振片ウェハー1Aは、端面が吸着開口82による吸着力によって、当接面81に係止されることで、吸引保持面182Aに平行な方向の移動を規制される。
次に、図7のステップS4では、ロボット機構30によって、共振片ウェハー1Aを吸引保持した吸引保持ハンド20(吸引保持ヘッド25)を移動させて、図8(d)に示すように、共振片ウェハー1Aを加工用パレット126における所定の着座領域127に臨む位置に、移動させる。共振片ウェハー1Aは、端面を当接面81に当接させることで、吸引保持ヘッド25に対して、端面が当接面81に当接する位置に位置決めされている。このため、共振片ウェハー1Aを吸引保持した吸引保持ヘッド25を、保持した共振片ウェハー1Aが所定の着座領域127に臨む位置に位置するような位置に移動させることで、共振片ウェハー1Aを着座領域127に臨む位置に移動させることができる。
次に、図7のステップS5では、吸着圧力調整弁125を閉じて、吸着圧力発生源121と吸着開口82との間を遮断し、吸着開口82の負圧を解消することで、吸着開口82による吸着を解除する。
次に、図7のステップS6では、吸引流量調整弁105を閉じて吸引パット21に対する圧縮空気の供給を停止することによって吸引保持状態を解除する。吸引保持状態を解除することで、図8(e)に示すように、共振片ウェハー1Aを加工用パレット126の着座領域127に着座させる。
ステップS6を実施して、1個の共振片ウェハー1Aを搬送用パレット106から搬送して、加工用パレット126の着座領域127に着座させる工程を終了する。この工程を繰り返すことによって、搬送用パレット106に載せられた共振片ウェハー1Aを搬送して、加工用パレット126の上に整列させる。
<他のヘッドケース−1>
次に、上述したヘッドケース51とは異なる構成を備えるヘッドケース251について、図9を参照して説明する。図9は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図である。
図9に示すように、ヘッドケース251は、吸引保持枠251aと、吸引保持枠251aより厚い吸着保持枠251bと、が一体に形成されている。ヘッドケース251は、吸着保持枠251bの形状が、ヘッドケース51の吸着保持枠51bと異なることが、ヘッドケース51と異なっている。
吸引保持枠251aは、吸引保持枠51aと同様の構成であり、吸着保持枠251bの形状に対応して、平面形状が吸引保持枠51aと異なっている。吸引保持枠251aの平面形状は、略正方形の一辺に直角二等辺三角形がくっついた五角形の形状をしている。図示省略略したが、圧空溝88の構成や、吸引パット21の取付構造などは、吸引保持枠51aと実質的に同じである。吸引保持枠251aには4個の吸引パット21が固定されており、4個の吸引パット21の4個の吸引保持面182が、吸引保持面182Aを構成している。吸引パット21を稼働させて、吸引保持面182Aに共振片ウェハー2Aなどのワークを吸引保持することができる。図9に二点鎖線で示した共振片ウェハー2Aは、共振片ウェハー1Aと同様のウェハーであり、略方形状の平面形状を有している。
吸着保持枠251bは、五角形形状の吸引保持枠251aの直角二等辺三角形の部分の直角を挟む2辺の部分で吸引保持枠251aと接続して一体になっている。吸引保持枠251aから吸引パット21が突出した面側において、吸着保持枠251bは、吸引保持枠251aより突出している。吸着保持枠251bにおける吸引保持枠251aより突出している部分において、吸引保持枠251a側の臨む面を、当接面281と表記する。当接面281は、吸引保持面182Aに略垂直に形成されている。吸着保持枠251bは、当接面281を2面有し、2面の当接面281は、互いに略直交している。
当接面281には、吸着開口282がそれぞれ2個所開口しており、4個の吸着開口282が形成されている。吸着開口282は、吸引パット21に吸引保持された状態の共振片ウェハー2Aなどのワークの端面に臨む位置に形成されている。
吸着開口282の当接面281に開口している端の反対側の端は、吸着圧力室283に開口している。吸着圧力室283は、当接面281及び吸引保持面182Aに略平行に形成された円柱状の空間を2個有しており、2個の円柱形空間の一端が直交して一体の空間を構成している。吸着圧力室283には、2個の円柱形空間が交差する部分に、蓋ケース52と同様の蓋ケースが当接する面(図9に示した面の反対側の面)に連通する吸着圧力路286の一端が開口している。吸着圧力路286の蓋ケースが当接する面における開口端は、蓋ケースの吸着圧力孔に接続している。吸着圧力孔は、吸着圧力発生部120に連通しており、吸着圧力発生部120によって形成される負圧によって、吸着開口282から大気が吸い込まれて、吸着力が発生する。当該吸着力が、付勢力に相当する。
