JP2010248282A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】補強性及び低発熱性を維持しつつ、タイヤの軽量化を図る。
【解決手段】ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対し、ヒドロキシル基を有する化合物で変性されかつガラス転移点が0℃超80℃以下の架橋されたジエン系ポリマー粒子であるポリマーゲル1〜30重量部と、リグニン誘導体(リグニンスルホン酸又はリグニンスルホン酸塩)1〜20重量部と、を含有するタイヤ用ゴム組成物である。また、該ゴム組成物をタイヤの少なくとも一部に使用した空気入りタイヤであり、好ましくは、ベーストレッドゴムやサイドウォールゴムに用いられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及び、それを用いてなる空気入りタイヤに関するものである。
近年、地球環境保護の観点から、空気入りタイヤについても低燃費化が求められている。この問題を解決するための手法として、低発熱性のゴムを使用する他に、タイヤの軽量化が考えられる。
タイヤの軽量化手法としては、タイヤを構成するゴムの使用量を少なくすることが考えられるが、この手法ではタイヤの耐久性が低下してしまう。また、ゴムの使用量が少ないとタイヤの剛性が低下するため、操縦安定性も低下する傾向にある。
ゴム組成物中に配合する充填剤(例えば、カーボンブラックやシリカ等)の量を低減することにより、軽量化と同時に、低発熱性を改善することもできるが、ゴムの補強性が低下してしまう。
下記特許文献1には、耐久性を低下させることなく、タイヤを軽量化するために、ジエン系ゴムに対し、充填剤とともに、ポリプロピレン粉末を配合することが提案されている。しかしながら、ポリプロピレン粉末は融点が低いことから、ゴム組成物の混練り時に溶融するおそれがあり、加工性に問題がある。
一方、下記特許文献2,3には、タイヤの低燃費化を図るため、ベーストレッドゴムやサイドウォールゴムに、ヒドロキシル基を有する化合物で変性されたガラス転移点が−100〜−65℃の架橋されたゴム粒子(ポリマーゲル)を、特定のジエン系ゴムに対して配合したゴム組成物を用いることが提案されている。このようなガラス転移点の低いポリマーゲルを用いることで、低発熱性を改良することができるが、カーボンブラックなどの充填剤と置き換えた場合、補強性が低下するというデメリットが見られる。
ところで、リグニンは、セルロース、ヘミセルロースとともに木材の主要成分であり、パルプ生産時に副生される蒸解溶出液を原料として得られる自然界に豊富に存在する物質である。かかるリグニンの誘導体であるリグニンスルホン酸塩について、下記特許文献4には、シリカとともに併用することにより、シリカを配合したゴム組成物のモジュラス向上、転がり抵抗の低減及び加硫速度の改善が図られることが開示されている。しかしながら、リグニン誘導体を特定のポリマーゲルと併用することは開示されておらず、また、それにより、補強性及び低発熱性を維持しつつ、タイヤの軽量化を図ることができる点についても知られていない。
特開2004−263045号公報 特開2008−174608号公報 特開2008−174606号公報 特開2008−308615号公報
本発明は、特定のポリマーゲルとリグニン誘導体とを併用することにより、補強性及び低発熱性を維持しつつ、軽量化を図ることができるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対し、ヒドロキシル基を有する化合物で変性されかつガラス転移点が0℃超80℃以下の架橋されたジエン系ポリマー粒子であるポリマーゲル1〜30重量部と、リグニン誘導体1〜20重量部と、を含有するものである。
本発明に係る空気入りタイヤは、該ゴム組成物をタイヤの少なくとも一部に使用したものである。
本発明によれば、ヒドロキシル基を持つガラス転移点の高いポリマーゲルを充填剤と一部代替し、更にリグニン誘導体を組み合わせて用いることにより、補強性及び低発熱性を維持しつつ、ゴムの軽量化を図ることができる。そのため、補強性の維持によりタイヤ部材としての性能を確保しつつ、タイヤの軽量化によって低燃費性の向上に寄与することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明に係るゴム組成物は、(A)ジエン系ゴムからなるゴム成分と、(B)ポリマーゲルと、(C)リグニン誘導体と、を含有するものである。
