JP2010153229A - 加熱調理器用ガラストッププレート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透光性低膨張ガラスセラミックスからなる基板2と、基板2における調理面21とは反対側の面である裏側面22上に形成されたパール調層3と、パール調層3上に形成された被覆層4とを有する。被覆層4上に無機顔料を含有する樹脂よりなる保護層61を配置することにより構成した遮光部6と、被覆層4上に透明の樹脂よりなる透明樹脂層51を配置することにより構成した透光部5とを有する。透光部5において、ガラストッププレート1の下方に配置された光源81からの光を透過させ、遮光部6において光源81からの光を遮光するよう構成されている。
【選択図】図1
Description
また、カーボン電極や遮光層を形成していない部分は、ガラストッププレートの下に配置させた光源の発光時には、その光を十分に透過させることができる。そして、カーボン電極の形成部(天面操作のスイッチ部分)、及び遮光層の形成部は、カーボン電極及び遮光層の高い遮光性により、光源からの光を透過させない。そのため、光源の発光時には、カーボン電極及び遮光層の未形成部が浮かび上がり、カーボン電極の形成位置や、表示部等を明確に識別できるようになっている。
一方、電磁調理器が配置されるキッチンカウンターにおいては白色系の需要が多く、カウンターと色彩的に調和が取れるパール調効果を発現する白色系等の明度の高い色彩の加熱調理器用ガラストッププレートが強く望まれるようになっている。しかし、上記の現状からすれば、これに応えることができない。
しかしながら、この場合には、上記透光部と、その他の部分とが色差を有することになり、光源の未発光時であっても、透光部の位置が認識できてしまい、意匠面で劣るという問題がある。
透光性低膨張ガラスセラミックスからなる基板と、該基板における調理面とは反対側の面である裏側面上に形成されたパール調層と、該パール調層上に形成された被覆層とを有し、
上記被覆層上に無機顔料を含有する樹脂よりなる保護層を配置することにより構成した遮光部と、
上記被覆層上に透明の樹脂よりなる透明樹脂層を配置することにより構成した透光部とを有し、
該透光部において、上記ガラストッププレートの下方に配置された光源からの光を透過させ、上記遮光部において上記光源からの光を遮光するよう構成されていることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレートにある(請求項1)。
上記透光部は、トッププレートの下方に配置された光源からの光を透過させる部分である。つまり、光源の発光時には、識別できるように浮き出る部分である。
そのため、上記透光部は必ず、光源からの光を透過させるように構成されている必要があり、上記パール調層及び上記被覆層は、光源からの光を透過させるように積層されていなければならない。
また、上記光源は、トッププレートの下方において、上記透光部を照射できるように配設されていればどのように配置されていてもよい。
なお、上述したように、濡れ性は、保護層形成部では光の散乱が生じず、保護層未形成部では光の散乱が生じることによる色差である。そして、色差が生じている場合は、調理面側から観察した際に、上記保護層形成部分(遮光部)が濡れているような色調に変化した状態となる。
上記透光性低膨張ガラスセラミックスは、透光性で膨張率の低いものであれば特に限定しないが、例えば、主結晶相にβ−石英固溶体を析出したものがある。
また、上記パール調層は、1層のみからなっても良いが、2層以上積層させても良い。そして、パール調層によるパール調効果を強く発現させるために、上記パール調層は2層からなることが好ましい。
また、上記パール調層は、必ずしも上記裏側面の全面に設ける必要はない。
また、上記パール調層の膜厚は3〜30μmの範囲内であることが好ましい。
上記保護層を設けない場合には、調理器内部の構造物の隠蔽が不十分になるおそれがある。また、光源からの光が透光部以外の部分に散乱することを防止することができず、意匠性が劣るおそれがある。
また、上記遮光部は、光源の光を遮光する必要がない部分であっても、磨耗の影響を受けやすい場所等に所望のパターンに形成することも好ましい。