吸着開口282に吸着された共振片ウェハー2Aは、2辺がそれぞれ当接面281に当接する。共振片ウェハー2Aは、吸引保持面182Aに平行な方向において、2面の当接面281のそれぞれに垂直な2方向の位置が規定されるため、共振片ウェハー2Aは、ヘッドケース251に対して一定の位置に位置決めされる。当接面281が、係止手段に相当する。
<他のヘッドケース−2>
次に、上述したヘッドケース51及びヘッドケース251とは異なる構成を備えるヘッドケース252について、図10を参照して説明する。図10は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図である。
図10に示すように、ヘッドケース252は、吸引保持枠252aと、吸引保持枠252aより厚い吸着保持枠252bと、が一体に形成されている。ヘッドケース252は、吸着保持枠252bの形状が、ヘッドケース51の吸着保持枠51bと異なることが、ヘッドケース51と異なっている。
吸引保持枠252aは、吸引保持枠51aと同様の構成であり、吸着保持枠252bの形状に対応して、平面形状が吸引保持枠51aと異なっている。吸引保持枠252aの平面形状は、略正方形の一辺に、辺の長さと同じ長さの弦を有する弓形がくっついた形状をしている。図示省略略したが、圧空溝88の構成や、吸引パット21の取付構造などは、吸引保持枠51aと実質的に同じである。吸引保持枠252aには4個の吸引パット21が固定されており、4個の吸引パット21の4個の吸引保持面182が、吸引保持面182Aを構成している。吸引パット21を稼働させて、吸引保持面182Aに共振片ウェハー4Aなどのワークを吸引保持することができる。図10に二点鎖線で示した共振片ウェハー4Aは、共振片ウェハー1Aと同様のウェハーであり、略円形状の平面形状を有している。
吸着保持枠252bは、弓形の円弧の部分で吸引保持枠252aと接続して一体になっている。吸引保持枠252aから吸引パット21が突出した面側において、吸着保持枠252bは、吸引保持枠252aより突出している。吸着保持枠252bにおける吸引保持枠252aより突出している部分において、吸引保持枠252a側の臨む面を、当接面291と表記する。当接面291は、吸引保持面182Aに略垂直に形成されている。当接面291は、吸引保持枠252aと吸着保持枠252bとの境界部分の円弧に沿って形成されており、吸引保持面182Aに略垂直な方向から見た平面形状は、円弧状の形状を有している。
当接面291には、吸着開口292が6個所開口しており、6個の吸着開口292が形成されている。吸着開口292は、吸引パット21に吸引保持された状態の共振片ウェハー4Aなどのワークの端面に臨む位置に形成されている。
吸着開口292の当接面291に開口している端の反対側の端は、吸着圧力室293に開口している。吸着圧力室293は、当接面291及び吸引保持面182Aに略平行に形成された円弧形状であり、円弧に略直交する方向の断面が略円形をなす空間である。吸着圧力室293には、円弧の略中央部分に、蓋ケース52と同様の蓋ケースが当接する面(図10に示した面の反対側の面)に連通する吸着圧力路296の一端が開口している。吸着圧力路296の蓋ケースが当接する面における開口端は、蓋ケースの吸着圧力孔に接続している。吸着圧力孔は、吸着圧力発生部120に連通しており、吸着圧力発生部120によって形成される負圧によって、吸着開口292から大気が吸い込まれて、吸着力が発生する。当該吸着力が、付勢力に相当する。
吸着開口292に吸着された共振片ウェハー4Aは、円弧状の外形が当接面291に沿って当接する。共振片ウェハー4Aは、吸引保持面182Aに平行な方向において、外形の円弧が円弧状の当接面291に当接することで2方向の位置が規定されるため、共振片ウェハー4Aは、ヘッドケース252に対して一定の位置に位置決めされる。当接面291が、係止手段に相当する。
<他のヘッドケース−3>
次に、上述したヘッドケース51などとは異なる構成を備えるヘッドケース253について、図11を参照して説明する。図11は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図である。
図11に示すように、ヘッドケース253は、ヘッドケース51と同じ吸引保持枠51aと、吸着保持枠51bと、が一体に形成されている。ヘッドケース253は、2本の位置規制突起95を有することが、ヘッドケース51と異なっている。
位置規制突起95は、吸引保持枠51aの吸引パット21が突出している面上に立設されている。2本の位置規制突起95のそれぞれが、当接面81の端の近くに配設されている。
