JP2010142030A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
電流指令演算部を特徴としたベクトル制御と電圧位相操作型弱め界磁制御の切り替えを円滑に行うとともに、切り替え時における効率を改善させることにある。
【解決手段】
以下のいずれかもしくは複数を組み合わせることによって課題を解決する。1.通常制御から電圧位相操作型弱め界磁制御への切り替えに際し、中間的な電圧指令値Vdc*,Vqc*から求められる電圧位相を減少させる処理を備える。2.電圧位相操作型弱め界磁制御から通常制御へ戻る際に、d軸電流検出値を平均化した値をd軸電流指令演算部に入力する第1のd軸電流指令値とする。3.電圧位相操作型弱め界磁制御から通常制御へ戻る際に、d軸電流指令演算部のゲインを切り替える。4.通常制御,電圧位相操作型弱め界磁制御に加えて、モータ定数(抵抗,インダクタンス,発電定数)同定演算部を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ制御装置のベクトル制御に関するものである。
モータが回転することで発生する逆起電力が、電源電圧値よりも高くなる領域、いわゆる電圧飽和域でもモータ駆動を可能とする制御として、弱め界磁制御が広く知られている。空気調和機では、近年、高APF・高暖房力が強く求められている。高APFの実現には低速域の効率が大きく寄与するため、低速回転域で逆起電力が高くなる低速設計(低速域で効率が良い)モータが使用されるようになってきた。しかし、高暖房力を実現する必要もあるため、低速設計モータで高速域までモータを駆動させなければならない。とりわけ、空気調和機では低速設計モータを搭載した圧縮機を使用することで高APFを実現し、弱め界磁制御によって高回転化を図ることで高暖房力を実現している。弱め界磁制御域においても「高精度・高応答なトルク制御」を実現できる制御としては、電圧位相操作型の弱め界磁制御が開示されている(特許文献1)。
一方、電圧飽和域でない領域(通常領域)において高精度なトルク制御を実現できる方式としては、電流指令演算部を備えることを特徴としたベクトル制御がある(特許文献2)。
特開2007−252052号公報 特開2005−39912号公報
しかし、従来、電流指令演算部を備えることを特徴としたベクトル制御(通常制御)と電圧位相操作型弱め界磁制御の切り替えに際し、別段考慮されていなかった。従って、切り替え時に電圧と電流が乱れるという切り替えショックが発生する場合や、効率が悪くなる場合がある。
本発明の目的は、通常制御と電圧位相操作型弱め界磁制御との切り替えを円滑に行い、切り替え時における効率を改善させることで、低速域から高速域まで高精度で安定した制御を実現することにある。
課題を解決するための手段を以下の4項に大別して示す。
以下のいずれかもしくは複数を組み合わせることによって課題を解決する。
1.通常制御から電圧位相操作型弱め界磁制御への切り替えに際し、中間的な電圧指令値Vdc*,Vqc*から求められる電圧位相を減少させる処理を備える。
2.電圧位相操作型弱め界磁制御から通常制御へ戻る際に、d軸電流検出値を平均化した値をd軸電流指令演算部に入力する第1のd軸電流指令値とする。
3.電圧位相操作型弱め界磁制御から通常制御へ戻る際に、d軸電流指令演算部のゲインを切り替える。
4.通常制御,電圧位相操作型弱め界磁制御に加えて、モータ定数(抵抗,インダクタンス,発電定数)同定演算部を備える。
本発明によって、通常制御と電圧位相操作型弱め界磁制御の円滑な切り替えを行い、低速設計モータで低速域から高速域にわたって高精度・高応答かつ高効率で安定な制御を実現することができる。
以下に、本発明の実施例を示す。
図1は、本発明の第1実施例である永久磁石モータのベクトル制御装置の構成例を示す。
1は永久磁石モータ、
2は3相交流の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に比例した電圧を出力する電力変換器、
18は直流電源、
3は3相交流電流Iu,Iv,Iwを検出できる電流検出器、
4はモータ位置θを検出できる位置検出器、
5は位置検出値θcから周波数演算値ω1を演算する周波数演算部、
6は前記3相交流電流Iu,Iv,Iwの検出値Iuc,Ivc,Iwcと、モータの位置検出値θcからd軸およびq軸の電流検出値Idc,Iqcを出力する座標変換部、
7は出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgから、q軸の電流指令値と電流検出値との偏差、
