JP3525704B2 - りん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ及び発光ダイオード - Google Patents

りん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ及び発光ダイオード

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はりん化ひ化エピタキ
シャルウエハ及び発光ダイオード(以下「LED」)に
存する。
【0002】
【従来の技術】半導体結晶を構成材料とするLEDは表
示用素子として現在幅広く用いられており、その中でも
III−V族化合物半導体はそのほとんどの材料として用
いられている。III−V族化合物半導体は可視光、赤外
光の波長に相当するバンドギャップを有するため、発光
素子への応用がなされてきた。その中でもGaAsPは
LED用として需要は大きく、LEDの特性として発光
出力と寿命が最も重要であり、この品質の向上が要求さ
れてきた。
【0003】GaAs1-xx(0.45≦x≦1)を発
光層とするLEDは、発光効率を上げるため、アイソエ
レクトロニックトラップとして窒素(N)をドープして
光出力を向上させている。一般には石英製のリアクタを
用いた気相成長法により、N型の層だけ成長した後に、
発光層表面に亜鉛を拡散してP型の層を形成してPN接
合を形成し、これにより安定にLEDを得るようにして
いる。
【0004】図2にGaAsPエピタキシャルウエハの
一般的な構造を示す。例として単結晶基板がGaPであ
る場合で説明する。図2においてN型のGaP単結晶基
板20上に、基板と同一組成のホモ層24、基板と最上
層の格子定数の差を緩和するために混晶比xを連続的に
1.0〜x0まで変化させたGaAs1-xxグレード組
成層21、GaAs1-x0x0一定組成層22、窒素をド
ープしたGaAs1-x0x0低キャリア濃度一定組成層2
3を順次エピタキシャル成長した構造からなっている。
エピタキシャルウエハの最上層である低キャリア濃度一
定組成層23は発光層となり、LEDの発光波長を得る
ための一定組成x0をもち、窒素と、N型のドーパント
であるテルル(Te)又は硫黄(S)を所定のキャリア
濃度になるようにドープしている。通常は赤色発光(波
長640nm)用としては、x0=約0.60である。
窒素(N)はGaAsP中にドープされると発光センタ
ーとなるアイソエレクトロニックトラップとなる。アイ
ソエレクトロニックトラップは電気的には不活性でキャ
リア濃度には寄与しない。発光層に窒素をドープするこ
とで発光効率を約10倍高めている。
【0005】この様に、N型の単結晶基板上にN型のエ
ピタキシャル層を形成してなるGaAsPエピタキシャ
ルウエハをLEDとするためには、まず、PN接合を形
成する。通常、N型のエピタキシャル層表面に亜鉛(Z
n)を熱拡散してPN接合を形成するが、P型のドーパ
ントを導入しながら、P型のGaAsPエピタキシャル
層を表面に新たに形成することもできる。次いで、図4
に示す様に、エピタキシャル層16中にPN接合17を
形成したエピタキシャルウエハの表面と、GaP基板側
にオーミック電極18を形成して、素子分離してLED
が製造される。
【0006】発光層の結晶の完全性が破壊されるのを最
小限にとどめ、注入されたキャリアの寿命を長くして高
光出力のLEDを得るためには、キャリア濃度を3.5
〜8.8×1015cm-3にすれば良い(特公昭58−1
539号公報)。さらにキャリア濃度を3×1015cm
-3以下にすれば、光出力の向上と長寿命化が同時に実現
できる(特開平6−196756号公報)。ただし、そ
の後の検討の結果、0.5×1015cm-3以下となる
と、LEDの順方向電圧が増加し、不良を生じる場合が
あることが判明したので、これ以上のキャリア濃度であ
ることが好ましい。
【0007】発光層以外のエピタキシャル層はLED化
