JP2010215063A - 芯金および弾性クローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】走行不能を引き起こすクローラ式走行車両からの弾性クローラの脱落を回避し、かつ弾性クローラの切断のおそれが少ない弾性クローラおよび芯金を提供する。
【解決手段】芯金2は、弾性クローラ1の幅方向に所定の間隔を有して弾性クローラの周方向一方側に向けて突出する1対の第1の側部突起14と、幅方向に所定の間隔を有して周方向他方側に向けて突出する1対の第2の側部突起15と、を有し、第1の側部突起は突出端に鈎状となったフック部22を備え、第2の側部突起は幅方向を軸心として軸が幅方向に突出するピン部24を備え、1対の第1の側部突起の間隔がピン部を除く1対の第2の側部突起を収容可能なものであり、1対の第1の側部突起の間に他の芯金の1対の第2の側部突起が収容されたときに、フック部の鉤の内側に他の芯金のピン部を収容してピン部を係合可能に形成されている。
【選択図】 図6
【解決手段】芯金2は、弾性クローラ1の幅方向に所定の間隔を有して弾性クローラの周方向一方側に向けて突出する1対の第1の側部突起14と、幅方向に所定の間隔を有して周方向他方側に向けて突出する1対の第2の側部突起15と、を有し、第1の側部突起は突出端に鈎状となったフック部22を備え、第2の側部突起は幅方向を軸心として軸が幅方向に突出するピン部24を備え、1対の第1の側部突起の間隔がピン部を除く1対の第2の側部突起を収容可能なものであり、1対の第1の側部突起の間に他の芯金の1対の第2の側部突起が収容されたときに、フック部の鉤の内側に他の芯金のピン部を収容してピン部を係合可能に形成されている。
【選択図】 図6
Description
本発明は、土木用作業機、建設用作業機または農業用作業機等のクローラ式走行車両に装着される弾性クローラおよびこれに使用される芯金に関する。
重量が大きな土木用作業機、建設用作業機または農業用作業機等のクローラ式走行車両に装着される弾性クローラには、その重量を支えるために金属製の芯金が埋設されているのが一般的である。
クローラ式走行車両が走行するとき、弾性クローラには多方向から負荷が加わる。この中で、走行方向に対して横方向から弾性クローラに加わる力は、芯金に横ズレを生じさせ、これが弾性クローラの脱輪およびゴム(弾性体)割れ発生の原因となる。
そこで、図18(a)に示されるような、芯金71の幅方向の両側の側面に、それぞれ弾性クローラにおける周方向に伸びる棒状の突起(以下「膨出部」という)72,72,73,73を芯金71の長手方向に並べてそれぞれ1対設け、弾性クローラにおいて、一方の側の膨出部72,72の間に、周方向に隣り合う芯金71の他方の側の膨出部73,73を収容して、弾性クローラの横ズレを防止する技術が提案されている(特許文献1)。
クローラ式走行車両が走行するとき、弾性クローラには多方向から負荷が加わる。この中で、走行方向に対して横方向から弾性クローラに加わる力は、芯金に横ズレを生じさせ、これが弾性クローラの脱輪およびゴム(弾性体)割れ発生の原因となる。
そこで、図18(a)に示されるような、芯金71の幅方向の両側の側面に、それぞれ弾性クローラにおける周方向に伸びる棒状の突起(以下「膨出部」という)72,72,73,73を芯金71の長手方向に並べてそれぞれ1対設け、弾性クローラにおいて、一方の側の膨出部72,72の間に、周方向に隣り合う芯金71の他方の側の膨出部73,73を収容して、弾性クローラの横ズレを防止する技術が提案されている(特許文献1)。
弾性クローラが装着されたクローラ式走行車両は、平坦ではない地面を走行する。弾性クローラは、走行する地面の凹凸によって、波打つように変形する。芯金を有する弾性クローラでは、特許文献1に提案されたものも含め、通常の地面の凹凸による変形に十分に耐え得る。
しかし、このような従来の弾性クローラは、大きな石等の狭い範囲で大きく盛り上がった場所をクローラ式走行車両が走行するとき、激しい逆ぞりまたは捩れが生ずる。激しい逆ぞりは、弾性クローラの本体を形成する弾性体と芯金の膨出部の先端との境界部分に応力を集中させ、弾性クローラにクラックを生じさせる原因となる。弾性クローラの激しい捩れは、クローラ式走行車両からの弾性クローラの脱落を生じさせるおそれがある。また、激しい逆ぞりまたは捩れが繰り返されると、クラックの成長により弾性クローラの本体の破断、および過大な負荷による抗張体の切断のおそれがあり、極端な場合には、弾性クローラを分断させてクローラ式走行車両の走行不能を引き起こす原因ともなる。
しかし、このような従来の弾性クローラは、大きな石等の狭い範囲で大きく盛り上がった場所をクローラ式走行車両が走行するとき、激しい逆ぞりまたは捩れが生ずる。激しい逆ぞりは、弾性クローラの本体を形成する弾性体と芯金の膨出部の先端との境界部分に応力を集中させ、弾性クローラにクラックを生じさせる原因となる。弾性クローラの激しい捩れは、クローラ式走行車両からの弾性クローラの脱落を生じさせるおそれがある。また、激しい逆ぞりまたは捩れが繰り返されると、クラックの成長により弾性クローラの本体の破断、および過大な負荷による抗張体の切断のおそれがあり、極端な場合には、弾性クローラを分断させてクローラ式走行車両の走行不能を引き起こす原因ともなる。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、走行不能を引き起こすクローラ式走行車両からの弾性クローラの脱落を回避し、かつ弾性クローラの切断のおそれが少ない弾性クローラおよび弾性クローラ用の芯金を提供することを目的とする。