ΔIqあるいは「ゼロ」を、位相誤差指令演算部8およびq軸電流指令演算部9に、それぞれどちらか出力するq軸の電流偏差切替部、
8はq軸の電流偏差切替部7の出力値ΔIq1から位相誤差の指令値Δθc*を出力する位相誤差指令演算部、
9はq軸の電流偏差切替部7の出力値ΔIq2から第2のq軸電流指令値Iq**を出力するq軸電流指令演算部、
10は出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「1」のとき、d軸電流指令切替部12に入力する第2のd軸電流指令値を演算する第2のd軸電流指令フィルタ処理演算部、
11は出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「0」のとき、d軸の電流指令値と電流検出値との偏差ΔIdから第2のd軸電流指令切替部12に入力する第2のd軸電流指令値を演算するd軸電流指令演算部11、
12は電圧ベクトル演算部14に入力する第2のd軸電流指令値Id**を第2のd軸電流指令フィルタ処理演算部10の出力値とd軸電流指令演算部11の出力値のどちらかに切り替える第2のd軸電流指令切替部、
13は電圧指令値Vdc**,Vqc**から電力変換器の出力電圧値V1 *を演算し、出力電圧値V1 *が電力変換器2の直流電圧値より決定される電圧制限値V1 * maxより小さい場合は、出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgを「0」、出力電圧値V1 *がV1 * maxに到達した場合は、出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgを「1」、に設定する出力電圧制限検出部、
14はモータ1の電気定数と第2の電流指令値Id**,Iq**および周波数演算値ω1,位相誤差指令値Δθc*に基づいて電圧指令値Vd**,Vqc**を演算する電圧ベクトル演算部、
15は電圧指令値Vdc**,Vqc**と位置検出値θcから3相交流の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を出力する座標変換部である。
なお、レゾルバやエンコーダなどの位置検出器4を省略した位置センサレス制御の場合でも以下に示す詳細と同様の効果が得られることは明らかである。
また、6のような3相交流電流を検出できる高価な電流検出器でなく、電力変換器2の入力母線に流れる直流電流IDCからモータに流れる3相の交流電流Iu,Iv,Iwを推定する電流センサレス方式においても、以下に示す詳細と同様の効果が得られる。
以下、電圧位相操作型弱め界磁制御方式の基本動作および通常制御と弱め界磁制御の切り替え方法を説明する。
位置検出値θcは、レゾルバやエンコーダなどの位置検出器4において、モータの位置θを検出して得られる。
周波数演算部5では、この位置検出値θcを用いて、(数1)により、周波数演算値ω1を求める。
Figure 2010142030
図1中の出力電圧制限検出部13では、(数2)により、d軸およびq軸の電圧指令値Vdc**,Vqc**を用いて出力電圧値V1 *を演算する。
Figure 2010142030
さらに、V1 *と電圧制限値V1 * maxを用いて(数3)に従い、出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgを作成する。
Figure 2010142030
この出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgによって、トルク発生を司る制御をq軸電流指令演算部9と位相誤差指令演算部8とで切り替える。その詳細は次のとおりである。
出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「0」のときは、位相誤差指令演算部8には「ゼロ」が入力され、
q軸電流指令演算部9には第1のq軸電流指令値Iq*と電流検出値Iqcの偏差ΔIqが入力される。
q軸電流指令演算部9では、ΔIqを比例積分演算し、第2のq軸電流指令値Iq**
出力する。
電圧ベクトル演算部14では、第2のd軸,q軸の電流指令値Id**,Iq**とモータ定数,周波数演算値ω1を用いて、中間的な電圧指令値Vdc*,Vqc*を(数4)に従って演算する。
Figure 2010142030
ここで、
*:抵抗の設定値
Ke*:誘起電圧定数の設定値
Ld*:d軸インダクタンスの設定値
Lq*:q軸インダクタンスの設定値
である。