したときの抵抗を低減するために、0.5〜5×1017
cm-3程度のキャリア濃度とすることが一般的である。
これ以下ではLEDの順方向電圧の増加をまねき、これ
以上であれば、キャリア濃度の増加に従い結晶欠陥が増
加して発光した光が吸収され、LEDの光出力の低下を
招く。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これまでは概ね発光層
のキャリア濃度を最適化させることで高光出力化と長寿
命化を実現してきた。しかし、需要の多様化により、さ
らに一層の長寿命が要求されるようになった。例えば、
自動車に搭載した時LEDを頻繁に交換することは不可
能であり、運転の安全面からも信頼性に対する要求が一
層厳しくなるのは当然である。LEDの用途の多様化に
より、特に信頼性の要求が極めて高いLEDが要求され
ることになった。現在では技術の進歩により、すでに高
光出力が得られている。LEDの光出力の向上よりも、
むしろLEDの信頼性を要求する品質が必要となった。
【0009】本発明の目的は、一層の長寿命を実現し得
るLED及びその材料となるGaAs1-xx(0.45
<x<1)エピタキシャルウエハを提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、かか
る課題を解決すべく鋭意検討の結果、LEDの寿命を向
上させるには、PN接合部分の発熱減少が長寿命化に有
効と考えれば、とくにPN接合近傍にキャリア濃度を特
に高めた高キャリア濃度領域15を形成すれば良いと考
えた。
【0011】図2の例で考えれば、PN接合の発熱を抑
制するためには、LEDの直列抵抗分による発熱を抑え
ることである。LED化するためにP型ドーパントであ
るZnを発光層である低キャリア濃度一定組成層23内
に拡散したとき、キャリア濃度が1×1019cm-3以上
ドープされるので、P型の層の比抵抗は問題にならな
い。発光層は前述の通り、高い光出力を得るためには9
×1015cm-3以下の範囲以外の濃度にドープすること
は困難である。検討の結果GaAsP結晶は混晶である
ため、同じキャリア濃度であれば、GaPやGaAsの
単結晶基板よりも数倍比抵抗が高いことが明らかになっ
た。PN接合の発熱を効率的に抑え、直列抵抗を低下さ
せるためには、発光層以外の層のキャリア濃度を高めれ
ば良いことがわかった。具体的には発光層以外の層を、
従来の0.5〜5×1017cm-3より高いキャリア濃度
に高めれば長寿命のLEDが得られると考えれられた。
【0012】即ち、本発明の要旨は、N型の単結晶基板
上に、N型のGaAs1-xx(0≦x≦1)エピタキシ
ャル層を有してなるりん化ひ化ガリウムエピタキシャル
ウエハにおいて、該エピタキシャル層は、その表面側
に、キャリア濃度が6.5×1017cm-3未満で層厚2
μm以上の低キャリア濃度領域を有し、かつ該低キャリ
ア濃度領域の基板側に隣接してキャリア濃度が6.5×
1017cm-3以上である層厚3μm以上の高キャリア濃
度領域を有することを特徴とするりん化ひ化ガリウムエ
ピタキシャルウエハ、及びかかるエピタキシャルウエハ
から作成することを特徴とする発光ダイオードに存す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明エピタキシャルウエ
ハ及び発光ダイオードの具体的実施態様を図1に基づい
て、詳細に説明する。単結晶基板10は通常GaP又は
GaAsの何れかが選択されるが、発光層となる低キャ
リア濃度領域13がGaAs1-xx(0.45<x<
1)からなる場合は、単結晶基板10はGaPであるこ
とが、LEDの発光色に対して透明であり、LEDとし
て高い光出力を得るために好ましい。キャリア濃度は
0.5〜30×1017cm-3、好ましくは2〜10×1
17cm-3である。
【0014】本発明におけるエピタキシャル層は、その
表面側、即ち、基板とは反対側に、キャリア濃度が6.
