JP2010185032A - ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】カーボンナノファイバー配合時の作業性およびゴム成分中のカーボンナノファイバーの分散性がよく、混合後のゴム組成物のヒステリシスロス性(損失正接)を悪化させることなく、発熱性が低く熱伝導性に優れたゴム組成物及びそれを用いたタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分に対し、超高圧湿式分散装置により剪断分散処理されたカーボンナノファイバーを含有するゴム組成物及びそれを用いたタイヤである。カーボンナノファイバーが、超高圧湿式分散装置により、100MPa〜150MPaで剪断分散処理されたことが好ましく、カーボンナノファイバーが、超高圧湿式分散装置により、複数回以上剪断分散処理されたことが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いたタイヤに関し、詳しくは、カーボンナノファイバー配合時の作業性およびゴム成分中のカーボンナノファイバーの分散性がよく、混合後のゴム組成物のヒステリシスロス性(損失正接)を悪化させることなく、発熱性が低く熱伝導性に優れたゴム組成物及びそれを用いたタイヤに関する。
ゴム業界においては、従来、所定のゴム物性を得ることを目的として、ゴム成分に対し炭素繊維を配合することが一般的に行われている。特に、所定形状の炭素繊維を配合することにより所望の物性を有するゴム組成物を得る技術については、これまでに種々提案され、ゴムに導電性・熱伝導性を付与するために、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブなどで複合化する技術が注目されている。
このような技術において、気相成長炭素繊維やカーボンナノチューブなどのカーボンナノファイバーの中には、熱・電気伝導性に優れたものが有り、ゴム成分に混合することで際立った熱・電気伝導性が付与され、例えば、該ゴム組成物をタイヤに用いた場合、加硫時間の大幅な短縮が可能で、放熱性に優れたタイヤ、ヒステリシスロス性を維持あるいは改良され、耐久性に優れたタイヤが得られる。また、逆にある種のカーボンナノナノファイバーを用いて、ゴム組成物のヒステリシスロス性が高くなる場合は、グリップ性に優れたタイヤが得られる。
例えば、特許文献1には、ゴム成分に対し、シリカ質充填材に加えて所定の平均直径の気相成長炭素繊維を配合することで、シリカ配合による特性を低下させることなく導電性の向上を図った帯電防止性ゴム組成物が記載されている。当該文献には、用いる気相成長炭素繊維の平均直径が0.01〜3μm、特には0.05〜0.5μmの範囲内にあることで、ゴムを混練する際に気相成長炭素繊維が破砕されず、上記目的を良好に達成することができる一方、気相成長炭素繊維の平均直径が0.01μm未満であると、ゴムの混練の際に、気相成長炭素繊維がゴム中に良好に分散せずに凝集してしまう傾向を生じ、また、気相成長炭素繊維の平均直径が3μmを超えると、ゴムとの混練に際し気相成長炭素繊維が破砕されてしまう傾向を生じることがある旨も記載されている。
また、ゴムに導電性・熱伝導性を付与するために、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブなどを複合化する技術として、特許文献2には、ジエン系ゴムと硫黄と繊維状フィラーとを配合してなるゴム組成物であって、上記繊維状フィラーとして、高アスペクト比フィラーと低アスペクト比フィラーとの2種を併用してなることを特徴とするロール成形用ゴム組成物が記載されている。この技術においては、気相成長炭素繊維配合ゴムの熱伝導性は卓越しているため、タイヤトレッド等に用いた場合、ゴム製品内部の熱を効率よく製品外部に逃がすことが期待され、タイヤの耐久性向上が期待される。
さらに、一部分において起こるタイヤの温度上昇による強力低下を防ぎ、空気入りタイヤの耐久性を向上させることを目的として、特許文献3には、左右一対のビード部と、該ビード部のタイヤ半径方向外側に配置されるビードフィラーゴム及びカーカス層と、該カーカス層のタイヤ半径方向外側に配置されるトレッドゴムと、該トレッドゴムの左右に配置される一対のサイドゴムと、該サイドゴムの内側に配設されるサイド補強ゴムとを具備してなる空気入りタイヤであって、少なくとも一部のゴムが、微細炭素繊維を含有するゴム組成物からなる空気入りタイヤが記載されている。