本発明に係る芯金は、弾性クローラ内に埋設される芯金であって、前記弾性クローラ内に埋設されたときの前記弾性クローラの幅方向に所定の間隔を有して前記弾性クローラにおける周方向の一方の側に向けて突出する1対の第1の側部突起と、前記弾性クローラ内に埋設されたときの前記幅方向に所定の間隔を有して前記周方向の他方の側に向けて突出する1対の第2の側部突起と、を有し、前記第1の側部突起は、突出端に鈎状となったフック部を備え、前記第2の側部突起は、前記幅方向の両側または片側に前記幅方向を軸心として軸が突出するピン部を備え、前記1対の第1の側部突起についての前記所定の間隔が前記ピン部を除く前記1対の第2の側部突起を前記1対の第1の側部突起の間に収容可能なものであり、または前記ピン部を除く前記1対の第2の側部突起についての前記所定の間隔が前記1対の第1の側部突起を前記1対の第2の側部突起の間に収容可能なものであり、前記1対の第1の側部突起の間に他の前記芯金の前記1対の第2の側部突起が収容されたとき、または前記1対の第2の側部突起の間に他の前記芯金の前記1対の第1の側部突起が収容されて前記弾性クローラ内に埋設されたときに、前記フック部の鉤の内側に他の前記芯金の前記ピン部を収容して前記ピン部を係合可能であり、または前記ピン部が他の前記芯金の前記フック部の鉤の内側に収容されて係合され得るように形成される。
好ましくは、前記フック部の鉤が、前記周方向に並べて前記弾性クローラ内に埋設されたときに前記弾性クローラの内周側となる側に開となるように設けられ、前記周方向に隣り合う他の芯金における前記ピン部を前記内周側から収容して係合可能に形成される。
本発明に係る弾性クローラは、弾性体によるクローラ本体に複数の芯金が周方向に並べて埋設された弾性クローラであって、埋設された芯金は前記芯金であり、埋設されて周方向に隣り合う一方の前記芯金の前記フック部の鉤の内側に隣り合う他方の前記芯金の前記ピン部が収容されている。
本発明に係る弾性クローラは、弾性体によるクローラ本体に複数の芯金が周方向に並べて埋設された弾性クローラであって、埋設された芯金は前記芯金であり、埋設されて周方向に隣り合う一方の前記芯金の前記フック部の鉤の内側に隣り合う他方の前記芯金の前記ピン部が収容されている。
本発明によると、走行不能を引き起こすクローラ式走行車両からの弾性クローラの脱落を回避し、かつ弾性クローラの切断のおそれが少ない弾性クローラおよび弾性クローラ用の芯金を提供することができる。
図1は弾性クローラ1を内周側から見たときの芯金2の並びを示す図、図2は弾性クローラ1の図1におけるA−A矢視断面図、図3は芯金2の平面図、図4は芯金2の正面図、図5は芯金2の背面図、図6は図4における右側面図、図7は弾性クローラ1における芯金2の使用形態を示す図である。
以下の説明において、弾性クローラ1がクローラ式走行車両に装着されたときに内周側になる側を「内周側」(芯金2については図1に示される側である。)、内周側の反対側であって接地する側を「外周側」という。また、クローラ式走行車両が走行するときに弾性クローラ1が循環する方向を「周方向」、周方向に直交し、かつクローラ式走行車両の転輪等の回転軸に平行な方向を「幅方向」というものとする。
以下の説明において、弾性クローラ1がクローラ式走行車両に装着されたときに内周側になる側を「内周側」(芯金2については図1に示される側である。)、内周側の反対側であって接地する側を「外周側」という。また、クローラ式走行車両が走行するときに弾性クローラ1が循環する方向を「周方向」、周方向に直交し、かつクローラ式走行車両の転輪等の回転軸に平行な方向を「幅方向」というものとする。
弾性クローラ1は、芯金2,…,2、クローラ本体3、ラグ4,4、および1対の抗張体5,5等からなる。
図1ないし図7を参照して、芯金2は、全体として略長い形状を有する。芯金2は、その長手方向の中央で一定の長さ範囲を占める突起付設部11、および突起付設部11に長手方向両側でそれぞれ連続する翼部12,12で構成される。
なお、以下の説明における芯金2についての「内周側」は、芯金2が弾性クローラ1内に埋設されたときを基準とした方向(側)をいい、「外周側」はこの逆側をいうものである。また、「芯金2の幅方向」は、芯金2の長手方向に直交しかつ弾性クローラ1内に埋設されたときに周方向となる方向をいうものである。
図1ないし図7を参照して、芯金2は、全体として略長い形状を有する。芯金2は、その長手方向の中央で一定の長さ範囲を占める突起付設部11、および突起付設部11に長手方向両側でそれぞれ連続する翼部12,12で構成される。
なお、以下の説明における芯金2についての「内周側」は、芯金2が弾性クローラ1内に埋設されたときを基準とした方向(側)をいい、「外周側」はこの逆側をいうものである。また、「芯金2の幅方向」は、芯金2の長手方向に直交しかつ弾性クローラ1内に埋設されたときに周方向となる方向をいうものである。
突起付設部11には、1対の内側突起13,13、1対の第1側部突起14,14および1対の第2側部突起15,15が設けられている。
1対の内側突起13,13は、互いに芯金2の長手方向に適度な間隔を有して突起付設部11の本体部分から内周側に突出する。内側突起13は、突出端に、クローラ式走行車両のアイドラを転動させる第1走行面16を有する。それぞれの第1走行面16,16は、芯金2の幅方向の互いに異なる一方の側に突き出ている。1対の内側突起13,13は、その形状が、平面視(図3)において点対称の関係を有する。
1対の内側突起13,13は、互いに芯金2の長手方向に適度な間隔を有して突起付設部11の本体部分から内周側に突出する。内側突起13は、突出端に、クローラ式走行車両のアイドラを転動させる第1走行面16を有する。それぞれの第1走行面16,16は、芯金2の幅方向の互いに異なる一方の側に突き出ている。1対の内側突起13,13は、その形状が、平面視(図3)において点対称の関係を有する。
内側突起13,13は、互いに対向する側面またはこれらの側面とは逆側の側面がクローラ式走行車両の駆動スプロケット、アイドラおよび転輪に係止されることにより、走行時に弾性クローラ1がクローラ式走行車両から脱落するのを防止する働きをする。
1対の第1側部突起14,14は、芯金2における(弾性クローラ1の)周方向を向く同じ一方の側面から、周方向に突出している。第1側部突起14,14は、突起付設部11の長手方向の両側端部のそれぞれ異なる一方に設けられ、1対の内側突起13,13の間隔よりも大きな間隔を有している。第1側部突起14,14は、長手方向に直交する方向に拡がる厚板状であり、長手方向の内方を向く側面21,21(互いに対向する側面21,21)が平面に形成されている。第1側部突起14は、その先端近傍に鈎状のフック部22を有する。フック部22の鉤は、外周側が開いている。