5×1017cm-3未満で層厚2μm以上の低キャリア濃
度領域13を有し、かつ該低キャリア濃度領域13の基
板側に隣接して、キャリア濃度が6.5×1017cm-3
以上、好ましくは6.5×1017〜30×1017cm -3
である層厚3μm以上の高キャリア濃度領域15を有す
る。
【0015】一方、GaAs1-xx(0≦x≦1、場合
により0<x<1)エピタキシャル層を、キャリア濃度
でなく、組成の観点から見た場合、通常、少なくともグ
レード組成層11及び一定組成層12を有する。このほ
か、単結晶基板10と同じ結晶であるホモ層13は特に
形成しなくとも可能だが、ミスフィット転位の発生を抑
制するためにホモ層14を0.1〜100μm、好まし
くは0.5〜15μm形成した方が、安定に高輝度が得
られるので好ましい。ホモ層14のキャリア濃度は、概
ねグレード組成層11の成長開始点と同じであることが
好ましい。グレード組成層11の層厚は、好ましくは2
〜100μm、より好ましくは10〜35μmである。
【0016】低キャリア濃度領域13と高キャリア濃度
領域15との境界は、通常前記一定組成層12内に存す
るが、グレード組成層11内でもよく、或いはグレード
組成層11と一定組成層の境界と一致していても、高キ
ャリア濃度領域12の厚さが3μm以上確保されていれ
ばよい。ただし、グレード組成層11内で発生したミス
フィット転位等の結晶欠陥の影響を少なくして、より結
晶性の良い低キャリア濃度領域13を得るためには、図
1の様に、高キャリア濃度領域15と低キャリア濃度領
域13の境界が一定組成層内にあることが好ましく、特
に、高キャリア濃度領域15の表面側2〜25μm程度
が一定組成であることが好ましい。
【0017】高キャリア濃度領域15内ではキャリア濃
度は多少変動しても良い。本発明においては、キャリア
濃度6.5×1017cm-3を境に、それより上を高キャ
リア濃度領域、下を低キャリア濃度領域と機械的に定義
するが、実際には境界近傍における両者のキャリア濃度
はかけはなれていることが多い。高キャリア濃度領域1
5から低キャリア濃度領域13へのキャリア濃度の遷移
は、通常急峻であるが、段階的であってもよい。段階的
に遷移させる場合、中間的なキャリア濃度の領域(かか
る領域も、本発明においては、高キャリア濃度領域又は
低キャリア濃度領域のいずれかに分類される)が、20
μm以下、好ましくは10μm以下とすれば、寿命向上
の効果が得られやすい。高キャリア濃度領域15のキャ
リア濃度は30×1017cm-3以下であれば、結晶性が
悪化してエピタキシャル層表面に結晶欠陥が発生した
り、LEDの光出力の低下を生じる等の問題がなく好ま
しい。また、層厚が3μm以上で顕著な寿命向上の効果
が見られ、60μm以下ならLEDの光出力が低下する
問題なく好ましい。
【0018】低キャリア濃度領域13は、平均キャリア
濃度が9×1015cm-3以下が好ましいが、0.5×1
15cm-3以下になるとキャリア濃度の制御が困難とな
ったり、比抵抗が高くなってLEDの順方向電圧の増加
を招くことがあるので、好ましい平均キャリア濃度は
0.5〜9×1015cm-3である。また、層厚は2μm
以上である。ただし、この層厚は、その上にP型のエピ
タキシャル層を更に成長して形成する場合、或いは既に
かかるP層が形成されている場合における必要最小限の
厚さであって、P型ドーパントの拡散によりPN接合を
低キャリア濃度領域内に形成する場合は、拡散深さが通
常4〜15μmなので、低キャリア濃度領域の層厚は5
μm以上必要である。50μmを超えると高濃度領域1
5から離れすぎるので好ましくない。即ち、PN接合
は、低キャリア濃度領域を2〜35μm程度残す様に形
成するのが好ましい。
【0019】低キャリア農度領域内の一定組成層12の
組成が0.45<x<1の場合、間接遷移型バンド構造
を持つので、発光効率を高めるため、少なくとも低キャ
リア濃度の一定組成層内には、窒素をドープすることが
一般的である。しかし、低キャリア濃度領域外の層の全
部のキャリア濃度を上げてしまえば、発光した光の吸収
を生じる。光吸収が増えれば、LEDの光出力は低下す
る。また、結晶性の見地から見ても、キャリア濃度を過