上記保護層は、上記被覆層上において、上記透光部、及び後述する電極部を除いた範囲全面に設けていることが好ましい。
上記透明の樹脂としては、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂等を用いることができる。
上記透明樹脂層において、透明とは、JIS R 3106より380〜780nmの波長域での光の透光率が65%以上であることとする。
また、上記樹脂が透明でない場合には、上記透光部の透過率が低下し、上記光源の発光時に、上記光源の光が上記透光部を透過し難くなり、透光部の視認性が低下するという問題がある。
また、上記透明樹脂層は、上記保護層や、後述するカーボン電極層と部分的に重なり合っていても問題はない。
この場合には、特に、光源の未発光時において、特に、上記透光部を目立ち難くすることができる。
なお、上記色差とは、Lab表色素において、ΔE={(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2}1/2で表される数値である。
この場合には、特に、光源の発光時に上記透光部を明瞭に認識することができる。
なお、上記可視光透過率とは、JIS R 3106より、380〜780nmの波長域における光の透過率をいう。また、透光部の透過率は、上記パール調層、及び上記被覆層が重なった厚みに影響を受ける。
上記光源の光が上記透光部を透過し難くなり、光源の発光時における透光部の視認性が低下するおそれがある。
また、上記透光部の可視光透過率については、光源発光時の光を透過させるという機能を鑑みた場合には透光率は高ければ高い方が良いが、透光部と遮光部との色差を鑑みた場合には5〜15%であることがより好ましい。
上記基板にパール調層及び被覆層のみを形成した場合の可視光透過率が3.5%未満の場合には、上記光源の発光時に、上記光源の光が上記透光部を透過し難くなり、天面操作のスイッチ部の視認性が低下するおそれがある。一方、可視光透過率が15%を超える場合には、調理面における遮光部と透光部との色差ΔEが1.5を超え、透光部に透明樹脂層を配したとしても透光部と遮光部との色差を解消できず、光源の未発光時に透光部が目立ち易くなるおそれがある。
また、上記基板に、パール調層及び被覆層のみを形成した場合の可視光透過率は、5〜12%であることがより好ましい。
上記基板に上記パール調層のみを形成した際の可視光透過率が20%未満である場合には、調理面における明度(L値)が70を下回る可能性があり、白味を帯びた色調(白色系の色調)を呈することが困難になるおそれがある。また、透光部に必要な透光性を得ることができず、上記光源の発光時に、上記光源の光が上記透光部を透過し難くなり、スイッチ部の視認性が低下するおそれがある。一方、上記透過率が35%を超える場合には、パール調層による遮光性が低下し、透光部に十分な隠蔽力を持たせるためには、被覆層に遮光性が必要となる。被覆層に遮光性を持たせると、調理面における明度が70を下回るおそれがあり、白味を帯びた色調(白色系の色調)を呈することが困難になるおそれがある。
上記基板に上記パール調層のみを形成した際の上記可視光透過率は、20〜30%であることがより好ましい。
また、上記基板に上記遮光層のみを形成した際の可視光透過率が10%未満である場合には、被覆層が遮光性を発現し、調理面における明度(L値)が70を下回る可能性があり、白味を帯びた色調(白色系の色調)を呈することが困難になるおそれがある。また、上記光源の発光時に、上記光源の光が上記透光部を透過し難くなり、透光部の視認性が低下するという問題がある。一方、上記基板に上記遮光層のみを形成した際の可視光透過率が55%を超える場合には、パール調層と被覆層を重ねた場合の可視光透過率が15%を超えるおそれがあり、調理面における遮光部と透光部との色差ΔEが1.5を超え、光源の未発光時にスイッチ部を目立ち難くするという意匠面の機能を低下させてしまうおそれがある。
また、上記基板に上記被覆層のみを形成した際の可視光透過率は15〜50%であることがより好ましい。
これにより、電磁調理器の調理面上で主な操作を可能としたガラスタッチ方式の天面操作型の電磁調理器に対応可能とすることができる。