上記(A)成分のジエン系ゴムとしては、特に限定はなく、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−イソプレンゴム、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、ニトリルゴムなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上併用してもよい。該ゴム組成物をベーストレッドゴムやサイドウォールゴムに用いる場合、天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴムと、ポリブタジエンゴムとをブレンドして用いることが好ましい。
上記(B)成分のポリマーゲルとしては、ヒドロキシル基を有する化合物で変性され、かつガラス転移点(Tg)が0℃超80℃以下である架橋されたジエン系ポリマー粒子(ゴム粒子)を用いることができる。ポリマーゲルは、カーボンブラックやシリカなどの充填剤と比べて比重が小さいので、充填剤の一部を置換するようにポリマーゲルを用いることにより、軽量化を図ることができる。その際、ガラス転移点の高いポリマーゲルを用いるので、充填剤の代替材料としての機能を発揮させて、ゴム硬度を維持することができる。また、粒子表面に存在するヒドロキシル基が、後述するリグニン誘導体のヒドロキシル基と相互作用することで、ポリマーゲルの分散性を向上させて、補強性を維持することができる。
ポリマーゲルは、ゴム分散液を架橋することにより製造することができる。該ゴム分散液としては、乳化重合により製造されるゴムラテックス、溶液重合されたゴムを水中に乳化させて得られるゴム分散液などが挙げられ、また、架橋剤としては、有機ペルオキシド、有機アゾ化合物、硫黄系架橋剤など挙げられる。また、ゴム粒子の架橋は、ゴムの乳化重合中に、架橋作用を持つ多官能化合物との共重合によっても行うことができる。具体的には、特開平10−204225号公報、特表2004−504465号公報、特表2004−506058号公報、特表2004−530760号公報などに開示の方法を用いることができる。
ポリマーゲルを構成するジエン系ポリマーとしては、上記した各種ジエン系ゴムが挙げられ、これらはいずれか単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは、ポリブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムを主成分とするものであり、より好ましくはスチレンブタジエンゴムを主成分とするものである。
ポリマーゲルとしては、上記のようにガラス転移点(Tg)が0℃よりも大きく、かつ80℃以下のものが用いられる(0<Tg≦80℃)。このようにガラス転移点の高いものを用いることにより、充填剤の代替材料として硬度を高めることができる。これに対し、ガラス転移点の低いポリマーゲルを用いた場合、リグニン誘導体を併用したとしても、充填剤の代替材料としての硬度を確保することはできず、従って、充填剤の減量による優れた軽量化効果は得にくい。ガラス転移点は、より好ましくは30℃以上であり、更に好ましくは50℃以上である。なお、ポリマーゲルのガラス転移点は、ベースとなるジエン系ポリマーの種類と、その架橋度により調整することができる。ガラス転移点は、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定される値(昇温速度20℃/分)である。
ポリマーゲルとしては、上記のようにOH(ヒドロキシル)基を有する化合物で変性されたものが用いられる。このような化合物(変性剤)としては、例えば、特表2004−506058号公報に記載されているように、ヒドロキシブチルアクリレート又はメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
該ポリマーゲルは、トルエン膨潤指数Qiが16未満であることが好ましい。トルエン膨潤指数は、より好ましくは1〜15であり、更に好ましくは3〜8である。トルエン膨潤指数Qiが大きすぎると、粒子が柔らかくなり、補強効果が失われる。また、ポリマーゲルは、ゲル含量が94重量%以上であることが好ましい。ゲル含量がこれよりも小さいと、ゴム粒子の弾性率が低下する傾向にあり、これを配合するゴム組成物にも影響する。
ここで、トルエン膨潤指数及びゲル含量は、ポリマーゲルをトルエンに膨潤させた後、乾燥させることにより測定される。すなわち、ポリマーゲル250mgを、トルエン25mL中で、24時間、振とう下に膨潤させ、20000rpmで遠心分離してから、濡れ質量を秤量し、次いで70℃で質量一定まで乾燥させてから、乾燥質量を秤量する。ゲル含量は、使用されたポリマーゲルに対する乾燥後のポリマーゲルの重量比率(%)である。また、トルエン膨潤指数は、Qi=(ゲルの濡れ質量)/(ゲルの乾燥質量)により求められる。
該ポリマーゲルの比重は特に限定するものではないが、0.6〜1.2であることが好ましく、より好ましくは0.8〜1.0である。カーボンブラックの比重が通常約1.8であり、また、シリカの比重が通常約1.9であることからすると、ポリマーゲルは比重が小さく、よってゴム組成物を軽量化することができる。なお、比重は、JIS K0061に準拠する。