出力電圧値V1 *が制限されていない領域では、位相誤差指令値Δθc*=0であり、(数4)によって演算されるVdc*(=Vdc**),Vqc*(=Vqc**)が電力変換器の電圧指令値となるため、q軸電流指令演算部がトルク発生の指令を司る。
次に、出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「1」のときは、q軸電流指令演算部9には「ゼロ」が入力され、出力値である第2のq軸電流指令値Iq**は更新されず、前回値を保持した状態となる。
位相誤差指令演算部8には第1のq軸電流指令値Iq*と電流検出値Iqcの偏差ΔIqが入力される。
位相誤差指令演算部8では、ΔIqが「ゼロ」になるようにΔIqを比例積分演算し、その演算値を位相誤差指令値Δθc*として出力する。
前記位相誤差指令値Δθc*を用いて、電圧指令値の位相を大きくすることで、弱め界磁制御が実現できる。
図2に電圧位相操作の概略図を示す。
新しい電圧指令値の位相は、(数4)のベクトル演算式Vdc*,Vqc*から求められる電圧値V1の電圧位相θV1 *から、位相誤差指令値Δθc*だけ増加したものとなる。
実際の演算では(数4)と位相誤差指令値Δθc*を用いて、新しい電圧指令値であるVdc**,Vqc**を(数5)に従って求め、Vdc**,Vqc**で電力変換器の出力電圧値を制御する。
Figure 2010142030
この方式の場合、電圧位相を直接操作するため、d軸電流指令値Id*を制御して弱め界磁制御を実現する場合よりモータトルクが高応答で安定な制御を実現できる。
一方、d軸電流指令演算部では、出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「0」のとき、第1のd軸電流指令値Id*と電流検出値Idcの偏差ΔIdがd軸電流指令演算部11に入力される。
d軸電流指令演算部11では、ΔIdを比例積分演算した結果を出力する。
出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「0」のとき、第2のd軸電流指令切替部12は前記の出力を第2のd軸電流指令値Id**として出力する。
q軸電流指令演算部9およびd軸電流指令演算部11では、電圧ベクトル演算部14で設定するモータ定数(抵抗,インダクタンス,発電定数)が実値と一致していなくとも、検出電流値を電流指令値に一致させるように第2の電流指令値を出力する。
電流指令制御を備えることを特徴としたベクトル制御は、モータ定数設定値と実値とのズレを補う機能を有している電流指令演算部9、および11によって出力電圧を制御し、トルク不足なしの制御を実現できることに利点がある。
しかし、図3に示すように、電圧位相は(数4)に従い、補正値を含んだ第2のd軸,q軸電流指令値Id**,Iq**から求められるため、電圧位相操作型弱め界磁制御に移行する際に、本来の電圧位相ではない可能性がある。
前記の場合、無効電流と有効電流の配分が変わるため、効率が異なる場合がある。
ポイントとしては、モータ定数ズレによる位相のズレをなくし、本来の位相に戻すことに特徴がある。
出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「0」のとき、電圧ベクトル演算部14に入力する第2のd軸電流指令値Id**を第2のd軸電流指令フィルタ処理演算部10に入力しておく。
出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「1」となると、第2のd軸電流指令フィルタ処理演算部10への入力値を「ゼロ」とし、一次遅れフィルタ処理演算を行う。出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「1」のとき、第2のd軸電流指令切替部12は第2のd軸電流指令フィルタ処理演算部10の出力を第2のd軸電流指令値Id**に切り替える。
図4に、弱め界磁制御へ移行する際の第1のd軸電流指令値Id*,第2のd軸電流指令値Id**,d軸電流検出値Idc,電圧位相指令値ΔθV * setを示す。
第2のd軸電流指令値Id**は、出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「1」になると、モータ定数ズレを補正しない場合の本来の値(およそ「ゼロ」)に徐々に戻り、それに伴って電圧位相指令値ΔθV * setは本来の位相に戻る。
その後、電圧位相指令値ΔθV * setは位相誤差指令値Δθc*に従って増加し、弱め界磁制御が実現される。
Id**は第2のd軸電流指令フィルタ処理演算部10に設定されている時定数に従い、徐々に変化するため、切り替え時におけるショックは発生しない。