また、上記カーボン電極層は、ガラストッププレートの天面操作のスイッチ部分の電極に限らず、配線回路等も含むものとする。
この場合には、上記加熱調理器用ガラストッププレートは、白味を帯びた色調(白色系の色調)を呈することができる。
上記明度は70未満であっても、調理器内部の構造物を十分に隠蔽することができ、かつ、光源の未発光時においては、調理面から透光部を識別し難く、上記光源の発光時においては、上記光源の発光により透光部を明確に視認できれば本発明の目的は達成される。しかし、上述したように、従来の技術では濃色の色彩しか表現することができず、白色系等の明度の高い色調の表現は困難であったため、本発明は、白色系等の明度の高い色調を表現する場合に特に適している。
上記明度(L値)は、明暗の度合いであって、例えば、エックスライト社製分光測色計X−rite SP60を用いて測定することができる。
上記パール調絵具は、上記パール調材料を、10質量%超え30質量%以下含有しているため、上記加熱調理器用ガラストッププレートに、十分なパール調効果を発現させることができる。また、隠蔽力を付与することもできる。
上記無機顔料としては、特に限定しないが、カオリン、タルク、セリサイト、ピロフェライト、天然雲母、合成雲母、酸化アルミニウム等を用いることが好ましい。
上記シリカ質ゾルは、例えば、エチルシリケート等を加水分解して得られるシリカゾル、コロイド状シリカゾル等を用いることができる。
なお、上記パール調層を複数層重ねて形成する場合にも、上記焼成は1回でよい。
具体的には、上記白色無機顔料としては、例えば、TiO2、ZrO2、ZrSiO4、Al2O3、3Al2O3−2SiO2、Al2TiO5等が挙げられる。
また、上記灰色無機顔料としては、例えば、Sn−Sb系酸化物、Sn−Sb−V系酸化物等が挙げられる。
また、上記茶色無機顔料としては、例えば、Zn−Al−Cr−Fe系酸化物、Zn−Mn−Al−Cr−Fe系酸化物等が挙げられる。
また、上記青色粉末としては、例えば、Co−Al−Zn系酸化物、Co−Al系酸化物、Zr−Si系酸化物等が挙げられる。
また、上記桃色無機顔料としては、例えば、Mn−Al系酸化物、Ca−Sn−Si−Cr系酸化物、Sn−Cr系酸化物、Zr−Si−Fe系酸化物等が挙げられる。
これらの顔料は、所望の色を得るように任意の割合で混合することが可能である。
また、パール調材料と無機顔料を合わせた粉体の含有量が30質量%を超える場合には、上記シリコーンレジン又はシリカ質ゾルの含有量が低下し、パール調層と基板との付着力が著しく低下してしまう、あるいは、上記有機バインダーの含有量が低下し、ペーストとしての粘調性が悪化するため、透光性ガラスセラミックスへの塗膜形成において、ムラやカスレ等の不具合を発生してしまう可能性がある。
この場合には、上述の効果だけでなく、上記加熱調理器用ガラストッププレートに耐熱性を付与することができる。
上記被覆層は、上記パール調層と同時に焼成させたものであってもよし、パール調層の焼成後に別途焼成させたものであってもよい。
この場合には、上述の効果だけでなく、さらにガラストッププレートに耐熱性を付与することができる。
上記ペーストの塗布は、スクリーン印刷により行うことが好ましい。
また、上記ペーストは、必要に応じて有機溶剤を含有してもよい。
また、上記焼成温度は、より好ましくは、250〜400℃である。
また、無機顔料の含有量は50質量%以下であることが好ましい。無機顔料の含有量が50質量%を超える場合には、耐熱樹脂の含有量が不十分となり、密着性が低下するおそれがあり、上述の機能を発揮することが困難になる。
上記導電性カーボンペーストとしては、導電素材として球状及び鱗片状の黒鉛粉末とアセチレンブラックとを含有し、ヴィヒクルとしてポリエステルシリコーン樹脂を含有し、上記球状の黒鉛粉末、鱗片状の黒鉛粉末、アセチレンブラック、及びポリエステルシリコーン樹脂の含有量の合計を100重量部とすると、上記導電性カーボンペーストは、上記球状の黒鉛粉末を15〜25重量部、上記鱗片状の黒鉛粉末を15〜25重量部、上記アセチレンブラックを10〜20重量部、及び上記ポリエステルシリコーン樹脂を40〜55重量部含有し、上記球状及び鱗片状の黒鉛粉末は、その平均粒径が10μm〜20μmである導電性カーボンペーストを用いることが好ましい。
