JP2010206220A - エピタキシャルウェーハ - Google Patents

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政幸 篠原
Atsushi Ikeda
淳 池田
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Abstract

【課題】更なる光出力の向上と良好なオーミック電極の形成を可能にする最適なp型層の構造を有するエピタキシャルウェーハを提供する。
【解決手段】少なくとも、基板と、該基板上にエピタキシャル成長によって形成されたn型層および該n型層上にp型層とを有するエピタキシャルウェーハにおいて、前記n型層および前記p型層はGaAsPまたはGaPであり、前記p型層は少なくとも第1p型層と該第1p型層より上に第2p型層とを有し、前記第1p型層のキャリア濃度は5×1016〜3×1017/cm、前記第2p型層のキャリア濃度は7×1018〜3×1019/cmであり、かつ前記n型層および前記p型層のシリコン濃度は1×1014〜1.5×1015/cmであることを特徴とするエピタキシャルウェーハ。
【選択図】図1

Description

本発明はエピタキシャルウェーハに関し、具体的には、発光ダイオード(以下、LEDと言う)用の半導体エピタキシャルウェーハに関する。
近年、化合物半導体が光半導体素子材料として多く利用されている。そして、この半導体材料としては、単結晶基板上に所望の半導体結晶の層をエピタキシャル成長したものを用いている。これは、現在入手可能なもので基板として用いられる結晶は、欠陥が多く、純度も低いため、そのまま発光素子として使用することが困難なためであり、そのため、基板上に所望の発光波長を得るための組成の層をエピタキシャル成長させている。主としてこのエピタキシャル成長層は、3元混晶層が用いられている。そしてエピタキシャル成長は、通常、気相成長ないし液相成長法が使用されている。気相成長法では、石英製のリアクター内にグラファイト製、または石英製のホルダーを配置して基板を保持し、原料ガスを流し加熱する方法によってエピタキシャル成長を行っている。
III−V族化合物半導体は、可視光、赤外の波長に相当するバンドギャップを有するため、発光素子への応用がなされている。その中でも、GaAsP、GaPは特にLED材料として広く用いられている。
GaAs1−xを例にとって説明すると、GaAs1−x(0.45<x<1)は伝導電子を捕獲するアイソ・エレクトロニック・トラップとして窒素(N)をドープすることにより、発光ダイオードとしての光出力を10倍程度向上させることができる。そのため、通常、GaP基板上に成長したGaAs1−x(0.45<x<1)には窒素をドープする。
図5にGaAsPエピタキシャルウェーハの従来の構成例を示す。気相成長法では、反応器中に原料ガスを流し、n型のGaP基板21上にn型エピタキシャル層22を成長させる。この場合、基板とエピタキシャル層の格子定数の違いによる格子歪が発生しないように、組成を段階的に変化させた組成変化GaAsP層22aを中間層として設けて一定組成GaAsP層22b、アイソ・エレクトロニック・トラップとして窒素(N)をドープした一定組成NドープGaAsP層22cを形成する。その後の加工工程で熱拡散により高濃度に亜鉛を拡散させて、エピタキシャル層表面に4〜10μm程度のp型層23を形成する。これにより良好なオーミック接触を安定に得ることができる。
ここで、熱拡散法は一度に数十〜百枚程度のエピタキシャルウェーハを一度に処理でき、コスト的に有利なため、一般には、気相成長法によりn型の層だけ成長したあとで熱拡散法によりp型層を形成している。
これにより安定的にLEDを得ることができるが、pn接合部のp型層のキャリア濃度が高くなりすぎて光吸収が増加し、LEDの光出力の低下をまねいてしまう。また、pn接合部が熱ダメージを受けてエピタキシャル層の結晶の品質が低下してしまう。著しく拡散温度を低くすればこれらの問題は解決するものの、p型層の厚さが薄くなりすぎ、表面のキャリア濃度の低下により良好なオーミック接触を得にくい。