一方、弱め界磁制御から通常制御へ移行する際は、第1のd軸電流指令切替部16において、第1のd軸電流指令フィルタ処理演算部17への入力を、d軸電流検出値Idcから「ゼロ」へ切り替える。
図5に前記切り替え時の第1のd軸電流指令値Id*,第2のd軸電流指令値Id**,d軸電流検出値Idc,電圧位相指令値ΔθV * setを示す。
第1のd軸電流指令値Id*は、d軸電流検出値Idcを1次遅れフィルタ処理した値から徐々に「ゼロ」へ変化する。
前記の方法によって、d軸電流指令演算部11においてd軸電流検出値Idcと第1のd軸電流指令値Id*との偏差をなくすために極端に大きな第2のd軸電流指令値Id**を出力することがないため、電流・電圧が急変しない安定した制御が実現できる。
図6に本発明の第2実施例を示す。
図において、1〜15,18は図1のものと同じである。
19はd軸電流指令演算用ゲイン切替部である。
19において、ゲイン1>ゲイン2である。
19では、出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「1」から「0」となったときのみゲイン2をd軸電流指令演算部11に設定する。
前記の方法によって、弱め界磁制御から通常制御への切替時にd軸電流検出値Idcと第1のd軸電流指令値Id*との偏差が大きい場合でも、d軸電流指令演算部11は極端に大きな電流指令値を出力することがなく、安定した制御となる。
図7に本発明の第3実施例を示す。
図において、1〜9,11〜18は図1と同じである。
20は入力値である第2のd軸電流指令値Id**の一次遅れフィルタ処理を行う位相補償用フィルタ処理演算部、
21は、位相補償用フィルタ処理演算部の出力Id** filを比例積分演算し、位相補償指令値Δθ* adjを出力する位相補償指令演算部である。
図8にdq軸上で表した電圧位相を示す。
出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「1」になる際、第2のd軸電流指令切替部12において第2のd軸電流指令値Id**を「ゼロ」に切り替えることで電圧位相のズレ(Δθ0)を元に戻す。
その際、電圧位相が瞬時に戻ろうとするところを、位相補償指令値Δθ* adjで抑制し、位相補償指令値Δθ* adjの変化に伴って徐々に変化するよう調整する。
図9に前記切り替え時の第1のd軸電流指令値Id*,第2のd軸電流指令値Id**,d軸電流検出値Idc,電圧位相指令値ΔθV * set,位相補償指令値Δθ* adjを示す。
電圧位相指令値ΔθV * setは、位相補償指令値Δθ* adjに従って徐々に減少し、その後弱め界磁制御用の位相誤差指令値Δθc*によって増加し、弱め界磁制御に移行していく。
弱め界磁制御から通常制御へ移行する際は、図7に示すように、第1実施例と同じく第1のd軸電流指令切替部16および第1のd軸電流指令フィルタ処理演算部17を備え、ΔIdを小さくし、第2のd軸電流指令値Id**の急変をなくすことで、円滑に切り替える。
弱め界磁制御から通常制御へ移行する際の補償手段は、第1のd軸電流指令切替部16および第1のd軸電流指令フィルタ処理演算部17ではなく、第2実施例(図6)に示すd軸電流指令演算用ゲイン切替部19によってゲインを切り替える手段でもよい。
図10に本発明の第4実施例を示す。
図において、1〜9,11,13〜15,18は図1と同じ、20,21は図7と同じである。
22は出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgから、d軸電流指令演算部11に出力するd軸の電流偏差をd軸の電流指令値と電流検出値との偏差ΔIdあるいは「ゼロ」とで切り替える、d軸電流偏差切替部である。
出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「1」のとき、偏差「ゼロ」がd軸電流指令演算部11に入力されるため、出力値である第2のd軸電流指令値Id**は更新されず、前回値を保持した状態となる。
23は、出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「0」から「1」に変化したときのみ第2のd軸電流指令値Id**を位相補償用フィルタ処理演算部20に入力する設定部である。
本実施例の位相補償指令演算部21は、位相補償用フィルタ処理演算部20によって一次遅れフィルタ処理された値Id** filを比例制御し、モータ定数のズレによってずれている電圧位相を本来の位相に戻す補償値Δθ* corを出力する。