1対の第1側部突起14,14は、芯金2における(弾性クローラ1の)周方向を向く同じ一方の側面から、周方向に突出している。第1側部突起14,14は、突起付設部11の長手方向の両側端部のそれぞれ異なる一方に設けられ、1対の内側突起13,13の間隔よりも大きな間隔を有している。第1側部突起14,14は、長手方向に直交する方向に拡がる厚板状であり、長手方向の内方を向く側面21,21(互いに対向する側面21,21)が平面に形成されている。第1側部突起14は、その先端近傍に鈎状のフック部22を有する。フック部22の鉤は、外周側が開いている。
第2側部突起15は、膨出部23およひピン部24からなる。1対の第2側部突起15,15におけるそれぞれの膨出部23,23は、長手方向の互いに異なる一方の側で、周方向を向く芯金2の他方の側面、すなわち第1側部突起14,14が突出する側面とは反対側の側面から、周方向に突出している。膨出部23は、芯金2の長手方向に直交する方向に拡がる厚板状である。2つの膨出部23,23は、1対の内側突起13,13の間隔よりも少し大きな間隔を有し、かつ1対の第1側部突起14,14の内側に収容され得るように形成されている。膨出部23は、長手方向の外方を向く側面25が、長手方向に直交する平面に形成されている。
ピン部24は、円柱状の形状を有する。ピン部24は、軸心を芯金2の長手方向とし、全体として、軸が芯金2の長手方向外方に一層大きく突き出るようにして、膨出部23の先端に一体化されている。両側のそれぞれのピン部24,24における芯金2の長手方向外方に大きく突き出た部分の長手方向についての位置は、それぞれの側の第1側部突起14,14におけるフック部22,22の長手方向についての位置に略一致している。ピン部24は、長手方向同一側の内側突起13の第1走行面16からその軸心までの距離D1が、他方の側の内側突起13の第1走行面16からフック部22における鉤による空間中心までの距離D2よりわずかに小さいかまたは距離D2に略等しい。また、ピン部24の外径は、フック部22における鉤の内側面26の曲率半径の2倍に等しいかまたは若干小さい。
翼部12は、翼本体27、リブ28および転輪走行部29からなる。
翼部12は、周方向に拡がる平板状である。翼部12は、内周側に配されたリブ28により補強されている。
転輪走行部29は、翼部12の(長手方向における)内方端近傍に配される。転輪走行部29は、リブ28に連続し内周側を向く略平面である第2走行面31を有する。長手方向の両側におけるそれぞの第2走行面31,31は、芯金2の幅方向の互いに異なる一方の側に突き出ている。芯金2の長手方向の片側において、第2走行面31が突き出る方向は、第1走行面16が突き出る方向の反対側である。1対の第2走行面31,31は、平面視(図3)において点対称の関係を有する。
翼部12は、周方向に拡がる平板状である。翼部12は、内周側に配されたリブ28により補強されている。
転輪走行部29は、翼部12の(長手方向における)内方端近傍に配される。転輪走行部29は、リブ28に連続し内周側を向く略平面である第2走行面31を有する。長手方向の両側におけるそれぞの第2走行面31,31は、芯金2の幅方向の互いに異なる一方の側に突き出ている。芯金2の長手方向の片側において、第2走行面31が突き出る方向は、第1走行面16が突き出る方向の反対側である。1対の第2走行面31,31は、平面視(図3)において点対称の関係を有する。
芯金2は、金属等の硬質材料によって形成される。
芯金2は、クローラ本体3に、内側突起13,13が内周側になるようにして、周方向に略等間隔に埋め込まれる。芯金2は、すべてが周方向の一方の側に第1側部突起14,14が位置するように並べられる。隣り合う芯金2,2は、一方の芯金2のフック部22における鉤による空間に、他方の芯金2のピン部24が収容されて、フック部22とピン部24とが係合可能に組み合わされる(図7参照)。
クローラ本体3は、肉厚帯状のゴムの両端が接合されて無端帯状に形成されたものである。クローラ本体3は、埋め込まれた隣り合う芯金2,2の間における幅方向の中央に、内周側と外周側とを貫通する係合孔32,…,32を備えている。係合孔32は、弾性クローラ1が装着されるクローラ式走行車両の駆動スプロケットの爪に係合されて、駆動スプロケットの回転により弾性クローラ1を循環運動させるためのものである。
芯金2は、クローラ本体3に、内側突起13,13が内周側になるようにして、周方向に略等間隔に埋め込まれる。芯金2は、すべてが周方向の一方の側に第1側部突起14,14が位置するように並べられる。隣り合う芯金2,2は、一方の芯金2のフック部22における鉤による空間に、他方の芯金2のピン部24が収容されて、フック部22とピン部24とが係合可能に組み合わされる(図7参照)。
クローラ本体3は、肉厚帯状のゴムの両端が接合されて無端帯状に形成されたものである。クローラ本体3は、埋め込まれた隣り合う芯金2,2の間における幅方向の中央に、内周側と外周側とを貫通する係合孔32,…,32を備えている。係合孔32は、弾性クローラ1が装着されるクローラ式走行車両の駆動スプロケットの爪に係合されて、駆動スプロケットの回転により弾性クローラ1を循環運動させるためのものである。
クローラ本体3の外周側の表面からは、ラグ4,4,4,4が突出している。
抗張体5は、複数のスチールコード等の抗張力コードが幅方向に1列に並べられて形成されている。各抗張体5は、それぞれが芯金2における翼部12の外周側を周方向全体にわたり巻回された状態で、クローラ本体3に埋め込まれている。
図8は他の形態における芯金2Bの平面図、図9は芯金2Bの背面図、図10は芯金2Bの図9における左側面図である。