一方、特許文献4には、混練によるゴム物性への影響を排除して、混練条件を変えた場合であっても、所望のゴム物性を確実に実現することができるゴム組成物を得ることを目的として、ゴム成分と、気相成長炭素繊維とを含むゴム組成物であって、混練後における前記気相成長炭素繊維の、長さが0.5〜1000μmの範囲内であり、かつ、直径が0.01〜50μmの範囲内であるゴム組成物が記載されている。
特開平8−127674号公報(特許請求の範囲等) 特開2007−217458号公報(特許請求の範囲等) 特開2004−249888号公報(特許請求の範囲等) 特開2007−45942号公報(特許請求の範囲等)
しかしながら、特許文献1〜4に記載の従来技術では、カーボンナノファイバーをゴム成分中に均一に分散させることについて効果はあるものの、カーボンナノファイバーをゴム成分中に均一に分散させることについて改良の余地があり、分散不十分で生じたカーボンナノファイバーの凝集塊が変形時の破壊核となって、破断強度(Tb)、破断伸び(Eb)および磨耗性などの力学物性を低下させ、また、損失正接(ヒステリシスロス性、Tanδ)が増し、多くのタイヤの場合、転がり抵抗の悪化、発熱性の増大、延いては耐久性の低下を招くことがあり、今日、より優れたカーボンナノファイバーのゴム組成物中への均一分散性が求められている。
特に、産業分野での使用が先行している気相成長炭素繊維をゴム成分に配合した場合、損失正接(Tanδ)の温度分散挙動において、室温〜100℃の温度域にガラス転移点の主分散とは別にショルダー(ブロードなピーク)が発生する。これはタイヤの場合、当該使用温度において、発熱性が少なからず増すことを意味する。即ち、タイヤなどゴム製品に気相成長炭素繊維を導入し、熱伝導性向上により製品内部に蓄積する熱の放熱性を改良しても、同時に気相成長炭素繊維とゴム成分の混合により発熱項が増し余計な熱が発生して、十分な発熱防止効果が得られなかった。
さらに、カーボンナノファイバーをゴム組成物や樹脂中で分散性を向上させる手法は種々検討されているが、通常のスラリー化や超音波等の処理では、カーボンナノファイバー配合時の作業性の改善やその後のゴム成分混合後の充分な分散には結びついておらず、さらにまた、カーボンナノファイバーがしばしば嵩比重が小さく、投入に長時間を要し、配合時の飛散があり、その作業性が問題となっていた。
そこで、本発明の目的は、カーボンナノファイバー配合時の作業性およびゴム成分中のカーボンナノファイバーの分散性がよく、混合後のゴム組成物のヒステリシスロス性(損失正接)を悪化させることなく、発熱性が低く熱伝導性に優れたゴム組成物及びそれを用いたタイヤを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、カーボンナノファイバーを剪断分散処理することで前記課題を解決し得ることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のゴム組成物は、ゴム成分に対し、超高圧湿式分散装置により剪断分散処理されたカーボンナノファイバーを含有することを特徴とするものである。
また、本発明のゴム組成物は、前記カーボンナノファイバーが、超高圧湿式分散装置により、100MPa〜150MPaで剪断分散処理されたことが好ましく、さらに、前記カーボンナノファイバーが、超高圧湿式分散装置により、複数回以上剪断分散処理されたことが好ましい。
さらにまた、本発明のゴム組成物は、前記カーボンナノファイバーの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.01〜100質量部であることが好ましく、前記カーボンナノファイバー以外の充填材として、カーボンブラックおよび/または無機充填材を含有することが好ましい。
また、本発明のタイヤは、前記ゴム組成物を用いたことを特徴とするものである。
本発明によると、カーボンナノファイバー配合時の作業性およびゴム成分中のカーボンナノファイバーの分散性がよく、混合後のゴム組成物のヒステリシスロス性(損失正接)を悪化させることなく、発熱性が低く熱伝導性に優れたゴム組成物を提供することができ、このゴム組成物を補強材として用いたタイヤも発熱性が低く優れた熱伝導性を有する。
キャビテーションの発生原理を示す説明図である。 キャビテーションによるフィラーの粉砕・分散を示す説明図である。 超高圧湿式分散装置の一例を示す概略図である。
