JP2010190937A - 電気光学装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば液晶装置等の電気光学装置の製造プロセスにおいて、大型基板の切断不良を低減することにより歩留まりを向上させる。
【解決手段】電気光学装置の製造方法は、大型基板(210)を伸縮部材(620)上に載置する工程と、伸縮部材のうち少なくとも大型基板が載置された部分(620a)を伸長させる工程と、伸縮部材が伸長した状態で、大型基板に貼り合わされた対向基板(20)の端部を切断予定線(Xj、Y0)に沿って押圧部材(95)により押圧することでブレイク処理を行う工程とを含む。
【選択図】図8
【解決手段】電気光学装置の製造方法は、大型基板(210)を伸縮部材(620)上に載置する工程と、伸縮部材のうち少なくとも大型基板が載置された部分(620a)を伸長させる工程と、伸縮部材が伸長した状態で、大型基板に貼り合わされた対向基板(20)の端部を切断予定線(Xj、Y0)に沿って押圧部材(95)により押圧することでブレイク処理を行う工程とを含む。
【選択図】図8
Description
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置の製造方法の技術分野に関する。
この種の電気光学装置の一例である液晶装置は、一対の基板間に液晶が挟持されてなる。このような液晶装置を製造する製造プロセスでは、例えば一対の基板のうち少なくとも一方を複数含む大型基板を製造し、このような大型基板を含む複合基板を分断する。詳しくは、複合基板は、例えば、一対の基板の各別に製造された大型基板を貼り合せるか、或いは一対の基板のうち一方について製造された大型基板に、他方の基板を一対の基板の組毎に貼り合せる等して構成される。後者の場合、例えば、他方の基板はこれを複数含む大型基板から分断された後、一対の基板の一方を複数含む大型基板に貼り合せられる。以上により、一枚の複合基板から複数の液晶装置が製造される。
複合基板の分断においては、スクライブ処理、ブレイク処理或いはダイシング処理等を施すことで大型基板を切断する。大型基板の分断位置に対してブレイク処理を行う場合に、分断位置に加わる力により切断され更に切断面同士が接触し、切断面に欠け等の不良が発生する問題点が生じる。
これに対して切断面同士の接触を低減するため、特許文献1では複合基板を伸縮シートに貼り付けた状態で、昇降部材で複合基板を押し上げることで伸縮シートを伸長させ、複合基板の所定の分断位置に横方向(伸縮方向)の力を加えて複合基板を分断する。この際、所定の分断位置では、隣接する切断面を互いに反対の方向に引き離すような力が生じる(特許文献1中、例えば図9を参照)。
しかしながら、特許文献1によれば単に伸縮シートの伸縮で生じる力のみでは、完全に切断させるための充分な力が加わらず、複合基板の所定の分断位置の全てが分断されないおそれがある。或いは、分断された分断位置においても切断面同士が接触し、結局欠け等の不良が生じてしまうおそれもある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、大型基板の切断不良を低減することにより歩留まりを向上させることが可能な電気光学装置の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、大型基板を切断予定線に沿って切断する切断工程を含む電気光学装置の製造方法であって、前記切断工程は、前記大型基板を伸縮部材上に載置する工程と、前記伸縮部材のうち少なくとも前記大型基板が載置された部分を伸長させる工程と、前記伸縮部材が伸長した状態で、前記大型基板に貼り合わされた対向基板の端部を前記切断予定線に沿って押圧部材により押圧することでブレイク処理を行う工程とを含む。
本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、互いに貼り合わされた一対の基板間に例えば液晶等の電気光学物質を有する、例えば液晶装置等の電気光学装置が製造される。大型基板は、最終的に製造される電気光学装置よりも大きいサイズで形成され、電気光学装置を構成する一対の基板のうち少なくとも一方について製造される。大型基板には、一対の基板のうち対応する基板毎に分断するための切断予定線(或いは外形線)が複数設定される。複数の切断予定線は、大型基板において製造プロセス上便宜的に設定される仮想的な線であり、複数の切断予定線によって、電気光学装置の一対の基板のうち対応する基板に応じたサイズの領域が複数規定される。