そこで、p型層を第1p型層と第2p型層の2層からなる構造とし、かつ第1p型層のキャリア濃度を5×1017〜5×1018/cm3、第2p型層のキャリア濃度を5×1018/cm以上として第2p型層の表面に電極を形成させることによって、良好なオーミック接触とLEDの光出力の向上を実現しようというエピタキシャルウェーハが開示されている(特許文献1参照)。また、第1p型層のキャリア濃度を5×1016〜2.2×1018/cm3、第2p型層のキャリア濃度を5×1017〜4.5×1018/cm、かつ(第2p型層のキャリア濃度)≧2×(第1p型層のキャリア濃度)としたエピタキシャルウェーハも開示されている(特許文献2参照)。
特許第3143040号公報 特開2001−36136号公報
本発明は、上述のエピタキシャルウェーハに比べて、更なる光出力の向上と良好なオーミック電極の形成を可能にする最適なp型層の構造を有するエピタキシャルウェーハを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、少なくとも、基板と、該基板上にエピタキシャル成長によって形成されたn型層および該n型層上にp型層とを有するエピタキシャルウェーハにおいて、前記n型層および前記p型層はGaAsPまたはGaPであり、前記p型層は少なくとも第1p型層と該第1p型層より上に第2p型層とを有し、前記第1p型層のキャリア濃度は5×1016〜3×1017/cm、前記第2p型層のキャリア濃度は7×1018〜3×1019/cmであることを特徴とするエピタキシャルウェーハを提供する。
このように、本発明では少なくとも第1p型層と第2p型層とからなるp型層とn型層とを有するエピタキシャルウェーハの第1p型層のキャリア濃度を5×1016〜3×1017/cm、第2p型層のキャリア濃度を7×1018〜3×1019/cmとする。
第1p型層のキャリア濃度を上述の範囲とすることによって、より高い光出力を得るのに最適なpn接合面を形成することができ、よって従来に比べて光出力を向上させることができる。
また第2p型層のキャリア濃度を上述の範囲とするによって、表面のキャリア濃度の低下を抑制することができるため、良好なオーミック電極を安定して形成することができる。よって、LEDとした時の順方向電圧のバラツキの発生や増加を抑制することができる。また光吸収が増加することを抑制することができるキャリア濃度範囲とすることができるため、光出力を向上させたエピタキシャルウェーハとすることができる。
また、前記p型層は、前記第1p型層と前記第2p型層の間に第3p型層を有し、該第3p型層のキャリア濃度は3×1017〜1×1018/cmとすることが好ましい。
このように、第1p型層と第2p型層の間に、キャリア濃度が上述の範囲である第3p型層を設けることによって、p型層内のキャリア濃度分布を、光出力がより向上させることができる分布とすることができ、よってLEDとしたときに光出力をより向上させることができる。
また、前記n型層および前記p型層のシリコン濃度は1×1014〜1.5×1015/cmとすることが好ましい。
このように、不純物となるシリコン濃度を上述の範囲とすることによって、キャリアのライフタイム(寿命)を向上させることができ、また発光輝度の低下を抑制することができ、よってより高品質なLEDとすることのできるエピタキシャルウェーハとすることができる。
また、前記第1p型層は、前記基板側から表面側に徐々にキャリア濃度が5×1016〜3×1017/cmの濃度範囲で上昇する濃度分布を有することが好ましい。
このように、第1p型層のキャリア濃度を急激に上昇させるのではなく、5×1016〜3×1017/cmの濃度範囲で徐々に上昇させることによって、格子定数の違いに起因する格子歪みが発生することをより抑制させることによって、第1p型層の結晶性が低下することを抑制することができ、よって製造歩留りを向上させることができる。
また、前記第1p型層の層厚が、4〜50μmであることが好ましい。
このように第1p型層の層厚を4〜50μmの範囲内とすることによって、LEDとしたときに電流拡散層を十分に確保することができ、よって、電流が十分に広がるため、光出力を更に増大させることができる。
また、前記n型層および前記p型層は、GaAs1−x(0.45<x<1)であり、かつ前記基板はGaPとすることができる。
