JP2010160308A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば、液晶装置における光抜けを低減する。
【解決手段】開口領域(10b)の角部(C1)は、データ線(6)及び走査線(11)が相互に交差する交差領域において、曲線部分に規定されることがない。即ち、開口領域(10b)の角部(C1)は、光が透過可能な開口領域(10b)に入射する光の偏光方向に各々沿った方向に延びる縁(10bx)及び(10by)のみによって規定されている。したがって、液晶装置1によれば、開口領域(10b)を透過する光、或いは透過した光が、本来偏光されるべき偏光方向と異なる偏光方向に偏光されることを低減できるため、液晶装置(1)が黒表示をする際に発生する光抜けを低減することができ、液晶装置1が画像を表示する表示性能を向上させることが可能である。
【選択図】図9
【解決手段】開口領域(10b)の角部(C1)は、データ線(6)及び走査線(11)が相互に交差する交差領域において、曲線部分に規定されることがない。即ち、開口領域(10b)の角部(C1)は、光が透過可能な開口領域(10b)に入射する光の偏光方向に各々沿った方向に延びる縁(10bx)及び(10by)のみによって規定されている。したがって、液晶装置1によれば、開口領域(10b)を透過する光、或いは透過した光が、本来偏光されるべき偏光方向と異なる偏光方向に偏光されることを低減できるため、液晶装置(1)が黒表示をする際に発生する光抜けを低減することができ、液晶装置1が画像を表示する表示性能を向上させることが可能である。
【選択図】図9
Description
本発明は、例えば、基板上にスイッチング素子として薄膜トランジスタが画素毎に配置された液晶装置等の電気光学装置、及び、そのような電気光学装置を液晶プロジェクタ等の電子機器の技術分野に関する。
この種の電気光学装置の一例である液晶装置では、その動作時において、画像信号に応じた電位が画素電極に維持されるように、画素電極に蓄積容量が電気的に接続されている。このような蓄積容量は、例えば、画像を表示する表示領域のうち、不透明な配線部等が形成された領域であり、且つ、実質的に光を透過させない非開口領域に設けられている(例えば、特許文献1参照。)。画素電極に画像信号を供給するためのデータ線と、画素電極をスイッチング制御するための画素スイッチング用素子の動作を切り替える走査信号を当該素子に供給する走査線とは、当該液晶装置の表示性能を低下させないように、非開口領域に形成されている。このような非開口領域は、表示領域において、データ線及び走査線の夫々が延びる方向に沿って格子状の領域を構成する。液晶装置における表示領域のうち光が実質的に透過可能な開口領域は、例えば、格子状の領域である非開口領域によって相互に隔てられ、且つ表示領域においてマトリクス状に配列されている。
また、この種の液晶装置では、光を偏光させる偏光板等の偏光素子が、液晶装置の光源光が入射する光入射側、及び、液晶装置を透過した光が当該液晶装置から出射される光出射側の夫々に設けられる。これら偏光素子によって偏光された光が液晶装置の表示領域に入射したり、表示領域から出射された光が偏光されたりする。光が偏光される偏光方向は、例えば、表示領域においてデータ線及び走査線の夫々が延びる方向である。
しかしながら、液晶装置が画像を表示する表示性能を向上させることを目的として蓄積容量の容量値を増大させると共に、画素領域のうち開口領域が占める割合である開口率を低下させないためには、蓄積容量は、格子状に延びる非開口領域に形成される。より具体的には、例えば、蓄積容量の容量電極は、その面積を最大限広げるように、データ線及走査線の夫々が交差する交差に対応して十字型に形成される。この際、データ線及走査線の夫々が交差する交差領域において、容量電極のパターニング精度に起因して容量電極の角部が直角に形成されず、曲線部分として形成されてしまう。このような曲線部分によれば、開口領域を透過する光が本来偏光されるべき方向と異なる方向に偏光されてしまい、光抜けが発生してしまう。
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、光抜けを低減することによって表示性能を向上可能な液晶装置等の電気光学装置、及びそのような電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、基板と、前記基板上に表示領域において互いに交差する第1方向及び第2方向の夫々に各々が延びており、前記基板上において互いに異なる層に形成された複数の第1遮光膜及び複数の第2遮光膜とを備え、前記第1方向及び前記第2方向は、前記表示領域を構成する複数の画素領域の夫々において光が透過可能な開口領域に入射する光、又は前記開口領域から出射する光の偏光方向に沿った方向であり、前記開口領域は、前記第1遮光膜及び前記第2遮光膜の夫々の縁のうち前記第1方向及び前記第2方向の夫々に沿って延びる部分によって規定されている。