度に高めれば、点欠陥などが増加し結晶性が落ちてく
る。結晶性が悪くなれば、光出力の低下ばかりでなく、
光吸収をする結晶欠陥の準位がバンドギャップ内に発生
し、さらに光吸収を増加させる。エピタキシャル成長は
成長前半の影響を後半に大きく影響する。従って、特に
エピタキシャル成長前半はできるだけキャリア濃度を下
げることが、結晶性にとって好ましい。
【0020】さらに、高い光出力を得るためには、前記
グレード組成層11のキャリア濃度は単結晶基板10側
から一定組成層12に向かっておおむね増加し、グレー
ド組成層11の後半から終点、及び隣接する一定組成層
内で最大の高キャリア濃度を有する高キャリア濃度領域
15を有するキャリア濃度プロファイルをもつ構造とす
ることで達せられる。具体的には、前記グレード組成層
11の前半のキャリア濃度は後半のキャリア濃度よりも
低く、グレード組成層11開始のキャリア濃度は、概ね
0.5×1017〜5×1017cm-3とすればよい。
【0021】低キャリア濃度領域13内の一定組成層は
エピタキシャル層表面に隣接させてエピタキシャル成長
した後、前記表面からP型の導電型のドーパント、通常
は亜鉛を低キャリア濃度領域内の一定組成層に拡散させ
ることにより、PN接合を形成する。GaAsPエピタ
キシャルウエハは通常は気相成長法により製造される
が、前述した様に、低キャリア濃度の一定組成層を成長
して、その成長途中から、成長ガス中に例えばZnをジ
エチル亜鉛((C252Zn)を導入することで、Z
nをドープしてPN接合を形成してもよい。
【0022】また、グレード組成層11の開始から、終
点もしくは隣接する一定組成層内12まで、前記キャリ
ア濃度プロファイルを得るために、ドーパントガスをお
おむね増加させながら成長させれば、所定のキャリア濃
度プロファイルを容易に得ることができる。ドーパント
ガスの流量は連続的に増加させても良いが、1段又は複
数段のステップ状増加させても問題ない。ドーパントガ
ス流量はグレード組成層11の中から一定組成層12の
間で増加させることが好ましい。
【0023】グレード組成層11はミスフィット転位等
の結晶欠陥が多く存在するため、キャリア(電子)の移
動度が低い。同じキャリア濃度でも比抵抗が高くなるの
で、グレード組成層11の後半から終点付近にかけて、
最大のドーパント流量にすることが好ましい。組成グレ
ード層は、連続的な組成変化だけでなく、複数の階段状
の組成変化であっても、エピタキシャル層の比抵抗は主
にキャリア濃度で決定されるため効果は同じである。
【0024】エピタキシャル層内のキャリア濃度プロフ
ァイルの測定方法は、エピタキシャル層を斜めに研磨し
た後、ショットキーバリアダイオードをその表面に作製
し、C−V法によって測定できる。また英国ポーラロン
社のシミコンダクタ・プロファイル・プロッタの様に、
直接エピタキシャル層を電解液でエッチングしながら測
定する方法でも同様に測定できる。
【0025】製造手法はハイドライド法が量産性、実用
化の面で最も有効である。クロライド法や有機金属気相
法(MOCVD)でも効果は同じである。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施
例により限定されるものではない。 (実施例1〜3及び比較例1〜3)まず、実施例1を説
明する。GaP基板及び高純度ガリウム(Ga)を、G
a溜め用石英ボ−ト付きのエピタキシャル・リアクタ−
内の所定の場所に、それぞれ設置した。GaP基板は硫
黄(S)が2〜10×1017原子個/cm3添加され、
直径約50mmの円形で、(100)面から[001]
方向に10゜偏位した面をもつGaP基板を用いた。こ
れらを、同時に回転するホルダー上に配置した。次に窒
素(N2)ガスを該リアクタ−内に15分間導入し空気
を充分置換除去した後、キャリヤ・ガスとして高純度水
素(H2)を毎分9600cc導入し、N2の流れを止め
昇温工程に入った。上記Ga入り石英ボ−ト設置部分及
びGaP単結晶基板設置部分の温度が、それぞれ800
℃及び850℃一定に保持されていることを確認した
後、ピーク発光波長640±5nm(赤色)のGaAs
1-xxエピタキシャル膜の気相成長を開始した。
