JP2011105841A - ゴム用補強剤及びゴム組成物の製造方法 - Google Patents

ゴム用補強剤及びゴム組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カーボンナノチューブを凝集させずに乾燥させることができ、それをゴムポリマーに添加することで補強性と低発熱性のバランスを向上させるゴム用補強剤を提供する。
【解決手段】カーボンナノチューブの水分散液に、平均粒径2〜200nmの無機充填剤であるナノフィラーを、前記カーボンナノチューブ重量の0.1〜0.5倍の量にて混合し、乾燥させて、カーボンナノチューブとナノフィラーとの複合体を得る。得られた複合体を、ゴムポリマーに添加し混合してゴム組成物を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンナノチューブを含むゴム用補強剤、及び該補強剤を含むゴム組成物の製造方法に関するものである。
従来、例えば、下記特許文献1に記載されているように、ゴム組成物に配合する補強剤として、カーボンブラックの代わりにカーボンナノチューブを用いることが提案されている。しかしながら、カーボンナノチューブは、その微細な繊維状の形態のため絡まり合って凝集しやすい。そのため、カーボンナノチューブをそのままゴムポリマーに配合するという手法では、ゴム組成物中に均一に分散させることが難しく、カーボンナノチューブ本来の補強性等の優れた特性を十分に発揮できないのが実情である。
そのため、下記特許文献1では、カーボンナノチューブの水分散液をラテックスゴムと一緒に水中で攪拌混合(いわゆるウェット混合)し、得られたマスターバッチを使用して、従来のバンバリーミキサーや押し出し機などで他の薬品とともに混合(いわゆるドライ混合)して、最終のゴム組成物を得ることが開示されている。しかしながら、この方法では、ゴムポリマーがラテックスゴムに限られるという問題もある。
また、下記特許文献2では、ゴムラテックスと、カーボンブラックのスラリー溶液とを混合し、ゴムマスターバッチを調製する際に、カーボンナノチューブなどの炭素繊維も添加して、マスターバッチ化することが提案されている。しかしながら、この方法でも、ゴムポリマーがラテックスゴムに限られるという点で同様の問題がある。
一方、下記特許文献3には、ミクロフィブリルと、カーボンブラックやシリカなどのミネラル粒子(粒子状フィラー)とを組み合わせた乾燥物を、ゴム組成物に配合することが開示されており、ミクロフィブリルとして中空のカーボンミクロフィブリルを用いてもよいこと、及び、該乾燥物を得るためにミクロフィブリルと粒子状フィラーを含む水懸濁体を調製してこれを乾燥させることが開示されている。しかしながら、この文献では、ミクロフィブリルの量がミネラル粒子100gに対して0.1〜100g、特には1〜10gとされており、すなわち、ミクロフィブリルに対して多量の粒子状フィラーを組み合わせて上記乾燥物を得るものである(段落0094参照)。このように多量の粒子状フィラーを添加するものでは、粒子状フィラーによるヒステリシスロスが大きく低発熱性に劣るという問題がある。
特開2006−206864号公報 特開2006−193620号公報 特表2002−503621号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、カーボンナノチューブを凝集させずに乾燥させることができ、それをゴムポリマーに添加することで補強性と低発熱性のバランスを向上させることができるゴム用補強剤を提供することを目的とする。
本発明者は、カーボンナノチューブの水分散液に比較的少量のナノフィラーを混合し乾燥させることにより、カーボンナノチューブを凝集させずに乾燥することができ、これをゴムポリマーに添加することで補強性と低発熱性のバランスを向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るゴム用補強剤の製造方法は、カーボンナノチューブの水分散液に、平均粒径2〜200nmの無機充填剤であるナノフィラーを、前記カーボンナノチューブ重量の0.1〜0.5倍の量にて混合し、乾燥させて、カーボンナノチューブとナノフィラーとの複合体を得るものである。
また、本発明に係るゴム組成物の製造方法は、上記で得られたゴム用補強剤を、ゴムポリマーに添加し混合するものである。
本発明によれば、カーボンナノチューブを凝集させずに乾燥させることができ、それをゴムポリマーに添加することで補強性と低発熱性のバランスを向上させることができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明では、カーボンナノチューブを水に分散させた水分散液(水性スラリー)を用いる。カーボンナノチューブ(CNT)は、炭素原子が構成する六角網目構造がチューブ状に連なった構造を有し、その直径がナノメートルオーダーである炭素の結晶である。カーボンナノチューブには、単層構造のシングルウォールナノチューブ(SWNT)、複層の同軸管状なすマルチウォールナノチューブ(MWNT)があり、また複層構造の中でも特に2層のものはダブルウォールナノチューブ(DWNT)と称されているが、それらのいずれであってもよい。また、カーボンナノチューブの合成方法としては、例えば、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学的気相成長法(CVD法)などが挙げられるが、いずれにより合成されたものであってもよく、特に限定されない。