このように、本発明のエピタキシャルウェーハでは、光出力を従来に比べて向上させることのできるキャリア濃度分布構造となっているため、n型層やp型層として従来から用いられている上述のような組成のGaAsPとすることができ、また基板をGaPとすることができ、利用価値が高い。
また、前記n型層と前記p型層のうち、少なくとも一方に窒素がドープされていることが好ましい。
このように、n型層とp型層のうち少なくとも一方に、伝導電子を捕獲するアイソ・エレクトロニック・トラップとして窒素をドープすることによって、発光ダイオードとしての光出力を10倍程度向上することができるエピタキシャルウェーハとすることができる。
また、前記p型層のp型ドーパントが、亜鉛またはマグネシウム、またはその両方であることとすることができる。
p型ドーパントとして亜鉛、マグネシウム等が挙げられるが、例えばジメチル亜鉛(DMZn)などの有機金属化合物を反応器内に供給することができる。そして高濃度のキャリア濃度を得ることができ、気相成長だけで本発明のキャリア濃度と層厚の構成を実現できる。
また、前記n型層および前記p型層が、ハイドライド法によって形成されたものとすることが好ましい。
このように、量産性に富むハイドライド法によってn型層およびp型層が形成されたエピタキシャルウェーハとすることで、高純度・高品質のn型層およびp型層を有するエピタキシャルウェーハを得ることができる。
以上説明したように、本発明のエピタキシャルウェーハは、pn接合を有するエピタキシャルウェーハのp型層を少なくとも2段階のキャリア濃度をもつ構造としたため、pn接合側のキャリア濃度を抑制することによって高い光出力を得ることができる。また、表面側(第2p型層側)のキャリア濃度を高くすることによって良好なオーミック接触を得ることができる濃度範囲とすることができ、以上のことから、LEDとしたときに光出力の強いものとすることができる。
本発明のエピタキシャルウェーハの構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施例と比較例のエピタキシャルウェーハをLEDにした際の第1p型層のキャリア濃度に対する光出力を評価した時の図である。 本発明の実施例と比較例のエピタキシャルウェーハの表面の電極に電圧を印加した時の電流との関係を示した図である。 実施例におけるエピタキシャルウェーハをLEDにした際の発光時間に対する残光率の関係を示したである。 従来のエピタキシャルウェーハの構成の一例を示す概略図である。
以下、本発明についてより具体的に説明する。
前述のように、従来に比べて更なる光出力の向上と良好なオーミック電極の形成を可能にする最適なp型層の構造を有するエピタキシャルウェーハの開発が待たれていた。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、LEDの特性を決定する最も大きな要因であるキャリア濃度を最適化することで、良好なオーミック接触を安定に実現でき、かつ、従来よりもLEDの光出力が30%以上向上することを発見し、本発明を完成させた。
以下、本発明について図1を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は本発明のエピタキシャルウェーハの構成の一例を示した概略図である。
図1において、エピタキシャルウェーハ10は、少なくとも基板11と、該基板11上にエピタキシャル成長によって形成されたn型層12と、該n型層12上のp型層13とを有している。そしてn型層12とp型層13は、GaAsPまたはGaPからなっており、またp型層13は少なくとも第1p型層13aと、該第1p型層13aより上の第2p型層13bとを有している。第1p型層13aのキャリア濃度は5×1016〜3×1017/cmの範囲であり、第2p型層13bのキャリア濃度は7×1018〜3×1019/cmとなっている。
また、n型層12は、少なくとも組成変化層12a、一定組成層12b、窒素濃度増加層12c、窒素濃度一定層12dから構成されるものである。
このように、n型層と少なくとも第1p型層と第2p型層とからなるp型層とを有するエピタキシャルウェーハにおいて、第1p型層のキャリア濃度を5×1016〜3×1017/cm、第2p型層のキャリア濃度を7×1018〜3×1019/cmとする。