以下に本発明の実施の形態について具体的に説明する。
本発明におけるカーボンナノファイバーとしては、超高圧湿式分散装置により剪断分散処理され、所望の効果が得られるものであれば限定されず、如何なるものも使用できる。かかるカーボンナノファイバーをゴム成分と混合することにより、超高圧湿式分散装置により剪断分散処理されているため、カーボンナノファイバー配合時の作業性およびゴム成分中のカーボンナノファイバーの分散性がよく、また、混合後のゴム組成物のヒステリシスロス性(損失正接)を悪化させることなく、発熱性が低く熱伝導性に優れたゴム組成物を得ることができる。
ここで、剪断分散処理とは、超高圧で粉砕・分散処理を行うことであり、具体的には、高速乱流による剪断のみだけでなく、キャビテーションによる衝撃圧(衝撃力)で、瞬時に粉砕・分散処理を行うことである。図1は、キャビテーションの発生原理を示す説明図であり、図2は、キャビテーションによるフィラーの粉砕・分散を示す説明図である。超高圧ポンプで加圧された超高圧流は、微細な流路1を通過する際に、超高速流に変化し、圧力のエネルギーが運動エネルギーとなり急激に圧力が低下し、溶媒中にキャビティーが発生する。超高速流は、流路2で速度が低下し、圧力が大気圧近くまで戻り、キャビティーが崩壊し、キャビテーションによる衝撃力が発生する。図2に模式的に示すように、この衝撃力により粉砕・分散処理を行うことができる。
本発明において、超高圧湿式分散装置により剪断分散処理されたカーボンナノファイバーとしては、例えば、公知のカーボンナノファイバーを水やアルコールと混合し、超高圧湿式分散装置にて剪断分散処理を一定時間かけて行い、その後溶媒を揮発させ、乾燥状態のカーボンナノファイバーを回収することで得られる。
本発明において、剪断分散処理による処理効果は、圧力および処理回数(ノズル等を繰り返し通過させる回数)に影響されるため、所期の効果が得られれば圧力および処理回数は限定されないが、超高圧湿式分散装置により、100MPa〜150MPaでカーボンナノファイバーを剪断分散処理することが好ましい。この範囲でカーボンナノファイバーが剪断分散処理されることにより、カーボンナノファイバーの分散性をよりよくできる。
また、超高圧湿式分散装置によるカーボンナノファイバーの処理回数は、1回でも、複数回以上でもよく、好ましくは、複数回以上であり、さらに好ましくは、2〜5回である。処理回数が複数回以上であると、カーボンナノファイバーの分散性が、よりよくなり好ましい。
本発明において使用できる超高圧湿式分散装置としては、所期の剪断分散処理ができれば特に限定されないが、例えば、ナノメーカー200(アドバンスト・ナノ・テクノロジィ(株)製)等を挙げることができる。図3は、超高圧湿式分散装置の一例を示す概略図である。かかる超高圧湿式分散装置は、処理圧力100MPa〜150MPa、繰り返し処理(例えば、5回)が可能であり、図3に示すように、タンク3に入れられた懸濁液4が逆止弁5を通してシリンダー6に注入され、ポンプにより、高圧シール7でシールされているプランジャー8で加圧され、微細な特殊形状ノズル9を通過するだけで微細化処理されたナノ粒子分散液10が得られる装置である。また、処理時間は使用する装置の流量で決まるが、図3の装置では、150MPa処理時、約5cm/secの流量で処理できる。
また、剪断分散処理前のカーボンナノファイバーとしては、好適には繊維径0.04〜0.5μm、より好適には0.05〜0.4μm、特には0.07〜0.3μmのものを用いる。また、その繊維長についても特に制限されず、好適には平均繊維長0.5〜50μm、より好適には1〜40μm、特には1.5〜30μmの範囲のものを用いることができる。
さらに、剪断分散処理前のカーボンナノファイバーとしては、例えば、サンナノテック社製のカーボンナノファイバー(商品名MW−CNT、径10〜30nm、長さ1〜10μm)等を挙げることができる。
本発明におけるゴム成分としては、天然ゴム、汎用合成ゴム、例えば、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、溶液重合スチレン−ブタジエンゴム、高シス−1,4ポリブタジエンゴム、低シス−1,4ポリブタジエンゴム、高シス−1,4ポリイソプレンゴム等、ジエン系特殊ゴム、例えば、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム等、オレフィン系特殊ゴム、例えば、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等、その他特殊ゴム、例えば、ヒドリンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ウレタンゴム等を挙げることができる。コストと性能とのバランスから、好ましくは、天然ゴムまたは汎用合成ゴムである。