本発明に係る製造方法では、例えば、電気光学装置の一対の基板の各々について製造された一対の大型基板を互いに貼り合わせて複合基板を製造し、切断工程によって大型基板を切断予定線に沿って切断することにより、複合基板を分断する。尚、電気光学装置の一対の基板のうち一方の基板についての大型基板と、電気光学装置の一対の基板のうち他方の基板としての分断済みの小さいサイズの複数の対向基板とを互いに貼り合せて複合基板を製造してもよい。
例えば、液晶装置の一対の基板の各々別に、夫々対応する基板を複数含む2枚の大型基板をシール材等の接着剤から構成されるシール部を介して相互に貼り合わせることにより複合基板を製造し、各々の大型基板における切断予定線に沿ってこれを分断する。この場合、更にODF(One Drop Filling)法を採用すれば、2枚の大型基板の各々で複数の切断予定線によって規定される複数の領域の各々において、画像表示領域となるべき領域に電気光学層として例えば液晶層が塗布後、2枚の大型基板間に封止される。或いは、例えば液晶装置の一対の基板のうち一方を複数含む大型基板に、分断済みの他方の基板である対向基板をシール材等の接着剤から構成されるシール部を介して相互に貼り合わせて複合基板を製造し、大型基板における切断予定線に沿ってこれを分断する。更には、例えば液晶装置の一対の基板のうち少なくとも一方に対して貼り合わせる防塵基板、或いはこのような防塵基板を複数含む別の大型基板が複合基板に含まれることもある。
本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、大型基板を切断予定線に沿って切断する切断工程では、先ず、大型基板を、例えば粘着性を有する伸縮シート等の伸縮部材の表面部分に貼り付けることにより、この伸縮部材上に大型基板を載置する。続いて、伸縮部材のうち少なくとも大型基板が載置された部分を伸長(即ち、エキスパンド)させる。続いて、伸縮部材が伸長した状態(即ちエスパンドした状態)で、大型基板に対してブレイク処理を行う。具体的には、ブレイク処理は、大型基板に貼り合わされた対向基板の端部(或いは角部)に対して切断予定線に沿って、例えばブレイクバー等の押圧部材により力を加えて押圧することにより行う。これにより切断予定線に沿って大型基板に亀裂が生じてクラックが形成され、切断予定線に区画されて相互に隣接する領域を互いに分離する切断面が形成される。一方、伸縮部材はエキスパンドした状態にあるため、切断面において伸縮部材の伸長方向に沿って引張応力が加わり、相対する切断面同士を互いに引き離すことが可能となる。
従って、本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、大型基板を切断予定線に沿って切断する切断工程において、ブレイク処理を行うことにより切断予定線に沿った切断面をより確実に形成することが可能となり、且つ例えば伸縮シート等の伸縮部材をエキスパンドした状態でブレイク処理を行うため、相対する切断面同士を離間させるような引張応力を加えて、互いの接触を低減或いは防止できる。よって、大型基板が分断されず且つ分断されても切断面において欠け等の不良が生じてしまう事態を、より確実に低減或いは防止することが可能となる。
その結果、以上説明したような本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、大型基板の切断不良を低減し、歩留まりを向上させることができる。
本発明に係る電気光学装置の製造方法の一態様では、前記切断工程は、前記伸縮部材において伸縮可能な伸縮部分を規定するように、該伸縮部分を少なくとも部分的に外周側から固定部材により包囲して前記伸縮部材を固定する工程を含み、前記大型基板を前記伸縮部材上に載置する工程は、前記大型基板を前記伸縮部分上に載置し、前記伸縮部材を伸長させる工程は、前記伸縮部分に対して、前記大型基板が載置された側と反対側から前記大型基板が載置された側に向かって前記大型基板が押されるような力を伸長部材により加える。
この態様によれば、伸縮部材を固定する工程の後に、大型基板を伸縮部材上に載置する工程を行う。伸縮部材を固定する工程では、例えば伸縮シート等の伸縮部材を部分的に伸縮させるために、伸縮可能な伸縮部分の外周の少なくとも一部に対して、外周側から伸縮部分を包囲するように固定部材を配置する。
その後、大型基板を伸縮部材上に載置する工程では、大型基板を伸縮部材の伸縮部分に貼り付ける。続いて、伸縮部材を伸長させる工程では、伸縮部材を伸長させるための伸長部材により伸縮部材に対して力を加えてこれを引き伸ばす。具体的には、伸縮部材の伸縮部分に対して、大型基板が載置された側と反対側から大型基板が載置された側に向かう方向で、伸長部材により大型基板を押すような力を加える。これにより、伸縮部分がエキスパンドし、伸縮部分上に載置された大型基板に対して、伸縮部分の伸長方向に沿って引張応力を加えることが可能となる。