電圧位相指令値ΔθV * setは、Vdc*およびVqc*から求められる電圧位相θV1 *と位相誤差指令値Δθc*と位相補償指令値Δθ* corを加算した値となる。
図11にdq軸上で表した電圧位相を示す。
図12に切り替え時の第1のd軸電流指令値Id*,第2のd軸電流指令値Id**,d軸電流検出値Idc,Vdc*およびVqc*から求められる電圧位相θV1 *,位相誤差指令値Δθc*,位相補償指令値Δθ* cor,電圧位相指令値ΔθV * setを示す。
出力電圧制限フラグV1 * lmt_flgが「0」から「1」に変化した直後においては、位相補償指令値Δθ* corの変化量が支配的であり、電圧位相指令値ΔθV * setは本来の位相に戻る。
その後、位相誤差指令値Δθc*に従って電圧位相指令値ΔθV * setが増加し、弱め界磁制御が実現する。
本実施例の場合、電圧位相のみを操作するだけでd軸側の電流指令値は「ゼロ」のままでよい。
図13に本発明の第5実施例を示す。
図において、1〜9,11,13〜15,18,22は図10と同じである。
24は、モータ定数(抵抗R,インダクタンスL,発電定数Ke)を同定するモータ定数群同定演算部である。
24の同定結果を用いて、(数4)に従って電圧ベクトル演算部14において出力電圧を決定する。
それにより、弱め界磁制御に移行する際、第2のd軸,q軸電流指令値Id**,Iq**をベクトル演算して求められる電圧位相にずれは生じないため、効率が変化することなく制御を切り替えることができる。
図14に本発明の第6実施例を示す。
図14は、本発明の第1〜5実施例を空気調和機の圧縮機用モータ制御装置に用いた全体構成図である。
図14は、交流電源25を整流する整流回路27と、昇圧及び平滑するコンバータ回路28と、このコンバータ回路から出力される直流電圧を基に永久磁石同期モータ30の回転数を制御するインバータ回路29と、インバータ回路29を制御するマイクロコンピュータ34を主要構成要素として構成されている。
コンバータ回路28は、交流電源25の交流電圧を直流電圧に変換する整流回路27と、電源電圧を昇圧または力率改善する回路を有し、平滑コンデンサにて構成されている。
整流回路27は、ダイオードブリッジ26を備えて構成され、交流電源25の出力側に接続されている。この整流回路27は、交流電源25の交流電圧を直流電圧に整流する。
インバータ回路29は、コンバータ回路28にて生成された直流電圧を基に負荷となる永久磁石同期モータ30の回転数を制御するための、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)29a及びダイオード29bと、このIGBT29aの通電時に流れる直流電流を検出するシャント抵抗31を備えて構成されている。シャント抵抗31はIGBT29aに直列に接続されている。なお、IGBT29aの通電率の調整は制御装置34により行われる。
制御装置34はマイクロコンピュータ(マイコン)で構成されている。この制御装置34は、IGBT29aの通電率を制御するためのA/D(Analog/Digital:アナログ/デジタル)変換手段34a,PWM出力手段34b及びインバータ制御手段34cを備えて構成されている。
A/D変換手段34a,PWM出力手段34b及びインバータ制御手段34cによるインバータ回路29の制御について説明する。
インバータ回路29のシャント抵抗31にて検出された電源電流の瞬時値を増幅器32にて増幅し、この増幅器にて増幅された電源電流の瞬時値をA/D変換手段34aを介してインバータ制御手段34cに取り込む。インバータ制御手段34cとは、第1〜5実施例にて説明したモータ駆動制御を搭載することである。
以上の構成によって、空気調和機圧縮機用モータを駆動した際、通常制御と電圧位相操作型弱め界磁制御の切り替え時に、電圧・電流の乱れや回転数変動,モータ異音が発生しない安定した制御となり、低速設計モータで低速域から高速域にわたり高精度・高応答かつ高効率なインバータ制御で空気調和機圧縮機用モータ駆動が実現する。
本発明の第1実施例を示す制御ブロック図である。 電圧位相操作型弱め界磁制御の電圧位相の変化を示すベクトル図である。 Id**,Iq**から求められる電圧位相と本来の位相との関係を示すベクトル図である。 本発明の第1実施例における弱め界磁制御への移行時の電流,電圧の変化を図示したものである。 本発明の第1実施例における通常制御への移行時の電流,電圧の変化を図示したものである。 本発明の第2実施例を示す制御ブロック図である。 本発明の第3実施例を示す制御ブロック図である。 本発明の第3実施例における電圧位相の変化を示すベクトル図である。 本発明の第3実施例における弱め界磁制御への移行時の電流,電圧の変化を図示したものである。 本発明の第4実施例を示す制御ブロック図である。 本発明の第4実施例における電圧位相の変化を示すベクトル図である。 本発明の第4実施例における弱め界磁制御への移行時の電流,電圧の変化を図示したものである。 本発明の第5実施例を示す制御ブロック図である。 本発明の第6実施例を示す制御ブロック図である。