また、上記導電性カーボンペーストは、シリコーンなどの樹脂層に対しても充分な密着強度で帖着できる。
また、上記導電性カーボンペーストの塗布は、スクリーン印刷により、電極や配線回路等、必要な場所に応じて塗布することが好ましい。
この場合には、鍋などの被加熱物と加熱調理器用ガラストッププレートの調理面との摩耗により、上記調理面が傷つくことを防止したり、上記被加熱物を滑り難くするという効果を得ることができる。
また、意匠に多様性を付与することができる。
上記絵付けガラス装飾層の占有面積は、より好ましくは、50%以下である。
上記絵付けガラス装飾層の膜厚は、より好ましくは、2〜10μmである。
また、上記ガラス組成物は、軟化点が650℃以下であることが好ましい。また、上記ガラス組成物は、SiO2、Al2O3、B2O3、Li2O、及びK2Oを必須成分として含有し、必要に応じてNa2O、CaO、SrO、BaO、ZnO、TiO2、ZrO2のうち1種以上を添加成分として含有し、750〜900℃で熱処理することにより熔着する無鉛ガラス組成物を用いることがより好ましい。
また、上記無機顔料は、上述した無機顔料を用いることができる。
この場合には、意匠性を損なうことなく、摩耗強度を維持することができる。
上記任意のパターンとしては、例えば、ドット状、ライン状、ある面積をもった石目状等がある。
本例は、本発明の実施例にかかる加熱調理器用ガラストッププレートについて、図1、及び図2を用いて説明する。
図1は、本例の加熱調理器用ガラストッププレートを示す断面図であり、図2は、加熱調理器用ガラストッププレートの裏側面から見た図である。
上記被覆層4上に無機顔料を含有する樹脂よりなる保護層61を配置することにより構成した遮光部6と、上記被覆層4上に透明の樹脂よりなる透明樹脂層51を配置することにより構成した透光部5とを有する。
上記透光部5において、ガラストッププレート1の下方に配置された光源81からの光を透過させ、上記遮光部6において光源81からの光を遮光するよう構成されている。
以下、これを詳説する。
また、上記透明樹脂層51を構成する透明樹脂層形成材料として、シリコーンワニスを用意した。
まず、導電素材として、球状の黒鉛粉末、鱗片状の黒鉛粉末、及びアセチレンブラックを準備した。球状の黒鉛粉末及び鱗片状の黒鉛粉末としては、いずれも平均粒径が15μmのものを用いた。また、ヴィヒクルとして、ポリエステルシリコーン樹脂を準備した。本例においてはポリエステルシリコーン樹脂として、信越化学工業株式会社製の「KR−5230」を用いた。
次いで、上述の球状黒鉛粉末:19重量部、鱗片状黒鉛粉末:19重量部、アセチレンブラック:15.5重量部、及びポリエステルシリコーン樹脂:46.5重量部を混合させることにより導電性カーボンペーストを作製した。
その後、上記パール調層3上に、上記被覆層形成材料をステンレス250メッシュで印刷した。その後850℃で再度焼成して被覆層4を形成した。
また、上記被覆層4上の、透光部5となる部分に、上記シリコーンワニスをテトロン250メッシュで印刷した。
その後250℃でキュアし、遮光部6を構成する保護層61、電極部7を構成するカーボン電極層71(電極、配線回路等)、透光部5を構成する透明樹脂層51を形成し、天面操作型加熱調理器用の加熱調理器用ガラストッププレート1を得た。
この際、上記透明樹脂層51の一部と、上記カーボン電極層71の一部は重なり合っていても良い。
本例は、図3に示すように、上記実施例1において作製した加熱調理器用ガラストッププレート1におけるパール調層3を1層で構成されるパール調層302に変更した加熱調理器用ガラストッププレート102を作製した例である。
本例において得られた加熱調理器用ガラストッププレート102は、白色を帯びたシルバーの色調を呈した。
本例は、図4に示すように、上記実施例1において作製した加熱調理器用ガラストッププレート1の基板2の調理面21に絵付けガラス装飾層82を形成した例である。