従って、この態様では、大型基板を伸長部材により押して固定された伸縮シートの伸縮部分をエキスパンドさせるため、ブレイク処理において例えばブレイクバー等の押圧部材との位置ずれが生じたり、或いはこれを防止するための位置合わせが煩雑となったりする等の不具合をより確実に防止できる。よって、この態様によれば、より容易に大型基板を切断し且つ切断不良をより確実に低減することが可能となる。
本発明に係る電気光学装置の製造方法の他の態様では、前記切断工程は、前記大型基板を前記伸縮部材上に載置する工程より前に、前記大型基板に対して前記切断予定線に沿ってスクライブ処理を行うことにより、スクライブ溝を形成する工程を含み、前記ブレイク処理を行う工程では、前記スクライブ溝に沿って前記対向基板の端部を前記押圧部材により押圧する。
この態様によれば、スクライブ溝(即ち、スクライブライン)を形成する工程を行った後、大型基板が載置された伸縮部材を伸長させてブレイク処理を行う。具体的には、スクライブ溝を形成する工程では、大型基板に対して切断予定線に沿ってスクライブ処理を行い、切断予定線に沿ったスクライブ溝を形成する。スクライブ処理は、例えば、大型基板を、例えば伸縮シート等の伸縮部材上に載置するより前に行う。
その後、伸縮部材上に大型基板を載置し、伸縮部材をエキスパンドして、この状態でブレイク処理を行う。ブレイク処理を行う工程では、大型基板に貼り合わされた対向基板の端部に対して、スクライブ溝に沿って例えばブレイクバー等の押圧部材により力を加えて押圧する。これにより、スクライブ溝を起点としたクラックが切断予定線に沿って形成される。
従って、この態様では、ブレイク処理において容易に大型基板を切断予定線に沿って切断することが可能となり、また予めスクライブ溝を形成することで切断精度を向上させることができる。その結果、外形精度の高い電気光学装置を製造することが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。本実施形態では、本発明に係る電気光学装置の製造方法の一例として、液晶装置の製造方法を挙げる。
先ず、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法によって製造される液晶装置の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶装置を対向基板側から見た平面図であり、図2は、図1のH−H’断面図である。
図1及び図2において、液晶装置1では、TFTアレイ基板10と、対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。液晶層50は、その駆動時に応じて画像のコントラスト及び液晶装置1の透過率が可変となるように構成されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、液晶装置1の製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材56が散布されている。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、対向基板20上において、電極より上層側に配置されて形成されてもよいし、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として形成されてもよい。
画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101、及び接続端子としての外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って複数設けられている。液晶装置1を駆動させるための電源及び各種信号は、外部回路に電気的に接続された外部回路端子102を介して液晶装置1に供給される。これにより液晶装置1が動作状態となる。
走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺のいずれかに沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。図1に示すように、例えば走査線駆動回路104は、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿って設けられる。この場合、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿って設けられた複数の配線105によって、二つの走査線駆動回路104は互いに接続されるようにする。