芯金2Bは、全体として略長い形状を有する。芯金2Bは、その長手方向の中央で一定の長さ範囲を占める突起付設部11B、および突起付設部11Bに長手方向両側で連続する翼部12,12で構成される。
抗張体5は、複数のスチールコード等の抗張力コードが幅方向に1列に並べられて形成されている。各抗張体5は、それぞれが芯金2における翼部12の外周側を周方向全体にわたり巻回された状態で、クローラ本体3に埋め込まれている。
図8は他の形態における芯金2Bの平面図、図9は芯金2Bの背面図、図10は芯金2Bの図9における左側面図である。
芯金2Bは、全体として略長い形状を有する。芯金2Bは、その長手方向の中央で一定の長さ範囲を占める突起付設部11B、および突起付設部11Bに長手方向両側で連続する翼部12,12で構成される。
突起付設部11Bには、1対の内側突起13,13、1対の第1側部突起14B,14Bおよび1対の第2側部突起15B,15Bが設けられている。
1対の内側突起13,13は、先に説明した芯金2における1対の内側突起13,13と同じである。
1対の第1側部突起14B,14Bは、厚板状であり、芯金2Bにおける周方向を向く同じ一方の側面から、芯金2Bの長手方向に直交する方向に拡がって突出している。第1側部突起14B,14Bは、1対の内側突起13,13の間隔よりわずかに大きな間隔を有して、芯金2Bの長い方向の両側に設けられている。第1側部突起14Bは、芯金2Bの長手方向に直交する方向に拡がる厚板状で、長手方向の外方を向く側面35Bが、長手方向に直交する平面として形成されている。第1側部突起14Bは、その先端近傍に鈎状のフック部22を有する。フック部22の鉤は、外周側が開いている。
1対の内側突起13,13は、先に説明した芯金2における1対の内側突起13,13と同じである。
1対の第1側部突起14B,14Bは、厚板状であり、芯金2Bにおける周方向を向く同じ一方の側面から、芯金2Bの長手方向に直交する方向に拡がって突出している。第1側部突起14B,14Bは、1対の内側突起13,13の間隔よりわずかに大きな間隔を有して、芯金2Bの長い方向の両側に設けられている。第1側部突起14Bは、芯金2Bの長手方向に直交する方向に拡がる厚板状で、長手方向の外方を向く側面35Bが、長手方向に直交する平面として形成されている。第1側部突起14Bは、その先端近傍に鈎状のフック部22を有する。フック部22の鉤は、外周側が開いている。
第2側部突起15Bは、膨出部23Bおよひピン部24Bからなる。それぞれの膨出部23B,23Bは、芯金2Bにおける第1側部突起14B,14Bが突出する側面とは反対側の側面から、周方向に突出している。膨出部23Bは、第1側部突起14Bと同様に、厚板状である。第1側部突起14Bは、突起付設部11Bの長手方向端部に配されている。膨出部23B,23Bは、長手方向の内方を向く側面36B,36B(互いに対向する側面36B,36B)が、長手方向に直交する平面である。
1対の第2側部突起15B,15Bは、その形状が、芯金2Bの長手方向にその中央で直交する平面について面対称の関係を有する。1対の第2側部突起15B,15Bは、膨出部23B,23Bにおける側面36B,36Bの間に、長手方向の両側の第1側部突起14B,14Bを収容可能に形成される。
1対の第2側部突起15B,15Bは、その形状が、芯金2Bの長手方向にその中央で直交する平面について面対称の関係を有する。1対の第2側部突起15B,15Bは、膨出部23B,23Bにおける側面36B,36Bの間に、長手方向の両側の第1側部突起14B,14Bを収容可能に形成される。
ピン部24Bは、円柱状の形状を有する。ピン部24Bは、芯金2Bの長手方向を軸心として、軸が芯金2Bの長手方向内方に一層大きく突き出させて、膨出部23の先端に一体化されている。
両側のそれぞれのピン部24B,24Bにおける芯金2Bの長手方向内方に大きく突き出た部分の長手方向についての位置は、それぞれの側の第1側部突起14B,14Bにおけるフック部22,22の長手方向についての位置に略一致している。その他、ピン部24Bの位置とフック部22との位置関係等は、芯金2におけるものと同じである。
両側のそれぞれのピン部24B,24Bにおける芯金2Bの長手方向内方に大きく突き出た部分の長手方向についての位置は、それぞれの側の第1側部突起14B,14Bにおけるフック部22,22の長手方向についての位置に略一致している。その他、ピン部24Bの位置とフック部22との位置関係等は、芯金2におけるものと同じである。
上の説明および図8ないし図10において、芯金2と同じ構成を有する芯金2Bの部分については、芯金2におけるものと同じ符合を付す。また、芯金2と同じ構成を有する芯金2Bの部分については、その説明を省略または簡略化した。
芯金2Bは、クローラ本体に、内側突起13,13が内周側になるようにして、周方向に略等間隔に埋め込まれる。芯金2Bは、すべてが周方向の一方の側に第1側部突起14B,14Bが位置するように並べられる。隣り合う芯金2B,2Bは、一方の芯金2Bのフック部22における鉤による空間に、他方の芯金2Bのピン部24Bが収容され、フック部22がピン部24Bを把持するように組み合わされる。
芯金2Bは、クローラ本体に、内側突起13,13が内周側になるようにして、周方向に略等間隔に埋め込まれる。芯金2Bは、すべてが周方向の一方の側に第1側部突起14B,14Bが位置するように並べられる。隣り合う芯金2B,2Bは、一方の芯金2Bのフック部22における鉤による空間に、他方の芯金2Bのピン部24Bが収容され、フック部22がピン部24Bを把持するように組み合わされる。
図11は他の形態における芯金2Cの平面図、図12は芯金2Cの背面図、図13は芯金2Cの図12における左側面図である。
芯金2Cは、突起付設部11および翼部12C,12Cで構成される。翼部12Cには、翼本体27、リブ28および転輪走行部29の他に、補助突起41C,41Cが設けられている。
芯金2Cは、補助突起41C,41Cを有することを除き、突起付設部11の構成、および翼部12C,12Cの構成が、芯金2における突起付設部11の構成、および翼部12,12の構成と同一である。