該ポリマーゲルの粒径は特に限定するものではないが、平均粒子径(DIN 53 206によるDVN値)が10〜200nmであることが好ましく、より好ましくは20〜100nmである。このような平均粒子径のポリマーゲルを用いることで、ゴム組成物の加工性を維持し、補強効果を発揮することができる。
該ポリマーゲルの配合量は、上記ゴム成分100重量部に対して、1〜30重量部であり、より好ましくは5〜20重量部である。ポリマーゲルの配合量が少なすぎると、十分な軽量化効果が得られない。逆に配合量が多すぎると、補強性を確保することが難しくなる。
本発明に係るゴム組成物には、カーボンブラック及び/又はシリカからなる充填剤を配合することができる。好ましくは、充填剤の一部を上記ポリマーゲルで置換することであり、従って、ポリマーゲルと充填剤を併用することが好ましい。上記ポリマーゲルはガラス転移点が高いことから、従来の配合にそのままポリマーゲルを添加すると、低発熱性が損なわれる傾向となる。そのため、充填剤の一部を置換するようにポリマーゲルを配合することにより、硬度と低発熱性を維持しつつ、比重の小さいポリマーゲルを用いることでゴム組成物の軽量化を図ることができる。
このような観点から、充填剤の配合量はポリマーゲルの配合量との関係で好ましい範囲を規定することができる。すなわち、特に限定するものではないが、充填剤とポリマーゲルとの合計量は、上記ゴム成分100重量部に対して20〜60重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜50重量部である。また、該合計量に対するポリマーゲルの比率((ポリマーゲルの重量部/合計量)×100%)が15〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜50重量%である。
該ゴム組成物をベーストレッドゴムやサイドウォールゴムに用いる場合、上記充填剤としては、カーボンブラックを主成分とすること、即ち、カーボンブラック単独、又は、カーボンブラックと該カーボンブラックよりも少量のシリカとのブレンドであることが好ましい。
カーボンブラックとしては、ゴムの補強性フィラーとして用いられている各種カーボンブラックを用いることができ、特に限定されない。例えば、窒素吸着比表面積(NSA、JIS K6217−2に準拠して測定)が20〜150m/gのコロイダル特性を持つカーボンブラックが好ましく用いられる。該ゴム組成物をベーストレッドゴムやサイドウォールゴムに用いる場合、窒素吸着比表面積が20〜100m/gのカーボンブラック、すなわち、GPF,FEF,HAF級のものを用いることが好ましい。
シリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられ、特に含水珪酸を主成分とする湿式シリカを用いることが好ましい。また、シリカを配合する場合、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランなどのシランカップリング剤を更に配合することが好ましい。上記のようにポリマーゲルは、ジエン系ポリマーからなるため、表面に二重結合を有する。そのため、充填剤としてシリカを用い、かつシランカップリング剤を配合した場合、該二重結合にシランカップリング剤が反応することで、シランカップリング剤を介してポリマーゲルとシリカを結合することができる。また、ポリマーゲルは、表面のOH基がシランカップリング剤と反応し、シランカップリング剤を介してポリマーゲルと上記ゴム成分とを結合することができる。あるいはまた、シランカップリング剤がポリマーゲルの二重結合とOH基との間で反応することで、ポリマーゲルを架橋することもできる。
上記(C)成分のリグニン誘導体としては、リグニンスルホン酸やリグニンスルホン酸塩が好ましく用いられる。リグニン誘導体は、フェノール性のヒドロキシル基を有するため、これがポリマーゲルのヒドロキシル基と相互作用することで、補強性を向上することができる。すなわち、リグニン誘導体を配合することにより、充填剤の一部を上記ポリマーゲルで置換した場合の補強性の低下を補うことができ、よって、充填剤を減量したにもかかわらず、硬度と補強性を維持することができ、また低発熱性も維持しつつ、軽量化を図ることができる。
リグニンスルホン酸及びその塩は、フェノール性のヒドロキシル基、スルホン酸基等の官能基を有する高分子電解質であるため、ゴム組成物中のカーボンブラックやシリカなどの充填剤に化学的ないし物理的に吸着し、その分散性を向上することもできる。なお、リグニン誘導体は、サルファイトパルプ法により得られたものでもよく、また、クラフトパルプ法により得られたものであってもよい。
