JP2010193681A - 電動モータ及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動モータ12では、ステータコア31aの外径をフランジ32の外径及びエンドブラケット33の外径に対して大径としたので、ステータコア31aにおける磁路となる部分の断面積を拡大し、ステータコア31aにおける磁束密度を低く抑えてロストルクの増加を抑制することができる。これにより、磁力の強いマグネットをロータ43に適用することができ、ステータコア31aの軸長すなわち珪素鋼板の積層厚を増加させることなく、電動モータ12が発生するトルクを増加させることができる。
【選択図】図2
Description
このような電動モータとして、一般的には薄厚の珪素鋼板を積層して形成されたステータコアにインシュレータを設け、このインシュレータの外側からコイルを巻装した後、ステータコアを円筒状ケースに圧入や焼きバメ等で固定するようにしている。この場合には、圧入や焼きバメによって積層されたステータコアが歪むことでロストルクが悪化し、結果としてステアリングホイールの戻りが悪くなると共に、コイルに通電した際に発生する電磁加振力がステータコアからケースに伝達され、作動音を悪化させるという問題がある。
また特許文献2に記載された技術のように、磁路構成部品を部分的に肉厚かして磁路の断面積を増大させる場合、磁路構成部品の形状が複雑になることから、その製造工程が複雑になり、製造コストが不可避的に増加してしまう。
また、請求項3に係る電動モータは、請求項1の発明において、前記円筒状筐体に径方向へ貫通するねじ穴を穿設し、該ねじ穴に止めねじを前記円筒状筐体の外周側から捩じ込み、該止めねじの先端部を前記ステータの外周面に圧接させて、前記モータ本体の前記円筒状筐体に対する移動を拘束することを特徴とする。
さらに、請求項7に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の電動モータを、操舵補助力を発生する駆動源モータとして適用したことを特徴としている。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る電動モータが適用された電動パワーステアリング装置を示す全体構成図であって、図中、SMはステアリング機構である。このステアリング機構SMは、ステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が伝達される入力軸2aとこの入力軸2aに図示しないトーションバーを介して連結された出力軸2bとを有するステアリングシャフト2を備えている。このステアリングシャフト2は、ステアリングコラム3に回転自在に内装され、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は図示しないトーションバーに連結されている。
このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ機構8を介して左右のタイロッド9に伝達され、これらタイロッド9によって左右の転舵輪WL,WRを転舵させる。ここで、ステアリングギヤ機構8は、ギヤハウジング8a内に、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8bとこのピニオン8bに噛合するラック軸8cとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8bに伝達された回転運動をラック軸8cで車幅方向の直進運動に変換して、タイロッド9に伝達する。
電動モータ12は、図2に示すように、減速ギヤ機構11のウォーム11aと一体に設けられたウォーム軸20を回転自在に支持するベアリング21を保持したウォームハウジング22の一端に、ウォーム軸20の中心軸を中心とし端部を開放した円筒状のモータケースを構成する筐体23が一体に形成されている。このウォームハウジング22は例えばアルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金をダイキャスト成型して構成されている。
そして、筐体23内にモータ本体30が収容されている。このモータ本体30は、ステータ31と、このステータ31のウォームハウジング側に配設されたフランジ32と、ステータ31の筐体23の開放端側に配設されたエンドブラケット33とで構成されている。
そして、ステータ31をフランジ32及びエンドブラケット33で挟んだ状態で、図3に示すように、軸方向に延長する4本の長ねじ35によってフランジ32及びエンドブラケット33でステータ31を挟持するように締付け固定されている。
次に、上記第1の実施形態に係る電動モータ12の組立方法及び動作を説明する。
このように、上記第1の実施形態によると、減速ギヤ機構11を構成するウォームハウジング22の一端に円筒状の筐体23を一体に形成し、この筐体23にステータ31、フランジ32及びエンドブラケット33を長ねじ35で一体化されたモータ本体30を挿通することにより電動モータ12を構成するので、電動モータ12のケースを省略することができ、この分電動モータ12の製造コストを低減することができると共に、モータ本体30を組み立ててからこのモータ本体30を筐体23に装着するだけでよいので、電動モータ12の組み立てを容易に行うことができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る電動モータを図5に基づいて説明する。この第2の実施形態の電動モータ100では、第1の実施形態の電動モータ12と同一の部分については同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態の電動モータ100が第1の実施形態の電動モータ12と異なる点は、ステータコア31aの外周面と筐体23の内周面との間の間隙に介挿材101が介挿されていることである。介挿材101は薄肉円筒状に形成されており、吸音性及び吸振性を有する材料を素材として形成されている。具体的には、介挿材101の素材としては、例えば、樹脂材料、ゴム材料、これらに気泡を分散させた発泡材料等を好適に用いることができる。