芯金2Cは、突起付設部11および翼部12C,12Cで構成される。翼部12Cには、翼本体27、リブ28および転輪走行部29の他に、補助突起41C,41Cが設けられている。
芯金2Cは、補助突起41C,41Cを有することを除き、突起付設部11の構成、および翼部12C,12Cの構成が、芯金2における突起付設部11の構成、および翼部12,12の構成と同一である。
図11ないし図13における芯金2と同一の構成を有する部分については、芯金2におけるものと同じ符合を付し、その説明を省略する。
補助突起41Cは、第2側部突起15の膨出部23が突出する位置から長手方向外方に離れた位置において、膨出部23と同じ方向に突出している。補助突起41Cと膨出部23との間隙は、第1側部突起14の厚さよりも若干大きい。ここで、「第1側部突起14の厚さ」とは、フック部22を含む厚板状である第1側部突起14の主要部分の厚さ、すなわち第1側部突起14の図11における左右方向(横方向)の寸法である。
補助突起41Cは、第2側部突起15の膨出部23が突出する位置から長手方向外方に離れた位置において、膨出部23と同じ方向に突出している。補助突起41Cと膨出部23との間隙は、第1側部突起14の厚さよりも若干大きい。ここで、「第1側部突起14の厚さ」とは、フック部22を含む厚板状である第1側部突起14の主要部分の厚さ、すなわち第1側部突起14の図11における左右方向(横方向)の寸法である。
補助突起41Cは、厚板で形成され、その板の拡がり方向を芯金2Cの長手方向に直交させて、翼部12Cにおける突起付設部11側の端に固着されている。したがって、補助突起41Cは、膨出部23の側面25に対向する面42Cが、長手方向に直交する平面となっている。補助突起41Cは、その突出端近傍において、ピン部24における芯金2Cの長手方向外方に突き出た端に固着されて、第2側部突起15に一体化されている。
芯金2Cは、クローラ本体に、内側突起13,13が内周側になるようにして、周方向に略等間隔に埋め込まれる。芯金2Cは、すべてが周方向の一方の側に第1側部突起14,14が位置するように並べられる。隣り合う芯金2C,2Cは、一方の芯金2Cのフック部22における鉤による空間に、他方の芯金2Cのピン部24が嵌め込まれ、フック部22がピン部24を把持するように組み合わされる。芯金2Cは、埋設された弾性クローラにおいて、第1側部突起14が、周方向隣の芯金2Cの膨出部23と補助突起41Cとの間に挟み込まれ、芯金2C自体の横ズレおよび弾性クローラの捩れに対する防止効果を発揮する。
芯金2Cは、クローラ本体に、内側突起13,13が内周側になるようにして、周方向に略等間隔に埋め込まれる。芯金2Cは、すべてが周方向の一方の側に第1側部突起14,14が位置するように並べられる。隣り合う芯金2C,2Cは、一方の芯金2Cのフック部22における鉤による空間に、他方の芯金2Cのピン部24が嵌め込まれ、フック部22がピン部24を把持するように組み合わされる。芯金2Cは、埋設された弾性クローラにおいて、第1側部突起14が、周方向隣の芯金2Cの膨出部23と補助突起41Cとの間に挟み込まれ、芯金2C自体の横ズレおよび弾性クローラの捩れに対する防止効果を発揮する。
図14は他の形態における芯金2Dの平面図、図15は芯金2Dの図14における右側面図である。
芯金2Dは、その長手方向の中央で一定の長さ範囲を占める突起付設部11D、および突起付設部11Dに長手方向両側でそれぞれ連続する翼部12D,12Dで構成される。
突起付設部11Dには、1対の内側突起13,13、1対の内方第1側部突起14Da,14Daおよび1対の第2側部突起15D,15Dが設けられている。
1対の内側突起13,13は、芯金2における1対の内側突起13,13と同じである。
芯金2Dは、その長手方向の中央で一定の長さ範囲を占める突起付設部11D、および突起付設部11Dに長手方向両側でそれぞれ連続する翼部12D,12Dで構成される。
突起付設部11Dには、1対の内側突起13,13、1対の内方第1側部突起14Da,14Daおよび1対の第2側部突起15D,15Dが設けられている。
1対の内側突起13,13は、芯金2における1対の内側突起13,13と同じである。
1対の内方第1側部突起14Da,14Daは、芯金2Dの周方向を向く同じ一方の側面から、周方向に突出している。内方第1側部突起14Da,14Daは、長手方向における突起付設部11Dの両側の異なる一方の端部近傍にそれぞれ設けられ、1対の内側突起13,13の間隔よりも少し大きな間隔を有している。内方第1側部突起14Da,14Daは、長手方向に直交する方向に拡がる厚板状であり、長手方向の外方を向く側面35D,35Dが平面に形成されている。内方第1側部突起14Daは、その先端近傍に鈎状のフック部22aを有する。フック部22aの鉤は、内周側が開いている。芯金2Dにおける内方第1側部突起14Da,14Daは、芯金2Bにおける第1側部突起14B,14Bを、図10において上下反転させた形態である。
第2側部突起15Dは、膨出部23Dおよひピン部24Dからなる。それぞれの膨出部23D,23Dは、内方第1側部突起14Da,14Daが突出する周方向を向く側面とは反対側の側面から、周方向に突出している。膨出部23Dは、内方第1側部突起14Daと同様に、厚板で形成される。第2側部突起15Dは、突起付設部11Dの長手方向端に設けられる。膨出部23D,23Dは、長手方向内方を向く側面36D,36D(互いに対向する側面36D,36D)が、長手方向に直交する平面である。
ピン部24Dは、円柱状の形状を有する。ピン部24Dは、芯金2Dの長手方向を軸心として、膨出部23Dの先端に、軸を芯金2Bの長手方向両側に突き出させた状態で一体化されている。
ピン部24Dは、円柱状の形状を有する。ピン部24Dは、芯金2Dの長手方向を軸心として、膨出部23Dの先端に、軸を芯金2Bの長手方向両側に突き出させた状態で一体化されている。
1対の第2側部突起15D,15Dは、その形状が、芯金2Dの長手方向にその中央で直交する平面について面対称の関係を有する。また、芯金2Dにおける第2側部突起15D,15Dは、芯金2Bにおける第2側部突起15B,15Bを、図10において上下反転させた形態に類似する。