吸着開口82に吸着された共振片ウェハー1Aは、円弧状の外形が位置規制突起95の円柱状の側面に接触して、その位置が、2本の位置規制突起95の間に規制されている。共振片ウェハー1Aは、吸引保持面182Aに平行な方向において、当接面81に当接すると共に、2本の位置規制突起95の間に規制されて、ヘッドケース253に対して一定の位置に位置決めされる。
位置規制突起の大きさや位置を調整することで、様々な形状及び大きさのワークに対応することが可能である。
<他のヘッドケース−4>
次に、上述したヘッドケース51などとは異なる構成を備えるヘッドケース351について、図12を参照して説明する。図12は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す図である。図12(a)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を示す部分断面図であり、図12(b)は、ヘッドケースに吸引パットが取り付けられた状態を吸引パット側から見た平面図である。
図12に示すように、ヘッドケース351は、吸着保持枠351bと、ヘッドケース51と同じ吸引保持枠51aと、が一体に形成されている。吸着保持枠351bは、案内突起352、及び案内突起354を備えることが、ヘッドケース51の吸着保持枠51bと異なっている。
吸着保持枠51bと同様に、吸着保持枠351bは、吸引保持面182Aに略垂直な当接面381を備え、当接面381には、吸引保持枠51aの吸引パット21に吸引保持された状態の共振片ウェハー1Aなどのワークの端面に臨む位置に、吸着開口82が4個所開口している。当接面381が、係止手段に相当する。
案内突起352は、当接面381における吸着開口82の開口より吸引保持枠51aに近い側に立設されている。案内突起352は、吸着開口82側に面する吸着案内斜面353を有している。吸着案内斜面353は、当接面381との接続部に対して、当接面381から当接面381に垂直な方向(吸引保持面182Aに平行な方向)において離れるほど、吸引保持面182Aに垂直な方向(当接面381に平行な方向)において吸着開口82から離れる方向に傾いている。共振片ウェハー1Aなどのワークが、吸着開口82からの吸着力によって、当接面381に垂直な方向において、吸着開口82側に移動する際に吸着案内斜面353に当接すると、共振片ウェハー1Aなどのワークは、吸着案内斜面353に沿って移動することで、吸引保持面182Aに垂直な方向において、吸着開口82側に誘導される。案内突起352が、規制部材に相当し、吸着案内斜面353が、付勢案内斜面に相当する。
案内突起354は、当接面381における吸着開口82の開口より吸引保持枠51aから遠い側に立設されている。案内突起354は、吸着開口82側に面する吸着案内斜面356を有している。吸着案内斜面356は、当接面381との接続部に対して、当接面381から当接面381に垂直な方向(吸引保持面182Aに平行な方向)において離れるほど、吸引保持面182Aに垂直な方向(当接面381に平行な方向)において吸着開口82から離れる方向に傾いている。共振片ウェハー1Aなどのワークが、吸着開口82からの吸着力によって、当接面381に垂直な方向において、吸着開口82側に移動する際に吸着案内斜面356に当接すると、共振片ウェハー1Aなどのワークは、吸着案内斜面356に沿って移動することで、吸引保持面182Aに垂直な方向において、吸着開口82側に誘導される。案内突起354が、規制部材に相当し、吸着案内斜面356が、付勢案内斜面に相当する。
案内突起354は、また、当接面381に垂直な方向において、吸引保持枠51a側に面する吸引案内面358を有している。吸引案内面358は、吸引保持面182Aから吸引保持面182Aに垂直な方向(当接面381に平行な方向)において離れるほど、当接面381に垂直な方向(吸引保持面182Aに平行な方向)において、吸引保持枠51aの吸引パット21から離れる方向に傾いている。
共振片ウェハー1Aなどのワークが、吸引保持枠51aの吸引パット21からの吸引力によって、吸引保持面182Aに垂直な方向において、吸引保持面182A側に移動する際に吸引案内面358に当接すると、共振片ウェハー1Aなどのワークは、吸引案内面358に沿って移動することで、吸引保持面182Aに平行な方向において、吸引保持枠51aの吸引パット21側に誘導される。吸引案内面358が、吸引案内斜面に相当する。
以下、実施形態による効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)吸引保持ハンド20は、吸引パット21と、吸引パット21に非接触保持用の圧縮空気を供給する吸引気体供給部100とを備えている。これにより、吸引保持ハンド20を用いて、共振片ウェハー1Aなどのワークを非接触で吸引保持することができる。