対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のスイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor;以下適宜、“TFT”と称する。)や走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9上に、配向膜16が形成されている。アクティブマトリクス駆動方式によれば、液晶装置1の駆動時に、走査線駆動回路104からの走査信号が走査線に供給され、データ線駆動回路101からの画像信号がデータ線に供給される。画像表示領域10aにおける各画素では、TFTを介して走査線からの走査信号に応じて、データ線からの画像信号が画素電極9に供給される。
液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。そして、液晶装置の駆動時、夫々に電圧が印加されることで、画素電極9と対向電極21との間には液晶保持容量が形成される。
他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば遮光性金属膜等から形成されており、対向基板20上の画像表示領域10a内で、例えば格子状等にパターニングされている。そして、遮光膜23上(図2中遮光膜23より下側)に、ITO膜からなる対向電極21が複数の画素電極9と対向して例えばベタ状に形成され、更に対向電極21上(図2中対向電極21より下側)には配向膜22が形成されている。
尚、TFTアレイ基板10及び対向基板20には、液晶装置1の表示方式、より具体的には、透過型表示方式或いは反射型表示方式の違いに応じて、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、或いはシリコン基板等の各種基板が用いられる。
また、ここでは図示しないが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104の他に、データ線に画像信号をサンプリングして供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等が形成されていてもよい。
次に、図3から図8を参照しながら、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法を説明する。
図3は、本実施形態に係る電気光学装置の製造方法に用いられる複合基板を図式的に示した平面図である。図4は、図3の一部を拡大して示した拡大平面図である。図5は、液晶装置の製造プロセスにおける複合基板の切断処理について、主要な工程を説明するための工程断面図である。図6は、複合基板のブレイク処理に係る主要な構成要素の配置関係を概略的に示す概略図である。図7及び図8は夫々複合基板のブレイク処理に係る主要な工程を説明するための工程断面図である。尚、本実施形態では以下に説明する各図について、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、必要に応じて該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
尚、以下で説明する電気光学装置の製造方法は、上述の液晶装置1を製造する製造方法である。以下では、説明の便宜上、上述の液晶装置1と共通する部分に共通の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。加えて、図3から図8においては、図1又は図2を参照して説明したデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104、シール材52や外部回路接続端子102等について、図示を省略し且つ詳細な説明も省略することもある。
図1又は図2を参照して説明した液晶装置1は、図3に示すような比較的大きな複合基板230において、一挙に複数形成される。図4に、図3中の領域Rにおける複合基板230の詳細な構成を示す。図4に示すように、複合基板230において、例えば液晶装置1が縦横それぞれに例えばマトリクス状に配列されるように形成され、各液晶装置1においては夫々、図1及び図2に示したような各種の構成要素が形成される。
複合基板230は、液晶装置1を構成する一対の対向基板20及びTFTアレイ基板10のうち少なくとも一方に対応する大型基板を含む。本実施形態の製造プロセスによれば、このような一以上の大型基板、或いは更に液晶装置1の一対の基板10及び20の各々に応じて分断済みの小さいサイズの基板からなる複数の基板を夫々互いに貼り合せて複合基板230を製造する。
