JP4916359B2 - 弾性クローラ - Google Patents
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Description
この外ツバタイプの転輪を備えたクローラ式走行装置に採用される弾性クローラ(これを外レール方式の弾性クローラという)にあっては、脱輪防止突起のクローラ本体帯幅方向の外方側に位置し且つクローラ本体の内周側表面に露出するように芯金本体から延出していて転輪が通過するレール部を備えている。(特許文献1参照)。
また、旋回時等の走行時において、転輪がクローラ本体帯幅方向に位置ズレして、該転輪がレール部から外れる場合があり、この場合、転輪がレール部のクローラ本体帯幅方向の外方側のクローラ本体内周面上を走行することとなって、クローラ本体を構成するゴムが転輪と芯金本体との間に挟まれてピンチ状となり、クローラ本体を構成するゴムがえぐり取られ、該ゴムがえぐり取られた部分において芯金本体が露出することとなる。
また、バックホーの足回り(走行部)は弾性クローラと鉄シューとの履き替えができるように設計されているため、具体的には、図6(a)のF部に示すように、転輪4に鉄シューのブッシュを逃がすための逃がし部23が形成されているため、弾性クローラを装着した場合、芯金9の脱輪防止突起13と転輪との間のクリアランスが大きく、少し弾性クローラが捻れると転輪4の転動部分24が容易に芯金9のレール部14のクローラ本体帯幅方向Xの外方側を走行してしまうことがある(図6(b)参照)。
そこで、本発明は、前記問題点を解決して弾性クローラの耐久性を向上させることを目的とする。
前記レール部のクローラ本体帯幅方向の外方側に、芯金本体からクローラ本体の内周側に向けて延出し且つ弾性クローラ接地面からの高さがレール部の弾性クローラ接地面からの高さより低く形成されていて、転輪の左右一方側部分が左右一方側の脱輪防止突起に係合し且つ転輪の左右他方側部分がレール部からクローラ本体帯幅方向の外方側に外れるように該転輪がクローラ本体帯幅方向に位置ずれした際に該転輪の左右他方側部分を下側から支持可能な支持突起を設けたことを特徴とする。
また、他の技術的手段は、ゴム様弾性材によって無端帯状に形成されたクローラ本体に、周方向に間隔をおいて設けられた芯金を備え、この芯金は、クローラ本体内に埋設された芯金本体と、この芯金本体からクローラ本体の内周側に突出し且つクローラ本体の帯幅方向中央側に位置する脱輪防止突起と、この脱輪防止突起のクローラ本体帯幅方向の外方側に位置し且つクローラ本体の内周側表面に露出するように芯金本体から延出していて転輪が通過するレール部とを備えている弾性クローラにおいて、
前記レール部のクローラ本体帯幅方向の外方側に、芯金本体からクローラ本体の内周側に向けて延出していて、転輪がレール部からクローラ本体帯幅方向の外方側に外れた際に該転輪を支持可能な支持突起を設け、
前記支持突起の弾性クローラ接地面からの高さをレール部の弾性クローラ接地面からの高さと略同じ高さに設定したことを特徴とする。
また、支持突起の延出側の端面の面積を、レール部のクローラ本体帯幅方向の幅と、芯金本体のクローラ本体周方向の幅との積の、1/2以下とするのがよい。
図3において、1は建設機械や農業機械の走行部として採用されるクローラ式走行装置である。
このクローラ式走行装置1は、前後一側に配置されたスプロケット2と、前後他側に配置されたアイドラ3と、これらスプロケット2とアイドラ3との間に配置された複数の転輪4とをトラックフレーム5に左右方向の軸心回りに回転自在に支持すると共に、前記スプロケット2,アイドラ3及び複数の転輪4にわたって無端状の弾性クローラ6を巻き掛けることで主構成され、スプロケット2を回転駆動させることにより、該スプロケット2から弾性クローラ6に駆動力が伝達されて該弾性クローラ6が周方向Yに循環回走され、これにより前後方向に走行可能とされている。
図1及び図2に示すように、このクローラ本体7の外周側には、地面に接地するラグ8が周方向Yに間隔をおいて且つ全周にわたって設けられている。