(2)吸引保持ハンド20は、吸引パット21及び吸引気体供給部100に加えて、吸着開口82と、吸着用の負圧を形成する吸着圧力発生部120と、吸着されたワークなどが当接する当接面81とを備えている。これにより、吸引保持ハンド20を用いて、非接触で吸引保持している共振片ウェハー1Aなどのワークの端面を吸着して、当接面81に当接させることができる。当接面81に当接させることで、当該当接力によってワークの一端を当接面81に固定することができる。
(3)吸着開口82による吸着力によってワークの一端を当接面81に固定することができる。したがって、ワークの重心と吸引パット21による吸引保持力の作用点とがずれていても、吸引保持されたワークが傾くことを抑制することができる。これにより、吸引保持ハンド20の大きさに対して大きいワークでも吸引保持することができる。
(4)吸着開口82による吸着力によってワークの一端を当接面81に固定することができる。これにより、吸引保持ハンド20のヘッドケース51に対して、当接面81に垂直な方向におけるワークの位置を一定の位置に位置決めすることができる。
(5)吸着開口82による吸着力は、共振片ウェハー1Aの端面に作用し、端面が当接面81に当接する。これにより、SAWパターン2などが形成されており、接触することが好ましくない面に接触することなく、接触することの影響が比較的小さい部分を接触させて固定することができる。
(6)吸引気体供給部100は、吸引気体供給源101と吸引流量調整弁105と、を備えている。吸引流量調整弁105を備えることで、吸引パット21に対する圧縮空気の供給と遮断との切り換えを迅速かつ確実に実施することができる。
(7)吸着圧力発生部120は、吸着圧力発生源121と吸着圧力調整弁125と、を備えている。吸着圧力調整弁125を備えることで、吸着開口82の負圧状態と通常の大気圧状態との切り換えを迅速かつ確実に実施することができる。
以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
(変形例1)前記実施形態においては、吸引保持手段を備える搬送装置としての給除材装置10は、吸引保持ハンド20と、給除材腕31と、機台38と、給除材装置制御部39とを備えていたが、搬送装置が給除材腕31や機台38のような、吸引保持ハンド20などを保持すると共に移動させる装置を備えることは必須ではない。例えば、吸引保持ハンド20を簡単な支持部材で支持し、当該支持部材を手作業で移動させるような装置であってもよい。
(変形例2)前記実施形態においては、吸着圧力発生部120は、吸着圧力発生源121と、負圧の伝達経路を開閉する吸着圧力調整弁125とを備えていたが、負圧の伝達経路を開閉する装置を設けることは必須ではない。負圧の伝達又は遮断の操作は、吸着圧力発生源121のような負圧の発生源において、吸着圧力発生源の稼働又は停止によって実施する構成であってもよい。
(変形例3)前記実施形態においては、吸引保持ハンド20は4個の吸引パット21を備えていたが、吸引保持手段が備える吸引パットは、4個に限らない。吸引保持する保持対象物又は搬送対象物の大きさや重量に対応した適切な吸引保持力を実現できれば、吸引保持手段が備える吸引パットは、いくつであってもよい。
(変形例4)前記実施形態においては、保持対象物又は搬送対象物として、複数のSAWパターン2が形成された共振片ウェハー1Aを例に説明したが、保持対象物及び搬送対象物は、振動子を形成するための素材に限らない。保持する際に非接触で保持することが好ましい部材であって、非接触で保持する対象物であれば、上述した吸引保持方法、搬送装置、又は搬送方法を用いて好適に吸引保持及び搬送を実施することができる。
(変形例5)前記実施形態においては、保持対象物又は搬送対象物としての共振片ウェハー1Aは部分的に直線部を有する略円形状であったが、保持対象物及び搬送対象物が略円形であることは必須ではない。保持対象物及び搬送対象物の形状は、その重量に対応できる吸引力を印加することが可能な被吸引保持面を有する形状であれば、どのような形状であってもよい。
(変形例6)前記実施形態においては、吸引パット21に供給される気体は空気であったが、吸引保持のための気体は空気に限らない。上述した吸引保持方法、搬送装置、搬送方法、及び吸引保持装置は、吸引保持手段を駆動することが可能であれば、どのような気体を用いる場合でも適用することができる。例えば、腐蝕防止などのために不活性ガスを充満させたような環境においても適用することができる。