本発明に係る超高圧湿式分散装置により剪断分散処理されたカーボンナノファイバーの含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.01〜100質量部とすることが好ましい。0.01質量部未満では所期の性能を十分に得ることができないおそれがあり、また、100質量部を超えて含有させても、所期の性能のさらなる向上効果は発現しにくく、混合や成型等における作業性が低下するおそれがあるため、いずれも好ましくない。
本発明の組成物においては、本発明に係る超高圧湿式分散装置により剪断分散処理されたカーボンナノファイバー以外の各種充填材を、ゴム成分100質量部に対して0〜120質量部含有することが好適である。更に好適には、充填材として、カーボンブラックおよび/または無機充填材を含有させる。組成物中にカーボンブラックおよび/または無機充填材が適量含有されていると、本発明に係る超高圧湿式分散装置により剪断分散処理されたカーボンナノファイバーのみを添加した場合に比してより高い補強効果が得られる。カーボンブラックとしては、HAF級のものなど公知のものを使用することができる。また、無機充填材としては、シリカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
また、かかる超高圧湿式分散装置により剪断分散処理されたカーボンナノファイバーは、通常のゴム配合の上記充填材を一部置換する形でゴム成分に配合、加硫して使用することができ、これにより、熱・電気伝導性と力学特性、熱伝導性に優れたゴム組成物を得ることができる。
また、本発明のゴム組成物には、上記ゴム成分およびカーボンナノファイバーの他、ゴム業界で通常用いられている各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。例えば、シランカップリング剤等のカップリング剤、軟化剤、硫黄等の加硫剤、ジベンゾチアジルジスルフィド等の加硫促進剤、N−シクロへキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−ベンゾチアジル−スルフェンアミド等の老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、発泡剤、発泡助剤等が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、これら各種添加剤としては、市販品を使用することができる。
本発明のゴム組成物は、常法に従い適宜装置、条件、手法等にて混練り、熱入れ、押出等することにより調製し、タイヤ等の各種ゴム製品に好適に適用することができ、特にタイヤに好適に使用できる。
混練りは、混練り装置への投入体積、ローターの回転速度、ラム圧等や、混練り温度、混練り時間、混練り装置等の諸条件について特に制限はなく、所望に応じ適宜選択することができる。混練り装置としては、例えば、ロールなどの開放式混練機やバンバリーミキサーなどの密閉式混練機等が挙げられ、市販品を好適に使用することができる。
熱入れまたは押出についても、熱入れまたは押出の時間、熱入れまたは押出の装置等の諸条件について特に制限はなく、所望に応じ適宜選択することができる。また、熱入れまたは押出の装置についても、市販品を好適に使用することができる。
また、本発明のタイヤは、トレッド、ベルトなどの部材に上記本発明のゴム組成物を補強材として用いたものであればよく、これにより熱伝導による放熱効果で発熱を抑制することができるものであり、その具体的な構造や他の材料等については特に制限されるものではない。なお、本発明の空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
次に、本発明を実施例により更に詳しく説明する。本発明は、この例によって限定されるものではない。
超高圧湿式分散装置により剪断分散処理されたカーボンナノファイバーの調製