本発明に係る電気光学装置によれば、表示領域のうち第1遮光膜及び第2遮光膜が形成された領域は、光が透過しない領域、即ち非開口領域である。逆にいえば、表示領域のうち実質的に光が透過可能な開口領域は、第1遮光膜及び第2遮光膜の夫々の縁によって規定されている。より具体的には、前記開口領域は、前記第1遮光膜及び前記第2遮光膜の夫々の縁のうち前記第1方向及び前記第2方向の夫々に沿って延びる部分によって規定されている。加えて、第1遮光膜及び第2遮光膜は、相互に異なる層に形成されているため、これら遮光膜が相互に交差する交差領域において、開口領域の角部は、曲線部分に規定されることない。即ち、開口領域の角は、光が透過可能な開口領域に入射する光の偏光方向に各々沿った方向である第1方向及び第2方向の夫々に沿って延びる縁のみによって規定されている。
したがって、本発明に係る電気光学装置によれば、開口領域を透過する光、或いは透過した光が、本来偏光されるべき偏光方向と異なる偏光方向に偏光されることを低減できるため、電気光学装置が黒表示をする際に発生する光抜けを低減することができ、当該電気光学装置が画像を表示する表示性能を向上させることが可能である。尚、第1遮光膜及び第2遮光膜は、遮光機能を有するだけでなく、基板上の回路部の一部を構成するように、配線、又は電極と共用されていてもよい。
本発明に係る電気光学装置の一の態様では、前記第1遮光膜及び前記第2遮光膜の夫々の平面形状は、前記第1方向及び前記第2方向の夫々にのみ沿って延びる帯状であってもよい。
この態様によれば、表示領域において格子状に非開口領域を規定しつつ、当該非開口領域によって相互に隔てられ、且つ表示領域においてマトリクス状に配列された開口領域を規定することが可能である。
本発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記複数の画素領域の夫々に形成された画素電極とを備え、前記第1遮光膜は、前記基板上において前記画素領域に対応して設けられた画素スイッチング用トランジスタ素子の動作を制御する走査信号を前記画素スイッチング用トランジスタ素子に供給する走査線であり、前記第2遮光膜は、前記画素電極に画像信号を供給するデータ線であってもよい。
この態様によれば、データ線及び走査線によって開口領域を規定可能であるため、別途遮光膜を設けなくてもよい。
この態様では、前記開口領域に形成された透明な容量電極と、前記開口領域において前記透明導電膜上に形成された透明な誘電体膜とを備え、前記画素電極は、透明な導電材料で構成され、且つ、前記画素スイッチング用トランジスタ素子の出力端子に電気的に接続されており、前記画素電極、前記誘電体膜、及び前記容量電極は、前記画像信号に応じた電位に前記画素電極の電位が保持されるように動作する蓄積容量を構成していてもよい。
この態様によれば、開口領域に蓄積容量を形成することが可能であるため、非開口領域に蓄積容量を形成する必要がなくなり、データ線及び走査線のみによって開口領域を規定できる。また、蓄積容量確保のために広い容量電極を非開口領域に設ける必要がないため、開口率を上げることができる。
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を備えている。
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、高品位の表示が可能な、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る電気光学装置及び電子機器の各実施形態を説明する。以下では、本発明の電気光学装置の一例として、TFTアクティブマトリクス駆動方式を採用した液晶装置を挙げる。
<1:液晶装置>
<1−1:液晶装置の全体構成>
先ず、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置1の全体構成を説明する。
<1−1:液晶装置の全体構成>
先ず、図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置1の全体構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶装置1の全体構成を示した平面図であり、図2は、図1のII−II´断面図である。
図1及び図2において、液晶装置1は、対向配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、本発明の「基板」の一例である。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板又はシリコン基板である。対向基板20は、例えばTFTアレイ基板10と同様の材料からなる基板である。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、電気光学動作の行われる画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。画像表示領域10aは、本発明の「表示領域」の一例である。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、例えばシール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材56が散布されている。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