図6には、第2の実施形態の変形例に係る電動モータが示されている。この変形例に係る電動モータ102では、ステータコア31aが2種類の珪素鋼板103及び珪素鋼板104により構成されている。ここで、珪素鋼板103は珪素鋼板104よりも外径が大きくなっており、内径及び厚さについては珪素鋼板103と珪素鋼板104とは同一の寸法になっている。大径の珪素鋼板103は、ステータコア31aの軸線方向の両端部をそれぞれ構成しており、小径の珪素鋼板104は、ステータコア31aの軸線方向の中間部を構成している。これにより、ステータコア31aには、軸線方向両端部に軸線方向の中間部に対して夫々外周へ延出する一対のフランジ部105が形成されると共に、軸線方向中間部に一対のフランジ部105に対して凹状となった環状凹部106が形成される。
第2の実施形態の変形例に係る電動モータ102よると、基本的には電動モータ100と同様の効果を得られることに加え、モータ本体30を筐体23に装着する際に、一対のフランジ部105により筐体23の内周面との摩擦により介挿材101が軸線方向に沿って位置ずれすることを阻止できるので、電動モータ102の組立作業が容易になる。また、環状凹部106を深く形成すれば、環状凹部106を深さの増加分だけ介挿材101の厚さを増加できるので、介挿材101の厚さを増加してウォームハウジング22側に伝達される振動及び振動音を更に効果的に低減できる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る電動モータを図7及び図8に基づいて説明する。この第3の実施形態の電動モータ110では、第1の実施形態の電動モータ12と同一の部分については同一符号を付して説明を省略する。
第3の実施形態の電動モータ110が第1の実施形態の電動モータ12と異なる点は、筐体23の内周面における開口端寄りの部位に周方向に延在する嵌挿溝111が形成されている点、及びこの嵌挿溝111に止め輪としてスナップリング112が嵌挿されている点である。図8に示すように、スナップリング112は、周方向の一部が切欠かれることで略C字状に形成されており、両端部にそれぞれ専用の締付工具(図示省略)の係合穴113が穿設されている。
なお、スナップリング112を軸線方向に沿って僅かに撓み変形した状態となるように、エンドブラケット33の位置に応じて嵌挿溝111の位置を設定しておけば、撓み変形したスナップリング112の復元力によりモータ本体30を常に筐体23の底部23a側へ付勢できるので、モータ本体30を筐体23の底部23aを基準とする位置(装着位置)に確実に拘束できる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る電動モータを図9及び図10に基づいて説明する。この第4の実施形態の電動モータ120では、第1の実施形態の電動モータ12と同一の部分については同一符号を付して説明を省略する。
次に、本発明の第5の実施形態に係る電動モータを図11及び図12に基づいて説明する。この第5の実施形態の電動モータ130では、第1の実施形態の電動モータ12と同一の部分については同一符号を付して説明を省略する。
第5の実施形態の電動モータ130が第1の実施形態の電動モータ12と異なる点は、筐体23の内周面と底部23aとの接合部に内周側へ突出する係合突起131が形成されている点、及びモータ本体30のフランジ32の外周面に係合突起131に対応する被係合溝132が形成されている点である。係合突起131は、側面視にて、筐体23の底部23aから軸線方向に沿って開口端側へ延出しており、また径方向(軸直角方向)に沿った断面形状が略矩形に形成されている。一方、被係合溝132は、フランジ32の軸線方向外側の端面から環状溝32fまで軸線方向に沿って延在しており、軸直角方向に沿った断面形状が係合突起131の断面形状に対応する略矩形に形成されている。ここで、係合突起131の周方向に沿った幅は被係合溝132の周方向に沿った幅よりも僅かに狭くなっており、係合突起131は軸線方向外側から被係合溝132内に嵌挿可能とされている。
第5の実施形態の電動モータ130よると、第1の実施形態の電動モータ12により得られる効果に加え、係合突起131及び被係合溝132により筐体23に装着されたモータ本体30を回転方向に沿って所定の装着位置に確実に位置決めできると共に、モータ本体30が装着位置から回転することを防止できるので、筐体23内でモータ本体30が回転方向に沿って動又は振動し、それが原因となって打音や振動が発生することを防止できる。
次に、本発明の第6の実施形態に係る電動モータを図13及び図14に基づいて説明する。この第6の実施形態の電動モータ140では、第1の実施形態の電動モータ12と同一の部分については同一符号を付して説明を省略する。