翼部12Dには、翼本体27、リブ28および転輪走行部29の他に、外方第1側部突起14Db,14Dbが設けられている。
1対の外方第1側部突起14Db,14Dbは、芯金2Dにおける内方第1側部突起14Da,14Daが突出する側の側面から内方第1側部突起14Da,14Daと同方向に突出する。外方第1側部突起14Db,14Dbは、それぞれが翼部12Dの長手方向の互いに異なる内方端部に設けられる。外方第1側部突起14Dbは、内方第1側部突起14Daの側面35Dと向き合う側面21Dが平面である。外方第1側部突起14Dbは、内方第1側部突起14Daとの間に第2側部突起15の膨出部23Dを収容可能な程度に、内方第1側部突起14Daから離されて設けられている。
翼部12Dには、翼本体27、リブ28および転輪走行部29の他に、外方第1側部突起14Db,14Dbが設けられている。
1対の外方第1側部突起14Db,14Dbは、芯金2Dにおける内方第1側部突起14Da,14Daが突出する側の側面から内方第1側部突起14Da,14Daと同方向に突出する。外方第1側部突起14Db,14Dbは、それぞれが翼部12Dの長手方向の互いに異なる内方端部に設けられる。外方第1側部突起14Dbは、内方第1側部突起14Daの側面35Dと向き合う側面21Dが平面である。外方第1側部突起14Dbは、内方第1側部突起14Daとの間に第2側部突起15の膨出部23Dを収容可能な程度に、内方第1側部突起14Daから離されて設けられている。
外方第1側部突起14Dbは、その先端近傍に鈎状のフック部22bを有する。フック部22bの鉤は、内方第1側部突起14Daのフック部22aの鉤と同様に、内周側が開いている。外方第1側部突起14Dbは、その形状が、長手方向の片側で向き合う内方第1側部突起14Daと略面対称である。
芯金2Dにおいて、ピン部24Dは、長手方向同一側の内側突起13の第1走行面16からその軸心までの距離D1が、他方の側の内側突起13の第1走行面16からフック部22a,22bにおける鉤による空間中心までの距離D2よりわずかに小さいかまたは距離D2に略等しい。また、ピン部24Dの外径は、フック部22a,22bにおける鉤の内側面26Dの曲率半径の2倍に等しいかまたは若干小さい。
芯金2Dにおいて、ピン部24Dは、長手方向同一側の内側突起13の第1走行面16からその軸心までの距離D1が、他方の側の内側突起13の第1走行面16からフック部22a,22bにおける鉤による空間中心までの距離D2よりわずかに小さいかまたは距離D2に略等しい。また、ピン部24Dの外径は、フック部22a,22bにおける鉤の内側面26Dの曲率半径の2倍に等しいかまたは若干小さい。
図14および図15における芯金2と同一の構成を有する部分については芯金2におけるものと同じ符合を付し、その説明を省略する。
芯金2Dは、クローラ本体に、内側突起13,13が内周側になるようにして、周方向に略等間隔に埋め込まれる。芯金2Dは、すべてが周方向の一方の側に内方第1側部突起14Da,14Da(および外方第1側部突起14Db,14Db)が位置するように並べられる。隣り合う芯金2D,2Dは、一方の芯金2Dのフック部22a,22bにおける鉤による空間に、他方の芯金2Dのピン部24Dにおける長手方向両側に突き出た部分が嵌め込まれ、フック部22a,22bがピン部24Dを把持するように組み合わされる。芯金2Dは、埋設された弾性クローラにおいて、第2側部突起15Dの膨出部23Dが、周方向隣の芯金2Dの内方第1側部突起14Daと外方第1側部突起14Dbとの間に挟み込まれ、芯金2Dの横ズレおよび弾性クローラの捩れに対する防止効果を発揮する。
芯金2Dは、クローラ本体に、内側突起13,13が内周側になるようにして、周方向に略等間隔に埋め込まれる。芯金2Dは、すべてが周方向の一方の側に内方第1側部突起14Da,14Da(および外方第1側部突起14Db,14Db)が位置するように並べられる。隣り合う芯金2D,2Dは、一方の芯金2Dのフック部22a,22bにおける鉤による空間に、他方の芯金2Dのピン部24Dにおける長手方向両側に突き出た部分が嵌め込まれ、フック部22a,22bがピン部24Dを把持するように組み合わされる。芯金2Dは、埋設された弾性クローラにおいて、第2側部突起15Dの膨出部23Dが、周方向隣の芯金2Dの内方第1側部突起14Daと外方第1側部突起14Dbとの間に挟み込まれ、芯金2Dの横ズレおよび弾性クローラの捩れに対する防止効果を発揮する。
芯金を、芯金2Dにおける外方第1側部突起14Dbを有しないものとしてもよい。その場合には、第2側部突起15Dにおけるピン部24Dを、内方第1側部突起14Da側にのみ突き出たものするのが好ましい。
図16は大きな石Sに乗り上げたときの弾性クローラ1における芯金2の様子を示す図、図17は弾性クローラ1に捩れが生じたときの芯金2の様子を示す図、図18は従来の弾性クローラに捩れが生じたときの芯金71の様子を示す図である。
弾性クローラは、クローラ式走行車両が大きな石Sに乗り上げたとき、上方へのそり(逆ぞり)が生ずる。弾性クローラの逆ぞりが生じた部分には、周方向に引張力Fが作用し、弾性体で形成されたクローラ本体には、一般に、伸びが生ずる(図16参照)。
図16は大きな石Sに乗り上げたときの弾性クローラ1における芯金2の様子を示す図、図17は弾性クローラ1に捩れが生じたときの芯金2の様子を示す図、図18は従来の弾性クローラに捩れが生じたときの芯金71の様子を示す図である。
弾性クローラは、クローラ式走行車両が大きな石Sに乗り上げたとき、上方へのそり(逆ぞり)が生ずる。弾性クローラの逆ぞりが生じた部分には、周方向に引張力Fが作用し、弾性体で形成されたクローラ本体には、一般に、伸びが生ずる(図16参照)。
図18(a)に示されたような従来の芯金71では、逆ぞりによりこのような引張力Fが生ずると、クローラ本体に、引張力Fを打ち消すための引張応力に応じた伸びが生ずる。このクローラ本体の伸びにより、クローラ本体と芯金71の膨出部72,73の表面との境界(例えば弾性体と金属との境界である)に隙間を生じ、この伸びの繰り返しが、境界近傍のクローラ本体にクラックを発生させる。