第1p型層13aのキャリア濃度を5×1016〜3×1017/cmとすることによって、より高い光出力を得ることのできるpn接合面を得ることができるため、LEDとしたときの発光強度を従来に比べて強くすることができる。第1p型層13aのキャリア濃度が5×1016/cmより小さい、もしくは3×1017/cmより大きい場合は、発光強度を十分に強くすることができないため、第1p型層13aのキャリア濃度は、上述の範囲とする。
また、第2p型層13bのキャリア濃度を7×1018〜3×1019/cmとすることによって、電極を形成した際に良好なオーミック接触を得ることができる。第2p型層13bのキャリア濃度が7×1018/cmより小さい場合、良好なオーミック接触を得ることができなく、また3×1019/cmより大きい場合は、エピタキシャルウェーハの作製が困難となるため、第2p型層13bのキャリア濃度は上述の範囲とする。
基板11は、少なくとも単結晶基板11aと基板バッファー層11bという構造とすることが望ましい。このような構造で有れば、該基板11上にn型層12をエピタキシャル成長法によって形成する際に、基板11とn型層12の組成が異なるために、格子定数の違いによる結晶欠陥が導入されることを抑制することができる。
ここで、図1(B)のようにp型層13の第1p型層13aと第2p型層13bの間に、キャリア濃度が3×1017〜1×1018/cmの第3p型層13cを有するものとすることができる。
このように、第1p型層と第2p型層の間に、キャリア濃度が3×1017〜1×1018/cmの範囲である第3p型層を設けることによって、p型層内のキャリア濃度分布を、光出力がより向上させることができる分布とすることができ、よってLEDとした時に光出力を向上させることができる。
また、n型層12とp型層13のシリコン濃度が1×1014〜1.5×1015/cmの範囲とすることができる。
このように、不純物となるシリコン濃度を上述の範囲とすることによって、キャリアのライフタイム(寿命)を向上させることができる。また、発光輝度の低下を抑制することができ、よってより高品質・長寿命なLEDとすることのできるエピタキシャルウェーハとすることができる。
このシリコン濃度を上記範囲のようにする方法については、例えば特開2002−255696号公報にあるように、反応容器内に導入するHClガスの水分量を導入直前段階において5ppm以下にすることなどが挙げられる。
更に、第1p型層13aは、基板11側からエピタキシャルウェーハ10の表面側に向けて徐々にキャリア濃度が5×1016〜3×1017/cmの濃度範囲で上昇する濃度分布を有することができる。
このように、第1p型層のキャリア濃度を急激に上昇させるのではなく、徐々に上昇させることによって、格子定数の違いに起因する格子歪みが発生することをより抑制させることによって、第1p型層の結晶性が低下することを抑制し、光出力を更に向上させることができる。
そして、第1p型層13aの層厚は、4〜50μmの範囲とすることができる。
このように第1p型層の層厚を4〜50μmの範囲内とすることによって、LEDとしたときに電流が十分に広がるため、光出力を更に増大させることができる。
そして、n型層12とp型層13は、GaAs1−x(0.45<x<1)であり、かつ基板11はGaPからなるものとすることができる。
このように、本発明のエピタキシャルウェーハでは、光出力を従来に比べて向上させることのできるキャリア濃度分布構造となっており、その他の構成は従来と同じにすることができるため、n型層やp型層として上述のような組成のGaAsPとすることができ、また基板をGaPとすることができる。従って、簡単な構成で高品質とすることが出来る。
また、n型層12およびp型層13のうち、少なくとも一方に窒素がドープされていることとすることができる。
このように、n型層とp型層のうち少なくとも一方に、伝導電子を捕獲するアイソ・エレクトロニック・トラップとして窒素をドープすることによって、発光ダイオードとしての光出力を10倍程度向上することができるエピタキシャルウェーハとすることができる。
更に、p型層13のp型ドーパントが、亜鉛又はマグネシウム、又はその両方であることとすることができる。