第6の実施形態の電動モータ140を組み立てる際に、モータ本体30を筐体23内に挿入すると、モータ本体30に配置された端子台141の外周部が筐体23の切欠部142に嵌挿する。これにより、モータ本体30の筐体23に対する回転が拘束されると共に、モータ本体30が回転方向に沿って所定の位置(装着位置)に位置決めされる。
次に、本発明の第7の実施形態に係る電動モータを図15及び図16に基づいて説明する。この第7の実施形態の電動モータ150では、第1の実施形態の電動モータ12と同一の部分については同一符号を付して説明を省略する。
なお、以上説明した第1〜第7の実施形態においては、本発明の電動モータ100、102、110、120、130、140、150をコラム式電動パワーステアリング装置に適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ステアリングギヤ機構8のピニオンシャフト7やラック軸8cに操舵補助機構を設けるピニオン式又はラック式電動パワーステアリング装置にも適用することができる。
2 ステアリングシャフト
2a 入力軸
2b 出力軸
3 ステアリングコラム
4 ユニバーサルジョイント
4a,4b ヨーク
4c 十字連結部
5 中間シャフト
6 ユニバーサルジョイント
6a,6b ヨーク
6c 十字連結部
7 ピニオンシャフト
8 ステアリングギヤ機構
8a ギヤハウジング
8b ピニオン
8c ラック軸
9 タイロッド
10 操舵補助機構
11 減速ギヤ機構
11a ウォーム
11b ウォームホイール
12 電動モータ
13 ハウジング
14 操舵トルクセンサ
20 ウォーム軸
20a セレーション穴部
21 ベアリング
22 ウォームハウジング
23 筐体
23a 底部
23b 円筒部
24 ベアリング収容部
25 インロー穴部
30 モータ本体
31 ステータ
31a ステータコア
31b インシュレータ
31c コイル
32 フランジ
32a 中心開口
32b 円板部
32c 短尺円筒部
32d ベアリング収容部
32e インロー凸部
32f 環状溝
33 エンドブラケット
33a 中心開口
33b 円板部
33c 短尺円筒部
33d ベアリング収容部
33e 環状溝
35 長ねじ
40 回転軸
41 フロントベアリング
42 リアベアリング
43 ロータ
44 セレーション雄部
50 回転角センサ
51 端子台
52 取付ブラケット
53 パワーハーネス
92、93 接触リング
100 電動モータ
101 介挿材
102 電動モータ
103 珪素鋼板
104 珪素鋼板
105 フランジ部
106 環状凹部
110 電動モータ
111 嵌挿溝
112 スナップリング
113 係合穴
120 電動モータ
121 ねじ穴
130 電動モータ
131 係合突起
132 被係合溝
140 電動モータ
141 端子台
142 切欠部
150 電動モータ
151、152 軸方向溝
153 接触リング
154、155 係合凸部
SM ステアリング機構
WL,WR 転舵輪
t 隙間
Claims (7)
- コイルが巻装された円筒状のステータを、夫々ロータを回転自在に支持するベアリングを内装したフランジ及びブラケットで挟持した構成を有するモータ本体を、前記ロータの回転力を伝達する被回転力伝達部材のハウジングに一体に形成された一端に開口部を有する円筒状筐体に、当該開口部側から装着保持し、
前記モータ本体のフランジ及びブラケットの外周面に環状溝が形成され、該環状溝に前記円筒状筐体の内周面に接触する接触部材が前記ステータの外周面と前記円筒状筐体の内周面との間に間隙を形成するように挿入され、
前記ステータの外径を前記フランジの外径及び前記ブラケットの外径に対して大径としたことを特徴とする電動モータ。 - 前記円筒状筐体の内周面に嵌挿溝を形成し、該嵌挿溝に止め輪を嵌挿し、該環状溝により前記円筒状筐体に装着保持された前記モータ本体の軸線方向の変位を拘束することを特徴とする請求項1記載の電動モータ。
- 前記円筒状筐体に径方向へ貫通するねじ穴を穿設し、該ねじ穴に止めねじを前記円筒状筐体の外周側から捩じ込み、該止めねじの先端部を前記ステータの外周面に圧接させて、前記モータ本体の前記円筒状筐体に対する移動を拘束することを特徴とする請求項1記載の電動モータ。
- 前記円筒状筐体及び前記モータ本体の一方に凹状又凸状の係合部を設けると共に、前記円筒状筐体及び前記モータ本体の他方に前記係合部に対応する被係合部を設け、
前記モータ本体が前記円筒状筐体に装着された状態で、前記係合部を前記被被係合部に係合させて、前記モータ本体の前記円筒状筐体に対する相対回転を拘束することを特徴とする請求項1記載の電動モータ。 - 前記係合部を前記モータ本体に配置された端子台により構成すると共に、前記被係合部を前記円筒状筐体の一部が切欠かれて形成された切欠部により構成し、
前記モータ本体が前記円筒状筐体に装着された状態で、前記端子台を前記切欠部に嵌挿して、前記モータ本体の前記円筒状筐体に対する相対回転を拘束することを特徴とする請求項4記載の電動モータ。 - 前記ステータの外周面と前記円筒状筐体の内周面との間の間隙に、吸音性及び吸振性を有する介挿材が介挿されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項記載の電動モータ。
- 請求項1乃至6の何れか1項に記載の電動モータを、操舵補助力を発生する駆動源として適用したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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