カーボンナノチューブの直径も特に限定されるものではないが、0.1〜200nmであることが好ましい。また、そのアスペクト比であるL/D(チューブ長さ/直径)は10〜1000程度であることが好ましい。ここで、カーボンナノチューブの直径、及び長さは、走査型電子顕微鏡観察(SEM)により測定され、詳細には、同顕微鏡の画像データからカーボンナノチューブを20個無作為に抽出し、短径を測定してその相加平均により直径が求められ、長さも相加平均により求められる。
本発明に係る製造方法に用いられるカーボンナノチューブの水分散液としては、カーボンナノチューブを自身の10倍以上の重量の水に分散させてなるものが好適である。この倍率が10倍未満、即ち、分散液中に含まれるカーボンナノチューブに対する水の重量比(水/CNT)が10未満では、分散液の粘度が高く攪拌が不十分になるおそれがある。この倍率の上限は特に限定されないが、100倍以下であることが好ましい。
カーボンナノチューブを水に分散させる方法としては、特に限定されず、高圧ホモジナイザーや超音波分散などにより微細に分散させることができる。なお、分散処理に際し、公知の各種分散剤を添加してもよい。
本発明に係る製造方法においては、このようにして得られたカーボンナノチューブの水分散液に、ナノフィラーを混合し乾燥させることにより、カーボンナノチューブとナノフィラーとの複合体を得る。ナノフィラーは、微細な繊維状のカーボンナノチューブの間に入り込んで、乾燥時における凝集を抑制する邪魔板として機能する。そのため、ナノフィラーを混合することにより、乾燥しても凝集しないカーボンナノチューブが得られる。
ナノフィラーとしては、平均粒径が2〜200nmである無機充填剤の粒子が用いられる。平均粒径が2nm未満のものは、水中に均一に分散させることが難しく、カーボンナノチューブに対する邪魔板効果も不十分となるおそれがある。逆に、平均粒径が200nmを超えるものでは、カーボンナノチューブの間に入り込みにくく、邪魔板効果が減少するために、ゴム組成物に配合したときに低発熱性が損なわれる。より好ましい平均粒径は、5〜50nmである。なお、ナノフィラーの平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で10,000倍にて拡大撮影し、無作為抽出された10個の粒子の直径を計測することにより、その相加平均として求められる。
ナノフィラーとして用いる無機充填剤としては、金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩などの金属化合物からなる無機充填剤が用いられ、カーボンブラックは除かれる。ナノフィラーとしてシリカを用いることもできるが、上記のようにナノフィラーはカーボンナノチューブの凝集を抑制する邪魔板効果のために用いるものであり、ゴムポリマーに対し補強性を有するシリカではそれ自体もゴム物性に影響を与えてしまうので、そのような補強性を有しない無機充填剤を用いることが好ましい。
該無機充填剤としては、下記一般式(1)で表されるものが好ましく用いられる。
aM・bSiO・cHO …(1)
式中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタン、亜鉛及びカルシウムからなる群から選択される金属、これら金属の酸化物もしくは水酸化物、それらの水和物、又はこれら金属の炭酸塩から選択される少なくとも1種であり、aは1〜5の整数、bは0〜10の整数、cは0〜10の整数、xは2〜5の整数である。
具体的には、クレー(Al・2SiO、Al・2SiO・2HO(カオリナイト)、Al・4SiO・HO(パイロフィライト)、Al・4SiO・2HO(ベントナイト)、モンモリロナイトなど)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HO)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO)、アルミナ(Al)、アルミナ一水和物(Al・HO)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、炭酸アルミニウム(Al(CO)、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9H2O)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、ケイ酸カルシウム(CaSiO)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)などが挙げられ、これらをいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、クレーなどの層状珪酸塩鉱物、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウムなどを特に好ましく用いることができ、更には、その層状構造によって上記邪魔板効果をより効果的に発揮することができることから、層状珪酸塩鉱物を用いることがより好ましい。