p型ドーパントとしては特に限定されないが、亜鉛、マグネシウム等が挙げられる。例えばジメチル亜鉛(DMZn)等の有機金属化合物を反応器内に供給することでドープすることができる。そして高濃度のキャリア濃度を得ることができ、気相成長だけで本発明のキャリア濃度と層厚の構成を実現できる。
n型層12およびp型層13は、ハイドライド法によって形成されたものとすることができる。
気相成長法は、有機金属気相法(MO−CVD)、分子線エピタキシャル法(MBE)、ハロゲン輸送法などでも有効であるが、特にハイドライド法が量産性に富み、高純度の結晶を得られることから好ましい。
このように、本発明のエピタキシャルウェーハによれば、pn接合を有するエピタキシャルウェーハのp型層を少なくとも2段階のキャリア濃度をもつ構造としたため、pn接合側のキャリア濃度を抑制することによって高い光出力を得ることができる。また、表面側(第2p型層側)のキャリア濃度を高くすることによって良好なオーミック接触を得ることができ、以上のことから、LEDとしたときに光出力の強いものとすることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
GaP基板および高純度ガリウム(Ga)を、Ga溜め用石英ボート付きのエピタキシャル・リアクター内の所定の場所に、それぞれ設置した。GaP基板はテルル(Te)が3〜10×1017/cm添加され、直径50mmの円形で、(100)面から〔011〕方向に10°偏位した面をもつGaP基板を用い、これらを同時にホルダー上に配置し、ホルダーは毎分3回転させた。次に、窒素(N)ガスを該リアクター内に20分間導入し、空気を十分置換除去した後、キャリヤ・ガスとして高純度水素(H)を毎分6500sccm導入し、Nの流れを止め昇温工程に入った。上記Ga入り石英ボート設置部分およびGaP単結晶基板設置部分の温度が、それぞれ800℃および930℃一定に保持されていることを確認した後、尖頭発光波長585±10nmのGaAs1−xエピタキシャル膜の気相成長を開始した。
最初、濃度50ppmに水素ガスで希釈したn型不純物である硫化水素ガス(HS)を毎分328sccm導入し、周期律表第III族元素成分原料としてのGaClを毎分118sccm生成させるため、高純度塩化水素ガス(HCl)を上記石英ボート中のGa溜に毎分118sccm吹き込み、Ga溜上表面より吹き出させた。他方、周期律表第V族元素成分として、高純度りん化水素ガス(PH)を毎分49sccm導入しつつ、45分間にわたり、第1層であるGaPバッファー層をGaP単結晶基板上に成長させた。
次に、HClの導入量を変えることなく、高純度ひ化水素ガス(AsH)の導入量を毎分0sccmから毎分4.7sccmまで徐々に増加させ、また同時にHSの導入量を毎分191sccmに、PHの導入量を毎分47sccmに減少させて、42分間にわたり第2のGaAs1−xエピタキシャル層を第1のGaPバッファー層上に成長させた(n型層−組成変化層)。
次に、HCl、AsH、PHの導入量を変えることなく、HSの導入量を毎分191sccmから毎分65sccmまで徐々に減少させて、32分間にわたり第3のGaAs1−xエピタキシャル層を第2のGaAs1−xエピタキシャル層上に成長させた(n型層−組成一定層)。
次の30分間は、HCl、PH、AsHの導入量を変えることなく、これに窒素アイソ・エレクトロニック・トラップ添加用として毎分161sccmまで導入量を漸増させて高純度アンモニアガス(NH)を導入して、また同時にHSガスの導入をやめてから、第4のGaAs1−xエピタキシャル層を第3のGaAs1−xエピタキシャル層上に成長させた(n型層−窒素濃度増加層)。このときの窒素ドープ量は3×1018/cmであった。
次の30分間はHCl、PH、AsH、NHの量を変えることなく導入しながら、第5のGaAs1−xエピタキシャル層を第4のGaAs1−xエピタキシャル層上に成長させた(n型層−窒素濃度一定組成層)。
そして、次の40分間はHCl、PH、AsH、NHの量を変えることなく、Hガスによって0.4%に希釈したDMZnガスをp型ドーパントとして毎分1.7sccm導入して、第6のp型のGaAs1−xエピタキシャル層を第5のGaAs1−xエピタキシャル層上に成長させた(第1p型層)。