なお、クローラ本体7内の芯金9より外周側には、周方向Y全周にわたるように埋設されたスチールコード等の抗張力コードを左右方向Xに多数本並べて配置してなる図示省略の抗張体が設けられている。
前記芯金9は、金属等の硬質材料によって形成されており、クローラ本体7内に埋設された芯金本体12と、この芯金本体12からクローラ本体7の内周側に突出する左右一対の脱輪防止突起13と、この左右の各脱輪防止突起13の左右方向X外方側(クローラ本体7の左右方向X中央部から左右方向Xの端部に向かう側)に位置する左右のレール部14と、この左右の各レール部14の左右方向X外方側に位置する支持突起15と、芯金本体12のクローラ本体周方向Y前後に設けられた左右一対の横規制突起16とを備えてなる。
左右の脱輪防止突起13は、芯金本体12の中央部17から突出していてクローラ本体7の左右方向X中央側に位置しており、この脱輪防止突起13に、転輪4,アイドラ3,スプロケット2が係合することにより弾性クローラ6の脱輪(弾性クローラ6の外れ)が防止される。
一方、転輪4は、左右の両脱輪防止突起13を跨いで配置されて、左右の各脱輪防止突起13の左右方向X外方側を走行する外ツバタイプの転輪4(図6(a)参照)が採用され、そして、前記レール部14のクローラ本体7内周側の端面が前記転輪4が走行する(通過する)転輪転動面19とされ、この転輪転動面19は平坦状に形成されている。
左右の横規制突起16は、芯金本体12の左右方向X中央側に位置しており、クローラ本体周方向Y前後一方の左右横規制突起16の左右間隔が、他方の左右横規制突起16の左右間隔よりも広くなるように形成されていて、クローラ本体周方向Yで隣接する一方の芯金9の横規制突起16が、他方の芯金9の横規制突起16と左右方向Xで隣接するように設けられており、該横規制突起16によってクローラ本体周方向Yで隣接する芯金9相互の左右方向Xの移動規制がなされる。
以下の説明において、支持突起15、クローラ本体7の内周側表面及びレール部14の高さH1,H2,H3とは、弾性クローラ接地面(即ちラグ8の接地面)20からの高さのことをいい、以下、単に高さという。
支持突起15の頂部21をクローラ本体7の内周側表面から露出させると、クローラ本体7を構成するゴム中に埋設される芯金9の面積が低下してしまう為、芯金9の接着性という面を考えると、図4(a)に示すように支持突起15の頂部21をクローラ本体7の内周側表面から数ミリ埋設させることが有利となるが、あまり深く埋設するとピンチ状態に対する対策の効果が薄れてしまう。
換言すると、支持突起15の頂部21をクローラ本体7の内周側表面からゴムの内側に(クローラ本体7の外周側に)3mmまでの距離の範囲内に位置させるのが好ましい(支持突起15の頂部21とクローラ本体7の内周側表面との間のゴムゲージが3mm以下)。
そこで、支持突起15をクローラ本体7の内周側表面から突出させる場合は、図4(b)に示すように、支持突起15の高さH1を、レール部14の高さH3と略同高さにするのがよい。
また、支持突起15の大きさは、大きく、しかもレール部14に近い程、ピンチ状態回避の効果はあるが、支持突起15の頂部21がクローラ本体7の内周側表面から露出している場合、支持突起15が大きいと、ゴム中に埋設される芯金9の面積が少なくなり(露出されなくても、支持突起15が大きくなることにより、芯金9のゴム中での保持力は低下する)、芯金9の錆の発生が起こりやすくなる。
S≦BC/2 …… (1)
とするのがよい。
また、図1、2において、1つのレール部14に対して支持突起15を1つ設けた場合を例示したが、これに限定されることはなく、1つのレール部14に対して支持突起15を複数個設けてもよく、この1つのレール部14に対して支持突起15を複数個設ける場合は、前記(1)式におけるS(突起の頂部21の面積)は、複数の支持突起15の頂部21の面積の総和とする。
7 クローラ本体
9 芯金
12 芯金本体
13 脱輪防止突起
14 レール部
15 支持突起