ナノフィラーは、水に分散させた水分散液(水性スラリー)とした上で、上記カーボンナノチューブの水分散液に混合することが好ましい。例えば、高圧ホモジナイザーなどを用いてナノフィラーを水中に微細に分散させておき、このようにして得られた微分散化したナノフィラーの水分散液をカーボンナノチューブの水分散液に添加し混合することにより、両者のより均一な複合一体化を図ることができる。ナノフィラーの水分散液の濃度は、特に限定されないが、水100重量部に対してナノフィラー0.5〜10重量部を分散させることが好ましい。なお、ナノフィラーを水に分散させるために、公知の各種分散剤を添加してもよい。
ナノフィラーは、カーボンナノチューブの重量に対し、その0.1〜0.5倍の量にて添加混合される。すなわち、カーボンナノチューブ100重量部に対して、10〜50重量部のナノフィラーが混合される。このようにカーボンナノチューブに対して比較的少量のナノフィラーを用いることにより、ナノフィラーによる上記邪魔板効果を発揮しながら、カーボンナノチューブ本来の優れた特性を発揮して補強性と低発熱性のバランスを向上することができる。ナノフィラー/CNTの重量比が0.1未満では、ナノフィラーによる邪魔板効果が小さく、カーボンナノチューブの分散性が不十分となる。逆に、ナノフィラー/CNTの重量比が0.5を超えると、ナノフィラーの含有量が多くなり、ナノフィラー同士の凝集が起こるためか、低発熱性が損なわれる。
このようにしてカーボンナノチューブとナノフィラーを混合し、十分に攪拌した後、濾過などによって水を除去して固形分を回収し、その後、乾燥させることによりカーボンナノチューブとナノフィラーとの複合体が得られる。乾燥によって水が除去されるので、本来であればカーボンナノチューブは自己凝集しやすいが、上記のようにカーボンナノチューブ間に入り込んだナノフィラー粒子が凝集抑制としての邪魔板効果を発揮することにより、凝集させずに乾燥することができる。なお、乾燥方法は、特に限定されず、例えばオーブンなどを用いて行うことができる。
上記で得られたカーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体の乾燥物は、ゴム組成物に配合するゴム用補強剤として用いられる。すなわち、乾燥した上記複合体をゴムポリマーに添加し混練することにより、ゴム組成物が得られる。その際の混練には、ゴム組成物の調製において一般に用いられるバンバリーミキサーやロール、ニーダー等の混合機を用いることができる。
ゴム成分として用いられるゴムポリマーとしては、特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴムなどが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上併用してもよい。上記の中でも、ジエン系ゴムが好ましく用いられる。
ゴム組成物中における上記複合体の配合量は、特に限定されるものではなく、ゴム組成物の用途に応じて要求される補強性を発揮するように適宜設定すればよい。詳細には、カーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体の配合量は、ゴムポリマー100重量部に対して、例えば、1〜200重量部であり、より好ましくは2〜100重量部である。
上記ゴム組成物には、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、樹脂、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム工業において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。これらの添加剤は、上記複合体とともにゴムポリマーに添加してもよく、また上記複合体とは異なるステップで添加してもよく、添加順序は特に限定されない。通常は、第1混合段階で、加硫剤や加硫促進剤などの加硫系添加剤を除く薬品を上記複合体とともにゴムポリマーに添加し混練しておいて、その後の第2混合段階で、第1混合段階で得られた混練物に加硫系添加剤を添加し混合することによりゴム組成物を製造することができる。なお、一般に補強性充填剤としてゴム組成物に配合されているカーボンブラックやシリカを、上記複合体とともに併用して配合することもできる。
本発明に係るゴム組成物は、常法に従い加硫成形することにより、トレッド、ビードフィラーやサイドウォールゴムなどの空気入りタイヤの各ゴム部材として、あるいはまた防振ゴムやベルトなどの各種ゴム製品に用いることができる。好ましくは、上記のように該ゴム組成物は、補強性と低発熱性のバランスを向上することができることから、空気入りタイヤのゴム部材として用いることであり、タイヤに要求される補強性と低燃費性のバランスを向上することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