TFTアレイ基板10上における、画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域には、データ線駆動回路101、サンプリング回路7、走査線駆動回路104及び外部回路接続端子102が夫々形成されている。
TFTアレイ基板10上における周辺領域において、シール領域より外周側に、データ線駆動回路101及び複数の外部回路接続端子102が、TFTアレイ基板10の一辺に夫々沿って設けられている。
TFTアレイ基板10上の周辺領域のうちシール領域より内側に位置する領域には、TFTアレイ基板10の一辺に沿う画像表示領域10aの一辺に沿って且つ額縁遮光膜53に覆われるようにしてサンプリング回路7が配置されている。
また、走査線駆動回路104は、TFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間を電気的に接続するため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
また、TFTアレイ基板10上の周辺領域において、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、上下導通端子106が配置されると共に、このTFTアレイ基板10及び対向基板20間には上下導通材が上下導通端子106に対応して該端子106に電気的に接続されて設けられている。
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成されている。画像表示領域10aには、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線等の配線の上層に画素電極9がマトリクス状に設けられている。画素電極9は、ITO膜からなる透明電極として形成されている。画素電極9上には、配向膜16が形成されている。
他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば遮光性金属膜等から形成されており、対向基板20上の画像表示領域10a内で、例えば格子状等にパターニングされている。そして、遮光膜23上(図2中遮光膜23より下側)に、ITO膜からなる対向電極21が複数の画素電極9と対向して例えばベタ状に形成され、更に対向電極21上(図2中対向電極21より下側)には配向膜22が形成されている。
液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。そして、液晶装置の駆動時、夫々に電圧が印加されることで、画素電極9と対向電極21との間には液晶保持容量が形成される。
尚、ここでは図示しないが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104の他に、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等が形成されていてもよい。
<1−2:液晶装置の電気的な構成>
次に、図3を参照しながら、液晶装置1の画像表示領域10aにおける電気的な構成を説明する。図3は、本実施形態に係る液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
次に、図3を参照しながら、液晶装置1の画像表示領域10aにおける電気的な構成を説明する。図3は、本実施形態に係る液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
図3において、画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素領域の夫々には、画素電極9、及び、本発明の「画素スイッチング用トランジスタ素子」の一例であるTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9に電気的に接続されており、液晶装置1の動作時において、画素電極9に対する画像信号の供給及び非供給を相互に切り替えるように、画素電極9をスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6は、本発明の「第2遮光膜」の一例であり、TFT30のソース領域に電気的に接続されている。データ線6に書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、互いに隣り合う複数のデータ線6同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