そして、最後の30分間はHCl、PH、AsHの量を変えることなく、DMZnガスの導入量を毎分200sccmにし、かつNHの導入をやめた状態で、第7のp型のGaAs1−xエピタキシャル層を第6のGaAs1−xエピタキシャル層上に成長させ、気相成長を終了した(第2p型層)。
第1p型層、第2p型層の膜厚はそれぞれ6μm、4μmであった。
また、p型層のキャリア濃度は第1p型層は2.3×1017/cm、第2p型層は2×1019/cmであった。
作製したエピタキシャルウェーハについて、それぞれ以下のような評価を行った。
まず、作製したエピタキシャルウェーハのp型層中のキャリア濃度を評価するため、次のような評価を行った。
作製したエピタキシャルウェーハの中心部分から1cm角程度のChipを切り出し、SEMにてp型層の厚さを測定した。その後、切り出したChipの四隅に電極を取り付け、Hall測定によってキャリア濃度を測定した。また、オーミック性の評価行うため、電気的特性曲線を作成した。
次に光出力の評価のため、以下のような手順の評価を行った。
作製したエピタキシャルウェーハを取り出し、裏面ラップを行った。その後、ウェーハ裏面にn型電極を形成し、表面のエピ層にp型電極を形成した。そして、300μmピッチでChipサイズにカットした。その後、ウェーハの外周側から5mm付近(OF部及び反OF部)と、ウェーハ中心部の3箇所から2個ずつ計6個Chipを取り出した。取り出したChipからランプを作製した。その後、室温、通常湿度状態で作製したランプに直流電流20mAを流した時の全方位光出力を積分球にて測定した。また、残光率の測定は、全方位光出力の測定が終了したランプに室温、通常湿度状態にて直流電流95mAを流し、所定の時間経過後、直流電流20mAを流したときの全方位光出力を積分球にて測定し、先の作製直後の時の値と比較することによって行った。
(実施例2−4、比較例1−3)
実施例1において、第1p型層のキャリア濃度が、各々5×1016/cm(実施例2)、1.5×1017/cm(実施例3)、3×1017/cm(実施例4)、6×1017/cm(比較例1)、3×1016/cm(比較例2)、1×1018/cm(比較例3)となるようにDMZnガスの導入量を調整して第1p型層の形成を行った以外は実施例1と同様の条件でエピタキシャルウェーハの作製を行い、同様の評価を行った。このとき各々のエピタキシャルウェーハの光出力の評価を行った結果を図2に示す。
図2に示すように、第1p型層のキャリア濃度が5×1016〜3×1017/cmの各々実施例2−4のエピタキシャルウェーハをLEDにした際の発光強度はいずれも0.04mWを超えており、従来の範囲である比較例1(0.035mW)や比較例3(0.027mW)に比べて大きな発光強度となった。また、キャリア濃度が3×1016/cmである比較例2の発光強度(0.035mW)では、該層のキャリア濃度が低いためにLEDとしたときの発光強度が弱くなることが分かった。
(実施例5、6、7、比較例4)
実施例1において、第2p型層のキャリア濃度が、各々1×1019/cm(実施例5)、7×1018/cm(実施例6)、3×1019/cm(実施例7)、5×1018/cm(比較例4)となるようにDMZnガスの導入量を調整して第2p型層の形成を行った以外は実施例1と同様の条件でエピタキシャルウェーハの作製を行い、同様の評価を行った。このとき各々のエピタキシャルウェーハの電気的特性曲線を図3に示す。
このように、第2p型層のキャリア濃度を7×1018〜3×1019/cmの範囲とすることによって、LEDとした際に、良好なオーミック電極を安定して形成することができることが分かった。これに対し、上記の範囲外である比較例4では、良好なオーミック電極が作製できなかったことが分かった。
(実施例8)
実施例1において、第1p型層を形成する際に導入するDMZnガスの導入量を毎分0.8sccmから毎分4sccmまで増加させて39分間エピタキシャル成長を行った。その後第2p型層を形成する前に、DMZnガスの導入量を毎分4sccmに固定した状態で、40分間エピタキシャル成長によって第3p型層を形成した。その後、導入するDMZnガスを毎分4sccmから毎分200sccmまで増加させて40分間、第2p型層を形成した以外は実施例1と同様の条件でエピタキシャルウェーハを作製し、同様の評価を行った。