20 弾性クローラ接地面(ラグの接地面)
A レール部と支持突起との間のクローラ本体帯幅方向の距離
B レール部のクローラ本体帯幅方向の幅
C 芯金本体のクローラ本体周方向の幅
H1 支持突起の高さ
H2 クローラ本体の内周側表面の高さ
H3 レール部の高さ
S 支持突起の延出側の端面の面積
X クローラ本体帯幅方向(左右方向)
Y クローラ本体周方向
Claims (5)
- ゴム様弾性材によって無端帯状に形成されたクローラ本体(7)に、周方向(Y)に間隔をおいて設けられた芯金(9)を備え、この芯金(9)は、クローラ本体(7)内に埋設された芯金本体(12)と、この芯金本体(12)からクローラ本体(7)の内周側に突出し且つクローラ本体(7)の帯幅方向(X)中央側に位置する左右一対の脱輪防止突起(13)と、左右各脱輪防止突起(13)のクローラ本体帯幅方向(X)の外方側にそれぞれ位置し且つクローラ本体(7)の内周側表面に露出するように芯金本体(12)から延出していて左右の両脱輪防止突起(13)を跨いで配置される転輪(4)が通過するレール部(14)とを備えている弾性クローラにおいて、
前記レール部(14)のクローラ本体帯幅方向(X)の外方側に、芯金本体(12)からクローラ本体(7)の内周側に向けて延出し且つ弾性クローラ接地面(20)からの高さ(H1)がレール部(14)の弾性クローラ接地面(20)からの高さ(H3)より低く形成されていて、転輪(4)の左右一方側部分が左右一方側の脱輪防止突起(13)に係合し且つ転輪(4)の左右他方側部分がレール部(14)からクローラ本体帯幅方向(X)の外方側に外れるように該転輪(4)がクローラ本体帯幅方向(X)に位置ずれした際に該転輪(4)の左右他方側部分を下側から支持可能な支持突起(15)を設けたことを特徴とする弾性クローラ。 - 前記支持突起(15)の弾性クローラ接地面(20)からの高さ(H1)を、クローラ本体(7)の内周側表面の弾性クローラ接地面(20)からの高さ(H2)と略同じ高さか、又は該クローラ本体(7)の内周側表面の高さ(H2)より、3mm以内で低い高さに設定したことを特徴とする請求項1に記載の弾性クローラ。
- ゴム様弾性材によって無端帯状に形成されたクローラ本体(7)に、周方向(Y)に間隔をおいて設けられた芯金(9)を備え、この芯金(9)は、クローラ本体(7)内に埋設された芯金本体(12)と、この芯金本体(12)からクローラ本体(7)の内周側に突出し且つクローラ本体(7)の帯幅方向(X)中央側に位置する脱輪防止突起(13)と、この脱輪防止突起(13)のクローラ本体帯幅方向(X)の外方側に位置し且つクローラ本体(7)の内周側表面に露出するように芯金本体(12)から延出していて転輪(4)が通過するレール部(14)とを備えている弾性クローラにおいて、
前記レール部(14)のクローラ本体帯幅方向(X)の外方側に、芯金本体(12)からクローラ本体(7)の内周側に向けて延出していて、転輪(4)がレール部(14)からクローラ本体帯幅方向(X)の外方側に外れた際に該転輪(4)を支持可能な支持突起(15)を設け、
前記支持突起(15)の弾性クローラ接地面(20)からの高さ(H1)をレール部(14)の弾性クローラ接地面(20)からの高さ(H3)と略同じ高さに設定したことを特徴とする請求項1に記載の弾性クローラ。 - 前記レール部(14)と支持突起(15)との間のクローラ本体帯幅方向(X)の距離(A)を、レール部(14)のクローラ本体帯幅方向(X)の幅(B)以下としたことを特徴とする請求項1,2又は3に記載の弾性クローラ。
- 前記支持突起(15)の延出側の端面(21)の面積(S)を、レール部(14)のクローラ本体帯幅方向(X)の幅(B)と、芯金本体(12)のクローラ本体周方向(Y)の幅(C)との積の、1/2以下としたことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の弾性クローラ。
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