TFT30のゲートには、本発明の「第1遮光膜」の一例である走査線11が電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、走査線11にパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9は、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6から供給される画像信号S1、S2、…、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板20(図2参照)に形成された対向電極21(図2参照)との間で一定期間保持される。
液晶層50(図2参照)を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。
ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9と対向電極21(図2参照)との間に形成される液晶容量に対して電気的に並列に蓄積容量70が付加されている。
<1−3:液晶装置の具体的な構成>
次に、図4乃至図10を参照しながら、液晶装置1の画素の具体的な構成を説明する。図4は、本実施形態に係る液晶装置1の画像表示領域10aにおける、電気光学動作を行うために配置された電極及び配線等の位置関係を図式的に示した平面図である。図5及び図6は、画像表示領域10aの一部の構成を詳細に示した平面図である。図5及び図6の夫々は、TFTアレイ基板10上において互いに異なる層を実線で示しており、図4より若干広い領域における平面構造を示している。図7は、図4乃至図6の夫々におけるVII−VII´線断面図である。尚、図4乃至図7では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。図8は、画像表示領域10aにおける開口領域及び非開口領域の区分けを示した平面図である。図9は、開口領域の角を拡大して示した拡大平面図である。図10は、図9の比較例に係る平面図である。
次に、図4乃至図10を参照しながら、液晶装置1の画素の具体的な構成を説明する。図4は、本実施形態に係る液晶装置1の画像表示領域10aにおける、電気光学動作を行うために配置された電極及び配線等の位置関係を図式的に示した平面図である。図5及び図6は、画像表示領域10aの一部の構成を詳細に示した平面図である。図5及び図6の夫々は、TFTアレイ基板10上において互いに異なる層を実線で示しており、図4より若干広い領域における平面構造を示している。図7は、図4乃至図6の夫々におけるVII−VII´線断面図である。尚、図4乃至図7では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。図8は、画像表示領域10aにおける開口領域及び非開口領域の区分けを示した平面図である。図9は、開口領域の角を拡大して示した拡大平面図である。図10は、図9の比較例に係る平面図である。
図4において、TFTアレイ基板10上には、本発明の「第1遮光膜」の一例である走査線11と、本発明の「第2遮光膜」の一例であるデータ線6との夫々が、本発明の「第1方向」及び「第2方向」の夫々の典型例であるX方向及びY方向の夫々に沿って延びている。データ線6及び走査線11の夫々は、TFTアレイ基板10上において相互に交差している。データ線6及び走査線11の夫々の縁のうち図中X方向及びY方向の夫々に沿って延びる縁は、画像表示領域10aのうち実質的に光が透過可能な領域である開口領域を規定している。逆にいえば、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aにおいて、データ線6及び走査線11が形成された領域は、光が透過しない非開口領域に形成されていることになる。尚、本実施形態では、データ線6及び走査線11の夫々と重なる領域全体が非開口領域に一致している。したがって、データ線6及び走査線11によれば、別途遮光膜を設けなくてもTFT30遮光できる。加えて、開口領域に蓄積容量70を形成可であるため、非開口領域に蓄積容量を形成する必要がなくなり、データ線6及び走査線11のみによって開口領域を規定できる。
データ線6及び走査線11の交差付近において、走査線11に重なるようにTFT30(即ち、半導体層30a及びゲート電極30b)が形成されている。走査線11は、遮光性の導電材料、例えば、W(タングステン)、Ti(チタン)、TiN(窒化チタン)等から形成されており、TFT30の半導体層30aを含むように半導体層aより幅広に形成されている。ここで、後述するように、走査線11は半導体層30aより下層側に配置されているので、このように走査線11をTFT30の半導体層30aよりも幅広に形成することによって、TFTアレイ基板10における裏面反射や、複板式のプロジェクタ等で他の液晶装置から発せられ合成光学系を突き抜けてくる光などの、戻り光に対してTFT30のチャネル領域30bを殆ど或いは完全に遮光できる。その結果、液晶装置1の動作時に、TFT30における光リーク電流が低減され、コントラスト比を向上させることができ、高品位の画像表示が可能となる。