【0027】まず、水素ガスで100ppmに希釈した
n型不純物であるジエチルテルル((C252Te)
を毎分120cc導入し、周期律表第III族元素成分と
してのGaClを、毎分369cc生成させるため高純
度塩化水素ガス(HCl)を上記石英ボ−ト中のGa溜
に吹き込み、Ga溜上表面より吹き出させた。他方、周
期律表第V族元素成分として、H2で濃度10%に希釈
したりん化水素(PH3)を毎分750cc導入しつ
つ、20分間にわたり、第1の層(図1におけるホモ層
14)であるGaPエピタキシャル層をGaP単結晶基
板上に成長させた。
【0028】次に、HCl、PH3、(C252Teの
各ガスの導入量を変えることなく、H2で濃度10%に
希釈したひ化水素(AsH3)の導入量を、毎分0cc
から毎分480ccまで徐々に増加させ、 90分間に
わたり、第2のGaAs1-xxエピタキシャル層を第1
のGaPエピタキシャル層上に成長させた。次の20分
間は、(C252Te、HCl、PH3、AsH3の導
入量を変えることなく、保持しつつ、第3のGaAs
0.40.6エピタキシャル層(一定組成層)を第2のGa
As1-xxエピタキシャル層上に成長させた。
【0029】最終の50分間は(C252Teを毎分
0.5cc導入することで、第4の層(図1におけるG
aAs1-x0x0Nドープ一定組成層13)である低ドー
プ層のキャリア濃度になるようにして、HCl、P
3、AsH3の導入量を変えることなく導入しながらこ
れに窒素アイソエレクトロニック・トラップ添加用とし
て従来用いられている高純度アンモニア・ガス(N
3)を毎分420cc導入することで添加して第4の
GaAs1-xxエピタキシャル層を第3のGaAs1-x
xエピタキシャル層上に成長させ、成長を終了した。
【0030】エピタキシャル膜の第1、第2、第3、第
4のエピタキシャル層の膜厚はおおよそ、それぞれ5μ
m、30μm、8μm、21μmであった。第4のエピ
タキシャル層のキャリア濃度は、拡散前のエピタキシャ
ルウエハ表面にショットキーバリアダイオードを作製し
て、C−V法によって測定し、キャリア濃度は3〜5×
1015cm-3であった。高ドープ層である第1、第2、
第3のエピタキシャル層のキャリア濃度はエピタキシャ
ル層をラッピングとエッチングによって約1゜の角度で
斜めに除去したあとショットキー・バリアダイオードを
その表面に作製し、C−V法によって測定した。測定の
結果、図5に示す通り第2、第3の層のは全体38μm
が6.5×1017cm-3以上の高濃度領域となってい
た。キャリア濃度は第2の層と第3の層内で概ね一定で
あるが、グレード第2の層内で第1の層から第3の層方
向に7.5×1017cm-3から9×1017cm-3緩やか
な増加を示し、第2の層で一定になっていた。第4の層
に隣接する第3の層全体と、第3の層の終点付近にわた
る15μmの範囲の平均のキャリア濃度を高濃度領域の
キャリア濃度とした。高濃度領域15のキャリア濃度は
9×1017cm-3であった。成長したエピタキシャルウ
エハをZnAs2を拡散源としてP型不純物であるZn
と共に何もコーティングしないで石英アンプル内に真空
封入させて、760℃の温度で表面から4μmの深さま
で拡散した。光出力は光法によって測定した。続いて、
真空蒸着による電極形成等を行って直径220μm×1
80μm(厚さ)のメサ型のLEDを形成して、寿命試
験を行った。寿命試験の通電条件は、TO−18ヘッダ
ーにLEDチップをマウントし、室温で240A/cm
2でDUTY(有効通電時間率)=1/2の50Hzの
パルス駆動で168時間行った。さらに実施例2〜3と
比較例1〜3として、第1の層から第3の層のエピタキ
シャル成長における(C252Teの導入量を毎分1
5cc、毎分40cc、毎分80cc、毎分200c
c、毎分260ccとした以外は、前記と同様にして、
さらに追加して合計5回エピタキシャル成長を繰り返し
た。(C252Teの導入量を毎分200cc、毎分
260ccの場合には実用上は問題ない程度であるが、
ピラッミッド状の結晶欠陥がエピタキシャル層表面に部
分的に出現した。すべてエピタキシャル層の膜厚および
第4の層のキャリア濃度は実施例1とほぼ同じであっ