(変形例7)前記実施形態においては、稼働制御手段としての吸引保持制御部110が、吸引流量調整弁105又は吸着圧力調整弁125を制御して、吸引用気体の供給及び遮断、又は負圧の伝達及び遮断を実施していたが、稼働制御手段が搬送装置又は吸引保持装置が備える制御装置であることは必須ではない。稼働制御手段は、手作業で稼働を制御するための稼働及び停止スイッチであってもよい。
(変形例8)前記実施形態においては、吸引気体供給部100は、吸引気体供給源101と、圧縮空気の流路を開閉する吸引流量調整弁105とを備えていたが、流路を開閉したり気体の流量を調整したりする装置を設けることは必須ではない。吸引用の気体の供給及び停止の操作や供給量の調整は、吸引用気体の供給源において実施する構成であってもよい。
(変形例9)前記実施形態においては、付勢手段としての吸着圧力発生部120及び吸着開口82などからなる吸着装置は、大気圧によって付勢力を発生させていたが、付勢力の源が大気圧であることは必須ではない。付勢手段は、例えば磁力によって吸引する装置などであってもよい。
1A,4A…共振片ウェハー、10…給除材装置、20…吸引保持ハンド、21…吸引パット、30…ロボット機構、39…給除材装置制御部、51…ヘッドケース、51a…吸引保持枠、51b…吸着保持枠、81…当接面、82…吸着開口、83…吸着圧力室、95…位置規制突起、100…吸引気体供給部、101…吸引気体供給源、105…吸引流量調整弁、106…搬送用パレット、110…吸引保持制御部、120…吸着圧力発生部、121…吸着圧力発生源、125…吸着圧力調整弁、126…加工用パレット、181…旋回流発生室、182…吸引保持面、182A…吸引保持面、251…ヘッドケース、251a…吸引保持枠、251b…吸着保持枠、252…ヘッドケース、252a…吸引保持枠、252b…吸着保持枠、253…ヘッドケース、281…当接面、282…吸着開口、291…当接面、292…吸着開口、351…ヘッドケース、351b…吸着保持枠、352…案内突起、353…吸着案内斜面、354…案内突起、356…吸着案内斜面、358…吸引案内面、381…当接面。

Claims (21)

  1. 旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、保持対象物を吸引保持する吸引保持装置であって、
    前記旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面と、を有する吸引保持端末と、
    前記吸引保持面に略平行な方向の付勢力を、前記吸引保持端末に吸引保持されることが可能な位置にある前記保持対象物に印加する付勢手段と、
    前記付勢手段による前記付勢力に抗して前記保持対象物を係止する係止手段と、を備えることを特徴とする吸引保持装置。
  2. 前記付勢手段は、真空吸着装置であることを特徴とする、請求項1に記載の吸引保持装置。
  3. 前記係止手段は、前記保持対象物の、前記吸引保持面に略垂直な方向への移動を規制する規制部材をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の吸引保持装置。
  4. 前記規制部材は、前記付勢手段側に臨み、前記吸引保持面に略平行な方向において前記付勢手段側に移動する前記保持対象物を、前記吸引保持面に略垂直な方向において前記付勢手段側に誘導可能に傾斜した付勢案内斜面を備えることを特徴とする、請求項3に記載の吸引保持装置。
  5. 前記係止手段は、前記吸引保持面に略平行であって、前記付勢手段による付勢力の方向とは異なる2方向への、前記保持対象物の移動を規制することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の吸引保持装置。
  6. 前記吸引保持端末の稼働及び停止と、前記付勢手段の稼働及び停止とを制御する稼働制御手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の吸引保持装置。
  7. 前記稼働制御手段は、前記付勢手段が稼働状態である場合は前記吸引保持端末が稼働状態であるように、前記付勢手段及び前記吸引保持端末の稼働状態を制御することを特徴とする、請求項6に記載の吸引保持装置。
  8. 前記係止手段は、前記吸引保持端末側に臨み、前記吸引保持面に略垂直な方向において前記吸引保持端末側に移動する前記保持対象物の前記係止手段に当接する部分を、前記吸引保持面に略平行な方向において、前記吸引保持端末側に誘導可能に傾斜した吸引案内斜面をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の吸引保持装置。
  9. 保持対象物を吸引保持する吸引保持方法であって、