上記リグニンスルホン酸塩としては、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルコールアミン塩等が挙げられ、これらの少なくとも一種を含んで使用することができる。好ましくは、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩であり、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩、バリウム塩などが挙げられ、これらの混合塩でもよい。
また、リグニンスルホン酸塩は、単糖類或いは多糖類などの糖類を含むものでもよい。糖類としては、木材成分のセルロース、またセルロースの構成単位であるグルコース、またはグルコースの重合体、例えば、ヘキソース、ペントース、マンノース、ガラクトース、リボース、キシロース、アラビノース、リキソース、リボース、タロース、アルトロース、アロース、グロース、イドース、デンプン、デンプン加水分解物、デキストラン、デキストリン、ヘミセルロースなどをそれぞれ挙げることができる。
該リグニン誘導体の配合量は、上記ゴム成分100重量部に対して、1〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜10重量部である。
本発明に係るゴム組成物には、上記した成分の他に、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、加硫剤、加硫促進剤など、タイヤ用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。該ゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー等の混合機を用いて混練し作成することができる。
該ゴム組成物は、常法に従い、例えば140〜200℃で加硫成形することにより、各種空気入りタイヤのゴム部分を構成することができる。該ゴム部分としては、トレッドゴムやサイドウォールゴム、ベルトやプライのトッピングゴム、ビードフィラー、リムストリップなどが挙げられる。このうち、好ましくはベーストレッドゴムやサイドウォールゴムに用いることである。
ベーストレッドゴムに用いる場合、例えば、混練により得られた上記ゴム組成物を別途準備されたキャップゴム用ゴム組成物とともに、キャップ/ベースの2層構造トレッドの形状に押し出し加工し、タイヤ成形機上で通常の方法により未加硫タイヤを成形し、加硫機中で加硫成形することで空気入りタイヤを製造することができる。
サイドウォールゴムに用いる場合、例えば、混練により得られた上記ゴム組成物をカレンダーや押し出し機により所定断面形状の帯状ゴムに加工し、タイヤ成形機上で通常の方法により未加硫タイヤを成形し、加硫機中で加硫成形することで空気入りタイヤを製造することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[第1実施例:ベーストレッドゴム用ゴム組成物]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、ベーストレッドゴム用ゴム組成物を調製した。表1中の各成分は以下の通りである。
・NR:天然ゴム、RSS#3、
・BR:ブタジエンゴム、宇部興産(株)製「BR150B」、
・カーボンブラック:FEF、東海カーボン(株)製「シーストSO」(窒素吸着比表面積=42m/g)、
・オイル:(株)ジャパンエナジー製「プロセスNC140」。
・ポリマーゲル1:ラインケミー社製「マイクロモフ1P」(SBRをベースとするポリマーゲル、Tg=65℃、トルエン膨潤指数Qi=7、ゲル含量=96重量%、平均粒子径=60nm、比重=0.9、ヒドロキシル基変性品)、
・ポリマーゲル2:ラインケミー社製「マイクロモフ30B」(BRをベースとするポリマーゲル、Tg=−80℃、トルエン膨潤指数Qi=5.9、ゲル含量=97重量%、平均粒子径=130nm、比重=0.9、ヒドロキシル基変性品)、
・リグニン誘導体:リグニンスルホン酸ナトリウム、日本製紙ケミカル株式会社製「バニレックスN」。
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS20」、
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1種」、
・老化防止剤:住友化学工業(株)製「アンチゲン6C」、
・ワックス:大内新興化学工業(株)製「サンノックN」、
・加硫促進剤:住友化学工業(株)製「ソクシノールCZ」、
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」。
得られた各ゴム組成物について、160℃×30分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、硬度、破断強度、低発熱性の指標としてのtanδ、及び、軽量化の指標としてのゴム比重を測定した。各測定方法は次の通りである。