一方、芯金2,…,2が使用された弾性クローラ1は、フック部22における鉤による空間に、隣の芯金2のピン部24が嵌め込まれ、フック部22がピン部24を把持するように組み合わされている。そのため、弾性クローラ1では、逆ぞりにより生じた引張力Fは、フック部22およびピン部24に生ずる圧縮応力とつり合い、クローラ本体3に生ずる引張応力は小さくなってその伸び、つまり過度の弾性クローラ1の逆ぞりが抑制される。その結果、芯金2,…,2が使用された弾性クローラ1は、芯金2とクローラ本体3との境界に隙間が生じにくく、クローラ本体3にクラックが発生しにくい。
一方、芯金2,…,2が使用された弾性クローラ1は、フック部22における鉤による空間に、隣の芯金2のピン部24が嵌め込まれ、フック部22がピン部24を把持するように組み合わされている。そのため、弾性クローラ1では、逆ぞりにより生じた引張力Fは、フック部22およびピン部24に生ずる圧縮応力とつり合い、クローラ本体3に生ずる引張応力は小さくなってその伸び、つまり過度の弾性クローラ1の逆ぞりが抑制される。その結果、芯金2,…,2が使用された弾性クローラ1は、芯金2とクローラ本体3との境界に隙間が生じにくく、クローラ本体3にクラックが発生しにくい。
クローラ本体3に発生したクラックは、クローラ本体3の破断を引き起こし、抗張体の切断の原因となり、弾性クローラを分断させるおそれがあることから、芯金2,…,2が使用された弾性クローラ1は、分断しにくく、装着されたクローラ式走行車両の突然の走行不能を防止することができる。
また、例えば、弾性クローラにおける幅方向一方の側に偏った部分が大きな石Sに乗り上げたとき、弾性クローラには、捩れが生ずる。
従来の弾性クローラでは、芯金71は、図18(b)に示されるように、隣り合う芯金71,71の一方の膨出部72,72および他方の膨出部73,73は、捩れに対しては相互に作用し合うことができず、弾性クローラの捩れを抑制することができない。
また、例えば、弾性クローラにおける幅方向一方の側に偏った部分が大きな石Sに乗り上げたとき、弾性クローラには、捩れが生ずる。
従来の弾性クローラでは、芯金71は、図18(b)に示されるように、隣り合う芯金71,71の一方の膨出部72,72および他方の膨出部73,73は、捩れに対しては相互に作用し合うことができず、弾性クローラの捩れを抑制することができない。
これに対し、芯金2,…,2が使用された弾性クローラ1は、捩れを生じさせる力Ftが加えられると、長手方向の一方の側(図17においては右側)におけるピン部24とフック部22(の内側面26)とが当接する。そうすると、第1側部突起14および第2側部突起15に、捩れを生じさせる力Ftにつり合う内部応力Rが生じ、芯金2の捩れ、つまり弾性クローラ1の過度の捩れが抑制される。そのため、芯金2,…,2が使用された弾性クローラ1は、捩れが原因となるクローラ式走行車両からの脱落が生じにくい。
芯金2が使用された弾性クローラ1における上記特長は、芯金2B,2C,2Dが使用された弾性クローラにも共通する。
芯金2が使用された弾性クローラ1における上記特長は、芯金2B,2C,2Dが使用された弾性クローラにも共通する。
図19は弾性クローラのクローラ式走行車両からの脱落試験方法を示す図である。
弾性クローラの脱落試験は、前方端に駆動スプロケット7、後方端にアイドラ8および複数の転輪9,…,9を有するクローラ式走行車両6に、芯金2,2B,2C,2Dのそれぞれ、および芯金2Dから外方第1側部突起14Dbを省いた芯金が埋設された弾性クローラ1、ならびに従来の芯金71が埋設された弾性クローラを装着したもので行った。なお、弾性クローラ1は、転輪9,…,9との間に10〜20mmのたるみを生じさせ、脱落を容易にして、クローラ式走行車両6に装着された。
弾性クローラの脱落試験は、前方端に駆動スプロケット7、後方端にアイドラ8および複数の転輪9,…,9を有するクローラ式走行車両6に、芯金2,2B,2C,2Dのそれぞれ、および芯金2Dから外方第1側部突起14Dbを省いた芯金が埋設された弾性クローラ1、ならびに従来の芯金71が埋設された弾性クローラを装着したもので行った。なお、弾性クローラ1は、転輪9,…,9との間に10〜20mmのたるみを生じさせ、脱落を容易にして、クローラ式走行車両6に装着された。
使用された弾性クローラ1は、いずれも幅が300mm、ピッチが52.5mmである。
脱落試験の評価は、クローラ式走行車両6に装着された左右1対の弾性クローラ1,1の一方を傾斜角45度の斜面に乗せた状態でクローラ式走行車両6を急旋回させ、弾性クローラ1,1の脱落の頻度を求めて行った。
脱落試験の結果は、従来の芯金71を使用した弾性クローラが、急旋回100回行ったときに8回脱落したのに対し、芯金2,2B,2C,2Dを使用した弾性クローラ1では、急旋回を100回行って1度も脱落が生じなかった。
脱落試験の評価は、クローラ式走行車両6に装着された左右1対の弾性クローラ1,1の一方を傾斜角45度の斜面に乗せた状態でクローラ式走行車両6を急旋回させ、弾性クローラ1,1の脱落の頻度を求めて行った。
脱落試験の結果は、従来の芯金71を使用した弾性クローラが、急旋回100回行ったときに8回脱落したのに対し、芯金2,2B,2C,2Dを使用した弾性クローラ1では、急旋回を100回行って1度も脱落が生じなかった。
また、この100回の旋回動作の中で、従来の芯金71を使用した弾性クローラは、芯金71の膨出部72,72と、隣り合う芯金71の膨出部73,73との間の脱臼が1回生じた。これに対し、芯金2,2B,2C,2Dを使用した弾性クローラ1では、脱臼は1度も生じなかった。
なお、「脱臼」とは、隣り合う芯金71,2,2B,2C,2Dの膨出部72,73の相互の収容(嵌め合い)状態、および第1側部突起14,14B等と第2側部突起15,15B,15Dとの相互の収容状態が崩れることをいう。