TFT30は、半導体層30aと、ゲート電極30bとを有して構成されている。半導体層30aは、ソース領域30a1、チャネル領域30a2、ドレイン領域30a3含んで形成されている。ここで、チャネル領域30a2とソース領域30a1、又は、チャネル領域30a2とドレイン領域30a3との界面にはLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成されていてもよい。
ゲート電極30bは、TFTアレイ基板10上で平面的に見て、半導体層30aのチャネル領域と重なる領域にゲート絶縁膜を介して形成されている。図4では図示を省略しているが、ゲート電極30bは、下層側に配置された走査線11にコンタクトホール34を介して電気的に接続されており、走査信号が印加されることによってTFT30をオン/オフ制御している。
データ線6は、TFT30上においてTFT30に重なっているため、TFT30をその上側から遮光可能である。データ線6は、コンタクトホール31に電気的に接続されている。データ線6は、例えば、TFT30のソース領域30a1(図7参照。)に電気的に接続され、且つ画像信号をTFT30に供給する。
一方、ドレイン領域30a3は、本発明の「出力端子」の一例を構成するコンタクトホール32及び中継層7、及び、コンタクトホール33を介して画素電極9に電気的に接続されている(図7参照。)。
図5において、容量電極71は、例えば、ITO等の透明導電材料から構成されており、画素電極9と共に、蓄積容量70における一対の容量電極を構成している。容量電極71は、画像表示領域10aの略全体に重なっており、光が透過可能な開口領域においてデータ線6の上層側に延びている。
画像表示領域10aを構成する複数の画素領域、即ち画素電極9の夫々が設けられた領域に対応する領域は、データ線6及び走査線11によって区分けされている。容量電極71は、画素電極9(図5において図示省略)より下層側に形成されており、画素領域毎に開口部5aを有している。開口部5aの内側には、画素電極9及びドレイン領域30a3(図7参照。)間を電気的に接続するコンタクトホール33が、図中上下方向、即ち、TFTアレイ基板10の厚み方向に沿って形成されている。したがって、コンタクトホール33によれば、画素電極9の下層側に形成された容量電極71に電気的に短絡することなく、画素電極9にドレイン領域30a3から出力される画像信号電位を供給可能である。その結果、画素電極9の下層側に容量電極71を設けつつ、画素電極9をオン/オフ駆動することができるので、極めて効率的な配線レイアウトを有する液晶装置1を実現することができる。
加えて、蓄積容量70の一部である一対の容量電極の一方を構成する容量電極71のサイズを極力大きく取りつつ、コンタクトホール33を介して画素電極9及びドレイン領域30a3間相互における電気的な接続が可能になる。
図6において、画素電極9は、画素領域毎に島状に形成されている。本実施形態では、各画素領域はデータ線6及び走査線11によってマトリクス状に区分けされている。そして、図4において点線のライン9aで示したように、画素電極9は各画素領域において、その端部がTFTアレイ基板10上で平面的に見たときに、データ線6及び走査線11に部分的に重なるように形成されている。蓄積容量70は、容量電極71及び画素電極9が相互に重なる領域に形成されている。
図7において、TFTアレイ基板10上には、絶縁膜12、13、14、及び15、並びに、誘電体膜72が形成されている。走査線11、TFT30、データ線6、容量電極71、及び画素電極9の夫々は、TFTアレイ基板10、絶縁膜12、絶縁膜14、絶縁膜15、及び誘電体膜72の夫々の上に形成されている。
誘電体膜72は、光が透過可能な開口領域において、容量電極71上に形成された透明な膜である。誘電体膜72は、他の誘電体膜より相対的に誘電率が高いアルミナで構成されており、開口領域において、容量電極71及び画素電極9と共に蓄積容量70を構成している。アルミナは他の誘電材料に比べて相対的に誘電率が高いため、蓄積容量70のサイズが一定である場合に設定可能な容量値を高めることが可能である。尚、誘電体膜72の膜厚が薄いほうが、蓄積容量70の容量値を高めるためにはより好ましい。
蓄積容量70は、各々が透明な容量電極71、誘電体膜72及び画素電極9によって構成されているため、開口領域を狭めることもなく、画素領域のうち開口領域が占める割合である開口率を低下させることもない。加えて、このような蓄積容量70によれば、開口領域に蓄積容量70を形成可能であるため、非開口領域にのみ蓄積容量を形成する場合に比べてその容量値を増大させることが可能である。