この実施例8のp型層のキャリア濃度は、第1p型層は1×1017/cm、第2p型層は2×1019/cm、第3p型層は5×1017/cmであった。また各層の厚さは、第1p型層が3μm、第2p型層が4μm、第3p型層が10μmであった。
この実施例8のエピタキシャルウェーハをLEDにした際のchip出力は0.067(mW)であり、実施例1のエピタキシャルウェーハと比べて約1.4倍、従来のエピタキシャルウェーハである比較例1とは約1.9倍になっており、第1p型層と第2p型層の間に第3p型層を設けることによってLEDにした際の光出力を更に向上させることができることが分かった。
また、実施例1および実施例8のエピタキシャルウェーハをLEDにした際の発光時間に対する残光率の関係を示した図を図4に示す。
このように実施例1、実施例8のエピタキシャルウェーハを用いたLEDは、共に発光時間が150時間を越えても発光強度は発光開始時とほとんど変わらずむしろ若干増加していることが分かった。よって、本発明のエピタキシャルウェーハによれば、長時間の使用にも耐えうる高品質のLEDとすることができることが分かった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…エピタキシャルウェーハ、 11…基板、 11a…単結晶基板、 11b…基板バッファー層、 12…n型層、 12a…組成変化層、 12b…一定組成層、 12c…窒素濃度増加層、 12d…窒素濃度一定層、 13…p型層、 13a…第1p型層、 13b…第2p型層、 13c…第3p型層、
21…GaP基板、 22…n型層、 22a…組成変化GaAsP層、 22b…一定組成GaAsP層、 22c…一定組成NドープGaAsP層、 23…p型層。

Claims (8)

  1. 少なくとも、基板と、該基板上にエピタキシャル成長によって形成されたn型層および該n型層上にp型層とを有するエピタキシャルウェーハにおいて、
    前記n型層および前記p型層はGaAsPまたはGaPであり、前記p型層は少なくとも第1p型層と該第1p型層より上に第2p型層とを有し、
    前記第1p型層のキャリア濃度は5×1016〜3×1017/cm、前記第2p型層のキャリア濃度は7×1018〜3×1019/cmであり、かつ前記n型層および前記p型層のシリコン濃度は1×1014〜1.5×1015/cmであることを特徴とするエピタキシャルウェーハ。
  2. 前記p型層は、前記第1p型層と前記第2p型層の間に第3p型層を有し、該第3p型層のキャリア濃度は3×1017〜1×1018/cmであることを特徴とする請求項1に記載のエピタキシャルウェーハ。
  3. 前記第1p型層は、前記基板側から表面側に徐々にキャリア濃度が5×1016〜3×1017/cmの濃度範囲で上昇する濃度分布を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエピタキシャルウェーハ。
  4. 前記第1p型層の層厚が、4〜50μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハ。
  5. 前記n型層および前記p型層は、GaAs1−x(0.45<x<1)であり、かつ前記基板はGaPであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハ。
  6. 前記n型層と前記p型層のうち、少なくとも一方に窒素がドープされていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハにおいて、前記p型層のp型ドーパントが、亜鉛またはマグネシウム、またはその両方であることを特徴とするエピタキシャルウェーハ。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハは、前記n型層および前記p型層が、ハイドライド法によって形成されたものであることを特徴とするエピタキシャルウェーハ。
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