符号の説明
1 永久磁石モータ
2 電力変換器
3 電流検出器
4 位置検出器
5 周波数演算部
6,15 座標変換部
7 q軸電流偏差切替部
8 位相誤差指令演算部
9 q軸電流指令演算部
10 第2のd軸電流指令フィルタ処理演算部
11 d軸電流指令演算部
12 第2のd軸電流指令切替部
13 出力電圧制限検出部
14 電圧ベクトル演算部
16 第1のd軸電流指令切替部
17 第1のd軸電流指令フィルタ処理演算部
18 直流電源
19 d軸電流指令演算用ゲイン切替部
20 位相補償用フィルタ処理演算部
21 位相補償指令演算部
22 d軸電流偏差切替部
23 位相補償用フィルタ処理演算部20のフィルタワーク設定部
24 モータ定数群同定演算部
Id* 第1のd軸電流指令値
Id** 第2のd軸電流指令値
Idc d軸電流検出値
Iq* 第1のq軸電流指令値
Iq** 第2のq軸電流指令値
Iqc q軸電流検出値
1 * 出力電圧値
θV1 * 電圧位相tan-1(Vdc*/Vqc*
θd 本来の電圧位相
Δθc* 弱め界磁制御用位相誤差指令値
Δθv * set 電圧位相指令値tan-1(Vdc**/Vqc**
Δθ* adj 位相急変抑制用の位相補償指令値
Δθ* cor 本来の位相に戻すための位相補償指令値

Claims (9)

  1. 永久磁石モータを駆動する電力変換器の出力電圧指令値を制御する永久磁石モータのベクトル制御装置において、
    d軸およびq軸の電流指令値と、d軸およびq軸の電流検出値との偏差を比例積分制御することによって第2の電流指令値を出力する電流指令演算部を備えるベクトル制御手段と、
    前記電力変換器の出力電圧値が制限された場合に、q軸の電流指令値とq軸の電流検出値との偏差により弱め界磁制御用の電圧位相値を作成する演算部を有し、前記電力変換器の出力電圧指令値を補償する弱め界磁ベクトル制御手段と、
    前記ベクトル制御手段と弱め界磁ベクトル制御手段とを切り替える手段と、を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1のモータ制御装置において、
    前記ベクトル制御の切り替え時に、電圧および電流が乱れることなく切り替える補償手段を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1のモータ制御装置において、
    前記ベクトル制御の切り替え時に、切り替え時の効率を向上させる手段を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項1のモータ制御装置において、
    前記ベクトル制御の切り替え時に、モータから異音が発生することなく安定した状態で切り替えることが可能であることを特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項2乃至4の何れか1項記載のモータ制御装置において、
    前記ベクトル制御の切り替え時に、前記電力変換器の出力電圧指令値の位相を減らすことを特徴とするモータ制御装置。
  6. 請求項2乃至4の何れか1項記載のモータ制御装置において、
    前記ベクトル制御の切り替え時の電圧位相値を電圧ベクトル演算部に入力するd軸電流指令値から演算することを特徴とするモータ制御装置。
  7. 請求項2乃至4の何れか1項記載のモータ制御装置において、
    前記ベクトル制御の切り替え時に、d軸観測電流をフィルタ処理した値を第1の電流指令値として電流指令演算部に入力することを特徴とするモータ制御装置。
  8. 請求項2乃至4の何れか1項記載のモータ制御装置において、
    前記ベクトル制御の切り替え時に、電流指令演算部のゲインを切替可能とすることを特徴とするモータ制御装置。
  9. 請求項1のモータ制御装置において、
    モータ定数(抵抗,インダクタンス,誘起電圧)同定演算部でモータ定数補償値を算出し、その結果を電圧ベクトル演算式に用いることによって前記出力電圧指令値の位相と本来の位相とのズレを生じさせないようにすることを特徴とするモータ制御装置。
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