したがって、液晶装置1によれば、蓄積容量70の容量値を大きくし、且つ開口領域のサイズを広げることが可能であるため、液晶装置1の表示性能を向上させることが可能である。
次に、図8乃至図10を参照しながら、データ線6及び走査線11の夫々の縁によって規定される開口領域の平面形状を詳細に説明する。
図8において、開口領域10bは、データ線6及び走査線11の夫々の縁によって規定されている。より具体的には、開口領域10bは、X方向に沿って延びる走査線11の縁10bxと、Y方向に沿って延びるデータ線6の縁10byとによって囲まれた領域である。このような開口領域10bが、画像表示領域10aにマトリクス状に設けられている。
複数の開口領域10bの夫々は、画像表示領域10aにおいて格子状に延びる非開口領域10cによって相互に隔てられている。
ここで、図10に示すように、液晶装置1の比較例に係る液晶装置では、データ線6及び走査線11が相互に交差す交差領域において蓄積容量を構成するための容量電極73の角部73aの縁Rは、容量電極73を形成する際のパターニング精度等の加工条件に起因して曲線部となってしまう。この容量電極は必要な蓄積容量値を確保するためにある程度面積を大きくすることが必要であり、データ線や走査線の幅よりも広くなる場合が多く、開口領域を規定する境界部となる。したがって、開口領域の角部C2は、曲線部である縁Rで規定されてしまう。このような角部C2によれば、開口領域10bを透過する光が、本来偏光されるべき偏光方向と異なる方向、より具体的には、X方向及びY方向の夫々に対する斜め方向に偏光されてしまうため、画像表示領域10aに黒表示を行った場合に光抜けが生じてしまう。
そこで、液晶装置1では、以下で説明する特有の構成により、画像表示領域10aにおける光抜けを低減できる。図9及び図10において、開口領域10bの角部C1は、データ線6及び走査線11が相互に交差する交差領域において、曲線部分に規定されることがない。即ち、開口領域10bの角部C1は、光が透過可能な開口領域10bに入射する光の偏光方向に各々沿った方向に延びる縁10bx及び10byのみによって規定されている。
したがって、液晶装置1によれば、開口領域10bを透過する光、或いは透過した光が、本来偏光されるべき偏光方向と異なる偏光方向に偏光されることを低減できるため、液晶装置1が黒表示をする際に発生する光抜けを低減することができ、液晶装置1が画像を表示する表示性能を向上させることが可能である。
(変形例)
次に、図11を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置の変形例を説明する。図11は、本例に係る液晶装置の画像表示領域における開口領域及び非開口領域の区分けを示した平面図である。
次に、図11を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置の変形例を説明する。図11は、本例に係る液晶装置の画像表示領域における開口領域及び非開口領域の区分けを示した平面図である。
図11に示すように、本発明の「第1遮光膜」及び「第2遮光膜」の夫々一例である走査線11a及びデータ線6aの夫々の平面形状は、図中X方向及びY方向の夫々にのみ沿って延びる帯状である。走査線11a及びデータ線6aは、画像表示領域10aにおいて、格子状に非開口領域10cを規定しつつ、当該非開口領域10cによって相互に隔てられ、且つ画像表示領域10aにおいてマトリクス状に配列された開口領域10bを規定することが可能である。即ち、このような走査線6a及びデータ線6aが相互に重なることによって規定される開口領域10bの角部C3は、曲線部で構成されることなく、図中X方向及びY方向の夫々に沿って延びる縁で規定された直角な部分である。
したがって、本例に係る液晶装置によれば、走査線11a及びデータ線6aの夫々の縁の位置関係に関係なく、これら走査線11a及びデータ線6aが相互に重なっているだけで、開口領域10bの角部C3が相互に直角に交差する縁によって規定されるため、製造プロセスを煩雑化させることなく、画像表示領域10aにおける光抜けを低減可能である。
このような非開口領域の構成を単純化する本例の構成は、特に蓄積容量を透明な部材で構成し開口領域に配置したことが貢献している。
<2:電子機器>
次に、図12を参照しながら、上述した液晶装置を、電子機器の一例であるプロジェクタにライトバルブとして適用した例を説明する。図12は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。
次に、図12を参照しながら、上述した液晶装置を、電子機器の一例であるプロジェクタにライトバルブとして適用した例を説明する。図12は、プロジェクタの構成例を示す平面図である。
図12において、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに入射される。