本例の加熱調理器用ガラストッププレート103を作製するに当たっては、まず、絵付けガラス装飾層82を形成するための装飾層形成材料として、ガラスフラックス80質量%と、有機バインダー100質量%と、無機顔料20質量%とを混合するペースト材料を用意した。
その後、実施例1と同様にして、上記基板2の裏側面22に対して、パール調層3、被覆層4、保護層61、透明樹脂層51、及びカーボン電極層71を形成し、加熱調理器用ガラストッププレート103を得た。
本例において得られた加熱調理器用ガラストッププレート103は、実施例1と同じく、白味を強く帯びたシルバーの色調を呈した。
本例は、図5に示すように、上記実施例3において作製した加熱調理器用ガラストッププレート103におけるパール調層3を1層で構成されるパール調層302に変更した加熱調理器用ガラストッププレート104を作製した例である。つまり、上記実施例2において作製した加熱調理器用ガラストッププレート1の基板2の調理面21に、上記実施例3と同様の絵付けガラス装飾層82を形成した例である。
本例において得られた加熱調理器用ガラストッププレート104は、実施例2と同じく、白味を帯びたシルバーの色調を呈した。
本例は、上記実施例1におけるパール調層形成材料を変更して加熱調理器用ガラストッププレートを作製した例である。
具体的には、本例では、パール調層形成材料として、それを用いて基板にパール調層のみを形成した際の可視光透過率が28%となるパール調絵具を用いた。具体的には、上記パール調絵具は、市販の白色パール調材料(粒径4〜50μm)12質量%とシリコーン樹脂15質量%及びアクリル樹脂73質量%からなる。
本例において得られた加熱調理器用ガラストッププレートは、わずかな青味を帯びたシルバーブルーの色調を呈した。
本例は、上記実施例1における被覆層形成材料を変更して加熱調理器用ガラストッププレートを作製した例である。
具体的には、本例では、被覆層形成材料として、それを用いて基板に被覆層のみを形成した際の可視光透過率が15%となるAu、Ti、Bi等からなる有機金属酸化物の希釈溶液を用いた。
本例において得られた加熱調理器用ガラストッププレートは、わずかな青味を帯びたグレーシルバーの色調を呈した。
本例は、本発明の比較例としての加熱調理器用ガラストッププレートについて説明する。
図6に示すように、本例の加熱調理器用ガラストッププレート901は、上記実施例1の加熱調理器用ガラストッププレート1における透光部5に、透明樹脂層51を配置しない構成としたものである。
本例において得られた加熱調理器用ガラストッププレート901は、白味を強く帯びたシルバーの色調を呈した。
本例では、図7に示すように、上記実施例1の加熱調理器用ガラストッププレート1における保護層61を形成していない構成を有する加熱調理器用ガラストッププレート902を作製した。
本例において得られた加熱調理器用ガラストッププレート902は、白味を強く帯びたシルバーの色調の色調を呈した。
本例では、図8に示すように、上記実施例1の加熱調理器用ガラストッププレート1におけるパール調層3を形成していない構成を有する加熱調理器用ガラストッププレート903を作製した。
本例において得られた加熱調理器用ガラストッププレート903は、パール調を呈しない青色の色調を呈した。
本例では、図9に示すように、上記実施例1の加熱調理器用ガラストッププレート1における被覆層4を形成していない構成を有する加熱調理器用ガラストッププレート904を作製した。
本例において得られた加熱調理器用ガラストッププレート904は、わずかに黒味を帯びたグレーシルバーの色調を呈した。
本例では、図10に示すように、基板2における裏側面22上に形成されたラスター層91と、該ラスター層91上に透光部6を有するように形成されたカーボン電極層71とを有する調理器用ガラストッププレート905を作製した。
本例の加熱調理器用ガラストッププレート905を作製するに当たっては、まず、上記実施例1と同様の基板2の裏側面22に、ステンレス250メッシュを用いて、黒色のラスターペーストL−900(商品名)を塗布した。その後、850℃にて焼成して、ラスター層91を形成した。上記ラスター層91は、厚みが2μmであった。
その後、上記ラスター層91上に、上記実施例1と同様の方法で電極部7を形成し、加熱調理器用ガラストッププレート905を得た。