サンナノテック社製のカーボンナノファイバー(商品名MW−CNT、径10〜30nm、長さ1〜10μm)10gを、エタノール300mLと混合し、このスラリーを室温にて、超高圧湿式分散装置による剪断分散処理を、アドバンスト・ナノ・テクノロジィ(株)製のナノメーカー200を使用して、100〜150MPaの処理圧力、処理回数5回で行った。カーボンナノファイバーが、ほぼ均一化された時点で、スラリーを取り出しパレット上に移し、1昼夜風乾後真空処理し、溶媒分を完全に除去し、剪断分散処理されたカーボンナノファイバー(MW−CNT分散処理品)を得た。
実施例1及び比較例1、2
混練り条件
表1に示す各種カーボンナノチューブを用いて、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)にて、スチレンブタジエンゴム(SBR1500)を70℃、50rpmで3分間素練りした後、各添加剤を投入して、70℃にて30rpmで更に混合した(ノンプロ配合)。得られた混合物を取り出して、冷却、秤量した後、プラベンダーを用いて、50℃にて30rpmで再度混合した(プロ配合)。
ゴムシート作製条件
混練りした混合物を高温プレスを用いて150℃×15分にて加硫して、2mm厚の加硫ゴムシートを作製した。
Figure 2010185032
1)HAF:カーボンブラック(シースト3、東海カーボン株式会社製)
2)老化防止剤:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
得られた加硫ゴムシートについて以下の試験を行い、結果を表2に示す。
ゴムシートの熱伝導率の測定
京都電子(株)製の迅速熱伝導率計QTM−500を用いて、ゴムシートの熱伝導率を測定し、比較例1の値を100として、評価した。数値が大なる程、結果が良好である。
損失係数(Tanδ、指数)の評価
(株)東洋精機製作所製の粘弾性測定システム(レオグラフ)を使用して、50Hz、2%歪の条件で、温度30℃における損失正接(Tanδ)を測定し、比較例1の値を100として、損失係数(Tanδ、指数)を評価した。
ゴム組成物調製時の練り作業性(飛散)評価
ゴム組成物調製における練り作業性(飛散)を、「飛散有り」、「飛散無し」で評価した。
Figure 2010185032
これらの結果から明らかなように、超高圧湿式分散装置分散処理を行ったカーボンナノチューブはゴム成分への配合時の飛散がなく、従来の方法により配合した比較例1と比較して、対比同等以上の熱伝導を有し、また、室温〜100℃の温度域にガラス転移点の主分散とは別のショルダー(ブロードなピーク)の発生がなく、課題であったヒステリシスロス性(損失正接)の悪化を軽減し、発熱性が低く十分な発熱防止効果が得られている。
1 微細な流路
2 流路
3 タンク
4 懸濁液
5 逆止弁
6 シリンダー
7 高圧シール
8 プランジャー
9 特殊形状ノズル
10 ナノ粒子分散液

Claims (6)

  1. ゴム成分に対し、超高圧湿式分散装置により剪断分散処理されたカーボンナノファイバーを含有することを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記カーボンナノファイバーが、超高圧湿式分散装置により、100MPa〜150MPaで剪断分散処理された請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記カーボンナノファイバーが、超高圧湿式分散装置により、複数回以上剪断分散処理された請求項1または2記載のゴム組成物。
  4. 前記カーボンナノファイバーの含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.01〜100質量部である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のゴム組成物。
  5. 前記カーボンナノファイバー以外の充填材として、カーボンブラックおよび/または無機充填材を含有する請求項1〜4のうちいずれか一項記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか一項に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とするタイヤ。
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