カーボンナノチューブとして、保土谷化学工業(株)製「MWNT−7」(複層構造、直径=65nm、L/D=100)を用い、水100重量部に対して該カーボンナノチューブ2重量部を添加し、高圧ホモジナイザーを用いて水中に微細分散させて、カーボンナノチューブの水分散液を得た。また、ナノフィラーとして、ROCKWOOD社製「LAPONITE RD」(クレー、平均粒径=13nm)を用い、水100重量部に対して該ナノフィラー1重量部を添加し、高圧ホモジナイザーを用いて水中に微細分散させて、ナノフィラーの水分散液を得た。
得られたカーボンナノチューブの水分散液510重量部(CNT分は10重量部)に、ナノフィラーの水分散液101重量部(ナノフィラーはCNT重量の0.1倍の量添加)を添加し、ホモミキサーにより攪拌混合した後、濾過して水を取り除いて固形分を回収し、オーブンにて120℃×180分間乾燥させて、カーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体の乾燥物を得た。得られた乾燥体は、凝集固化することなく、柔らかい綿状の形態であった。
[製造例2]
カーボンナノチューブの水分散液510重量部(CNT分は10重量部)に、ナノフィラーの水分散液202重量部(ナノフィラーはCNT重量の0.2倍の量添加)を添加し、その他は、製造例1と同様にして、カーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体の乾燥物を得た。得られた乾燥体は、凝集固化することなく、柔らかい綿状の形態であった。
[製造例3]
カーボンナノチューブの水分散液510重量部(CNT分は10重量部)に、ナノフィラーの水分散液303重量部(ナノフィラーはCNT重量の0.3倍の量添加)を添加し、その他は、製造例1と同様にして、カーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体の乾燥物を得た。得られた乾燥体は、凝集固化することなく、柔らかい綿状の形態であった。
[製造例4]
カーボンナノチューブの水分散液510重量部(CNT分は10重量部)に、ナノフィラーの水分散液404重量部(ナノフィラーはCNT重量の0.4倍の量添加)を添加し、その他は、製造例1と同様にして、カーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体の乾燥物を得た。得られた乾燥体は、凝集固化することなく、柔らかい綿状の形態であった。
[製造例5]
カーボンナノチューブの水分散液510重量部(CNT分は10重量部)に、ナノフィラーの水分散液505重量部(ナノフィラーはCNT重量の0.5倍の量添加)を添加し、その他は、製造例1と同様にして、カーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体の乾燥物を得た。得られた乾燥体は、凝集固化することなく、柔らかい綿状の形態であった。
[製造例6](比較例)
カーボンナノチューブの水分散液510重量部(CNT分は10重量部)に、ナノフィラーの水分散液50.5重量部(ナノフィラーはCNT重量の0.05倍の量添加)を添加し、その他は、製造例1と同様にして、カーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体の乾燥物を得た。
[製造例7](比較例)
カーボンナノチューブの水分散液510重量部(CNT分は10重量部)に、ナノフィラーの水分散液808重量部(ナノフィラーはCNT重量の0.8倍の量添加)を添加し、その他は、製造例1と同様にして、カーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体の乾燥物を得た。
[製造例8]
ナノフィラーとして、テイカ(株)製「JA−1」(酸化チタン、平均粒径=180nm)を用い、水100重量部に対して該ナノフィラー1重量部を添加し、高圧ホモジナイザーを用いて水中に微細分散させて、ナノフィラーの水分散液を得た。製造例1と同じカーボンナノチューブの水分散液510重量部(CNT分は10重量部)に、該ナノフィラーの水分散液404重量部(ナノフィラーはCNT重量の0.4倍の量添加)を添加し、ホモミキサーにより攪拌混合した後、濾過して水を取り除いて固形分を回収し、オーブンにて120℃×180分間乾燥させて、カーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体の乾燥物を得た。得られた乾燥体は、凝集固化することなく、柔らかい綿状の形態であった。
[製造例9]
カーボンナノチューブの水分散液510重量部(CNT分は10重量部)に、ナノフィラーの水分散液202重量部(ナノフィラーはCNT重量の0.2倍の量添加)を添加し、その他は、製造例8と同様にして、カーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体の乾燥物を得た。得られた乾燥体は、凝集固化することなく、柔らかい綿状の形態であった。