例えば、液晶装置1を構成する一対の対向基板20及びTFTアレイ基板10のうち、TFTアレイ基板10に対応する大型基板(後述する図5に示す大型基板210)には、TFTアレイ基板10のサイズに対応する複数の領域を規定する複数の外形線が設定されている。例えば図3又は図4に示すように、同図中X方向及びY方向に沿って縦横に交差する複数の第1外形線Xj及び複数の第2外形線Y0が規定される。複数の第1外形線Xj及び複数の第2外形線Y0は大型基板において製造プロセス上便宜的に設定される仮想的な線である。尚、複数の第1外形線Xj及び複数の第2外形線Y0は、本発明に係る「切断予定線」の一例である。
図3において、複数の第1外形線Xj及び複数の第2外形線Y0に沿って、これらにより規定される複数の領域r1の各々毎に分断することで、TFTアレイ基板10が各個別に切り出される。その結果、複合基板230が分断され、個々にTFTアレイ基板10を含む液晶装置1が製造される。
図4に示す領域Rにおいて、TFTアレイ基板10に対応する大型基板(後述する図5に示す大型基板210)上には、図3に示す領域r1に重なるTFTアレイ基板10に相当する部分毎に、外部回路接続端子102が形成されていると共に、シール材52に囲まれた領域に画像表示領域10aが設定されている。このような画像表示領域10aは既に図1又は図2を参照して説明したように、液晶装置1において遮光膜53(図1参照)等の遮光部によってその外縁が規定されている。また、額縁遮光膜53に覆われるようにしてシール材52より内側に走査線駆動回路104が設けられる。
複合基板230は、TFTアレイ基板10に対応する大型基板(後述する図5に示す大型基板210)に、対向電極21、配向膜22等が形成された対向基板20を複数含む別の大型基板が、TFTアレイ基板10及び対向基板20の組毎に、図1又は図2を参照して説明したような構成のシール材52を介して相互に貼り合せられることにより構成される。或いは、複合基板230は、TFTアレイ基板10に対応する大型基板(後述する図5に示す大型基板210)に、別の大型基板より切り出された複数の対向基板20が夫々シール材52を介して相互に貼り合せられることにより構成されるようにしてもよい。尚、図4中、複合基板230において、図3に示す領域r1のうち領域r2が(同図中、斜線部分)が対向基板20の配置される領域であり、TFTアレイ基板10より小さいサイズの対向基板20から、図1又は図2に示すようにデータ線駆動回路101や外部回路接続端子102が露出して設けられる。
図2を参照して説明した液晶層50は、複合基板230において、TFTアレイ基板10及び対向基板20の組毎に最終的にこれらの基板間において画像表示領域10aとなるべき領域で且つシール材52によって囲まれた領域内に挟持されるように塗布され、封止される。液晶層50は、TFTアレイ基板10に対応する大型基板(図5に示す大型基板210)において、例えば上述したようにTFTアレイ基板10及び対向基板20の組毎の貼り合せがなされる前に、複数の領域r1の各々においてシール材52によって囲まれた一部に塗布され、封止される。
したがって、本実施形態における製造プロセスは、ODF法によって形成された複合基板230、即ち最終的に製造される液晶装置1のサイズより大型の複合基板230から、後述する各工程を経て複数の液晶装置1を製造する。
尚、本実施形態では、上述したような複合基板230には、例えば液晶装置1のTFTアレイ基板10及び対向基板20のうち少なくとも一方に対応して貼り合わせる防塵基板、或いはこのような防塵基板を複数含む別の大型基板が含まれるようにしてもよい。
次に、図3及び図4に加えて、図5から図8を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置1の製造プロセスのうち主要な工程を詳細に説明する。以下では、図3に示すような複合基板230のうち、TFTアレイ基板10に対応する大型基板(図5に示す大型基板210)について、複数の第1外形線Xj及び複数の第2外形線Y0に沿って切断し、TFTアレイ基板10毎に各個別に切り出す切断処理を一例として説明する。
先ず図5(a)において、TFTアレイ基板10に対応する大型基板210に対して、対向基板20を複数含む別の大型基板が貼り合せられることにより構成された複合基板230について、別の大型基板をスクライブ処理、ブレイク処理或いはダイシング処理等により分断して、対向基板20を切り出す。或いは、TFTアレイ基板10に対応する大型基板210に、別の大型基板より切り出された複数の対向基板20を夫々シール材52を介して、TFTアレイ基板10及び対向基板20の組毎に相互に貼り合せて、複合基板230を製造する。