た。第2の層と第3の層にけるキャリア濃度も実施例1
と同様であり、高濃度領域15のキャリア濃度を同様に
決定した。高濃度領域15がない比較例は、実施例1と
同じく、第4の層に隣接する第3の層全体と、第3の層
の終点付近にわたる15μmの範囲の平均のキャリア濃
度を、高濃度領域15のキャリア濃度とした。図3にL
EDの寿命試験通電後の光出力の残存率及び光出力と高
濃度領域15のキャリア濃度の関係を示す。図3の点線
で示される光出力は、寿命試験前のLEDの光出力と
し、実線で示される光出力の残存率は寿命試験前と前記
条件で駆動後のLEDの光出力の比率とした。残存率は
従来の高濃度領域が3×1017cm-3で87%に対し
て、6.5〜30×1017cm-3で92〜98%と最も
高かった。光出力は従来の3×1017cm-3で光出力6
5に対して、9〜30×10 17cm-3で光出力48であ
った。実用上も光出力35以上であれば全く問題なく、
特に長寿命を要求するLED用としてはむしろ高い光出
力が得られている。光出力は高ドープ層のキャリア濃度
が6×1017cm-3以下ではほとんど変化がなかった。
【0031】なお、上記発明においては赤色LEDのみ
について述べたが、他の発光色の範囲でも全く同じ効果
が得られることは言うまでもない。 (実施例4)(C252Teの導入量を第1の層のエ
ピタキシャル成長において毎分40ccとし、第2の層
のエピタキシャル成長において毎分40ccから毎分2
00ccに徐々に増加させ、第3の層のエピタキシャル
成長において毎分200ccとした以外は前記実施例と
同様にしてエピタキシャル成長を完了した。ピラッミッ
ド状の結晶欠陥はなく、良好なエピタキシャル層表面が
得られた。
【0032】同様に各層のキャリア濃度は実施例1〜3
と比較例1〜3と同じように測定した。そのキャリア濃
度プロファイルを図6に示す。グレード組成層のキャリ
ア濃度はホモ層付近で2.5×1017cm-3で、徐々に
増加して第2の層(グレード組成層)終点付近で最大の
1.5×1018cm-3であった。LEDの光出力と寿命
試験を行ったところ、光出力は55、光出力の残存率は
94%であった。高濃度領域を隣接させることで寿命向
上と高い光出力を実現できた。
【0033】
【発明の効果】この発明によれば、GaAsPエピタキ
シャルウエハにおいて、特に優れた寿命をもつLED
を、実用上問題とならない光出力の大きな低下をせずに
実現できる。本発明は基板はGaPを例にとったが、G
aAsでも効果は同じである。これにより、GaAsP
のLED需要の増加が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明りん化ひ化ガリウムエピタキシャルウ
ェハの層構成の断面説明図。
【図2】 りん化ひ化ガリウムエピタキシャルウェハの
一般的層構成の断面説明図。
【図3】 発光ダイオードの特性を示すグラフ。実線
は、高濃度領域のキャリア濃度と寿命試験通電後の光出
力の残存率を示し、点線は、高濃度領域のキャリア濃度
と光出力の関係を示す。
【図4】 本発明発光ダイオードの構成の断面説明図。
【図5】 本発明発光ダイオード(実施例1)のキャリ
ア濃度プロファイル。
【図6】 本発明発光ダイオード(実施例4)のキャリ
ア濃度プロファイル。
【符号の説明】
10 単結晶基板、11 グレード組成層、 12 一
定組成層、13 低キャリア濃度領域、14 ホモ層、
15 高キャリア濃度領域、16 エピタキシャル層、
17 PN接合、18 電極 20 GaP単結晶基板、21 GaAs1-xxグレー
ド組成層、22 GaAs1-x0x0一定組成層、23
窒素ドープGaAs1-x0x0低キャリア濃度一定組成
層、24 GaPホモ層 A GaP基板、B ホモ層、C グレード組成層、D
高キャリア濃度一定組成層、E 低キャリア濃度領
域、F 高キャリア濃度領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−335716(JP,A) 特開 平6−196756(JP,A) 特開 昭59−9984(JP,A) 特開 昭53−47285(JP,A) 特開 平4−328878(JP,A) 特開 昭59−23578(JP,A) 特開 平3−163884(JP,A) 特開 平8−335715(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 33/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N型の単結晶基板上に、N型のGaAs