液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。従って、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
ここで、各液晶パネル1110R、1110B及び1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
尚、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設ける必要はない。
尚、図12を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
また、本発明は上述の各実施形態で説明した液晶装置以外にも反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、電気泳動装置等にも適用可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
5a・・・開口部、6,6a・・・データ線、7・・・中継層、9・・・画素電極、10・・・TFTアレイ基板、10a・・・画像表示領域、10b・・・開口領域、10c・・・非開口領域、11,11a・・・走査線、30・・・TFT、30a・・・半導体層、30a1・・・ソース領域、30a2・・・チャネル領域、30a3・・・ドレイン領域、30b・・・ゲート電極、50・・・液晶、70・・・蓄積容量、71・・・容量電極
Claims (5)
- 基板と、
前記基板上に表示領域において互いに交差する第1方向及び第2方向の夫々に各々が延びており、前記基板上において互いに異なる層に形成された複数の第1遮光膜及び複数の第2遮光膜とを備え、
前記第1方向及び前記第2方向は、前記表示領域を構成する複数の画素領域の夫々において光が透過可能な開口領域に入射する光、又は前記開口領域から出射する光の偏光方向に沿った方向であり、
前記開口領域は、前記第1遮光膜及び前記第2遮光膜の夫々の縁のうち前記第1方向及び前記第2方向の夫々に沿って延びる部分によって規定されていること
を特徴とする電気光学装置。 - 前記第1遮光膜及び前記第2遮光膜の夫々の平面形状は、前記第1方向及び前記第2方向の夫々にのみ沿って延びる帯状であること
を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記複数の画素領域の夫々に形成された画素電極とを備え、
前記第1遮光膜は、前記基板上において前記画素領域に対応して設けられた画素スイッチング用トランジスタ素子の動作を制御する走査信号を前記画素スイッチング用トランジスタ素子に供給する走査線であり、
前記第2遮光膜は、前記画素電極に画像信号を供給するデータ線であること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。 - 前記開口領域に形成された透明な容量電極と、
前記開口領域において前記透明導電膜上に形成された透明な誘電体膜とを備え、
前記画素電極は、透明な導電材料で構成され、且つ、前記画素スイッチング用トランジスタ素子の出力端子に電気的に接続されており、
前記画素電極、前記誘電体膜、及び前記容量電極は、前記画像信号に応じた電位に前記画素電極の電位が保持されるように動作する蓄積容量を構成していること
を特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。 - 請求項1から4の何れか一項に記載の電気光学装置を具備してなること
を特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009002248A JP2010160308A (ja) | 2009-01-08 | 2009-01-08 | 電気光学装置及び電子機器 |
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JP2009002248A JP2010160308A (ja) | 2009-01-08 | 2009-01-08 | 電気光学装置及び電子機器 |
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JP2009002248A Withdrawn JP2010160308A (ja) | 2009-01-08 | 2009-01-08 | 電気光学装置及び電子機器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2010160308A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2009
- 2009-01-08 JP JP2009002248A patent/JP2010160308A/ja not_active Withdrawn
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