続いて図5(b)において、大型基板210の両面のうち対向基板20に面しない側を切り込み面210aとして、第1外形線Xjに沿ってスクライブ処理を施し、スクライブ溝(スクライブライン)1226を形成する。また、これと並行して又は相前後して、大型基板210における切り込み面210aに対して、第2外形線Y0に沿ってスクライブ処理を施すことにより、第2外形線Y0に沿うスクライブ溝も形成する。これにより、大型基板210を第1外形線Xj及び第2外形線Y0に沿って図3に示す領域r1毎に分断する準備が整う。
続いて、このように大型基板210に対して第1及び第2外形線Xj及びY0に沿ってスクライブ処理が行われた状態の複合基板230を、図6又は図7に示すように本発明に係る「伸縮部材」の一例である伸縮シート620上に載置する。
図6又は図7において、複合基板230を伸縮シート620上に載置するより前に、伸縮性を有し、加えて好ましくは粘着性を有する伸縮シート620を、本発明に係る「固定部材」の一例である固定用リング615により、台座613に固定する。後述するブレイク処理において伸縮シート620を部分的に伸縮させるため、伸縮可能な伸縮部分620aを外周側から包囲するように固定用リング615が配置される。即ち、伸縮シート620において固定用リング615によって固定された、固定用リング615の内周側に位置する一部が、伸縮シート620を部分的に伸縮させるための伸縮部分620aとして規定される。尚、伸縮シート620の固定はこのような構成に限定されず、固定用リング615に代えて、伸縮シート620において、伸縮部分620aの外周の少なくとも一部に対して、例えば伸縮部分620aをその外周側から挟むように2箇所に固定部材を配置して固定するようにしてもよい。
図7において台座613には空洞部が設けられており、この空洞部内に伸縮シート620を伸縮させるための伸長部材610が配置される。伸長部材610は、台座613に伸縮シート620が固定された状態で、伸縮部分620aに対して複合基板230が載置される側と反対側から当接可能なテーブル状の当接部610aを有している。尚、伸長部材610は図7中の矢印A0に沿う同図中上下方向に沿って昇降自在となっている。
図6又は図7において、複合基板230を伸縮シート620における伸縮部分620a上であって、伸縮部分620aに伸長部材610の当接部610aが当接した状態で、伸縮部分620aを介して当接部610a上に位置するように、伸縮シート620上に載置する。例えば伸縮シート620は、当接部610aに面する側と反対側の面が粘着性を有している。複合基板230において大型基板210を伸縮部分620aの表面部分に貼り付けて、複合基板230を載置する。
続いて、図5(c)及び図8において、伸長部材610を図8中の矢印A0に沿い昇降させて、一例として図8に示すように上昇させて、伸縮シート620の伸縮部分620aに対して、大型基板210が載置された側と反対側から大型基板210が載置された側に向かう方向で、当接部610aにより大型基板210を押すような力を加える。これにより、伸縮部分620aがエキスパンドし、伸縮部分620a上に載置された複合基板230において大型基板210に対して、伸縮部分620aの伸長方向に沿って引張応力(図5(c)及び図8中の白抜きの両方向矢印に沿う力F2)を加えることが可能となる。
このように伸縮部分620aがエキスパンドした状態で、図5(c)及び図8において、複合基板230に対してブレイク処理を行う。具体的には、複合基板230の大型基板210に対して、スクライブ溝1226に沿って、本発明に係る「押圧部材」としてのブレイクバー95により、対向基板20の端部に、図5(c)及び図8中の点線矢印に沿う力F1を加えて押圧する。これにより、スクライブ溝1226を起点としたクラック1227が第1外形線Xjに沿って形成される。
また、これと並行して又は相前後して、図5(c)及び図8と同様に、大型基板210における第2外形線Y0に沿ってブレイク処理を行い、第2外形線Y0に沿うスクライブ溝を起点としたクラックを形成して、大型基板210を第2外形線Y0に沿ってブレイクする。
従って、以上のようなブレイク処理の結果、大型基板210において相互に隣接する領域r1(図3参照)を互いに分離する切断面が、第1及び第2外形線Xj及びY0の各々に沿って形成される。このような切断面においては、伸縮部分620aがエキスパンドした状態にあることで、伸縮部分620aの伸長方向に沿う引張応力(図5(c)及び図8中の白抜きの両方向矢印に沿う力F2)が加わり、相対する切断面同士を互いに引き離すことが可能となる。
ここに、図9を参照して比較例におけるブレイク処理について、本実施形態と異なる点についてのみ説明する。