[製造例10](比較例)
ナノフィラーとして、テイカ(株)製「JA−301」(酸化チタン、平均粒径=300nm)を用い、その他は製造例8と同様にして、カーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体の乾燥物を得た。
[試験例1]
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、ゴム組成物を調製した。詳細には、ゴムポリマーである天然ゴムに対し、補強剤とステアリン酸と酸化亜鉛を添加し、混練して第1混合物を得た後(排出温度:150℃)、第2混合工程において、第1混合物に加硫促進剤と硫黄を添加し混練してゴム組成物を得た(排出温度:110℃)。なお、補強剤として、比較例1では、カーボンナノチューブ(保土谷化学工業(株)製「MWNT−7」)をそのままゴムポリマーに添加し、比較例2では、該カーボンナノチューブとともに、クレー(ROCKWOOD社製「LAPONITE RD」、平均粒径=13nm)をそのままゴムポリマーに添加した。表1中の各成分(上述したものを除く)の詳細は以下の通りである。
・天然ゴム:RSS3号
・ステアリン酸:花王(株)製「工業用ステアリン酸」
・酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製「1号亜鉛華」
・加硫促進剤:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「5%油処理粉末硫黄」
得られた各ゴム組成物について、160℃×20分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、硬度とtanδを測定し評価した。各評価方法は以下の通りである。
・硬度:JIS K6253に準じて、23℃で測定した硬度を、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど硬度が高く、補強性に優れることを示す。
・tanδ:JIS K6394に準じて、温度70℃、周波数10Hz、静歪み10%、動歪み2%の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、発熱しにくいこと、即ち低発熱性に優れることを示す。
結果は、表1に示す通りであり、カーボンナノチューブをそのまま配合した比較例1に対し、本発明に係るカーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体を用いた実施例1〜7であると、硬度が高く補強性に優れており、またtanδが低く発熱性にも優れており、補強性と低発熱性のバランスに顕著な改善効果が認められた。
このような効果は、カーボンナノチューブとクレーをゴムポリマーとの混合時にそのまま添加した比較例2では得られなかった。比較例3では、カーボンナノチューブ−ナノフィラー複合体を作製したものの、ナノフィラーの使用量が少なすぎて、改善効果は得られなかった。逆に、比較例4では、ナノフィラーの使用量が多すぎて、複合体を作製したにもかかわらず、低発熱性に劣っていた。また、比較例5では、複合体を作製したにもかかわらず、ナノフィラーの粒径が大きすぎて、低発熱性に劣っていた。
Figure 2011105841
本発明によれば、バンバリーミキサーやロール等といった従来の設備で生産性を悪化させずに、補強性と低発熱性のバランスを向上したゴム組成物を製造することができるので、各種タイヤのゴム部材を始めとして、防振ゴムやベルトなどの各種用途に用いることができる。

Claims (5)

  1. カーボンナノチューブの水分散液に、平均粒径2〜200nmの無機充填剤であるナノフィラーを、前記カーボンナノチューブ重量の0.1〜0.5倍の量にて混合し、乾燥させて、カーボンナノチューブとナノフィラーとの複合体を得ることを特徴とするゴム用補強剤の製造方法。
  2. 前記カーボンナノチューブの水分散液が、カーボンナノチューブを自身の10倍以上の重量の水に分散させてなるものである請求項1記載のゴム用補強剤の製造方法。
  3. 前記カーボンナノチューブの水分散液に、前記ナノフィラーを水に分散させた水分散液を添加し混合することを特徴とする請求項1又は2記載のゴム用補強剤の製造方法。
  4. 前記ナノフィラーが、層状珪酸塩鉱物、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、及び、水酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の無機充填剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム用補強剤の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法により得られたゴム用補強剤を、ゴムポリマーに添加し混合することを特徴とするゴム組成物の製造方法。
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