・硬度:JIS K6253に準拠したデュロメータ タイプAにより、23℃での硬度を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど硬度が高いことを示す。
・破断強度:上島製作所製の自動引張試験機を使用し、JIS K6251に準拠して、引張試験を行い、破断時引っ張り強さを測定した。比較例1の値を100とした指数で表示し、指数が大きいほど破断強度が高く、補強性に優れることを示す。
・tanδ:東洋精機製の粘弾性試験機を使用し、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み1%、温度60℃の条件で損失係数tanδを測定した。tanδの逆数について比較例1の値を100とした指数で表示した。値が大きいほどtanδが小さく、発熱しにくい(即ち、低発熱性に優れる)ことを示す。
・比重:JIS K0061に準拠して比重を測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほど、比重が小さく、軽量化効果に優れることを示す。
Figure 2010248282
結果は表1に示すとおりであり、コントロールである比較例1に対し、カーボンブラックを減量した比較例2では軽量化及び低発熱性には優れるものの、硬度及び補強性が低下した。比較例1に対し、単にポリマーゲルを添加した比較例3では、軽量化効果はほとんど得られず、低発熱性も悪化した。また、ポリマーゲルをガラス転移点の低いものに置換した比較例4では、低発熱性には優れるものの、軽量化効果はほとんど得られなかった。比較例5では、リグニン誘導体を配合したもののポリマーゲルを配合していないので、低発熱性には優れるものの、補強性が低下し、また軽量化効果も得られなかった。比較例6では、充填剤の一部をガラス転移点の低いポリマーゲルで置換したため、軽量化及び低発熱性には優れるものの、硬度及び補強性が低下した。充填剤の一部をガラス転移点の高いポリマーゲルで置換した比較例7では、硬度を維持しつつ軽量化できるも、補強性及び低発熱性は悪化した。
これに対し、充填剤の一部をガラス転移点の高いポリマーゲルで置換し、かつリグニン誘導体を併用した実施例1,2であると、硬度及び補強性を維持し、また低発熱性も維持しながら、ゴム重量の低減効果に優れていた。
[第2実施例:サイドウォールゴム用ゴム組成物]
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合に従い、サイドウォールゴム用ゴム組成物を調製した。表2中の各成分は第1実施例と同じである。
得られた各ゴム組成物について、160℃×30分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、第1実施例と同様にして、硬度、破断強度、低発熱性の指標としてのtanδ、及び、軽量化の指標としてのゴム比重を測定した。
Figure 2010248282
結果は、表2に示す通りであって、上記第1実施例と同様の結果となり、充填剤の一部をガラス転移点の高いポリマーゲルで置換し、かつリグニン誘導体を併用した実施例3,4であると、硬度及び補強性を維持し、また低発熱性も維持しながら、ゴム重量の低減効果に優れていた。
本発明のゴム組成物は、乗用車用、ライトトラック用、トラック・バス用の重荷重用タイヤなど各種用途のタイヤに適用することができる。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴムからなるゴム成分100重量部に対し、
    ヒドロキシル基を有する化合物で変性されかつガラス転移点が0℃超80℃以下の架橋されたジエン系ポリマー粒子であるポリマーゲル1〜30重量部と、
    リグニン誘導体1〜20重量部と、
    を含有するタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記リグニン誘導体がリグニンスルホン酸又はリグニンスルホン酸塩である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ポリマーゲルは、トルエン膨潤指数Qiが16未満である請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項のゴム組成物を、タイヤの少なくとも一部に使用した空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴム組成物を、ベーストレッドゴム及び/又はサイドウォールゴムに用いた請求項4記載の空気入りタイヤ。
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