図9は、比較例における複合基板のブレイク処理について概略的に説明するための概略断面図である。
図9において、複合基板230においてTFTアレイ基板10に対応する大型基板210にスクライブ処理を施してスクライブ溝1226を形成した後、複合基板230を台座613上に載置する。この状態で、大型基板210に対して、スクライブ溝1226に沿ってブレイクバー95により、図9中の点線矢印に沿う力F1を加えて押圧する。これにより、スクライブ溝1226を起点としたクラック1227が第1外形線Xjに沿って形成される。
しかしながら比較例におけるブレイク処理では、ブレイクバー95による力F1により、スクライブ溝1226及びクラック1227によって大型基板210に切断面が形成されると、更に切断面同士が接触して切断面に欠け等の不良が発生する問題点が生じる。
これに対して本実施形態では図5(c)及び図8に示すように、ブレイク処理を行うことにより第1及び第2外形線Xj及びY0に沿った切断面をより確実に形成することが可能となり、且つ伸縮部分620aがエキスパンドした状態でブレイク処理を行うため、相対する切断面同士を離間させるような引張応力F2を加えて、互いの接触を低減或いは防止できる。よって、複合基板230が分断されず且つ分断されても切断面において欠け等の不良が生じてしまう事態を、より確実に低減或いは防止することが可能となる。
また、大型基板210を伸長部材610の当接部610aにより押して、固定用リング615により固定された伸縮部分620aをエキスパンドさせるため、ブレイク処理においてブレイクバー95との位置ずれが生じたり、或いはこれを防止するための位置合わせが煩雑となったりする等の不具合をより確実に防止できる。
加えて、図5(b)を参照して上述したように、予めスクライブ処理を行って大型基板210にスクライブ溝1226、及び第2外形線Y0に沿うスクライブ溝を形成することで、ブレイク処理において容易に大型基板210を第1及び第2外形線Xj及びY0に沿って分断することが可能となると共に切断精度を向上させ、その結果、液晶装置1の外形精度も向上させることができる。
従って以上説明したような本実施形態によれば、液晶装置1の製造プロセスにおいて複合基板230における大型基板210の切断不良を低減し、歩留まりを向上させることができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置の製造方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…液晶装置、10…TFTアレイ基板、20…対向基板、50…液晶層、95…ブレイクバー、210…大型基板、230…複合基板、Xj…第1外形線、Y0…第2外形線、620…伸縮シート、620a…伸縮部分
Claims (3)
- 大型基板を切断予定線に沿って切断する切断工程を含む電気光学装置の製造方法であって、
前記切断工程は、
前記大型基板を伸縮部材上に載置する工程と、
前記伸縮部材のうち少なくとも前記大型基板が載置された部分を伸長させる工程と、
前記伸縮部材が伸長した状態で、前記大型基板に貼り合わされた対向基板の端部を前記切断予定線に沿って押圧部材により押圧することでブレイク処理を行う工程と
を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記切断工程は、前記伸縮部材において伸縮可能な伸縮部分を規定するように、該伸縮部分を少なくとも部分的に外周側から固定部材により包囲して前記伸縮部材を固定する工程を含み、
前記大型基板を前記伸縮部材上に載置する工程は、前記大型基板を前記伸縮部分上に載置し、
前記伸縮部材を伸長させる工程は、前記伸縮部分に対して、前記大型基板が載置された側と反対側から前記大型基板が載置された側に向かって前記大型基板が押されるような力を伸長部材により加える
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。 - 前記切断工程は、前記大型基板を前記伸縮部材上に載置する工程より前に、前記大型基板に対して前記切断予定線に沿ってスクライブ処理を行うことにより、スクライブ溝を形成する工程を含み、
前記ブレイク処理を行う工程では、前記スクライブ溝に沿って前記対向基板の端部を前記押圧部材により押圧する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2009032352A JP2010190937A (ja) | 2009-02-16 | 2009-02-16 | 電気光学装置の製造方法 |
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