なお、「脱臼」とは、隣り合う芯金71,2,2B,2C,2Dの膨出部72,73の相互の収容(嵌め合い)状態、および第1側部突起14,14B等と第2側部突起15,15B,15Dとの相互の収容状態が崩れることをいう。
芯金2,2B,2C,2Dが使用された弾性クローラ1は、クローラ式走行車両の通常走行時に、周方向に隣り合う芯金2,2B,2C,2D同士の接触によるワイヤーライン(抗張体5)の奇形、異常テンションおよび(芯金2,2B,2C,2D同士の接触による)異音がなく、スムーズに駆け回る。
芯金2,2B,2C,2Dが使用された弾性クローラ1は、斜面旋回や急旋回によって脱輪に到るような横力が加わったときには、従来の芯金71のように横ズレ防止機構として働く。また、大きな石等を踏んだようなときには、第1側部突起14,14B、内方第1側部突起14Daおよび外方第1側部突起14Dbのフック部22,22a,22bと、第2側部突起15,15B,15Dのピン部24,24B,24Dと、が噛み合って、弾性クローラ1が逆ぞりしにくく、膨出した先端に応力が集中することが防止され、弾性クローラ1にクラックが入る不具合が起こらない。
芯金2,2B,2C,2Dが使用された弾性クローラ1は、斜面旋回や急旋回によって脱輪に到るような横力が加わったときには、従来の芯金71のように横ズレ防止機構として働く。また、大きな石等を踏んだようなときには、第1側部突起14,14B、内方第1側部突起14Daおよび外方第1側部突起14Dbのフック部22,22a,22bと、第2側部突起15,15B,15Dのピン部24,24B,24Dと、が噛み合って、弾性クローラ1が逆ぞりしにくく、膨出した先端に応力が集中することが防止され、弾性クローラ1にクラックが入る不具合が起こらない。
芯金2,2B,2C,2Dが使用された弾性クローラ1におけるフック部22,22a,22bとピン部24,24B,24Dとの噛み合いは、走行時に捻れが生じたときの内側突起13の整列の乱れを抑制し、転輪の内側突起13への乗り上げおよび乗り越しを防ぐ。また、弾性クローラ1の捩れに対して、フック部22,22a,22bとピン部24,24B,24Dとの噛み合いは、脱臼状に第1側部突起14,14B、内方第1側部突起14Daおよび外方第1側部突起14Dbと第2側部突起15,15B,15Dとの嵌め合わせが外れて元に戻らなくなるということがなく、クローラ式走行車両が走行不能状態にならない。
クローラ式走行車両の走行時に、万が一、抗張体5,5が切断しても、フック部22,22a,22bとピン部24,24B,24Dとが噛み合うことで、応急的な走行が可能になる。芯金2,2B,2C,2Dが使用された弾性クローラ1は、基本的な形状は従来の弾性クローラと変わらないので、極端な重量増加が起こらない。
上述の実施形態において、弾性クローラ1、および弾性クローラ1を形成する芯金2,2B,2C,2D等の各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
上述の実施形態において、弾性クローラ1、および弾性クローラ1を形成する芯金2,2B,2C,2D等の各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、土木用作業機、建設用作業機または農業用作業機等のクローラ式走行車両に装着される弾性クローラに利用することができる。
1 弾性クローラ
2,2B〜2D 芯金
14,14B 第1の側部突起(第1側部突起)
14Da 第1の側部突起(内方第1側部突起)
15,15B,15D 第2の側部突起(第2側部突起)
22,22a,22b フック部
24,24B,24D ピン部
2,2B〜2D 芯金
14,14B 第1の側部突起(第1側部突起)
14Da 第1の側部突起(内方第1側部突起)
15,15B,15D 第2の側部突起(第2側部突起)
22,22a,22b フック部
24,24B,24D ピン部
Claims (3)
- 弾性クローラ内に埋設される芯金であって、
前記弾性クローラ内に埋設されたときの前記弾性クローラの幅方向に所定の間隔を有して前記弾性クローラにおける周方向の一方の側に向けて突出する1対の第1の側部突起と、
前記弾性クローラ内に埋設されたときの前記幅方向に所定の間隔を有して前記周方向の他方の側に向けて突出する1対の第2の側部突起と、を有し、
前記第1の側部突起は、突出端に鈎状となったフック部を備え、
前記第2の側部突起は、前記幅方向の両側または片側に前記幅方向を軸心として軸が突出するピン部を備え、
前記1対の第1の側部突起についての前記所定の間隔が前記ピン部を除く前記1対の第2の側部突起を前記1対の第1の側部突起の間に収容可能なものであり、または前記ピン部を除く前記1対の第2の側部突起についての前記所定の間隔が前記1対の第1の側部突起を前記1対の第2の側部突起の間に収容可能なものであり、
前記1対の第1の側部突起の間に他の前記芯金の前記1対の第2の側部突起が収容されたとき、または前記1対の第2の側部突起の間に他の前記芯金の前記1対の第1の側部突起が収容されて前記弾性クローラ内に埋設されたときに、
前記フック部の鉤の内側に他の前記芯金の前記ピン部を収容して前記ピン部を係合可能であり、または前記ピン部が他の前記芯金の前記フック部の鉤の内側に収容されて係合され得るように形成された
ことを特徴とする芯金。 - 前記フック部の鉤が、
前記周方向に並べて前記弾性クローラ内に埋設されたときに前記弾性クローラの内周側となる側に開となるように設けられ、
前記周方向に隣り合う他の芯金における前記ピン部を前記内周側から収容して係合可能に形成された
請求項1に記載の芯金。 - 弾性体によるクローラ本体に複数の芯金が周方向に並べて埋設された弾性クローラであって、
前記芯金は請求項1または請求項2に記載の芯金であり、
埋設されて周方向に隣り合う一方の前記芯金の前記フック部の鉤の内側に隣り合う他方の前記芯金の前記ピン部が収容された
弾性クローラ。
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