    1-XX(0≦x≦1)エピタキシャル層を有してなるり
    ん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハにおいて、該エ
    ピタキシャル層は、その表面側に、キャリア濃度が6.
    5×1017cm-3未満で層厚2μm以上の低キャリア濃
    度領域を有し、かつ該低キャリア濃度領域の単結晶基板
    側に隣接してキャリア濃度が6.5×1017cm-3以上
    である層厚3μm以上の高キャリア濃度領域を有するこ
    、及び、該エピタキシャル層は、少なくともグレード
    組成層及び一定組成層からなり、該グレード組成層のキ
    ャリア濃度は、単結晶基板側から一定組成層に向かって
    増加し、該グレード組成層の後半から終点及び隣接する
    一定組成層のいずれかで最大の高キャリア濃度となるキ
    ャリア濃度プロファイルを有することを特徴とするりん
    化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ。
  2. 【請求項2】前記高キャリア濃度領域と低キャリア濃度
    領域との境界が、前記一定組成層内に存することを特徴
    とする請求項記載のりん化ひ化ガリウムエピタキシャ
    ルウエハ。
  3. 【請求項3】前記低キャリア濃度領域は、平均キャリア
    濃度が9×1015cm-3以下であり、前記高キャリア濃
    度領域は、キャリア濃度が6.5×1017〜30×10
    17cm-3であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のりん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ。
  4. 【請求項4】前記グレード組成層の前半の平均キャリア
    濃度は後半の平均キャリア濃度よりも低く、グレード組
    成層の開始キャリア濃度は、0.5×1017〜5×10
    17cm-3であることを特徴とする請求項1〜のいずれ
    かに記載のりん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ。
  5. 【請求項5】高キャリア濃度領域は層厚が3〜60μm
    であり、低キャリア濃度領域は層厚が5〜50μmであ
    ることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のり
    ん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ。
  6. 【請求項6】低キャリア濃度領域はGaAs1-X
    X(0.45<x<1)からなり、少なくとも窒素がド
    ープされていること特徴とする請求項1〜のいずれか
    に記載のりん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ。
  7. 【請求項7】単結晶基板が、GaAs又はGaPからな
    ることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のり
    ん化ひ化ガリウムエピタキシャルウエハ。
  8. 【請求項8】前記N型のGaAs1-XX(0≦x≦1)
    エピタキシャル層上に、更にP型のGaAs1-XX(0
    ≦x≦1)エピタキシャル層を有してなることを特徴と
    する請求項1〜のいずれかに記載のエピタキシャルウ
    エハ。
  9. 【請求項9】 請求項記載のエピタキシャルウエハか
    ら作製することを特徴とする発光ダイオード。
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