本例において得られた加熱調理器用ガラストッププレート905は、ラスター層91の色彩である黒色を呈した。
本例は、図11に示すように、上記比較例5において得られる調理器用ガラストッププレート905における基板2とラスター層91との間にパール調層3を形成した例である。
本例の加熱調理器用ガラストッププレート906を作製するに当たっては、まず、上記実施例1と同様の基板2の裏側面22に対し、上記実施例1と同様の方法でパール調層3を形成した。その後、上記パール調層3上に、上記比較例7と同様の方法で、ラスター層91、及びカーボン電極層71を形成することにより、加熱調理器用ガラストッププレート906を作製した。
本例において得られた加熱調理器用ガラストッププレート906は、パール調層3のパール調効果に上記ラスター層91の色彩が影響したパール調のシルバーグレーを呈した。
上記実施例1〜実施例6、及び上記比較例1〜比較例6において得られた加熱調理器用ガラストッププレートについて、加熱調理器用ガラストッププレートの調理面における明度の測定、380nmから780nmの波長における加熱調理器用ガラストッププレートの透光部の透過率、上記透光部と上記遮光部との色差ΔE、及び電磁調理器内部部品の隠蔽性の評価を行った。
加熱調理器用ガラストッププレートの調理面における明度は、実施例1〜6、比較例1、2、及び比較例5、6において得られた加熱調理器用ガラストッププレートについて、エックスライト社製分光測色計X−rite SP60を用いて明度(L値)測定した。結果を表1に示す。
また、表1には、加熱調理器用ガラストッププレートの外観色も併せて示す。
透光部の透過率の測定は、実施例1〜6、比較例1、2、及び比較例5、6において得られた加熱調理器用ガラストッププレートの透光部について、日本分光社製JASCO V−570を用いて透過率の測定を行った。結果を表1に示す。
上記透光部と上記遮光部(保護層形成部)との色差ΔEは、実施例1〜6、比較例1〜3、及び比較例5、6において得られた加熱調理器用ガラストッププレートについて、エックスライト社製分光測色計X−rite sp60を用いて測定した。L、a、b値をそれぞれの部位で測定し、ΔE={(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2}1/2により算出した。
なお、上記遮光部が形成されていない加熱調理器用ガラストッププレート(比較例2、比較例5、及び比較例6)については、比較例2は、被覆層上に何も積層されていない部位と電極部あるいは透光部との色差を測定し、比較例5及び比較例6は、上記透光部と上記電極部との色差を測定した。
色差ΔEが1.5以下である場合を評価○とし、色差ΔEが1.5を超える場合を評価×とした。
電磁調理器内部部品の隠蔽性は、実施例1〜6、比較例1、2、及び比較例4〜6において得られた加熱調理器用ガラストッププレートについて、加熱調理器用ガラストッププレートを配した電磁調理器において、プレート上部(調理面)より内部部品が透過するかどうかを目視で判定することにより評価した。内部部品を十分に隠蔽できている場合には評価○とし、内部部品がうっすらと透過して確認できる場合には評価△とし、内部部品が明らかに透過して確認できる場合には評価×とした。評価が○の場合を合格、評価が△あるいは×の場合を不合格とした。
また、比較例2において得られた加熱調理器用ガラストッププレートは、保護層を配置していないため、電磁調理器内部部品の隠蔽性が不十分であり、光源発光時に周辺部に光が拡散し、意匠性に劣るものであった。また、被覆層上に何も積層していない部分と、透光部あるいは電極部との間に色差が生じており、不合格であった。
また、比較例4において得られた加熱調理器用ガラストッププレートは、被覆層を配置していないため、光源の未発光時に、保護層とカーボン電極層の濃色がやや透過してしまい、透光部と遮光部の色差ΔEが大きくなり、色差が不合格であった。
また、比較例6において得られた加熱調理器用ガラストッププレートは、パール調層上にラスター層を形成しているため、透光部の透過率が低く、光源発光時において、スイッチ部を明確に視認させるという機能において不十分であった。