    旋回流発生室が開口している吸引保持面を備える吸引保持端末の前記吸引保持面を前記保持対象物の被吸引保持面に接近させる接近工程と、
    前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から前記旋回流発生室の開口に連なる前記吸引保持面の面上に流出する気体とにより、前記吸引保持端末が前記保持対象物を非接触で吸引保持する状態にする吸引保持開始工程と、
    前記吸引保持端末に吸引保持された前記保持対象物に、前記吸引保持面に略平行な方向の付勢力を印加して、前記付勢力によって前記保持対象物を係止手段に当接させる当接工程と、を有することを特徴とする吸引保持方法。
  10. 前記当接工程は、真空吸着装置を用いて実施する真空吸着工程であることを特徴とする、請求項9に記載の吸引保持方法。
  11. 前記当接工程を、前記保持対象物が吸引保持された状態において実施することを特徴とする、請求項9又は10に記載の吸引保持方法。
  12. 旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、搬送対象物を非接触で吸引保持して搬送する搬送装置であって、
    前記旋回流発生室と、前記旋回流発生室の吸引用吹出し口が開口した吸引保持面と、を有する吸引保持端末と、
    前記吸引保持面に略平行な方向の付勢力を、前記吸引保持端末に吸引保持されることが可能な位置にある前記搬送対象物に印加する付勢手段と、
    前記付勢手段による前記付勢力に抗して前記搬送対象物を係止する係止手段と、
    前記吸引保持端末と前記付勢手段と前記係止手段とを移動可能に支持する移動手段と、を備えることを特徴とする搬送装置。
  13. 前記付勢手段は、真空吸着装置であることを特徴とする、請求項12に記載の搬送装置。
  14. 前記係止手段は、前記搬送対象物の、前記吸引保持面に略垂直な方向への移動を規制する規制部材をさらに備えることを特徴とする、請求項12又は13に記載の搬送装置。
  15. 前記係止手段は、前記搬送対象物の、前記吸引保持面に略平行であって、前記付勢手段による付勢力の方向とは異なる2方向への移動を規制することを特徴とする、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の搬送装置。
  16. 前記吸引保持端末の稼働及び停止と、前記付勢手段の稼働及び停止とを制御する稼働制御手段をさらに備えることを特徴とする、請求項12乃至15のいずれか一項に記載の搬送装置。
  17. 前記稼働制御手段は、前記付勢手段が稼働状態である場合は前記吸引保持端末が稼働状態であるように、前記付勢手段及び前記吸引保持端末の稼働状態を制御することを特徴とする、請求項16に記載の搬送装置。
  18. 第一の位置に在る搬送対象物を吸引保持し、吸引保持した前記搬送対象物を第二の位置に着座させることで、前記搬送対象物を前記第一の位置から前記第二の位置に搬送する搬送方法であって、
    旋回流発生室と、前記旋回流発生室が開口している吸引保持面と、を備える吸引保持端末の前記吸引保持面を前記搬送対象物の被吸引保持面に接近させる接近工程と、
    前記旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じる負圧と、前記旋回流発生室の端から前記旋回流発生室の開口に連なる前記吸引保持面の面上に流出する気体とにより、前記吸引保持端末が前記搬送対象物を非接触で吸引保持する状態にする吸引保持開始工程と、
    前記吸引保持端末に吸引保持された前記搬送対象物に、前記吸引保持面に略平行な方向の付勢力を印加して、前記付勢力によって前記搬送対象物を係止手段に当接させる当接工程と、
    前記吸引保持端末を備え前記搬送対象物を吸引保持及び吸着した吸引保持装置を、前記搬送対象物が前記第二の位置に臨む位置に移動させる移動工程と、
    前記搬送対象物を、前記第二の位置に着座させる着座工程と、を有することを特徴とする搬送方法。
  19. 前記当接工程は、真空吸着装置を用いて実施する真空吸着工程であることを特徴とする、請求項18に記載の搬送方法。
  20. 前記当接工程を、前記搬送対象物が吸引保持された状態において実施することを特徴とする、請求項18又は19に記載の搬送方法。
  21. 前記着座工程は、
    前記吸引保持端末が前記搬送対象物を吸引保持した状態で、前記搬送対象物を吸着した状態を解除する吸着解除工程と、
    前記吸引保持端末が前記搬送対象物を吸引保持した状態を解除する吸引保持解除工程と、を含むことを特徴とする、請求項18乃至20のいずれか一項に記載の搬送方法。
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