衝撃試験は、上記加熱調理器用ガラストッププレートを実際に使用する場合に、プレート上に鍋等が落下したときを想定して行った。
それぞれの加熱調理器用ガラストッププレートについて、40cm×50cm角の大きさの板を用意し、角4箇所を2cmチップで支持し固定した。
そして、上記プレートに対して500gの硬球を落下させる試験を行った。落下の高さは50mmから開始し、50mm毎に高くして400mmまで行った。400mmをパスすれば、実用上問題のない強度である。
結果を表2に示す。表2において、400mmをパスした場合は○と表示した。
熱衝撃試験は、上記加熱調理器用ガラストッププレートを実際に使用する場合、プレートが600℃近くまで加熱されることがあるため、加熱されたトッププレートに水がこぼれたときを想定して行った。
それぞれの加熱調理器用ガラストッププレートについて、10cm角に切り出したプレートを用意した。
そして、上記プレートを620℃になるように炉で加熱し、これを20℃の水中に投下する試験を5回繰り返した。
結果を表3に示す。表3において、基板にクラックが発生しなかった場合(評価○)、及びパール調層が基板から剥がれなかった場合(評価○)は、実用上問題のない強度を有していると言える。
2 基板
21 調理面
22 裏側面
3 パール調層
4 被覆層
5 透光部
51 透明樹脂層
6 遮光部
61 保護層
81 光源
Claims (9)
- 加熱調理器の上部に配置されるガラストッププレートにおいて、
透光性低膨張ガラスセラミックスからなる基板と、該基板における調理面とは反対側の面である裏側面上に形成されたパール調層と、該パール調層上に形成された被覆層とを有し、
上記被覆層上に無機顔料を含有する樹脂よりなる保護層を配置することにより構成した遮光部と、
上記被覆層上に透明の樹脂よりなる透明樹脂層を配置することにより構成した透光部とを有し、
該透光部において、上記ガラストッププレートの下方に配置された光源からの光を透過させ、上記遮光部において上記光源からの光を遮光するよう構成されていることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。 - 請求項1において、上記光源の未発光時における、上記基板の調理面における上記透光部と上記遮光部との色差ΔEは1.5以下であることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
- 請求項1又は2において、上記透光部の可視光透過率は3.5%以上であることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記被覆層上にカーボン電極層を配置することにより構成した電極部を有することを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、上記調理面における明度(L値)が70以上であることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、上記パール調層は、パール調材料の含有量が10質量%超え30質量%以下であり、シリコーンレジン又はシリカ質ゾルが10質量%以上30質量%以下、有機バインダーが40質量%以上80質量%未満であるパール調絵具を上記基板に絵付焼成してなることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、上記被覆層は、上記パール調層上に有機金属化合物の希釈溶液を塗布し焼成してなることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
- 請求項1〜7のいずれか1項において、上記保護層は、耐熱樹脂と無機顔料を塗布し焼成してなることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
- 請求項4において、上記カーボン電極層は、導電性カーボンペーストを塗布し焼成してなることを特徴とする加熱調理器用ガラストッププレート。
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